JPS6353092B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシート材取り出し装置、特にレントゲ
ンフイルムなどのシート材をシート束から取り出
し、吸引装置により搬送装置のローラに引き渡す
シート材取り出し装置に関するものである。

ドイツ特許公開公報第2403469号には上記のよ
うな装置、特に１本のレバーに取り付けられてた
吸盤の列から構成された吸引装置が開示されてい
る。

この吸盤は、鉛直線上に下降してシート材の前
端近傍のシート束上に至り、そこで一枚のシート
材を持ち上げる。その後吸盤は最初のシートの下
に空気が入るように傾斜され、続いて持ち上げら
れて再びシート束と平行になるように制御され
る。

シートを吸引した吸盤はシート束平面と平行に
シート材の前端が搬送装置の搬送ローラに取り込
まれる位置まで平行に移動される。シート材がロ
ーラに挿入されると、すぐに吸引装置の負圧が解
放され、シート材が吸引装置から離される。この
ような従来装置では、シート材がローラに取り込
まれた後も吸引装置の吸引力がある程度の時間持
続するため、シート材が吸盤あるいはローラに対
して位置ずれを起こす、という欠点がある。この
ことは、シート材がこの領域で軽く引つ掻かれて
損傷したり、長さ方向に位置ずれしたりする事を
意味する。

本発明は以上の問題点に鑑みて成されたもの
で、吸引装置から搬送装置への引き渡しを改良
し、その場合特に吸引装置とローラ間の不要な引
張力をシート材全体にわたつて取除くことが可能
なシート材取り出し装置を提供することを目的と
する。

本発明によれば、搬送ローラにシート材が捕捉
された後、吸引装置の１部分がシート材といつし
よにローラ方向に引つ張られるようになる。シー
ト材の前端がローラ間に挿入されると、ローラお
よび吸引装置のポンプの駆動が遮断され、続いて
吸引装置の負圧が減少された後再びローラが駆動
される。この２段階から成るシート材の引き渡し
により、シート材の前端部のローラ軸に平行な方
向の位置ずれを直すことができ、従来装置におい
てみられた不均一な負圧減少による欠点、すなわ
ち吸引装置とローラ間の不要な引張力によるシー
ト材の位置ずれや損傷などの問題をほぼなくすこ
とができる。

吸引装置には好ましくは、弾性部材が結合さ
れ、この弾性部材はシート材が引き渡されるごと
に取り出し機構の元の位置に引き戻される。

以下、図面に示す本実施例に基づき、本発明を
詳細に説明する。

第１図において符号１で示すものはシート材、
たとえばレントゲンフイルムの束である。このシ
ート束１は昼光型装置にカセツトから搬入装填さ
れるマガジンの底板２上に配置される。

第１図に示した装置には、本発明に係るシート
材取り出し機構３が設けられており、このシート
材取り出し機構３にはアーム４が揺動および引き
出し可能に設けられている。このアーム４はレー
ル６を摺動自在に取り付けたガイド５から成つて
いる。アーム４の回動およびレール６のガイド５
からの突出は不図示のカム・レバー装置などの機
構により制御される。

レール６からはバー７が延びており、このバー
７の自由端には吸盤８が軸支されている。この吸
盤８はパイプ９によりポンプ１０ないしは吸圧弁
１１に結合されている。

シート１ａを確実に軸に平行に送り出すために
は少なくとも２個の吸盤８を設け、それらの吸盤
をシート材の搬送方向に対して直交するように配
置する必要がある。第１図においては第２の吸盤
８は図示されている吸盤に隠れており現われてい
ないが、不図示の吸盤にも同様のアーム構造４〜
７が設けられている。双方の吸盤８は共に横梁１
２に取り付けられており、この横梁１２は軸１３
によりバー７に軸支される。横梁１２にはアーム
１４が取り付けられており、このアーム１４には
取り出し機構３から延びるバー１５が結合されて
いる。以上のようにして、バー１５を適宜制御す
ることにより、シート束１からシート材１ａを平
行に取り出し、積まれた他のシート材の縁部から
撓めて離し、搬送装置１８のローラ１６，１７間
にシート束１と平行に送り込むように吸盤８を変
位制御させることができる。

本発明においてはバー７は引張りバネ１９の一
端に結合されており、また引張りバネの他端はレ
ール６と結合されている。レール６にはストツパ
２０が形成されており、休止状態ではバー７は引
張りバネ１９の力によりこのストツパ２０に当つ
て止まるようになつている。

搬送装置１８は前記のローラ１６，１７を有し
ており、このうちのローラ１７は駆動装置２１に
結合されている。回転軸１６ｂ，１７ｂの周囲に
はそれぞれローラ材１６ａ，１７ａが取り付けら
れており、これらローラ材の幅はシート材１ａの
それよりも狭くなるよう構成される。上側のロー
ラ１６の二つのローラ材１６ａ間および下側のロ
ーラ１７の二つのローラ材１７ａ間にはフオトイ
ンタラプタ２２，２３が配置されており、このフ
オトインタラプタ２２，２３は遮光されたとき動
作し、その光軸はローラ１６，１７の２軸が形成
する平面上に置かれている。

第２図のブロツク図に示すように、取り出し機
構３を制御するために、制御装置２４にはローラ
１６，１７の駆動装置２１、ポンプ１０ないしは
吸圧弁１１が接続され、さらにフオトインタラプ
タ２２，２３の受光素子２２が接続される。

次に以上の構成における動作につき以下詳細に
説明する。

制御の流れはまずスイツチ２５などにより制御
装置２４に命令を与え、一番上のシート材をシー
ト束１から取り出すことにより始まる。その後、
制御装置２４は取り出し機構３ならびにポンプ１
０を起動する。このとき、吸圧弁１１は閉じら
れ、同時に搬送装置１８の駆動装置２１が通電さ
れる。取り出し機構３が駆動されることにより、
吸盤８が鉛直線２６に沿つて垂直に降下し、シー
ト束１上に到着する。ここで重要な事は、シート
束１の高さにかかわらず、吸盤８がシート束１の
前端から常に同じ距離に着地し、吸盤８から前方
のシート１ａの縁部がほぼ等しい長さになるよう
にされることである。以上のような吸盤８の鉛直
線２６に沿つた運動は前記のカム、レバー装置お
よびガイド５、レール６の伸延構造により行なわ
れる。

シート束のいちばん上のシート材１ａが吸着さ
れた後、適当な経路を通つて、第１図中に一点鎖
線で示した位置に吸盤８が移動する。この位置に
おいて、シート材１ａの前方部分がシート束１と
平行に保持され、またシート材１ａの前縁がロー
ラ１６，１７の軸と平行に保持される。

しかしこの位置においては、シート材１ａの縁
部はまだローラ１６，１７に挿し込まれない。こ
のためにレール６が前記の取り出し機構により、
駆動され、ローラ１６，１７の移送方向にガイド
５から少し前進し、図中に点線で示した位置に来
る。この位置でローラ１６，１７にシート材１ａ
の端部が挿入され、搬送装置１８の移送方向に搬
送される。シート材１ａは、ローラ挿入後、ロー
ラ１６，１７により引つ張られ、吸盤８を引つ張
りバネ引つ１９の力に抗して引つ張り、この際バ
ー７も移送方向に移動する。引つ張りバネ１９の
弾発力を微小なものにしておけば、万一シート材
が吸盤８に対してずれたり、ローラ１６，１７に
斜めに噛み込まれたりした場合にもシート材１ａ
に対して引つ張り応力が加わることがない。

このようにしてシート材１ａのローラーによる
捕捉とともに、レール６のガイド５からの送り出
しが完了していなくてもバー７がレール６に対し
て移動を開始する。

以上のようにしてシート材の確実な取り出しが
続行される。

フオトインタラプタ２２，２３によるシート材
１ａの前縁の検出が制御装置２４に報知される
と、制御装置２４はローラ１６，１７、取り出し
機構３およびポンプ１０の駆動を、場合によつて
はわずかな遅延を伴なつて遮断するとともに吸圧
弁１１を駆動して開放し、これにより吸盤８に空
気が流入できるようになる。こうして吸盤８中の
負圧が減少し、吸盤８からシート材１ａが解放さ
れる。続いて同様の時間制御により、吸盤８中の
負圧の減少に必要な所定時間の経過後再びローラ
１６，１７の駆動装置２１が起動され、シート材
１ａがローラ１６，１７により取り出し領域から
完全に搬出される。シート材１ａの後端がローラ
１６，１７から離脱すると、装置は直ちに次のシ
ート材の取り出し準備動作に入る。

吸盤８はシート材をローラ１６，１７に渡した
後バー７が点線の位置から一点鎖線の位置へ後退
し、その位置で次の取り出し命令を待つように制
御される。

本発明装置においては、シート材の形状が変わ
つても、確実なシート材取り出しが保証される。
また、フオトインタラプタ２２，２３によりシー
ト材の重送を検出するようにもできる。適当な光
量を持つ光源によりシート材が照らされ、２枚の
シート材が取り出された場合には受光素子２２の
出力信号が弱められるので、これに応じて駆動停
止信号を作り出すことができる。

以上説明したように、本発明ではシート材がロ
ーラに取り込まれた後も吸盤が弾性力に抗してシ
ート材とともにシート搬送方向に移動するので、
シート材と吸盤あるいはローラ間の位置ずれを起
すことが防止でき、またその後ローラが停止して
シート材が吸盤から解放され、続いてローラが再
び駆動してシート材が搬送されるので、シートに
不要な引張力が作用せずシート材を円滑に損傷を
受けることなく搬送することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の全体構成を示す一部断面
側面図、第２図は第１図に示した装置のブロツク
回路図である。 １…シート束、１ａ…シート材、３…取り出し
機構、５…ガイド、６…レール、７…バー、８…
吸盤、１０…ポンプ、１１…吸圧弁、１６，１７
…ローラ、２２，２３…フオトインタラプタ、２
４…制御装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シート束からシート材を取り出し搬送装置に
   引き渡すシート材取り出し装置において、 シート束からシート材１ａを吸着し、搬送装置
   のローラ１６，１７の位置に移動させる吸盤８を
   備えた吸引装置７〜９と、 前記ローラの近傍に配置されローラにより捕捉
   されたシート材の前端を検出する検出手段２２，
   ２３と、 前記検出手段によるシート材前端検出前に吸盤
   をローラにより捕捉されたシート材とともにロー
   ラの駆動に従つて引つ張りバネ１９の弾性に抗し
   てシート材搬送方向に移動させる手段６，７とを
   設け、 前記検出手段２２，２３によりシート材の前端
   が検出された場合、ローラ１６，１７の駆動を遮
   断するとともに吸引力を解除して吸盤８からシー
   ト材を解放し、その後ローラを再び駆動してシー
   ト材を搬送することを特徴とするシート材取り出
   し装置。 ２ 前記検出手段はフオトインタラプタであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のシ
   ート材取出し装置。 ３ 前記検出手段２２，２３はローラ１６，１７
   のローラ体１６ａ，１７ｂ間ないしはローラの取
   り込み口近傍にそれぞれ設けられることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項又は第２項に記載のシ
   ート材取出し装置。