JPH0532135B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、圧延された帯板の高速走行中にレベ
リングロールを急速に昇降させて帯板の接合部を
通板させるようにしたテンシヨンレベラに関す
る。

〈従来の技術〉 圧延機によつて圧延された冷延鋼板等の帯板
は、圧延過程で反り或いは部分伸び等の形状不良
が発生するので、その矯正を目的としてテンシヨ
ンレベラが用いられている。

このテンシヨンレベラの外観を表す第６図及び
その−矢視断面形状を表す第７図に示すよう
に、入側ブライドル１及び出側ブライドル２によ
り帯板３にテンシヨンを与え、この状態で小径の
ロールを多数具えたレベラ４によつてベンデイン
グ力を加えることにより、ストリツプ３を伸長さ
せて形状矯正を行うものである。レベラ４は、複
数の非回転駆動形のワークロールユニツト５，
８，９と、それぞれ前記ワークロールユニツトに
対向する非駆動形のデフレクタロールユニツト
６，７，１０とが帯板３で挟んで半ピツチだけ位
相をずらした状態で配置されている。帯板３の上
側の各ロールユニツト６，８，１０は上部フレー
ム１１に固着され、この上部フレーム１１はシリ
ンダ１３によりハウジング１２の上部に着脱自在
に保持されている。一方、下側のロールユニツト
５，７，９はそれぞれ独立したサポートフレーム
５ａ，７ａ，９ａに固着され、下部フレーム１５
の底部に取付けたモータ駆動のジヤツキを有する
インタメツシユ調整装置１６，１７，１８によ
り、下部フレーム１５の案内溝１５ａ内を昇降可
能に支持されている。この下部フレーム１５は、
ハウジング１２下部のシリンダ１９でハウジング
１２内を昇降可能に支持され、更に上部フレーム
１１と下部フレーム１５との対向面に突設した支
持部材２０ａ，２０ｂを介して上部フレーム１１
に着脱自在に保持されている。

ブライドル１，２によつてテンシヨンを与えら
れた帯板３は、ワークロールユニツト５，９及び
デフレクタロールユニツト７をインタメツシユ調
整装置１６，１７，１８により上昇させてそれぞ
れ対向するロールユニツト６，８，１０との間に
適当なインタメツシユを与えることにより、順曲
げ及び逆曲げがなされて伸長させられる一方、各
ロールは帯板３との摩擦力により回転させられ
る。

〈発明が解決しようとする問題点〉 第６図及び第７図に示した従来のテンシヨンレ
ベラにおいて、帯板３はコイル状でラインへ供給
されるため、先行帯板の終端と後続帯板の先端と
は、第８図に示すように上下に重ねて接合した状
態で連続的に通板される。このため、接合部３ａ
がレベラ４を例えば毎分千メートルもの高速で通
過すると、ワークロールユニツト５，８，９の小
径のワークロールは、前記接合部３ａの段差のた
め大きな衝撃力を受けて損傷することとなる。こ
れを防止するため、従来の装置では接合部３ａの
通過に先立つてライン速度即ち帯板の通板速度を
下げることによつて対処しており、その結果、接
合部が通過する度にライン速度の減速及び加速を
行うことにより生産能率の低下を来すという問題
点があつた。

又、下側のロールユニツト５，７，９のサポー
トフレーム５ａ，７ａ，９ａと下部フレーム１５
の案内溝１５ａとの摺動部には最小限度の隙間が
必要であるが、この隙間は運転時間の経過に伴つ
て摺動面の磨耗のために増大し、がたが生じて運
転中に帯板３のテンシヨンによりロールユニツト
５，７，９が帯板３の進行方向（第６図中、右方
向）に振動を起こし、帯板３の表面にロールマー
クを発生するという欠点があつた。

本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされ
たもので、従来の装置のようにストリツプの接合
部がレベラを通過する都度ライン速度を下げるこ
となく、しかもロールを損傷することなく所定の
ライン速度で接合部を通過させ、接合部通過後に
直ちに所定の形状矯正を行うことによつて生産能
率を向上させると共に運転中の振動を防止するこ
とにより帯板表面のマーク発生を防止して品質の
確保を図ることが可能なテンシヨンレベラを提供
することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明のテンシヨンレベラは、ハウジング上部
に着脱可能に取付けられた上部フレームと、この
上部フレームに設けられる複数の上部ロールユニ
ツトと、ハウジング下部に昇降可能に支持された
下部フレームと、インタメツシユ装置を介してこ
の下部フレームに対し上下動可能に取付けられる
サポートフレームと、このサポートフレームに設
けられ且つ帯板を挾んで前記上部ロールユニツト
と対向する複数の下部ロールユニツトと、前記上
部ロールユニツト及び前記下部ロールユニツト中
のバツクアツプロールを回転させる駆動装置とを
有するテンシヨンレベラにおいて、前記帯板の進
行方向の上流側及び下流側にそれぞれ配置される
帯板接合部検出装置と、前記下部ロールユニツト
を前記インタメツシユ装置とは独立して上下動さ
せる装置と、前記下部ロールユニツトを前記帯板
の進行方向に対して固定する装置とを具えたもの
である。

〈作用〉 帯板の接合部がレベラの上流側に近付くと、上
流側の帯板接合部検出装置により帯板の接合部が
検知され、下部ロールユニツトをインタメツシユ
装置と独立して上下動させる装置に帯板接合部検
出装置の検知信号を伝達し、下部ロールユニツト
を下降させて帯板接合部の通板を行わせたのち、
帯板接合部がレベラを通り抜けると下流側の帯板
接合部検出装置の接合部検出信号により下部ロー
ルユニツトが上昇復帰し、通常の矯正作業を行
う。

一方、帯板の通板時にロツク装置によつて下部
ロールユニツトを帯板の進行方向に対して固定
し、ロールの振動を阻止する。

〈実施例〉 本発明によるテンシヨンレベラの一実施例の構
造を表す第１図及びその−矢視断面形状を表
す第２図に示すように、帯板３の下側のロールユ
ニツト５，７，９のサポートフレーム５ａ，７
ａ，９ａの下部でインタメツシユ調整装置１６，
１７，１８のジヤツキ支持中心位置には、それぞ
れジヤツキの上下動と独立して上下方向に出没す
る例えば20mm程度の小ストロークのピストンロツ
ド３０ａを具えた液圧作動の急速開閉シリンダ３
０が埋設されている。第１図の矢視部を拡大し
た第３図に示すように、ロールユニツト５，７，
９はシリンダ３０を介してインタメツシユ調整装
置１６，１７，１８に着脱自在に支持されてい
る。又、前記各サポートフレーム５ａ，７ａ，９
ａには、帯板３の進入側の側面両端部の下部フレ
ーム１５の案内溝１５ａの近接した位置にそれぞ
れ帯板３の進行方向（第１図中、右方向）の前後
に出没可能なピストン３１ａを有する一対の液圧
作動のクランプシリンダ３１が埋設されている。
第１図中の矢視部を拡大した第４図に示すよう
に、ピストン３１ａは下部フレーム１５に固着さ
れたブラケツト３２に当接している。更に、レベ
ラ４の上流側及び下流側の適宜位置には、一般に
公知の例えば非接触式等の図示しない位置センサ
が帯板接合部検出装置として設置されており、先
行及び後続の帯板の接合部の位置をこれら位置セ
ンサで検出し、その検出信号に基づいて前記急速
開閉シリンダ３０及びクランプシリンダ３１を作
動させる自動制御機構が設けられている。前記ワ
ークロールユニツト５，８，９の各バツクアツプ
ロール３３は、この部分を拡大した第５図に示す
ように、回転自在に軸受３４、３５に支持された
駆動軸３６と、該駆動軸３６に対してオイルシー
ル３７，３８を介して一定の抵抗を有して回転可
能に装着されたロールシエル３９とからなる短胴
長の多列ロールで構成されており、各ワークロー
ルユニツト５，８，９毎に三本のバツクアツプロ
ール３３を分配ギヤ４０を介してギヤードモータ
４１で同時に駆動し得るようになつている。各ワ
ークロール４２は、バツクアツプロール３３を強
制駆動することにより中間ロール４３を介して回
転させられ、ワークロール４２の回転速度が所定
のライン速度とほぼ等しくなるようにギヤードモ
ータ４１の回転数を設定できるように構成されて
いる。なお、上記のようなバツクアツプロールの
矯正駆動機構は、先に本出願人が特開昭58−
209421号公報において開示したものであり、上述
した分配ギヤ４０やギヤードモータ４１等でバツ
クアツプロール３３を回転させる駆動装置を構成
している。

テンシヨンレベラの運転に当つては、先ず急速
開閉シリンダ３０のピストン３０ａをストローク
エンドまで突出させた状態で従来の手順に従い所
定のインタメツシユに設定する。次いで、各クラ
ンプシリンダ３１を作動させて、サポートフレー
ム５ａ，７ａ，９ａを下部フレーム１５の帯板３
の進行方向側の案内溝１５ａの摺動面に圧着固定
する。

しかるのち、従来より公知の手順に従つて帯板
３の通板を開始する。こうして、所定のライン速
度で運転続行中に、先行及び後続の帯板３の接合
部をレベラ４に通板する場合には、レベラ４の上
流側の図示しない位置センサによつて事前に接合
部の位置を検出し、その検出信号に基づいてクラ
ンプシリンダ３１による固定を解放させると共に
各急速開閉シリンダ３０を作動させ、接合部が少
なくともレベラ４の入側のワークロールユニツト
５ａに到達する若干手前でピストン３０ａをスト
ロークエンドへ後退させることにより、下部ロー
ルユニツト５，７，９を下降させる。こうして、
前記帯板３の接合部をワークロール４２及びデフ
レクタロール４３と干渉することなく通過させる
ことができる。

レベラ４を通過した接合部は、レベラ４の下流
側の図示しない位置センサで前記上流側と同様に
検出され、その検出信号に基づいて、急速開閉シ
リンダ３０のピストン３０ａをストロークエンド
へ前進させることにより各ロールユニツト５，
７，９を元のインタメツシユ状態に自動復帰させ
る一方、クランプシリンダ３１を作動させてこれ
らロールユニツト５，７，９を案内溝１５ａに圧
着して固定させることにより、自動的且つ急速に
レベラ４を定常運転状態に復帰させて矯正作業を
続行することができる。ここで、下部ロールユニ
ツト５，７，９が急速開閉シリンダ３０により上
昇する際、ワークロール４２及びデフレクタロー
ル４４は高速で走行する帯板３と接触を開始する
ため、これら非駆動ロールのうちで特に小径のワ
ークロール４２と帯板３との間、或いは各ワーク
ロール４２と中間ロール４３及びバツクアツプロ
ール３３相互間にスリツプが発生し、ロールを損
傷する虞があるが、バツクアツプロール強制駆動
機構によつて常にこれらのロールがライン速度と
ほぼ等速で回転しているから、スリツプ発生の心
配はない。

〈発明の効果〉 本発明のテンシヨンレベラにおいては、高速運
転中にそのライン速度を変えることなく、帯板下
側のロールユニツトを自動的且つ急速に昇降させ
ることにより先行及び後続の帯板の接合部を支障
なく通板させることができるので、従来のように
接合部の通過の度にライン速度を減速及び加速す
る必要がなく、生産能率を著しく向上させること
ができる上、下部ロールユニツトの振動を防止す
ることにより、帯板表面の損傷を防止して品質の
確保を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るテンシヨンレベラの一実
施例の機構概念図、第２図はその−矢視断面
図、第３図は第１図中の矢視部の拡大断面図、
第４図は第１図中の矢視部の拡大断面図、第５
図はワークロールユニツトのバツクアツプロール
強制駆動機構の部分の拡大断面図、第６図は従来
のテンシヨンレベラの機構概念図、第７図はその
−矢視断面図、第８図は先行帯板と後続帯板
との接合部の拡大図である。 図面中、３は帯板、４はレベラ、５，８，９は
ワークロールユニツト、６，７，１０はデフレク
タロールユニツト、１１は上部フレーム、１２は
ハウジング、１５は下部フレーム、１６，１７，
１８はインタメツシユ調整装置、３０は急速開閉
シリンダ、３１はクランプシリンダ、３３はバツ
クアツプロール、４０は分配ギヤ、４１はギヤー
ドモータ、４２はワークロール、４３は中間ロー
ルである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ハウジング上部に着脱可能に取付けられた上
   部フレームと、この上部フレームに設けられる複
   数の上部ロールユニツトと、ハウジング下部に昇
   降可能に支持された下部フレームと、インタメツ
   シユ装置を介してこの下部フレームに対し上下動
   可能に取付けられるサポートフレームと、このサ
   ポートフレームに設けられ且つ帯板を挾んで前記
   上部ロールユニツトと対向する複数の下部ロール
   ユニツトと、前記上部ロールユニツト及び前記下
   部ロールユニツト中のバツクアツプロールを回転
   させる駆動装置とを有するテンシヨンレベラにお
   いて、前記帯板の進行方向の上流側及び下流側に
   それぞれ配置される帯板接合部検出装置と、前記
   下部ロールユニツトを前記インタメツシユ装置と
   は独立して上下動させる装置と、前記下部ロール
   ユニツトを前記帯板の進行方向に対して固定する
   装置とを具えたテンシヨンレベラ。