JPS6036030Y2 - コンバインにおける穀稈搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンバインにおいて刈り取った殻稈を脱穀
装置に向って搬送する殻稈搬送装置の改良に関するもの
である。

殻稈が長短何れのものであっても、所定の略横倒し姿勢
に姿勢変更して脱穀装置に供給できるようにした脱穀機
が実開昭４７−３７６４５号として知られているが、こ
の装置は、株元送り用チェノと穂先側送り用チェ７の搬
送経路を結ぶ仮想線上に、殻稈案内杆を設けたものであ
り、この殻稈案内杆は送りチェンの送り方向に略平行な
棒状であるため、殻稈の上部がこの殻稈案内杆の入口側
に当接したときに穂先側送り用チェ７に向って急に曲げ
られるので、急激な押し曲げ作用のため、株元送り用チ
ェ７にて挾持された附近で殻稈が折れ曲って、穂先側送
り用チェ７に係合できなくなる恐れがある。

そこでこの考案は、穂先側送り用チェノであるラグ付チ
ェンに向って移送に伴い次第に無理なく押し曲げるよう
にして殻稈の折れ曲りを無くすると共に、長短稈共にラ
グ付チェンによる移送が確実に行われるように工夫した
ものである。

そしてかかる目的のためこの考案は、刈取部１から脱穀
チェノ２の始端近傍部に渉って斜設されて、その終端部
を上記脱穀チェノ２の終端部に対して接近離間移動自在
に構成した殻稈の株元移送装置３と、この株元移送装置
３の上方に斜設されて殻稈の穂先側を搬送するラグ付チ
ェン４とからなるコンバインにおける殻稈搬送装置にお
いて、上記接近離間移動が上記株元移送装置３と共に行
われて搬送中の殻稈を摺接案内できるようにした殻稈案
内体８を設け、この殻稈案内体８は、殻稈が搬送始端部
側から搬送終端部側に搬送されるに伴い、上記摺接案内
の位置が穀稈の株元から穂先側に次第に移行して、これ
により該穂先側をラグ付チェン４に向って姿勢変更でき
るように構成しのである。

“次にこの考案の一実施例を図に基づいて説明
すれば、刈取部１から脱穀チェ７２の始端近傍部に渉っ
て斜設されてその上端部を上記脱穀チェ７２の始端に対
して接近離間自在に構成した殻稈の株元移送装置３と、
株元移送装置３の上方に斜設されて穀稈の稈身部を搬送
するラグ付チェン４とよりなるコンバインにおける刈取
殻稈の搬送装置において、搬送中の殻稈に摺接して案内
できる殻稈案内体８を、株元移送装置３と共に上記接近
離間移動が行われるように設けである例えば挾扼杆６に
取付け、殻稈案内体８は、その上縁部７を下端縁部５よ
りもラグ付チェン４に接近した位置にあるように前傾状
に傾斜させた形状とし、上縁部７と下端縁部５まての幅
を、株元移送装置４の搬送始端部側から搬送終端部側に
向って次第に広く形威し、株元移送装置３と挾扼杆６に
よって株元を挾持された殻稈の穂先部がラグ付チェン４
のラグ４ａによって梳き上げられながら脱穀チェ７２の
始端部に向って搬送される際に、第２図の２点鎖線で示
すように比較的長い殻稈Ｎは穂先部の重みによってラグ
付チェン４の方に自然に倒れるために、上記穀稈案内板
８にこの長い殻稈Ａ１は全く触れることは無いが、第２
図の実線で示したように短い殻稈んの場合には稈身部の
剛性によって直立状態を維持せんとするこの殻稈んに殻
稈案内体８の上縁部７が当接して殻稈Ａｓの上部をラグ
付チェン４側に押曲げ、穂先部がラグ４ａに梳かれるよ
うになったこの殻稈んに当接する上縁部７は搬送始端附
近においてはその株元附近に軽く当接するが、搬送終端
になるに従って次第にその穂先側にその当接位置が移動
するように、殻稈案内体８を構成したものである。

なお、図において符号９は刈刃、１０は分草杆、１１は
引起しチェノ、１２は掻込ドラムである。

従って、刈取刃９で刈り取られた直立状態の殻稈は、掻
込ドラム１０，１０によって株元移送装置３およびラグ
付チェン４の始端部に掻ぎ込まれ、その株元が株元移送
装置３に挾持されて斜上方に持上げられ、同時に稈身部
はラグ付チェン４のラグ４ａにより梳き上げられ、株元
移送装置３及びラグ付チェン４の上方に至ると横倒し状
となって脱穀チェ７２に引き継れる。

そして、上述搬送に当って殻稈Ａｌの長いときには、第
２図において２点鎖線で示すように株元移送装置３を側
方に傾斜させ、糖部が扱胴（図示せず）に適切に当るよ
うにし、次に、短い殻稈Ａｓのときには株元移送装置３
を機体側に接近させる。

このとき、殻稈Ａｓの株元側は株元移送装置３に挾持さ
れていて穂先側は自由状態にあるので、殻稈が上方に搬
送されて傾斜させられるに随いその剛性によって穂先側
が起立する傾向となり、長い殻稈Ａ１のときには穂先部
の重みにより傾斜した状態を維持するが、短い穀稈Ａｓ
のときにはその剛性によって起立し、その先端部が従来
の装置ではラグ付チェンからはずれて散乱し、又、更に
短いものはラグ４ａにとどかず搬送を乱す原因となる。

しかし、この考案においては、起立し勝ちとなる短い殻
稈んの穀身部を第２図の実線で示すようにこの殻稈案内
体８の上縁部７によってラグ付チェン４側に軽く折曲げ
、その穂先部がラグ４ａから外れるのを防止すると共に
、ラグ４ａに穂先部がかかり難い−そう短い殻稈Ａをも
この上縁部７によってラグ４ａに案内することができる
ものである。

しかも、前述のように上縁部７はラグ付チェン４からほ
ぼ一定の間隔となるように形成上でいるので、株元移送
装置３とラグ付チェン４の搬送始端附近においてはこの
上縁部７は殻稈んの株元附近にまず軽く当接し、この殻
稈Ａｓが次第に搬送終端に近ずくに従ってラグ付チェン
４から次第に離間する株元移送装置３と挾扼杆６に挾持
された殻稈Ａ５の株元も、この上縁部７から次第に離れ
ていくため、上縁部７は次第に穂先側にその当接位置が
移動することになって、このようにその当接位置が株元
から遠去るに従って上縁部７の当接を強くして穀稈Ａｓ
の穂先部がラグ４ａに確実にかかるようにこの穀稈んを
押曲げても、株元から遠い当接のために殻稈Ａｓが折れ
てしまう恐れもなく、シたがって、脱穀チェ７２への引
継操作並びに脱穀作業後の排藁切断などの排藁処理操作
も、全く支障なく円滑に行われ得るのである。

この考案に係るコンバインにおける殻稈移送装置は上述
のように構成したものであって、搬送中の殻稈を摺接案
内できるように設けた殻稈案内体８を、殻稈が搬送始端
部側から搬送終端部側に搬送されるに伴い、上記摺接案
内の位置が殻稈の株元から穂先側に次第に移行して、こ
れにより該穂先側をラグ付チェン４に向って姿勢変更で
きるように構成しているので、脱穀チェノ２の始端部に
向って搬送中の殻稈は、殻稈案内体８への当接位置がこ
の穀稈の株元から穂先側に移行して摺接することになり
、これによって殻稈の上部をラグ付チェン４側に次第に
押し曲げることになって、挟持部附近から折れ曲ってし
まうようなことは無く、円滑にその穂先部をラグ付チェ
ン４に案内できることになったのであり、特に短い殻稈
のように穂先側が近づき難いものであっても、殻稈案内
体８によって円滑に無理なく次第に大きく押し曲げられ
て、これによって確実にラグ付チェン４に穂先側を係止
できて搬送が確実に行われることになったのである。

しかも、殻稈案内体８は、株元移送装置３と共に１本に
脱穀チェノ２に対して移動できるので、殻稈の長さに応
じて調節移動されるこの株元移送装置３の上記移動位置
に拘り無く、常に株元移送装置３に対して最も適した一
定の位置に維持できると云う利点も有している。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図はコンバインの
穀稈搬送部の正面図で一部の部材を省略して示し、第２
図はその搬送部の上部における殻稈の搬送状態を解説的
に示す側面図である。 １・・・・・・刈取部、２・・・・・・脱穀チェノ、３
・・・・・・株元移送装置、４・・・・・・ラグ付チェ
ン、５・・・・・・下端縁部、６・・・・・・挾扼杆、
７・・・・・・上縁部、訃・・・・・殻稈案内体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取部１から脱穀チェノ２の始端近傍部に渉って斜設さ
   れて、その終端部を上記脱穀チェノ２の終端部に対して
   接近離間移動自在に構成した殻稈の株元移送装置３と、
   この株元移送装置３の上方に斜設されて殻稈の穂先側を
   搬送するラグ付チェン４とからなるコンバインにおける
   殻稈搬送装置において、上記接近離間移動が上記株元移
   送装置３と共に行われて搬送中の殻稈を摺接案内できる
   ようにした殻稈案内体８を設け、この殻稈案内体８は、
   殻稈が搬送始端部側から搬送終端部側に搬送されるに伴
   い、上記摺接案内の位置が殻稈の株元から穂先側に次第
   に移行して、これにより、該穂先側をラグ付チェン４に
   向って姿勢変更できるように構成したことを特徴とする
   コンバインにおける殻稈搬送装置。