JPH1192135A - ヘキサフルオロリン酸リチウムの製造方法 - Google Patents

ヘキサフルオロリン酸リチウムの製造方法

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JPH1192135A
JPH1192135A JP10159576A JP15957698A JPH1192135A JP H1192135 A JPH1192135 A JP H1192135A JP 10159576 A JP10159576 A JP 10159576A JP 15957698 A JP15957698 A JP 15957698A JP H1192135 A JPH1192135 A JP H1192135A
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01DCOMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
    • C01D15/00Lithium compounds
    • C01D15/005Lithium hexafluorophosphate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘキサフルオロリン酸リチウムを簡単かつ効
率的に製造する経済的な方法を提供する。 【解決手段】 (A)気体の五フッ化リン、または五フッ
化リンおよび塩酸を含有する気体混合物と、(B)フッ化
リチウムのフッ化水素酸溶液とを十分な数のトランスフ
ァユニットを有する塔(10)中で接触させ、温度、圧力、
およびこれら2つの対照的な反応体のモル比の選ばれた
条件下で、塔中のPF5を完全にまたは実質的に完全に吸
収しながら、PF5とLiFとの反応を行うことを特徴とする
ヘキサフルオロリン酸リチウムの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム電池中で
電解質として使用することのできる化合物であるヘキサ
フルオロリン酸リチウム(LiPF6)の効率的な製造を可能
にする方法に関する。この用途のために、以前は、過塩
素酸リチウムが広く使用されたが、この化合物は危険性
があることが判明した。これに対して、ヘキサフルオロ
リン酸リチウムは、優れた応用特性および環境特性を兼
備し、リチウム電池の製造において本質的な代替物とな
っている。
【0002】
【従来の技術】参考文献の中には、主としてLiPF6の製
造に関連した多数の特許および出版物が見出されるが、
これらは五フッ化リン(PF5)の合成に焦点をあてたもの
にすぎず、この五フッ化リンをフッ化リチウム(LiF)と
反応させるために使用される方法にまで発展させたもの
ではない。具体的に述べれば、特開平4-175216号(Pate
nt JP-41 75 216)は、本質的には、金属、SO4 2-イオ
ン、および重質成分の混入のないPF5の調製方法を提供
する。特開平5-279003号(Patent JP-52 79 003)は、
不純物POF3を含まないPF5の製造を目標としている。特
開平6-56413号(PatentJP-65 6 413)は、PF3Cl2の混入
のないPF5の製造を目標としている。更に、独国特許出
願公開第19614503号は、より純粋なPF5の製造方法を提
供する。
【0003】LiPF6自体を合成する方法をより詳細に記
載した他の特許および出版物では、一般的には、複雑
で、工業的に利用されず、かつ不純物を生成しやすい方
法が提供される。具体的に述べれば、米国特許第3,594,
402号は、アセトニトリルとLiPF6との錯体を中間段階と
して含むLiPF6の調製及び/又は精製方法を提供する。
米国特許第3,607,200号は、LiFは溶解せず、PF5は溶解
し、かつLiPF6は「適度に」溶解する有機溶剤中で、固
体のLiFと気体のPF5との反応を行う方法を提供する。特
開平6-0251109号(Patent JP-60 251 109)は、固体のP
Cl5とリチウム塩のHF溶液とを直接反応させる方法を提
供する。特開平6-472901号(Patent JP-64 72901)は、
固体のLiFに多孔性を付与してから、これを気体のPF5
反応させることのできる方法を提供する。
【0004】これらの方法はすべて、非常に複雑で工業
化は難しい。なぜなら、こうした方法は、多段階処理、
および/または固体/気体反応もしくは固体/液体反応
を含む処理、および/または媒体として有機溶剤を必要
とする処理を利用するからである。
【0005】市場から要求されるLiPF6の製造要件とし
ては、導入される方法ができるかぎり単純であること
(すなわち、単位操作の数をできるかぎり抑えるこ
と)、および固体を直接扱うことに伴って製造ラインを
開放系にする処理を回避しなければならないこと(この
目的は、最終生成物LiPF6に必要とされる純度規格に適
合しない加水分解性の酸素含有不純物を発生させる可能
性のある空気および湿気が製造ライン内に入り込むのを
防ぐことである)が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】LiPF6を簡単に得るこ
とのできる方法を研究する中で、本発明者らは、この合
成のために、気体のPF5と予めHF中に溶解したLiFとを接
触させ、反応を起こさせることを考えた。しかしなが
ら、これらを接触させる操作には、次のようないくつか
の実施上の問題がある。第1に、PF5をHF+LiF溶液中に
単にスパージングするだけでは、閉塞が起こるのを回避
しがたい。この現象については文献中に記載がない。こ
の現象は、LiPF 6の生成反応の速度によっても説明され
るが、HFに対するLiFおよびLiPF6の溶解性が限られてい
ることによっても説明される。第2に、この反応は迅速
に進み、発熱的である。従って、HFの過剰な蒸発(こう
した蒸発が起こると、直ちに、リチウム塩の再結晶化お
よびそれに続く閉塞を起こす恐れがある)を防いだり、
プラントの安全性および生成するLiPF6の安定性に悪影
響を及ぼす過熱を防ぐために、反応混合物の温度上昇を
調節する手段を講じることが望ましい。
【0007】PF5を得るための最も経済的な方法は、当
然なことながら、最も安価な物質(この場合は、PCl3
たはPCl5)を出発原料として利用する方法である。ただ
し、この場合には、生成したPF5にHClが混入する。本発
明者らがHF/PF5/HClの平衡を調べたところ、単純な方法
ではPF5からHClを分離することは不可能であることが分
かった。従って、LiPF6の合成段階において、このHClの
存在に対処できる方法、すなわち、PCl3またはPCl5を利
用した反応から得られた粗製のPF5を出発原料として利
用できる方法を採用することが必要である。
【0008】従って、本発明の目的は、上記の問題点を
克服し、ヘキサフルオロリン酸リチウムを簡単かつ効率
的に製造する経済的な方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、十分な数
のトランスファユニットを含む塔中において、純粋なPF
5ガスまたはHClの混入したPF5ガス(すなわち、PCl3また
はPCl5を利用した反応から得られた粗製のPF5)と、LiF
のHF溶液とを接触させることによって、連続的かつ確実
にLiPF6が得られることを明らかにした。
【0010】本発明の方法では、上述した問題の混合物
中に単純な溶液を導入する。PF5とLiFとの接触に伴う問
題は回避される。なぜなら、本発明の方法に基づいた反
応構成をとれば、特に、この反応により発生した熱の吸
収(HFの一部分が蒸発することにより、この反応により
発生した熱が除去される)、および望ましからぬ塩の再
結晶化に伴う閉塞の防止が可能となるからである。
【0011】また、本発明の方法は単純であり、固体/
気体反応もしくは固体/液体反応または媒体として有機
溶剤を使用する反応を利用した従来の複雑な方法のいず
れとも、非常に大きく異なっている。
【0012】更に、本発明の方法には、HClの混入した
粗製のPF5を使用できるという利点があるが、これは全
く予期されなかったことである。なぜなら、反応系から
放出されたHClの流れの中で、損失なしにPF5を完全に吸
収でき、しかもこうした吸収処理が、閉塞を起こすこと
もなく、温度プロフィールを完全に制御した状態で行え
ることは、自明なことではなかったからである。しか
も、出発原料中に含まれるHClを、PF5の損失なしにこう
して分離できると、後続の処理が容易になり、このHCl
の回収率は増大し、HClの利用価値も高まる。なぜな
ら、本発明によれば、このHClは、実質的に純粋で、PF5
を全く含まないからである。
【0013】最後に、処理段階の数を最小限に抑えるこ
にとより、最終生成物であるLiPF6中に混入する恐れの
ある空気または湿気の影響をなくすことができるため、
高純度の生成物が得られる。
【0014】従って、本発明の主題は、五フッ化リンと
フッ化リチウムとの反応によりヘキサフルオロリン酸リ
チウムを製造する方法であって、(A)気体の五フッ化リ
ン、または五フッ化リンおよび塩酸を含有する気体混合
物と、(B)フッ化リチウムのフッ化水素酸溶液とを、十
分な数のトランスファユニットを有する塔中で接触さ
せ、温度、圧力、およびこれら2つの対照的な反応体の
モル比の選ばれた条件下で、塔中の五フッ化リンを完全
にまたは実質的に完全に吸収しながら、五フッ化リンと
フッ化リチウムとの反応を行うことを特徴とする前記方
法を提供することである。
【0015】当業者には自明であろうが、PF5とLiFとの
反応を行うために必要なトランスファユニットの数は、
温度にかなり依存するが、この温度自体は使用圧力に依
存する。この数はまた、PF5/LiFのモル比にも依存す
る。例えば、温度が20℃未満の場合、トランスファユニ
ットの数は、一般的には2〜20、好ましくは4〜10であ
る。
【0016】五フッ化リン対フッ化リチウムの供給モル
比は、一般には0.6〜1.2、好ましくは1.05〜1.15であ
る。LiPF6中へのLiFの混入を最小限に抑えるために、こ
の反応の理論量に対して僅かに過剰のPF5を利用するこ
とが好ましい。
【0017】供給原料のフッ化水素酸溶液(B)中のフッ
化リチウムの含有量は、一般的には、塔中の任意の位置
におけるフッ化水素酸の濃度が、フッ化リチウムおよび
ヘキサフルオロリン酸リチウムの両方の塩に対する溶解
限界濃度を超えるように、かつ反応により放出されたエ
ネルギーによってフッ化水素酸の一部分が蒸発すること
も考慮に入れて決められる。LiFの含有量は、有利には2
重量%〜6重量%、好ましくは3重量%〜5重量%である。
【0018】この他、本発明による反応は、一般には大
気圧〜3MPa、好ましくは大気圧〜2MPaの圧力下で、かつ
-20℃〜70℃、好ましくは-10℃〜40℃の温度で行われ
る。しかしながら、大気圧未満の圧力下で本発明による
反応を行ったとしても、本発明から逸脱するものではな
い。
【0019】本発明による反応は、断熱条件下で行うこ
とができる。この場合、五フッ化リンとフッ化リチウム
との反応による発熱の結果として上記塔から蒸発したフ
ッ化水素酸の一部分を、再び凝縮させて塔に戻すため
に、凝縮器を塔頂部に配置する。
【0020】本発明による反応は、等温条件下で行うこ
ともできる。この場合、反応により発生した熱を吸収す
るために塔を冷却する。
【0021】第1の実施態様によれば、向流方式により
塔への仕込を行う。この場合、五フッ化リンから成るか
またはこれを含む気体流(A)を塔底部から導入し、フッ
化リチウムのフッ化水素酸溶液(B)を塔頂部から導入
し、ヘキサフルオロリン酸リチウムのフッ化水素酸溶液
を塔底部から送出する。
【0022】第2の実施態様によれば、並流方式により
塔への仕込を行う。この場合、五フッ化リンから成るか
またはこれを含む気体流(A)、およびフッ化リチウムの
フッ化水素酸溶液(B)を、塔底部から導入して栓流反応
器として機能させ、得られたヘキサフルオロリン酸リチ
ウムのフッ化水素酸溶液を塔頂部で分離する。
【0023】第3の実施態様によれば、並流方式により
塔への仕込を行う。この場合、五フッ化リンから成るか
またはこれを含む気体流(A)、およびフッ化リチウムの
フッ化水素酸溶液(B)を、塔頂部から導入し、得られた
ヘキサフルオロリン酸リチウムのフッ化水素酸溶液を、
塔底部の排出ラインに取り付けられた分離容器中で分離
する。
【0024】本発明の非常に有利な点の1つは、三塩化
リンまたは五塩化リンから五フッ化リンを製造する際に
粗生成物として得られる気体混合物を出発原料として利
用できることである。従って、出発原料には、塩酸、塩
素、およびフッ化水素酸が含まれているが、この塩酸
は、排出処理により、完全にまたは実質的に完全に五フ
ッ化リンの混入のない状態で回収される。
【0025】本発明によれば、純粋な状態で所望の生成
物を得るために、生成したヘキサフルオロリン酸リチウ
ムのフッ化水素酸溶液を蒸発させてヘキサフルオロリン
酸リチウムを結晶化させ、次いで、こうして得られた結
晶の懸濁液を処理する。こうして、最終生成物を完全に
精製することができる。
【0026】本発明の方法に使用される塔は、例えば、
空塔、充填塔、または段塔であってもよい。
【0027】この他、本発明の処理は、連続的に行うの
が有利である。
【0028】本発明の方法を実施するにあたり、対応す
る組立図1〜6をそれぞれ参照しながら、6つの可能な反
応構成について更に詳細に説明するが、ただし、これら
に限定されるものではない。
【0029】図1に示されている第1の反応構成には、向
流方式の仕込が行われる塔10が含まれる。PF5を含む気
体(A)(HClが含まれていても含まれていなくてもよい)
は、塔底部から供給され、一方、LiF+HF溶液(B)は、塔
頂部から供給される。生成物LiPF6は、HF溶液(溶液C)と
して塔底部から送出される。
【0030】この断熱型構成では、冷却剤(R)の循環す
る凝縮器11が、塔10の上部に取り付けられている。この
装置は、LiFとPF5との反応による発熱の結果として塔10
から蒸発したHFの一部分を、凝縮させて塔に戻すために
使用される(流れD)。純粋なPF5を使用する場合は、凝縮
器11の上部から少量のHFが排出される(排出物質E)。HCl
の混入した粗製のPF5を使用する場合は、凝縮器11の上
部の排出物質(E)には、HClが含まれる。このHClを排出
する際、少量のHFも一緒に排出されるが、この排出物質
には、一般的には、PF5は実質的に全く含まれない。こ
うして排出されたHClは、次に、当業者に周知の処理装
置へ移送され、そこで脱フッ素化が行われて利用価値が
高められる。
【0031】反応塔10は吸収塔であるが、空塔、充填
塔、または段塔のいずれであってもよい。塔の大きさ
は、良好な条件下でPF5の吸収および反応を行うのに十
分な数のトランスファユニットを配置できるように決め
る。このトランスファユニットの数は、温度および圧力
の条件によって著しく変化する可能性がある。
【0032】塔頂部から導入されるHFの量、言い換えれ
ば、塔頂部から仕込まれるLiFの濃度は、反応により放
出されたエネルギーによってHFの一部分が蒸発すること
も考慮に入れて、塔中の任意の位置におけるHFの濃度
が、LiFおよびLiPF6の両方の塩に対する溶解限界濃度を
超えるようにしなければならない。従って、塔頂部から
仕込む際のHF中のLiFの含有量は、供給されるPF5とLiF
との比にもよるが、6重量%未満、好ましくは3重量%〜5
重量%である。
【0033】一般的には、僅かに過剰のPF5を用いて反
応を行うことにより、すべてのLiFを消費し、LiFを含有
しないHF+LiPF6溶液を生成することが好ましい。この
場合には、塔頂部から送出されるガス流中に痕跡量のPF
5が含まれるであろう。
【0034】温度プロフィールは、本質的には、塔を稼
働させるときの圧力に依存する。しかしながら、70℃未
満になるように温度を制限することが好ましい。ただ
し、この上限温度により本発明が限定されるものではな
い。ここで重要なことは、反応は促進するが、生成した
LiPF6は分解しないことである。
【0035】塔底部で得られたLiPF6のHF溶液は、続い
て、次のような処理にかける。すなわち、蒸発によりHF
を除去してLiPF6を結晶化させ、次いで、得られた結晶
の懸濁液を処理して、最終生成物を完全に精製する。
【0036】図2に示されている第2の反応構成は、上記
の場合を等温型に変更したものに相当する。この場合に
は、任意の手段(例えば、冷却剤(R)が循環するジャケッ
ト、積分型熱交換器など)を用いて塔10を冷却し、反応
により発生した熱を吸収する。塔頂部の凝縮器がもはや
必要でないという点を除けば、第1の反応構成に対して
記載した推奨事項はすべて、この場合にもあてはまる。
【0037】第3の反応構成をとると、直面する問題に
特にうまく対処できる。この場合は、図3に示されてい
るように並流式反応塔10'を使用する。
【0038】2つの反応原料〔すなわち、(A) PF5 (HCl
が含まれていても含まれていなくてもよい)、および(B)
LiFのHF溶液〕は、塔10'の底部から導入される。
【0039】こうした条件下では、塔10'(空塔であって
もよいが、充填塔の方が好ましい)は、栓流反応器とし
て使用され、栓流に沿って反応が進行する。塔10'の塔
頂部において、LiPF6+HFを含む溶液(C)が、反応熱によ
り蒸発したHFの一部分を含むガス相(HClが含まれていて
も含まれていなくてもよい)から分離される。凝縮器11
によりHFが凝縮され、凝縮されたHFは塔10'の底部に再
循環される(流れD)。一方、HClが存在する場合には、HC
lを塔頂部から排出させるが、この際、少量のHFも一緒
に排出される(流れE)。ただし、一般的には、この排出
物質の中には、PF5は実質的に全く含まれない。次に、
このHClを当業者に周知の処理装置へ移送し、そこで脱
フッ素化を行って利用価値を高める。
【0040】上述したように、この並流型構成の利点
は、栓流型の反応器として機能させることができる点で
ある。この型の反応器は、所定の反応転化率に達するま
でに要する滞留時間が短く、しかも選択率が高いという
点で、一般的には、攪拌型の反応器よりも効率がよい。
対象の反応が発熱反応であっても、極僅かな温度上昇で
あれば許容されるという場合(本発明の反応もこの場合
に相当する)、一般的には、管型の栓流反応器は利用で
きない。なぜなら、管型の栓流反応器は、熱の散逸に必
要な熱交換表面積が極めて小さいからである。ここに提
示された構成の優れた点は、HFの一部分を蒸発させるこ
とによって熱を散逸させることができ、しかも栓流の特
性を保持できる点である。塔底部から上に向かって移動
する流れ(蒸発したHFおよび反応に関与しないHClが含ま
れる)と、適切な充填物の存在とが相まって、HFの一部
分の沸騰および気体相の存在に起因して乱流が発生した
としても、栓流の状態が保持できる。
【0041】この構成に使用される充填物は、気体と液
体との接触および半径方向の混合を促進し、軸方向の攪
拌を最小限に抑える充填物から選ばれるのが好ましい。
具体的には、十字型または螺旋型のスタティックミキサ
ーコンポーネント(static mixer component)が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0042】先に述べた構成の場合と同じように、PF5
の所定の吸収および所定の反応を行うのに十分な塔の高
さを確保する必要がある。
【0043】同様に、導入される溶液中のLiF含有量
は、塔10'中の任意の位置においてリチウム塩を溶解す
るのに十分なHFが常に存在するように、かつ反応により
放出されたエネルギーによってHFの一部分が蒸発するこ
とも考慮に入れて決める必要がある。
【0044】一般的には、僅かに過剰のPF5を用いて反
応を行うことにより、塔頂部において、LiFを含有しな
いLiPF6のHF溶液を得ることが好ましい。こうした条件
下では、塔10'の塔頂部から送出されるガス流中に痕跡
量のPF5が含まれるであろう。
【0045】先に述べたように、温度プロフィールは、
本質的には、塔を稼働させるときの圧力に依存する。し
かしながら、70℃未満になるように温度を制限すること
が好ましい。ただし、この上限温度により本発明が限定
されるものではない。こうした制限を加えるのは、反応
は促進するが、生成したLiPF6は分解しないようにする
ためである。
【0046】塔10'の塔頂部で得られたLiPF6のHF溶液
(C)は、続いて、次のような処理にかける。すなわち、
蒸発によりHFを除去してLiPF6を結晶化させ、次いで、
得られた結晶の懸濁液を処理して、最終生成物を完全に
精製する。
【0047】図4に示されている第4の反応構成は、上記
の場合を等温型に変更したものに相当する。この場合に
は、任意の手段を用いて塔10'を冷却し、反応により発
生した熱を吸収する。従って、塔頂部に凝縮器を設置す
る必要はない。この構成の場合、内部熱交換器を用いれ
ば、栓流反応器として機能させる必要はないが、依然と
して本発明の範囲内にある並流型構成をとる必要があ
る。なぜなら、直面する問題のすべてに極めて良好に対
処できるからである。
【0048】図5に示されている第5の反応構成は、並流
塔である塔10''に対応するものであるが、この場合は、
供給原料(A)および(B)は塔頂部から仕込まれる。
【0049】液体流(B)が気体流(A)を伴って下降するよ
うにシステムを構築する場合、この構成は特に効果的で
ある。なぜなら、このようにすれば、半径方向の攪拌を
かなり激しく行う必要がある場合でも、依然として、こ
の反応器は栓流特性を保持できるからである。この構成
は、気体/液体の移送に好都合であり、従って、LiPF 6
の製造のための反応を行うのに適している。塔10''の底
部において、分離容器12により、HCl+HF(+過剰のPF5)
の気体相を、所望の液体相(C)、すなわち、HF中のLiP
F6、から分離することができる。冷却剤(R)を循環させ
た凝縮器11は、この気体相を取り込んで、塔10''の塔頂
部へHFを戻し(流れD)、先に述べたような排出物質(E)を
排出する。
【0050】作動条件に関して、先の反応構成に対して
記載したものと同じ推奨事項が、この場合にもあてはま
る。
【0051】上記の場合を等温型に変更したものも、本
発明に適用可能であり、これは図6に示されている。作
動条件に関して、先に記載したものと同じ推奨事項が、
この場合にもあてはまる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下の実施例および比較例により
本発明を説明するが、これにより本発明の範囲を限定す
るものではない。これらの実施例および比較例におい
て、以下の式を使用する。 LiPF6 = ヘキサフルオロリン酸リチウム LiF = フッ化リチウム PF5 = 五フッ化リン HF = フッ化水素酸 HCl = 塩酸 PCl3 = 三塩化リン PCl5 = 五塩化リン
【0053】(実施例1)図7に示されたアセンブリー
を用い、図1に図式した反応構成に基づいて処理を行っ
た。
【0054】理論段数が約4と見積もられた充填塔10
に、以下の条件に従って1時間の仕込を行った。
【0055】(i) 塔底部において、PCl3、塩素、および
HFからPF5を製造するための反応を行って得られた気体
混合物(A)を仕込んだ。この反応混合物は、常温常圧下
でオートクレーブ13中に保存した。この反応混合物の組
成は、以下の通りであった。 PF5 = 11.1モル% HCl = 55.7モル% 未転化HF = 25.3モル% 未転化Cl2 = 7.9モル% 1時間あたりの全流量は、10.770mol/h(すなわち、484.4
4g/h)であった。この中に、1.2mol/h(すなわち、151.2g
/h)のPF5が含まれていた。
【0056】(ii)塔頂部において、LiFのHF溶液(B)を仕
込んだ。この溶液の組成は、以下の通りであった。 LiF = 1.9重量% HF = 98.1重量% 全流量は、123.570mol/h(すなわち、2482.16g/h)であっ
た。この中に、1.794mol/h(すなわち、46.6g/h)のLiFが
含まれていた。従って、LiF/PF5のモル比は、約1.5であ
った。
【0057】冷却剤(R)を循環させたジャケットを用い
て塔10を0℃に保った。これに加えて、この塔の塔頂部
に、冷却剤(R)を循環させた凝縮器11を配置した。
【0058】結果は、以下の通りであった。
【0059】(1) 実験中、塔10は非常に安定に機能し、
閉塞や固体の蓄積は起こらなかった。
【0060】(2) 塔頂ガス(E)を分析したところ、リン
の含有量は僅か0.012mol/h(すなわち、リンの収率は99
%)であり、実質的にリンは含まれていないことが分か
った。塔頂ガス(E)には、HFの混入したHClだけが含まれ
ていた。
【0061】(3) LiPF6と未反応LiFとを含むHF溶液(C)
が、塔底部で回収された。蒸発によりHFを除去した後、
固体分を回収して分析したところ、以下の重量組成をも
つことが分かった。 HF = 3.2% LiPF6 = 89.3% LiF = 7.5% 次に、この固体に特定の処理を施すことによって、余分
なHFを除去することができた。
【0062】(実施例2)図7のアセンブリーを使用し
た。この実施例においても、以下の条件に従って塔10に
1時間の仕込を行った。
【0063】(i) 塔底部において、実施例1と同じ粗製
のPF5(A)を同じ流量で仕込んだ。実際には、全流量は48
4g/hで、この中に151g/hのPF5が含まれていた。
【0064】(ii)塔頂部において、以下の組成を有する
LiFのHF溶液(B)を仕込んだ。 LiF = 3.9重量% HF = 96.1重量% 全流量は、実施例1の1/2とした。これは、実際には1220
g/hで仕込んだことを意味する。この中には、47.1g/h
(1.811mol/h)のLiFが含まれていた。従って、この場合
も、LiF/PF5のモル比は、約1.5であった。
【0065】この場合も、ジャケットおよび凝縮器11の
両方を用いて塔10を0℃に保った。
【0066】結果は、以下の通りであった。
【0067】(1) 液体供給原料中のLiF濃度を増大させ
たにもかかわらず、塔10において、閉塞や固体の蓄積は
観測されず、実験中、塔10は中断することなく機能し
た。
【0068】(2) 塔頂ガス(E)を分析したところ、この
場合も、リンの含有量は僅か0.012mol/hであることが分
かった。従って、リンの収率は99%であった。
【0069】(3) LiPF6と未転化LiFとを含むHF溶液(C)
が、塔底部で回収された。蒸発によりHFを除去した後、
固体分を回収して分析したところ、以下の重量組成をも
つことが分かった。 HF = 1.6% LiPF6 = 90.9% LiF = 7.4% 次に、この固体に特定の処理を施すことによって、余分
なHFを除去することができた。
【0070】(実施例3)図7のアセンブリーを使用し
た。この実施例においても、以下の条件に従って塔10に
1時間の仕込を行った。
【0071】(i) 塔底部において、先の実施例の場合と
類似した以下の組成を有する粗製のPF5を仕込んだ。 PF5 = 11.7モル% HCl = 58.4モル% 未転化HF = 27.7モル% 未転化Cl2 = 2.2モル% 1時間あたりの全流量は、16.923mol/h(すなわち、730.4
g/h)であった。この中に、1.980mol/h(すなわち、249.4
8g/h)のPF5が含まれていた。
【0072】(ii)塔頂部において、LiFのHF溶液(B)を仕
込んだ。この溶液の組成は、以下の通りであった。 LiF = 2重量% HF = 98重量% 全流量は、116.46mol/h(すなわち、2340g/h)であった。
この中に、1.8mol/h(すなわち、46.8g/h)のLiFが含まれ
ていた。この場合のLiF/PF5のモル比は、約0.909であっ
た。従って、PF5は10%モル過剰であった。
【0073】この場合も、ジャケットおよび凝縮器11の
両方を用いて塔10を0℃に保った。
【0074】結果は、以下の通りであった。
【0075】(1) 実験中、塔10は非常に安定に機能し、
閉塞や固体の蓄積は起こらなかった。
【0076】(2) 気体流の流速を増大し、過剰のPF5
用いて処理したにもかかわらず、塔頂ガス(E)は、0.200
mol/hのリンを含有しただけで、本質的にはHClおよびHF
から成っていた。従って、リンの収率は89%(10%過剰+1
%損失)であった。
【0077】(3) LiPF6を含むHF溶液(C)が、塔底部で回
収された。蒸発によりHFを除去した後、固体分を回収し
て分析したところ、以下の重量組成をもつことが分かっ
た。 HF = 1.8% LiPF6 = 98.2% LiF = 痕跡量 次に、この固体に特定の処理を施すことによって、余分
なHFを除去することができた。
【0078】(実施例4(比較例))図8に示されたア
センブリーを使用した。冷却剤(R)を循環させたジャケ
ットを備えた反応容器14中で、550mmolのLiFおよび19,4
00mmolのHF(すなわち、3.55重量%のLiF)を含む溶液(B')
を約0℃に保った。
【0079】この溶液中へ、PCl3と塩素およびHFとの反
応により得られた粗製のPF5(A)のスパージングを試み
た。この気体混合物は、常圧、20℃で、オートクレーブ
13中に保存した。この気体混合物の組成は、以下の通り
であった。 PF5 = 4.6モル% HCl = 23.2モル% 未転化HF = 70.9モル% 未転化Cl2 = 1.3モル%
【0080】(閉塞が観測されたため)かなり長時間かけ
ることにより、全流量12,956mmolのこのガスをうまく仕
込むことができた。従って、600mmolのPF5が仕込まれた
ことになり、これはPF5/LiF比=1.08に相当するもので
あった。
【0081】結果は、以下の通りであった。
【0082】(1) LiF+HF溶液中に浸漬されたパイプに
は、極めて多くの閉塞が観測された。試験中、約30箇所
で閉塞が見られた。
【0083】(2) 試験終了後、未転化生成物が観測さ
れ、リンの収率は約93%であった。
【0084】(3) 反応容器14中の溶液からHFを蒸発した
後で得られた固体は、以下の重量組成を有していた。 HF = 2% LiPF6 = 98% LiF = 痕跡量
【0085】排出物質(E)には、以下の化合物が含まれ
ていた。 未転化PF5 = 0.7モル% HCl = 46.7モル% 未転化HF = 2.6モル% 未転化Cl2 = 50.0モル%
【0086】この試験から、PF5とLiFとを接触させる場
合は、閉塞を防止するのに十分なHFの含有量を局所的に
も保持するように事前の注意が必要であり、しかも反応
体の良好な転化収率を得るのに十分な数のトランスファ
ユニットが必要であることが判明した。
【0087】
【発明の効果】本発明により、ヘキサフルオロリン酸リ
チウムを簡単かつ効率的に製造する経済的な方法が提供
される。本発明の方法によれば、塩の再結晶が防止され
るため、閉塞の問題を解決でき、また、HFの一部分を蒸
発させることによって、反応により発生した熱を散逸す
ることができ、更に、出発原料PF5中に含まれる可能性
のあるHClをPF5の損失なしに分離できるため、続く回収
処理において、このHClの回収率は増大し、HClの利用価
値をも高めることができる。更に、本発明の方法は、非
常に単純で、段数も非常に少ないため、最終生成物LiPF
6中に混入する恐れのある空気または湿気を遮断するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る向流式反応塔を用いた断熱型反応
構成を示す図である。
【図2】本発明に係る向流式反応塔を用いた等温型反応
構成を示す図である。
【図3】本発明に係る並流式反応塔を用いた断熱型反応
構成を示す図である。
【図4】本発明に係る並流式反応塔を用いた等温型反応
構成を示す図である。
【図5】本発明に係る並流式反応塔を用いた断熱型反応
構成を示す図である。
【図6】本発明に係る並流式反応塔を用いた等温型反応
構成を示す図である。
【図7】本発明に係る向流式反応塔を用いて処理するた
めのアセンブリーを示す図である。
【図8】比較のためのアセンブリーを示す図である。
【符号の説明】
10・・・・向流式反応塔 10' ・・・並流式反応塔 10''・・・並流式反応塔 11・・・・凝縮器 12・・・・分離容器 13・・・・オートクレーブ 14・・・・反応容器 A・・・・・PF5含有ガス B・・・・・LiFのHF溶液 B' ・・・・LiFのHF溶液 C・・・・・LiPF6のHF溶液 D・・・・・HFの戻り分 E・・・・・排出物質 R・・・・・冷却剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スチーヴン スチョン ジー. アメリカ合衆国 19087 ペンシルバニア 州,ストラッフォード,サウンダース ド ライブ 454

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 五フッ化リンとフッ化リチウムとの反応
    によりヘキサフルオロリン酸リチウムを製造する方法で
    あって、 (A)気体の五フッ化リン、または五フッ化リンおよび塩
    酸を含有する気体混合物と、 (B)フッ化リチウムのフッ化水素酸溶液と、を十分な数
    のトランスファユニットを有する塔(10;10';10'')中
    で接触させ、温度、圧力、およびこれら2つの対照的な
    反応体のモル比の選ばれた条件下で、該塔中の五フッ化
    リンを完全にまたは実質的に完全に吸収しながら、五フ
    ッ化リンとフッ化リチウムとの反応を行うことを特徴と
    する前記方法。
  2. 【請求項2】 前記五フッ化リン/フッ化リチウムの供
    給モル比が0.6〜1.2、好ましくは1.05〜1.15であること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記塔(10;10';10'')中の任意の位置
    におけるフッ化水素酸の濃度が、フッ化リチウムおよび
    ヘキサフルオロリン酸リチウムの両方の塩に対する溶解
    限界濃度を超えるように、かつ反応により放出されたエ
    ネルギーによってフッ化水素酸の一部分が蒸発すること
    も考慮に入れて、供給原料である前記フッ化水素酸溶液
    (B)中のフッ化リチウムの含有量を選択することを特徴
    とする請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 供給原料である前記フッ化水素酸溶液
    (B)中のフッ化リチウムの含有量が、2重量%〜6重量%、
    好ましくは3重量%〜5重量%であることを特徴とする請求
    項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記反応を、大気圧〜3MPa、好ましくは
    大気圧〜2MPaの圧力下で行うことを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記反応を、-20℃〜70℃、好ましくは-
    10℃〜40℃の温度で行うことを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 五フッ化リンとフッ化リチウムとの反応
    による発熱の結果として前記塔から蒸発したフッ化水素
    酸の一部分を凝縮させて前記塔に戻す(流れD)ための凝
    縮器(11)が塔頂部に配置された前記塔(10;10';10'')
    において、断熱条件下で前記反応を行うことを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記反応により発生した熱を吸収するよ
    うに冷却された前記塔(10;10';10'')において、等温
    条件下で前記反応を行うことを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 五フッ化リンから成るかまたはこれを含
    む前記気体流(A)を塔底部から導入し;前記フッ化リチ
    ウムのフッ化水素酸溶液(B)を塔頂部から導入し;前記
    ヘキサフルオロリン酸リチウムのフッ化水素酸溶液(流
    れC)を塔底部から送出することにより、前記塔(10)へ向
    流方式の仕込を行うことを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 五フッ化リンから成るかまたはこれを
    含む前記気体流(A)と、前記フッ化リチウムのフッ化水
    素酸溶液(B)とを塔底部から導入して、前記塔(10')を栓
    流反応器として機能させ;生成したヘキサフルオロリン
    酸リチウムのフッ化水素酸溶液(C)を塔頂部で分離する
    ことにより、前記塔(10')へ並流方式の仕込を行うこと
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 五フッ化リンから成るかまたはこれを
    含む前記気体流(A)と、前記フッ化リチウムのフッ化水
    素酸溶液(B)とを塔頂部から導入し;生成したヘキサフ
    ルオロリン酸リチウムのフッ化水素酸溶液(C)を塔底部
    の送出ラインに取り付けられた分離容器(12)中で分離す
    ることにより、前記塔(10'')へ並流方式の仕込を行うこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 三塩化リンまたは五塩化リンから五フ
    ッ化リンを製造する際に粗生成物として得られる気体混
    合物(従って、この気体混合物には、五フッ化リンの他
    に、塩酸、塩素、およびフッ化水素酸が含まれる)を出
    発原料とし;この塩酸を、完全にまたは実質的に完全に
    五フッ化リンの混入のない排出物質(E)として排出する
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 生成した前記ヘキサフルオロリン酸リ
    チウムのフッ化水素酸溶液(C)を蒸発させてヘキサフル
    オロリン酸リチウムを結晶化させ、次いで、こうして得
    られた結晶の懸濁液を処理して最終生成物を完全に精製
    することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記塔(10;10';10'')が、空塔型、
    充填塔型、または段塔型の吸収塔であることを特徴とす
    る請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記方法が連続法であることを特徴と
    する請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
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