JPS595287Y2

JPS595287Y2 - 刈取機の穂先搬送装置

Info

Publication number: JPS595287Y2
Application number: JP14700479U
Authority: JP
Inventors: 俊彦立花; 好久松本; 繁夫小林
Original assignee: 井関農機株式会社
Priority date: 1979-10-25
Filing date: 1979-10-25
Publication date: 1984-02-17
Also published as: JPS5664249U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は刈取機において刈取殻稈の穂先部を保持して搬
送する穂先搬送装置に関するものである。

コンバインまたはバインダの刈取機は、倒付した圃場の
殻稈を起立させる引起し装置と、起立した殻稈の根元部
を刈取る刈刃と、刈取られた殻稈を脱穀機または結束機
へ搬送する搬送装置とを備えている。

このうちの搬送装置は、小型刈取機の場合を除いて一般
に殻稈の穂先部と根元部とをそれぞれ別々に搬送するご
とく構成されており、このうち穂先部は穂先チェーンの
走行とともに周回するラグとその先端に沿って支架され
た穂先ガイドとに保持されて搬送され、また、根元部は
、根元チェーンとその走行端に沿って支架された挾扼杆
とに挾持されて搬送される。

そして、殻稈は、搬送中にこれを垂直姿勢から水平姿勢
へと姿勢変更させる必要があり、このために穂先搬送装
置の傾斜角度を根元搬送装置の傾斜角度よりも緩やかに
し、また両搬送装置は、搬送終端部へ向うにしたがって
互に離間するごとくＶ字状に配置されている。

そして、搬送始端部において穂先搬送装置の保持部から
長く突出している殻稈の穂先部は搬送終端部へ向うにし
たがって保持部内を穀身方向へ摺動して保持部からの突
出部が短かくなる。

そして、この保持部から突出する殻稈の穂先部を支承し
て案内するために、穂先案内板が穂先チェーンのチェー
ンケースと一体的に形成されて設けられている。

ところが、従来の穂先案内板は、平面状に形成されてい
たために、穂先郡全体がその表面に摺接しながら搬送さ
れるので、脱粒が発生して穀粒のロスが多くなるばかり
でなく、コンバインの場合には、穂先部が搬送抵抗によ
って折れ曲った状態で脱穀部へ供給されるので、脱穀時
に稈切れや扱ぎ残しが多く発生して穀粒のロスを増大さ
せたり選別効率を低下させたりするという不具合があっ
た。

本考案は以上のような点に鑑みなされたもので、殻稈搬
送時にその穂先部を案内する穂先案内板を断面Ｖ字状に
形成することにより、案内板と殻稈との摺接面を小さく
して、脱粒の発生をなくすとともに、これをコンバイン
の刈取機に実施したときにおける脱穀部での稈切れや扱
ぎ残しの発生を防止するごとく構成した刈取機の穂先搬
送装置を提供するものである。

以下、その構成等を図に示す実施例により詳細に説明す
る。

第１図ないし第５図は本考案に係る穂先搬送装置をコン
バインの刈取機に実施した例を示し、第１図はこれを実
施したコンバインの側面図、第２図はおなじく平面図、
第３図はおなじく刈取機の平面図、第４図は第３図のＡ
−Ａ断面図、第５図はおなしくＢ−Ｂ断面図である。

これらの図において、コンバイン１の走行部２上には、
全体を符号３で示す脱穀機と、エンジン４およびその回
転を各部へ伝達する装置を収納したギアボックス５等が
搭載されており、脱穀機３の抜き室６内には、脱穀用の
扱き胴７が軸架されている。

また扱き室６の側方には、扱き胴７の軸方向に走行して
脱穀々稈を搬送するフィードチェーン８が張架されてい
る。

そして、前記ギアボックス５の上端部に設けられた枢支
部には、全体を符号９で示す刈取機の刈取フレーム１０
がその上端部を揺動自在に枢支されているとともに、刈
取フレー・ム１０内を貫通する伝導軸によってギアボッ
クス５内の伝導装置と刈取機の各装置とが駆動連結され
ている。

さらに、刈取フレーム１０の下端部は、Ｔ字状をなして
機台幅方向へ延設されており、この水平部材には、地面
に沿って前方へ延びる複数個の分草杆１１が取付けられ
ている。

そして、この分草杆１１の先端部には、圃場の殻稈を掻
き分ける分草体１２が設けられており、また、その後方
には、倒伏した殻稈を垂直状態に起立させる左右一対の
引起し装置１３が上端部を後方へやや傾倒させて立設さ
れている。

この引起し装置１３はチェーンケース内で走行する引起
しチェーンを備えており、これには、多数のラグ１４が
一定間隔で配設されていて、チェーンの走行とともにこ
のラグ１４で殻稈の穂先部を保持して上方へ搬送するこ
とにより殻稈を起立させるごとく構成されている。

さらに、分草杆１１の後端部には、バリカン状に形成さ
れて殻稈の根元部を刈取る刈刃１５が地面に沿って支架
されている。

また、前記刈取フレーム１０下端部の水平部材には、刈
取フレーム１０内の伝導軸と駆動連結された左右一対の
掻込軸受１６が取付けられており、これに軸支された掻
込駆動軸１７には刈取殻稈を刈刃１５の中央部へ掻き寄
せる左右一対のスターホイル１８が軸着されているとと
もに、多数のラグ１９を備えた左右一対の掻込ベル）
２０かベルトケース２１に覆われて設けられていて、殻
稈を刈刃１５の刈取位置を経てさらに後方へ搬送するご
とく構成されている。

そして、この掻込ベルト２０の搬送終端部上方には、刈
取殻稈の根元部と穂先部とをそれぞれ搬送するところの
根元搬送装置２２と穂先搬送装置２３とが設けられてい
る。

このうちの根元搬送装置２２は、その終端部を、前記ギ
アボックス５の上端部から斜め上方へ突出する支持管２
４の先端部に支持されているとともに、支持管２４内を
貫通する伝導軸によってギアボックス５内の伝導装置と
駆動連結されている。

そして、支持管２４に支持された根元搬送装置２２のチ
ェーンケース２５は、始端部を掻込ベル）２０の終端
部上方に臨ませ、また終端部を前記フィードチェーン８
の始端部に臨ませて設けられており、その内部には根元
チェーン２６が張架されている。

さらに、根元チェーン２６の外側走行部の側方には、穂
先搬送装置２３との間を後述するＵ字パイプ２７で連結
された挟持杆２８が根元チェーン２６の走行部に平行し
て支架されており、これには、断面コ字状に形成されて
穂先チェーン２６とともに殻稈の根元部を挟持するとこ
ろの挾扼杆２９が、挟持杆２８内に設けられた圧縮コイ
ルばねによって根元チェーン２６側へ付勢されて設けら
れている。

また、挟持杆２８の始端部には、殻稈を搬送径路へ掻込
むところのスターホイル３０が軸着されている。

一方、穂先搬送装置２３は、始端部を根元搬送装置２２
の始端部上方に臨ませ、また終端部を前記扱き室６の殻
稈供給口に突設された入口漏斗３１の上方に臨ませて装
架されており、終端部において根元搬送装置２２に連結
支持されかつこれと、駆動連結されている。

そしてこの穂先搬送装置２３のチェーンケース３２は、
第４図に断面図を示すごとく、底板３３と、上板として
の穂先案内板３４と、これらを連結する側板３５とによ
って箱状に形成されており、その上下両端部には、スプ
ロケット（図示せず）が軸着されていて、これには穂先
チェーン３６が張架されている。

そしてこの穂先チェーン３６には、多数のラグ３７が一
定間隔で配設されており、これは穂先チェーン３６の走
行とともに脚部をラグガイド３８に添接させて周回する
ことにより搬送径路側ではチェーンケース３２から突出
し、反対側では側板３５の内面に沿ってチェーンケース
３２内へ収納されるごとく構成されている。

さらに、ラグ３７の突出側には、前記挟持杆２８に支持
された棒状の穂先ガイド３９がラグ２７先端周回軌跡に
沿って支架されており、殻稈４０はラグ３７と穂先ガイ
ド３９とに保持されて搬送される。

そして、前記穂先案内板３４は、側板３５が殻稈４０の
穂先側を根元側よりも高く形成されていることによって
全体が傾斜しているとともに、長手方向においては始端
から終端のやや手前までを断面Ｖ字状に陥没形成されて
おり、そのＶ字角度は始端部側ではほぼ１８０°で終端
部へ向うにしたがって小さくなっている。

したがって、殻稈４０は、搬送時にその穂先部を先端部
と保持部近傍とにおいてのみ支承され、その中間部と穂
先案内板３４との間には空間部４１が形成される。

さらに、穂先案内板３４は、終端部の手前において陥没
部４２から上の傾斜面４３をもって平面部間へと連結さ
れているとともに、平面部４４は、先端へ向うにしたが
って下方の入口漏斗３１へ近接するごとく傾斜状に折曲
形成されている。

またチェーンケース３２は穫先案内板３４の始端を底板
３３の始端よりも掻込ベルト２０側へ突出させることに
より、始端部の形状をほぼ鳥帽子状に形成されている。

そして、挟持杆２８に一端を固定された前記Ｕ字パイプ
２７は、穂先案内板３４の陥没部４２の一側端に形成さ
れた平面部の一部を管状に折曲形成することによって他
端を固定されている。

すなわち、入口漏斗３１へ向う傾斜状の平面部間はＵ字
パイプ２７の取付部を始端として形成されている。

以上のごとく構成されたコンバイン１の刈取機９におい
て、機台の進行とともに分草体１２によって掻き分けら
れた殻稈４０は、引起し装置１３で起立されるとともに
、その根元部を刈刃１５によって刈取られたのち、掻込
ベルト２０とスターホイル１８とで刈刃１５の中央部へ
掻き寄せられる。

そして、殻稈４０の根元部は、さらに別のスターホイル
３０によって掻込まれ、根元搬送装置２２に捕捉されて
搬送されるとともに、殻稈４０の穂先部は引起し装置１
３から開放されたのち、穂先搬送装置２３によって捕捉
される。

そして、殻稈４０の根元部は、根元搬送装置２２によっ
て強く挟持されてフィードチェーン８へ向うが、穂先部
は、穂先搬送装置２３のラグ３７と穂先ガイド３９とで
軽く保持されているだけであるから、両搬送装置２２．
２３が終端部へ向うにしたがって離間していくことによ
って、穂先部は穂先案内板ｙ上を穀倉方向・＼移動し、
かつこれに支承されながら搬送される。

したがって、穂先部は穂先案内板３４によって穀倉方向
と搬送方向へしごかれるが、穂先案内板３４に陥没部４
２が設けられていることによって、摺接部分が陥没部４
２の両側端２個所だけとなるので、抵抗が小さく脱粒が
発生したり、また穂先部の搬送が根元部の搬送よりも遅
れて穂先部が折れ曲ったりすることがない。

このようにして搬送されてＵ字パイプ２７に達すると、
穂先部は、Ｕ字パイプ２７をくぐって平面部４４に摺接
して搬送されるが、この平面部間が入口漏斗３１へ向っ
て傾斜されていることによって、Ｕ字パイプ２７をくぐ
ったのちの穂先部はきわめて容易に入口漏斗３１へ導か
れて脱穀機３へ供給される。

これと同時に根元部はフィードチェーン８へ引継がれて
搬送され、脱穀機によって脱穀が行なわれるが、前述し
たごとく穂先部が根元部よりも遅れることがないので、
穂先部が折れて稈切れが発生したり、また扱き残りが発
生したりすることがない。

なお、本実施例は本考案をコンバインの刈取機に実施し
たが、バインダの刈取機にも同様に実施することができ
る。

以上の説明により明らかなごとく、本考案によれば、刈
取機の穂先搬送装置において、殻稈搬送時にその穂先部
を案内する穂先案内板を断面Ｖ字状に形成することによ
り、殻稈の穂先部は先端部と保持部近傍との２個所にお
いてのみ支承されるので、従来と比べて摺接による抵抗
が著しく小さくなり脱粒の発生がなくて穀粒のロスが減
少するとともに、穂先部の搬送が遅れて折曲することが
ないので、これをコンバインの刈取機に実施した場合に
脱穀部での稈切れや扱ぎ残しが発生せず穀粒のロスが減
少し選別効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本考案に係る刈取機の穂先搬送装
置の一実施例を示し、第１図はこれを実施したコンバイ
ンの側面図、第２図はおなじく平面図、第３図はおなじ
く刈取機の平面図、第４図は第３図のＡ−Ａ断面図、第
５図は第３図のＢ−Ｂ断面図である。９・・・・・・刈取機、２３・・・・・・穂先搬送装置
、３４・・・・・・穂先案内板、４０・・・・・・殻稈
、４２・・・・・・陥没部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

殻稈の保持部から突出する穂先部をその搬送にしたがっ
て案内する穂先案内板を、穫先先端部と前記保持部近傍
とにおいてのみ穂先部を支承するごと１く断面Ｖ字状に
陥没形成したことを特徴とする刈取機の穂先搬送装置。