JPS6337136B2 - - Google Patents

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JPS6337136B2
JPS6337136B2 JP11355879A JP11355879A JPS6337136B2 JP S6337136 B2 JPS6337136 B2 JP S6337136B2 JP 11355879 A JP11355879 A JP 11355879A JP 11355879 A JP11355879 A JP 11355879A JP S6337136 B2 JPS6337136 B2 JP S6337136B2
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JP
Japan
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polymerization
polyimide
solution
water
prepolymerization
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Application number
JP11355879A
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English (en)
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JPS5638324A (en
Inventor
Yoshikazu Sasaki
Hiroshi Inoe
Ichiro Sasaki
Hiroshi Itaya
Mikito Kashima
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP11355879A priority Critical patent/JPS5638324A/ja
Priority to FR7927576A priority patent/FR2440960B1/fr
Priority to US06/092,508 priority patent/US4290936A/en
Priority to GB7938718A priority patent/GB2037305B/en
Priority to DE2945139A priority patent/DE2945139C2/de
Publication of JPS5638324A publication Critical patent/JPS5638324A/ja
Publication of JPS6337136B2 publication Critical patent/JPS6337136B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、テトラカルボン酸成分と芳香族ジ
アミン成分とを、フエノール化合物の溶媒中で、
一挙に重合・イミド化して、ポリイミド溶液を製
造する方法に係るものである。 特に、この発明は、前記の重合・イミド化を、
少なくとも重合の最終段階において、反応系を密
閉系となし、しかも、水の存在下に行うことによ
つて、ポリイミド溶液の回転粘度およびポリイミ
ドの重合度(後述の対数粘度で示す)を調節する
方法を提供するものである。 この発明の方法によつて得られるポリイミド溶
液は、優れた物性を有するポリイミドフイルムな
どの成形物を製造することができるものである。 従来、ポリイミドは、テトラカルボン酸成分と
ジアミン成分とからポリアミツク酸を製造し、次
いでそのポリアミツク酸を種々の方法でイミド化
して製造する方法(一般にポリイミドの2段階製
造法と言われる)が、一般的に知られていた。 最近、ポリイミドの溶液を製造する方法とし
て、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、
有機極性溶媒中、高温において生成する水を除去
しながら1段階で重合とイミド化とを行つて、均
一なポリイミド溶液を製造する方法が、各種提案
されつつある。その1段法としては、例えば、特
開昭50−113597号公報に、ビフエニルテトラカル
ボン酸類を主成分とするテトラカルボン酸成分
と、アルキレンジアミンまたは芳香族ジアミンを
主成分とするジアミン成分とを、略等モル、有機
極性溶媒中、高温で、生成する水を除去しなが
ら、1段階で重合とイミド化反応させるポリイミ
ド溶液の製造方法が記載されている。 しかしながら、公知の1段階製造法では、重合
液の粘度が高温下に比較的短時間で著しく増大し
ていまうので、生成するポリイミドの重合度およ
びポリイミド溶液の回転粘度を調節することが、
非常に因難あでり、目標とするポリイミド溶液を
再現性よく自由に得ることがほとんどできないの
である。このことは、品質の安定しないポリイミ
ド溶液しかできないことを意味し、そのような不
安定な品質のポリイミド溶液からは、品質の安定
したポリイミドフイルムなどの成形品が得られな
いばかりか、その成形条件を各品質のポリイミド
溶液に合わせる必要が生じ、連続的な成形が不可
能となつて著しく生産性が低下する原因となるの
である。 この発明者らは、テトラカルボン酸成分と芳香
族ジアミン成分とから、有機極性溶媒中、高温に
おいて、実質的に1段階で重合とイミド化とを行
つて、ポリイミド溶液を製造する方法において、
生成するポリイミドの重合度およびポリイミド溶
液の回転粘度を簡単な方法で自由に調整する方法
について鋭意研究した結果、前述の重合・イミド
化において、前重合した後、その重合液の反応系
を密閉系とし、必要であれば反応系に水を添加
し、反応系の水蒸気の分圧(水分圧という)およ
び重合液内の水分率が一定(平衡)となるまで、
水の存在下、高温で後重合することによつて、所
望の回転粘度のポリイミド溶液が得られることを
見出し、この発明を完成した。 すなわち、この発明は、3,3′,4,4′−ビフ
エニルテトラカルボン酸類を主成分とするテトラ
カルボン酸成分と、4,4′−ジアミノジフエニル
エーテルを主成分とする芳香族ジアミン成分と
を、実質的に等モル使用し、フエノール化合物の
溶媒中で、100〜200℃まで上昇しながら、重合液
の回転粘度(140℃)が50ポイズ以下となるまで
0.1〜5時間前重合し、 次いで、その前重合液を、密閉系で、水の存在
下に、反応系の水分圧が0.1〜20Kg/cm2の範囲内
で、ならびに、重合液の水分率が0.01〜10%の範
囲内でそれぞれ一定(平衡)となるまで、100〜
300℃の重合温度で後重合することを特徴とする
ポリイミド溶液の製造方法に関する。 この発明の方法によつて、所望の重合度のポリ
イミドを含有し所望の回転粘度を有するポリイミ
ド溶液を、再現性よく自由に製造することが可能
となつたのである。これによつて、品質の安定し
たポリイミドフイルムなどの成形品を容易に製造
することが可能となつたのである。したがつて、
この発明は、ポリイミド溶液の回転粘度の調節が
ほとんどできなかつた従来公知の方法と比較し
て、非常に優れた方法である。 また、この発明の方法によれば、イミド化率が
高くしかも重合度が大きいポリイミドが、約60℃
以上の高温で、完全に均一に溶解している高濃度
のポリイミド容液を得ることができる。 この発明の方法によつて得られるポリイミド溶
液中のポリイミドは、構造式 で示される構成単位を主鎖として主に有するポリ
イミドであつて、このイミド化率が約90%以上、
特に95%以上であり、その対数粘度(温度50℃、
濃度0.5g/100mlP−クロルフエノールで測定)
が約0.7〜6、特に0.8〜4であるポリマーであ
る。 この発明の方法によつて得られるポリイミド溶
液は、その溶液を薄膜に形成し次いでその薄膜か
ら溶媒を除去することによつて、優れた性能を有
するポリイミドフイルムを容易に制造することが
できる。 以下、この発明の方法について、さらに具体的
に詳しく説明する。 この発明の方法において使用するテトラカルボ
ン酸成分は、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラ
カルボン酸類を主成分とするものであり、好まし
くは、3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボ
ン酸類が、テトラカルボン酸成分の全量の約45モ
ル%以上、特に好ましくは約50〜100モル%、さ
らに好ましくは80〜100モル%の割合で配合され
ていればよい。 前記の3,3′4,4′−ビフエニルテトラカルボ
ン酸類とは、3,3′4,4′−ビフエニルテトラカ
ルボン酸、その酸無水物、およびその酸と低級ア
ルコールとのエステル化物、さらにそれらの混合
物のいずれかであり、特に、この発明では、3,
3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水
物(s−BPDAと略記することもある)を主成
分とするテトラカルボン酸成分を使用することが
好適である。 この発明では、3,3′,4,4′−ビフエニルテ
トラカルボン酸類(3,3′,4,4′−体とも言
う)と共に、2,3,3′,4′−ビフエニルテトラ
カルボン酸類、(2,3,3′,4′−体とも言う)
を併用する場合には、3,3′4,4′−体と2,3,
3′,4′−体との使用量比がほぼ等しくなるまで、
3,3′4,4′−体を使用することができる。 また、この発明では、3,3′,4,4′−ビフエ
ニルテトラカルボン酸類の配合割合が、テトラカ
ルボン酸成分の全量の約70モル%以上、特に75モ
ル%以上、さらに好ましくは80〜100モル%であ
ると、生成するポリイミドが、物性の優れたポリ
イミドフイルムとなるので好適である。 前記テトラカルボン酸成分として、3,3′,
4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸類と共に使
用することができる他のテトラカルボン酸として
は、2,3,3′,4′−ビフエニルテトラカルボン
酸類のほかに、例えば、2,2′,3,3′−ビフエ
ニルテトラカルボン酸類、3,3′,4,4′−ベン
ゾフエノンテトラカルボン酸類、ビス(3,4−
ジカルボキシフエニル)メタン類、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)プロパン類、
ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)エーテル
類、ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)チオ
エーテル類、ビス(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)スルホン類、2,3,6,7−ナフタレンテ
トラカルボン酸類、ピロメリツト酸類などを挙げ
ることができ、特にそれらのテトラカルボン酸二
無水物が好適である。 この発明の方法において、テトラカルボン酸成
分中に、3,3′4,4′−ビフエニルテトラカルボ
ン酸類の含有割合が少ないと、性能の優れたポリ
イミドが得られないことがあつたり、重合・イミ
ド化によつて不均一なポリイミド溶液ができたり
するので好ましくない。 この発明の方法において使用する芳香族ジアミ
ン成分は、4,4′−ジアミノジフエニルエーテル
を主成分とするものであり、好ましくは、4,
4′−ジアミノジフエニルエーテル(以下、DADE
と略記することもある)が芳香族ジアミン成分の
全量の約50%以上、特に70〜100モル%の割合で
配合されていればよい。 前記の芳香族ジアミン成分として、4,4′ージ
アミノジフエニルエーテルと共に使用することが
できる他の芳香族ジアミン化合物としては、例え
ば、4,4′−ジアミノジフエニルメタン、4,
4′−ジアミノジフエニルプロパン−2,2、ベン
チジン、3,3′−ジメトキシベンチジン、4,4
−ジアミノジフエニルスルホン、4,4′−ジアミ
ノジフエニルスルフイド、メタフエニレンジアミ
ン、パラフエニレンジアミン、3,3′−ジアミノ
ジフエニルメタン、3,3′−ジアミノジフエニル
プロパン−2,2、3,3′−ジアミノジフエニル
スルホンなどを挙げることができる。 この発明の方法において、芳香族ジアミン成分
中に、4,4′−ジアミノジフエニルエーテルの含
有割合が少ないと、高性能のポリイミドができな
かつたりすることがあるので適当ではない。 この発明では、テトラカルボン酸成分として、
3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸類
単独、芳香族ジアミン成分として、4,4′−ジア
ミノジフエニルエーテル単独で使用すると、性能
の優れたポリイミドフイルムが形成できるので特
に好ましい。 この発明の方法においては、テトラカルボン酸
成分と芳香族ジアミン成分とを、両成分のモル比
が実質的に1となるような割合で使用して、重
合・イミド化させるのであるが、両成分の使用量
のモル数は、かならずしもまつたく等しくなくて
もよく、いずれか一方の成分が、他の成分に対し
て10モル%以内、等に5モル%以内となるような
割合であれば、他の成分に対して過剰に配合され
ていてもよい。しかし一般に前記両成分の使用モ
ル比が1からずれるに従つて、高重合度のポリイ
ミドが生成しなくなる。 この発明の方法において使用する溶媒は、フエ
ノール化合物であるが、使用するモノマー成分お
よび生成したポリイミドを充分に溶解することが
でき、融点が100℃以下、特に80℃以下であつて、
しかも沸点が300℃(常圧)以下、特に280℃(常
圧)以下であるフエノール化合物が好ましい。 そのようなフエノール化合物としては、フエノ
ール、m−クレゾール、あるいはハロゲン化フエ
ノールが好ましい。ハロゲン化フエノールとして
は、特に、フエノールのベンゼン核の水素がハロ
ゲン原子(塩素、臭素など)で置換されているモ
ノハロゲン化フエノール、または、前記モノハロ
ゲン化フエノールのベンゼン核の水素が低級アル
キル基(例えば、メチル基、エテル基、プロピル
基など)で置換されているモノハロゲン化アルキ
ルフエノールが好適である。そのモノハロゲン化
フエノールとしては、例えば、o−クロルフエノ
ール、m−クロルフエノール、p−クロルフエノ
ール、o−ブロムフエノール、m−ブロムフエノ
ール、p−ブロムフエノールを挙げることがで
き、モノハロゲン化アルキルフエノールとして
は、2−クロル−4−ヒドロキシトルエン、2−
クロル−5−ヒドロキシトルエン、3−クロル−
6−ヒドロキシトルエン、4−クロル−2−ヒド
ロキシトルエン、2−ブロム−4−ヒドロキシト
ルエン、2−ブロム−5−ヒドロキシトルエン、
3−ブロム−6−ヒドロキシトルエン、4−ブロ
ム−2−ヒドロキシトルエンなどを挙げることが
できる。 特に、この発明の方法においては、フエノール
化合物として、フエノール、o−、m−、又はp
−クロルフエノール、o−、m−、又はp−ブロ
ムフエノール、2−クロル−4−ヒドロキシトル
エン、2−クロル−5−ヒドロキシトルエン、3
−クロル−6−ヒドロキシトルエン、あるいはそ
れらの2種以上の混合物を使用すると、ポリイミ
ドの溶解性の点から好適である。 この発明の方法では、前述のフエノール化合物
の他の有機極性溶媒を少量加えて、混合溶媒とし
て使用してもよいが、その場合には、他の有機極
性溶媒の添加割合は、全溶媒の30容量%以下、特
に15容量%以下にすることが望ましい。フエノー
ル化合物以外の有機極性溶媒は、生成するポリイ
ミドに対する溶解性を低下させたり、重合・イミ
ド化に悪影響を与えることがしばしばある。 この発明の方法においては、まず、前述のテト
ラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とを、前
述のフエノール化合物の溶媒中で、100〜200℃、
好ましくは120〜195℃まで昇温しながら、約0.1
〜5時間、好ましくは0.1〜3時間前重合して、
重合液の回転粘度(140℃)が約50ポアズ以下、
好ましくは20ポアズ以下、特に好ましくは15ポア
ズ以下であつて、ポリマーが均一に溶解している
透明な重合液とするのである。 前述の前重合においては、反応系を解放系とし
て重合およびイミド化反応で生成する水を水蒸気
として系外に取出し除去しながら反応を行なわせ
てもよく、あるいは、反応系の密閉系として反応
で生成する水を反応系内に滞留させたまま反応を
行わせてもよい。一般的に、前述の前重合を解放
系で行うと、前重合時間が短くなり、また前重合
を密閉系で行うと、前重合時間が長くなる。 また、前述の前重合において、昇温すべき温度
は、使用した溶媒の沸点以下、特に溶媒の沸点よ
り2〜5℃以上低い温度にすることが好ましい。 さらに、前述の前重合は、常圧または加圧のい
ずれで行つてもよい。 前述の前重合に供するテトラカルボン酸成分と
芳香族ジアミン成分との溶液は、両成分を、フエ
ノール化合物の融解液に添加して溶解することに
よつて調製することができ、その両成分の合計濃
度が、2〜30重量%、特に5〜25重量%、さらに
5〜20重量%であることが好ましい。 この発明の方法においては、前述の前重合に続
いて、前述のようにして製造された前重合液を、
密閉系で、水の存在下に、反応系の水分圧および
重合液の水分率が、それぞれ特定の範囲内で一定
(平衡)となるまで、100〜300℃の重合温度で、
後重合して、目標とする回転粘度を有する高濃度
のポリイミドのフエノール化合物溶液を得るので
ある。 この発明では、反応系の密閉状態とは、必らず
しも、後重合の反応系を完全に密閉した状態のみ
を意味するものではなく、反応系の気相の気体が
自由に流動して系外に放出されることがなく、あ
るいは、反応系の気相に適当な気体が供給され流
通して系外に放出することが継続的に行なわれる
ことがない状態、すなわち、反応系内の気相の水
蒸気が連続的または継続的に系外へ放出されない
ような状態のことである。したがつて、この発明
では、例えば、反応系内の全圧を調節するために
一時的に気体を供給したり放出することは、かま
わないのであり、また、反応系への液体の供給お
よび反応系外への重合液の流出などはかまわない
のである。しかし、その発明では、後重合におい
ては、できるだけ系内外での物質の移動がない密
閉状態が最適である。 前述の後重合において使用される前重合液は、
140℃での回転粘度が50ポアズ以下、特に、20ポ
アズ以下であつて、ポリマー濃度が、2〜30重量
%、特に5〜25重量%であることが好ましい。 また、前述の後重合において、後重合の反応温
度は、100〜300℃の範囲内であればよいが、この
発明では、特に、反応温度が100以上であつて使
用した溶媒の沸点(常圧)以下、さらに120℃以
上であつて使用した溶媒の沸点(常圧)より5℃
より低い温度であることが好適である。 さらに、その後重合では、反応温度を前述の範
囲内の適当な温度に一定に維持していることが適
当である。 前述の後重合において、その反応系の水分率
は、0.01〜20Kg/cm2、好ましくは0.02〜10Kg/
cm2、特に好ましくは0.1〜8Kg/cm2程度の範囲内
とするのであり、さらにその反応系の重合鋭気の
水分率は、0.01〜10%、好ましくは0.1〜8%、
特に好ましくは0.2〜5%程度の範囲内とするの
である。この発明では、反応系の水分圧および重
合液の水分率が増大するに従つて、低い重合度の
ポリイミドを含有する低い回転粘度のポリイミド
溶液が得られる。 前述の後重合において、ポリイミドを3〜30重
量%で含有する前重合液を、密閉系で、水の存在
下、100℃〜溶媒の沸点以下の適当な温度に維持
して後重合すると、反応系の水分圧および重合液
の水分率が時間の経過と共に変化しなくなり一定
(平衡)となると共に、重合液の回転粘度が時間
の経過と共に変化しなくなり一定(平衡)となる
のである。 この発明の方法においては、後重合の初期に必
要に応じて水を添加して、密閉された重合反応系
に存在する水の含有量を、予め測定された「重合
液の水分率または反応系の水分圧と重合度(重合
液の回転粘度)との関係」から決められた目標値
にしておくことによつて、その状態で重合を適当
な時間続けると反応系の水分圧および重合液の水
分率が、最終的に変化せず一定となり、その結
果、その最終的に到達する重合度の回転粘度も比
較的低い値で一定となるので、水の添加量などに
よつて重合液の最終の回転粘度を調節することが
できる。 前述の後重合での水の添加量(又は重合液中の
含有量)は、重合液中のポリイミド1gあたり水
約0.8g以下の割合となるような量であればよく、
特にポリイミド1gあたり水0.001〜0.6gの割合
となるような量であることが好ましい。 この発明において、前重合および後重合は、同
一の反応系内で実質的に連続して反応を行つても
よく、あるいは、前重合と後重合とを別々の反応
系で順次行つてもよい。 また、前重合および後重合は、バツチ方式、ま
たは回分方式、さらに連続的なプロセスで、反応
を行うことができる。 さらに、前重合および後重合は、適当な不活性
ガス雰囲気で行うことが好ましく、特に窒素ガス
雰囲気で行うのが好ましい。 この発明の方法によつて得られるポリイミド溶
液は、140℃で測定した回転粘度が1〜5万ポア
ズ、特に5〜10000ポアズ、さらに10〜5000ポア
ズであつて、ポリイミドを5〜30重量%含有して
いる均一なポリイミド溶液である。 前述のポリイミド溶液は、ポリイミドフイルム
製造用のドープ液として好適に使用できると共に
金属線被覆用のワニスなどとしても使用すること
ができる。 以下、この発明の実施例を示す。 実施例において、水蒸気の分圧(水分率)は、
全圧から溶媒の蒸気圧および最初に充填した窒素
ガスの分圧を引いた値である。また重合液の水分
率は、重合液中の水の量を、カールフイツシヤー
型測定機(京都電子工業K.K.社製Mk−SS)で
測定し、算出した。 重合液の回転粘度は、東京計測K.K.社製ビス
メトロンを使用して、140℃で測定した。 さらに重合液中のポリイミドの対数粘度は、測
定温度50℃、濃度0.5g/100ml溶媒で、溶媒とし
てp−クロルフエノールを使用して測定し、算出
した値である。 またポリイミドのイミド化率は、赤外吸収スペ
クトルのイミド結合の吸収ピーク(1780cm-1)に
よつて算出した。 実施例 1〜6 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物(s−BPDA)14.71g(約0.05モル)
と、4,4′−ジアミノジフエニルエーテル
(DADE)10.01g(約0.05モル)とを、p−クロ
ルフエノール181.30gと共に、解放された反応容
器(ガラス製、冷却器付)に入れて、撹拌しなが
ら1時間で160℃まで昇温して、溶解および重合
とイミド化との前重合させて、ポリイミド(イミ
ド化率90%以上、対数粘度1.02)を含有し、回転
粘度(140℃)が11ポアズである均一で透明な前
重合液を製造した。 そのポリイミドを含有する前重合液を11g(約
8ml)を、ガラスコーテイングオートクレーブ
(内径1.5cm、深さ10cm)に入れ、さらに第1表に
示す量の水を添加するかまたは添加せず、気相を
窒素ガスで置換した後、反応系を密閉して、反応
液を180℃に昇温し、その温度に維持して後重合
を行つた。後重合において、反応液の回転粘度
は、時間と共に増大し、20時間以後では、いずれ
も一定になつた。その20時間後の反応系の水分
圧、および重合液の水分率、さらに20時間後の重
合液の回転粘度(140℃)およびその重合液中の
ポリイミドの対数粘度を第1表に示す。 実施例1で得られた重合液からなるポリイミド
溶液を、100℃に加熱して、ガラス板上に一定の
厚さに流延して、その溶液の薄膜を形成した後、
真空乾燥器を使用して、圧1mmHg、温度約140
℃、乾燥時間約1時間で、p−クロルフエノール
の大部分を蒸発して除去し、ポリイミドフイルム
を形成し、さらにそのポリイミドフイルムを熱風
乾燥器中で300℃まで徐々に加熱して、残留p−
クロルフエノールを実質的に除去してポリイミド
フイルムを製造した。そのポリイミドフイルム
は、厚さが32μであり、引張強度(破断点強度)
が20.5Kg/cm2であつて、伸び率が86%であつた。
またそのポリイミドフイルムは、熱分解温度が
525℃以上という優れた耐熱性を有していた。他
の実施例から得られた重合液からも、実施例1の
重合液から得られたとほぼ同様の物性を有するポ
リイミドフイルムが得られた。 実施例 7〜9 溶媒を3−クロル−6−ヒドロキシトルエンに
かえて、反応温度を170℃にかえ、さらに第1表
に示す量の水を後重合の前に添加したほかは、実
施例1と同様に実施して、ポリイミド溶液を製造
した。その結果を第1表に示す。 実施例7〜9から得られた重合液のポリイミド
溶液を使用して、実施例1と同様にしてポリイミ
ドフイルムを製造した。その実施例7の重合液か
ら製造されたポリイミドフイルムは、引張強度が
19.1Kg/cm2であり、伸び率が94%であつた。
【表】
【表】 実施例 10〜13 溶媒をフエノールにかえ、第2表に示す量の水
を後重合の前に添加したほかは、実施例7と同様
に実施した。その結果を第2表に示す。 実施例 14〜17 重合に使用したs−BPDAの使用量を8.00gに
かえ、DADEの使用量を5.44gにかえ、さらに溶
媒の使用量を121gにかえたほかは、実施例10と
同様に前重合をし、得られた前重合液11gに第2
表に示す量の水を添加して後重合を行つたほか
は、実施例10と同様に実施した。 その結果を第2表に示す。 実施例 18〜19 溶媒フエノールの使用量を76.2gにかえて前重
合し、第2表に示す量の水を後重合の前に添加し
て後重合したほかは、実施例10と同様に実施し
た。その結果を第2表に示す。
【表】 実施例 20〜23 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン酸
二無水物(s−BPDA)5.00gと2,3,3′,
4′−ビフエニルテトラカルボン酸二無水物(a−
BPDA)5.00gとDADE6.81gとを、p−クロル
フエノール123.0gと共に、ガラスコーテイング
オートクレーブ(内径4.5cm、深さ17cm)に入れ、
第3表に示す量の水を添加するか、または添加せ
ず。気相を窒素ガスで置換した後、重合反応系を
密閉して、反応液を180℃に昇温し、その温度に
維持し、前重合と後重合とを連続して行つた。重
合反応液の回転粘度は、時間と共にに増大し、重
合時間が25時間を経過した後には一定になつた。
その25時間後の反応系の水分圧および重合液中の
水分率、さらに重合液の回転粘度(140℃)およ
びその重合液中のポリイミドの対数粘度を第3表
に示す。 実施例20で得られた重合液からなるポリイミド
溶液を140℃に加熱してガラス板上に一定の厚さ
に流延して、その溶液の薄膜を形成した後、真空
乾燥器を使用して、圧力1mmHg、温度約140℃、
乾燥時間約1時間でp−クロルフエノールの大部
分を蒸発して除去し、ポリイミドフイルムを形成
し、さらにそのポリイミドフイルムを熱風乾燥器
中で300℃まで徐々に加熱して残留p−クロルフ
エノールを実質的に除去してポリイミドフイルム
を製造した。そのポリイミドフイルムは厚さが
5μであり、引張強度が14.0Kg/mm2であり、伸び
率が70%であつた。またこのポリイミドフイルム
は、熱分解温度が460℃以上という優れた耐熱性
を有していた。 実施例 24〜25 重合温度および反応時間を第3表に示すように
したほかは、実施例20と同様に実施して、ポリイ
ミド溶液を製造した。その結果を第3表に示す。 実施例 26〜29 溶媒をフエノールにかえて、反応温度を170℃
にかえ、さらに第3表に示す量の水を添加したほ
かは、実施例20と同様に実施して、ポリイミド溶
液を製造した。その結果を第3表に示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 3,3′,4,4′−ビフエニルテトラカルボン
    酸類を主成分とするテトラカルボン酸成分と、
    4,4′−ジアミノジフエニルエーテルを主成分と
    する芳香族ジアミン成分とを、実質的に等モル使
    用し、フエノール化合物の溶媒中で、100〜200℃
    まで昇温しながら、重合液の回転粘度が50ポイズ
    以下となるまで0.1〜5時間前重合し、 次いで、その前重合液を、密閉系で、水の存在
    下に、反応系の水分圧が0.1〜20Kg/cm2の範囲内
    で、ならびに、重合液の水分率が0.01〜10%の範
    囲内でそれぞれ一定(平衡)となるまで、100〜
    300℃の重合温度で後重合することを特徴とする
    ポリイミド溶液の製造方法。
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