JPS6233221B2 - - Google Patents

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JPS6233221B2
JPS6233221B2 JP58157232A JP15723283A JPS6233221B2 JP S6233221 B2 JPS6233221 B2 JP S6233221B2 JP 58157232 A JP58157232 A JP 58157232A JP 15723283 A JP15723283 A JP 15723283A JP S6233221 B2 JPS6233221 B2 JP S6233221B2
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JP
Japan
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reaction
catalyst
palladium
mole
salt
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Application number
JP58157232A
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English (en)
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JPS6051150A (ja
Inventor
Hiroshi Itaya
Akinori Shiotani
Mikio Fujimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP58157232A priority Critical patent/JPS6051150A/ja
Priority to US06/645,606 priority patent/US4581469A/en
Publication of JPS6051150A publication Critical patent/JPS6051150A/ja
Publication of JPS6233221B2 publication Critical patent/JPS6233221B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/30Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group
    • C07C67/333Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton
    • C07C67/343Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton by increase in the number of carbon atoms

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、特定のパラジウム系触媒を使用し
て、オルソフタル酸エステルを、分子状酸素の雰
囲気下、高温で、酸化カツプリング反応させて、
選択的に3,3,′4,4′―ビフエニルテトラカ
ルボン酸テトラエステル(以下、s―BPTTと略
記することもある)を、高い収率で製造する方法
に係るものである。 パラジウム系触媒を使用して、オルソフタル酸
エステルを、分子状酸素の雰囲気下、高温で、酸
化カツプリング反応させて、選択的に3,3′,
4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸テトラエス
テル(s―BPTT)を製造する方法は、この発明
の発明者らによつてすでに提案された(特開昭55
―153747号公報参照)。 しかしながら、その公知の方法では、モノマー
原料に対するs―BPTTの反応収率が必ずしも満
足すべきものではなく、さらに触媒の一成分であ
る高価なパラジウム化合物に対するs―BPTTの
反応収率も高いものではなく、この公知の触媒系
において上述の問題を解決する方法がまつたく知
られていなかつたのである。 この発明者らは、パラジウム系触媒を使用する
酸化カツプリング反応において、モノマー原料に
対するs―BPTTの反応収率およびパラジウム化
合物に対する反応収率を向上させる方法について
鋭意研究した結果、特定のパラジウム系触媒の使
用を複数回に分けて逐次的に行うことによつて、
前記の各反応収率を同時に飛躍的に向上させうる
ことを見いだし、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、オルソフタル酸エステ
ルに対して0.00005〜0.005倍モルのパラジウム塩
と、そのパラジウム塩に対して0.5〜4倍モルの
塩基性二座配位子化合物と、そのパラジウム塩に
対して0.01〜5倍モルの銅塩とから得られた触媒
の存在下に、分子状酸素を含む気体を反応系に供
給して、約140〜260℃の高温で、オルソフタル酸
エステルを酸化カツプリング反応させて、ビフエ
ニルテトラカルボン酸エステルを生成させ、 次いで、パラジウム塩の全使用量がオルソフタ
ル酸エステルに対して0.0001〜0.01倍モルの範囲
内となし、触媒成分の塩基性二座配位子化合物の
全使用量がパラジウム塩に対して0.5〜4倍モル
の範囲内および銅塩の全使用量がパラジウム塩に
対して0.01〜5倍モルの範囲内となるように反応
系内の触媒濃度を維持しつつ、上記3成分から得
られた触媒あるいは前記触媒の少なくとも2成分
と同じ種類の触媒成分を、前記反応系に、さらに
1〜10回逐次添加し、 その増量された触媒の存在下に前述と同様の反
応条件で酸化カツプリング反応を行わせ、さらに
ビフエニルテトラカルボン酸エステルを生成させ
ることを特徴とするビフエニルテトラカルボン酸
エステルの製造法に関する。 この発明の製造法は、触媒の同じ使用量で同じ
反応条件であれば、モノマー原料に対するs―
BPTTの反応収率およびパラジウム化合物に対す
るs―BPTTの反応収率が共に公知の方法より高
く、しかもそのs―BPTTの選択率を高く維持し
て、副生物の生成が少ないので、工業的に優れた
方法である。 この発明の製造法は、反応圧力が比較的低圧、
特に常圧であればよいので、高圧装置が必要では
なく、しかもモノマー成分と触媒と酸素分子含有
気体という少ない原料を使うだけであるので、工
業化が容易である。 以下、その発明の方法について、さらに詳しく
説明する。 この発明の方法で使用するオルソフタル酸エス
テルとは、オルソフタル酸またはその無水物ある
いはそのハロゲン化物と、末端に水酸基を有する
化合物(例えば、低級脂肪族アルコール、芳香族
アルコールなど)とを、反応させて得られたジエ
ステル化合物であればよく、例えば、オルソフタ
ル酸ジメチルエステル、オルソフタル酸ジエチル
エステル、オルソフタル酸ジプロピルエステル、
オルソフタル酸ジブチルエステルなどのオルソフ
タル酸ジ低級アルキル(炭素数1〜5)エステル
を、好適に挙げることができる。 この発明の方法で使用する触媒成分のパラジウ
ム塩としては、有機酸または無機酸のパラジウム
塩、あるいはβ―ジケトン類のパラジウムキレー
ト塩を挙げることができる。 その有機酸のパラジウム塩としては、炭素数1
〜5の脂肪族モノカルボン酸のパラジウム塩、例
えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸
などのパラジウム塩を挙げることができる。ま
た、β―ジケトン類のパラジウムキレート塩とし
ては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、
トリフルオロアセトンなどのパラジウムキレート
塩を挙げることができる。この発明の方法では、
触媒成分のパラジウム塩として、炭素数1〜3の
脂肪族モノカルボン酸のパラジウム塩、特に、酢
酸パラジウム塩が好適である。 前記の無機酸のパラジウム塩としては、例え
ば、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸
などのパラジウム塩を挙げることができ、特に硝
酸のパラジウム塩が適当である。 この発明の方法で使用する触媒成分の塩基性二
座配位子化合物としては、1,10―フエナントロ
リン(“Phen.”と略記することもある)、α,
α′―ビピリジル(“Bipy.”と略記することもあ
る)などの芳香族複素環系の塩基性二座配位子化
合物を挙げることができ、特に1,10―フエナン
トロリンが熱安定性の点で適当である。 さらに、この発明の方法で使用する触媒成分の
銅塩としては、有機酸または無機酸の銅塩、ある
いはβ―ジケトン類の銅キレート塩を挙げること
ができる。 その有機酸の銅塩としては、炭素数1〜5の脂
肪族モノまたはジカルボン酸の銅塩、例えば、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、シユウ
酸などの銅塩を挙げることができる。また、β―
ジケトン類の銅キレート塩としては、アセチルア
セトン、ベンゾイルアセトン、トリフルオロアセ
トンなどの銅キレート塩を挙げることができる。
この発明の方法では、触媒成分の銅塩として、炭
素数1〜3の脂肪族モノカルボン酸の銅塩、特
に、酢酸銅塩が好適である。 前記の無機酸の銅塩としては、例えば、硝酸、
亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸などの銅塩を挙げ
ることができ、特に硝酸の銅塩が適当である。 この発明の方法において使用する触媒は、前記
のパラジウム塩、塩基性二座配位子化合物および
銅塩から得られた触媒であり、例えば、前記の3
成分の単なる混合物であつてもよく、あるいは、
前記のパラジウム塩と塩基性二座配位子化合物と
のキレート化物、および銅塩または銅塩と塩基性
二座配位子化合物とのキレート化合物の混合物で
あつてもよい。 前記のパラジウム塩と塩基性二座配位子化合物
とのキレート化物は、1,10―フエナントロリ
ン、α,α′―ビピリジルなど塩基性二座配位子
化合物と、パラジウム塩とを、有機溶媒(例え
ば、ベンゼン、キシレン、トルエン、アセトン、
ジ塩化メチレン、クロルベンゼンなど)に混合し
溶解して、室温で0.5〜10時間撹拌しながらキレ
ート反応させて、その後、有機溶媒を除去して、
単離されることによつて製造される。前記のキレ
ート化物の製造において、パラジウム塩と塩基性
二座配位子化合物との使用量比は、約1:0.8〜
1:1.5のモル比程度の範囲内であることが好ま
しい。 この発明においては、まず最初に、オルソフタ
ル酸エステルに対して0.00005〜0.005倍モル、好
ましくは0.0001〜0.004倍モルのパラジウム塩
と、そのパラジウム塩に対して0.5〜4倍モル、
好ましくは0.6〜3倍モルの塩基性二座配位子化
合物と、そのパラジウム塩に対して0.01〜5倍モ
ル、好ましくは0.02〜4倍モルの銅塩とから得ら
れた触媒の存在下に、分子状酸素を含む気体を反
応系に供給して(例えば、反応液中にバブリング
して供給して)、約140〜260℃、好ましくは160〜
250℃の高温で、オルソフタル酸エステルを酸化
カツプリング反応させて、ビフエニルテトラカル
ボン酸エステルを一部生成させるのである。 その最初の酸化カツプリング反応において、触
媒の添加は、常温付近の温度(約5〜50℃)で各
触媒成分をオルソフタル酸エステルに添加してお
いて、その後その反応液を反応温度まで加熱する
こと、または、各触媒成分を少量のオルソフタル
酸エステルに常温付近の温度で添加して触媒溶液
を調製しておき、この触媒溶液を多量のオルソフ
タル酸エステルに添加することが好ましい。ま
た、触媒の添加は、初めにオルソフタル酸エステ
ルを加熱しておいて各触媒成分を添加することに
よつてもできるが、その場合には、最初にパラジ
ウム塩のみを添加するとそのパラジウム塩がパラ
ジウム金属となつて析出してしまうことがあるの
で、塩基性二座配位子化合物と同時か塩基性二座
配位子化合物の添加の後にパラジウム塩を添加す
ることが適当である。なお、パラジウム塩と塩基
性二座配位子化合物とのキレート化物を使用する
場合には前述のようなパラジウム金属としての析
出の心配がないので好適である。 その最初の酸化カツプリング反応において、反
応圧力は、常圧あるいは加圧下のいずれであつて
もよいが、この発明では、触媒成分としてパラジ
ウム塩と共に銅塩が使用されているので、常圧ま
たはやや加圧下で酸化カツプリング反応させても
パラジウム塩成分が金属パラジウム(パラジウム
黒)となつて析出して触媒活性を失うことがない
のが特徴的であり、したがつて、特別の高圧装置
が必要でない常圧法で酸化カツプリング反応させ
ることが適当である。 また、その最初の酸化カツプリング反応におい
て、分子状酸素を含む気体を反応系に供給して
(例えば、反応液中にバブリングして供給して)、
二量化反応を行うのであるが、その分子状酸素を
含む気体は、純酸素ガスをそのまま使用してもよ
く、爆発などの危険を防止するために、窒素ガ
ス、炭酸ガス、ネオンガス、アルゴンガスなどの
不活性ガスなどで希釈された酸素含有気体、ある
いは空気を使用することができる。その際、反応
系における酸素分圧は、0.01〜200気圧、特に
0.05〜50気圧の範囲内であることが好ましい。こ
の発明の方法では、ほぼ常圧の反応系の反応液の
下部の多孔板または多数のノズルから、反応液
1000ml当たり、約10〜20000ml/分、特に100〜
10000ml/分の供給速度で、活性ガスで希釈され
た酸素含有気体(酸素含有率約10〜40容量%)ま
たは空気をバブリングして(気体の気泡を反応液
内に流過させる)、供給することが好ましい。 前述の最初の酸化カツプリング反応において、
オルソフタル酸エステルに対するパラジウム塩の
使用量比が、前記の下限の値より少ないと、好適
な酸化カツプリング反応が行われないので適当で
はなく、一方、パラジウム塩の使用量が過剰に多
くなると、パラジウム塩に対するs―BPTTの反
応収率が低下するので適当ではなく、そして、パ
ラジウム塩に対する塩基性二座配位子化合物の使
用量比が、前記の下限の値より少ないと、s―
BPTTが選択的に生成しなくなるので適当ではな
く、また、前記の上限の値より多くなると、二量
体(ビフエニル化合物)の生成量が非常に少なく
なるので適当ではない。 前述の最初の酸化カツプリング反応において、
反応温度は140℃より低いと、s―BPTTの反応
収率が極めて低下するので適当ではなく、また
260℃より高いと、高沸物などの副生物が生成す
る副反応が盛んとなり、目的物であるs―BPTT
の選択率が低下するので適当ではない。 この発明においては、前述の最初の酸化カツプ
リング反応に、次いで、 パラジウム塩の全使用量が、この反応に使用し
た全量のオルソフタル酸エステルに対して0.0001
〜0.01倍モル、好ましくは0.0002〜0.005倍モル程
度の範囲内となし、しかも、触媒成分の塩基性二
座配位子化合物の全使用量がパラジウム塩の全使
用量に対して0.5〜4倍モル、好ましくは0.6〜3
倍モル、特に好ましくは0.8〜2倍モル程度の範
囲内、および銅塩の全使用量がパラジウム塩の全
使用量に対して0.01〜5倍モル、好ましくは0.02
〜4倍モル程度の範囲内となるように反応系内
(反応液内)の触媒濃度を維持しつつ、上記の3
成分から得られた触媒(前記の3成分から調製さ
れた触媒であり、本発明のカツプリン反応をただ
ちに行うことができるような触媒としての作用を
有するものである)、あるいは前記触媒の少なく
とも2成分と同じ種類の触媒成分(例えば、塩基
性二座配位子化合物と銅塩との組合せ、パラジウ
ム塩と塩基性二座配位子化合物との組合せ、パラ
ジウム塩と塩基性二座配位子化合物と銅塩との組
合せのように「前述の触媒の少なくとも2成分の
組合せでそれぞれ各触媒成分単独で別々に添加で
きるもの」、塩基性二座配位子化合物とパラジウ
ム塩または銅塩とのキレート化物、前記キレート
化物と残余の触媒成分との組合せでそれぞれ単独
で別々に添加できるものなどの場合を包含する)
を、前記反応系(反応液中)に、さらに1〜10
回、好ましくは1〜6回逐次添加し、 それぞれの逐次添加毎に、増量された触媒の存
在下に、前述の最初の酸化カツプリング反応と同
様の反応条件で、反応を行わせ、さらにビフエニ
ルテトラカルボン酸テトラエステルを生成させる
のである。 その触媒の逐次添加による反応において、追加
される触媒または触媒成分の添加方法は、最初の
反応後に、前述のように少量のオルソフタル酸エ
ステル中で予め調製しておいた触媒を最初の反応
後の反応液中に添加して、次の酸化カツプリング
反応を行えばよく、あるいは、最初の反応後の反
応液から少量の反応液を抜き出してその反応液中
に常温で触媒の各成分を添加して、その溶液を再
びもとの反応液に加えて、次の酸化カツプリング
反応を行うこともできる。 また、その場合に、追加される触媒または触媒
成分の使用量は、この反応系全体の触媒の濃度を
前述のように維持することができれば特に限定さ
れるものではないが、大略、追加される触媒また
は触媒成分の使用量が、最初に使用した各触媒成
分の使用量に対して、0.05〜3倍モル、特に0.1
〜2倍モル程度であることが好ましい。 この発明の方法において、反応時間は、反応条
件、触媒使用量などによつて適宜決められるもの
であり、特に限定されるものではないが、大略、
パラジウム塩の使用量で反応時間を決めることが
できる。すなわち、この発明の方法における反応
系において、オルソフタル酸エステル1モルに対
してパラジウム塩0.0001モルの割合で使用されて
いる場合に、反応時間を約0.2〜2時間、特に0.3
〜1.5時間程度の割合となるようにすればよく、
例えば、反応に使用されたオルソフタル酸エステ
ル1モルに対してパラジウム塩0.6ミリモル使用
されている触媒を反応系に添加した場合には、全
体の反応時間として、約1.2〜12時間、特に1.8〜
9時間程度の範囲内であればよく、さらに上記の
触媒を等量づつで2回に分割して使用すれば、各
触媒の添加のたびに、約0.6〜6時間、特に0.9〜
4.5時間程度の反応時間が必要である。 この発明の方法において、反応溶媒は特に必要
でないことが特徴的であるが、必要であれば、例
えば、エチレングリコールジアセテート、アジピ
ン酸メチルなどの有機酸エステル、n―ブチルメ
チルケトン、エチルメチルケトン、イソプロピル
エチルケトンなどのケトン化合物を、反応溶媒と
して多量に使用してもよい。 また、この発明の方法においては、例えば、ア
セチルアセトン、ベンゾイルアセトンなどのβ―
ジケトン化合物、または、t―ブチルペルオキシ
ド、t―ブチルヒドロキシペルオキシド、t―ブ
チルベンゾエートなどのペルオキシド化合物を、
反応系に少量添加すると、s―BPTTの反応収率
がいくらか向上することがある。 この発明の方法によれば、酸化カツプリング反
応によつて、主として、3,3′,4,4′―ビフエ
ニルテトラカルボン酸テトラエステル(s―
BPTT)が高い反応収率で生成し、副生成物とし
て、2,3,3′,4―ビフエニルテトラカルボン
酸テトラエステル(a―BPTTということもあ
る)および高沸物が得られ、全反応生成物に対す
るs―BPTTの選択率は、約60モル%以上であ
り、特に反応条件を選定すれば、70〜95モル%と
高いのである。 その反応生成物であるs―BPTTの回収は、従
来公知の方法、例えば、蒸溜操作および/または
晶析操作などによつて反応液から容易に分離、回
収することができる。 この発明の方法において主として生成する3,
3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸テトラ
エステルは、従来公知の方法、例えば高温・高圧
で加水分解する方法、または酸、アルカリを添加
して加水分解する方法によつて、加水分解され
て、3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボン
酸とすることができ、さらに高温に加熱すること
によつて無水化して3,3′,4,4′―ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物とすることができる。
その二無水物は、芳香族ポリイミドの製造のため
のモノマー原料のひとつとして有用なものであ
る。 以下、実施例および比較例を示す。 実施例 1 容量300mlの丸底フラスコに、還流冷却器、温
度計、撹拌機、ガス吹き込み管を設け、その丸底
フラスコ内に、オルソフタル酸ジメチルエステル
100ml(119g)、酢酸パラジウム0.2mmol(45
mg)、1,10―フエナントロリン・ー水和物0.2m
mol(40mg)、および酢酸銅・一水和物0.06mmol
(12mg)を、常温(約25℃)で添加し、その丸底
フラスコ内の未反応液を油浴上で220℃に加熱
し、その反応液内に、供給速度300ml/分で空気
をバブリングさせながら、オルソフタル酸ジメチ
ルエステルを2時間酸化カツプリング反応させ
た。次いで、その2時間反応させた反応液から5
mlの反応液を抜取り、その5mlの反応液に、酢酸
パラジウム0.2mmol、1,10―フエナントロリ
ン・一水和物0.2mmol、および酢酸銅・一水和物
0.06mmolの混合物を常温で洗い込み、得られた
溶液を再び元の反応液に加えて、前述と同じ反応
条件でさらに酸化カツプリング反応を2時間(反
応開始から4時間)続け、さらにその4時間後の
反応液に対してもおよび6時間後の反応液に対し
ても前述と同様の触媒添加操作を繰り返し、10時
間後まで前述と同じ反応条件でさらに酸化カツプ
リング反応を続けた。 その10時間後の反応液について、生成物を分析
した結果、この反応の転化率、その他の反応収率
は、第2表に示すようであつた。 比較例 1 最初に、丸底フラスコ内に、オルソフタル酸ジ
メチルエステル100ml(119g)、酢酸パラジウム
0.8mmol(180mg)、1,10―フエナントロリン・
一水和物0.8mmol(159mg)、および酢酸銅・一水
和物0.24mmol(48mg)を添加して、酸化カツプ
リング反応を開始し、その後触媒または触媒成分
の追加の添加を一切行わないほかは、実施例1と
同じ反応条件で、酸化カツプリング反応を反応開
始から10時間後まで続けた。 その10時間後の反応液について、生成物を分析
した結果を第2表に示す。 実施例2〜5および比較例2〜3 触媒の各成分の使用量、触媒の添加時間、反応
温度、反応時間などを第1表に示すように変えた
ほかは、実施例1と同様の反応条件で酸化カツプ
リング反応を行つた。 その結果を第2表に示す。第1表における「添
加時間と反応時間の欄」の例えば「0(1)」は、反
応開示時に第1回目の触媒添加を行つたことを示
し、「2(2)」は、反応開始時から2時間後に、第
2回目の触媒または各触媒成分の添加を行つたこ
とを示す。
【表】 実施例 6 実施例1で使用したと同様の丸底フラスコ内
に、オルソフタル酸ジメチルエステル100ml(119
g)、酢酸パラジウム0.2mmol(45mg)、1,10―
フエナントロリン・一水和物0.2mmol(40mg)、
および酢酸銅・一水和物0.06mmol(12mg)を、
常温(約25℃)で添加し、その丸底フラスコ内の
未反応液を油浴上で220℃に加熱し、その反応液
内に、供給速度300ml/分で空気をバブリングさ
せながら、オルソフタル酸ジメチルエステルを4
時間酸化カツプリング反応させた。次いで、その
4時間反応させた反応液全量を放冷して常温にし
た後、さらに、酢酸パラジウム0.2mmol、1,10
―フエナントロリン・一水和物0.2mmol、および
酢酸銅・一水和物0.06mmolを、常温でその丸底
フラスコ内の反応液に加えて、再び、その丸底フ
ラスコ内の反応液を油浴上で220℃に加熱し、そ
の反応液内に、供給速度300ml/分で空気をバブ
リングさせながら、オルソフタル酸ジメチルエス
テルをさらに4時間(反応時間は合計で8時間と
なる)酸化カツプリング反応させた。 その反応液について、生成物を分析した結果に
ついて、第2表に示す。 実施例 7 実施例1で使用したと同様の丸底フラスコ内
に、オルソフタル酸ジメチルエステル100ml(119
g)、酢酸パラジウム0.4mmol(90mg)、α,α′
―ビピリジル0.4mmol(62mg)、および酢酸銅・
一水和物0.4mmol(80mg)を、常温(約25℃)で
添加し、その丸底フラスコ内の未反応液を油浴上
で200℃に加熱し、その反応液内に供給速度300
ml/分で空気をバブリングさせながら、オルソフ
タル酸ジメチルエステルを4時間酸化カツプリン
グ反応させた。次いで、その4時間反応させた反
応液に、実施例1と同様の触媒添加方法で酢酸パ
ラジウム0.4mmol、α,α′―ビピリジル0.4m
mol、および酢酸銅・一水和物0.4mmolを、さら
に加えて、最初の酸化カツプリング反応と同じ反
応条件でさらに4時間反応を行つた。 その結果を第2表に示す。 比較例 4 最初に、丸底フラスコ内に、オルソフタル酸ジ
メチルエステル100ml(119g)、酢酸パラジウム
塩0.8mmol(180mg)、α,α′―ビピリジル0.8m
mol(124mg)、および酢酸銅・一水和物0.8mmol
(160mg)を添加して、酸化カツプリング反応を開
始し、その後触媒または触媒成分の追加の添加を
一切行わないほかは、実施例7と同じ反応条件
で、酸化カツプリング反応を反応開始から8時間
後まで続けた。 その結果を第2表に示す。 実施例 8 パラジウム黒2.128g(20mmol)を濃硝酸10ml
に溶解し、その溶液に水80mlを加えて、希釈し
た。この希釈溶液に、1,10―フエナントロリ
ン・一水和物3.964g(20mmol)とエタノール40
mlとの混合液を、滴下すると、黄色の沈澱が析出
する。 その沈澱を、濾過して分離し、乾燥して、1,
10―フエナントロリンジニトラトパラジウム(キ
レート化物)を、7.97g(収率;97%)の収量で
得た。 そのキレート化物の元素分析の結果は次のよう
であつた(数値の単位は%である)。 C H N 測定値 35.78 1.97 14.04 計算値 35.10 1.96 13.65 酢酸パラジウム0.2mmol(45mg)および1,10
―フエナントロリン・一水和物0.2mmol(40mg)
の代わりに、前記のキレート化物0.2mmol(82
mg)を使用したほかは、実施例1と同様にして、
4回触媒添加による酸化カツプリング反応を行つ
た。 その結果を第2表に示す。 比較例 5 酢酸パラジウム0.8mmol(180mg)および1,
10―フエナントロリン・一水和物0.8mmol(159
mg)の代わりに、前記のキレート化物0.8mmol
(328mg)を使用したほかは、比較例1と同様にし
て、酸化カツプリング反応を行つた。 その結果を第2表に示す。 なお、第2表において、転化率、DMP収率、
Pd収率および選択率は、次の計算式に従つて算
出された(mol%)。 転化率=DMPの全消費量/DMPの全使用量×100 DMP収率=s―BPTTの生成量/0.5×DMPの
全使用量×100 Pd収率=s―BPTTの生成量/パラジウム塩の全使
用量×100 選択率=s―BPTTの生成量/0.5×DMPの全
使用量×100
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 オルソフタル酸エステルに対して0.00005〜
    0.005倍モルのパラジウム塩と、そのパラジウム
    塩に対して0.5〜4倍モルの塩基性二座配位子化
    合物と、そのパラジウム塩に対して0.01〜5倍モ
    ルの銅塩とから得られた触媒の存在下に、分子状
    酸素を含む気体を反応系に供給して、約140〜260
    ℃の高温で、オルソフタル酸エステルを酸化カツ
    プリング反応させて、ビフエニルテトラカルボン
    酸エステルを生成させ、 次いで、パラジウム塩の全使用量がオルソフタ
    ル酸エステルに対して0.0001〜0.01倍モルの範囲
    内となし、触媒成分の塩基性二座配位子化合物の
    全使用量がパラジウム塩に対して0.5〜4倍モル
    の範囲内および銅塩の全使用量がパラジウム塩に
    対して0.01〜5倍モルの範囲内となるように反応
    系内の触媒濃度を維持しつつ、上記3成分から得
    られた触媒あるいは前記触媒の少なくとも2成分
    と同じ種類の触媒成分を、前記反応系に、さらに
    1〜10回逐次添加し、 その増量された触媒の存在下に前述と同様の反
    応条件で酸化カツプリング反応を行わせ、さらに
    ビフエニルテトラカルボン酸エステルを生成させ
    ることを特徴とするビフエニルテトラカルボン酸
    エステルの製造法。
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