JPS62279954A - インクジエツト記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ３、発明の詳細な説明 〔産業上の利用分野〕 本発明は、イエローを含む異色の記録液（インり）の２
以上を用いたフルカラー画像を形成するためのインクジ
ェット記録方法に関し、より詳しくは、広い色再現範囲
と豊かな階調性を持ち、かつ良好な画像安定性を有する
フルカラー画像が形成でき、しかも高速記録に適したイ
ンクジェット記録方法に関する。

〔従来の技術〕

インクジェット記録方法は、高電圧印加による静電吸引
方式、圧電素子を用いてインクに機械的振動若しくは変
位を与える方式、インクを加熱して瞬間的に発泡させそ
の圧力を利用する方式などの種々のインク吐出方式によ
り、インクの小滴を発生させ、これを紙等の被記録材に
付着させて記録を行なう記録方法である。

インクジェット記録方法により、銀塩写真のように濃淡
が微妙で、広い色再現範囲と豊かな階調性を有するフル
カラー画像を記録する場合には、例えば記録しようとす
る画像の三色濃度成分に応じて、シアン、マゼンタ、イ
エロー、ブラック等のインクを用いて、それらのインク
によって記録される被記録材上でのインクドツトの径や
個数を制御するとともに、必要に応じて同一色のインク
については染料濃度の異なるインクを併用して混色し、
記録画像中の各色の濃度階調を表現してきた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところがこのようなインクジェット記録方法により形成
されたフルカラー画像においては、インクに用いた染料
に起因すると考えられる長期的な変退色現象とは明らか
に異なるタイムスケールでの色調の経時的変化が生じ、
時間の経過とともに画像の初期のバランスが崩れてしま
うという現象が認められ、インクジェット記録方法によ
って良好な画像安定性を有する品質の良いフルカラー画
像を常に得るための障害となっていた。

本発明は、このような問題を解決すべくなされたもので
あり、その目的は、上記したようなフルカラー画像にお
ける色調の経時的変化を効果的に制御でき、かつ高速記
録にも十分に適用可能なインクジェット記録方法を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的は以下の本発明によって達成することができ
る。

すなわち本発明のインクジェット記録方法は、複数の記
録液の吐出孔を設けた記録ヘッドを被記録材上を移動さ
せつつ、少なくともイエローを含む異色の記録液の２以
上を別々の吐出孔から記録情報に応じて吐出させ、これ
を前記被記録材に付着させて記録を行なうインクジェッ
ト記録方法において、前記吐出孔の配列として、前記被
記録材のイエローを含む混色部が形成される部分上を、
前記記録ヘッドの移動にともなってイエローの記録液の
吐出孔が他の色の記録液の吐出孔よりも常に先行して通
過できるような配列を有した記録ヘッドを用い、イエロ
ーの記録液を他の色の記録液よりも常に付着させてイエ
ローを含む混色部を形成することを特徴とする。

本発明者等は、インクジェット記録方法における前述し
たような画像の色調の経時的変化について種々検討を加
えた結果、異色のインクの２以上を重ね打ちした混色部
のなかでも例えばイエロー、マゼンタ、シアンを混色し
て得る肌色等のイエローを含む混色部において色調の経
時的変化が顕著であること、及びかっこの色調の変化が
、混色部における色の３属性（明度、彩度、色相）のう
ちの色相がイエロー側へ動くことによって起るものであ
ることを確認した。なお、本発明でいう混色部とは、異
色のインクの２以上のインク滴が重りて付着される部分
である。

そこで、本発明者等は、このイエローの色調が混色部分
で強まる現象を制御できる方法について鋭意検討したと
ころ、意外にも混色部におけるイエローインクでの記録
を、常に他の色のインクによる記録に先立って実施する
ことによって、上記のような画像の色調の経時的変化が
効果的に制御できることをみいだした。

すなわち、インクジェット記録方法において、イエロー
を含む混色部に色調の経時変化が顕著であるのは、概ね
次のような理由によるものと推定できる。

異色のインク滴により形成される混色部では、２種以上
のインクの液滴が、記録ヘッドの構成に応じた順番で同
一箇所に重なって付着する。従って、先に被記録材上に
付着したインク滴の溶媒成分が完全に被記録材中に吸収
されていない状態で、別のインクがそこに付着すること
になり、後から付着したインク滴は、先に付着したイン
ク滴よりもどうしても外側へ広がり易くなる、いわゆる
インクの泳ぎが発生し易い。更に、記録後もインクの溶
媒成分が必ずしも即乾性でないぬに、溶媒成分が、いわ
ゆる展開剤として作用したクロマト現象により染料が移
動する。ところが、インクジェット記録用のインクの形
成に用いられている通常のイエロー染料は、意外にも他
の色の染料と比べてこれらの動きを最も生じ易く、その
結果イエローインクを他のインクの後に付着させると、
前のインクドツトの外側にイエローインクが広がって付
着し、しかも更に時間の経過とともに、イエロ一部分の
面積が他の色のドツトよりも拡大し、その結果イエロー
を含む混色部でのイエローの色調が必要以上に強く現れ
てくるものと推定される。

従って、イエローによる記録を常に先行して、すなわち
イエローインク滴を他の色のインクよりも常に先行して
付着させれば、画像の乾燥定着までの経過時間において
、イエローインクと他のインクとの上述した被記録材上
での動きを調和させることができ、記録直後の色の良好
なバランスが大きく崩れることを防止できる。

従って、本発明の方法においては、イエローを含む２色
以上のインクを用いて形成される混色部を記録する際に
は、常にイエローによる記録が他の色の記録よりも先行
して行なわれる。

しかも、本発明の記録方法においては、用いるインクジ
ェット記録装置として、そのような記録を効率良く行な
える構造を有した記録ヘッドを具備したものが用いられ
るので、上記のような色調の変化を制御しつつ、しかも
高速記録が容易に実施できる。すなわち、本発明の方法
においては、イエローを他の色よりも常に先行して記録
できるような記録ヘッドの移動に応じた位置関係で複数
の記録液の吐出孔が配列された記録ヘッドが用いられる
。

このような吐出孔の配列としては、例えば、第１図に示
すような記録ヘッドの移動方式、すなわち記録ヘッド２
を被記録材１の送り方向（矢印Ａ）に対して垂直な方向
（矢印Ｂ、Ｃ）に往復させるごとに、被記録材１を所定
のピッチでプラテン３によって上方（矢印Ａ）に送りな
がら順次記録を行なう方式に適用するものとしては、第
２図及び第３図に示した吐出孔配列を挙げることができ
る。

、第２図の記録ヘッドは、被記録材の送り方向（矢印Ａ
）に対して垂直な方向に沿って、左からそれぞれＹ；イ
エローインク、Ｍ＋、マゼンタインク（低染料濃度）、
Ｍ２．マゼンタインク（中染料濃度）、Ｍ３．マゼンタ
インク（高染料濃度）、Ｂｋ、ブラックインク、Ｃ；シ
アンインク、Ｙ；イエローインクの吐出孔２ａが配列さ
れた構造を有したものであり、往路（例えば矢印８の方
向）及び復路（例えば矢印Ｃの方向）の両方において、
インクを吐出して順次記録を行なうものである。

このような構成の記録ヘッドを用いることにより、記録
ヘッドの移動の往路及び復路の両方において、常にイエ
ローインクの吐出孔（Ｙ）が他の色の吐出孔よりも先行
した位置にあり、すなわちイエローを含む混色部を形成
しようとする部分上には常にイエローインクの吐出孔（
Ｙ）が他のインクの吐出孔よりも先行して通過できるよ
うになっており、他のインクよりも先にイエローインク
による記録が常に実施できる。しかも往路及び復路の両
方において記録を行なうので、往路のみ、あるいは復路
のみで記録を行なう場合と比較して、より高速な記録が
実現できる。

一方、第３図の記録ヘッドでは、他の色のインクの吐出
孔よりも被記録材１の送りピッチ分−股下にイエローイ
ンク用の吐出孔（Ｙ）が設けられている配列となってい
る。

このような構成とすることによって、記録ヘッドの吐出
孔（Ｙ）の移動路の下に移動してきた被記録材の未記録
部分には、記録ヘッドの往路（若しくは復路）で、まず
イエローのみによる記録が実施される。次に、被記録材
が１ピッチ分送られると、先にイエローで記録した部分
は、他の色のインクの吐出孔の配列が移動する移動路下
に送り込まれ、吐出孔（Ｙ）の移動路の下には新たに被
記録材の未記録部分が移動してくる。そこで折返して記
録ヘッドを移動させてやると、すなわち復路（若しくは
往路）において先にイエローで記録した部分に他の色で
の記録が実施されるとともに、新たに記録ヘッド下に移
動してきた被記録材の未記録部分にイエローでの記録が
実施される。この記録ヘッドにおいてもイエローを含む
混色部を形成しようとする部分上には常にイエローイン
クの吐出孔（Ｙ）が他のインクの吐出孔よりも先行して
通過できるようになっており、常にイエローでの記録を
他の色の記録よりも先行して実施でき、しかも往復記録
であるので高速記録が実現できる。

なお、記録ヘッドと被記録材の移動方式は上記のような
例に限定されるものではなく、種々の記録方式に応じて
決定選択されるものである。また、イエロー以外の色と
して、どのような色を用いるか、あるいは同一色につい
て異なる染料濃度のインクを用いるかは、所望に応じて
適宜選択されるものである。

（実施例］ 以下、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。

実施例！ 第２図に示すように７つの吐出孔が５．０　ｍｍ間隔で
記録ヘッドの移動方向に添って一列に配列された記録ヘ
ッドを具備し、第１図で説明したのと同様な動作によっ
て記録を行なうオンデマンド型インクジェット記録装置
を用いて本発明の記録方法に従い、ビデオディスク画面
を原画として、Ｂ６サイズのインクジェット記録用紙（
三菱インクジェット記録用紙ＩＪ−ＭＣ、三菱製紙■）
にフルカラー画像の記録を実施した。

なお、インクとしては以下の組成のものを使用した。更
に、被記録材の送りピッチは、記録ヘッドが往路若しく
は復路での記録を終了した時点で０．２１１１Ｑ＋上方
へ祁勤するように制御した。

イエローインク；Ｙ ［：、１．アシッドイエロー２３　　　１．０　　重量
部ジエチレングリコール　　　　５ｏ〃 水　　　　　　　　　　　　　　　　　　５０　　　　
　〃マゼンタインク、Ｍ＋ ［：、１．アシッドレッド３５　　　　０．５　　重量
部ジエチレングリコール　　　　５０〃 水　　　　　　　　　　　　　　　　　　５０　　　　
　〃マゼンタインク、Ｍ２ Ｃ，１，アシッドレッド３５　　　　１．０　　重量部
ジエチレングリコール　　　　５０〃 水　　　　　　　　　　　　　　　　　　５０　　　　
　〃マゼンタインク、Ｍ３ （：、１．アシッドレッド３５　　　　１．５　　重量
部ジエチレングリコール　　　　５Ｑ　　　　　ｔｔ水
　　　　　　　　　　　　　　　　　５０〃シアンイン
ク：Ｃ Ｃ、ｊ　、ダイレクトブルー１９９　　１．０　　重量
部ジエチレングリコール　　　　５０〃 水　　　　　　　　　　　　　　　　　５０〃ブラツク
、Ｂｋ （：、１．フードブラック　２　　　２．０　重量部ジ
エチレングリコール　　　　４５〃 水　　　　　　　　　　　　　　　　　５５〃このよう
にして得られたフルカラー画像は、鮮明で原画の濃度階
調が忠実に表現された高品位画像であった。なお、記録
の所用時間は、約３分であり外この画像からイエローを
含む混色部の代表としてマゼンタ、イエロー、シアンの
混合部からなる肌色部分を選び、画像を室温中に放置し
た際のその部分の色調の変化を、記録直後の色調を基準
とした時の放置時間の経過に従ったＬ　％　％　１表色
系の色差（ΔＥ１）の変化として計測した。

なお、測色は、分光光度計ＵＶ−２４Ｇ　（島ｉ製作所
製）を用いたカラーバックシステムによって行なった。

肌色部分の色差（ΔＥｌ）の経時的変化を第５図に示し
た。

この肌色部分の色差（ΔＥ８）は、時間の経過とともに
記録直後から僅かに増加した。しかしながら、５日で色
差が３程度であり、目視によって色調の変化を確認でき
るほどではなかった。

実施例２ 第３図に示すようなインクの吐出孔の配列を有する記録
ヘッドを具備するインクジェット記録装置を用いる以外
は、実施例１と同様にしてフルカラー画像の形成を実施
した。

このようにして得られたフルカラー画像も、鮮明で原画
の濃度階調が忠実に表現された高品位画像であった。な
お、記録の所用時間は、約３分であった。この画像から
実施例１で選択したのと同一の肌色部分の色調の経時的
変化を、実施例１と同様にして色差（ΔＥｌ）の変化と
して計測し、それを第５図に示した。

この肌色部分の色差（ΔＥ″）も実施例１におけるのと
同様に５日で色差が３程度と時間の経過とともに記録直
後から僅かに増加したにとどまり、目視によって色調の
変化を確認できるほどではなかった。

比較例１ 第４図に示すようなインクの吐出孔の配列を有する記録
ヘッドを具備するインクシェツト記録装置を用い、矢印
Ｂの方向への片道のみで記録する以外は、実施例１と同
様にしてフルカラー画像の形成を実施した。

このようにして得られたフルカラー画像も、鮮明で原画
の濃度階調が忠実に表現された高品位画像であったが、
記録の所用時間は、約６分と実施例１に比べて約倍とな
った。この画像から実施例１で選択したのと同一の肌色
部分の色調の経時的変化を、実施例１と同様にして色差
（ΔＥ３）の変化として計測し、それを第５図に示した
。

この肌色部分の色差（ΔＥｌ）の変化は実施例１と同様
で僅かであった。

比較例２ 第４図に示すようなインクの吐出孔の配列を有する記録
ヘッドを具備するインクジェット記録装置を用い、矢印
Ｃの方向への片道のみで記録する以外は、実施例１と同
様にしてフルカラー画像の形成を実施した。この記録の
所用時間は、約６分であった。

このようにして得られたフルカラー画像も、鮮明で原画
の濃度階調が忠実に表現された高品位画像であっが、実
施例１で選択したのと同一の肌色部分の実施例１と同様
にして計測した記録直後に対する色差（Δε本）の変化
は、第５図に示すように記録直後からの時間の経過とと
もに増加し、５日で色差が６．５程度と非常に大きくな
り、目視によってもその色調の変化が顕著に確認できた
。しかも、画像は記録直後の良好なバランスが崩れたも
のとなった。

比較例３ 第４図に示すようなインクの吐出孔の配列を有する記録
ヘッドを具備するインクジェット記録装置を用いる以外
は、実施例１と同様にしてフルカラー画像の形成を実施
した。なお、記録の所用時間は、約３分であった。

このようにして得られたフルカラー画像も、鮮明で原画
の濃度階調が忠実に表現された高品位画像であった。し
かしながら、実施例１で選択したのと同一の肌色部分の
実′施例１と同様にして計測した記録直後に対する色差
（ΔＥｌ）の変化は、第５図に示したように、時間の経
過とともに記録直後から増加し、５日で色差が５．０程
度と大きくなり、目視によってもその色調の変化が顕著
に確認できた。しかも、画像は、の記録直後の良好なバ
ランスが崩れたものとなった。

〔発明の効果〕

本発明の方法においては、イエローを含む２色以上のイ
ンクを用いて形成される混色部を記録する際には、常に
イエローによる記録が他の色の記録よりも先行して行な
われ、かつイクジェット記録装置として、そのような記
録を効率良く行なえる構造を有した記録ヘッドを具備し
たものが用いられるので、広い色再現範囲と豊かな階調
性を持ち、かつ良好な画像安定性を有するフルカラー画
像を高速記録によって形成可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は記録ヘッドと被記録材の移動方式を示した模式
的斜視図、第２図及び第３図は本発明の方法に用いるの
に好適なインクジェット記録ヘッドのインク吐出孔の配
列図、第４図は従来のインクジェット記録ヘッドのイン
ク吐出孔の配列図、第５図は、実施例１、実施例２及び
比較例１〜３において得られた記録画像のそれぞれの肌
色部分の記録直後からの色差（ΔＥ′）の変化を示した
グラフである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）複数の記録液の吐出孔を設けた記録ヘッドを被記録
   材上を移動させつつ、少なくともイエローを含む異色の
   記録液の２以上を別々の吐出孔から記録情報に応じて吐
   出させ、これを前記被記録材に付着させて記録を行なう
   インクジェット記録方法において、前記吐出孔の配列と
   して、前記被記録材のイエローを含む混色部が形成され
   る部分上を、前記記録ヘッドの移動にともなってイエロ
   ーの記録液の吐出孔が他の色の記録液の吐出孔よりも常
   に先行して通過できるような配列を有した記録ヘッドを
   用い、イエローの記録液を他の色の記録液よりも常に先
   に付着させてイエローを含む混色部を形成することを特
   徴とするインクジェット記録方法。 ２）前記記録ヘッドが、被記録材の送り方向に対して垂
   直な方向で往復移動しつつ記録するものであり、かつ該
   記録ヘッドの移動方向に添って一列に配列され、しかも
   その両端にイエローの記録液の吐出孔が配置された複数
   の吐出孔を有するものである特許請求の範囲第１項記載
   のインクジェット記録方法。 ３）前記記録ヘッドが、被記録材の送り方向に対して垂
   直な方向で往復移動しつつ記録するものであり、かつイ
   エローの記録液を吐出するための吐出孔が他の色の記録
   液の吐出孔よりも該被記録材の送り方向において所定の
   間隔をもって後方に配置されたものである特許請求の範
   囲第１項または第２項記載のインクジェット記録方法。 ４）同一色の記録液については必要に応じて染料濃度の
   異なる複数の記録液を用いる特許請求の範囲第１項〜第
   ３項のいずれかに記載のインクジェット記録方法。