JPS6344843B2 - - Google Patents
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- JPS6344843B2 JPS6344843B2 JP56141628A JP14162881A JPS6344843B2 JP S6344843 B2 JPS6344843 B2 JP S6344843B2 JP 56141628 A JP56141628 A JP 56141628A JP 14162881 A JP14162881 A JP 14162881A JP S6344843 B2 JPS6344843 B2 JP S6344843B2
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Description
本発明は湿度変化により可逆的に捲縮率が変化
する捲縮複合繊維及びその製造法に関するもので
あり、更に詳しくは、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分(以下、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸と称することがある)が共重合されてい
る変性ポリエチレンテレフタレートとナイロン6
とのサイド・バイ・サイド型複合繊維であつて、
吸湿によつて捲縮率が増大し乾燥によつて捲縮率
が低下する捲縮複合繊維及びその製造法に関する
ものである。 木綿、羊毛、羽毛等の天然繊維が湿度変化によ
つて可逆的に捲縮率が変化することは、従来から
よく知られている。これらの天然繊維はふとん、
枕等の詰綿、防寒衣料等の中入綿として多く使用
されているが、高価であり、しかも、虫によつて
害され易いという欠点を有し、更には使用してい
る間にへたりが大きくなつて湿潤により低下した
捲縮率が乾燥しても充分回復しなくなるという欠
点がある。 一方、合成繊維からなる捲縮繊維も詰綿、中入
綿に使用されているが、一般に合成捲縮繊維は湿
度に対して捲縮率が非可逆的であり、使用中に繊
維同志がからみ合つて球状になつてしまい、嵩性
の回復が行なわれなくなるという欠点がある。こ
のような繊維のからみ合いを防ぐために捲縮率を
下げたり、平滑性油剤を付着させたり、あるいは
トウの状態で開繊させたものを使用したりしてい
るが、これでも充分でなく、2〜3年使用すると
やはりへたりが生じてくる。 本発明者らは、かかる問題点を解決すべく種々
検討した結果、特定のポリマー成分をサイド・バ
イ・サイド型に複合紡糸させることにより、合成
繊維の持つている機能性、即ち、虫がつかないこ
と、ほこりが出にくいこと、嵩性が任意に調節で
きること、繊度の範囲を自由に選択できること、
弾性を有していること等を活かし、しかも天然繊
維のように湿度変化により可逆的に捲縮率が変化
するような捲縮繊維を得ることができることを見
い出し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を共重
合させた変性ポリエチレンテレフタレートとナイ
ロン6とをサイド・バイ・サイド型に複合紡糸
し、一旦巻取ることなく、連続して95℃以下の温
度で延伸し、次いで140℃以下の温度で緊張又は
10%以下の弛緩熱処理を施し、しかる後、120℃
を越え、かつ前記熱処理温度よりも高い温度に
て、20mg/de以下の張力下又は弛緩状態で加熱
し捲縮を発現させることにより得られる捲縮複合
繊維において、該ナイロン6成分が捲縮の外側に
位置していると共に、そのX線回折強度比I
(020)/I(040)が3以上であり、且つ該捲縮繊
維の30℃、相対湿度90%の雰囲気に2時間放置し
たときの捲縮率と、その60℃、30分間乾燥したと
きの捲縮率との差が3%以上大であることを特徴
とする、吸湿によつて捲縮率が増大する感湿捲縮
複合繊維 である。 本発明の捲縮複合繊維は5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を共重合させた変性ポリエチレンテ
レフタレートとナイロン6とからなるサイド・バ
イ・サイド型複合繊維である。この両ポリマーは
複合繊維とした場合の接着性が極めて良好で剥離
が起こらず、しかもこの両者の組み合せによつ
て、湿度変化により、可逆的に大きく捲縮率が変
化する複合繊維を得ることができる。通常ナイロ
ン6としては極限粘度〔η〕(30℃のm−クレゾ
ール溶液で測定)が1.0〜1.4のものが使用され、
もう一方の成分である5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸変性ポリエチレンテレフタレートとして
は極限粘度〔η〕(25℃のO−クロロフエノール
溶液で測定)が0.4〜0.7,5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸の共重合量が15モル%以下のものが
使用される。5−ナトリウムスルホイソフタル酸
の共重合量は特に1〜7モル%であることが好ま
しい。これら両成分には必要に応じて艶消剤、着
色剤、帯電防止剤、熱安定剤等を添加することが
できる。 このようなナイロン6と5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートの
サイド・バイ・サイド型複合繊維自体は、すでに
特公昭45−28728号公報、特公昭46−847号公報等
により知られているが、これら公知の複合繊維で
は湿度変化による可逆的な捲縮率の変化が小さ
い。本発明の最も大きな特徴は、このような公知
の複合繊維において、ナイロン6成分のX線回折
強度比I(020)/I(040)を3以上、好ましくは
5以上とした点にある。ナイロン6成分のX線回
折強度比I(020)/I(040)を3以上、好ましく
は5以上にすることによつて、湿度変化による可
逆的な実用上必要とする程度の捲縮率の変化、即
ち、30℃、相対湿度90%の雰囲気中に2時間放置
した後の捲縮率が60℃、30分間の乾燥後の捲縮率
よりも3%以上大となるような捲縮率の変化が起
こるようになる。 ここで、X線回折強度比I(020)/I(040)と
は、捲縮複合繊維のナイロン6成分について測定
した子午方向のX線広角回折強度曲線(第1図)
から求める値である。即ち、ナイロン6の場合、
第1図に示すように子午方向回折角2θが10.8゜の
位置に(020)の回折強度ピークが、また、回折
角2θが21.4゜のところに(040)の回折強度ピーク
が現われるが、この各ピークの回折強度を回折角
2θが10゜のときの回折強度と40゜のときの回折強度
とを結んだ直線Aをベースラインとして測定し、
それぞれI(020),I(040)を求め、X線回折強
度比I(020)/I(040)として算出する。 従来公知のナイロン6と5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートと
の捲縮複合繊維におけるナイロン6成分のX線回
折強度比I(020)/I(040)は通常1.2〜2.0であ
る。更に本発明の捲縮複合繊維は第2図に示すよ
うにナイロン6成分1が捲縮の外側に位置し、変
性ポリエチレンテレフタレート成分2が捲縮の内
側に位置するような構造をとる。この捲縮複合繊
維が吸湿すると外側のナイロン6成分1は伸長す
るが、内側の変性ポリエチレンテレフタレート成
分2はほとんど長さ変化をきたさないために、捲
縮率が増大する。一方、この捲縮複合繊維を乾燥
すると、外側のナイロン6成分1が収縮し、内側
の変性ポリエチレンテレフタレート成分2の長さ
変化はほとんど起こらないので、捲縮率が低下す
る結果となる。 また、捲縮複合繊維の30℃、相対湿度90%の雰
囲気に2時間放置したときの捲縮率とその60℃、
30分間乾燥したときの捲縮率との差が3%未満で
あれば、ナイロン6成分が捲縮の外側に位置し且
つそのX線回折強度比が3以上あつたとしても、
かかる捲縮複合繊維は吸湿時に実用的なレベルで
捲縮率を増大することができない。 また、本発明の捲縮複合繊維は、任意の繊度、
断面形状、複合形態をとることができる。第3図
は本発明の捲縮複合繊維のいくつかの例を示す拡
大横断面図であり、1がナイロン6成分、2が変
性ポリエチレンテレフタレート成分である。通常
は紡糸が容易であることからイ,ロ,ハのような
横断面の繊維が用いられるが、湿度に対する感度
をにぶくする必要があるときにはニのようにナイ
ロン6成分1を変性ポリエチレンテレフタレート
成分2で包みこむような横断面の複合繊維にする
のが効果的である。またニとは逆に変性ポリエチ
レンテレフタレート成分2をナイロン6成分1で
包みこむような横断面形状にすれば湿度に対する
応答性の早い複合繊維となる。更にホのような中
空複合繊維にすると湿度に対する感度も大きく、
かつ、嵩性も大きくなる。また両成分の複合比は
任意に選択することができるが通常30:70〜70:
30の範囲で用いられる。 このようなナイロン6と変性ポリエチレンテレ
フタレートとからなり、ナイロン6成分が捲縮の
外側に位置し、かつ、ナイロン6成分のX線回折
強度比I(020)/I(040)が3以上であつて、吸
湿時に実用的なレベルで捲縮率を増大することが
できる捲縮複合繊維は、5−ナトリウムイソフタ
ル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレ
ートとナイロン6とをサイド・バイ・サイド型に
複合紡糸し、一旦巻取ることなく連続して95℃以
下の温度で延伸し、次いで140℃以下の温度で緊
張又は10%以下の弛緩熱処理を施し、しかる後、
120℃を越えかつ前記熱処理温度よりも高い温度
にて20mg/de以下の張力下、又は弛緩状態で加
熱し、捲縮を発現させることによつて容易に製造
することができる。 変性ポリエチレンテレフタレートとナイロン6
とをサイド・バイ・サイド型に複合紡糸するには
従来公知の任意の方法を採用することができる。
紡糸して得られた糸条は一旦巻取ることなく連続
してナイロン6のガラス転移点(Tg)以上、95
℃以下の温度で延伸される。延伸温度が95℃を超
えると変性ポリエチレンテレフタレート成分の配
向度が上らなくなり、使用時の物理的応力に対し
て変形し易くなると共に捲縮性能も劣つたものと
なる。延伸倍率は最終時に得られる捲縮複合繊維
の切断伸度が10〜60%、通常は20〜45%となるよ
うに適宜選択すればよい。この延伸倍率は、紡糸
工程での紡糸速度によつて当然変わつてくるもの
であり、一般に紡糸速度が高くなればなるほど、
適用される延伸倍率は低くなつてくる。 本発明においては紡糸後、一旦紡出糸条を巻取
ることなく連続的に延伸を行なう紡糸直結延伸法
を採用するのが、ナイロン6成分のX線回折強度
比I(020)/I(040)を3以上とするうえで最も
望ましい。その場合、紡糸速度は大きい方が捲縮
特性が良くなり、特に400m/分〜1500m/分程
度の紡糸速度を採用するのが好ましい。紡糸後一
旦巻取つた後延伸する場合も、高速で紡糸すれば
ナイロン6成分のX線回折強度比I(020)/I
(040)を3以上とすることが可能となる。直接延
伸も高速紡糸も行えない場合は、紡糸工程で付与
する油剤に非水系のいわゆる、ストレート油剤を
用いるとナイロン6成分のX線回折強度比I
(020)/I(040)が3以上の複合繊維が得られ
る。非水系油剤を用いるとナイロン6成分への水
分の浸透が妨げられ、紡糸直接延伸法によつた場
合と同様のナイロン6の構造ができ、X線回折強
度比I(020)/I(040)が3以上のナイロン6成
分を得るのが容易となるものと考えられる。 かくして得られた延伸複合繊維に140℃以下の
温度で緊張又は、10%以下の弛緩熱処理を施す。
この熱処理工程での弛緩率をあまり大きくしすぎ
ると、充分な捲縮が発現しなくなつてしまう。次
いで120℃を越えかつ、この熱処理温度よりも高
い温度にて20mg/de以下の張力下、又は弛緩状
態で加熱し捲縮を発現させるわけであるが、その
場合、先の熱処理温度を140℃以下とし、かつ捲
縮発現処理時の加熱温度を120℃を越えかつ、熱
処理温度よりも高い温度にしたときに限つて、ナ
イロン6成分が捲縮の外側に位置するような構造
をとり、しかも吸湿時に実用的なレベルで捲縮率
を増大することが可能となる。熱処理温度が140
℃以上を超えると、ナイロン6成分の収縮率より
も変性ポリエチレンテレフタレート成分の収縮率
の方が小さくなつてしまい、捲縮発現処理に際し
て、いかなる温度を用いても、ナイロン6成分が
捲縮の内側にきて変性ポリエチレンテレフタレー
ト成分が捲縮の外側に位置するようになり、本発
明の捲縮複合繊維を得ることができない。また捲
縮発現処理時の加熱温度は120℃を越えかつ熱処
理温度より高い温度にすることが必要で、この加
熱温度が低すぎると十分な捲縮が発現しない。通
常際用される温度は140〜160℃であり、160℃よ
りも高くなると単繊維同志の融着やナイロン6成
分の変色が起こつてくることがある。 かくして得られた捲縮複合繊維は、ナイロン6
成分が捲縮の外側に変性ポリエチレンテレフタレ
ート成分が捲縮の内側に位置し、かつナイロン6
成分のX線回折強度比I(020)/I(040)が3以
上であつて、吸湿によつて捲縮率が向上し、逆に
乾燥すると捲縮率が低下するという特異な性能を
持つた感湿捲縮複合繊維となる。 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、実施例に示す捲縮率(Tc)及び嵩高性は
次の方法により測定したものである。 Γ 捲縮率(Tc) 捲縮複合繊維糸条を長さ30cmの綛にとり、2
mg/deの荷重をかけて沸水中に20分間浸漬し、
次いで24時間自然乾燥した後、200mg/deの荷重
をかけ、1分放置後の長さを測定して、その長さ
をl1とし、その後2mg/deの荷重下で1分放置後
の長さを測定してその長さをl2とし、次式によ
り、捲縮率(Tc)を算出する。 Tc=l1−l2/l1×100(%) 尚、実施例において吸湿捲縮率という場合は、
30℃、相対湿度90%の雰囲気に2時間放置した
後、上記方法によつて測定した捲縮率を、又、乾
燥捲縮率という場合は、60℃、30分間乾燥した後
で上記方法によつて測定した捲縮率を意味する。 Γ 嵩高性 捲縮複合繊維を51mmの長さに切断してカードに
かけたウエブ180gを30cm×30cmの木綿ブロード
袋に入れてふとん状とし、その上に30cm×30cm、
重量9Kgの鉄板を置き、1分後のふとんの高さを
測定して嵩高性の値とする。吸湿嵩高性という場
合は、30℃、相対湿度90%の雰囲気に2時間放置
した後、上記方法によつて測定した嵩高性を、
又、乾燥嵩高性という場合は、60℃、30分間乾燥
した後で上記方法によつて測定した嵩高性を意味
する。 実施例 1 極限粘度〔η〕が1.1(30℃のm−クレゾール溶
液で測定)のナイロン6と極限粘度〔η〕が0.5
(25℃のO−クロロフエノール溶液で測定)であ
り、2.6モル%の5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレ
ートとを常法により、紡糸温度285℃、紡糸速度
280m/分で引き取り、930de/48フイラメント
の未延伸複合繊維を得た。得られた未延伸複合繊
維の横断面形状は第3図イに示すように形状であ
つた。次いでこの未延伸複合繊維を85℃の温度で
3.6倍に延伸し、緊張状態で熱処理した後、10
mg/deの張力下で20分間加熱し、捲縮発現処理
を施した。この場合、紡糸後の未延伸複合繊維を
一旦巻取ることなく連続して延伸する紡糸直接延
伸法によるものと、紡糸した未延伸複合繊維を一
旦巻取つた後別途延伸する別延伸法によるものと
の2つの方法で延伸を行なうと共に熱処理温度、
捲縮発現処理温度を種々変更して実験を行なつ
た。得られた捲縮複合繊維について吸湿捲縮率
(Tc)、乾燥捲縮率(Tc)、ナイロン6成分のX
線回折強度比I(020)/I(040)を測定した結果
を次表に示す。
する捲縮複合繊維及びその製造法に関するもので
あり、更に詳しくは、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分(以下、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸と称することがある)が共重合されてい
る変性ポリエチレンテレフタレートとナイロン6
とのサイド・バイ・サイド型複合繊維であつて、
吸湿によつて捲縮率が増大し乾燥によつて捲縮率
が低下する捲縮複合繊維及びその製造法に関する
ものである。 木綿、羊毛、羽毛等の天然繊維が湿度変化によ
つて可逆的に捲縮率が変化することは、従来から
よく知られている。これらの天然繊維はふとん、
枕等の詰綿、防寒衣料等の中入綿として多く使用
されているが、高価であり、しかも、虫によつて
害され易いという欠点を有し、更には使用してい
る間にへたりが大きくなつて湿潤により低下した
捲縮率が乾燥しても充分回復しなくなるという欠
点がある。 一方、合成繊維からなる捲縮繊維も詰綿、中入
綿に使用されているが、一般に合成捲縮繊維は湿
度に対して捲縮率が非可逆的であり、使用中に繊
維同志がからみ合つて球状になつてしまい、嵩性
の回復が行なわれなくなるという欠点がある。こ
のような繊維のからみ合いを防ぐために捲縮率を
下げたり、平滑性油剤を付着させたり、あるいは
トウの状態で開繊させたものを使用したりしてい
るが、これでも充分でなく、2〜3年使用すると
やはりへたりが生じてくる。 本発明者らは、かかる問題点を解決すべく種々
検討した結果、特定のポリマー成分をサイド・バ
イ・サイド型に複合紡糸させることにより、合成
繊維の持つている機能性、即ち、虫がつかないこ
と、ほこりが出にくいこと、嵩性が任意に調節で
きること、繊度の範囲を自由に選択できること、
弾性を有していること等を活かし、しかも天然繊
維のように湿度変化により可逆的に捲縮率が変化
するような捲縮繊維を得ることができることを見
い出し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を共重
合させた変性ポリエチレンテレフタレートとナイ
ロン6とをサイド・バイ・サイド型に複合紡糸
し、一旦巻取ることなく、連続して95℃以下の温
度で延伸し、次いで140℃以下の温度で緊張又は
10%以下の弛緩熱処理を施し、しかる後、120℃
を越え、かつ前記熱処理温度よりも高い温度に
て、20mg/de以下の張力下又は弛緩状態で加熱
し捲縮を発現させることにより得られる捲縮複合
繊維において、該ナイロン6成分が捲縮の外側に
位置していると共に、そのX線回折強度比I
(020)/I(040)が3以上であり、且つ該捲縮繊
維の30℃、相対湿度90%の雰囲気に2時間放置し
たときの捲縮率と、その60℃、30分間乾燥したと
きの捲縮率との差が3%以上大であることを特徴
とする、吸湿によつて捲縮率が増大する感湿捲縮
複合繊維 である。 本発明の捲縮複合繊維は5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸を共重合させた変性ポリエチレンテ
レフタレートとナイロン6とからなるサイド・バ
イ・サイド型複合繊維である。この両ポリマーは
複合繊維とした場合の接着性が極めて良好で剥離
が起こらず、しかもこの両者の組み合せによつ
て、湿度変化により、可逆的に大きく捲縮率が変
化する複合繊維を得ることができる。通常ナイロ
ン6としては極限粘度〔η〕(30℃のm−クレゾ
ール溶液で測定)が1.0〜1.4のものが使用され、
もう一方の成分である5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸変性ポリエチレンテレフタレートとして
は極限粘度〔η〕(25℃のO−クロロフエノール
溶液で測定)が0.4〜0.7,5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸の共重合量が15モル%以下のものが
使用される。5−ナトリウムスルホイソフタル酸
の共重合量は特に1〜7モル%であることが好ま
しい。これら両成分には必要に応じて艶消剤、着
色剤、帯電防止剤、熱安定剤等を添加することが
できる。 このようなナイロン6と5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートの
サイド・バイ・サイド型複合繊維自体は、すでに
特公昭45−28728号公報、特公昭46−847号公報等
により知られているが、これら公知の複合繊維で
は湿度変化による可逆的な捲縮率の変化が小さ
い。本発明の最も大きな特徴は、このような公知
の複合繊維において、ナイロン6成分のX線回折
強度比I(020)/I(040)を3以上、好ましくは
5以上とした点にある。ナイロン6成分のX線回
折強度比I(020)/I(040)を3以上、好ましく
は5以上にすることによつて、湿度変化による可
逆的な実用上必要とする程度の捲縮率の変化、即
ち、30℃、相対湿度90%の雰囲気中に2時間放置
した後の捲縮率が60℃、30分間の乾燥後の捲縮率
よりも3%以上大となるような捲縮率の変化が起
こるようになる。 ここで、X線回折強度比I(020)/I(040)と
は、捲縮複合繊維のナイロン6成分について測定
した子午方向のX線広角回折強度曲線(第1図)
から求める値である。即ち、ナイロン6の場合、
第1図に示すように子午方向回折角2θが10.8゜の
位置に(020)の回折強度ピークが、また、回折
角2θが21.4゜のところに(040)の回折強度ピーク
が現われるが、この各ピークの回折強度を回折角
2θが10゜のときの回折強度と40゜のときの回折強度
とを結んだ直線Aをベースラインとして測定し、
それぞれI(020),I(040)を求め、X線回折強
度比I(020)/I(040)として算出する。 従来公知のナイロン6と5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートと
の捲縮複合繊維におけるナイロン6成分のX線回
折強度比I(020)/I(040)は通常1.2〜2.0であ
る。更に本発明の捲縮複合繊維は第2図に示すよ
うにナイロン6成分1が捲縮の外側に位置し、変
性ポリエチレンテレフタレート成分2が捲縮の内
側に位置するような構造をとる。この捲縮複合繊
維が吸湿すると外側のナイロン6成分1は伸長す
るが、内側の変性ポリエチレンテレフタレート成
分2はほとんど長さ変化をきたさないために、捲
縮率が増大する。一方、この捲縮複合繊維を乾燥
すると、外側のナイロン6成分1が収縮し、内側
の変性ポリエチレンテレフタレート成分2の長さ
変化はほとんど起こらないので、捲縮率が低下す
る結果となる。 また、捲縮複合繊維の30℃、相対湿度90%の雰
囲気に2時間放置したときの捲縮率とその60℃、
30分間乾燥したときの捲縮率との差が3%未満で
あれば、ナイロン6成分が捲縮の外側に位置し且
つそのX線回折強度比が3以上あつたとしても、
かかる捲縮複合繊維は吸湿時に実用的なレベルで
捲縮率を増大することができない。 また、本発明の捲縮複合繊維は、任意の繊度、
断面形状、複合形態をとることができる。第3図
は本発明の捲縮複合繊維のいくつかの例を示す拡
大横断面図であり、1がナイロン6成分、2が変
性ポリエチレンテレフタレート成分である。通常
は紡糸が容易であることからイ,ロ,ハのような
横断面の繊維が用いられるが、湿度に対する感度
をにぶくする必要があるときにはニのようにナイ
ロン6成分1を変性ポリエチレンテレフタレート
成分2で包みこむような横断面の複合繊維にする
のが効果的である。またニとは逆に変性ポリエチ
レンテレフタレート成分2をナイロン6成分1で
包みこむような横断面形状にすれば湿度に対する
応答性の早い複合繊維となる。更にホのような中
空複合繊維にすると湿度に対する感度も大きく、
かつ、嵩性も大きくなる。また両成分の複合比は
任意に選択することができるが通常30:70〜70:
30の範囲で用いられる。 このようなナイロン6と変性ポリエチレンテレ
フタレートとからなり、ナイロン6成分が捲縮の
外側に位置し、かつ、ナイロン6成分のX線回折
強度比I(020)/I(040)が3以上であつて、吸
湿時に実用的なレベルで捲縮率を増大することが
できる捲縮複合繊維は、5−ナトリウムイソフタ
ル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレ
ートとナイロン6とをサイド・バイ・サイド型に
複合紡糸し、一旦巻取ることなく連続して95℃以
下の温度で延伸し、次いで140℃以下の温度で緊
張又は10%以下の弛緩熱処理を施し、しかる後、
120℃を越えかつ前記熱処理温度よりも高い温度
にて20mg/de以下の張力下、又は弛緩状態で加
熱し、捲縮を発現させることによつて容易に製造
することができる。 変性ポリエチレンテレフタレートとナイロン6
とをサイド・バイ・サイド型に複合紡糸するには
従来公知の任意の方法を採用することができる。
紡糸して得られた糸条は一旦巻取ることなく連続
してナイロン6のガラス転移点(Tg)以上、95
℃以下の温度で延伸される。延伸温度が95℃を超
えると変性ポリエチレンテレフタレート成分の配
向度が上らなくなり、使用時の物理的応力に対し
て変形し易くなると共に捲縮性能も劣つたものと
なる。延伸倍率は最終時に得られる捲縮複合繊維
の切断伸度が10〜60%、通常は20〜45%となるよ
うに適宜選択すればよい。この延伸倍率は、紡糸
工程での紡糸速度によつて当然変わつてくるもの
であり、一般に紡糸速度が高くなればなるほど、
適用される延伸倍率は低くなつてくる。 本発明においては紡糸後、一旦紡出糸条を巻取
ることなく連続的に延伸を行なう紡糸直結延伸法
を採用するのが、ナイロン6成分のX線回折強度
比I(020)/I(040)を3以上とするうえで最も
望ましい。その場合、紡糸速度は大きい方が捲縮
特性が良くなり、特に400m/分〜1500m/分程
度の紡糸速度を採用するのが好ましい。紡糸後一
旦巻取つた後延伸する場合も、高速で紡糸すれば
ナイロン6成分のX線回折強度比I(020)/I
(040)を3以上とすることが可能となる。直接延
伸も高速紡糸も行えない場合は、紡糸工程で付与
する油剤に非水系のいわゆる、ストレート油剤を
用いるとナイロン6成分のX線回折強度比I
(020)/I(040)が3以上の複合繊維が得られ
る。非水系油剤を用いるとナイロン6成分への水
分の浸透が妨げられ、紡糸直接延伸法によつた場
合と同様のナイロン6の構造ができ、X線回折強
度比I(020)/I(040)が3以上のナイロン6成
分を得るのが容易となるものと考えられる。 かくして得られた延伸複合繊維に140℃以下の
温度で緊張又は、10%以下の弛緩熱処理を施す。
この熱処理工程での弛緩率をあまり大きくしすぎ
ると、充分な捲縮が発現しなくなつてしまう。次
いで120℃を越えかつ、この熱処理温度よりも高
い温度にて20mg/de以下の張力下、又は弛緩状
態で加熱し捲縮を発現させるわけであるが、その
場合、先の熱処理温度を140℃以下とし、かつ捲
縮発現処理時の加熱温度を120℃を越えかつ、熱
処理温度よりも高い温度にしたときに限つて、ナ
イロン6成分が捲縮の外側に位置するような構造
をとり、しかも吸湿時に実用的なレベルで捲縮率
を増大することが可能となる。熱処理温度が140
℃以上を超えると、ナイロン6成分の収縮率より
も変性ポリエチレンテレフタレート成分の収縮率
の方が小さくなつてしまい、捲縮発現処理に際し
て、いかなる温度を用いても、ナイロン6成分が
捲縮の内側にきて変性ポリエチレンテレフタレー
ト成分が捲縮の外側に位置するようになり、本発
明の捲縮複合繊維を得ることができない。また捲
縮発現処理時の加熱温度は120℃を越えかつ熱処
理温度より高い温度にすることが必要で、この加
熱温度が低すぎると十分な捲縮が発現しない。通
常際用される温度は140〜160℃であり、160℃よ
りも高くなると単繊維同志の融着やナイロン6成
分の変色が起こつてくることがある。 かくして得られた捲縮複合繊維は、ナイロン6
成分が捲縮の外側に変性ポリエチレンテレフタレ
ート成分が捲縮の内側に位置し、かつナイロン6
成分のX線回折強度比I(020)/I(040)が3以
上であつて、吸湿によつて捲縮率が向上し、逆に
乾燥すると捲縮率が低下するという特異な性能を
持つた感湿捲縮複合繊維となる。 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、実施例に示す捲縮率(Tc)及び嵩高性は
次の方法により測定したものである。 Γ 捲縮率(Tc) 捲縮複合繊維糸条を長さ30cmの綛にとり、2
mg/deの荷重をかけて沸水中に20分間浸漬し、
次いで24時間自然乾燥した後、200mg/deの荷重
をかけ、1分放置後の長さを測定して、その長さ
をl1とし、その後2mg/deの荷重下で1分放置後
の長さを測定してその長さをl2とし、次式によ
り、捲縮率(Tc)を算出する。 Tc=l1−l2/l1×100(%) 尚、実施例において吸湿捲縮率という場合は、
30℃、相対湿度90%の雰囲気に2時間放置した
後、上記方法によつて測定した捲縮率を、又、乾
燥捲縮率という場合は、60℃、30分間乾燥した後
で上記方法によつて測定した捲縮率を意味する。 Γ 嵩高性 捲縮複合繊維を51mmの長さに切断してカードに
かけたウエブ180gを30cm×30cmの木綿ブロード
袋に入れてふとん状とし、その上に30cm×30cm、
重量9Kgの鉄板を置き、1分後のふとんの高さを
測定して嵩高性の値とする。吸湿嵩高性という場
合は、30℃、相対湿度90%の雰囲気に2時間放置
した後、上記方法によつて測定した嵩高性を、
又、乾燥嵩高性という場合は、60℃、30分間乾燥
した後で上記方法によつて測定した嵩高性を意味
する。 実施例 1 極限粘度〔η〕が1.1(30℃のm−クレゾール溶
液で測定)のナイロン6と極限粘度〔η〕が0.5
(25℃のO−クロロフエノール溶液で測定)であ
り、2.6モル%の5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレ
ートとを常法により、紡糸温度285℃、紡糸速度
280m/分で引き取り、930de/48フイラメント
の未延伸複合繊維を得た。得られた未延伸複合繊
維の横断面形状は第3図イに示すように形状であ
つた。次いでこの未延伸複合繊維を85℃の温度で
3.6倍に延伸し、緊張状態で熱処理した後、10
mg/deの張力下で20分間加熱し、捲縮発現処理
を施した。この場合、紡糸後の未延伸複合繊維を
一旦巻取ることなく連続して延伸する紡糸直接延
伸法によるものと、紡糸した未延伸複合繊維を一
旦巻取つた後別途延伸する別延伸法によるものと
の2つの方法で延伸を行なうと共に熱処理温度、
捲縮発現処理温度を種々変更して実験を行なつ
た。得られた捲縮複合繊維について吸湿捲縮率
(Tc)、乾燥捲縮率(Tc)、ナイロン6成分のX
線回折強度比I(020)/I(040)を測定した結果
を次表に示す。
【表】
表において、No.2〜3、No.5は本発明の捲縮複
合繊維であり、ナイロン6成分が捲縮の外側に位
置し且つそのX線回折強度比が3以上であつて、
吸湿時と乾燥時との捲縮率の差が3%以上である
ため、吸湿時に実用的なレベルで捲縮率を増大す
ることができる。 他方、No.1、No.6〜7の捲縮複合繊維は、ナイ
ロン6成分のX線回折強度比が3以上で且つ吸湿
時と乾燥時との捲縮率の差が3%以上ではあるも
のの、ナイロン6成分が捲縮の外側に位置するた
め、吸湿時に捲縮率が減少するものである。 また、No.8〜9の捲縮複合繊維は、ナイロン6
成分が捲縮の外側に位置するものの、そのX線回
折強度比が3未満であるため、吸湿時に実用的な
レベルで捲縮率を増大することができない。 更に、No.4の捲縮複合繊維は、ナイロン6成分
が捲縮の外側に位置し且つそのX線回折強度比が
3以上ではあるものの、吸湿時と乾燥時との捲縮
率の差が3%未満であるため、吸湿時に実用的な
レベルで捲縮率を増大することができない。 かくして得られた各捲縮複合繊維を51mmの長さ
に切断し、カードにかけてカードウエブとした
後、30cm×30cmの木綿ブロード袋に180gの量だ
け入れ、ふとんの形にして乾燥時と吸湿時の嵩高
性の変化を10g/cm2の荷重をかけ、その高さを測
定した。結果を次表に示す。
合繊維であり、ナイロン6成分が捲縮の外側に位
置し且つそのX線回折強度比が3以上であつて、
吸湿時と乾燥時との捲縮率の差が3%以上である
ため、吸湿時に実用的なレベルで捲縮率を増大す
ることができる。 他方、No.1、No.6〜7の捲縮複合繊維は、ナイ
ロン6成分のX線回折強度比が3以上で且つ吸湿
時と乾燥時との捲縮率の差が3%以上ではあるも
のの、ナイロン6成分が捲縮の外側に位置するた
め、吸湿時に捲縮率が減少するものである。 また、No.8〜9の捲縮複合繊維は、ナイロン6
成分が捲縮の外側に位置するものの、そのX線回
折強度比が3未満であるため、吸湿時に実用的な
レベルで捲縮率を増大することができない。 更に、No.4の捲縮複合繊維は、ナイロン6成分
が捲縮の外側に位置し且つそのX線回折強度比が
3以上ではあるものの、吸湿時と乾燥時との捲縮
率の差が3%未満であるため、吸湿時に実用的な
レベルで捲縮率を増大することができない。 かくして得られた各捲縮複合繊維を51mmの長さ
に切断し、カードにかけてカードウエブとした
後、30cm×30cmの木綿ブロード袋に180gの量だ
け入れ、ふとんの形にして乾燥時と吸湿時の嵩高
性の変化を10g/cm2の荷重をかけ、その高さを測
定した。結果を次表に示す。
【表】
以上の結果から、紡糸直接延伸法によつて延伸
し、140℃以下の温度で熱処理し、次いで120℃を
越えかつ前記熱処理温度よりも高い温度で捲縮発
現処理を施した場合には得られた捲縮複合繊維
は、そのナイロン6成分のX線回折強度比が3以
上となり、かつ、ナイロン6成分が捲縮の外側に
位置する構造をとり、吸湿によつて捲縮率が増大
し、この複合繊維からなるウエブは吸湿によつて
嵩高性が増加するという特異な性質を示すことが
わかる。
し、140℃以下の温度で熱処理し、次いで120℃を
越えかつ前記熱処理温度よりも高い温度で捲縮発
現処理を施した場合には得られた捲縮複合繊維
は、そのナイロン6成分のX線回折強度比が3以
上となり、かつ、ナイロン6成分が捲縮の外側に
位置する構造をとり、吸湿によつて捲縮率が増大
し、この複合繊維からなるウエブは吸湿によつて
嵩高性が増加するという特異な性質を示すことが
わかる。
第1図は本発明の捲縮複合繊維のナイロン6成
分のX線広角回折強度曲線の一例を示すグラフ、
第2図は本発明の捲縮複合繊維の捲縮部分の拡大
斜視図、第3図は本発明の捲縮複合繊維の例を示
す横断面図である。 1……ナイロン6成分、2……5−ナトリウム
スルホイソフタル酸を共重合させた変性ポリエチ
レンテレフタレート成分。
分のX線広角回折強度曲線の一例を示すグラフ、
第2図は本発明の捲縮複合繊維の捲縮部分の拡大
斜視図、第3図は本発明の捲縮複合繊維の例を示
す横断面図である。 1……ナイロン6成分、2……5−ナトリウム
スルホイソフタル酸を共重合させた変性ポリエチ
レンテレフタレート成分。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分を共
重合させた変性ポリエチレンテレフタレートとナ
イロン6とをサイド・バイ・サイド型に複合紡糸
し、一旦巻取ることなく、連続して95℃以下の温
度で延伸し、次いで140℃以下の温度で緊張又は
10%以下の弛緩熱処理を施し、しかる後、120℃
を越え、かつ前記熱処理温度よりも高い温度に
て、20mg/de以下の張力下又は弛緩状態で加熱
し捲縮を発現させることにより得られる捲縮複合
繊維において、該ナイロン6成分が捲縮の外側に
位置していると共に、そのX線回折強度比I
(020)/I(040)が3以上であり、且つ該捲縮繊
維の30℃、相対湿度90%の雰囲気に2時間放置し
たときの捲縮率と、その60℃、30分間乾燥したと
きの捲縮率との差が3%以上大であることを特徴
とする、吸湿によつて捲縮率が増大する感湿捲縮
複合繊維。 2 5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分の共
重合量が1〜7モル%である特許請求の範囲第1
項記載の感湿捲縮複合繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14162881A JPS5846118A (ja) | 1981-09-10 | 1981-09-10 | 感湿捲縮複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14162881A JPS5846118A (ja) | 1981-09-10 | 1981-09-10 | 感湿捲縮複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5846118A JPS5846118A (ja) | 1983-03-17 |
JPS6344843B2 true JPS6344843B2 (ja) | 1988-09-07 |
Family
ID=15296454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14162881A Granted JPS5846118A (ja) | 1981-09-10 | 1981-09-10 | 感湿捲縮複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5846118A (ja) |
Cited By (2)
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US8609953B2 (en) | 2006-03-10 | 2013-12-17 | Monsanto Technology Llc | Soybean seed and oil compositions and methods of making same |
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KR100430630B1 (ko) * | 1997-02-14 | 2004-08-04 | 주식회사 코오롱 | 자발권축사 및 그의 제조용 방사구금장치 |
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JP4866110B2 (ja) * | 2006-03-08 | 2012-02-01 | 帝人ファイバー株式会社 | 混繊糸 |
US8153253B2 (en) | 2006-03-01 | 2012-04-10 | Teijin Fibers Limited | Conjugate fiber-containing yarn |
JP4866103B2 (ja) * | 2006-03-01 | 2012-02-01 | 帝人ファイバー株式会社 | 複合繊維 |
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JPS516768A (en) * | 1974-07-06 | 1976-01-20 | Japan Broadcasting Corp | Hanshahanokyodo oyobi chenjikansokuteihoho |
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1981
- 1981-09-10 JP JP14162881A patent/JPS5846118A/ja active Granted
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US8609953B2 (en) | 2006-03-10 | 2013-12-17 | Monsanto Technology Llc | Soybean seed and oil compositions and methods of making same |
US9062319B2 (en) | 2006-03-10 | 2015-06-23 | Monsanto Technology Llc | Soybean seed and oil compositions and methods of making same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5846118A (ja) | 1983-03-17 |
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