JPS6211419B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は記録再生装置におけるテープ高速送り
方式に係り、供給側リールの回転速度に比例した
周波数を有する信号を検出する第１の手段と、該
第１の手段より得られる信号に応答して、上記供
給側リールの回転方向とは逆方向の回転力を与え
ると共に、上記信号の周波数に比例した電圧を
得、該電圧を上記供給側リールを駆動する駆動モ
ータに印加する第２の手段とを備えてなり、供給
側リールの回転速度が所定の速度以上に増加しな
いように抑制することにより、テープの高速送り
時のたるみの発生を除去するようにした記録再生
装置におけるテープ高速送り方式を提供すること
を目的とする。

従来、テープレコーダ及びビデオテープレコー
ダ（VTR）等の磁気記録再生装置の技術分野に
おいては、第１図に示すようなテープの高速送り
装置が知られている。同図に示される装置では、
供給側リール１より磁気テープ３が巻取り側リー
ル２の駆動モータ８の駆動によつて第１図の矢印
Ｘ方向へ給送されて上記巻取り側リール２に巻取
られる構成を有する。このような構成の装置で
は、上記磁気テープ３の長手方向の縁端部には透
明なリーダテープ又はトレーラテープ４が接合さ
れており、それぞれの上記縁端部を検出できるよ
うな構成とされている。そして、第１図に示す装
置においては、巻取りが完了する直前に透明なリ
ーダテープ又はトレーラテープ４が供給側リール
１より取出され、次いで磁気テープ３の走行路に
設けられる検出機構により上記リーダテープ又は
トレーラテープ４の存在が検出されて高速送り動
作が完了される。このような検出機構は、例えば
磁気テープ３の走行路を挾んで発光ダイオード等
の光源部５、該光源部５より投光される光路７及
び光電変換素子等の受光部６とから構成され、テ
ープの走行路中に磁気テープ３が存在する時に
は、上記光路７は遮断され、この際上記透明なリ
ーダテープ又はトレーラテープ４が存在する時に
は、上記受光部６は光源部５からの投射光を受光
し、これにより受光部６から得られる入射光に対
応する信号を検出部１０により検出し、この検出
出力によつて電源部９を制御し、該電源部９から
巻取り側リール２を駆動する駆動モータ８へ駆動
電力を供給し又は遮断する。

ところが、一般にこの種の検出機構によれば、
磁気テープの高速送り方式においては、次のよう
な各種の弊害が存在する。

すなわち、テープ速度が高速の場合には、上記
検出機構等の遅延誤差のために供給側リールに巻
回されたテープの末端に至るまでの期間に停止す
ることができず、結局磁気テープの損傷、伸長、
切断等の弊害の発生する恐れがある。

このような弊害は、テープの走行速度が高速と
なればなる程大きくなるので、通常、設計段階に
おいてこの種の弊害が生起しないようにテープ走
行速度及びリーダテープ又はトレーラテープの長
さ等の設定が行なわれるものである。例えば、
VTRに使用されるビデオテープにおいては、一
般にヘリカルスキヤン方式により磁気テープ上に
その長手方向に対し傾斜した１フイールド分の１
トラツクが順次間歇的に記録されると共に、ビデ
オヘツド自体は極めて高い精度が要求されてい
る。それ故、上述のように磁気テープとリーダテ
ープ又はトレーラテープとの異種のテープが接合
されることは、磁気テープ自体の品質上好ましい
ことではなく、普通は磁気テープの最縁端からの
リーダテープ又はトレーラテープの長さは、リー
ルより磁気テープが全部放出された状態におい
て、例えば回転ドラムに取付けられるビデオヘツ
ドに到達しない長さを限度としており、一方、磁
気テープの高速送りが必要な早送りモード、巻戻
しモードにおいては、不必要に低速とすることは
本来の使用目的からして好ましくない。

いま、供給側リールの回転速度V₁と、供給側
テープ巻厚み_１及び巻取り側テープ巻厚み_２
との比、すなわちテープ巻厚み比_２／_１との関係を 示す第２図の特性曲線図において、実線曲線Ａに
示すように巻取り側リールの回転速度がほゞ一定
の場合においても、テープ巻始め時と、テープ巻
終り時とでは、テープ巻厚みが変化するためにテ
ープの走行速度が異なり、テープ巻終り時におい
ては、テープ巻始め時に比し著しく高速となる現
象が生じて、前記した弊害をさらに大きくする結
果となる欠陥があつた。また、このような弊害を
除去するために、テープ巻終り時附近においてテ
ープの走行速度を低速に切換える方式が行なわれ
ているが、かかる方式では、巻取り側リールの駆
動モータを制御して行なうためにテープのたるみ
を発生する等の欠点があつた。

本発明は上述のような欠点を除去するために発
明されたものであつて、第３図に示す本発明の一
実施例について説明する。同図において、第１図
と同一個所には同一符号を用いて表示されてい
る。第３図において、巻取り側リール２の駆動モ
ータ８には電源部９より所定の一定電圧が供給さ
れ、供給側リール１に巻回される磁気テープ３
は、所定の回転速度で第３図の矢印Ｙ方向へ給送
され巻取り側リール２に巻取られるように構成さ
れる。一方、供給側リール１は駆動モータ１８に
より回転されるよう構成され、この駆動モータ１
８の回転軸端には円板部材１１が軸止され、該円
板部材１１の周辺部には一定間隔でＳ極、Ｎ極の
検出用マグネツト１２が交互に配設されている。
上記円板部材１１に対面して設けられる検出ヘツ
ド１３には、その前面を通過する検出用マグネツ
ト１２に対応して周期的に信号が順次に取出され
るが、この検出ヘツド１３から得られる信号は供
給側リール１の回転速度に比例する周波数を有す
る信号となり、該信号は周波数弁別器１４に供給
されて、上記信号の周波数に比例する電圧を得、
該電圧はモータ駆動用増巾器１５及び検出器１６
にそれぞれ供給される。そして、モータ駆動用増
巾器１５を通じて駆動モータ１８に供給される駆
動電力は、上記周波数弁別器１４の出力電圧によ
つて制御される。すなわち、モータ駆動用増巾器
１５からの駆動電力は、開閉スイツチ１７を介し
て駆動モータ１８に供給されるが、この開閉スイ
ツチ１７は上記検出器１６により制御され、該検
出器１６は上記弁別器１４からの出力電圧に対し
て予め設定された所定の電圧値以上において出力
し、それ以下では出力零となるように、例えばシ
ユミツト回路で構成されるので、上記検出器１６
の出力が存在する時は開閉スイツチ１７は閉成
し、上記出力が零となる時は該開閉スイツチ１７
は開放する。なお、上記弁別器１４は検出ヘツド
１３より得られる信号の波形整形回路（所定のパ
ルス信号を形成する回路）を含み、また周波数弁
別器１４は、例えば積分回路等で構成される簡単
な回路を用いることができ、特に高精度の特性の
ものは要求されることがなく、上記弁別器１４の
入出力特性として、周波数ｆに対する出力電圧Ｖ
との関係は第４図に明示される。

次に、第３図に示す本発明の一実施例につきそ
の作用を説明するに、テープ巻始めにおいては、
第２図の特性曲線図からも明らかなように、供給
側リール１の回転速度は比較的遅く、したがつて
検出ヘツド１３から得られる信号の周波数は低
く、よつて弁別器１４の出力電圧も第４図に明示
されるように比較的小である。このため、検出器
１６に対する入力電圧も設定される所定の電圧値
以下となり、検出器１６の出力は零であり、よつ
て開閉スイツチ１７は開放されて駆動モータ１８
には電圧の印加が行なわれない。次いで、磁気テ
ープの巻取り動作が進行して、テープ巻厚み比
_２／_１が第２図の実線曲線ＣにおけるＦ点に達する と、供給側リール１の回転速度が所定の速度まで
増加し、これに基づいて得られる上記弁別器１４
の出力電圧が検出器１６の設定される所定の電圧
値に達する時は、該検出器１６の動作により開閉
スイツチ１７は閉成され、この結果駆動モータ１
８にはモータ駆動用増巾器１５を介して駆動電力
が供給され、これにより供給側リール１に対して
逆回転を与える逆トルクが付加されて供給側リー
ル１の回転速度が所定の速度以上に増加しないよ
うに抑制され得る。

なお、第２図の特性曲線図におけるＦ点近傍に
おいては、殆んど供給側リール１に対し逆回転力
を与えない程度の微小電圧となるよう弁別器１４
の入出力特性（第４図）が設定されており、以後
テープ巻取り動作が進行して第２図に示すテープ
巻厚み比_２／_１が増加しても、実線曲線Ｃに示すよ うに供給側リール１の回転速度は第２図の一点鎖
線Ｅで示すほゞ一定速度以上には増加しない。こ
の理由は、上記開閉スイツチ１７が閉成された
後、駆動モータ１８の駆動系は閉ループによるサ
ーボ系を構成するためである。

また、上記テープ巻厚み比_２／_１が第２図の特性 曲線図のＦ点に達する点、すなわち供給側リール
１の回転速度が一定速度となる点は、例えば予め
検出器１６又は弁別器１４等の定数設定によつて
決定される。

上述のように、本発明によれば、供給側リール
１の回転速度はほゞ一定になるよう抑制されるた
め、現実的には第２図の点線曲線Ｄに示すように
テープの走行速度V₂は、巻取り動作の進行にと
もなつて次第に減少する。これは、供給側リール
１に巻回されるテープ巻厚み_１が減少するため
で好ましい結果を与えるものであり、この事実は
第２図の点線曲線Ｇに示すような本発明を実施し
ない場合のテープ走行速度と対比して見れば明瞭
に理解され得る。また、第２図の二点鎖線Ｂで示
すテープ走行速度は本発明を実施しない場合で、
かつ上記弊害を生じさせないための実験的限界で
あり、第２図の特性曲線図にある一点鎖線Ｅの値
は二点鎖線Ｂの値以内に設定される。

かくて、本発明では上記の弊害を発生すること
がないと共に、最低の時間で巻取りを完了させる
ことができるところの第２図の実線曲線Ｃに基づ
いた供給側リール１の回転速度が選定され得る。

以上詳述したように、本発明によればテープ等
を高速で供給側リールから巻取り側リールに巻取
る際に、供給側リールの回転速度が所定の速度以
上に増加しないように抑制されるために、テープ
の巻取り完了時におけるテープの損傷、伸長、切
断等の各種の弊害の発生を阻止することができる
と共に、上記供給側リールの回転速度の抑制は、
供給側リールの駆動モータに逆電圧を印加せしめ
ることにより行なつているため、テープのたるみ
等の弊害をも防止できるものであり、また供給側
リールの回転速度を一定となるように抑制作用を
行なつているため、テープ巻取り動作の進行に対
しテープ走行速度は次第に減少するので、テープ
端検出動作に対しても確実な動作を保証できる等
各種の特徴を有し、極めて優れた効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示すテープ高速送り方式のブ
ロツク構成図、第２図は従来例と本発明とを対比
して説明する供給側リールの回転速度又はテープ
走行速度とテープ巻厚み比との関係を示す特性曲
線図、第３図は本発明の一実施例を示す第１図と
同様なブロツク構成図、第４図は第３図に使用さ
れる周波数弁別器の入出力特性図である。 １…供給側リール、２…巻取り側リール、３…
磁気テープ、８…駆動モータ、９…電源部、１１
…円板部材、１２…検出用マグネツト、１３…検
出ヘツド、１４…周波数弁別器、１５…モータ駆
動用増巾器、１６…検出器、１７…開閉スイツ
チ、１８…駆動モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ テープを高速で供給側リールから巻取り側リ
   ールに巻取るように構成し、上記各リールはそれ
   ぞれ独立の駆動モータにより駆動するようにした
   記録再生装置において、上記供給側リールの回転
   速度に比例した周波数を有する信号を検出する第
   １の手段と、該第１の手段より得られる信号に応
   答して、上記供給側リールの回転方向とは逆方向
   の回転力を与えると共に、上記信号の周波数に比
   例した電圧を得、該電圧を上記供給側リールを駆
   動する駆動モータに印加する第２の手段とを備
   え、上記第１の手段より得られる信号の周波数が
   所定値以上の範囲においてのみ、上記電圧を上記
   供給側リールを駆動する駆動モータに印加するよ
   うに構成したことを特徴とする記録再生装置にお
   けるテープ高速送り方式。