JPH11221605A - 板材圧延におけるエッジドロップ制御方法 - Google Patents

板材圧延におけるエッジドロップ制御方法

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JPH11221605A
JPH11221605A JP10023148A JP2314898A JPH11221605A JP H11221605 A JPH11221605 A JP H11221605A JP 10023148 A JP10023148 A JP 10023148A JP 2314898 A JP2314898 A JP 2314898A JP H11221605 A JPH11221605 A JP H11221605A
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JP
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edge drop
roll
rolling
cross angle
shift
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JP10023148A
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English (en)
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Junichi Tateno
純一 舘野
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Yukio Yarita
征雄 鑓田
Toshihiro Fukaya
敏弘 深谷
Toshihiro Kaneko
智弘 金子
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延中にエッジドロップ変動が生じた場合に
も確実にエッジドロップを低減し、コイル全長にわたっ
て高精度なエッジドロップ制御を可能とする。 【解決手段】 片テーパワークロールのシフトとクロス
を備えた圧延機で、テーパを板幅の所定位置にシフト
し、エッジドロップの変動に対して、所定範囲内でクロ
ス角を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材圧延における
エッジドロップ制御方法に係り、特に、冷間圧延機にお
いて鋼板等の板材を圧延する際に用いるのに好適な、エ
ッジドロップと呼ばれる幅方向の両端部における急激な
板厚減少を改善し、幅方向の板厚分布を全体にわたって
ほぼ均一にすることが可能な、板材圧延におけるエッジ
ドロップ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延中の板材(被圧延材)に生じる幅方
向の板厚偏差のうち、特に幅方向の両端部における急激
な板厚減少はエッジドロップと呼ばれている。板圧延に
おいて、幅方向の板厚分布を均一にして、良好な被圧延
材を得るためには、このエッジドロップを低減させる必
要がある。
【0003】このような板材に生じるエッジドロップを
低減させる制御方法として、従来より、ロールの片側端
部にテーパを付与したワークロール(WR)を、そのロ
ール軸方向にシフトする圧延方法が用いられている。
【0004】例えば、特公平2−34241には、ロー
ルの片側端部にテーパを付与したワークロールを使用
し、ロール軸方向にシフトして、圧延機の入側における
母板の板厚プロフィル(幅方向板厚分布)と、上下ワー
クロール間のロールギャップ分布、及び、該ロールギャ
ップ分布の被圧延材への転写率から、圧延機出側の板厚
プロフィルを推定し、この推定値と目標板厚プロフィル
とを照合して、両者の差が最小となる位置にワークロー
ルをシフトする方法が開示されている。
【0005】又、文献「板クラウン・エッジドロップ制
御特性」(第45回塑性加工連合講演会予稿集、403
−406頁、1994)には、上下のワークロールを、
それぞれの側のバックアップロールと共にクロスするこ
とにより、上下のワークロール間の幅方向中央から板端
に向かって生じる放物線状のロールギャップによって、
板厚プロフィルを均一化する効果があることが開示され
ている。
【0006】又、上下ワークロールについてロールクロ
スとロールシフトを組み合わせた技術として、例えば特
開昭57−206503には、所定の角度に交差する上
部ロール群と下部ロール群からなるロールクロス式圧延
機において、両ロール群中のワークロールにおける圧延
材に対する相対位置をロール軸方向に移動させることに
より、ワークロールの摩耗を均一化し、ロール研磨の頻
度を減らし、ロール原単位の改善を図る技術が開示され
ている。
【0007】又、特開平5−185125には、コイル
の溶接点(板継ぎ点)通過に伴う走間設定変更時に、ロ
ールクロス角を変更する過程で生じる板形状の不良域を
低減するため、ロールクロス角の変更タイミングに合わ
せて、ロールシフトとワークロールベンド力を操作する
方法が開示されている。この方法では、コイル溶接点に
おいて圧延条件が大きく変わる際に、板形状を良好に保
つことを目的として、ロールクロス角の設定変更開始か
ら変更終了までの間のロールクロス角設定の過渡状態に
おいて、ワークロールのシフト量を変更すると共に、先
行コイルに対するロールクロス角とワークロールベンド
力の関係を示す最適曲線より設定されるロールクロス角
及びワークロールベンド力から、後行コイルに対するワ
ークロール角及びワークロールベンド力へ最短時間で変
更できるように、ワークロールベンド力を最適パターン
に従って変更しており、コイルの一部分のみを取り扱っ
ている。
【0008】又、特開平7−39902には、片テーパ
を有するワークロールのテーパ部を板エッジに位置する
ようにシフト設定し、連続圧延での後続の狭幅帯材との
溶接部が来ると、この狭幅帯材のクロス角を大きくした
後、シフト位置を変更し、クロス角を小さく戻すことに
より、広幅から狭幅帯材への変り目のエッジドロップの
発生を防止する技術が開示されている。
【0009】又、出願人が提案した特開平9−1413
14には、エッジドロップの修正時に、まず、ロールク
ロスのみを目標操作量だけ操作して角度を変更し、次い
で、そのときのロールシフト位置からロールシフトを行
いながら、該ロールシフト操作によるエッジドロップ修
正効果分が相殺されるように、ロールクロス角を元の角
度まで戻す操作をしながら、ロールシフトの目標操作量
を操作して、シフト位置を目標位置とすることにより、
ワークロールのシフト速度が遅いために生じるエッジド
ロップの不良部の長さを短くすると共に、ワークロール
の摩耗を抑制する技術が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平2−34241で開示されている技術では、ロール
シフトさせる際には、バックアップロール及び圧延材と
の接触面において、シフト方向と逆方向に作用する力が
働くため、非常に大きなシフト力が必要となり、シフト
速度が遅くなる。そのため、圧延中にエッジドロップの
変動に対して、シフト位置の変更が追従できず、精度良
くエッジドロップを制御できないという問題がある。
【0011】又、前記文献「板クラウン・エッジドロッ
プ制御特性」に開示されている方法では、板幅中央から
板端に向かって生じる放物線状のロールギャップが緩や
かに広がっていくため、いわゆるボディクラウン(板ク
ラウン)を改善する効果はあるが、板幅端部のみの板厚
偏差であるエッジドロップを低減する効果は小さいとい
う問題がある。
【0012】又、前記特公昭57−206503は、ワ
ークロールの偏摩耗防止を目的としており、これにより
直接エッジドロップを制御することはできない。
【0013】又、前記特公平5−185125に記載さ
れた方法は、クロス角変更の過渡期間における板形状の
悪化を防止することを目的としており、エッジドロップ
については、特公平2−4364等に開示されている、
コイル全長に渡ってワークロールシフトを行うのみの従
来技術以上の改善効果を期待することができないという
問題がある。
【0014】又、前記特開平7−39902も同様に、
コイル溶接点でのエッジドロップ制御を目的としてお
り、コイル全長にわたってのエッジドロップ改善効果は
図られないという問題がある。
【0015】又、前記特開平9−141314は、ワー
クロールのシフト速度が遅いために生じるエッジドロッ
プの不良部の長さを短くすることを目的としているが、
必ずしも十分な効果は得られなかった。
【0016】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、圧延中にエッジドロップ変動が生じ
た場合にも、確実にエッジドロップ低減が可能な、板材
圧延におけるエッジドロップ制御方法を提供することを
課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロールの片側
端部にテーパを付与したワークロールを軸方向にシフト
する機構と、該ワークロールをクロスさせる機構を備え
た圧延機を用いる板材圧延におけるエッジドロップ制御
方法において、ワークロールのテーパの起点部を、板端
部より内部の所定位置になるようにシフトさせ、圧延中
の被圧延材のエッジドロップの変動に対してクロス角を
変更することにより、エッジドロップを制御するように
して、前記課題を解決したものである。
【0018】又、予めクロス角の操作範囲を定めてお
き、クロス角が該操作範囲の上限あるいは下限に達した
場合に、クロス角が該操作範囲内になるようにシフト量
を変更するようにしたものである。
【0019】又、板端部より所定距離離れた位置に有効
ロールギャップ基準位置を設け、該基準位置を基準とし
た有効ロールギャップを用いて、エッジドロップを制御
するようにしたものである。
【0020】まずここで、本発明で使用するロールの片
側端部にテーパを付与した上下ワークロールについての
シフトとクロスの概念を、図1乃至図3を用いて明確に
しておく。
【0021】前記シフトは、図1に圧延機を正面から見
た状態を概念的に示したように、上下ワークロール1
2、14で点対称なロール端の片側端部にテーパ16を
付与したワークロール12、14を、その軸方向に上下
で逆方向に移動させる操作で、シフト量はその移動量で
あり、具体的には、上ワークロール12の片側端部近傍
を拡大して示した図2に示すように、被圧延材10の板
端からテーパ始端部16Aまでの距離ELである。又、
ロールのテーパ量は、図2において、H/Lと定義す
る。なお、このワークロールシフトでは、バックアップ
ロール及び被圧延材との接触面において、シフト方向と
逆方向に作用する力が働くため、シフト速度を速くする
ことができず、シフト操作には非常に時間がかかる。
【0022】又、前記クロスは、図3に圧延機を上から
見た状態でのワークロールを概念的に示したように、上
下ワークロール12、14を互いに交差させる操作で、
クロス角θは、両ワークロール12、14の軸のなす角
度の1/2である。このロールクロスは、ロールチョッ
ク部の押し出しや引き込みにより行えるため、短時間に
クロス角変更操作を行うことができる。
【0023】本発明者等は、ロールの端部にテーパを付
与したワークロール(以下、テーパWRともいう)を用
いてシフトさせる圧延、上下ワークロールを所定量クロ
スする圧延、及び、ワークロールのシフトとクロスを併
用する圧延を行い、鋭意検討した結果、シフト量及びク
ロス角とエッジドロップ改善効果との関係が、例えば以
下のように表わされることを把握した。
【0024】即ち、板端部より一定距離離れた位置に有
効ロールギャップ基準位置を設ければ、該基準位置を基
準としたロールギャップ(以下、有効ロールギャップと
称する)で、エッジドロップ改善量との関係を整理でき
ることがわかった。図4に、圧延実験により調査した、
例えば板端部100mm位置を基準として定義した有効
ロールギャップとエッジドロップ改善量との関係を示
す。ここで、ワークロールとしては、テーパ量1/30
0のロールを使用して、WRシフト量は0〜70mmま
での範囲、WRクロス角は0〜0.8°までの範囲で変
更した。又、エッジドロップの評価位置は板端部15m
m位置とし、板端部100mm位置との板厚偏差をE15
として、次のように定義する。
【0025】 E15=h15−h100 …(1) ここで、h15:板端部15mm位置の板厚 h100 :板端部100mm位置の板厚
【0026】エッジドロップ改善効果は、シフト量0m
m且つクロス角0°のフラットロールで圧延した場合の
板端部15mm位置板厚偏差E15と、シフト量及びシフ
ト角を所定量にして圧延した場合の板端部15mm位置
板厚偏差E15との差(エッジドロップ変化量)で評価し
た。図4より、シフト量、クロス角とエッジドロップ変
化量との関係が定量化できることが分かる。
【0027】ここではエッジドロップの評価位置とし
て、板端部15mm位置を取り上げて説明したが、それ
以外の例えば板端部10mm位置や20mm位置でも、
上記の関係は成り立つ。又、有効ロールギャップ基準位
置は、被圧延材の板厚や変形抵抗、ワークロールのロー
ル径、圧延荷重等の諸条件によって変えてもよく、上記
で説明した100mm位置とは限らない。
【0028】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、片テーパWRシフトとクロスを備えた圧延機にお
いて、板材のエッジドロップ制御を行うにあたり、被圧
延材の板幅、板厚プロフィル等の母板情報や圧延条件等
に基づいて、ワークロールのテーパの起点部を板端部よ
り内部の所定位置になるようにシフトさせておき、圧延
中に生じたエッジドロップの変動に対して高速な動作が
可能なクロス角を変更することにより、高精度にエッジ
ドロップを制御できるようにしたものである。
【0029】又、圧延中に生じたエッジドロップの変動
に対してクロス角を変更した際に、クロス角の操作範囲
の上限又は下限に達した場合には、それ以上エッジドロ
ップの制御が困難になる。そこで、請求項2の発明で
は、予めクロス角の操作範囲を定めておき、クロス角が
該操作範囲の条件あるいは下限に達した場合に、クロス
角が該操作範囲内になるようにシフト量を変更するよう
にしたものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0031】図5は、本発明に係る第1実施形態の冷間
タンデム圧延機(圧延設備)の概略構成を示す、ブロッ
ク線図を含む側面図である。
【0032】本実施形態で用いられる圧延設備は、6ス
タンドからなる冷間タンデム圧延機であり、その第1ス
タンド21には、図1に示したようなロールの片側端部
にテーパが付与されたワークロール12、14が用いら
れ、且つ、この上下ワークロール12、14をシフト及
びクロスする機構も備えられている。この第1スタンド
21は、前記上下のワークロール12、14の上下に補
強用のバックアップロール31が設けられた4段圧延機
とされている。この第1スタンド21のワークロールの
直径は、例えば570mm、テーパ量は、例えば1/3
00である。
【0033】前記タンデム圧延機には、前記上下ワーク
ロール12、14のクロス角を制御するためのクロス制
御装置40と、同じく上下ワークロール12、14のシ
フト位置をそれぞれ制御するためのシフト制御装置42
が備えられている。又、最終スタンド26の出側には、
板厚プロフィル計44が設置されており、実績エッジド
ロップ情報を出力する。
【0034】前記シフト制御装置42は、次圧延材の前
工程の熱間圧延後の母板板厚プロフィルや板幅等の母板
情報、及び、圧下スケジュールや張力等の圧延条件に基
づいて、エッジドロップ目標が得られるように、第1ス
タンド21の上下ワークロール12、14のシフト位置
を算出して設定する。
【0035】前記クロス制御装置40は、圧延中に測定
された実績エッジドロップ情報に基づいて、エッジドロ
ップ目標との偏差が生じた場合、両者が一致するように
クロス角の変更量を算出し、操作する。
【0036】本実施形態では、圧延後に酸洗した板幅8
00〜1000mmの低炭素鋼板を、前記圧延機により
連続圧延した。エッジドロップ制御点は、板端部15m
m位置であり、該制御点での目標エッジドロップ量は0
μmとした。
【0037】まず、従来法として、ワークロールシフト
によるエッジドロップ制御の例を図6に示す。図6
(A)は、圧延中にエッジドロップ制御を行わなかった
場合の板端部15mm位置の板厚偏差を示したものであ
る。図から明らかなように、板端部板厚偏差ED1が、
時刻T1においてエッジドロップが変動したために大き
くなり、時刻T2で板厚偏差ED2となっている。更
に、時刻T4において、エッジドロップが変動して小さ
くなり、時刻T5で板厚偏差ED3となっている。
【0038】このようなエッジドロップ変動に対して、
従来のWRシフト制御では、板厚偏差が目標と一致する
ようにシフト位置を制御する。即ち、図6(B)に示す
ように、時刻T2でシフト位置を、それまでのS1か
ら、実測板厚偏差ED2を目標板厚偏差ED1に一致さ
せるためのシフト位置S2に変更する。このとき、シフ
ト速度が遅いため、シフト位置が実際に変化するまでに
時間がかかり、シフト位置変更が終了するのは時刻T3
である。ここで、エッジドロップを修正するために必要
なシフト量は、図4の関係に基づいて算出した。
【0039】更に時刻T4においてエッジドロップが変
動し、時刻T5で板厚偏差はED4になるが、これを目
標板厚偏差ED1に一致させるため、シフト位置を、そ
れまでのS2からS3に変更する。このときもシフト速
度が遅いため、シフト位置の変化には時間がかかり、シ
フト位置変更が終了するのは時刻T6となる。
【0040】この時の板厚偏差の変化状態を表わしたの
が図6(C)である。
【0041】次に、本発明によるエッジドロップ制御の
実施例を図7に示す。図7(A)は、図6(A)と同様
に、エッジドロップ制御を行わなかったときの板端部1
5mm位置の板厚偏差を示している。ここで、WRシフ
ト位置は、母板情報及び圧延条件に基づいて、最適位置
に設定されている。
【0042】図7(A)に示したように、圧延中にエッ
ジドロップ制御を行わなかった場合、板端部板厚偏差E
D1が、時刻T1においてエッジドロップが変動して大
きくなり、時刻T2で板厚偏差ED2となっている。更
に、時刻T4において、エッジドロップが変動して小さ
くなり、時刻T5で板厚偏差ED3となっている。
【0043】このようなエッジドロップ変動に対して、
本発明の制御方法では、板厚偏差が目標に一致するよう
にクロス角を制御する。即ち、図7(B)に示したよう
に、時刻T2でクロス角を、それまでのC1から、実測
板厚偏差ED2を目標板厚偏差ED1に一致させるため
のクロス角C2に変更する。このとき、クロス角変更は
高速に行えるため、短時間で変更可能であり、時刻T2
の直後の時刻T3′でクロス角変更が終了する。ここ
で、エッジドロップを修正するために必要なクロス角
は、図4の関係に基づいて算出した。
【0044】更に、時刻T4においてエッジドロップが
変動し、時刻T5で板厚偏差はED4になるが、これを
目標板厚偏差ED1に一致させるため、クロス角を、そ
れまでのC2からC3に変更する。このときのクロス角
変更も高速に行えるため、短時間で変更可能であり、ク
ロス角変更が終了するのは、時刻T5の直後のT6′で
ある。
【0045】この時の板厚偏差の変化状態を表わしたの
が、図7(C)である。このように、従来法に比べ本発
明によるエッジドロップ制御方法では、高速なエッジド
ロップ修正が可能になる。
【0046】次に、請求項2の発明に係る第2実施形態
の実施例を図8及び図9を参照して説明する。
【0047】図8(A)は、圧延中にエッジドロップ制
御を行わなかったときの板端部15mm位置の板厚偏差
を示している。ここで、WRシフト位置は、母板情報及
び圧延条件に基づいて最適位置に設定されている。板端
部板厚偏差ED1が、時刻T1においてエッジドロップ
が著しく変動して大きくなり、時刻T2で板厚偏差ED
4となっている。このようなエッジドロップ変動に対し
て、請求項1の発明では、図8(B)に示す如く、板厚
偏差が目標と一致するようにクロス角を制御する。しか
しながら、時刻T2でクロス角を、それまでのC1か
ら、実測板厚偏差ED2を目標ED1に一致させるよう
にしたところ、時刻T3でクロス角操作範囲の上限CU
に達してしまい、それ以上の操作は不可能となった。そ
のため、板端部板厚偏差はED5までしか改善されず、
目標のED1には一致しない。
【0048】そこで、請求項2の発明では、図9(B)
に示すように、クロス角が上限CUに達した時刻T3
で、図9(C)に示す如く、シフト位置をS1からS3
へ変更する。ここでのシフト位置S3は、例えば、クロ
ス角を該操作範囲内になるような値として、図4の関係
に基づいて算出した。又、クロス角操作範囲は、クロス
操作機構の可動範囲等、機構上の制約や、板形状悪化防
止等、操業上の制約から定められる。
【0049】これによって、時刻T4でシフト位置がS
3になり、板端部板厚偏差はED1と目標に一致し、
又、クロス角は、下限CL〜上限CU内の操作範囲内に
収めることができた。
【0050】この時の板厚偏差の変化状態を表わしたの
が図9(B)である。
【0051】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能
である。
【0052】例えば、有効ロールギャップ基準位置は、
板端部100mm位置に限られるものではなく、被圧延
材の板厚や変形抵抗、ワークロール直径、圧延荷重等の
諸条件に応じて最適値を定めることにより、これら諸条
件に拘束されず、本発明を広く適用することが可能とな
る。
【0053】又、本発明に適用できる圧延設備の具体的
構成は、前記実施形態に示したものに限定されない。例
えば、圧延機は4段のものに限定されず、6段や2段の
圧延機等でもよく、スタンド数も実施形態に示した6ス
タンドに限らず、4スタンドや5スタンド、あるいは単
スタンドでもよく、任意である。
【0054】又、本発明の適用は、コイルを順次溶接し
て圧延する連続圧延に限らず、1本ずつ圧延するバッチ
圧延でもよい。
【0055】又、テーパワークロールのクロス機構を備
えたスタンドは、第1スタンドに限られるものではな
く、いずれのスタンドであってもよい。又、単スタンド
だけでなく、複数スタンドに備えるようにしてもよい。
【0056】又、ワークロールを単独でクロスしても、
バックアップロールと対になってクロスするペアクロス
圧延機であってもよい。
【0057】又、ワークロールのテーパは、単純な傾斜
ではなく、正弦波状カーブや、複数の傾きをもっていて
もよい。
【0058】又、圧延対象とする板材は、鋼板に限られ
ず、アルミニウム板や銅板等であってもよい。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、圧延中に被圧延材のエ
ッジドロップ変動が生じた場合にも、確実にエッジドロ
ップ低減が可能となり、コイル全長にわたって高精度な
エッジドロップ制御が可能となる。
【0060】図10に、従来例及び本発明の実施形態に
おける1コイル当りのエッジドロップ外れ長さを比較し
て示す。図10から明らかなように、本発明では、高精
度なエッジドロップ制御が実現されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】テーパが付与されたワークロールのシフト状態
を示す正面図
【図2】ワークロール端部のテーパ量及びシフト量の定
義を説明するための線図
【図3】ワークロールクロスの定義を説明するための平
面図
【図4】シフト量やクロス角を決定する際に用いられ
る、有効ロールギャップと板端部板厚偏差の変化量の関
係の例を示す線図
【図5】本発明の第1実施形態を示す、一部ブロック線
図を含む側面図
【図6】従来のワークロールシフトによるエッジドロッ
プ制御の実施例を示す線図
【図7】本発明の第1実施形態におけるエッジドロップ
制御の実施例を示す線図
【図8】請求項1の発明によるエッジドロップ制御の実
施例を示す線図
【図9】請求項2の発明に係る第2実施形態によるエッ
ジドロップ制御の実施例を示す線図
【図10】従来法に対する本発明の効果を示すための線
【符号の説明】
10…被圧延材 12、14…ワークロール 40…クロス制御装置 42…シフト制御装置 44…板厚プロフィル計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鑓田 征雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 深谷 敏弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 金子 智弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロールの片側端部にテーパを付与したワー
    クロールを軸方向にシフトする機構と、該ワークロール
    をクロスさせる機構を備えた圧延機を用いる板材圧延に
    おけるエッジドロップ制御方法において、 ワークロールのテーパの起点部を、板端部より内部の所
    定位置になるようにシフトさせ、 圧延中の被圧延材のエッジドロップの変動に対してクロ
    ス角を変更することにより、エッジドロップを制御する
    ことを特徴とする、板材圧延におけるエッジドロップ制
    御方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の板材圧延におけるエッジ
    ドロップ制御方法において、予めクロス角の操作範囲を
    定めておき、クロス角が該操作範囲の上限あるいは下限
    に達した場合に、クロス角が該操作範囲内になるように
    シフト量を変更することを特徴とする、板材圧延におけ
    るエッジドロップ制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の板材圧延における
    エッジドロップ制御方法において、板端部より所定距離
    離れた位置に有効ロールギャップ基準位置を設け、該基
    準位置を基準とした有効ロールギャップを用いて、エッ
    ジドロップを制御することを特徴とする、板材圧延にお
    けるエッジドロップ制御方法。
JP10023148A 1998-02-04 1998-02-04 板材圧延におけるエッジドロップ制御方法 Pending JPH11221605A (ja)

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