JPS625775Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コイル集積ステーシヨンの立穴内に
おいて、立穴から出退可能な水平の中間座板の上
またはその上方に差込むことのできるキヤツチボ
ルトの上で、コイルをバンドにまとめ、立穴軸と
直角に動かすことのできる前記中間座板から供給
される線材を分割するために分割装置が立穴壁の
領域内に設けられている装置に関するものであ
る。

圧延コイルを製作するための公知の装置は、た
とえば冷却行程から扇状となつて搬送されてくる
コイルが水平コンベアに乗り供給されるコイル集
積ステーシヨンからなつている。コイル集積ステ
ーシヨンは垂直の円筒状立穴を有し、その中にコ
イルが集積される。コイル用線材製造の際には、
それぞれ１本のビレツトが１つのコイル用線材長
さに圧延されるため、完成したコイルの重量はビ
レツト重量に一致する。最新のコイルラインでは
ますます大きいビレツト重量が使用され、必然的
にコイルの重量を増している。大部分のコイル購
入者にあつてはきわめて大きなコイルは望まれな
いため、コイルを１回または数回希望の寸法に合
わせて分割する必要がある。

コイル集積ステーシヨンの前でコンベア上のコ
イルを分割することは、個々の螺旋の重なり合つ
た状態のためいちじるしく困難である。このため
公知のコイル用分割装置は主としてコイルバンド
形成室内で作動する。

この目的のため立穴内部に落下するコイルを受
ける装置がコイルの落下面に取付けられる。

これらの装置は負荷容量および速度に対する要
求に応じて、たとえば上にコイルが載せられる中
間座板の形で設けるか、あるいはコイルの落下面
へ旋回して出るか差込まれる、いわゆるキヤツチ
ボルトもしくはキヤツチアームとして構成するこ
とができる。いずれの場合もこのようにして受け
止められたコイルは、すでに立穴内底部にあるコ
イルバンドと１本の線材だけで結ばれており、コ
イルはこの１本の線材部分で分割装置により切り
離される。

同種の特許明細書第1527822号はキヤツチボル
トと中間座板を設けており、中間座板はコイルの
中間蓄積に用いられ、一方キヤツチボルトは水平
面で高速送りコイルバンド形成のためコイルバン
ド形成室の立穴の中へ差込みあるいは引出すこと
ができる。この場合興味ある中間座板は、立穴横
断面をカバーする円板として構成されており、端
面側にくり抜き部があり、これを通つて線材をカ
ツターの切断領域に入れることができる。この領
域は立穴の外部で垂直軸の周りを旋回できるよう
支承されたＵ字形くり抜きのある弓形板によりカ
バーされ、この弓形板の役割は、この領域内にあ
る線材を捕え、円筒壁の側方縦スリツトを通して
直接円筒壁の外に配置された線材カツターへと導
くことである。

この公知の装置の欠点として、立穴のいずれか
の断面領域にある線材が中間座板により立穴全体
を通つて導かれ、最も不利な場合は立穴の直径に
相当する行路を通る。特に線材がカツターと反対
側の立穴半分にある場合、螺旋の直立とそのもつ
れにより生じるコイルバンド形成の障碍が起る可
能性がある。いま一つの欠点は、この弓形板の運
動が中間座板の移動に応じて中間座板と連携して
いなければならず、弓形板は余分な費用の負担と
なる上、受け止めた線材を秩序正しくカツターに
送ることを保証しない。

ドイツ特許第1499013号のものは、中間座板を
２つの半板体から構成し、これらは立穴の両側か
ら水平面内で挿入され、半板体の縁部の間に１つ
の狭い間隙だけが残るようになつている。

この間隙の中に切断されるべき線材があり、こ
れを分割装置に導きさえすればよい。

このためコイルバンド形成室の２つの側にキヤ
ツチアームが設けられ、半板体の間に残る間隙の
半分をそれぞれカバーし、線材の位置に応じ間隙
の両側にある２つのカツターのいずれか一方に線
材を導く。この装置は確かに前記の装置よりも欠
点が少い。というのも線材がそれぞれ立穴断面の
半分しか移動する必要がないし、しかもその線材
がいずれにせよある半分であるためであるが、し
かしこの場合も連携する追加の捕捉装置が必要と
なり、これはその寸法において同類の上記特許の
弓形板よりも小さく構成することはできるが、し
かしその代り２つなければならない。公知の方策
を用いてより迅速な作業が可能となるにしても、
中間座板の半板体とキヤツチアームとの間あるい
は両者とカツターとの間に必要な連携のため、装
置全体の故障にいたるおそれのある故障要因とみ
なすことができる。

上述の欠点を前提として、本考案の課題は、は
るかに簡単な構造で分割装置への線材の確実な送
給を保証し、これにより価格が有利であるばかり
でなく故障が少く使用できるコイル分割装置を創
り出すことである。

この課題の解決のため本考案によれば、中間座
板はそれ自体としては公知のように互に動かすこ
とのできる２つの半板体からなり、集積用半板体
の閉鎖位置では立穴内にあるその縁部が分割装置
により捕捉しうる領域を除いて重なり合い、集積
用半板体の閉鎖時に線材を案内するための縁部は
運動方向に対して横後方へ傾斜していることを提
案している。

提案された方策により、線材は中間座板の２つ
の半板体により簡単かつ確実にカツターの領域に
導かれるため、従来例のように、キヤツチアーム
あるいは弓形板として構成された線材のための送
給装置は不要となる。

本考案のいま一つの特徴のように、集積用半板
体の縁部を平面図において二等辺三角形の輪郭に
なし、その頂点が集積用半板体の運動方向に対し
て立穴の軸心を横切るようにすれば、特に有利で
ある。

この提案により線材を立穴中での位置に応じて
いずれかの側のそれぞれのカツター領域へ導き、
立穴の両側に２つのキヤツチアームを備える従来
技術の利点をキヤツチアームを用いる必要なく達
成する送給装置を創り出す。

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図において、１はコイル集積装置内のキ
ヤツチボルトを表わし、その立穴２の中へコンベ
ア３により扇形状態で搬送されてきたコイル４が
垂直に投下される。中間座板としての集積用半板
体５ａ，５ｂが開いて、かつキヤツチボルト１が
引き抜かれている場合、コイル４は立穴２下方の
集積棒６の上へ落下し、コイルバンド７が形成さ
れる。コイルバンド７が希望の大きさあるいは希
望の重量に達すると、直ちにピストンシリンダユ
ニツトによりキヤツチボルト１を、あるいは対で
集積用半板体５ａ，５ｂを掴むピストンシリンダ
ユニツト８が集積用半板体５ａ，５ｂを図面に示
した位置へ移動させ、さらに搬送されてきたコイ
ル４を９に輪郭だけを示したように集積用半板体
５ａ，５ｂまたはキヤツチボルト１の上でバンド
状に集積する。完成したコイルバンド７とその後
形成されたコイルバンド９との間は線材１０によ
りつながり、この線材１０は、第２図で述べるよ
うに、両集積用半板体５ａ，５ｂ間に形成される
すき間を通つている。

第２図に示されるように、集積用半板体５ａ，
５ｂは立穴２内で、領域１１において重なり合つ
ており、立穴２内にある縁部１２と１３も立穴２
の両側で縁部１２と１３に囲まれる領域１４を除
き重なり合つている。領域１４は油圧作動するカ
ツター１５によりカバーされ、この領域１４の一
方に押し込まれた線材１０を切断する。

第２図においても明らかとなるように、集積用
半板体５ａ，５ｂの縁部１２，１３は送給装置と
しての機能を有し、閉鎖運動方向に向く頂点を備
えた二等辺三角形として構成されている。このよ
うに構成された各半板体の頂点１６は集積用半板
体５ａ，５ｂの運動方向に対して立穴軸心を横切
るように配置されており、各縁部１２，１３は集
積用半板体の閉鎖の際の運動方向に対して頂点１
６を最先端として斜め後方に傾斜する形状になつ
ているため、線材１０は立穴２内のどの位置にあ
つても集積用半板体５ａ，５ｂの縁部１２，１３
で案内されて、立穴２のいずれか一方の側で領域
１４へ導かれ、こゝでカツター１５（図面では両
カツターのうち一方のみを示す）の閉鎖により切
断される。

以上本考案によれば、集積用半板体自身が分割
装置により線材を捕捉しうる領域を作るので、従
来のように別に線材の捕捉装置を必要とせず、装
置を簡略化できるためより安く製作できるととも
に、コイルの分割過程のサイクル時間を著しく短
縮することができ、より経済的に使用することが
できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコイル
を分割するための装置の側面図、第２図は第１図
による装置の平面図である。 １……キヤツチボルトまたはキヤツチアーム、
２……立穴、３……コンベア、４……コイル、５
ａ，５ｂ……集積用半板体、７……バンド、１０
……線材、１２，１３……縁部、１４……分割装
置により捕捉しうる領域、１５……分割装置、１
６……頂点。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ コイル集積ステーシヨンの立穴内において、
   立内から出退可能な水平の中間座板の上または
   その上方に差込むことのできるキヤツチボルト
   の上で、コイルをバンドにまとめ、立穴軸と直
   角に動かすことのできる前記中間座板から供給
   される線材を分割するために分割装置が立穴壁
   の領域内に設けられている装置であつて、中間
   座板は互に動かすことのできる２つの集積用半
   板体からなり、該集積用半板体の閉鎖位置では
   立穴内にあるその縁部が分割装置により捕捉し
   うる領域を除いて重なり合い、集積用半板体の
   閉鎖時に前記線材を案内するための縁部は運動
   方向に対して横後方へ傾斜していることを特徴
   とするコイル集積ステーシヨンの立穴でコイル
   を分割する装置。 ２ 集積用半板体の縁部は平面図において二等辺
   三角形の輪郭を備え、その頂点は集積用半板体
   の運動方向に対して立穴の軸心を横切ることを
   特徴とする登録請求の範囲第１項記載のコイル
   集積ステーシヨンの立穴でコイルを分割する装
   置。