JP5275654B2 - 三層構造織編物および繊維製品 - Google Patents

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本発明は、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、該連結部に、吸湿時に捲縮率が可逆的に増加する捲縮繊維を用いることにより織編物の厚みが小さくなり、その結果、織編物の保温性が低下し、発汗時に暑熱感を低減させることが可能な三層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品に関するものである。
従来、織編組織を有する表裏の地組織部を連結部により連結した、三層構造の織編物が多数提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。かかる三層構造織編物は、クッション性(弾力性)や保温性に優れるため、クッション材や保温衣料として広く使用されている。なかでも、表裏の地組織部を結接糸により結接した三層構造織編物では、連結部の繊維密度が低いため通気性が高く、汗をかきやすいアウトドアスポーツ用の靴材やカバン地(リュックサック等)などにも広く使用されている。また近年では、ムレ感が少ないことから椅子やソファーの表皮材、カーシート地としても使用されるようになった。
しかしながら、これらの三層構造織編物は、湿度や水分が変化しても厚みが常に一定で、クッション性や保温性が変化するものではなかった。
他方、吸湿時と乾燥時とで織編物の空隙率が可逆的に変化することにより通気性が可逆的に変化する織編物は感湿布帛とも称され、近年種々提案されている。例えば、吸湿時に通気性が低下する織編物としては、ポリエステル成分とポリアミド成分がサイドバイサイド型に接合された複合繊維であって、吸湿時に捲縮率が低下する(みかけ長さが長くなる。)繊維を用いた織編物(例えば、特許文献4参照)や、吸水自己伸長糸を用いたもの(例えば、特許文献5参照)などが提案されている。これらの吸湿時に通気性が低下する織編物によれば、かかる織編物を用いた衣服を着用すると、雨や雪が衣服にかかった際に衣服の通気性が低下することにより保温性が向上したり、耐漏水性が向上するという効果が得られる。
なお、本出願人は、特願2007−183224号において、吸湿時に捲縮率が向上する捲縮繊維を提案した。
特開2002−235264号公報 特開平10−1854号公報 特開平5−148746号公報 特開2006−118062号公報 特開2005−060918号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、該連結部に、吸湿時に捲縮率が可逆的に増加する捲縮繊維を用いることにより織編物の厚みが小さくなり、その結果、織編物の保温性が低下し、発汗時に暑熱感を低減させることが可能な三層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物において、吸湿により捲縮率が増加する捲縮繊維(みかけ長さが短くなる。)を連結部に配すことにより、所望の三層構造織編物および繊維製品が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、前記連結部に、吸湿時に捲縮率が増加する捲縮繊維Aが含まれることを特徴とする三層構造織編物。」が提供される。
その際、前記の捲縮繊維Aが下記の要件(1)と(2)を同時に満足することが好ましい。
(1)捲縮繊維Aが、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維である。
(2)吸湿時における捲縮繊維Aの捲縮率HCと、乾燥時における捲縮繊維Aの捲縮率DCとの差(HC−DC)が0.5%以上である。
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度20℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
また、前記ポリエステル成分が、ポリエステルを構成する繰り返し単位中60〜99.9モル%をエチレンテレフタレート単位が占め、0.5〜40モル%をエチレンイソフタレート単位が占める共重合ポリエステルからなり、かつ該ポリエステル成分にポリエーテルエステルアミドがポリエステル重量に対して5〜55重量%含まれることが好ましい。また、前記地組織部がポリエステル繊維で構成されることが好ましい。
本発明の三層構造織編物において、三層構造織編物に吸水加工が施されていることが好ましい。また、三層構造織編物の乾燥時における厚さ(TD)および吸湿時における厚さ(TW)から下記式により算出した厚さ変化率が5%以上であることが好ましい。
厚さ変化率(%)=((TD−TW)/TD)×100
ただし、乾燥時における厚さとは、織編物を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態での織編物の厚さであり、一方、吸湿時における厚さとは、織編物を温度20℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態での織編物の厚さである。
また、本発明によれば、前記の三層構造織編物を用いてなる、カジュアル用衣料、フリース、セーター、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、おしめや介護用シーツ等の医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファー等の表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品からなる群より選択される繊維製品が提供される。
本発明によれば、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、該連結部に、吸湿時に捲縮率が可逆的に増加する捲縮繊維を用いることにより生地の厚みが小さくなり、その結果、布帛の保温性が低下し、発汗時に暑熱感を低減させることが可能な三層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の三層構造織編物は、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、前記連結部に、吸湿時に捲縮率が増加する捲縮繊維Aが含まれる。前記連結部に該捲縮繊維Aが含まれることにより、図1に模式的に示すように、吸湿時に該捲縮繊維Aの捲縮率が可逆的に増加することにより連結部の見掛け長さが短くなり、織編物の厚みが小さくなる。そしてその結果、発汗時に暑熱感を低減させることが可能となる。
かかる捲縮繊維Aとしては、下記(1)と(2)の要件を同時に満足する捲縮繊維が好ましい。
(1)捲縮繊維Aが、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維である。
(2)吸湿時における捲縮繊維Aの捲縮率HCと、乾燥時における捲縮繊維Aの捲縮率DCとの差(HC−DC)が0.5%以上(好ましくは5%以上)である。
ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度20℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
ここで、吸湿時における捲縮繊維Aの捲縮率HCと、乾燥時における捲縮繊維Aの捲縮率DCとの差(HC−DC)が0.5%未満では、吸湿時に織編物の通気性があまり低下せず好ましくない。なお、乾燥時における捲縮繊維Aの捲縮率DCとしては50〜80%の範囲内であることが好ましい。一方、吸湿時における捲縮繊維Aの捲縮率HCとしては60〜90%の範囲内であることが好ましい。
かかる捲縮繊維Aとしては、以下のようなポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維であって、潜在捲縮性能が発現してなる捲縮構造を有する捲縮繊維であることが好ましい。
すなわち、前記ポリアミド成分としては、主鎖中にアミド結合を有するポリマーであり、例えばナイロン4、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66等が挙げられる。特にコスト面、汎用性、製糸性等の観点からナイロン6、ナイロン66が好ましい。なお、これらのポリアミド成分をベースに公知の成分を共重合せしめても良く、又はこれらのポリアミド成分に酸化チタンやカーボンブラック等の顔料、公知の抗酸化剤、帯電防止剤、耐光剤等を含有させても良い。
一方、前記ポリエステル成分は、そのポリエステルを構成する繰り返し単位中60〜99.5モル%をエチレンテレフタレート単位が占め、0.5〜40モル%をエチレンイソフタレート単位が占める共重合ポリエステルから構成されることが好ましい。通常、ポリエステルの熱収縮率はポリアミドよりもかなり低いが、ポリエステルとしてこのような共重合ポリエステルを採用することによりポリエステルの熱収縮率をポリアミドに近づけることが可能となる。その結果、乾燥時の捲縮曲がり構造において、吸湿時の捲縮曲がり構造において、膨潤したポリアミド成分が外側に位置し、ポリエステル成分が内側に位置する構造になりやすくなり捲縮率が向上しやすい。ここで、エチレンテレフタレート単位が60モル%未満であると、得られる複合繊維の強伸度等の基本物性が十分に保持できないため好ましくない。エチレンテレフタレート単位が99.5モル%を超えたり、エチレンイソフタレートが0.5モル%未満であると、複合繊維が吸湿したときに捲縮率があまり向上せず(捲縮糸の見かけ長さが短くならず)、布帛にしたときに十分な厚さの低下が得られないおそれがある。エチレンイソフタレートが40モル%を越えると、複合繊維の強伸度等の基本物性が保持できず、また熱安定性にも劣り、製糸工程において分解性異物により紡糸口金部の濾過圧(パック圧)上昇が著しくなるおそれがある。
かかるポリエステルは任意の方法で製造されたものでよく、例えばポリエチレンテレフタレートについて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させる、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとを直接エステル化反応させる、又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるなどして、テレフタル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成させる。次いでこの生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させることによって製造される。
なお、このポリエステルは、ポリエステルを構成するエチレンテレフタレート成分及びエチレンイソフタレート成分以外に、第三成分が共重合されていてもよく、第三成分は、ジカルボン酸成分又はグリコール成分のいずれでもよい。かかるジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸の如き二官能性芳香族ジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸の如き二官能性脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。また上記グリコール成分の一部を他のグリコール成分で置き換えてもよく、かかるグリコール成分としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール,ビスフェノールA,ビスフェノールS、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2−ハイドロキシエトキシ)フェニル)プロパンの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオールが挙げられる。更に、上述のポリエステルに必要に応じて他のポリマーを少量ブレンド溶融したもの、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリメリット酸等の鎖分岐剤を少量使用したものであってもよい。このほか本発明のポリエステルは通常のポリエステルと同様に二酸化チタン、カーボンブラック等の顔料他、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤が添加されていても勿論良い。
該ポリエステル成分にはポリエーテルエステルアミドが含まれることが好ましい。ポリエステル成分にポリエーテルエステルアミドが含まれていると、ポリエステル成分が柔らかくなり、吸湿時において、ポリアミド成分が膨潤する際にポリエステル成分が追従しやすくなり、吸湿時に捲縮率が向上しやすくなるため好ましい。該ポリエーテルエステルアミドのポリエステル成分への添加量はポリエステル成分重量に対して5〜55重量%であることが好ましい。5重量%未満では、複合繊維が吸湿したときに、捲縮率があまり向上せず(捲縮繊維の見かけ長さが短くなりにくく)、布帛にしたときに十分な厚みの低下が得られないおそれがある。また、55重量%を超えると、安定的に紡糸ができなくなるおそれがある。
該ポリエーテルエステルアミドは、好ましくは、両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)と数平均分子量1,600〜3,000のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)から誘導される。「誘導」とは両成分を反応させて得られるの意味であり、共重合して得られるとも捉えることができる。
両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、ポリアミド部分と分子量調節剤からなる事が好ましい。そのポリアミド部分は(1)ラクタム開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体、若しくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体の少なくともいずれか1つからなる。このうち、(1)のラクタムとしては、ブチロラクタム、バレロラクタム、カプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタムなどが挙げられる。(2)のアミノカルボン酸としては、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸,11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などが挙げられる。(3)のジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸,イソフタル酸などが挙げられる。また(3)のジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミンなどが挙げられる。以上これらのラクタム、アミノカルボン酸、ジカルボン酸、ジアミンを総称してポリアミド部分形成性モノマーと称する。
上記の両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)のポリアミド部分形成性モノマーとして例示したものは、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、カプロラクタム,12−アミノドデカン酸及びアジピン酸−ヘキサメチレンジアミンであり、特に好ましいものは、カプロラクタムである。
上記の両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、更に炭素数4〜20のジカルボン酸成分を分子量調整剤として使用し、これの存在下に上記ポリアミド部分形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。炭素数4〜20のジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、若しくはドデカンジ酸などの脂肪酸ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、若しくはナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、若しくはジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;又は5−スルホイソフタル酸ナトリウム、若しくは5−スルホイソフタル酸カリウムなどの5−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩などが挙げられる。これらのうち、好ましいものは、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び5−スルホイソフタル酸アルカリ金属塩である。より好ましいものはアジピン酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムである。
ポリアミド部分形成性モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させる際には、その平均重合度は2〜10である場合が好ましく、より好ましくは平均重合度が3〜8である。その結果このポリアミド部分の数平均分子量は100〜1,000、より好ましくは300〜700である。
更に上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)は、分子量調整剤である炭素数4〜20のジカルボン酸成分の両末端にポリアミド部分が付与されている成分、片末端にポリアミド部分が付与されている成分、又は両末端にポリアミド部分が付与されている成分及び片末端にポリアミド部分が付与されている成分の混合物であっても良い。混合物である場合には、片末端にポリアミド部分が付与されている成分が1モルに対して、両末端にポリアミド部分が付与されている成分が1〜10モルとなるモル比が好ましい。より好ましくは片末端に付与されている成分1モルに対して、両末端に付与されている成分3〜8モルである。そして両末端にカルボキシル基を有するように上述のポリアミド部分形成性モノマーのカルボキシル基を有する成分の量を適宜調整する。ポリアミド部分形成性モノマーとしてラクタム及び/又はアミノカルボン酸のみ使用するならば分子量調節剤がジカルボン酸成分なので、容易に両末端がカルボキシル基を有するポリアミド(a)を
製造することができる。ポリアミド部分形成性モノマーとしてジカルボン酸とジアミンの重縮合体を用いる場合には、例えば重合体の最後にジカルボン酸を改めて反応させる等の方法を用いる事で両末端がカルボキシル基を有するポリアミド(a)を製造することができる。
上記両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(a)の数平均分子量は、通常、500〜5,000、好ましくは500〜3,000である。数平均分子量が500未満ではポリエーテルエステルアミド自体の耐熱性が低下し、一方、5,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。数平均分子量をこの範囲とするためには、分子量調節剤となる炭素数4〜20のジカルボン酸成分の選択、ポリアミド部分の重合の際における反応条件を適宜設定することによって可能となる。
また、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)において、ビスフェノール類としては、ビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)及び4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタンなどが挙げられ、これらのうちビスフェノールAが好ましい。
上記のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物(b)は、これらのビスフェノール類にエチレンオキシドを常法により付加させることにより得られる。また、エチレンオキシドと共に他のアルキレンオキシド(プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ブチレンオキシドなど)を併用することもできるが、他のアルキレンオキシドの用いる量は用いる全エチレンオキシドの重量に基づいて、通常、10重量%以下である。
また上記付加物(b)はビスフェノール類の2つのヒドロキシル基に対して、平均で20〜70モルのエチレンオキシド、他のアルキレンオキシド(以下、エチレンオキシド等という)が重合されている場合が好ましい。より好ましくは32〜60モルのエチレンオキシド等が重合されている場合である。すなわちビスフェノールの1つのヒドロキシル基に対して10〜35モル、より好ましくは16〜30モル、更に好ましくは16〜20モルのエチレンオキシド等が重合(付加)されている付加物であることである。
上記付加物(b)の数平均分子量は、通常、1,600〜3,000であり、特にエチレンオキシド付加モル数が32〜60のものを使用することが好ましい。数平均分子量が1,600未満では、帯電防止性が不十分となり、一方、3,000を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステルアミド製造時に多大な時間を要する。数平均分子量は、好ましくは1,800〜2,400、エチレンオキシド等の付加モル数は、さらに好ましくは32〜40である。数平均分子量をこの範囲にするには、ビスフェノール類の分子量を考慮したうえで、エチレンオキシド等の付加モル数をその調整することにより達成する事ができる。
以上の付加物(b)は、ポリエーテルエステルアミド中の上記(a)と(b)の合計重量に基づいて20〜80重量%の範囲で用いられる。付加物(b)の量が20重量%未満ではポリエーテルエステルアミドの帯電防止性が劣り、一方、80重量%を超えるとポリエーテルエステルアミドの耐熱性が低下するために好ましくない。より好ましくは、付加物(b)は上記(a)と(b)の合計重量に基づいて40〜70重量%の範囲で用いられる。
本発明に用いられるポリエーテルエステルアミドの相対粘度は、1.5〜3.5(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)、好ましくは、2.0〜3.0である。1.5未満では、混練するベースポリマー成分(ポリアミド成分及びポリエステル成分)との溶融粘度差が大きくなるために導管内や紡糸パック内で滞留しやすくなり、長時間にわたる紡糸を実施すると吐出異常が起こりやすく、得られる複合繊維の品質が安定しない。一方、3.5を超える範囲では、製糸の際の断糸の原因となる。
該ポリエーテルエステルアミドのポリアミド成分への添加量は0重量%が最適である。少量でも添加すると、ポリアミド成分の吸湿伸長性が低下し、本発明の目的である吸湿時に捲縮が発現してみかけ糸長が縮むという機能が損なわれる。
前記のサイドバイサイド型複合繊維においては、任意の繊度、断面形状、複合形態をとることができるが、単糸繊度としては、1.5〜5.0dtex程度が適当である。また、ポリアミド成分とポリエステル成分の複合繊維の横断面における面積比は、ポリアミド成分/ポリエステル成分=30/70〜70/30の範囲が好ましく、より好ましくは40/60〜60/40の範囲である。
本発明の立毛布帛において、地組織部を構成する繊維としてはポリエステル繊維が好ましい。ポリエステル繊維を形成するポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示される。また、国際公開WO2004/063435号パンフレットに開示されているように、チタン化合物とリン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステル、ケミカルまたはマテリアルリサイクルされたポリエステルでもよい。さらには、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルでもよい。
前記ポリエステルポリマーには、必要に応じて少量(通常30モル%以下)の共重合成分を有していてもよい。その際、使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、P−オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のごとき芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等をあげることができる。
本発明の三層構造織編物は例えば以下の製造方法により製造することができる。まず、連結部用糸条として、前記のポリアミド成分とポリエステル成分とをサイドバイサイド型に複合紡糸する。その際、例えば、特開2000−144518号公報に記載されているような、高粘度成分側と低粘度成分側の吐出孔を分離し、かつ高粘度側の吐出線速度を小さくした(吐出断面積を大きくした)紡糸口金を用い、高粘度側吐出孔に溶融ポリエステルを通過させ低粘度側吐出孔側に溶融ポリアミドを通過させて接合させ、冷却固化させる方法によって紡糸糸条を得ることができる。なお本発明においては、この際に紡糸口金を適切に設計する事により、サイドバイサイド型の中空複合繊維としても良い。紡糸して得られた糸条は、一旦巻き取った後これを延伸して更に必要に応じて熱処理を行う、いわゆる別延方式のほか、未延伸糸を一旦巻き取らないで延伸して更に必要に応じて熱処理を行う、いわゆる直延方式のどちらの方法も採用することができる。上記紡糸における紡糸速度としては、例えば通常採用されている1000〜3500m/分程度の紡糸速度のものを採用することができる。また、延伸、熱処理は、延伸後の切断伸度が10〜60%、通常は20〜45%程度になるように条件を設定するのが、捲縮の発現、製織編性などから好ましい。
かかる連結部用糸条としては、単糸繊度1.5〜5.0dtex、総繊度40〜200dtex、フィラメント数30〜150本の範囲であることが好ましい。
かかる連結部用糸条(複合繊維)は潜在捲縮性能を有しており、後記のように、染色加工等で熱処理を受けると潜在捲縮性能が発現する。そして吸湿時に、ポリアミド成分が膨潤、伸張し、ポリエステル成分はほとんど長さ変化を起こさないため、捲縮率が向上する(捲縮繊維Aの見かけの長さが短くなる。)。一方、乾燥時にはポリアミド成分が収縮し、ポリエステル成分はほとんど長さ変化を起こさないため、捲縮率が低下する(捲縮繊維Aの見かけの長さが長くなる。)。
前記の連結部用糸条は、吸湿時に、容易に捲縮率が向上する上で、無撚糸、または300T/m以下の撚りが施された甘撚り糸であることが好ましい。特に、無撚糸であることが好ましい。強撚糸のように、強い撚りが付与されていると、吸湿時に捲縮率が向上しにくく好ましくない。なお、交絡数が20〜60ケ/m程度となるようにインターレース空気加工および/または通常の仮撚捲縮加工が施されていてもさしつかえない。
一方、地組織部用糸条として、例えば、前記のようなポリエステルを、通常の紡糸口金から溶融紡糸し、2000〜4300m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取り、延伸してもよいし、巻き取る前に延伸してもよい。また、中間配向糸を、180〜200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5〜10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)としてもよい。
かかる地組織部用糸条において、繊維形態としては、特に限定されず、長繊維でも短繊維でもよい。なかでも、無撚または甘撚りされた長繊維(マルチフィラメント)が好ましく例示される。 該地組織部用糸条は、仮撚捲縮加工や、タスラン加工やインターレース加工などの空気加工が施されたものでもよい。該糸条の総繊度、単糸繊度、フィラメント数については、特に限定されないが、風合いの点で、総繊度30〜400dtex(より好ましくは50〜200dtex)、単糸繊度0.5〜5dtex(より好ましくは1〜4dtex)、フィラメント数20〜100本の範囲が適当である。
次いで、前記連結部用糸条と地組織部用糸条とを用いて、三層構造織編物を製編織する。その際、編織組織に制限はなく、例えば、ダンボールニットと称される、特開2002−235264号公報の図2に記載された表面層と裏面層とを結接糸(連結部用糸条)でタックしてなる三層構造編地や特開2004−183128号公報の図1に記載されたようなダンボール状立体織物などが好ましい。
次いで、かかる三層構造織編物に染色加工を施すと、染色加工の際の熱により、連結部に含まれる複合繊維が潜在捲縮を発現し捲縮繊維となる。
ここで、前記染色加工の温度としては100〜140℃(より好ましくは110〜135℃)、時間としてはトップ温度のキープ時間が5〜40分の範囲内であることが好ましい。かかる条件で、織編物に染色加工を施すことにより、前記複合繊維は、ポリエステル成分とポリアミド成分との熱収縮差により捲縮を発現する。
染色加工が施された三層構造織編物には、通常、乾熱ファイナルセットが施される。その際、乾熱ファイナルセットの温度としては120〜200℃(より好ましくは140〜180℃)、時間としては1〜3分の範囲内であることが好ましい。かかる、乾熱ファイナルセットの温度が120℃よりも低いと、染色加工時に発生したシワが残り易く、また、仕上がり製品の寸法安定性が悪くなるおそれがある。逆に、該乾熱ファイナルセットの温度が200℃よりも高いと、染色加工の際に発現した複合繊維の捲縮が低下したり、繊維が硬化し生地の風合いが硬くなるおそれがある。
かかる三層構造織編物に吸水加工が施されていると、吸湿時に前記捲縮繊維の捲縮率が増加しやすく好ましい。さらには、本発明の主目的が損われない範囲内であれば、加熱加圧加工(カレンダー加工)、撥水加工、常法のアルカリ減量加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
また、本発明によれば、前記の三層構造織編物を用いてなる、カジュアル用衣料、フリース、セーター、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、おしめや介護用シーツ等の医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファー等の表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品からなる群より選択される繊維製品が提供される。かかる繊維製品には前記の三層構造織編物が含まれるので、吸湿時に前記捲縮繊維の捲縮率が可逆的に増加することにより連結部の見掛け長さが小さくなり、その結果、布帛の厚みが低下することにより、布帛の保温性が低下し、発汗時に暑熱感を低減させるという効果を奏する。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
<固有粘度(IV)>
ポリエチレンテレフタレートについては、サンプルを一定量計量し、o−クロロフェノールを溶媒に用いて、常法に従って35℃にて求めた。ナイロン6については、同様にフェノール/テトラクロロエタンの等質量混合溶媒を用いて、30℃にて測定を行った。
<数平均分子量>
両末端にカルボキシル基を有する数平均分子量500〜5,000のポリアミド(a)部分及びビスフェノール類のエチレンオキサイド付加物(b)部分の数平均分子量は測定サンプルを重トリフルオロ酢酸/重クロロホルムの等質量の混合溶媒に溶解してNMRを測定した。その測定結果から、それぞれ部分の繰り返し単位を特定し、その結果から数平均分子量を求めた。
<ポリエーテルエステルアミドの重量比率>
複合繊維製造時にギヤポンプによる条件を調整することによって制御する事ができるが、複合繊維を形成するポリアミド部分、ポリエステル部分を(7)に記載の方法に準じてNMR測定を行うことによっても、その結果を解析することによりポリアミド成分中又はポリエステル成分中のポリエーテルエステルアミドの重量比率を算出する事ができる。
<捲縮繊維の捲縮率>
立毛布帛を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後、該立毛布帛から捲縮繊維Aを取り出し、49/50mN×9×トータルテックス(100mg/de)の荷重をかけて糸長L0を測定し、除重1分後49/50mN×9×4/1000×トータルテックス(0.4mg/de)の荷重をかけて糸長L1を測定する。更にこの糸を温度20℃、湿度90%RHの雰囲気中に24時間放置した後、49/50mN×9×トータルテックス(100mg/de)の荷重をかけて糸長L0’を測定し、除重1分後49/50mN×9×4/1000×トータルテックス(0.4mg/de)の荷重をかけて糸長L1’を測定する。
以上の測定数値から下記の計算式にて、乾燥時の捲縮率(DC)、吸湿時の捲縮率(HC)および吸湿時と乾燥時との捲縮率差を算出する。
乾燥時の捲縮率DC(%)={(L0−L1)/L0}×100
吸湿時の捲縮率HC(%)={(L0’−L1’)/L0’}×100
吸湿時と乾燥時との捲縮率差(%)=HC−DC
<厚さ変化率>
織編物を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後、該織編物から、30cm×30cmの小片を裁断する(n数=5)。そして、温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置後、超高精密レーザー変位計(キーエンス社製、モデルLC−2400)を用いて、織編物の乾燥時における厚さ(TD)を測定した。次いで、該織編物を温度20℃、湿度90%RH環境下に24時間放置後、超高精密レーザー変位計(キーエンス社製、モデルLC−2400)を用いて厚さを測定し、吸湿時における厚さ(TW)とした。そして、下記式から厚さ変化率を算出した。なお、n数は5としその平均値を求めた。
厚さ変化率(%)=((TD−TW)/TD)×100
<仮撚捲縮加工糸の捲縮率>
供試フィラメント糸条を、周長が1.125mの検尺機のまわりに巻きつけて、乾繊度が3333dtexのかせを調製した。
前記かせを、スケール板の吊り釘に懸垂して、その下部分に5.9cN(6gr)の初荷重を付加し、さらに588cN(600gr)の荷重を付加したときのかせの長さL0を測定する。その後、直ちに、前記かせから荷重を除き、スケール板の吊り釘から外し、このかせを沸騰水中に30分間浸漬して、捲縮を発現させる。沸騰水処理後のかせを沸騰水から取り出し、かせに含まれる水分をろ紙により吸収除去し、室温において24時間風乾する。この風乾されたかせを、スケール板の吊り釘に懸垂し、その下部分に、588cN(600gr)の荷重をかけ、1分後にかせの長さL1aを測定し、その後かせから荷重を外し、1分後にかせの長さL2aを測定する。供試フィラメント糸条の捲縮率(CP)を、下記式により算出する。
CP(%)=((L1a−L2a)/L0)×100
[実施例1]
固有粘度(IV)が1.1のナイロン6(Ny6)と、ポリエーテルエステルアミド(ポリアミド(a)部分の数平均分子量1500、エチレンオキサイド付加物(b)部分の数平均分子量2000、相対粘度2.2)を40重量%添加したイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートチップ(イソフタル酸共重合比率0.5モル%、IV=0.65)とを常法により、紡糸温度290℃、紡糸速度1000m/minで紡糸し、ついで巻き取ることなく延伸温度60℃、延伸倍率2.5倍で延伸し、さらに130℃で熱セットして糸状を得た。ナイロン6とポリエーテルエステルアミドをブレンドしたポリエチレンテレフタレートとの重量比が50:50でサイドバイサイド型に接合された、84dtex/24filの複合繊維を得た。
次いで、前記の複合繊維(沸水処理されておらず、捲縮は発現していない。無撚糸)を連結部用糸条として用い、一方、通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚り加工糸110dtex/48fil(捲縮率24%)を地組織部用糸条として用いて、特開2002−235264号公報の図2に記載された編組織図に従い、三層構造織編物を編成した。
そして、温度130℃、キープ時間15分で染色加工し、前記複合繊維の潜在捲縮性能を顕在化させ、捲縮繊維Aとした。その際、吸水加工剤(ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体)を染液に対して2ml/lの割合にて、染色加工時に同浴処理を行うことにより、編物に吸水加工剤を付与した。次いで、該ループパイル編物に、温度160℃、時間1分で乾熱ファイナルセットを施した。得られたル三層構造織編物の密度はタテ38コース/2.54cm、ヨコ48ウェール/2.54cmであった。
この編物の評価結果は表1に示すように、吸湿により厚みが減少し満足なものであった。次いで、該三層構造編物を用いてスポーツ用衣料を得て着用したところ、発汗時に編物の厚さが小さくなり暑熱感を低減させることが可能であった。
[比較例1]
実施例1で用いた複合繊維の代わりに、通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚り加工糸84dtex/36fil(捲縮率15%)を用いること以外は実施例1と同様にした。得られた編物の評価結果は表1に示すように、乾燥時と吸湿時で厚みが変化せず、発汗時の暑熱感抑制効果が期待できないものであった。
Figure 0005275654
本発明によれば、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、該連結部に、吸湿時に捲縮率が可逆的に増加する捲縮繊維を用いることにより織編物の厚みが小さくなり、その結果、織編物の保温性が低下し、発汗時に暑熱感を低減させることが可能な三層構造織編物および該織編物を用いてなる繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明の三層構造織編物を模式的に示す図である。

Claims (7)

  1. 表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、前記連結部に、吸湿時に捲縮率が増加する捲縮繊維Aが含まれることを特徴とする三層構造織編物。
  2. 前記の捲縮繊維Aが下記の要件(1)と(2)を同時に満足する、請求項1に記載の三層構造織編物。
    (1)捲縮繊維Aが、ポリエステル成分とポリアミド成分とがサイドバイサイド型に接合された複合繊維である。
    (2)吸湿時における捲縮繊維Aの捲縮率HCと、乾燥時における捲縮繊維Aの捲縮率DCとの差(HC−DC)が0.5%以上である。
    ただし、乾燥時とは、試料を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態であり、一方、吸湿時とは、試料を温度20℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態である。
  3. 前記ポリエステル成分が、ポリエステルを構成する繰り返し単位中60〜99.9モル%をエチレンテレフタレート単位が占め、0.5〜40モル%をエチレンイソフタレート単位が占める共重合ポリエステルからなり、かつ該ポリエステル成分にポリエーテルエステルアミドがポリエステル重量に対して5〜55重量%含まれる、請求項2に記載の三層構造織編物。
  4. 前記地組織部がポリエステル繊維で構成される、請求項1〜3のいずれかに記載の三層構造織編物。
  5. 三層構造織編物に吸水加工が施されている、請求項1〜4のいずれかに記載の三層構造織編物。
  6. 三層構造織編物の乾燥時における厚さ(TD)および吸湿時における厚さ(TW)から下記式により算出した厚さ変化率が5%以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の三層構造織編物。
    厚さ変化率(%)=((TD−TW)/TD)×100
    ただし、乾燥時における厚さとは、織編物を温度20℃、湿度65%RH環境下に24時間放置した後の状態での織編物の厚さであり、一方、吸湿時における厚さとは、織編物を温度20℃、湿度90%RH環境下に24時間放置した後の状態での織編物の厚さである。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の三層構造織編物を用いてなる、カジュアル用衣料、フリース、セーター、アウター用衣料、スポーツ用衣料、インナー用衣料、おしめや介護用シーツ等の医療・衛生用品、寝装寝具、椅子やソファー等の表皮材、カーペット、カーシート地、インテリア用品からなる群より選択される繊維製品。
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