JPH10323704A - 板材の圧延機及び圧延方法 - Google Patents

板材の圧延機及び圧延方法

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JPH10323704A
JPH10323704A JP9136557A JP13655797A JPH10323704A JP H10323704 A JPH10323704 A JP H10323704A JP 9136557 A JP9136557 A JP 9136557A JP 13655797 A JP13655797 A JP 13655797A JP H10323704 A JPH10323704 A JP H10323704A
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JP
Japan
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edge drop
amount
roll
rolling
cross
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Application number
JP9136557A
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English (en)
Inventor
Junichi Tateno
純一 舘野
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Yukio Yarita
征雄 鑓田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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  • Control Of Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の板厚プロフィルの被圧延材に対して、
エッジドロップを確実に低減し、幅方向全体に亘って均
一な板厚に圧延する。 【解決手段】 ロール端部にテーパが付けられた第1ス
タンドの上下ワークロールをクロスするクロス操作装置
12を備えた板材の圧延機であって、被圧延材のエッジ
ドロップを修正するのに必要なクロス角度を、母板プロ
フィル検出値及びその目標値とに基づいて求めると共
に、求めたクロス角度を前記クロス操作装置12に出力
して、前記クロス角度に上下ワークロール10をクロス
する制御装置14を備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材を圧延する
際、特に冷間圧延等において鋼板等の板材を圧延する
際、エッジドロップを改善し、幅方向の板厚分布を全体
に亘って均一にすることができる、板材の圧延機及び圧
延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延中の板材(被圧延材)に生じる幅方
向の板厚偏差のうち、特に幅方向の両端部における急激
な板厚減少はエッジドロップと呼ばれている。圧延によ
り、幅方向の板厚分布を均一にして良好な被圧延材を得
るためには、このエッジドロップを低減させる必要があ
る。
【0003】このような板材に生じるエッジドロップを
低減する制御方法として、例えば、特開昭54−118
364には、先細り部(テーパ部)を両側端部に有する
ワークロール(以下、WRと略記することもある)を使
用して板端部でのエッジドロップを改善して圧延する方
法が開示されている。
【0004】又、特公平2−34241には、作業ロー
ル(ワークロール)のロール軸方向へのシフト機構を備
え、且つ、そのワークロールが片側端部に先細り研削を
施したテーパ部を有している圧延機において、その入側
における母板の板厚プロフィル(幅方向板厚分布)と、
上下ワークロール間のロールギャップ分布及び該ロール
ギャップ分布の被圧延材への転写率から、圧延機出側の
板厚プロフィルを推定し、この推定値と目標板厚プロフ
ィルとを照合して、両者の差が最小となる位置にワーク
ロールをシフトする方法が開示されている。
【0005】又、文献「板クラウン・エッジドロップ制
御特性」(第45回塑性加工連合講演会予稿集,P40
3−406,1994)には、上下のワークロールをそ
れぞれの側のバックアップロールと共にクロスすること
により、上下のワークロール間に幅方向中央から板端に
向かって生じる放物線状のロールギャップによって板厚
プロフィル(幅方向板厚分布)を均一にする効果がある
ことが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭54−118364に開示されている技術には、ワ
ークロールのテーパは圧延前に研磨で付与されるもので
あり、そのまままでは圧延中にテーパの量や形状等を変
更することは不可能である。又、通常、ワークロールは
圧延材(コイル)1本毎に交換するものではなく、数十
本の圧延に供されるものである。そのため、数十本ある
コイルの連続圧延において、母板のエッジドロップが大
きいばあいにはエッジドロップの改善が不充分であった
り、母板のエッジドロップが小さい場合には、板端部が
過厚となってしまう等の問題が生じてくる。
【0007】又、特公平2−34241に開示されてい
る方法では、テーパを付与したワークロールをロール軸
方向にシフトしてロール間ギャップを変更するための機
構を備えなければならず、しかも、この機構は、ワーク
ロールをシフトさせる際に、該ワークロールと被圧延材
及びバックアップロールとの接触面において、シフト方
向とは反対方向に作用する力を受けることになるため、
非常に大きなシフト力を与えられるようにする必要があ
ることから、大掛かりな装置になってしまうという問題
がある。更に、ワークロールをシフトさせる際には、上
記のようにワークロールが上下両面で反対方向に作用す
る力に逆らって動作するため、シフト速度は非常に遅
く、所望の位置にシフトするまでに時間がかかってしま
い、その結果、エッジドロップに関してのオフゲージ部
分が長くなってしまうという問題もある。
【0008】又、前記文献「板クラウン・エッジドロッ
プ制御特性」に開示されている方法では、板幅中央から
板端に向かって生じる放物線状のロールギャップは緩や
かに広がっていくため、いわゆるボディクラウン(板ク
ラウン)を改善する効果はあるが、板幅端部での板厚偏
差であるエッジドロップを低減する効果は小さい。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、種々の板厚プロフィルの被圧延材に
対して、板材の幅方向の両端部に生じる急激な板厚減小
であるエッジドロップを確実に低減でき、幅方向全体に
亘って均一な板厚に圧延することができる、板材の圧延
機及び圧延方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、板材の圧延機
において、ロールバレル端部の少なくとも一方に先細り
部を設けた上下一対のワークロールと、前記上下一対の
ワークロールを互いにクロスするクロス手段と、被圧延
材のエッジドロップ量を修正するのに必要なクロス角度
を求めると共に、求めたクロス角度を前記クロス手段に
出力して、前記クロス角度に上下ワークロールをクロス
する制御手段と、を備えたことにより、前記課題を解決
したものである。
【0011】本発明は、又、前記板材の圧延機におい
て、前記制御手段が、予め定めたクロス角度と、先細り
部を付与したことによるロールギャップ変化量に対する
エッジドロップ変化量との関係に関するデータを保持
し、被圧延材のエッジドロップ量を目標値にまで修正す
るのに必要となるエッジドロップ修正量を算出し、該エ
ッジドロップ修正量とロールギャップ変化量に対するエ
ッジドロップ変化量との関係、並びに、前記クロス角度
とロールギャップ変化量に対するエッジドロップ変化量
との関係に基づいて、被圧延材のエッジドロップ量を修
正するのに必要なクロス角度を求めるようにしたもので
ある。
【0012】本発明は、又、板材の圧延方法において、
ロールバレル端部の少なくとも一方に先細り部を設けた
上下一対のワークロールと、前記上下一対のワークロー
ルを互いにクロスするクロス手段とを備えた圧延機によ
り、前記先細り部の始端部が被圧延材の板端より内側に
位置するように配置し、上下ワークロールのクロス角度
を操作して被圧延材を圧延する際に、クロス角度と、先
細り部を付与したことによるロールギャップ変化量に対
するエッジドロップ変化量との関係を予め定めておき、
被圧延材のエッジドロップ量を目標値にまで修正するの
に必要となるエッジドロップ修正量を算出し、該エッジ
ドロップ修正量とロールギャップ変化量に対するエッジ
ドロップ変化量との関係、並びに、前記クロス角度とロ
ールギャップ変化量に対するエッジドロップ変化量との
関係に基づいて、被圧延材のエッジドロップ量を修正す
るのに必要なクロス角度を求め、該クスロ角度に上下ワ
ークロールをクロスすることにより、同様に前記課題を
解決したものである。
【0013】まず、ここで本発明で使用するロールの一
例として両側端部にテーパ(先細り部)を付与した上下
ワークロールについてのクロスの概念を、図1、図2を
用いて明確にしておく。
【0014】上記ワークロールは、図1に圧延機を正面
から見た状態を、被圧延材Sと共に概念的に示したよう
に、上下ワークロールそれぞれのバレル両側端部にテー
パが付与されている。このテーパ部分は、被圧延材Sの
板端より内側にテーパ始端部が位置し、端部に向って先
細るように研削されている。
【0015】又、上記クロスは、図2に圧延機を上から
見た状態のワークロールを概念的に示したように、上下
両ワークロールを互いに交差させる操作で、クロス角度
θは上下の両ワークロールの軸の成す角度の1/2であ
る。
【0016】本発明者等は、ロール端部にテーパを付与
したワークロールを用いて、上下ワークロールを所定量
クロスさせて圧延を行い、鋭意検討した結果、上下ワー
クロールを所定量クロスさせると、ロールギャップ変化
量に対するエッジドロップ変化量に当たる、(1)式で
表される転写率が変わることを実験的に見いだし、本発
明を完成させたものである。
【0017】 転写率=(エッジドロップ変化量/ロールギャップ変化量)×100% …(1) ここで、転写率について説明すると、ロールギャップは
無負荷時における上ロールと下ロールとの間隔であっ
て、ワークロールの幅方向中心を基準値としており、ロ
ールギャップ変化量は、クロス角度を一定にしておい
て、テーパを付与していないフラットワークロールか
ら、テーパを付与したテーパワークロールに変更した場
合のロールギャップの変化量である。
【0018】このロールギャップ変化量を、例えば、ロ
ールギャップとテーパの有無との関係を、フラットワー
クロール(図ではフラットWR)と、テーパ始端部が板
端から50mm内側に位置するテーパワークロール(図
ではテーパWR)の場合について概念的に示した図3を
用いて説明する。
【0019】クロス角度が0°では、フラットワークロ
ールのロールギャップは常に零であるから、クロス角度
が0°のテーパワークロールにした場合のロールギャッ
プ変化量は、板端からの距離25mmにおいて、図3の
イで示される。同様に、クロス角度がθ1では、フラッ
トワークロールのロールギャップが破線に当るとする
と、テーパワークロールにした場合のロールギャップ変
化量は、同図のロで示される。
【0020】又、エッジドロップ変化量は、所定のクロ
ス角度において、フラットワークロールで圧延した場合
のエッジドロップ量と、テーパワークロールで圧延した
場合のエッジドロップ量との差である。ここで、エッジ
ドロップ量とは、板端部での幅方向板厚偏差であり、例
えば板端部100mm位置等の板端部でのある基準位置
における板厚との偏差で定義される。
【0021】図4は、上下ワークロールを所定量クロス
させると、(1)式で表される転写率が変わる一例を示
した線図であり、ブリキ用鋼板の圧延において、テーパ
ワークロールを用いて、そのクロス角を0から0.1°
間隔で0.5°まで変え、それぞれのクロス角度におい
て、横軸に示す板端からの各距離の点における転写率を
示したものである。
【0022】この図4では、ロール両側端部に付与した
テーパの始端部は、前記のように板端より50mm内側
に相当する位置であり、テーパ量は半径当り1/600
の勾配を持つ先細り形状である。この図より、同一のテ
ーパ量のワークロールであるにも拘らず、クロス角を大
きくすると、ワークロールのテーパ部分に相当する位置
では転写率が大きくなることが分かる。
【0023】このように転写率が変化する理由は、テー
パワークロールをクロスさせて圧延することにより、荷
重分布が板端部で減少するようになると共に、板端部で
の張力が増大して材料がロールギャップにより充満する
ような作用があるためと考えられる。
【0024】以上説明した如く、テーパワークロールを
クロスさせて圧延することによって、同一のテーパ量の
ワークロールでも転写率が可変となり、テーパ量の大き
さを可変にすることと実質上同等の効果が得られること
が明らかになった。又、クロス操作は高速に行えるた
め、ワークロールシフトのように希望する位置にシフト
するまでに時間がかかり、エッジドロップに関してのオ
フゲージ部分が長くなってしまうという問題の発生も回
避できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について詳細に説明する。
【0026】図5は、本発明に係る第1実施形態の圧延
機を含む圧延設備の概略構成を示す、ブロック図を含む
側面図である。
【0027】本実施形態で用いられる圧延設備は、第1
スタンドにおいてロールの両側端部にテーパが付与され
たワークロールを用いて、その上下ワークロールを互い
にクロスするクロス機構を備えた圧延機が設置された、
全体で6スタンドからなる冷間タンデム式圧延機であ
る。
【0028】上記タンデム式圧延機では、両側端部にテ
ーパが付与された、第1スタンドの上下ワークロール1
0を所定角度にクロスする第1スタンドクロス操作装置
12と、該クロス操作装置12に制御信号を出力する第
1スタンド制御装置14とを備えている。
【0029】この制御装置14は、前工程の熱間圧延機
出側に設置されている母板板厚プロフィル検出装置16
で測定された被圧延材の母板板厚プロフィルの情報と、
板厚プロフィル目標値設定装置18で設定された板プロ
フィルの目標値とが入力されると、第1スタンドの操作
量であるクロス角度を算出し、該クロス角度を上記操作
装置12に出力し、上記ワークロール10を所定のクロ
ス角度に制御するようになっている。
【0030】そして、この制御装置14では、予め定め
たクロス角度と転写率との関係に関する、例えば前記図
4に示したようなデータを保持し、前記被圧延材のエッ
ジドロップを改善するために必要となるクロス角度を求
めるようになっている。
【0031】本実施形態では、第1スタンドのクロス圧
延機が、ワークロール及びバックアップロールからなる
4段圧延機であり、上下ワークロール10には、前記図
1に示したと同様にワークロールの両側端部にテーパが
付与されており、これら上下ワークロール10はそれぞ
れ上下方向からバックアップロール20により支持さ
れ、上下ワークロール10のみがクロスするようになっ
ている。
【0032】又、この第1スタンドの圧延機では、図6
に1つのワークロールについて上方から見た状態の概略
を示したように、図中左右のワークロールチョック22
にそれぞれ前記クロス操作装置12が付設されており、
これらクロス操作装置12によりワークロール10をク
ロスするようになっている。
【0033】即ち、左側のクロス装置12(左)では、
前方押圧部12Aを押し出し、反対側の後方押圧部12
Bを引き込み、右側のクロス装置12(右)では、前方
押圧部12Aを引き込み、後方押圧部12Bを押し出し
て、左右両チョック22を互いに逆方向に移動させるこ
とにより、又、もう一方のワークロールでは全体として
逆の動作を行わせることにより、上下一対の両ワークロ
ールを互いにクロスさせるようになっている。なお、こ
こでは、クロス操作装置が各ワークロールを単独でクロ
スする機構としているが、同装置をワークロールとバッ
クアップロールとをペアでクロスさせることができる構
造にしてもよい。
【0034】本実施形態では、被圧延材は圧延後に酸洗
した板幅900mmのブリキ用鋼板を圧延した。ワーク
ロールのテーパ量は1/600であり、そのテーパはワ
ークロールの両端部に付与されており、板端から50m
m位置に相当する位置よりテーパを切り始めてある(テ
ーパ始端部が板端より50mm内側である)。
【0035】次に、前記圧延設備を用いて上記鋼板を圧
延した場合の効果を図7を用いて説明する。ここでは、
目標エッジドロップ量を、板端から10mm位置で0μ
mとし、その許容範囲(目標範囲)を±5μmとしてい
る。
【0036】この図7において、線Aは、テーパのない
通常のフラットワークロールにより、上記鋼板を圧延し
たときの板端部における板厚プロフィルを示し、又、線
Bは、比較例としてクロス角0°で両テーパWRにより
シフト圧延したときの板厚プロフィルを示す。
【0037】この両者を比較すると、両テーパWRシフ
ト圧延は、線AのフラットWR圧延に比べ、エッジドロ
ップは改善されているものの、板端から10mm位置で
のエッジドロップ量は−20μm以上あり、エッジドロ
ップの目標範囲±5μmまで改善することはできなかっ
た。
【0038】次に、前記図5の圧延設備を用いて、同一
の鋼板を圧延した本実施形態について説明する。
【0039】通常のフラットワークロールで圧延した場
合の、板端から10mm位置におけるエッジドロップ量
をE10とすると、前記図7の線Aから次のように求める
ことができる。
【0040】E10=−58μm …(2)
【0041】従って、フラットワークロールで圧延した
状態から、目標エッジドロップまで改善するのに必要な
となる、必要エッジドロップ改善量(エッジドロップ修
正量)ΔE10は、次式のように58μmとなる。
【0042】 ΔE10=0−(−58)=58μm …(3)
【0043】又、前記両テーパワークロールにおける板
端から10mm位置におけるロールギャップ変化量G10
は、次の(4)式のように得られる。なお、この(4)
式で×1000は、単位をμmにするための係数であ
る。又、テーパ量の1/300は、上下ワークロールが
それぞれ1/600であるため、それを2倍にした値で
ある。
【0044】 G10=テーパ量×テーパ始端部からの距離 =(1/300)×(50−10)×1000 ≒133μm …(4)
【0045】次に、上記のように算出したロールギャッ
プ変化量G10により、必要エッジドロップ改善量ΔE10
を得るために必要となる転写率R10を、前記(1)式よ
り、次のように求めることができる。
【0046】 R10=(ΔE10/G10)×100 =58/133 =43.6% …(5)
【0047】以上のように、板端から10mm位置で、
58μmのエッジドロップの改善を図るためには、13
3μmのロールギャップに対して43.6%程度の転写
率が必要であることが判明した。
【0048】そこで、本実施形態では、前述した如く、
上記転写率に最も近い転写率として、前記図4よりクロ
ス角0.3°のときの転写率を選択し、このクロス角に
設定した両テーパワークロールにより圧延を行った。
【0049】前記図7に示した線Cは、このような条件
で圧延して得られた板プロフィルを示したもので、この
結果より本実施形態によれば、エッジドロップを目標範
囲内まで改善することができていることが分かる。
【0050】このように、本発明によれば、従来の圧延
方法では不可能であった高精度なエッジドロップの改善
を図ることが可能となり、その結果、幅方向全体にわた
って均一な板厚プロフィルを得ることが可能となった。
【0051】次に、本発明に係る第2実施形態について
説明する。
【0052】本実施形態では、第1スタンドを除き、前
記図4に概略を示した前記第1実施形態の冷間タンデム
圧延機と実質上同一の圧延設備を用いた。図8は、本実
施形態で使用する第1スタンドの圧延機を正面から見た
状態を概念的に示したものであり、このスタンドの上下
ワークロールにおける片側端部には点対称なテーパが付
与されていると共に、同スタンドには、前記第1実施形
態の場合と同様に、上下ワークロールを互いにクロスす
る機構が備えられている。
【0053】本実施形態では、被圧延材は熱間圧延後に
酸洗し、焼鈍した板幅1200mmのステンレス鋼板で
あり、エッジドロップ制御点は板端から20mm位置と
し、そこでの目標エッジドロップ量は0μmで、その許
容範囲は±5μmであるとする。又、ワークロールのテ
ーパ量は1/400であり、そのテーパ部は板端から5
0mm位置に相当する位置を始端部としてロールの片側
端部に付与されている。図9は、このようなワークロー
ルによる実測に基づく転写率を示したものであり、前記
第1実施形態の場合の図4に相当する。
【0054】次に、本実施形態の圧延設備を用いて上記
鋼板を圧延した場合の効果を図10を用いて説明する。
【0055】この図10において、線Aはテーパのない
通常のフラットワークロールにより、上記鋼板を圧延し
たときの板端部における板厚プロフィルを示し、又、線
Bは、比較例として、同一の鋼板をクロス角0°で片テ
ーパワークロールにより圧延したときの板厚プロフィル
を示す。この両者を比較すると、片テーパワークロール
により圧延した場合は、線Aのフラットワークロールで
圧延した場合に比べ、エッジドロップが改善されている
ものの、板端から20mm位置でのエッジドロップ量は
目標範囲±5μmより大きく外れている。
【0056】上記図10において、線Cは、本実施形態
により同一の鋼板を圧延して得られた板プロフィルを示
す。詳細については省略するが、前記第1実施形態と同
様の手順により、板端から20mm位置での転写率R20
を算出し、この値を満足するクロス角を前記図9の転写
率データから求めることにより、最適なクロス角を0.
5°とした。このクロス角に、上記片テーパワークロー
ルを設定して圧延して得られた板厚プロフィルが、上記
図10の線Cであり、この結果よりエッジドロップが目
標範囲まで改善されていることが分かる。
【0057】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。
【0058】例えば、本発明に適用できる圧延設備の具
体的構成は、前記実施形態に示したものに限定されな
い。例えば、圧延機は4段のものに限定されず、6段や
2段圧延機等でもよく、スタンド数も実施形態に示した
6スタンドに限らず、4スタンドや5スタンド、あるい
は単スタンドでも良く、任意である。
【0059】又、テーパ付ワークロールのクロス機構を
備えたスタンドは、第1スタンドに限られるものでな
く、いずれのスタンドであってもよく、且つ単スタンド
だけでなく複数スタンドに備えるようにしてもよい。
【0060】又、ワークロールは単独でクロスしても、
バックアップロールと対になってクロスするペアクロス
圧延機でもよい。
【0061】又、本発明で使用する両側端部にテーパを
付与したワークロールは、前記図1に示したように同一
のワークロールの左右でそれぞれテーパの始端部及び先
細り量(テーパ量)が異なっているものに限らず、それ
ぞれの端部のテーパ量が同一のものでもよい。
【0062】又、圧延対象とする板材は、鋼板に限られ
ずアルミニウム板、銅板等の他の金属板であってもよ
い。
【0063】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
種々の板厚プロフィルの被圧延材に対して、エッジドロ
ップを確実に低減でき、従来の圧延技術に比べて一層均
一な幅方向板厚分布を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワークロールを概念的に示す正面図
【図2】ワークロールのクロス角を示す平面図
【図3】クロスによるロールギャップ変化量を概念的に
示す説明図
【図4】両テーパワークロールをクロスして圧延した場
合の転写率を示す線図
【図5】本発明に係る第1実施形態に適用する圧延設備
の概略構成を示す説明図
【図6】ワークロールのクロス機構を模式的に示す概略
平面図
【図7】第1実施形態によるエッジドロップの改善効果
を示す線図
【図8】本発明に係る第2実施形態におけるワークロー
ルを概念的に示す概略側面図
【図9】第2実施形態で圧延する対象の鋼板の転写率を
示す線図
【図10】第2実施形態によるエッジドロップの改善効
果を示す線図
【符号の説明】
10…ワークロール 12…クロス操作装置 14…制御装置 16…母板プロフィル検出装置 18…板厚プロフィル目標値設定装置 20…バックアップロール 22…チョック

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロールバレル端部の少なくとも一方に先細
    り部を設けた上下一対のワークロールと、 前記上下一対のワークロールを互いにクロスするクロス
    手段と、 被圧延材のエッジドロップ量を修正するのに必要なクロ
    ス角度を求めると共に、求めたクロス角度を前記クロス
    手段に出力して、前記クロス角度に上下ワークロールを
    クロスする制御手段と、を備えたことを特徴とする板材
    の圧延機。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記制御手段が、予め定めたクロス角度と、先細り部を
    付与したことによるロールギャップ変化量に対するエッ
    ジドロップ変化量との関係に関するデータを保持し、 被圧延材のエッジドロップ量を目標値にまで修正するの
    に必要となるエッジドロップ修正量を算出し、 該エッジドロップ修正量とロールギャップ変化量に対す
    るエッジドロップ変化量との関係、並びに、前記クロス
    角度とロールギャップ変化量に対するエッジドロップ変
    化量との関係に基づいて、被圧延材のエッジドロップ量
    を修正するのに必要なクロス角度を求めることを特徴と
    する板材の圧延機。
  3. 【請求項3】ロールバレル端部の少なくとも一方に先細
    り部を設けた上下一対のワークロールと、 前記上下一対のワークロールを互いにクロスするクロス
    手段とを備えた圧延機により、 前記先細り部の始端部が被圧延材の板端より内側に位置
    するように配置し、上下ワークロールのクロス角度を操
    作して被圧延材を圧延する際に、 クロス角度と、先細り部を付与したことによるロールギ
    ャップ変化量に対するエッジドロップ変化量との関係を
    予め定めておき、 被圧延材のエッジドロップ量を目標値にまで修正するの
    に必要となるエッジドロップ修正量を算出し、 該エッジドロップ修正量とロールギャップ変化量に対す
    るエッジドロップ変化量との関係、並びに、前記クロス
    角度とロールギャップ変化量に対するエッジドロップ変
    化量との関係に基づいて、被圧延材のエッジドロップ量
    を修正するのに必要なクロス角度を求め、該クスロ角度
    に上下ワークロールをクロスすることを特徴とする板材
    の圧延方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115722531A (zh) * 2022-11-18 2023-03-03 东莞海裕百特智能装备有限公司 一种交叉轧辊的辊压机及辊压方法

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