JPS6145652B2 - - Google Patents

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JPS6145652B2
JPS6145652B2 JP13735678A JP13735678A JPS6145652B2 JP S6145652 B2 JPS6145652 B2 JP S6145652B2 JP 13735678 A JP13735678 A JP 13735678A JP 13735678 A JP13735678 A JP 13735678A JP S6145652 B2 JPS6145652 B2 JP S6145652B2
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JP
Japan
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polyimide
reaction
solution
tetracarboxylic acid
acid component
Prior art date
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Application number
JP13735678A
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English (en)
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JPS5565227A (en
Inventor
Yoshikazu Sasaki
Hiroshi Inoe
Ichiro Sasaki
Hiroshi Itaya
Mikito Kashima
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP13735678A priority Critical patent/JPS5565227A/ja
Priority to US06/092,508 priority patent/US4290936A/en
Priority to DE2945139A priority patent/DE2945139C2/de
Priority to GB7938718A priority patent/GB2037305B/en
Priority to FR7927576A priority patent/FR2440960B1/fr
Publication of JPS5565227A publication Critical patent/JPS5565227A/ja
Publication of JPS6145652B2 publication Critical patent/JPS6145652B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、3,3′,4,4′―ビフエニルテト
ラカルボン酸類を主成分とするテトラカルボン酸
成分と4,4′―ジアミノビフエニルエーテルを主
成分とする芳香族ジアミン成分とを、ハロゲン化
フエノール溶媒中で、高温において一段階で重合
およびイミド化して、均一で透明なポリイミド溶
液を製造する方法に係るものである。 一般に、ポリイミドを製造する方法として、テ
トラカルボン酸成分とジアミン成分とを、有機極
性溶媒中で、比較的低温(60℃以下)において重
合してまずポリアミツク酸の溶液を製造し、次い
でそのポリアミツク酸を種々の方法でイミド化す
る2段階の方法が、工業的に行なわれていた。 ところが最近になつて、テトラカルボン酸成分
とジアミン成分とを適当に選択して使用し、有機
極性溶媒中で、比較的高温において一段階で重合
およびイミド化反応をさせて、イミド化率の高い
ポリマーを含有するポリイミド溶液を製造する方
法が提案されつつある。 例えば、特公昭46−17145号公報、特公昭47−
23191号公報、特公昭47−26878号公報および特公
昭48−26958号公報には、3,3′,4,4′―ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸類を主成分とするテ
トラカルボン酸成分とジアミン成分との略等モル
づつをフエノール系溶剤中で加熱反応せしめて、
ポリイミド溶液を製造する方法について記載され
ている。 また、特公昭47−37706号公報には、ブタンテ
トラカルボン酸類と有機ジアミンとを、有機極性
溶媒中で、190〜200℃の反応温度に加熱し、両成
分を重合およびイミド化反応させて、イミド化率
60〜90%のポリマー(ポリアミツク酸―ポリイミ
ド)の溶液を製造する方法について記載されてい
る。 さらに、特開昭51−81899号公報には、3,
3′,4,4′―ベンゾフエノンテトラカルボン酸二
無水物または1,4,5,8―ナフタリンテトラ
カルボン酸二無水物のテトラカルボン酸成分とジ
アミン成分とを、有機極性溶媒中で、触媒として
カルボン酸を添加して、反応温度100〜220℃にお
いて、重合・イミド化反応させることによつて、
ポリイミド溶液を製造する方法が記載されてい
る。 すなわち、前記の各公知文献によれば、テトラ
カルボン酸成分の主成分として、3,3′,4,
4′―ベンゾフエノンテトラカルボン酸類、ブタン
テトラカルボン酸類または1.4,5,8―ナフタ
リンテトラカルボン酸類を選択して使用すれば、
それらのテトラカルボン酸類を主成分とするテト
ラカルボン酸成分と有機ジアミン成分とから、有
機極性溶媒中で高温において一段階の重合・イミ
ド化反応によつてポリイミド溶液が得られること
が知られていたのである。そして、前記の各公知
文献には、前記のテトラカルボン酸類以外のその
他のテトラカルボン酸化合物を主成分として使用
した場合に、反応液中にポリマーの沈澱物が生成
してしまい、透明で均一なポリマー溶液が得られ
ないことが記載されているか、あるいは、前記以
外のテトラカルボン酸化合物の使用についてまつ
たく記載がなかつたのである。 前記の各公知文献に記載された方法によつて得
られるポリイミド(またはポリイミド近似ポリマ
ー)溶液は、ポリマーの主鎖の構成単位の特殊性
によつて、そのポリマー溶液を使用して形成した
ポリイミドフイルムが公知のポリイミドフイルム
(ピロメリツト酸―ジアミン系の二段階法による
ポリイミド)の機械的物性に対してはるかに低い
ものであつたのであり、例えば、特公昭47−
37706号公報に記載された実施例ではせいぜい約
12Kg/mm2程度以下であり、特開昭51−81899号公
報の第4ページ右上欄の記載ではせいぜい10〜15
Kg/mm2程度の引張り強度(破断点強度)であつ
た。 さて、特開昭50−113597号公報には、3,3′,
4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸類または
2,3,3′,4′―ビフエニルテトラカルボン酸類
を主成分とするテトラカルボン酸成分とジアミン
成分とを、略等モル、有機極性溶媒中で反応させ
て、溶剤可溶型ポリイミドを製造する方法につい
て記載されている。 しかし、前記特公昭50−113597号公報に記載さ
れている方法では、反応溶媒としてm―クレゾー
ル、キシレノールなどのフエノール系溶剤が使用
されており、そのような溶剤が、機械的物性の優
れたポリイミドフイルムを製造できるポリイミド
を高濃度で溶解することができないものであるの
で、機械的物性の優れたポリイミドフイルムを製
造することができるポリイミド溶液を得ることが
非常に困難であつた。 この発明者らは、機械的物性が優れたポリイミ
ド成形物(例えばポリイミドフイルム)を製造す
ることができるポリイミド溶液を、テトラカルボ
ン酸成分とジアミン成分との1段階の重合・イミ
ド化反応によつて、製造する方法について鋭意研
究した結果、一段階の重合・イミド化反応におい
てまつたく使用されたことのないハロゲン化フエ
ノール化合物を反応溶媒として使用して特定のテ
トラカルボン酸成分とジアミン成分とを一段階の
重合・イミド化反応させることによつて、均一で
透明な高濃度のポリイミド溶液を製造することが
できるこの発明の方法に到達したのである。 すなわち、この発明は、3,3′,4,4′―ビフ
エニルテトラカルボン酸類がテトラカルボン酸成
分の全量の約80モル%以上の割合で配合されてい
るテトラカルボン酸成分と、4,4′―ジアミノジ
フエニルエーテルが芳香族ジアミン成分の全量の
約70モル%以上の割合で配合されている芳香族ジ
アミン成分とを、両成分のモル数が大略等しくな
るような割合で使用して、ハロゲン化フエノール
化合物を溶媒とし、約100〜300℃の反応温度で、
テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを
重合およびイミド化することを特徴とするポリイ
ミド溶液の製造方法に関するものである。 この発明の方法によれば、カルボン酸のような
触媒を使用することなく、1段階の重合・イミド
化反応によつて、イミド化率が高くしかも対数粘
度(50℃、濃度0.5g/100mlP―クロルフエノー
ル)が大きいポリイミドが、完全に均一に溶解し
ている高濃度のポリイミド溶液を得ることができ
る。 この発明の方法によつて得られるポリイミド溶
液中のポリイミドは、構造式 で示される構成単位を主鎖に主として有するポリ
イミドである。 そのポリイミドは、イミド化率が90%以上、特
に95%以上、さらに98%以上であつて、対数粘度
(温度50℃、濃度0.5g/100mlP―クロルフエノ
ールで測定)が約0.7〜6、特に0.8〜4であるポ
リマーである。 この発明の方法によつて得られるポリイミド溶
液は、その溶液から薄膜を形成して次いでその薄
膜から溶媒を蒸発して除去することによつて、優
れた機械的物性を有するポリイミドフイルムを、
容易に製造することができる。そのポリイミドフ
イルムは、引張り強度(破断点強度)が少なくと
も16Kg/mm2以上であり、特に17〜30Kg/mm2であつ
て、伸び率が20〜100%であるという優れた物性
を有する。上述の効果は、従来公知の1段階の重
合・イミド化反応の方法で得られたポリイミド溶
液から成形されたポリイミドフイルムがせいぜい
15Kg/mm2以下の引張り強度を有していたにすぎな
いのに対して、非常に優れた効果である。 また、この発明の方法では、ポリマー濃度が30
重量%まで、特に5〜25重量%の種々の濃度であ
る均一で透明なポリイミド溶液を、直接に重合・
イミド化反応の結果として得ることができるので
あり、そのポリイミド溶液は、長期間保存して
も、溶液からポリマーが分離して沈澱物が生成し
たり、白濁または不透明化することがなく、保存
安定性の優れたものである。また、そのポリイミ
ド溶液は、ハロゲン化フエノール溶媒によつて自
由に種々の濃度に希釈することができるし、反対
に、溶媒を蒸発するなどの方法で濃縮することも
可能である。 以下、この発明の方法について、さらに具体的
に詳しく説明する。 この発明の方法において使用するテトラカルボ
ン酸成分は、3,3′,4,4′―ビフエニルテトラ
カルボン酸類が、テトラカルボン酸成分の全量の
約80モル%以上、好ましくは90〜100モル%の割
合で配合されていなければならない。 前記の3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカル
ボン酸類とは、3,3′,4,4′―ビフエニルテト
ラカルボン酸、その酸無水物、およびそのエステ
ル化物、さらにそれらの混合物のいずれかのこと
であり、特に、この発明では、3,3′,4,4′―
ビフエニルテトラカルボン酸二無水物(S―
BPDAと略記することもある)を使用することが
好適である。 前記のテトラカルボン酸成分として、3,3′,
4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸類と共に使
用することができる他のテトラカルボン酸として
は、例えば、2,3,3′,4′―ビフエニルテトラ
カルボン酸類、2,2′,3,3′―ビフエニルテト
ラカルボン酸類、3,3′,4,4′―ベンゾフエノ
ンテトラカルボン酸類、ビス(3,4―ジカルボ
キシフエニル)メタン類、2,2―ビス(3,4
―ジカルボキシフエニル)プロパン類、ビス
(3,4―ジカルボキシフエニル)エーテル類、
ビス(3,4―ジカルボキシフエニル)チオエー
テル類、ビス(3,4―ジカルボキシフエニル)
スルホン類、2,3,6,7―ナフタレンテトラ
カルボン酸類、ピロメリツト酸類などを挙げるこ
とができ、特にこれらのテトラカルボン酸二無水
物を好適に挙げることができる。 この発明の方法において、テトラカルボン酸成
分は、3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボ
ン酸類がテトラカルボン酸成分の全量の80モル%
より少ない割合で配合されているものであると、
そのようなテトラカルボン酸成分とジアミンとの
重合・イミド化反応で製造されるポリイミド溶液
から機械的物性の優れたポリイミドフイルムが成
形できないので適当でなかつたり、あるいは、重
合・イミド化反応中にポリマーが析出したり、反
応液が白濁して不透明化したり、さらに高分子量
のポリマーの溶液が得られなかつたりするか、ま
たは、その重合・イミド化反応が終了して反応液
を冷却するとポリマーが反応液から分離・析出し
たりすることがあるので適当でなかつた。前述の
ようなポリマーが析出した不均一な溶液、あるい
は低分子量のポリマー溶液からは、物性の優れた
ポリイミドフイルムを製造することが困難であつ
たり不可能である。 この発明の方法において使用する芳香族ジアミ
ン成分は、4,4′―ジアミノジフエニルエーテル
(以下DADEと略記することもある)が芳香族ジ
アミン成分の全量の約70モル%以上、好ましくは
80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%の
割合で配合されていなければならない。 前記の芳香族ジアミン成分として、4,4′―ジ
アミノジフエニルエーテルと共に使用することが
できる他の芳香族ジアミン化合物としては、例え
ば、4,4′―ジアミノジフエニルメタン、4,
4′―ジアミノジフエニルプロパン、ベンチジン、
3,3′―ジメチルベンチジン、4,4′―ジアミノ
ジフエニルスルフイド、4,4′―ジアミノジフエ
ニルスルホン、メタフエニレンジアミン、パラフ
エニレンジアミン、3,3′―ジアミノジフエニル
メタン、3,3′―ジアミノジフエニルプロパン、
3,3′―ジアミノジフエニルスルフイド、3,
3′―ジアミノジフエニルスルホンなどを挙げるこ
とができる。 この発明の方法において、芳香族ジアミン成分
は、4,4′―ジアミノジフエニルエーテルが芳香
族ジアミン成分の全量の70モル%より少ない割合
で配合されているものであると、そのような芳香
族ジアミン成分と前記のテトラカルボン酸成分と
の重合・イミド化反応で製造されるポリイミド溶
液から機械的物性の優れたポリイミドフイルムが
成形できないので適当ではない。 この発明の方法においては、前述のテトラカル
ボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを、両成分の
モル数が大略等しくなるような割合で使用して、
一段階の重合・イミド化反応をさせるのである
が、両成分の使用量比は、かならずしもまつたく
等しくなくてもよく、いずれか一方の成分が、他
の成分に対して10モル%以内、特に5モル%以内
であれば、過剰に配合されていてもよい。 この発明の方法において、反応溶媒として使用
するハロゲン化フエノール化合物は、ヒドロキシ
ル基とハロゲン原子とがベンゼン核を形成してい
る炭素原子に直接結合しているハロゲン化フエノ
ールであればよく、特に、この発明の方法では、
融点が約100℃以下、特に80℃以下であつて、し
かも沸点が300℃(常圧)以下、特に280℃(常
圧)以下であるハロゲン化フエノールが好まし
い。 ハロゲン化フエノール化合物に結合しているハ
ロゲン原子は、塩素、臭素、弗素、ヨウ素のいず
れであつてもよいが、特に塩素または臭素が好適
である。 また、ハロゲン化フエノール化合物は、ハロゲ
ン原子とヒドロキシル基とからなる置換基のほか
に、メチル、エチル、ジメチルメチルなどの低級
アルキル基がベンゼン核の炭素原子に結合してい
るものであつてもよい。 この発明の方法において、ハロゲン化フエノー
ル化合物としては、例えば、O―クロルフエノー
ル、m―クロルフエノール、P―クロルフエノー
ル、O―ブロムフエノール、m―ブロムフエノー
ル、P―ブロムフエノール、2―クロル―4―ヒ
ドロキシトルエン、2―クロル―5―ヒドロキシ
トルエン、3―クロル―6―ヒドロキシトルエ
ン、4―クロル―ヒドロキシトルエン、2―ブロ
ム―4―ヒドロキシトルエン、2―ブロム―5―
ヒドロキシトルエン、3―ブロム―6―ヒドロキ
シトルエン、4―ブロム―2―ヒドロキシトルエ
ンなどを挙げることができる。 特に、この発明の方法においては、ハロゲン化
フエノール化合物として、P―クロルフエノー
ル、m―クロルフエノール、P―ブロムフエノー
ル、m―ブロムフエノール、2―クロル―4―ヒ
ドロキシトルエン、2―クロル―5―ヒドロキシ
トルエン、3―クロル―6―ヒドロキシトルエ
ン、あるいはこれらのハロゲン化フエノールの2
種以上の混合溶媒が、好適である。 この発明の方法においては、ハロゲン化フエノ
ール化合物に、他の有機極性溶媒を少量加えて、
混合溶媒として使用してもよいが、他の有機極性
溶媒の添加割合は30容量%以内であることが好ま
しい。ハロゲン化フエノール化合物以外の有機極
性溶媒の添加量が多くなると、均一で透明なポリ
イミド溶液が得られなかつたり、優れた物性を有
するポリイミドフイルムが得らるポリイミド溶液
を製造することができなかつたりするので適当で
はない。 この発明の方法において、反応溶媒としてハロ
ゲン化フエノール化合物を使用することが特に重
要な要件である。 すでにこの明細書において列記したように、テ
トラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとを使用し
て1段階で重合・イミド化反応してポリイミド溶
液を製造する公知の方法において、反応溶媒とし
ては、例えば、m―クレゾール、キシレノール、
N―メチルピロリドン、O―ジクロルベンゼン、
ニトロベンゼンなどが使用できることが知られて
いたが、反応溶媒としてハロゲン化フエノール化
合物が使用できることは知られていなかつた。 前述の公知の反応溶媒のいずれを使用しても、
3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸類
と4,4′―ジアミノジフエニルエーテルとを、高
濃度で、1段階の重合・イミド化反応させる方法
において、反応によつて生成したポリマーが析出
沈澱してしまつたり、反応液がゲル状に白濁し不
透明化すると共に、その反応液から物性の優れた
ポリイミドフイルムを製造することができなかつ
たりしたのである。 ところが、公知技術において使用されることが
なかつたハロゲン化フエノール化合物を反応溶媒
として使用するこの発明の方法においては、たと
え3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸
類とDADEとを高濃度で1段階重合・イミド化反
応させても、得られたポリマーが析出して反応液
が不均一または不透明化することがまつたくな
く、常に均一で透明なポリイミド溶液を得ること
ができ、またそのポリイミド溶液から優れた機械
的物性を有するポリイミドフイルムを容易に製造
することができるのである。 この発明の方法においては、3,3′,4,4′―
ビフエニルテトラカルボン酸類を主成分とするテ
トラカルボン酸成分と、4,4′―ジアミノジフエ
ニルエーテルを主成分とする芳香族ジアミン成分
とを、両成分のモル数が大略等しくなるような割
合で使用して、ハロゲン化フエノール化合物を溶
媒とし、約100〜300℃、好ましくは120〜280℃、
特に好ましくは150〜250℃の反応温度で、必要で
あれば、生成する水を反応系から除去しながら、
テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分と
を、重合およびイミド化して、ポリイミド溶液を
製造するのである。 前述の重合・イミド化反応において、反応温度
が100℃より低いと、前記両成分の重合反応によ
つて得られるポリマーが充分にイミド化されず、
イミド結合以外にアミド―酸結合を高い割合で有
することになるので、そのようなポリマーが反応
液から析出したり、反応液の保存安定性が悪化し
てしまうことがあるので適当ではなく、また、反
応温度が300℃より高いと、生成したポリマー同
志が互に架橋してゲル化し、流動性のほとんどな
いポリマー溶液または不均一なポリマー溶液とな
ることがあるので適当ではない。 前述の重合・イミド化反応において、原料を仕
込んだ反応のための溶液を、前述の範囲内の反応
温度にまでするにはどのような方法で行つてもよ
いが、例えば、常温で各原料を配合して反応に供
する溶液を調製して、その後、その反応に供する
溶液を常温から反応温度にまで約0.2〜5時間、
特に0.5〜2時間を要して昇温することが好まし
い。前記重合・イミド化反応の反応時間は、前述
の反応温度の範囲内に供する溶液を保持して約5
分間〜10時間、特に10分間〜5時間、重合・イミ
ド化反応させるようにすることが好ましく、ま
た、その反応の際の反応温度は、反応中ある温度
に一定に維持することが好ましいが、必らずしも
一定の反応温度に維持する必要がなく、適宜前記
の範囲の反応温度内で反応温度を変化させてもよ
い。 前述の重合・イミド化反応において、反応に供
する溶液中の溶媒を除いた他の各成分の合計量
は、それらの各成分の合計濃度が2〜30重量%、
特に3〜25重量%、さらに4〜20重量%となるよ
うな量であることが好ましい。さらに重合・イミ
ド化反応において、その反応圧は、常圧、減圧、
または加圧のいずれであつてもよい。 この発明の方法における重合・イミド化反応で
は、反応中に生成する水を反応系から除去するこ
とが必らずしも必要でないが、反応温度が約150
℃より低温であつたり、あるいは、反応時間をい
くらか短縮させたい場合には、生成する水を反応
系から除去すれば、ある程度効果がある。 この発明の方法で得られるポリイミド溶液は、
常温以上の温度において約500〜200万センチポア
ズ(cp)の回転粘度を有する均一で透明な粘稠
溶液である。例えば、ポリマー濃度が約10重量%
であるポリイミド溶液は、その回転粘度が、約
100℃で約500〜200000cp、特に1000〜100000cp
程度であり、約50℃で約1000〜100万cp、特に
2000〜50万cp程度である。そのポリイミド溶液
(10重量%ポリマー濃度)を約50〜200℃、特に70
〜150℃に加熱すれば、フイルム製造のために好
適な回転粘度のポリイミド溶液にすることがで
き、そのポリイミド溶液の薄膜を容易に形成する
ことができるので、その後、そのポリイミド溶液
の薄膜から溶媒を蒸発して完全に除去すれば、優
れた物性を有するポリイミドフイルムを製造する
ことができる。 この発明の方法で得られるポリイミド溶液は、
イミド化率が高く、対数粘度で示される値の大き
い高分子量のポリイミドを高濃度で含有するので
あるが、常温〜200℃の温度範囲において、前記
ポリイミドが解重合したり、あるいは前記ポリイ
ミドが架橋したりすることがほとんどないので、
前記温度範囲に長時間保存することができ、特に
50℃より低温では、数カ月以上安定に保存するこ
とも可能である。 この発明の方法で得られるポリイミド溶液は、
前述のように、フイルムを形成するのに好適であ
るばかりでなく、その他の成形物を成形すること
にも使用することができ、また電線被覆用のワニ
ス、耐熱性の接着剤などにも使用することができ
る。 以下、実施例および比較例を示す。 実施例 1 3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物7.356g(約0.02モル)と、4,4′―ジア
ミノジフエニルエーテル5.006g(約0.025モル)
とを、P―クロルフエノール114.60g中に加え、
撹拌しながら160℃まで1時間昇温し、さらにそ
の溶液を160℃の反応温度に保持して、1時間の
反応時間で、1段階の重合・イミド化反応をさせ
て、透明で粘稠なポリイミド溶液を製造した。そ
のポリイミド溶液は、約9.1重量%のポリイミド
を含有する粘稠溶液であり、その溶液の赤外線分
光分析を行つたところ1780cm-1のイミド結合特有
の吸収ピークが認められ、アミド結合の吸収ピー
クが認められなかつたのでイミド化率が95%以上
であるポリイミドを含有していることが判つた。
この溶液の回転粘度(約50℃)および溶液中のポ
リイミドの対数粘度(温度50℃、濃度0.5g/100
mlP―クロルフエノールで測定)は、第1表に示
す。 前述のようにして得られたポリイミド溶液を、
100℃に加熱してろ過した後、ガラス板上に一定
の厚さに流延してその溶液の薄膜を形成した。真
空乾燥器を使用して、約140℃で1mmHgで、前記
の溶液の薄膜から、P―クロルフエノールを蒸発
して除去し(約1時間)、ポリイミドフイルムと
した後、さらにそのポリイミドフイルムを熱風乾
燥器で300℃まで徐々に加熱して、実質的にP―
クロルフエノールを除去してポリイミドフイルム
を製造した。 得られたフイルムの厚さ、引張り強度(破断点
強度)、伸び率を第1表に示す。 実施例 2〜4 反応温度および反応時間を第1表に示すように
かえたほかは、実施例1と同様にしてポリイミド
溶液を製造した。そのポリイミド溶液の回点粘度
およびポリイミドの対数粘度およびイミド化率、
さらにポリイミド溶液の観察による性状(外観)
を第1表に示す。 前述のようにして得られた各ポリイミド溶液を
使用したほかは、実施例1と同様にしてポリイミ
ドフイルムを製造した。そのポリイミドフイルム
の性質を第1表に示す。 実施例 5〜6 S―BPDAの使用量7.356gを106.04g(実施例
5)または14.003g(実施例6)にかえ、DADE
の使用量5.006gを、7.216g(実施例5)または
9.530g(実施例6)にかえたほかは、実施例3
と同様にして、ポリイミド溶液を製造した。その
ポリイミド溶液のポリイミド濃度は、約12.6重量
%(実施例5)および16.0重量%(実施例6)で
あつた。それぞれのポリイミド溶液の性質および
ポリイミドの性質を第1表に示す。 前述のようにして得られた各ポリイミド溶液を
使用したほかは、実施例3と同様にしてポリイミ
ドフイルムを製造した。そのポリイミドフイルム
の性質を第1表に示す。 実施例 7 テトラカルボン酸成分として、S―
BPDA6.620gおよび2,3,3′,4′―ビフエニル
テトラカルボン酸二無水物(a―BPDA)0.736
gを併用し、第1表に示す反応温度および反応時
間としたほかは、実施例1と同様にしてポリイミ
ド溶液を製造した。そのポリイミド溶液およびポ
リイミドの性質を第1表に示す。 そのポリイミド溶液を使用したほかは、実施例
1と同様にしてポリイミドフイルムを製造した。
そのポリイミドフイルムの性質を第1表に示す。 実施例 8〜11 反応溶媒を第1表に示すハロゲン化フエノール
化合物にかえて、第1表に示す反応温度および反
応時間としたほかは、実施例1と同様にしてポリ
イミド溶液を製造した。それぞれのポリイミド溶
液およびポリイミドの性質を第1表に示す。 前述のようにして得られた各ポリイミド溶液を
使用したほかは、実施例1と同様にしてポリイミ
ドフイルムを製造した。それぞれのポリイミドフ
イルムの性質を第1表に示す。
【表】 比較例 1 ハロゲン化フエノール溶媒(P―クロルフエノ
ール)を、m―クレゾールにかえたほかは、実施
例5と同様にして、S―BPDAとDADEとを1段
階で重合・イミド化反応させた。得られた反応生
成の性質を第2表に示す。 得られた反応液は、ポリマーが析出していたた
めに、実施例5と同様にしてフイルムを製造する
ことができなかつた。 比較例 2〜6 ハロゲン化フエノール溶媒(P―クロルフエノ
ール)を、第2表に示す化合物にかえて、反応温
度および反応時間を第2表に示すようにしたほか
は、実施例1と同様にして、S―BPDAとDADE
とを1段階で重合・イミド化反応させた。得られ
た反応生成物の性質を第2表に示す。 前述のようにして得られた反応液は、反応液中
に未反応のS―BPDAが残存していたり(比較例
5および6)、反応液を常温まで冷却した時にポ
リマーが析出したり(比較例2)または反応液全
体が固化したり(比較例4)、あるいは高分子量
のポリマーを含有するポリマー溶液が得られなか
つたり(比較例3)したので、実施例1に示した
ような簡単な方法で優れた物性を有するフイルム
を製造することができなかつた。 比較例 7〜9 テトラカルボン酸成分および芳香族ジアミン成
分とを第2表に示したようにして、第2表に示す
反応温度および反応時間としたほかは、実施例1
と同様にして、両成分を重合・イミド化反応させ
た。その反応生成液の性質を第2表に示す。 前述のようにして比較例7および8で得られた
反応液は、沈澱物が析出したので、フイルムの製
造に用いることはできなかつた。 また比較例9で得られた反応液を使用して実施
例1と同様にして33〜40μの厚さのフイルムを成
形したが、そのフイルムの破断点強度が11.3Kg/
mm2と物性の劣つたものであつた。
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 3,3′,4,4′―ビフエニルテトラカルボン
    酸類がテトラカルボン酸成分の全量の約80モル%
    以上の割合で配合されているテトラカルボン酸成
    分と、4,4′―ジアミノビフエニルエーテルが芳
    香族ジアミン成分の全量の約70モル%以上の割合
    で配合されている芳香族ジアミン成分とを、両成
    分のモル数が大略等しくなるような割合で使用し
    て、ハロゲン化フエノール化合物を溶媒とし、約
    100〜300℃の反応温度で、テトラカルボン酸成分
    と芳香族ジアミン成分とを重合およびイミド化す
    ることを特徴とするポリイミド溶液の製造方法。
JP13735678A 1978-11-09 1978-11-09 Production of polyimide solution Granted JPS5565227A (en)

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