JP2000301221A - 冷間圧延時のエッジドロップ制御方法 - Google Patents

冷間圧延時のエッジドロップ制御方法

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JP2000301221A
JP2000301221A JP11112788A JP11278899A JP2000301221A JP 2000301221 A JP2000301221 A JP 2000301221A JP 11112788 A JP11112788 A JP 11112788A JP 11278899 A JP11278899 A JP 11278899A JP 2000301221 A JP2000301221 A JP 2000301221A
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rolling
stand
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edge
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Atsushi Aizawa
敦 相沢
Kenji Hara
健治 原
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッジドロップ改善量を中間ロールシフト量
により常時補正又は設定することにより、板幅の異なる
金属板を連続して冷間圧延する際にも形状精度の良好な
冷延板を得る。 【構成】 ワークロールベンダー,中間ロールベンダ
ー,中間ロールシフト等の制御手段を備えた複数スタン
ドからなる圧延機で金属板のエッジドロップを制御する
際、板端からの距離が異なる複数の個所におけるパラメ
ータで素材及び/又は圧延材のエッジドロップを表し、
これらパラメータを取り込んだ数式モデルを予め作成し
ておく。板幅の異なる金属板を連続して冷間圧延する際
に圧延荷重の変動,素材プロフィールに加え中間ロール
シフト量を連続的に測定し、実測値を数式モデルに代入
し、最終スタンド出側のエッジドロップが目標値に一致
するように、ワークロールベンダー,中間ロールベンダ
ーの一つ又は両方を制御又は設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板圧延時に発生し
がちな端部の形状不良を抑えるエッジドロップ制御方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間圧延された金属板は、板幅方向に関
する厚み分布が均一であることが要求される。しかし、
板幅方向端部近傍では、圧延時の塑性流動に起因してエ
ッジドロップが生じる。圧延開始時からエッジドロップ
が目標値となるように制御していくためには、精度のよ
い数式モデルに基づき形状制御手段の制御量を初期設定
することが重要である。エッジドロップを抑制する手段
として、ロール胴端部が先細りになってワークロールを
板幅方向にシフトさせるテーパ付きワークロールシフト
法が通常採用されている。たとえば、複数スタンドで構
成される圧延機においてエッジドロップを防止するた
め、テーパ付きワークロールの最適シフト量を制御する
ことが特開平4−91811号公報に紹介されている。
この方法では、エッジプロフィールを複数のパラメータ
で表している。そして、圧延時のエッジプロフィールと
最終パス出側における目標エッジプロフィールとの差を
従属変数とし、圧延前のエッジプロフィールを表すパラ
メータ及びシフト位置を独立変数とする数式モデルに従
ってワークロールの幅方向シフト量を時々刻々調整して
いる。
【0003】また、特開平3−243204号公報で
は、複数スタンドからなる圧延機でのエッジドロップを
制御するため、テーパ付きワークロールの最適シフト量
を設定することが開示されている。この方法では、予め
求めている数式モデルから最終パス圧延機出側のエッジ
ドロップ量を予測し、予測結果に応じて上流側圧延機の
ワークロールシフト量を設定している。テーパ付きワー
クロールシフト法では、圧延中にワークロールのシフト
量を常時補正することによりエッジドロップ量を制御す
るため、ワークロールの移動に時間がかかり、応答性も
低い。また、ロール胴端部にテーパを付けるため、ワー
クロールの研磨が必要とされる。しかも、板幅が大きく
異なる金属板を圧延するとき、ロールシフトに関する圧
延機の制約から、板幅に応じて複数のテーパ付きワーク
ロールを使い分ける必要が生じる。その結果、ロール交
換が必要となり、通常の圧延に比較して操業性が低下す
る。
【0004】そこで、本発明者等は、テーパ付きワーク
ロールシフトを使用せずにエッジドロップを制御する方
法について検討し、プリセット制御として板端からの距
離が異なる複数の個所における基準位置に対する板厚の
差を複数のパラメータとして金属板のエッジドロップを
表し、これら最終スタンド出側のエッジドロップを表す
数式モデルを圧延荷重及び冷間圧延される金属板のエッ
ジドロップの関数として予め作成しておき、圧延荷重及
び冷間圧延される金属板のエッジドロップの予測値を求
め、前記数式モデルに基づき、最終スタンド出側のエッ
ジドロップが目標値に一致するように、第1スタンドか
ら最終の1段手前のスタンドまでのうちの複数スタンド
においてワークロールベンダー,中間ロールベンダー,
中間ロールシフトの一つ又は複数を制御することにより
エッジドロップ改善量を常時補正する方法を開発した。
【0005】また、フィードフォワード制御として、板
端からの距離が異なる複数の地点における基準位置に対
する板厚の差を複数のパラメータとして冷間圧延される
金属板のエッジドロップを表わし、これらパラメータを
表わす数式モデルを予め作成しておくと共に、圧延荷重
及び圧延前の素材プロフィールを連続的に測定し、得ら
れた実測値を変数として前記数式モデルに基づき、第1
スタンドから最終の1段手前のスタンドまでのうちの複
数スタンドにおいてワークロールベンダー,中間ロール
ベンダー及び中間ロールシフトの一つ又は複数を制御す
ることによりエッジドロップ改善量を常時補正する方法
を開発し、特願平10―249251として出願した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先願で提案したエッジ
ドロップ制御により、エッジドロップ改善精度は大きく
向上する。しかし、実際にはこれらの形状制御手段のう
ち、通常応答性の低い中間ロールシフトの制御量を冷間
圧延される金属板の板幅に対応した適正値に固定し、応
答性の高いワークロールベンダー及び中間ロールベンダ
ーでエッジドロップ改善量を補正している。中間ロール
シフト制御量を適正値に固定した操業では、板幅が一定
の金属板を連続圧延する場合には問題はないが、板幅が
異なる金属板を連続的に圧延する切替え時に、後続の金
属板に対する適正な中間ロールシフト量になるまでに遅
れが発生する。そのため、中間ロールのシフトが完了す
るまでの間、目標のエッジドロップが得られず、或いは
途中スタンドで形状不良による板破断を生じることがあ
った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、圧延荷重及び中
間ロールシフトの実測値に基づき各形状制御手段の制御
量を補正することにより、板幅の異なる金属板を連続的
に冷間圧延する際、中間ロールシフトが後続の金属板に
対する適正値になるまでの間においても、バラツキの小
さい安定したエッジドロップ制御を行うことを目的とす
る。
【0008】本発明のエッジドロップ制御方法は、その
目的を達成するため、板端からの距離が異なる複数の個
所における基準位置に対する板厚の差を複数のパラメー
タとして冷間圧延終了後の金属板のエッジドロップを表
し、これらパラメータを表す数式モデルを予め作成して
おくと共に、圧延荷重,圧延前の素材プロフィール及び
中間ロールシフト位置を連続的に測定し、この実測値を
変数として前記数式モデルに基づき、最終スタンド出側
のエッジドロップが目標値に一致するように、第1スタ
ンドから最終の1段手前のスタンドまでのうちの複数ス
タンドにおいてワークロールベンダー及び中間ロールベ
ンダーの一つ又は両方を制御することによりエッジドロ
ップ改善量を常時補正することを特徴とする。また、中
間ロールシフト位置が次鋼帯の設定値に至るまで中間ロ
ールをシフトする際、圧延荷重,中間ロールシフト位置
を連続的に測定し、この実測値を変数として前記数式モ
デルに基づき同様にワークロールベンダー及び中間ロー
ルベンダーの一つ又は両方を制御することもできる。冷
間圧延される金属板のエッジドロップは、過去の実績値
に基づいた予測値としてプリセットしておいても良い。
【0009】
【実施の形態】本発明者等は、圧延荷重の変動を考慮し
て各形状制御手段の制御量を補正するとき、形状制御手
段のうち中間ロールシフトは応答性に欠けるが、冷間圧
延される金属板の板幅に対応する適正な中間ロールシフ
ト量で固定すれば、ワークロールベンダー及び/又は中
間ロールベンダーの制御量により充分エッジドロップを
目標値に制御できることを確認した。さらに、板幅の異
なる金属板を連続的に冷間圧延する場合においても、中
間ロールシフトが後続の金属板に適した位置に移動する
間、板端から距離が異なる複数の個所における基準位置
に対する板厚差が圧延荷重とほぼ比例関係にあることに
基づいて、圧延荷重,冷間圧延される金属板のエッジド
ロップ,中間ロールシフトを変数として取り込んだ数式
モデルを使用し、ワークロールベンダー及び/又は中間
ロールベンダーの二つの制御手段に対してフィードフォ
ワード制御するとき、精度良く且つ高い応答性で動作
し、バラツキの小さい安定した板幅方向端部の板厚プロ
フィールをもつ冷延鋼帯が製造されることを見出した。
また、冷間圧延される金属板のエッジドロップについて
は実績値に基づいてプリセットしても効果が見られた。
【0010】ワークロールベンダー及び中間ロールベン
ダーによりエッジドロップを制御する本発明の方法を具
体的に説明する。素材のエッジドロップは、式(1)及
び(2)でそれぞれ定義されるFx 及びFy で表され
る。Fx 及びFy は、図1に示すように板幅方向端部か
ら距離x及びyの位置における素材の肉厚減少量を示
す。最終スタンド出側のエッジドロップは、式(3)及
び(4)でそれぞれ定義されるEx ,Ey で表される。
x 及びEy も、図2に示すように板幅方向端部から距
離x及びyの位置における肉厚減少量を示す。 (素材エッジドロップ) Fx =Hk −Hx ・・・・(1) Fy =Hk −Hy ・・・・(2) (出側エッジドロップ) Ex =hk −hx ・・・・(3) Ey =hk −hy ・・・・(4)
【0011】式中、Hx ,Hy 及びHk は板端からそれ
ぞれx,y及びkの距離における素材の板厚であり、h
x ,hy 及びhk は板端からそれぞれx,y及びkの距
離における最終スタンド出側での板厚である。ただし、
x<y<kとする。距離x,y及びkは、エッジドロッ
プを適切に表し、且つ精度のよい数式モデルが得られる
ように経験的に選定される。最終スタンド出側のエッジ
ドロップに影響する変動要因には、板厚,材質,潤滑状
態,圧延荷重,素材のエッジドロップ等の外乱やワーク
ロールベンダー,中間ロールベンダー,中間ロールシフ
ト,テーパ付きワークロールシフト等の形状制御手段の
制御量がある。板厚は、重要な品質項目であり、通常は
自動板厚制御によってほぼ一定値になるように制御され
ている。材質及び潤滑状態は、最終スタンド出側のエッ
ジドロップに影響するが、その影響の大半は圧延荷重の
変動に応じてロール撓み及びロール偏平が変化すること
により生じる。したがって、圧延中に最終スタンド出側
のエッジドロップに変化をもたらす主要因は、素材のエ
ッジドロップ,圧延荷重及び形状制御手段の制御量であ
る。
【0012】各スタンドにおける圧延荷重が変化する
と、圧延反力によるロール撓み及びロール偏平が変化
し、当該スタンド出側におけるエッジドロップが変化
し、最終スタンド出側のエッジドロップを変化させる。
ここで、単位幅当りの圧延荷重とロール撓み量及びロー
ル偏平量とはほぼ線形関係にあり、途中スタンド出側に
おけるエッジドロップと最終スタンド出側のエッジドロ
ップもほぼ線形関係にあるため、式(3)及び(4)で
表わされる最終スタンド出側のエッジドロップEx 及び
y は、図3に示すように単位幅当りの圧延荷重とほぼ
線形関係にある。
【0013】ワークロールベンダー及び中間ロールベン
ダーも、圧延荷重と同様にロール撓みを変化させてエッ
ジドロップを変化させるものであり、ワークロールベン
ダー及び中間ロールベンダーと最終スタンド出側のエッ
ジドロップEx ,Ey との間にそれぞれ図4及び図5に
それぞれ示すようにほぼ線形関係が成立する。中間ロー
ルシフトは、ロール間の接触範囲を変更することにより
ロールの撓み、ひいてはエッジドロップを変化させるも
のであり、狭いシフト量範囲においては図6に示すよう
に最終スタンド出側のエッジドロップEx ,Ey とほぼ
線形関係にある。また、素材のエッジドロップFx ,F
y も板端近傍の荷重分布を変化させることにより最終ス
タンドで型のエッジドロップEx ,Ey を変化させるも
のであり、両者の関係は図7に示すようにほぼ線形関係
にある。
【0014】したがって、エッジドロップは、次式
(5)及び(6)で予測できる。 式中、iは上流スタンド側からiスタンド目の圧延機,
nはスタンド数,Wiはiスタンドのワークロールベン
ダーの制御量,Ii はiスタンドの中間ロールベンダー
の制御量,δi はiスタンドの中間ロールシフトの制御
量,pi はiスタンドの単位幅当りの圧延荷重,a1i
2i,a3i,a4i,a5 ,a6 ,b1i,b2i,b3i,b
4i,b5 ,b6 は影響係数を示す。
【0015】影響係数a1i,a2i,a3i,a4i,a5
1i,b2i,b3i,b4i,b5 は、実験又はロールの弾
性変形解析と素材の塑性変形解析とを連成させた解析モ
デルによるシミュレーションからそれぞれ求められる。
すなわち、他の圧延条件を全て一定にし、各形状制御手
段の制御量Wi ,Ii ,δi 単位幅当りの圧延荷重p i
と素材のエッジドロップ量Fx ,Fy 及び最終スタンド
出側のエッジドロップ量Ex ,Ey との間で成立してい
るリニアーの関係における傾きとして求められる。な
お、影響係数a6 ,b6 は、その関係における定数項と
して求められる。同一スタンドにおいては、ワークロー
ルベンダー,中間ロールベンダー及び中間ロールシフト
のエッジドロップ制御特性は、図8に示すように非常に
よく類似しており、式(7)の関係で表すことができ
る。 b1i/a1i=b2i/a2i=b3i/a3i ・・・・(7)
【0016】したがって、iスタンドで与える板端から
xの距離におけるエッジドロップ改善量(最終スタンド
出側)をSxiとして次式(8)で定義すると、Ex 及び
yはそれぞれ次式(9)及び(10)で表される。 ここで、b7iは影響係数であり、式(b7i=b1i
1i)で表される。
【0017】本発明の方法によりエッジドロップを制御
する場合には、各スタンドの圧延荷重Pi 及び圧延前の
素材プロフィールを連続的に測定し、圧延荷重Pi 及び
板幅wから式(11)に従って単位幅当りの圧延荷重p
i を算出すると共に、式(1)及び(2)からFx 及び
y を算出する。そして、式(9)及び(10)で表さ
れるEx 及びEy がそれぞれ目標値Ex'及びEy'となる
ように、iスタンドで与える板端から距離xの個所にお
ける最終スタンド出側のエッジドロップ改善量Sxiを常
時算出し、測定された中間ロールシフト位置から得られ
る各スタンドの中間ロールシフトの制御量δi から、式
(8)を満足するように各スタンドのワークロールベン
ダーの制御量Wi 及び中間ロールベンダーの制御量Ii
を常時補正する。なお、式(8)を満足するワークロー
ルベンダーの制御量Wi ,中間ロールベンダーの制御量
i の組合せは無数に存在するが、特に制約を設ける必
要はない。ここで、圧延前の素材プロフィールの測定に
は、板幅方向に関して移動可能なX線板厚計等が使用さ
れる。 pi =Pi /w ・・・・(11)
【0018】また、最終スタンド出側のエッジドロップ
x ,Ey に及ぼす単位幅当りの圧延荷重pi の影響に
比較して素材のエッジドロップFx ,Fy の影響は小さ
いので、素材のエッジドロップFx ,Fy に実績値
x m,Fy mを取り込むことにより、式(9)及び式(1
0)はそれぞれ式(12)及び式(13)のように簡略
化できる。なお、影響係数a7 ,b8 は、それぞれ式
(14)及び(15)で表わされる。 7 =a5x m+a6 ・・・・(14) b8 =b5y m+b6 ・・・・(15) したがって、この場合は冷間圧延される金属板のエッジ
ドロップを計算する必要はなく、各スタンドの圧延荷重
i を連続的に測定し、圧延荷重Pi 及び板幅wから式
(11)に従って単位幅当りの圧延荷重pi を算出す
る。そして、式(12),(13)で表わされるEx
びEy がそれぞれ目標値Ex',Ey'となるようにiスタ
ンドで与える板端から距離xの個所における最終スタン
ド出側のエッジドロップ改善量Sxiを常時補正すればよ
い。
【0019】各スタンドにおけるエッジドロップ改善量
が大きすぎる場合、途中形状が悪化し、板破断を生じる
危険がある。この板破断は、各スタンドにおけるエッジ
ドロップ改善量に上限値Sxi MAX を設けることによって
防止できる。上限値Sxi MAXの設定によってエッジドロ
ップの目標値Ex',Ey'が得られない場合、式(16)
で示す評価関数J1 を導入し、評価関数J1 が最小とな
るように各スタンドにおけるエッジドロップ改善量Sxi
を算出し、各スタンドのワークロールベンダーの制御量
i ,中間ロールベンダーの制御量Ii を常時補正す
る。 J1 =wx(Ex −Ex')2+wy(Ey −Ey')2 ・・・・(16) 式中、wx ,wy は重み係数を示す。4スタンド以上の
圧延機でエッジドロップの目標値Ex'及びEy'が得られ
る場合、各スタンドにおけるエッジドロップ改善量Sxi
に関しては任意の組合せを採用できる。しかし、途中形
状を考慮し、たとえば式(17)に示すような評価関数
2 を導入し、評価関数J2 が最小となるように各スタ
ンドにおけるエッジドロップ改善量Sxiを常時補正する
ことが好ましい。
【0020】連続して冷間圧延する金属板の前後の板幅
の差が大きい場合、切り替わり時に適正な中間ロールシ
フト位置が大きくずれる。このため、各スタンドのワー
クロールベンダーの制御量Wi ,中間ロールベンダーの
制御量Ii の仕様範囲を超えてしまって式(8)を満足
する各スタンドのワークロールベンダーの制御量Wi
中間ロールベンダーの制御量Ii の組合せが得られない
ことがある。この場合には、各スタンドのワークロール
ベンダーの制御量Wi ,中間ロールベンダーの制御量I
i を仕様範囲の最大値又は最小値に設定することで目標
エッジドロップとの差を小さくする。以上の説明では、
板端から距離の異なる2点の位置において基準位置に対
する板厚差でエッジドロップを定義し、各形状制御手段
を補正している。しかし、本発明はこれに拘束されるも
のではなく、板幅方向3個所以上の位置において基準位
置に対する板厚差でエッジドロップを定義する場合で
も、式(16)及び(17)と同様な評価関数を用いて
エッジドロップを制御する。更に、圧延荷重及び圧延前
の素材プロフィールの実測値や中間ロールシフトの実測
値に基づいてエッジドロップを制御する方法は、テーパ
付きワークロールシフトを用いたエッジドロップ制御で
も同様に使用される。
【0021】
【実施例】板厚4.0mm,幅1110mm及び板厚
4.0mm,幅1210mmの素材鋼板を連続冷間圧延
して製品板厚1.6mmの冷延鋼板を製造するに際し、
請求項1に従ったエッジドロップ制御法(実施例1),
請求項2に従ったエッジドロップ制御法(実施例2)及
び従来例として中間ロールシフトに基づく制御をしない
エッジドロップ制御法を比較する。なお、操業にあたっ
ては先行鋼板の最後部で中間ロールのシフトを開始し、
後続鋼板への切替り時には後続鋼板に対しての適正シフ
ト量になるようにタイミングを設定した。本実施例で
は、図9に示すように4スタンド1〜4を備えたタンデ
ム圧延機5を使用した。上位コンピュータ9に圧延条件
を入力し,プロセスコンピュータ10で実測値及び製造
品種ごとに予め求められている影響係数に基づき最適な
各スタンドのワークロールベンダーの制御量Wi ,中間
ロールベンダーの制御量Ii,中間ロールシフトの制御
量δi を算出し、形状制御手段11に入力した。実施例
1では、圧延中の鋼板6の圧延荷重を荷重計7で連続測
定し、圧延前の鋼帯のプロフィールを板幅方向に移動可
能なX線板厚計8で連続測定すると共に、中間ロールシ
フト位置を中間ロール位置測定装置12により連続測定
し、測定値を上位コンピュータ9に取り込んだ。実施例
2では、圧延前の鋼帯のプロフィールを過去の実績値に
基づいて予め上位コンピュータに入力し、圧延中の鋼板
6の圧延荷重を荷重計7で連続測定すると共に、中間ロ
ールシフト位置を中間ロール位置測定装置12により連
続測定し、測定値を上位コンピュータ9に取り込んだ。
【0022】板厚保証点が10mmであるので、x=1
0mmに設定した。また、エッジドロップを制御して減
少させたとき、後工程で問題となるエッジアップが板端
から30mm近傍に生じ易いことから,y=30mmと
した。本実施例の圧延条件では、エッジドロップ制御に
よって板厚が変わらない範囲が板端から100mmより
も板幅中央側にあることから、エッジドロップ量評価の
基準点をk=100mmに設定した。素材のエッジドロ
ップを式(18)及び(19)に示すF10,F30で定義
し、最終スタンド出側のエッジドロップを式(20)及
び(21)に示すE10,E30で定義した。 F10=H100 −H10 ・・・・(18) F30=H100 −H30 ・・・・(19) E10=h100 −h10 ・・・・(20) E30=h100 −h30 ・・・・(21)
【0023】実施例1のE10及びE30は、それぞれ式
(22)及び(23)で表わされる。圧延中の鋼板6の
圧延荷重を荷重計7で連続測定し、圧延前の鋼帯のプロ
フィールを板幅方向に移動可能なX線板厚計8で連続測
定すると共に、中間ロールシフト位置を中間ロール位置
測定装置12により連続測定し、測定値に基づいて式
(18)及び(19)からF10,F30を算出して式(2
2)、(23)に代入し、E10及びE30を求め、E10
びE30が目標値E10’,E30’にそれぞれなるようにN
o.1〜3スタンドで与えられる板端から10mmの距
離における最終スタンド出側のエッジドロップ改善量S
10i を式(22)及び(23)に従って常時算出し、中
間ロール位置測定装置12で測定した中間ロールシフト
量を代入した式(24)を満足するようにワークロール
ベンダーの制御量Wi ,中間ロールベンダーの制御量I
i を常時補正した。
【0024】実施例2のE10及びE30は、それぞれ式
(25)及び(26)で表される。圧延荷重を荷重計7
で連続測定すると共に、中間ロールシフト位置を中間ロ
ール位置測定装置12により連続測定し、実測値を式
(25),(26)に代入して求めたE10及びE30がそ
れぞれ目標値E10’及びE30’となるように、No.1
〜3スタンドで与えられる板端から10mmの距離にお
ける最終スタンド出側のエッジドロップ改善量S10i
を、式(25),(26)に従って常時算出し、中間ロ
ール位置測定装置12で測定した中間ロールシフト量を
代入した式( 24) を満足するようにワークロールベン
ダーの制御量Wi ,中間ロールベンダーの制御量Ii
常時補正した。
【0025】ここで、a7 及びb8 は影響係数であり、
素材エッジドロップの実績値から求めた平均値F10 m
30 m からそれぞれ式(27),(28)に従って算出
される。 a7 =a510 m +a6 ・・・・(27) b8 =b530 m +b6 ・・・・(28) 図10,11は、以上に説明した実施例1及び実施例2
の手順を示すフローである。何れの実施例でも、途中形
状の圧下に起因した板破断を防止するため、各製造品種
ごとに各スタンドにおけるエッジドロップ改善量の上限
値S10i MAXを設けた。上限値S10i MAXの範囲内でエッジ
ドロップの目標値E10’,E30’が得られたので、S
10i に関して任意の組み合わせが採用できるが、途中形
状の如何による悪影響を考慮して式(29)の評価関数
2 を導入し、評価関数J2 が最小となるように各スタ
ンドにおけるエッジドロップ改善量S10i を常時補正又
は設定した。
【0026】また、何れの実施例でもワークロールベン
ダーの制御量Wi ,中間ロールベンダーの制御量Ii
仕様範囲を超えることなく、式(24)を満足するワー
クロールベンダーの制御量Wi ,中間ロールベンダーの
制御量Ii の組合せが得られた。中間ロールシフト位置
をシフトしている間のエッジドロップの実績値E10,E
30の推移について、実施例1,2の結果を従来法の結果
と比較してそれぞれ図12,13に示す。なお、エッジ
ドロップの目標値E10’,E30’は共に2μmとした。
図12,13から明らかなように、従来法では中間ロー
ルのシフト開始と共にエッジドロップは目標値から離れ
始め、E10ではシフト終了時には15μm以上となり、
30では8μm以上の悪化が見られた。これに対し、中
間ロールのシフト中のシフト量を測定して、実測値に基
づいてワークロールベンダーの制御量W i ,中間ロール
ベンダーの制御量Ii を補正してエッジドロップ制御し
た実施例1では、中間ロールのシフト中の変動はあるも
ののE10,E30の何れも±3μmの範囲に収まってい
た。鋼帯素材のプロフィールを実績値に基づいてプリセ
ットしてエッジドロップ制御した実施例2でも、E10
30の何れも±4μmの範囲に収まっていた。
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によると
き、板幅の異なる金属板を連続圧延する際に、個々の板
幅に最適な中間ロールシフト量にシフト中であっても、
エッジドロップに及ぼす影響を直接取り込んだ数式モデ
ルを使用し、圧延中における圧延荷重変動及び素材プロ
フィールを連続的に測定し、加えて中間ロールシフト量
を常時測定し、実測値を変数として数式モデルから得ら
れたエッジドロップ改善量を常時補正することにより、
バラツキが小さく安定したエッジドロップ制御が可能に
なり、形状特性の良好な金属板が製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2個のパラメータFx ,Fy で表した素材の
エッジドロップ
【図2】 2個のパラメータEx ,Ey で表した最終ス
タンド出側のエッジドロップ
【図3】 単位幅当りの圧延荷重と最終スタンド出側の
エッジドロップとの関係
【図4】 ワークロールベンダーの制御量と最終スタン
ド出側のエッジドロップとの関係
【図5】 中間ロールベンダーの制御量と最終スタンド
出側のエッジドロップとの関係
【図6】 中間ロールシフトの制御量と最終スタンド出
側のエッジドロップとの関係
【図7】 同一位置における素材のエッジドロップと最
終スタンド出側のエッジドロップとの関係
【図8】 同一スタンドにおけるワークロールベンダ
ー,中間ロールベンダー及び中間ロールシフトのエッジ
ドロップ制御特性を示す比較図
【図9】 実施例1〜2で使用したタンデム圧延機
【図10】 実施例1における手順を示すフロー
【図11】 実施例2における手順を示すフロー
【図12】 エッジドロップの実績値E10の推移に関
し、実施例1,2と従来法を比較して示した図
【図13】 エッジドロップの実績値E30の推移に関
し、実施例1,2と従来法を比較して示した図
【符号の説明】
1〜4:スタンド 5:タンデム圧延機 6:鋼板
7:荷重計 8:X線板厚計 9:上位コンピ
ュータ 10:プロセスコンピュータ 11:形状制御手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板端からの距離が異なる複数の個所にお
    ける基準位置に対する板厚の差を複数のパラメータとし
    て冷間圧延終了後の金属板のエッジドロップを表し、こ
    れらパラメータを表す数式モデルを予め作成しておくと
    共に、圧延中の圧延荷重,圧延前の素材プロフィール及
    び中間ロールシフト位置を連続的に測定し、この実測値
    を変数として前記数式モデルに基づき、最終スタンド出
    側のエッジドロップが目標値に一致するように、第1ス
    タンドから最終の1段手前のスタンドまでのうちの複数
    スタンドにおいてワークロールベンダー及び中間ロール
    ベンダーの一つ又は両方を制御することによりエッジド
    ロップ改善量を常時補正することを特徴とするエッジド
    ロップ制御方法。
  2. 【請求項2】 板端からの距離が異なる複数の個所にお
    ける基準位置に対する板厚の差を複数のパラメータとし
    て冷間圧延終了後の金属板のエッジドロップを表し、こ
    れらパラメータを表す数式モデルを予め作成し、実績値
    から求めた冷間圧延される金属板のエッジドロップを該
    数式モデルに取り込んでおくと共に、圧延中の圧延荷
    重,中間ロールシフト位置を連続的に測定し、この実測
    値を変数として前記数式モデルに基づき、最終スタンド
    出側のエッジドロップが目標値に一致するように、第1
    スタンドから最終の1段手前のスタンドまでのうちの複
    数スタンドにおいてワークロールベンダー及び中間ロー
    ルベンダーの一つ又は両方を制御することによりエッジ
    ドロップ改善量を常時補正することを特徴とするエッジ
    ドロップ制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101587347B (zh) * 2008-05-22 2012-04-04 鞍钢股份有限公司 冷轧机板形控制目标模型的设计方法
CN106111708A (zh) * 2016-05-05 2016-11-16 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种降低镀锡板边降的方法
CN111299330A (zh) * 2018-12-12 2020-06-19 东芝三菱电机产业系统株式会社 轧制生产线的数学模型计算装置及控制装置

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