JP2903704B2 - 芳香族ポリイミドフィルムの製造法 - Google Patents

芳香族ポリイミドフィルムの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合反応によ
り得られるポリアミド酸からイミド剤を利用して芳香族
ポリイミドフィルムを製造する方法に関する。
[従来技術] 芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとの
重合・環化(イミド化)により得られる芳香族ポリイミ
ドのフィルム状成形物は、耐熱性及び耐化学薬品性など
が優れているため、各種の用途に利用できる優れた工業
材料として注目を浴びている。なかでも、3,4,3′,4′
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレ
ンジアミンとの重合反応により得られるポリアミド酸か
ら得られる芳香族ポリイミドのフィルムは、特に優れた
耐熱性及び化学的安定性等を有することが知られてい
る。
芳香族ポリイミドフィルムの製造には、従来、芳香族
テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンとを有機極性
溶媒中で重合反応させてポリアミド酸(ポリアミック酸
ともいう)の溶液を得たのち、このポリアミド酸溶液を
基体上にフィルム状に流延し、該フィルム状流延液を80
〜200℃以下で加熱して自己支持性フィルムを得て、次
いで該自己支持性フィルムを基体から剥離し、更に300
℃以上の温度にて加熱を行なうなどして加熱環化(閉
環)させて製造する方法が利用されていた。この加熱環
化を利用する方法は、簡便で、工業的に優れた方法であ
るが、環化反応(イミド化反応)中に発生する水が、ポ
リアミド酸のアミド酸結合を加水分解し、生成するポリ
マーの分子量の低下を引き起こし、得られるポリイミド
フィルムの物性低下をもたらしやすいとの問題がある。
上記の加熱環化に起因するフィルム物性低下などの問
題を回避するための方法として、ポリアミド酸溶液にイ
ミド化剤を添加し、このイミド化剤の作用により、低温
加熱の条件下で、加水分解を防ぎながら、環化(イミド
化)を実現し、ポリイミドフィルムを得る方法が既に開
発されいる。この目的で用いられるイミド化剤として
は、ポリアミド樹脂ハンドブック(福本修編、日刊工業
新聞社昭和63年刊、533〜534頁)に記載されているよう
に、従来では、ピリジンなどの第三級アミンが知られて
いた。このピリジンは、安価であり、工業的使用におい
ては有利なイミド化剤であるといえるが、その使用に際
しては無水酢酸のような低級カルボン酸無水物との併用
が必須であり、またその使用量も、ポリアミド酸のアミ
ド酸結合1モルに対して0.5モル以上用いる必要がある
とされているため、実際の工業的使用においては必ずし
も有利であるとはいえないと考えられていた(特開昭59
−223725号公報参照)。また特に、従来知られてる第三
級アミンと低級カルボン酸無水物とを組み合わせて、化
学イミド化のためにポリアミド酸の溶液に加えた場合、
その溶液は短時間のうちにゲル化が起こり、その後の流
延などのフィルム製造上必須の工程が円滑に進まなくな
るとの問題があった。
上記のゲル化の問題の解決策として、上記の特開昭59
−223725号公報には、イミダゾール、ベンズイミダゾー
ルおよびその誘導体を、カルボン酸無水物を併用するこ
となく単独で化学イミド化剤として用いることが提案さ
れている。しかし、イミダゾール、ベンズイミダゾール
およびその誘導体は比較的効果であり、またそのイミダ
ゾール類を用いて工業的な製造に利用できる程度に効率
良くイミド化を行なわせるためには、イミダゾール類を
ポリアミド酸のアミド酸結合1モルに対して2モル以上
用いる必要があり、この点において問題がある。
[発明の目的] 本発明は、3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合反応によ
り得られるポリアミド酸から芳香族ポリイミドフィルム
を工業的に有利に製造するための方法を提供することを
主な目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合反応によ
り得られるポリアミド酸を、有機極性溶媒と、ポリアミ
ド酸のアミド酸単位に対して0.02〜0.5倍当量の置換基
を有していてもよいイミダゾールもしくはベンズイミダ
ゾールとからなる混合溶媒に溶解してなり、かつ低級カ
ルボン酸無水物を含むことのない、ポリアミド酸溶液を
基体上にフィルム状に流延した後、該フィルム状流延液
を80〜200℃で加熱して自己支持性フィルムを得、次い
で該自己支持体フィルムを基体から剥離し、更に300℃
以上の温度にて加熱を行うことからなる、赤外吸収スペ
クトル法により決定されるイミド化率が100%の芳香族
ポリイミドの製造法にある。
なお、上記の赤外吸収スペクトル法によるイミド化率
の100%とは、100%イミド化された芳香族ポリイミド標
準サンプルの赤外吸収スペクトルにおける740cm-1ある
いは1780cm-1のイミド基の特性吸収と、内部標準として
のフェニル基の1510cm-1の吸収との吸光度被と、測定対
象の芳香族ポリイミド試料について同様に測定した吸光
度比との間に有意差が見られないことにより決定され
る。
[発明の構成の説明] 前述のように、芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香
族ジアミンの重合により得られるポリアミド酸を環化
(イミド化)することにより、芳香族ポリイミドフィル
ムを製造するに際して、化学イミド化剤としてはイミダ
ゾールもしくはベンズイミダゾール、あるいはそれらの
誘導体を使用する場合、その使用量は、ポリアミド酸の
アミド酸結合1モルに対して2モル以上用いることが好
ましいとされていた。しかしながら、本発明者の検討に
よると、芳香族テトラカルボン酸無水物として3,4,3′,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用い、か
つ芳香族ジアミンとしてp−フェニレンジアミンを用い
た場合には、生成するポリアミド酸のアミド酸単位に対
して0.02〜0.5倍当量程度の少量のイミダゾール、ベン
ズイミダゾール、あるいはそれらの化合物の置換誘導体
を用いて、イミダ化反応を行なった場合には、芳香族ポ
リイミドフィルムの工業的な製造に大きな障害となる早
期のゲル化が発生することなく、かつ化学イミド化反応
も通常の条件にて実用的に充分な速度にて進行し、更に
得られる芳香族ポリイミドフィルムもむしろ高い強度を
有することが判明した。
本発明において用いられる3,4,3′,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物は、他の反応性芳香族テトラ
カルボン酸もしくはその誘導体と併用してもよいが、そ
の併用化合物は、テトラカルボン酸成分全体の10モル%
以下、特に、5モル%以下であることが好ましい。併用
化合物の例としては、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸、ピロメリット酸、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
エーテルなどのテトラカルボン酸の酸二無水物を挙げる
ことができる。
また、本発明において用いられるp−フェニレンジア
ミンは、他の芳香族ジアミント併用してもよいが、その
併用化合物は、全芳香族ジアミン成分全体の20モル%以
下、特に15モル%以下であることが好ましい。併用化合
物の例としては、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニ
ルチオエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホンなどを挙げること
ができる。
3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
とp−フェニレンジアミンとからポリアミド酸を製造す
る方法は前述のように既に知られている。すなわち、3,
4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp
−フェニレンジアミンとを、略等モルずつ用い、これら
を有機極性溶媒中、0〜80℃、好ましくは0〜70℃の温
度で、重合することによりポリアミド酸を得ることがで
きる。この重合反応に用いる有機極性溶媒としては、N
−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、キノリン、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、クレゾ
ール、フェノールのような芳香族ポリアミド酸に対する
溶解力が高い有機極性溶媒を挙げることができる。
本発明において、基体上にフィルム状に流延してフィ
ルム状流延液を形成するためのポリアミド酸溶液は、上
記の反応液(縮重合反応を行なって得られた反応液)そ
のまま、もしくは、その濃縮液もしくは希釈液であって
もよく、あるいは一旦ポリアミド酸を反応液から取り出
したのち、その再度適当な有機極性溶媒に溶解して調整
した溶液であってもよい。
ポリアミド酸は、その対数粘度(30℃、濃度0.5g/100
ml溶剤での測定値)が0.1以上であるような高分子量も
のであることが好ましく、特に0.2〜5であるような高
分子量ものであることが好ましい。なお、対数粘度と
は、相対粘度(ηrel)の自然対数を濃度cで割った値
(1n ηrel)/cを意味する。
フィルム状流延液を調製するためのポリアミド酸溶液
におけるポリアミド酸の濃度(ポリマー濃度)は、通常
3〜40重量%であり、特に4〜35重量%であることが好
ましい。
本発明においては、上記のようにして調製したポリア
ミド酸溶液に、ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.
02〜0.5倍当量程度の少量のイミダール、ベンズイミダ
ゾール、もしくはそれらの置換誘導体を加える。ここに
述べた置換誘導体の例としては、N−メチルイミダゾー
ル、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、5−メチルベンズイミダゾールのような低級アルキ
ル基が一もしくは二個付いたイミダゾールもしくはベン
ズイミダゾールを挙げることができる。また、これらの
イミド化剤は、二種以上組み合せて使用してもよい。
上記のイミダゾール、ベンズイミダゾールもしくはそ
れらの置換誘導体は、単独で、本発明における3,4,3′,
4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェ
ニレンジアミンとの重合反応により得られるポリアミド
酸の化学イミド化剤として機能する。ただし、これらの
化学イミド化剤は、ポリアミド酸のアミド酸単位に対し
て0.02〜0.5倍当量程度の少量にて用いる必要がある。
その量は、好ましくは0.05倍当量以上であり、そして更
に好ましくは0.3倍当量以下、0.1倍当量以上である。ま
た、これらの化学イミド化剤は、無水酢酸のような低級
カルボン酸無水物の併用を伴なうことなく使用する 低級カルボン酸無水物の併用はイミド化率の向上には
若干効果があるものの、ポリアミド酸溶液のゲル化を促
進するとその悪影響がでる場合があるためえ、本発明に
伴う芳香族ポリイミドフィルムの工業的な製造を実施す
るためには、むしろ有害となりやすい場合がある。
上記のようにして得られたポリアミド酸溶液は、必要
に応じて脱泡、濾過等の処理を行なったのち、ガラス
板、金属板、金属ベルト、金属ドラムのような耐熱性の
基体上にフィルム状に、たとえば厚さが50〜2000μmの
範囲の値となるようにTダイ、ドクターナイフ等を用い
て流延した後、得られたフィルム状流延液を、熱風ある
いは赤外線などを利用する加熱装置で80〜200℃の範囲
の温度に加熱して自己支持性フィルムを得る。この加熱
により、自己支持性フィルムは約25〜45重量%の加熱原
料を示し、部分的なイミド化が行なわれて、イミド化率
が25〜80%(特に25〜60%)のポリマーが得られる。な
お、加熱減量は、自己支持体フィルムを420℃で20分間
加熱した後の重量減少から下式により求めた値である。
加熱原料(重量%)={(加熱前の試料の重量−加熱後試料の重量) /(加熱前の試料の重量)}×100 次に上記の自己支持性フィルムを、求体から剥離し、
更に300℃以上の温度(通常は450℃以下)にて加熱を行
なうことにより、イミド化率が実質的に100%の所望の
芳香族ポリイミドフィルムを得る。この自己支持性フィ
ルムの加熱は、多数の加熱ロール間を通過させたり、あ
るいはフィルムの両端をテンターのクリップやピン等で
若干の緊張力を与えた条件下で加熱するなどの公知の方
法により行なわれる。
次に、本発明の実施例および比較例を示す。なお、以
下の記載においてイミド化率は、赤外吸収スペクトルを
用いる方法(ATR法)により、740cm-1あるいは1780cm-1
のイミド基の特性吸収と、内部標準としてのフェニル基
の1510cm-1の吸収との吸光度比を計算により求め、別に
求めたイミド化率100%のポリイミドフィルムにおける
対応する吸光度比との比率を計算し、百分率(%)の単
位にて表示した。
ゲル化時間は、30℃での糸引き現象が現れなくなるま
での時間で表示した。
各ポリイミドフィルムの引張強度および伸び率は、室
温(25℃)での測定値である。
[実施例1] N,N−ジメチルアセトアミド423.76gにp−フェニレン
ジアミン25.00g(0.2312モル)を溶解し、この溶液に3,
4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物68.02
g(0.2312モル)を少量ずつ1時間かけて添加した。こ
の添加操作の間、溶液の温度を約60℃に維持した。この
結果、ポリマー濃度[P]が18.0重量%で、溶液粘度
(B型回転粘度計使用、35℃の測定値)が1200ポイズの
ポリアミド酸(ポリマーの対数粘度=2.2)の溶液が得
られた。
得られたポリアミド酸溶液50gに、N,N−ジメチルアセ
トアミド5.790gとN−メチルイミダゾール0.46g(5.592
×10-3モル)とを加え、3分間撹拌、混合した。この混
合液における、ポリアミド酸のアミド酸単位とN−メチ
ルイミダゾールの当量比(アミド酸単位/N−メチルイミ
ダゾール)は1/0.125であり、ポリマー濃度[P]は16.
0重量%である。この混合液を30℃にて1日間放置した
が、ゲル化は見られなかった。
上記のポリアミド酸/N−メチルイミダゾール混合液を
ガラス板上に、ドクターナイフを用いて、厚みが約780
μmとなるように均一に流延した。この流延液槽を有す
るガラス板を、熱風乾燥炉に入れて140℃の熱風にて10
分間の乾燥を行なったところ、ガラス板側表面のポリマ
ーのイミド化率が30%の自己支持性フィルム(加熱減量
32重量%)が得られた。
次いで、上記の自己支持性フィルムを金属枠に固定
し、そのまま熱風乾燥炉に入れ、180℃の熱風で10分間
で加熱し、さらに300℃で5分間、そして420℃で5分間
の加熱を行ない、厚みが約60μmのポリイミドフィルム
(イミド化率100%)を得た。
得られたポリイミドフィルムの引張強度は43kg/mm
2で、伸び率は45%であった。
[実施例2] N−メチルイミダゾールの代わりに、N−ベンジル−
2−メチルイミダゾールを同じモル量(5.592×10-3
ル、0.89g)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行
ない、厚みが約60μmのポリイミドフィルム(イミド化
率100%)を得た。
得られたポリイミドフィルムの引張強度は42kg/mm
2で、伸び率は44%であった。
なお、途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量
31%を示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が
32%であった。
[実施例3] 使用するN−メチルイミダゾールの量を2倍(11.18
×10-3モル、0.92g)にした以外は実施例1と同様の操
作を行ない、厚みが約60μmのポリイミドフィルム(イ
ミド化率100%)を得た。
得られたポリイミドフィルムの引張強度は43kg/mm
2で、伸び率は45%であった。
なお、途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量
31%を示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が
38%であった。
[比較例1] N−メチルイミダゾールを加えなかった以外は実施例
1と同様の操作を行ない、厚みが約60μmのポリイミド
フィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの引張強度は38kg/mm2
伸び率は35%と低い値であった。
なお、途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量
35%を示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が
17%であった。
[比較例2] N−メチルイミダゾールの代わりに、ピリジンを同じ
モル量(5.592×10-3モル、0.47g)用いた以外は実施例
1と同様の操作を行ない、厚みが約60μmのポリイミド
フィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの引張強度は37kg/mm2
伸び率は36%と低い値であった。
なお、途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量
33%を示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が
19%であった。
[比較例3] N−メチルイミダゾールの代わりに、トリエチルアミ
ンを同じモル量(5.592×10-3モル、0.57g)用いた以外
は実施例1と同様の操作を行ない、厚みが約60μmのポ
リミドフィルムを得た。
得られたポリイミドフィルムの引張強度は28kg/mm2
伸び率は17%と低い値であった。
なお、途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量
33%を示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が
20%であった。
[発明の作用効果] 本発明の製造法を利用することにより、3,4,3′,4′
−ビスフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニ
レンジアミンとから、優れた物性(特に、引張強度が高
いと共に伸び率が大きいとの性質)を有するポリイミド
フィルムを、少量のイミダゾール、ベンズイミダゾー
ル、もしくはそれらの置換誘導体の使用にて、早期のゲ
ル化(すなわち、ポットライフの短さ)などのトラブル
の発生なしに製造することができる。従って、本発明の
ポリイミドフィルムの製造法は、特に芳香族ポミイミド
フィルムの大規模な連続生産に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 徹治 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興 産株式会社枚方研究所内 (72)発明者 今谷 克男 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇 部興産株式会社宇部統合事業所内 (72)発明者 松原 健之 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇 部興産株式会社宇部統合事業所内 (72)発明者 河野 敬 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇 部興産株式会社宇部統合事業所内 (56)参考文献 特開 昭60−15426(JP,A) 特開 昭59−223725(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/00 - 5/02 C08J 5/12 - 5/22 B29C 41/12 C08L 79/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
    酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合反応によ
    り得られるポリアミド酸を、有機極性溶媒と、ポリアミ
    ド酸のアミド酸単位に対して0.02〜0.5倍当量の置換基
    を有していてもよいイミダゾールもしくはベンズイミダ
    ゾールとからなる混合溶媒に溶解してなり、かつ低級カ
    ルボン酸無水物を含むことのない、ポリアミド酸溶液を
    基体上にフィルム状に流延した後、該フィルム状流延液
    を80〜200℃で加熱して自己支持性フィルムを得、次い
    で該自己支持性フィルムを基体から剥離し、更に300℃
    以上の温度にて加熱を行うことからなる、赤外吸収スペ
    クトル法により決定されるイミド化率が100%の芳香族
    ポリイミドの製造法。
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