JP2000079410A - 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 - Google Patents
冷間圧延時のエッジドロップ制御方法Info
- Publication number
- JP2000079410A JP2000079410A JP10249251A JP24925198A JP2000079410A JP 2000079410 A JP2000079410 A JP 2000079410A JP 10249251 A JP10249251 A JP 10249251A JP 24925198 A JP24925198 A JP 24925198A JP 2000079410 A JP2000079410 A JP 2000079410A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- edge drop
- rolling
- edge
- stand
- plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Control Of Metal Rolling (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Abstract
ることにより、形状精度の良好な冷延板を得る。 【構成】 ワークロールベンダー,中間ロールベンダ
ー,中間ロールシフト等の制御手段を備えた複数スタン
ドからなる圧延機で金属板のエッジドロップを制御する
際、板端からの距離が異なる複数の個所におけるパラメ
ータで素材及び/又は圧延材のエッジドロップを表し、
これらパラメータを取り込んだ数式モデルを予め作成し
ておく。圧延中に圧延荷重の変動,素材プロフィールを
連続的に測定し、実測値を数式モデルに代入し、最終ス
タンド出側のエッジドロップが目標値に一致するよう
に、ワークロールベンダー,中間ロールベンダー及び中
間ロールシフトの一つ以上を制御又は設定する。
Description
がちな端部の形状不良を抑えるエッジドロップ制御方法
に関する。
する厚み分布が均一であることが要求される。しかし、
板幅方向端部近傍では、圧延時の塑性流動に起因してエ
ッジドロップが生じる。圧延開始時からエッジドロップ
が目標値となるように制御していくためには、精度のよ
い数式モデルに基づき形状制御手段の制御量を初期設定
することが重要である。エッジドロップを抑制する手段
として、ロール胴端部が先細りになってワークロールを
板幅方向にシフトさせるテーパ付きワークロールシフト
法が通常採用されている。たとえば、複数スタンドで構
成される圧延機においてエッジドロップを防止するた
め、テーパ付きワークロールの最適シフト量を制御する
ことが特開平4−91811号公報に紹介されている。
この方法では、エッジプロフィールを複数のパラメータ
で表している。そして、圧延時のエッジプロフィールと
最終パス出側における目標エッジプロフィールとの差を
従属変数とし、圧延前のエッジプロフィールを表すパラ
メータ及びシフト位置を独立変数とする数式モデルに従
ってワークロールの幅方向シフト量を時々刻々調整して
いる。
は、複数スタンドからなる圧延機でのエッジドロップを
制御するため、テーパ付きワークロールの最適シフト量
を設定することが開示されている。この方法では、予め
求めている数式モデルから最終パス圧延機出側のエッジ
ドロップ量を予測し、予測結果に応じて上流側圧延機の
ワークロールシフト量を設定している。ロール胴端部に
テーパを付けるためには、ワークロールの研磨が必要と
される。また、板幅が大きく異なる金属板を圧延すると
き、ロールシフトに関する圧延機の制約から、板幅に応
じて複数のテーパ付きワークロールを使い分ける必要が
生じる。その結果、ロール交換が必要となり、通常の圧
延に比較して操業性が低下する。
は、ワークロールのシフト量を初期設定した後、圧延中
にフィードフォワード制御又はフィードバック制御する
ときワークロールの移動に時間がかかり、応答性が低く
なりやすい。そこで、本発明者等は、テーパ付きワーク
ロールシフトを使用せずにエッジドロップを制御する方
法について検討し、圧延前の素材プロフィール及び最終
スタンド出側のプロフィールに応じてエッジドロップ改
善量を常時補正又は設定する方法を開発し、特開平8−
57515号公報として紹介した。この方法では、板端
からの距離が異なる複数の個所において基準位置に対す
る板厚の差を複数のパラメータとして冷間圧延される金
属板のエッジドロップを表わし、これらパラメータを表
わす数式モデルを予め作成しておく。そして、圧延前の
素材プロフィール又は最終スタンド出側のプロフィール
を連続的に測定し、この実測値を変数として数式モデル
に基づき、最終スタンド出側のエッジドロップが目標値
に一致するように第1スタンドから最終の1段手前のス
タンドまでのうちの複数のスタンドにおいてワークロー
ルベンダー,中間ロールベンダー及び中間ロールシフト
の一つ又は複数を制御することによりエッジドロップ改
善量を常時補正又は設定している。
御により、エッジドロップ改善精度は大きく向上する。
しかし、提案した数式モデルでは、エッジドロップに大
きな影響を及ぼすにも拘わらず、圧延荷重のエッジドロ
ップに及ぼす影響は、各形状制御手段のエッジドロップ
に及ぼす影響度を示す影響係数の中に取り込まれてお
り、圧延荷重が影響係数とは別に独立した項として与え
られていない。そのため、各影響係数は、板幅,板厚,
材質等の製造品種ごとにテーブル設定されるか、圧延条
件の関数として数式化されることになる。しかし、圧延
荷重の影響が直接的に数式モデルの中に取り込まれてい
ないため、圧延開始時にエッジドロップが目標値からず
れることがある。
に基づいたフィードフォワード制御では、圧延中におけ
る圧延荷重変動の冷延後エッジドロップに及ぼす影響が
考慮されていないため、潤滑状態等の変化に起因して圧
延中の圧延荷重変動が大きい場合には冷延後のエッジド
ロップが変動し、バラツキが大きくなることがある。他
方、最終スタンド出側のプロフィール測定結果に基づい
たフィードバック制御では、圧延荷重変動の冷延後エッ
ジドロップに及ぼす影響が考慮されることになるが、プ
ロフィール測定がX線板厚計の移動によって行われるた
め、制御の時間遅れを生じ、冷延後のエッジドロップが
変動しバラツキが大きくなることがある。
題を解消すべく案出されたものであり、圧延荷重の実測
値に基づき各形状制御手段の制御量を補正することによ
り、圧延荷重変動の大きい場合にもバラツキの小さい安
定したエッジドロップ制御を行うことを目的とする。ま
た、圧延荷重のエッジドロップに及ぼす影響を直接的に
取り込んだ数式モデルを使用し、ワークロールベンダ
ー,中間ロールベンダー及び中間ロールシフトの一つ又
は複数を初期設定することにより、圧延開始時のエッジ
ドロップを効果的に制御し、板幅方向に関して板厚分布
の均一性に優れた金属板を得ることを目的とする。
目的を達成するため、板端からの距離が異なる複数の個
所における基準位置に対する板厚の差を複数のパラメー
タとして冷間圧延される金属板のエッジドロップを表
し、これらパラメータを表す数式モデルを予め作成して
おくと共に、圧延荷重を連続的に測定し、この実測値を
変数として前記数式モデルに基づき、最終スタンド出側
のエッジドロップが目標値に一致するように、第1スタ
ンドから最終の1段手前のスタンドまでのうちの複数ス
タンドにおいてワークロールベンダー,中間ロールベン
ダー,中間ロールシフトの一つ又は複数を制御すること
によりエッジドロップ改善量を常時補正することを特徴
とする。
における基準位置に対する板厚の差で冷間圧延される金
属板のエッジドロップを定義し、エッジドロップを表す
数式モデルを予め作成しておくと共に、圧延前の素材プ
ロフィール及び圧延荷重を連続的に測定し、この実測値
を変数として前記数式モデルに基づき、最終スタンド出
側のエッジドロップが目標値に一致するように、第1ス
タンドから最終の1段手前のスタンドまでのうちの複数
スタンドにおいてワークロールベンダー,中間ロールベ
ンダー,中間ロールシフトの一つ又は複数を制御するこ
とによりエッジドロップ改善量を常時補正する。
端からの距離が異なる複数の個所における基準位置に対
する板厚の差を複数のパラメータとして冷間圧延される
金属板のエッジドロップを表し、これらパラメータを表
す数式モデルを予め作成しておくと共に、圧延開始時の
圧延荷重を予測し、この予測値を変数として前記数式モ
デルに基づき、最終スタンド出側のエッジドロップが目
標値に一致するように、第1スタンドから最終の1段手
前のスタンドまでのうちの複数スタンドにおいてワーク
ロールベンダー,中間ロールベンダー,中間ロールシフ
トの一つ又は複数を制御することによりエッジドロップ
改善量を常時設定する。
て各形状制御手段の制御量を補正することによりバラツ
キの小さい安定した板幅方向端部の板厚プロフィールが
得られるような冷間圧延時のエッジドロップ制御方法を
種々調査検討した。その結果、板端から距離が異なる複
数の個所における基準位置に対する板厚差が圧延荷重と
ほぼ比例関係にあることに着目し、板厚差に圧延荷重が
及ぼす影響を取り込んだ数式モデルを使用すると、制御
手段が精度良く且つ高い応答性で動作し、バラツキの小
さい安定した板幅方向端部の板厚プロフィールをもつ冷
延鋼帯が製造されることを見出した。また、エッジドロ
ップに及ぼす圧延荷重の影響を直接取り込んだ数式モデ
ルに従ってワークロールベンダー,中間ロールベンダー
及び中間ロールシフトの一つ又は複数を初期設定する
と、圧延開始時から板幅方向に関して板厚分布の均一性
に優れた金属板が得られる冷間圧延時のエッジドロップ
制御が可能になることを見出した。
ー及び中間ロールシフトによるエッジドロップ制御によ
って本発明を具体的に説明する。素材のエッジドロップ
は、式(1)及び(2)でそれぞれ定義されるFx 及び
Fy で表される。Fx 及びFy は、図1に示すように板
幅方向端部から距離x及びyの位置における素材の肉厚
減少量を示す。最終スタンド出側のエッジドロップは、
式(3)及び(4)でそれぞれ定義されるEx ,Ey で
表される。Ex 及びEy も、図2に示すように板幅方向
端部から距離x及びyの位置における肉厚減少量を示
す。 (素材エッジドロップ) Fx =Hk −Hx ・・・・(1) Fy =Hk −Hy ・・・・(2) (出側エッジドロップ) Ex =hk −hx ・・・・(3) Ey =hk −hy ・・・・(4)
ぞれx,y及びkの距離における素材の板厚であり、h
x ,hy 及びhk は板端からそれぞれx,y及びkの距
離における最終スタンド出側での板厚である。ただし、
x<y<kとする。距離x,y及びkは、エッジドロッ
プを適切に表し、且つ精度のよい数式モデルが得られる
ように経験的に選定される。最終スタンド出側のエッジ
ドロップに影響する変動要因には、板厚,材質,潤滑状
態,圧延荷重,素材のエッジドロップ等の外乱やワーク
ロールベンダー,中間ロールベンダー,中間ロールシフ
ト,テーパ付きワークロールシフト等の形状制御手段の
制御量がある。板厚は、重要な品質項目であり、通常は
自動板厚制御によってほぼ一定値になるように制御され
ている。材質及び潤滑状態は、最終スタンド出側のエッ
ジドロップに影響するが、その影響の大半は圧延荷重の
変動に応じてロール撓み及びロール偏平が変化すること
により生じる。したがって、圧延中に最終スタンド出側
のエッジドロップに変化をもたらす主要因は、素材のエ
ッジドロップ,圧延荷重及び形状制御手段の制御量であ
る。
と、圧延反力によるロール撓み及びロール偏平が変化
し、当該スタンド出側におけるエッジドロップが変化
し、エッジドロップ最終スタンド出側のエッジドロップ
を変化させる。ここで、単位幅当りの圧延荷重とロール
撓み量及びロール偏平量とはほぼ線形関係にあり、途中
スタンド出側におけるエッジドロップと最終スタンド出
側のエッジドロップもほぼ線形関係にあるため、式
(3)及び(4)で表わされる最終スタンド出側のエッ
ジドロップEx 及びEy は、図3に示すように単位幅当
りの圧延荷重とほぼ線形関係にある。
ダーも、圧延荷重と同様にロール撓みを変化させてエッ
ジドロップを変化させるものであり、ワークロールベン
ダー及び中間ロールベンダーと最終スタンド出側のエッ
ジドロップEx ,Ey との間にそれぞれ図4及び図5に
それぞれ示すようにほぼ線形関係が成立する。中間ロー
ルシフトは、ロール間の接触範囲を変更することにより
ロールの撓み、ひいてはエッジドロップを変化させるも
のであり、狭いシフト量範囲においては図6に示すよう
に最終スタンド出側のエッジドロップEx ,Ey とほぼ
線形関係にある。また、素材のエッジドロップFx ,F
y も板端近傍の荷重分布を変化させることにより最終ス
タンドで型のエッジドロップEx ,Ey を変化させるも
のであり、両者の関係は図7に示すようにほぼ線形関係
にある。
(5)及び(6)で予測できる。 式中、iは上流スタンド側からiスタンド目の圧延機,
nはスタンド数,Wiはiスタンドのワークロールベン
ダーの制御量,Ii はiスタンドの中間ロールベンダー
の制御量,δi はiスタンドの中間ロールシフトの制御
量,pi はiスタンドの単位幅当りの圧延荷重,a1i,
a2i,a3i,a4i,a5 ,a6 ,b1i,b2i,b3i,b
4i,b5 ,b6 は影響係数を示す。
b1i,b2i,b3i,b4i,b5 は、実験又はロールの弾
性変形解析と素材の塑性変形解析とを連成させた解析モ
デルによるシミュレーションからそれぞれ求められる。
すなわち、他の圧延条件を全て一定にし、各形状制御手
段の制御量Wi ,Ii ,δi 単位幅当りの圧延荷重p i
と素材のエッジドロップ量Fx ,Fy 及び最終スタンド
出側のエッジドロップ量Ex ,Ey との間で成立してい
るリニアーの関係における傾きとして求められる。な
お、影響係数a6 ,b6 は、その関係における定数項と
して求められる。同一スタンドにおいては、ワークロー
ルベンダー,中間ロールベンダー及び中間ロールシフト
のエッジドロップ制御特性は、図8に示すように非常に
よく類似しており、式(7)の関係で表すことができ
る。 b1i/a1i=b2i/a2i=b3i/a3i ・・・・(7)
xの距離におけるエッジドロップ改善量(最終スタンド
出側)をSxiとすると、Ex 及びEy はそれぞれ次式
(8)及び(9)で表される。 ここで、b7iは影響係数であり、式(10)で表され
る。 b7i=b1i/a1i ・・・・(10)
を制御する場合には、各スタンドの圧延荷重Pi 及び圧
延前の素材プロフィールを連続的に測定し、圧延荷重P
i 及び板幅wから式(11)に従って単位幅当りの圧延
荷重pi を算出すると共に、式(1)及び(2)からF
x 及びFy を算出する。そして、式(8)及び(9)で
表されるEx 及びEy がそれぞれ目標値Ex'及びEy'と
なるように、iスタンドで与える板端から距離xの個所
における最終スタンド出側のエッジドロップ改善量Sxi
を常時補正する。ここで、圧延前の素材プロフィールの
測定には、板幅方向に関して移動可能なX線板厚計等が
使用される。 pi =Pi /w ・・・・(11)
Ex ,Ey に及ぼす単位幅当りの圧延荷重pi の影響に
比較して素材のエッジドロップFx ,Fy の影響は小さ
いので、素材のエッジドロップFx ,Fy に実績値
Fx m,Fy mを取り込むことにより、式(8)及び式
(9)はそれぞれ式(12)及び式(13)のように簡
略化できる。なお、影響係数a7 ,b8 は、それぞれ式
(14)及び(15)で表わされる。 a7 =a5 Fx m+a6 ・・・・(14) b8 =b5 Fy m+b6 ・・・・(15) 更には、各スタンドの圧延荷重Pi を連続的に測定し、
圧延荷重Pi 及び板幅wから式(11)に従って単位幅
当りの圧延荷重pi を算出する。そして、式(12),
(13)で表わされるEx 及びEy がそれぞれ目標値E
x',Ey'となるようにiスタンドで与える板端から距離
xの個所における最終スタンド出側のエッジドロップ改
善量Sxiを常時補正する。
ては、各スタンドの圧延荷重Pi を予測し、圧延荷重の
予測値Pi 及び板幅から式(11)に従って単位幅当り
の圧延荷重pi を算出すると共に、圧延前の素材プロフ
ィールの測定値又は予測値から式(1)及び(2)に従
ってFx 及びFy を算出する。そして、式(8),
(9)で表わされるEx 及びEy がそれぞれ目標値
Ex',Ey'となるようにiスタンドで与える板端から距
離xの個所における最終スタンド出側のエッジドロップ
改善量Sxiを常時補正する。圧延荷重の予測値は、当該
コイルまでの圧延荷重の実績値より学習計算により求め
られる。また、圧延前の素材プロフィールとしては前工
程での測定値を使用でき、予測値として実績値の平均値
を使用することもできる。
が大きすぎる場合、途中形状が悪化し、板破断を生じる
危険がある。この板破断は、各スタンドにおけるエッジ
ドロップ改善量に上限値Sxi MAX を設けることによって
防止できる。上限値Sxi MAXの設定によってエッジドロ
ップの目標値Ex',Ey'が得られない場合、式(16)
で示す評価関数J1 を導入し、評価関数J1 が最小とな
るように各スタンドにおけるエッジドロップ改善量Sxi
を常時補正する。 J1 =wx(Ex −Ex')2+wy(Ey −Ey')2 ・・・・(16) 式中、wx ,wy は重み係数を示す。4スタンド以上の
圧延機でエッジドロップの目標値Ex'及びEy'が得られ
る場合、各スタンドにおけるエッジドロップ改善量Sxi
に関しては任意の組合せを採用できる。しかし、途中形
状を考慮し、たとえば式(17)に示すような評価関数
J2 を導入し、評価関数J2 が最小となるように各スタ
ンドにおけるエッジドロップ改善量Sxiを常時補正する
ことが好ましい。
量Sxiに対するワークロールベンダーの制御量Wi ,中
間ロールベンダーの制御量Ii ,中間ロールシフトの制
御量δi は、任意の組合せで補正又は設定できる。しか
し、応答性を考慮して、中間ロールシフトよりもワーク
ロールベンダー及び中間ロールベンダーの制御量を優先
させることが好ましい。以上の説明では、板端から距離
の異なる2点の位置において基準位置に対する板厚差で
エッジドロップを定義し、各形状制御手段を補正してい
る。しかし、本発明はこれに拘束されるものではなく、
板幅方向3個所以上の位置において基準位置に対する板
厚差でエッジドロップを定義する場合でも、式(16)
及び(17)と同様な評価関数を用いてエッジドロップ
を制御する。更に、圧延荷重及び圧延前の素材プロフィ
ールの実測値や圧延荷重の実測値に基づいてエッジドロ
ップを制御する方法は、テーパ付きワークロールシフト
を用いたエッジドロップ制御でも同様に使用される。
し、請求項1に従ったエッジドロップ制御法(実施例
1),請求項2に従ったエッジドロップ制御法(実施例
2),請求項3に従ったエッジドロップ制御法(実施例
3)及び特開平8−57515号公報記載のエッジドロ
ップ制御法(従来法)を比較する。本実施例では、図9
に示すように4スタンド1〜4を備えたタンデム圧延機
5を使用した。実施例1では、圧延中の鋼板6の圧延荷
重を荷重計7で連続測定し、測定値を上位コンピュータ
9に入力した。実施例2では、圧延中の鋼板6の圧延荷
重を荷重計7で連続測定すると共に、板幅方向に移動可
能なX線板厚計8によって、圧延中の鋼板6の圧延前プ
ロフィールを連続的に測定し、測定値を上位コンピュー
タ9に入力した。実施例3では、圧延荷重の予測値を上
位コンピュータ9に入力し、予測値に応じたエッジドロ
ップ制御量を算出した。
されており、プロセスコンピュータ10では実測値及び
製品品種ごとに予め求められている影響係数に応じて最
適なエッジドロップ改善量を算出した。算出値を形状制
御手段11に入力し、常時補正又は設定した。板厚保証
点が10mmであるので、x=10mmに設定した。ま
た、エッジドロップを制御して減少させたとき、後工程
で問題となるエッジアップが板端から30mm近傍に生
じ易いことから,y=30mmとした。本実施例の圧延
条件では、エッジドロップ制御によって板厚が変わらな
い範囲が板端から100mmよりも板幅中央側にあるこ
とから、エッジドロップ量評価の基準点をk=100m
mに設定した。
(19)に示すF10,F30で定義し、最終スタンド出側
のエッジドロップを式(20)及び(21)に示す
E10,E30で定義した。 F10=H100 −H10 ・・・・(18) F30=H100 −H30 ・・・・(19) E10=h100 −h10 ・・・・(20) E30=h100 −h30 ・・・・(21)
(22)及び(23)で表わされる。圧延荷重を荷重計
7で連続測定し、E10及びE30が目標値E10’,E30’
にそれぞれなるようにNo.1〜3スタンドで与えられ
る板端から10mmの距離における最終スタンド出側の
エッジドロップ改善量S10i を式(22)及び(23)
に従って常時補正した。 ここで、a7 及びb8 は影響係数であり、素材エッジド
ロップの実測値の平均値F10 m ,F30 m からそれぞれ式
(24),(25)に従って算出される。 a7 =a5 F10 m +a6 ・・・・(24) b8 =b5 F30ym +b6 ・・・・(25)
(26)及び(27)で表される。圧延荷重を荷重計7
で連続測定すると共に、圧延前の素材プロフィールをX
線板厚計で連続測定し、式(18)及び(19)に従っ
てF10及びF30を算出した。そして、E10及びE30がそ
れぞれ目標値E10’及びE30’となるように、No.1
〜3スタンドで与えられる板端から10mmの距離にお
ける最終スタンド出側のエッジドロップ改善量S10i を
式(26),(27)に従って常時補正した。
っては、応答性を考慮してワークロールベンダー及び中
間ロールベンダーの制御量を補正した。図10,11
は、以上に説明した実施例1及び実施例2の手順を示す
フローである。実施例3では、式(28)に従って圧延
開始時の各スタンドにおける圧延荷重を学習計算し、圧
延荷重の予測値Pi と板幅wから式(11)に従って単
位幅当りの圧延荷重pi を算出した。 Pi =(1−α)Pi ’+αPiLast ・・・・・(28) ここで、Pi'は学習計算で予測した前コイルの圧延開始
時のiスタンドの圧延荷重の予測値であり、PiLast は
前コイルの圧延開始時のiスタンドの圧延荷重の実績値
である。また、αは実績値PiLast の学習計算への取込
み比率を表わす係数であり、実施例3ではα=0.1と
した。圧延前の素材プロフィールとしては、前工程であ
る熱間圧延工程での測定値を使用した。
6),(27)で表わされ、F10,F 30は圧延前の素材
プロフィールの測定値から式(18),(19)に従っ
て算出される。E10,E30が目標値E10’,E30’にな
るように圧延荷重の予測値に基づき、No.1〜3スタ
ンドで与える板端から10mmの距離における最終スタ
ンド出側のエッジドロップ改善量S10i を、図12のフ
ローに示すように式(26),(27)に従って設定し
た。何れの実施例でも、途中形状の圧下に起因した板破
断を防止するため、各製造品種ごとに各スタンドにおけ
るエッジドロップ改善量の上限値S10i MAXを設けた。上
限値S10i MAXの範囲内でエッジドロップの目標値
E10’,E30’が得られたので、S10i に関して任意の
組み合わせが採用できるが、途中形状の如何による悪影
響を考慮して式(29)の評価関数J2 を導入し、評価
関数J2が最小となるように各スタンドにおけるエッジ
ドロップ改善量S10i を常時補正又は設定した。
について、実施例1,2を従来法と比較してそれぞれ図
13,14に示す。なお、エッジドロップの目標値
E10’,E30’は共に2μmとした。図13,14から
明らかなように、従来法では圧延中のE10に±6μmの
バラツキが発生しており、E30は±4μmの範囲でばら
ついていた。これに対し、圧延中の荷重変動を考慮して
エッジドロップ制御した実施例1では、E10,E30の何
れも±3μmの範囲に収まっていた。更に、荷重変動,
素材プロフィールを考慮してエッジドロップ制御した実
施例2では、E10,E30の何れも±2μmの範囲に収ま
っていた。また、実施例3で得られた圧延開始時のエッ
ジドロップの実績値を目標値E10’,E30’と比較して
図15,16に示す。他方、従来法による圧延開始時の
エッジドロップの実績値を目標値E10’,E30’と比較
して図17,18に示す。図17,18にみられるよう
に、従来法ではエッジドロップの実績値と目標値
E 10’,E30’との差が±5μmを超える場合があっ
た。これに対し、実施例3におけるエッジドロップの実
績値と目標値E10’,E30’との差は、図15,16に
みられるように±5μm以内に収まっていた。
き、圧延荷重のエッジドロップに及ぼす影響を直接取り
込んだ数式モデルを使用し、圧延中における圧延荷重変
動を、更には素材プロフィールを連続的に測定し、実測
値を変数として数式モデルから得られたエッジドロップ
改善量を常時補正することにより、圧延荷重変動の大き
な場合にあってもバラツキが小さく安定したエッジドロ
ップ制御が可能になり、形状特性の良好な金属板が製造
される。また、エッジドロップに及ぼす圧延荷重の影響
を直接取り込んだ数式モデルに基づきエッジドロップ制
御量を設定するとき、圧延開始時から板幅方向に関して
板厚分布の均一性に優れた金属板が高い歩留で製造され
る。
エッジドロップ
タンド出側のエッジドロップ
エッジドロップとの関係
ド出側のエッジドロップとの関係
出側のエッジドロップとの関係
側のエッジドロップとの関係
終スタンド出側のエッジドロップとの関係
ー,中間ロールベンダー及び中間ロールシフトのエッジ
ドロップ制御特性を示す比較図
し、実施例1,2と従来法を比較して示した図
し、実施例1,2と従来法を比較して示した図
と目標値E10’との比較
と目標値E30’との比較
目標値E10’との比較
目標値E30’との比較
7:荷重計 8:X線板厚計 9:上位コンピ
ュータ 10:プロセスコンピュータ 11:形状制御手段
Claims (3)
- 【請求項1】 板端からの距離が異なる複数の個所にお
ける基準位置に対する板厚の差を複数のパラメータとし
て冷間圧延される金属板のエッジドロップを表し、これ
らパラメータを表す数式モデルを予め作成しておくと共
に、圧延荷重を連続的に測定し、この実測値を変数とし
て前記数式モデルに基づき、最終スタンド出側のエッジ
ドロップが目標値に一致するように、第1スタンドから
最終の1段手前のスタンドまでのうちの複数スタンドに
おいてワークロールベンダー,中間ロールベンダー,中
間ロールシフトの一つ又は複数を制御することによりエ
ッジドロップ改善量を常時補正することを特徴とする冷
間圧延時のエッジドロップ制御方法。 - 【請求項2】 板端からの距離が異なる複数の個所にお
ける基準位置に対する板厚の差を複数のパラメータとし
て冷間圧延される金属板のエッジドロップを表し、これ
らパラメータを表す数式モデルを予め作成しておくと共
に、圧延荷重及び圧延前の素材プロフィールを連続的に
測定し、この実測値を変数として前記数式モデルに基づ
き、最終スタンド出側のエッジドロップが目標値に一致
するように、第1スタンドから最終の1段手前のスタン
ドまでのうちの複数スタンドにおいてワークロールベン
ダー,中間ロールベンダー,中間ロールシフトの一つ又
は複数を制御することによりエッジドロップ改善量を常
時補正することを特徴とする冷間圧延時のエッジドロッ
プ制御方法。 - 【請求項3】 板端からの距離が異なる複数の個所にお
ける基準位置に対する板厚の差を複数のパラメータとし
て冷間圧延される金属板のエッジドロップを表し、これ
らパラメータを表す数式モデルを予め作成しておくと共
に、圧延開始時の圧延荷重を予測し、この予測値を変数
として前記数式モデルに基づき、最終スタンド出側のエ
ッジドロップが目標値に一致するように、第1スタンド
から最終の1段手前のスタンドまでのうちの複数スタン
ドにおいてワークロールベンダー,中間ロールベンダ
ー,中間ロールシフトの一つ又は複数を制御することに
よりエッジドロップ改善量を常時設定することを特徴と
する冷間圧延時のエッジドロップ制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24925198A JP4227686B2 (ja) | 1998-09-03 | 1998-09-03 | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24925198A JP4227686B2 (ja) | 1998-09-03 | 1998-09-03 | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000079410A true JP2000079410A (ja) | 2000-03-21 |
JP4227686B2 JP4227686B2 (ja) | 2009-02-18 |
Family
ID=17190190
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24925198A Expired - Fee Related JP4227686B2 (ja) | 1998-09-03 | 1998-09-03 | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4227686B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013111647A (ja) * | 2011-12-01 | 2013-06-10 | Hitachi Engineering & Services Co Ltd | ロールプレス設備 |
CN112859595A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-28 | 东北大学 | 基于变调控功效的冷轧带钢边部减薄最优控制量的确定方法 |
CN114406001A (zh) * | 2022-01-26 | 2022-04-29 | 北京首钢股份有限公司 | 一种轧件剪切控制方法、装置和设备 |
-
1998
- 1998-09-03 JP JP24925198A patent/JP4227686B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013111647A (ja) * | 2011-12-01 | 2013-06-10 | Hitachi Engineering & Services Co Ltd | ロールプレス設備 |
CN112859595A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-05-28 | 东北大学 | 基于变调控功效的冷轧带钢边部减薄最优控制量的确定方法 |
CN114406001A (zh) * | 2022-01-26 | 2022-04-29 | 北京首钢股份有限公司 | 一种轧件剪切控制方法、装置和设备 |
CN114406001B (zh) * | 2022-01-26 | 2023-12-26 | 北京首钢股份有限公司 | 一种轧件剪切控制方法、装置和设备 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4227686B2 (ja) | 2009-02-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0621087A1 (en) | Rolling mill and method | |
JP4948301B2 (ja) | 冷間圧延における形状制御方法 | |
JP2008043967A (ja) | 熱間圧延における板形状の制御方法 | |
JP2000079410A (ja) | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 | |
CN115335158B (zh) | 控制辊轧材料的带材平整度的方法、控制系统和生产线 | |
JP4162622B2 (ja) | 冷間圧延におけるエッジドロップ制御方法 | |
JP2007203303A (ja) | 冷間圧延における形状制御方法 | |
CN109226279B (zh) | 一种五机架冷连轧高强钢板带的四分之一浪板形控制方法 | |
JP2000301221A (ja) | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 | |
JP4164306B2 (ja) | 冷間圧延におけるエッジドロップ制御方法 | |
JP4330134B2 (ja) | 冷間圧延における形状制御方法 | |
JP3506120B2 (ja) | タンデム圧延機の圧延負荷配分変更方法 | |
JP3252751B2 (ja) | 冷間タンデム圧延における板幅制御方法 | |
JP2002292414A (ja) | 冷間圧延における形状制御方法 | |
JP4813014B2 (ja) | 冷間タンデム圧延機の形状制御方法 | |
JP4086119B2 (ja) | 酸洗前熱延鋼帯の冷間圧延における形状制御方法 | |
JP2003211213A (ja) | 圧延鋼板の製造方法 | |
JP4102267B2 (ja) | 冷間タンデム圧延における板幅制御方法 | |
JPS61199507A (ja) | 金属板圧延における先進率制御方法 | |
JPH08238509A (ja) | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 | |
JP2719216B2 (ja) | 板圧延のエッジドロップ制御方法 | |
JP2003001311A (ja) | 冷間タンデム圧延における板幅制御方法 | |
JP2000015315A (ja) | ワークロール位置制御方法および装置 | |
JP3244112B2 (ja) | 板材の圧延機及び板材の圧延方法 | |
JPH0857515A (ja) | 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060113 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20070409 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20070417 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080715 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080909 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20081118 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081201 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111205 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121205 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131205 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |