JPH11179412A - 板材圧延におけるエッジドロップ制御方法 - Google Patents

板材圧延におけるエッジドロップ制御方法

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JPH11179412A
JPH11179412A JP9355375A JP35537597A JPH11179412A JP H11179412 A JPH11179412 A JP H11179412A JP 9355375 A JP9355375 A JP 9355375A JP 35537597 A JP35537597 A JP 35537597A JP H11179412 A JPH11179412 A JP H11179412A
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neural network
thickness profile
roll
shift
rolling
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JP9355375A
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Junichi Tateno
純一 舘野
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Yukio Yarita
征雄 鑓田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークロールのシフトとクロスを使用して板
厚プロフィル、特にエッジドロップを改善する。 【解決手段】 予め被圧延材10の板厚プロフィルパタ
ーンを目標板厚プロフィルに修正するのに必要なワーク
ロールのシフト機構及びクロス機構の操作方法をニュー
ラルネットワークに学習させておき、圧延中に検出した
被圧延材10の板厚プロフィルをニューラルネットワー
クに入力して板厚プロフィルパターンの認識を行い、シ
フト量及びクロス角を算出し、操作する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材圧延における
エッジドロップ制御方法に係り、特に、冷間圧延機にお
いて鋼板等の板材を圧延する際に用いるのに好適な、板
厚プロフィル、特にエッジドロップと呼ばれる幅方向の
両端部における急激な板厚減少を改善することが可能
な、板材圧延におけるエッジドロップ制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】圧延中の板材(被圧延材)に生じる幅方
向の板厚偏差のうち、特に幅方向の両端部における急激
な板厚減少はエッジドロップと呼ばれている。板圧延に
おいて、幅方向の板厚分布を均一にして、良好な被圧延
材を得るためには、このエッジドロップを低減させる必
要がある。
【0003】このような板材に生じるエッジドロップを
低減させる制御方法として、従来より、ロールの片側端
部にテーパを付与したワークロール(WR)を、そのロ
ール軸方向にシフトする圧延方法が用いられている。
【0004】例えば、特公平2−34241には、ロー
ルの片側端部にテーパを付与したワークロールを使用
し、ロール軸方向にシフトして、圧延機の入側における
母板の板厚プロフィル(幅方向板厚分布)と、上下ワー
クロール間のロールギャップ分布、及び、該ロールギャ
ップ分布の被圧延材への転写率から、圧延機出側の板厚
プロフィルを推定し、この推定値と目標板厚プロフィル
とを照合して、両者の差が最小となる位置にワークロー
ルをシフトする方法が開示されている。
【0005】又、特開昭60−12213では、テーパ
を付与したワークロールをシフトしてエッジドロップを
制御する際に、板形状が悪化するのを防止するため、シ
フト制御と共にロールベンダの制御を行う技術が開示さ
れている。
【0006】又、文献「板クラウン・エッジドロップ制
御特性」(第45回塑性加工連合講演会予稿集、403
−406頁、1994)には、上下のワークロールを、
それぞれの側のバックアップロールと共にクロスするこ
とにより、上下のワークロール間の幅方向中央から板端
に向かって生じる放物線状のロールギャップによって、
板厚プロフィルを均一化する効果があることが開示され
ている。
【0007】又、上下ワークロールについてロールクロ
スとロールシフトを組み合わせた技術として、例えば特
開昭57−206503には、所定の角度に交差する上
部ロール群と下部ロール群からなるロールクロス式圧延
機において、両ロール群中のワークロールにおける圧延
材に対する相対位置をロール軸方向に移動させることに
より、ワークロールの摩耗を均一化し、ロール研磨の頻
度を減らし、ロール原単位の改善を図る技術が開示され
ている。
【0008】又、特開平5−185125には、コイル
の溶接点(板継ぎ点)通過に伴う演走間設定変更時に、
ロールクロス角を変更する過程で生じる板形状の不良域
を低減するため、ロールクロス角の変更タイミングに合
わせて、ロールシフトとワークロールベンド力を操作す
る方法が開示されている。この方法では、コイル溶接点
において圧延条件が大きく変わる際に、板形状を良好に
保つことを目的として、ロールクロス角の設定変更開始
から変更終了までの間のロールクロス角設定の過渡状態
において、ワークロールのシフト量を変更すると共に、
先行コイルに対するロールクロス角とワークロールベン
ド力の関係を示す最適曲線より設定されるロールクロス
角及びワークロールベンド力から、後行コイルに対する
ワークロール角及びワークロールベンド力へ最短時間で
変更できるように、ワークロールベンド力を最適パター
ンに従って変更しており、コイルの一部分のみを取り扱
っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平2−34241で開示されている技術では、ワーク
ロールのテーパは圧延前に研磨でロールに付与されるも
のであり、そのままでは圧延中にテーパの量や形状等を
変更することは不可能である。又、通常、ワークロール
は圧延材1本毎に交換するものではなく、数十本の圧延
に供されるものである。そのため、数十本ある圧延材の
圧延において、母板のエッジドロップが大きい場合に
は、エッジドロップ改善が不十分であったり、母板のエ
ッジドロップが小さい場合には、エッジドロップ改善が
過大となり、板端部が過厚となってしまうなどの問題が
生じてくる。又、エッジドロップ制御方法として、本技
術では、転写率によるシフト位置のみの設定方法が開示
されているのみで、例えばクロスを組み合わせたときの
制御方法については全く開示されておらず、エッジドロ
ップを改善するためにワークロールのテーパ部が、被圧
延材が実際に通る板道内に入るようにシフト制御する
と、荷重分布が大きく変化するため、板形状も大きく変
化してしまう。
【0010】一方、前記特開昭60−12213では、
テーパを付与したワークロールをシフトしてエッジドロ
ップを制御する際に、板形状が悪化するのを防止するた
め、シフト制御と共にロールベンダの制御を行う技術を
開示しているが、ベンダによって修正可能な板形状は、
いわゆる耳伸びや中伸びと呼ばれる単純な二次成分のみ
であり、板端部にワークロールのテーパがあるため生じ
るような複雑な板形状については制御不可能である。
【0011】又、前記文献「板クラウン・エッジドロッ
プ制御特性」に開示されている方法では、板幅中央から
板端に向かって生じる放物線状のロールギャップが緩や
かに広がっていくため、いわゆるボディクラウン(板ク
ラウン)を改善する効果はあるが、板幅端部のみの板圧
偏差であるエッジドロップを低減する効果は小さい。更
に、本技術では、クロスのみによるエッジドロップ制御
方法が開示されているのみで、例えばワークロールシフ
トを組み合わせたときの制御方法については全く開示さ
れておらず、板幅中央から板端に向かって生じる放物線
状のロールギャップにより、板厚プロフィルを改善した
際に生じる板形状の悪化についての防止策についても、
何等開示されていない。
【0012】又、前記特公昭57−206503は、ワ
ークロールの偏摩耗防止を目的としており、エッジドロ
ップを直接制御することはできない。
【0013】又、前記特公平5−185125に記載さ
れた方法は、クロス角変更の過渡期間における板形状の
悪化を防止することを目的としており、エッジドロップ
については、特公平2−4364等に開示されている、
コイル全長に渡ってワークロールシフトを行うのみの従
来技術以上の改善効果を期待することができない。又、
ワークロールとクロスを組み合わせてのエッジドロップ
制御方法については、全く開示されていない等の問題点
を有していた。
【0014】一方、特開平7−265925には、ニュ
ーラルネットワークを備えた制御装置により被圧延材の
形状を制御することが記載されているが、ワークロール
シフトとクロスを組合せてのエッジドロップ制御に関し
ては、全く開示されていなかった。
【0015】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、板材を圧延する際に、ロールシフト
とクロスを併用して、板厚プロフィル、特にエッジドロ
ップを改善することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ロー
ルの片側端部にテーパを付与したワークロールを軸方向
にシフトする機構と、該ワークロールをクロスさせる機
構を備えた圧延機を用いる板材のエッジドロップ制御方
法において、予め前記被圧延材の板厚プロフィルパター
ンを目標板厚プロフィルに修正するのに必要なワークロ
ールのシフト機構及びクロス機構の操作方法をニューラ
ルネットワークに学習させておき、圧延中に検出した被
圧延材の板厚プロフィルをニューラルネットワークに入
力して板厚プロフィルパターンの認識を行い、シフト量
及びクロス角を算出し、操作することにより、前記課題
を解決したものである。
【0017】請求項2の発明は、前記ニューラルネット
ワークとして、誤差逆伝播学習による階層型ニューラル
ネットワークを用いることにより、母板コイルの板厚プ
ロフィルが様々な形態になり得る場合や、圧延条件が頻
繁に変更される場合等、シフト量及びクロス角の板厚プ
ロフィルの修正量との間の関係が複雑で、非線形性が強
い場合にも対応できるようにしたものである。
【0018】請求項3の発明は、前記ニューラルネット
ワークとして動径基底関数型ニューラルネットワークを
用いることにより、ニューラルネットワークの学習に用
いるための板厚プロフィルパターンを目標板厚プロフィ
ルに修正するのに必要なワークールのシフト機構及びク
ロス機構の操作方法のデータが多数となるような場合
に、高速な学習を可能としたものである。
【0019】まずここで、本発明で使用するロールの片
側端部にテーパを付与した上下ワークロールについての
シフトとクロスの概念を、図1及び図2を用いて明確に
しておく。
【0020】前記シフトは、図1に圧延機を正面から見
た状態を概念的に示したように、上下ワークロール1
2、14で点対称なロール端の片側端部にテーパ16を
付与したワークロール12、14を、その軸方向に上下
で逆方向に移動させる操作で、シフト量はその移動量で
あり、具体的には、上ワークロール12の片側端部近傍
を拡大して示した図2に示すように、被圧延材10の板
端からテーパ始端部16Aまでの距離ELである。又、
ロールのテーパ量は、図2において、H/Lと定義す
る。
【0021】又、前記クロスは、図3に圧延機を上から
見た状態でのワークロールを概念的に示したように、上
下ワークロール12、14を互いに交差させる操作で、
クロス角θは、両ワークロール12、14の軸のなす角
度の1/2である。
【0022】図4に、ワークロール(WR)シフト、W
Rクロス、WRシフトクロスにおける上下ワークロール
間の無負荷時のロールギャップ(以下、単にロールギャ
ップとも称する)の例を示す。なお、図4は、板端部1
00mm範囲内のロールギャップを示したものである。
【0023】ワークロールシフトでは、ワークロールの
片側端部に付与したテーパ部のロールギャップを板に転
写することにより、板端部での板厚プロフィルを修正
し、エッジドロップの低減を図る。このワークロールシ
フトでは、シフト量を変更することにより、ロールギャ
ップを変化させ、エッジドロップの改善量を制御する。
【0024】一方、ワークロールクロスでは、上下ワー
クロールをクロスさせることによって生じるロールセン
ターを起点として、端部に向かって広がる放物線状のロ
ールギャップにより、板厚プロフィルを修正し、エッジ
ドロップの低減を図る。即ち、クロス角を変更すること
により、ロールギャップの大きさを変化させ、エッジド
ロップの改善量を制御する。
【0025】このように、ロールシフトとロールクロス
では、そのロールギャップは全く異なる形態であり、エ
ッジドロップの改善効果は全く異なるものである。そこ
で、ロールシフトとロールクロスを組合せた場合には、
シフト量及びクロス角それぞれの操作量に応じて、ロー
ルギャップの形態及びその量が変化し、様々な形態のエ
ッジドロップの改善を図ることが可能となる。
【0026】本発明では、このワークロールのシフト量
及びクロス角の操作量を算出するために、ニューラルネ
ットワークを利用し、エッジドロップ制御を行うことと
した。
【0027】ニューラルネットワークは、人間の神経回
路網を数学的に模擬したものであり、学習機能を有する
ことから、任意の入出力関係を近似できることが知られ
ている。特に、入出力間の関係が非線形の場合や、多次
元情報のパターン認識(分類)に有効である。
【0028】従って、予め被圧延材の板厚プロフィルパ
ターンを目標板厚プロフィルに修正するのに必要なワー
クロールのシフト機構及びクロス機構の操作方法を用意
し、これらを学習データとして、ニューラルネットワー
クの学習を行うことで、ワークロールのシフト量及びク
ロス角と板厚プロフィルの修正量との間の複雑な関係を
容易に関係付けることができる。そして、圧延中に検出
した被圧延材の板厚プロフィルをニューラルネットワー
クに入力して、板厚プロフィルパターンの認識を行い、
シフト量及びクロス角を算出し、操作することによっ
て、所望の板厚プロフィルの修正が可能となり、高精度
なエッジドロップ制御が可能となる。
【0029】ニューラルネットワークのうち、パターン
分類に有効である階層型ニューラルネットワークと呼ば
れるタイプのものは、通常、後出図9に示す如く、入力
ユニット層10、中間ユニット層20及び出力ユニット
層30の3層から構成されている。各ユニットは互いに
結合されており、又、各結合はそれぞれ結合重みを有し
ており、この値は学習によって決定される。入力ユニッ
ト12は、図5に示す如く、1入力1出力で、各ユニッ
トには入力データaが1つずつ対応して入力され、同じ
値が出力される。一方、中間ユニット層及び出力ユニッ
ト層の各ユニット22は、図6に示す如く、多入力1出
力であり、次式に示す如く、前の層のユニットからの出
力値ai(図ではi=1〜3)に、結合重みwiを乗じ
た値xが入力される。
【0030】x=Σai・wi …(1)i
【0031】各ユニットでは、入力値xに対して、一種
の閾値関数である次式の関数によって出力値f(x)が
計算される。
【0032】 f(x)=1/{1+exp(−x)} …(2)
【0033】学習には、上記入力データと出力データの
対の実績データを多数用意し、例えば誤差逆伝搬法と呼
ばれる学習法により、収束するまで繰り返し提示し、結
合重みの値wiを決定する。
【0034】母板コイルの板厚プロフィルが様々な形態
になり得る場合や、圧延条件が頻繁に変更される場合
等、シフト量及びクロス角の板厚プロフィルの修正量と
の間の関係が複雑で、非線形性が強い場合には、ニュー
ラルネットワークとして、この誤差逆伝搬学習による階
層型ニューラルネットワークを用いることが望ましい。
【0035】又、ニューラルネットワークのうち、学習
が高速で、且つ推定精度の高いものとして、動径基底関
数型ニューラルネットワークと呼ばれるタイプのものが
ある。この動径基底関数型ニューラルネットワークは、
構造としては、前記階層型ニューラルネットワークのよ
うに、入力ユニット層、中間ユニット層、出力ユニット
層から構成されているが、中間ユニットが一種のプロト
タイプの役割を果たし、学習データの中から典型例を抽
出して、重みベクトルとして保持している。
【0036】即ち、図7に示す如く、次式(3)に示す
ような入力データ(ベクトル)Xに対して、次式(4)
に示すような中間ユニットiの重みベクトルMiを用い
て、次式(5)により、各中間ユニットiの入力データ
Xに対する類似度(ユークリッド距離)diを計算し、
該類似度diに応じて中間ユニットの出力値を合成し
て、出力値を算出する。
【0037】 X=(E10,E15,・・・E100,・・・,P,h,B) …(3) Mi=(WE10,WE15,・・・W,i)) …(4) di=|X−Mi| =√{(E10−WE102 +・・・+(B−W,i)2 }…(5)
【0038】ニューラルネットワークの学習に用いるた
めの板厚プロフィルパターンを目標板厚プロフィルに修
正するのに必要なワークロールのシフト機構及びクロス
機構の操作方法のデータが多数となるような場合には、
ニューラルネットワークとして、高速な学習が可能であ
る、この動径基底関数型ニューラルネットワークを用い
ることが望ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0040】図8は、本発明に係る第1実施形態の冷間
タンデム圧延機(圧延設備)の概略構成を示す、ブロッ
ク図を含む側面図である。
【0041】本実施形態で用いられる圧延設備は、6ス
タンドからなる冷間タンデム圧延機であり、その第1ス
タンド21には、図1に示したような一方の端部にテー
パが付与されたワークロール12、14が用いられ、且
つ、図3に示した如く、互いにクロスする機構も備えら
れている。この第1スタンド21は、前記上下のワーク
ロール12、14の上下に補強用のバックアップロール
31が設けられた4段圧延機とされている。圧延材は、
熱延後に酸洗した板厚1.8〜2.0m、板幅900m
mの低炭素鋼板である。
【0042】前記第1スタンド21のワークロール1
2、14は、シフトクロス操作装置40により所定位置
にシフトされ、所定角度にクロスされる。
【0043】このシフトクロス操作装置40には、シフ
トクロス制御装置42から制御信号が入力される。この
シフトクロス制御装置42は、圧延機の出側に設置され
ている板厚プロフィル計44で測定された被圧延材10
の板厚プロフィル実績値と、板厚プロフィル目標設定装
置46で設定された板厚プロフィル目標値が入力される
と、第1スタンド21のシフト操作量及びクロス角度を
算出し、前記シフトクロス操作装置40に出力し、前記
ワークロール12、14を所定のシフト位置及びクロス
角度に制御する。
【0044】前記シフトクロス制御装置42には、ニュ
ーラルネットワークが設けられており、板厚プロフィル
パターンを目標板厚プロフィルに修正するのに必要なワ
ークロールのシフト機構及びクロス機構の操作方法のデ
ータ群を保持した学習データにより、予め学習が行われ
ている。
【0045】図9に、本実施例で用いられている階層型
ニューラルネットワークの一例を示す。図9中におい
て、○印で示されるユニットが、矢印で示されるよう
に、ネットワーク状に結合され、入力ユニット層10、
中間ユニット層20、出力ユニット層30の3層構造と
なっている。
【0046】本実施形態では、入力として、板厚プロフ
ィルと圧延条件がニューラルネットワークに入力され
る。
【0047】板厚プロフィルは、板端部から10mm間
隔の板厚偏差の値で表現されており、図中においてEx
は、板端部xmm位置での板厚偏差を示している。本実
施形態では、板端部10mm位置から100mm位置ま
での板厚偏差を入力データとしている。
【0048】又、圧延条件としては、第1スタンド21
での圧延荷重Pと入側板厚hを入力データとする。
【0049】出力ユニットからは、シフト操作量とクロ
ス角操作量が出力される。各ユニットの入出力関数に
は、前記(2)式を用いる。
【0050】ニューラルネットワークの学習は、誤差逆
伝搬法によって行われる。学習には、上記入力データと
出力データの対の実績データを多数用意し、誤差逆伝搬
法により、収束するまで繰り返して実施し、結合重み値
を決定する。
【0051】学習後のニューラルネットワークに、圧延
中に測定した板厚プロフィルと圧延条件を入力データと
して入力すると、シフト量及びクロス角の操作量が演算
される。この演算されたシフト量及びクロス角の操作量
により、前記シフトクロス操作装置40では、ワークロ
ール12、14のシフト量及びクロス角を操作し、エッ
ジドロップを制御する。
【0052】次に、本発明の第2実施形態として、動径
基底関数型ニューラルネットワークを用いたものを説明
する。
【0053】本実施形態で用いられる圧延設備は、前記
第1実施形態と同じである。圧延材は、熱延後に焼鈍、
酸洗した板厚1.8〜2.0mm、板幅900〜120
0mmのステンレス鋼板である。
【0054】図10に、本実施形態における動径基底関
数型ニューラルネットワークの一例を示す。
【0055】本実施形態では、入力として、板厚プロフ
ィルと圧延条件がニューラルネットワークに入力され
る。
【0056】板厚プロフィルは、板端部10mm位置か
ら5mm間隔での板厚偏差の値で表現されており、図中
においてExは、板端部xmm位置での板厚偏差を示し
ている。本実施形態では、板端部10mm位置から50
mm位置まで、及び板端部100mm位置の板厚偏差を
入力データとする。
【0057】又、圧延条件としては、第1スタンド21
での圧延荷重Pと入側板厚h及び板幅Bを入力データと
する。
【0058】出力ユニットからは、シフト操作量とクロ
ス角操作量が出力される。中間ユニットの入出力関数に
は、前記(5)式を用いる。
【0059】ニューラルネットワークの学習には、上記
入力データと出力データの対の実績データを多数用意
し、逐次提示しながら中間ユニットの重みベクトルMi
を決定する。
【0060】学習後のニューラルネットワークに、圧延
中に測定した板厚プロフィルと圧延条件を入力データと
して入力すると、シフト量及びクロス角の操作量が演算
される。この演算されたシフト量及びクロス角の操作量
により、前記シフトクロス操作装置40では、ワークロ
ール12、14のシフト量及びクロス角を操作し、エッ
ジドロップを制御する。
【0061】このように、本発明では、エッジドロップ
の改善を図ることが可能となる。
【0062】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、
その要旨を逸脱しない範囲で、種々変更可能である。
【0063】例えば、ニューラルネットワークへの板厚
プロフィル入力値として、10mm間隔又は5mm間隔
の板厚偏差を用いていたが、より多数の位置や、より少
数の位置の板厚偏差の値であってもよい。又、圧延条件
として、圧延荷重、入側板厚、板幅を入力していたが、
ワークロール径や圧延速度等の因子を加えたり、あるい
は、圧延条件の入力を止めてもよい。
【0064】又、本発明に適用できる圧延設備の具体的
構成は、前記実施形態に示したものに限定されない。例
えば、圧延機は4段のものに限定されず、6段や2段の
圧延機等でもよく、スタンド数も実施形態に示した6ス
タンドに限らず、4スタンドや5スタンド、あるいは単
スタンドでもよく、任意である。
【0065】又、テーパが付与されたワークロールのシ
フトクロス機構を備えたスタンドは、板厚が厚いほど、
より内部から板厚プロフィルの修正が可能であり、母板
エッジドロップを修正するためには、最上流である第1
スタンドに制御スタンドを備えるのが望ましいが、第1
スタンドだけでは制御能力が足りない場合には、第2、
第3スタンドと上流側から追加していくことができる。
又、製品としての板厚プロフィルを制御する場合には、
最終スタンドでフィードバック制御することも効果があ
る。
【0066】又、シフトクロス機構は、バックアップロ
ールとワークロールを対にしてクロスするペアクロス圧
延機でもよい。
【0067】又、ワークロールのテーパも、単純な直線
状でなく、正弦波状や複数の傾きを持っていてもよい。
【0068】又、圧延対象とする板材も鋼板に限定され
ず、アルミ板や銅板等であってもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、板材を圧延する際、ワ
ークロールのシフトとクロスを使用して、板厚プロフィ
ル、特にエッジドロップを改善するための高精度なエッ
ジドロップ制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テーパが付与されたワークロールのシフト状態
を示す正面図
【図2】ワークロール端部のテーパ量及びシフト量の定
義を説明するための線図
【図3】ワークロールクロスの定義を説明するための平
面図
【図4】ワークロールのシフト、クロス及びシフトクロ
ス併用における上下ワークロール間の無負荷時のロール
ギャップの例を示す線図
【図5】本発明で用いる階層型ニューラルネットワーク
における入力ユニットの入出力の関係の例を示す線図
【図6】同じく中間及び出力ユニットの入出力の関係の
例を示す線図
【図7】同じく動径基底関数型ニューラルネットワーク
の例を示す線図
【図8】本発明の第1実施形態を示す、一部ブロック線
図を含む正面図
【図9】第1実施形態で用いられている階層型ニューラ
ルネットワークの構成例を示す線図
【図10】本発明の第2実施形態で用いられている動径
基底関数型ニューラルネットワークの構成例を示す線図
【符号の説明】
10…被圧延材 12、14…ワークロール(WR) 40…シフトクロス操作装置 42…シフトクロス制御装置 44…板厚プロフィル計 46…板厚プロフィル目標設定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21B 37/00 116J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロールの片側端部にテーパを付与したワー
    クロールを軸方向にシフトする機構と、該ワークロール
    をクロスさせる機構を備えた圧延機を用いる板材のエッ
    ジドロップ制御方法において、 予め前記被圧延材の板厚プロフィルパターンを目標板厚
    プロフィルに修正するのに必要なワークロールのシフト
    機構及びクロス機構の操作方法をニューラルネットワー
    クに学習させておき、 圧延中に検出した被圧延材の板厚プロフィルをニューラ
    ルネットワークに入力して板厚プロフィルパターンの認
    識を行い、シフト量及びクロス角を算出し、操作するこ
    とを特徴とする板材圧延におけるエッジドロップ制御方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ニューラルネット
    ワークとして、誤差逆伝播学習による階層型ニューラル
    ネットワークを用いることを特徴とする板材圧延におけ
    るエッジドロップ制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ニューラルネット
    ワークとして、動径基底関数型ニューラルネットワーク
    を用いることを特徴とする板材圧延におけるエッジドロ
    ップ制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013111648A (ja) * 2011-12-01 2013-06-10 Jfe Steel Corp 金属帯の圧延方法
JP2014016972A (ja) * 2012-07-11 2014-01-30 Honda Motor Co Ltd 制御システム
CN108637020A (zh) * 2018-05-09 2018-10-12 北京科技大学 一种自适应变异pso-bp神经网络带钢凸度预测方法

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