JPS6218455B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 技術分野 本発明は、フイルム取り出し装置、特に取り出
し開口部を備えたマガジン内に積層され、所定位
置に配置されたフオーマツト（サイズ）の異なる
フイルムシートを吸着し搬送装置に引き渡す吸着
装置を備え、この吸着装置を介してマガジンから
フイルム、特にＸ線フイルムシートを取り出し、
その場合吸着装置の幅が最小フオーマツトのフイ
ルム幅にほぼ等しく構成されるフイルム取り出し
装置に関する。

(ロ) 従来技術 このようなフイルム取り出し装置は例えばドイ
ツ特許公開公報第3122585号に記載されている
が、この場合フイルムの最大フオーマツトの幅は
吸着装置の幅より５倍〜７倍大きなものとなつて
しまうという問題点がある。ここで吸着装置の幅
とは最外部にある２つの吸引ヘツドの距離を意味
する。その結果フイルムの一部のみが保持され、
搬送装置に引き渡す場合斜めに入つてしまうとい
う問題がある。というのは吸着装置における真空
が完全に除去されておらず、それにも拘らず搬送
装置がシートを既に引き込んでいるからである。
その場合フイルムシートの一部は吸着装置により
なお保持されて引き込みが遅れてしまうのに対
し、フイルムの他の部分は比較的邪魔されずに引
き込まれ、それによつてフイルムシートが斜めに
搬送されてしまう結果となる。

(ハ) 目 的 従つて本発明はこのような従来の欠点を除去す
るために成されたもので、フイルムを確実にほぼ
平行に斜めにならず搬送装置に引き渡すことが可
能なフイルム取り出し装置を提供することを目的
とする。

(ニ) 実施例 以下図面に示す実施例に従い本発明を詳細に説
明する。

第１図において符号１で示すものはフイルム取
り出し装置の台であり、この台１上にマガジン２
が例えば垂直に配置される。マガジン２はその幅
広面に形成されたほぼ互いに対向する位置に形成
される開口部４，５を備えた容器３から構成され
る。これらの開口部４，５は箱状に形成されたス
ライダー６により遮光状態にして閉じることがで
きる。マガジン２内には積層されたフイルムシー
ト７が配置されており、これらのフイルムシート
７はマガジンの幅狭側に垂直に立てられている。
概略図示されたローラ８を駆動することにより取
り出し開口部５の方向に向いた最上部のフイルム
シートが移動され、その垂直端部がマガジン枠に
形成された側部（当り板）９に当たる迄移動され
るので、各フイルムシートはその取り出しの前に
あたつて各端部が所定の位置に揃えられて配置さ
れることになる。このようなローラ８の機構は例
えばドイツ特許公開公報第3122585号に記載され
ている。

第１図には更に吸着装置１０が概略図示されて
おり、この吸着装置は第２図から明らかなように
２つの吸引ヘツド１１を有する。この吸引ヘツド
は真空装置（図示せず）に接続されると共に、移
動機構（詳細には図示されていない）にも接続さ
れる。第１図では吸着装置は２つの位置で図示さ
れており、その第１の位置ではフイルムシート
が吸着され、又第２の位置では吸着されたフイ
ルムシート部分７ａが搬送装置１２に送られる直
前の状態として図示されている。第２の位置で吸
着装置１０が一点鎖線で図示された位置に来ると
フイルムシートを搬送装置１２に引き渡せる状態
となる。

第２図には搬送装置１２が詳細に図示されてい
る。第１の軸１３上には所定の距離隔ててローラ
１４，１４′が取り付けられており、又他の軸１
５上にはフランジ付きローラ１６，１６′が取り
付けられている。このフランジ付きローラ１６，
１６′は円筒体１６ａとその両側端部に取り付け
られた溝付きフランジ部１６ｂから構成されてい
る。フランジ部１６ｂは円筒体１６ａよりも直径
が大きく構成される。又この場合円筒体１６ａの
幅は軸１３上のローラ１４，１４′の幅よりもわ
ずかだけ大きくなつている。

吸着装置１０の領域Ａでは軸１３上のローラ１
４はフランジ付きローラ１６と対向して配置さ
れ、一方吸着装置１０の他の領域Ｂでは軸１３上
のローラ１４′は軸１５上のフランジ付きローラ
１６′とずらして配置される。又軸１３，１５間
の距離ないしローラ１４，１４′，１６，１６′の
直径は第１図に示したように各ローラが交叉ない
しごくわずか噛み合うような距離に選ばれる。又
第１図は詳細に図示されたようにフランジ部１６
ｂの周縁には複数の等間隔な溝１７が形成されて
いる。

さらに第１図及び第３図にはガイド板１８が図
示されている（繁雑さを避けるために第２図には
図示されていない）。このガイド板１８はローラ
１３，１５間を通過し、軸１５の所でフランジ部
１６ｂの外周よりも小さな径で折り曲つている。
フランジ部の領域でガイド板１８には切欠け部１
９が形成されており、この切欠け部はローラ１
４，１６の移送方向ではＶ型の形状の切欠け部２
０となつている。

次にこのように構成された装置の動作を説明す
る。

まず種々の大きさのフオーマツトのフイルムシ
ートで満たされているマガジン２を台１上にセツ
トした後スライダー６を引き上げる。それにより
マガジン２の取り出し開口部５が開放される。こ
のマガジン２は貯蔵マガジンとしての機能をも
ち、例えばＸ線フイルムカセツトの取り出し装置
から多数の露光されたフイルムを貯蔵したり、あ
るいはフイルムを入れてこれを現像装置に引き渡
す場合に用いられるものである。このような現像
装置の入口に本発明によるフイルム取り出し装置
が設けられるものであつて、それにより開放した
マガジンからフイルムシートが取り出され搬送装
置を介して現像装置に引き渡される。

吸着装置１０がで示された位置に来て、そこ
で真空が作動される。ローラ８により最上部のフ
イルムシートが当たり板９の所迄移動され所定位
置に配置されるので、いずれにしても両吸引ヘツ
ド１１はフオーマツトがどのような場合であつて
もフイルムシートと対向することができる。最上
部のシートが吸着された後吸着装置１０が移動し
てで図示した位置に来る。その場合シートはま
ずマガジンから取り出され第１図において右方向
に移動し続いて搬送装置１２の搬送口に移動され
る。その場合取り出されたフイルムシート７ａは
そのフオーマツトによつては他の部分が未だマガ
ジン２内に入つている場合もありうる。

搬送装置が駆動され、それによりローラが図示
した方向に回転する。フオーマツトが小さい場合
にはフイルムシートの前端部が領域Ａのローラ１
４，１６間に挿入されるので、搬送装置１２の引
き渡しは比較的問題なく行なわれる。この場合、
フオーマツトがやや大きくＢの領域に少し入るよ
うな大きさであつても、搬送装置への引き込みは
ほぼ平行に行なわれる。

フオーマツトがかなり大きい場合には、フイル
ムシートは領域Ａの部分のみが吸着装置１０によ
り平行に保持される。フイルムシートの領域Ｂに
延びる部分はその場合重力より下方に落ち、この
部分が第１図でフイルムシート７ｂとして図示さ
れている。しかしこの場合フランジ付きローラ１
６′は、その溝１７によりフイルムシートの前端
部が捕獲され、ローラ１４′，１６′間の挿入口に
持ち上げられるような距離に配置されている。こ
の持ち上げはまず領域Ａに最も近接して配置され
る溝付きフランジ部１６ｂによつて行なわれる。
しかしフイルムにある程度の硬さがあるため領域
Ｂにあるフイルムの前端は次の溝付きフランジ部
１６ｂに押し寄せられるので、いずれにしてもシ
ートはローラ１６′により、つかまれることにな
る。このようにして領域Ａからローラ１６′を介
して順次フイルムは持ち上げられるが、全体から
みればこの持ち上げ工程は瞬時に行なわれるもの
である。

領域Ｂにおいてローラ１４′と１６′がずらして
配置されているので、この領域においてフイルム
シートに働らく引き込み力が極く小さく、ローラ
１６間にローラ１４が入りシートにかなりの引き
込み力を及ぼす領域Ａにおける引き込み力よりは
いずれにしても小さなものとなる。一方吸着装置
１０による引き付け力は、領域Ａにおけるローラ
１４，１６による引き込み力は強くされる。領域
Ｂにおける引き込み力を弱くすることにより、フ
イルムシートが大きなてこにより吸着装置１０か
ら引き離れ、それによつて搬送装置１２に斜めに
挿入されることが防止でき、更に領域Ａにおける
引き込み力を領域Ｂにおける引き込み力よりも強
くすることにより真空がなくなつた時シートが正
確に平行に搬送されることが可能になる。

フイルムを送る場合ガイド板１８の切欠け部１
９で引つかからないようにするために移送方向に
みてＶ型の切欠け部２０が形成される。

又例えば静電気により２つのフイルムが互いに
付着してしまう場合があり、このような付着が図
示しない装置により識別される。その時搬送装置
１２の駆動が止められ、逆転される。それによつ
てフイルムは搬送装置１２から再び取り出され、
フランジ部１６ｂからマガジン２内に戻される。

(ホ) 効 果 このように本発明によれば、吸着装置の引き付
け力が搬送装置の引き込み力よりも小さくなる迄
吸着装置以外の搬送部がフイルム上に何の作用を
及ぼさないようにすることができるので、吸着力
が遮断された後フイルム上には非対称な力が作用
せず、従つて軸に平行で整合された状態でフイル
ムシートを搬送装置へ引き渡すことが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の概略構成を示した側面
図、第２図は搬送装置の斜視図、第３図は搬送装
置の一部斜視図である。 ２…マガジン、４，５…取り出し開口部、７…
フイルムシート、１０…吸着装置、１１…吸引ヘ
ツド、１２…搬送装置、１８…ガイド板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 取り出し開口部４，５を備えたマガジン２内
   に積層され、所定位置に配置されたフオーマツト
   の異なつたフイルムシート７を吸着して搬送装置
   に引き渡す吸着装置１０を備え、この吸着装置を
   介してマガジンからフイルムシートを取り出し、
   その場合吸着装置の幅が最小フオーマツトのフイ
   ルム幅にほぼ等しく構成されるフイルム取り出し
   装置において、 前記搬送装置は、最小フオーマツトのフイルム
   幅にほぼ対応した第１の領域Ａに前記吸着装置の
   引き付け力よりも小さな引き込み力をフイルムシ
   ートに与える互いに対向したローラからなる搬送
   ローラ対１４，１６を、また前記第１の領域に続
   く第２の領域Ｂには前記第１の領域の搬送ローラ
   の引き込み力よりも小さな引き込み力をフイルム
   シートに与えるために互いにずらして配置された
   ローラからなる搬送ローラ対１４′，１６′をそれ
   ぞれ有し、 前記吸着装置は前記第１の領域Ａ近くに配置さ
   れ、 また少なくとも第２の領域に配置される一方の
   ローラ１６′の周側にはフイルムシート端部と係
   合する溝１７が設けられており、 フイルムシートは前記第１の領域では吸着装置
   により前記引き付け力で吸着されて搬送ローラ対
   に送り込まれ、また第２の領域ではフイルムシー
   ト端部が前記溝１７と係合して搬送ローラ対にそ
   れぞれ送り込まれることを特徴とするフイルム取
   り出し装置。 ２ 前記溝１７が形成されるローラは円筒体１６
   ａとその両側に取り付けられ直径が大きなフラン
   ジ部１６ｂから構成され、そのフランジ部１６ｂ
   に溝１７が形成される特許請求の範囲第１項に記
   載のフイルム取り出し装置。 ３ 円筒体１６ａの幅は他方の軸１３に取り付け
   られるローラ１４，１４′の幅よりも大きい特許
   請求の範囲第１項または第２項に記載のフイルム
   取り出し装置。 ４ 軸１３；１５間の距離ないしはローラ１４，
   １４′；１６，１６′の直径は各ローラが互いにわ
   ずか噛み合う程度に選ばれる特許請求の範囲第１
   項から第３項までのいずれか１項に記載のフイル
   ム取り出し装置。 ５ 両軸１３，１５間を通過しマガジン２に近い
   方の軸１５を周回する湾曲したガイド板１８が設
   けられ、このガイド板にはローラ１６，１６′の
   領域に切欠け部１９が設けられており、この切欠
   け部を介しフランジ部１６ｂが突出する特許請求
   の範囲第１項から第４項までのいずれか１項に記
   載のフイルム取り出し装置。 ６ 前記切欠け部１９はフイルムの移送方向にＶ
   字型の切欠け部２０となつている特許請求の範囲
   第５項に記載のフイルム取り出し装置。 ７ 搬送装置１２を逆方向に駆動できるようにし
   た特許請求の範囲第１項から第６項までのいずれ
   か１項に記載のフイルム取り出し装置。