JPH10330615A - 芳香族ポリアミド酸溶液 - Google Patents

芳香族ポリアミド酸溶液

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JPH10330615A
JPH10330615A JP19800998A JP19800998A JPH10330615A JP H10330615 A JPH10330615 A JP H10330615A JP 19800998 A JP19800998 A JP 19800998A JP 19800998 A JP19800998 A JP 19800998A JP H10330615 A JPH10330615 A JP H10330615A
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polyamic acid
solution
aromatic
film
acid
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JP19800998A
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Shunichi Hamamoto
俊一 浜本
Hiroshi Inoue
浩 井上
Yoshiyuki Miwa
孔之 三輪
Tetsuharu Hirano
徹治 平野
Katsuo Imatani
克男 今谷
Takeyuki Matsubara
健之 松原
Takashi Kono
敬 河野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加水分解による物性低下が抑制され、かつイ
ミド化率が実質的に100%に達する、機械的安定性や
耐熱性が顕著に高い、芳香族ポリイミドを製造するに適
した芳香族ポリアミド酸溶液を提供すること。 【解決手段】 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合
反応により得られるポリアミド酸を、有機極性溶媒と、
ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.02〜0.5
倍当量の置換基を有していてもよいイミダゾールもしく
はベンズイミダゾールとからなる溶液に溶解している芳
香族ポリアミド酸溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3,4,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェ
ニレンジアミンとの重合反応により得られる芳香族ポリ
アミド酸の有機溶媒溶液に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香
族ジアミンとの重合と、環化(イミド化)により得られ
る芳香族ポリイミドのフィルム状成形物は、耐熱性及び
耐化学薬品性などが優れているため、各種の用途に利用
できる優れた工業材料として注目を浴びている。なかで
も、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合反応により
得られるポリアミド酸から得られる芳香族ポリイミドの
フィルムは、特に優れた耐熱性及び化学的安定性等を有
することが知られている。
【0003】芳香族ポリイミドフィルムの製造には、従
来、芳香族テトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンと
を有機極性溶媒中で重合反応させて、ポリアミド酸(ポ
リアミック酸ともいう)の溶液を得たのち、このポリア
ミド酸を基体上にフィルム状に流延し、該フィルム状流
延液を80〜200℃以下で加熱して自己支持性フィル
ムを得て、次いでその自己支持性フィルムを基体から剥
離し、更に300℃以上の温度にて加熱を行なうなどし
て加熱環化(閉環)させて製造する方法が利用されてい
た。この加熱環化を利用する方法は、簡便で、工業的に
優れた方法であるが、環化反応(イミド化反応)中に発
生する水が、ポリアミド酸のアミド酸結合を加水分解
し、生成するポリマ−の分子量の低下を引き起こし、得
られるポリイミドフィルムの物性低下をもたらしやすい
との問題があった。
【0004】上記の加熱環化時に発生する水に起因する
フィルム物性低下などの問題を回避するための方法とし
て、ポリアミド酸溶液にイミド化剤を添加し、このイミ
ド化剤の作用により、低温加熱の条件下で、加水分解を
防ぎながら環化(イミド化)を実現して、ポリイミドフ
ィルムを得る方法が既に開発されている。この目的で用
いられるイミド化剤としては、ポリアミド樹脂ハンドブ
ック(福本修編、日刊工業新聞社昭和63年刊、533
〜534頁)に記載されているように、従来では、ピリ
ジンなどの第三級アミンが用いられていた。このピリジ
ンは、安価であり、工業的使用においては有利なイミド
化剤であるといえるが、その使用に際しては無水酢酸の
ような低級カルボン酸無水物との併用が必須であり、ま
たイミド化を効果的に進めるには、その使用量も、ポリ
アミド酸のアミド酸結合1モルに対して0.5モル以上
用いる必要があるとされているため、実際の工業的使用
においては必ずしも有利であるとはいえないと考えられ
ていた(特開昭59−223725号公報参照)。また
特に、従来知られている第三級アミンと低級カルボン酸
無水物とを組み合わせて、化学イミド化のためにポリア
ミド酸の溶液に加えた場合、その溶液は短時間のうちに
ゲル化が起こり、その後の流延などのフィルム製造上必
須の工程が円滑に進まなくなるとの問題があった。
【0005】上記のゲル化の問題の解決策として、上記
の特開昭59−223725号公報では、イミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、およびその誘導体を、カルボ
ン酸無水物を併用することなく単独で化学イミド化剤と
して用いることが提案されている。しかし、イミダゾー
ル、ベンズイミダゾールおよびその誘導体は比較的高価
であり、またそのイミダゾール類を用いて工業的な製造
に利用できる程度に効率良くイミド化を行なわせるため
には、イミダゾール類をポリアミド酸のアミド酸結合1
モルに対して2モル以上用いる必要があるところから、
この点において問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加水分解に
よる物性低下が抑制され、かつイミド化率が実質的に1
00%に達する、機械的安定性や耐熱性が顕著に高い、
芳香族ポリイミドを製造するに適した芳香族ポリアミド
酸溶液を提供することを主たる課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、3,4,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp
−フェニレンジアミンとの重合反応により得られるポリ
アミド酸を、有機極性溶媒と、ポリアミド酸のアミド酸
単位に対して0.02〜0.5倍当量の置換基を有して
いてもよいイミダゾールもしくはベンズイミダゾールと
からなる溶液に溶解してなる芳香族ポリアミド酸溶液に
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】前述のように、芳香族テトラカル
ボン酸無水物と芳香族ジアミンの重合により得られるポ
リアミド酸を脱水・環化(イミド化)することにより、
芳香族ポリイミドフィルムを製造するに際して、化学イ
ミド化剤としてイミダゾールもしくはベンズイミダゾー
ル、あるいはそれらの誘導体を使用する場合、その使用
量は、ポリアミドのアミド酸結合1モルに対して2モル
以上用いることが好ましいとされていた。しかしなが
ら、本発明者の検討によると、芳香族テトラカルボン酸
無水物として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物を用い、かつ芳香族ジアミンとしてp
−フェニレンジアミンを用いた場合に、生成するポリア
ミド酸のアミド酸単位に対して0.02〜0.5倍当量
程度の少量のイミダゾール、ベンズイミダゾール、ある
いはそれらの化合物の置換誘導体を用いて、イミド化反
応を行なった場合には、芳香族ポリイミドフィルムの工
業的な製造に大きな障害となる早期のゲル化が発生する
ことなく、かつ化学イミド化反応も通常の条件にて実用
的に充分な速度にて進行し、更に得られる芳香族ポリイ
ミドフィルムも、むしろ高い強度を有することが判明し
た。
【0009】本発明において用いられる3,4,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、他の反
応性芳香族テトラカルボン酸もしくはその誘導体と併用
してもよいが、その併用化合物はテトラカルボン酸成分
全体の10モル%以下、特に5モル%以下であることが
好ましい。併用化合物の例としては、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ピロメリット
酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルなどのテ
トラカルボン酸の酸二無水物を挙げることができる。
【0010】また、本発明で用いられるp−フェニレン
ジアミンは、他の芳香族ジアミンと併用してもよいが、
その併用化合物は全芳香族ジアミン成分全体の20モル
%以下、特に15モル%以下であることが好ましい。併
用できる化合物の例としては、m−フェニレンジアミ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルス
ルホンなどを挙げることができる。
【0011】3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとからポリ
アミド酸を製造する方法は前述のように既に知られてい
る。即ち、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとを、ほぼ等
モルずつ用い、これらを有機極性溶媒中0〜80℃、好
ましくは、0〜70℃の温度で、重合することによりポ
リアミド酸を得ることができる。この重合反応に用いる
有機極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、
ピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、テトラメチル尿素、クレゾール、フェノールのよう
な、芳香族ポリアミド酸に対する溶解力が高い有機極性
溶媒を挙げることができる。
【0012】本発明のポリアミド酸溶液を用いて、基体
上にフィルム状に流延してフィルム状流延液を形成する
場合には、上記のポリアミド酸溶液(重合反応を行なっ
て得られた反応液)そのまま、もしくはその濃縮液もし
くは希釈液を用いてもよく、あるいは一旦ポリアミド酸
を反応液から取り出したのち、それを再度適当な有機極
性溶媒に溶解して調製した溶液を用いても良い。
【0013】本発明のポリアミド酸溶液中のポリアミド
酸は、その対数粘度(30℃、濃度0.5g/100m
L溶剤での測定値)が0.1以上であるような高分子量
ものであることが好ましく、特に0.2〜5であるよう
な高分子量ものであることが好ましい。なお、対数粘度
とは、相対粘度(ηrel )の自然対数を濃度cで割った
値(1n ηrel )/cを意味する。
【0014】フィルム状流延液を調製するためのポリア
ミド酸溶液におけるポリアミド酸の濃度(ポリマー濃
度)は、通常3〜40重量%であり、特に4〜35重量
%であることが好ましい。
【0015】本発明においては、上記のように調製した
ポリアミド酸溶液に、ポリアミド酸のアミド酸単位に対
して0.02〜0.5倍当量程度の少量のイミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、もしくはそれらの置換誘導体
を加える。ここに述べた置換誘導体の例としては、N−
メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、5−メチルベンズイミダゾールのよ
うな低級アルキル基が一もしくは二個ついたイミダゾー
ルもしくはベンズイミダゾールを挙げることができる。
また、これらのイミド化剤は、二種以上組み合わせて使
用してもよい。
【0016】上記のイミダゾール、ベンズイミダゾール
もしくはそれらの置換誘導体は、単独で、本発明におけ
る3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物とp−フェニレンジアミンとの重合反応により得
られるポリアミド酸の化学イミド化剤として機能する。
ただし、これらの化学イミド化剤はポリアミド酸のアミ
ド酸単位に対して0.02〜0.5倍当量程度の少量に
て用いる必要がある。その量は、好ましくは0.05倍
当量以上であり、そして更に好ましくは0.3倍当量以
下、0.1倍当量以上である。また、これらの化学イミ
ド化剤は、無水酢酸のような低級カルボン酸無水物の併
用を伴うことなく使用することが好ましい。
【0017】低級カルボン酸無水物の併用はイミド化率
の向上には若干効果があるものの、ポリアミド酸溶液の
ゲル化を促進するとの悪影響がでる場合があるため、本
発明のポリアミド酸溶液を用いる芳香族ポリイミドフィ
ルムの工業的な製造を実施するためにはむしろ有害とな
りやすい場合がある。
【0018】上記のようにして得られたポリアミド酸溶
液は、必要に応じて脱泡、濾過等の処理を行なったの
ち、ガラス板、金属板、金属ベルト、金属ドラムのよう
な耐熱性の基体上にフィルム状に、たとえば厚さが50
〜2000μmの範囲の値となるようにTダイ、ドクタ
ーナイフ等を用いて流延した後、得られたフィルム状流
延液を、熱風あるいは赤外線などを利用する加熱装置で
80〜200℃の範囲に加熱して自己支持性フィルムを
得る。この加熱により、自己支持性フィルムは約25〜
45重量%の加熱減量を示し、部分的なイミド化が行な
われて、イミド化率が25〜80%(特に25〜60
%)のポリマーが得られる。なお、加熱減量は、自己支
持性フィルムを420℃で20分間加熱した後の重量減
少から下式により求めた値である。 加熱減量(重量%)={(加熱前の試料の重量−加熱後
の試料の重量)/(加熱前の試料の重量)}×100
【0019】次に上記の自己支持性フィルムを、基体か
ら剥離し、更に300℃以上の温度(通常は450℃以
下)にて加熱を行なうことにより、イミド化率が実質的
に100%(下記の赤外スペクトル法によるイミド化
率)の所望の芳香族ポリイミドフィルムを得る。この自
己支持性フィルムの加熱は、多数の加熱ロール間を通過
させたり、あるいはフィルムの両端をテンターのクリッ
プやピン等で若干の緊張力を与えた条件下で加熱するな
どの公知の方法により行なわれる。
【0020】
【実施例】次に、本発明の実施例および比較例を示す。
なお、以下の記載においてイミド化率は、赤外吸収スペ
クトルを用いる方法(ATR法)により、740cm-1
あるいは1780cm-1のイミド基の特性吸収と、内部
標準としてのフェニル基の1510cm-1の吸収との吸
光度比を計算により求め、別に求めたイミド化率が10
0%のポリイミドフィルムにおける対応する吸光度比と
の比率を計算し、百分率(%)の単位にて表示した。ま
た、ゲル化時間は、30℃での糸引き現象が現れなくな
るまでの時間で表示した。そして、各ポリイミドフィル
ムの引張強度および伸び率は、室温(25℃)での測定
値である。
【0021】[実施例1]N,N’−ジメチルアセトア
ミド423.76gにp−フェニレンジアミン25.0
0g(0.2312モル)を溶解し、この溶液に3,
4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
68.02g(0.2312モル)を少量ずつ1時間か
けて添加した。なお、この添加操作の間、溶液の温度を
約60℃に維持した。この結果、ポリマー濃度[P]が
18.0重量%で、溶液粘度(B型回転粘度計使用)、
35℃の測定値)が1200ポイズのポリアミド酸(ポ
リマーの対数粘度=2.2)の溶液が得られた。
【0022】得られたポリアミド酸溶液50gに、N,
N’−ジメチルアセトアミド5.790gとN−メチル
イミダゾール0.46g(5.592×10-3モル)と
を加え、3分間攪拌、混合した。この混合液における、
ポリアミド酸のアミド酸単位とN−メチルイミダゾール
の当量比(アミド酸単位/N−メチルイミダゾール)は
1/0.125であり、ポリマー濃度[P]は16.0
重量%である。この混合液を30℃にて一日間放置した
が、ゲル化は見られなかった。
【0023】上記のポリアミド酸/N−メチルイミダゾ
ール液混合をガラス板状に、ドクターナイフを用いて、
厚みが約780μmとなるように均一に流延した。この
流延液層を有するガラス板を、熱風乾燥炉に入れて14
0℃の熱風にて10分間の乾燥を行なったところ、ガラ
ス板側表面のポリマーのイミド化率が30%の自己支持
性フィルム(加熱減量:32重量%)が得られた。
【0024】次いで、上記の自己支持性フィルムを金属
枠に固定し、そのまま熱風乾燥炉に入れ、180℃の熱
風で10分間で加熱し、さらに300℃で5分間、そし
て420℃で5分間の加熱を行ない、厚みが約60μm
のポリイミドフィルム(イミド化率:100%)を得
た。得られたポリイミドフィルムの引張強度は43kg
/mm2 で、伸び率は45%であった。
【0025】[実施例2]N−メチルイミダゾールの代
わりに、N−ベンジル−2−メチルイミダゾールを同じ
モル量(5.592×10-3モル、0.89g)用いた
以外は実施例1と同様の操作を行ない、厚みが約60μ
mのポリイミドフィルム(イミド化率:100%)を得
た。得られたポリイミドフィルムの引張強度は42kg
/mm2 で、伸び率は44%であった。なお、途中で得
られた自己支持性フィルムは加熱減量31%を示し、ガ
ラス板側表面のポリマーのイミド化率が32%であっ
た。
【0026】[実施例3]使用するN−メチルイミダゾ
ールの量を2倍(11.18×10-3モル、0.92
g)にした以外は実施例1と同様の操作を行ない、厚み
が約60μmのポリイミドフィルム(イミド化率:10
0%)を得た。得られたポリイミドフィルムの引張強度
は43kg/mm2 で、伸び率は45%であった。な
お、途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量31
%を示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が3
8%であった。
【0027】[比較例1]N−メチルイミダゾールを加
えなかった以外は実施例1と同様の操作を行なって、厚
みが約60μmのポリイミドフィルムを得た。得られた
ポリイミドフィルムの引張強度は38kg/mm2 で、
伸び率は35%と低い値であった。なお、途中で得られ
た自己支持性フィルムは加熱減量35%を示し、ガラス
板側表面のポリマーのイミド化率が17%であった。
【0028】[比較例2]N−メチルイミダゾールの代
わりに、ピリジンを同じモル量(5.592×10-3
ル、0.47g)用いた以外は実施例1と同様の操作を
行ない、厚みが約60μmのポリイミドフィルムを得
た。得られたポリイミドフィルムの引張強度は37kg
/mm2 で、伸び率は36%と低い値であった。なお、
途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量33%を
示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が19%
であった。
【0029】[比較例3]N−メチルイミダゾールの代
わりに、トリエチルアミンを同じモル量(5.592×
10-3モル、0.57g)用いた以外は実施例1と同様
の操作を行ない、厚みが約60μmのポリイミドフィル
ムを得た。得られたポリイミドフィルムの引張強度は2
8kg/mm2 、伸び率は17%と低い値であった。な
お、途中で得られた自己支持性フィルムは加熱減量33
%を示し、ガラス板側表面のポリマーのイミド化率が2
0%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明の3,4,3’,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミン
とからポリアミド酸と少量のイミダゾール系あるいはベ
ンズイミダゾール系の化学イミド化剤とを含む溶液を利
用することにより、優れた物性(特に、引張強度が高い
と共に伸び率が大きいとの性質)を有するポリイミドフ
ィルムを、早期のゲル化(すなわち、ポットライフの短
さ)などのトラブルの発生なしに製造することができ
る。従って、本発明のポリアミド酸溶液は、特に機械的
物性が高く、かつ耐熱性も高い、イミド化率が実質的に
100%の芳香族ポリイミドフィルムの大規模な連続生
産に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 徹治 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内 (72)発明者 今谷 克男 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部統合事業所内 (72)発明者 松原 健之 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部統合事業所内 (72)発明者 河野 敬 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部統合事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラ
    カルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとの重合
    反応により得られるポリアミド酸を、有機極性溶媒と、
    ポリアミド酸のアミド酸単位に対して0.02〜0.5
    倍当量の置換基を有していてもよいイミダゾールもしく
    はベンズイミダゾールとからなる溶液に溶解してなる芳
    香族ポリアミド酸溶液。
JP19800998A 1998-06-29 1998-06-29 芳香族ポリアミド酸溶液 Pending JPH10330615A (ja)

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