JP2676908B2 - キシレンジクロライド類の製造法 - Google Patents

キシレンジクロライド類の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はキシレングリコール類を塩化水素と反応させ
てキシレンジクロライド類を製造する方法に関する。
(従来の技術) キシレンジクロライド類の合成法として種々の方法が
提案されている。例えば、特公昭57−25009号には、
キシレン類を光塩素化してキシレンジクロライド類を得
る方法が、工業化学雑誌71(6)869(1968)には、
ベンジルクロライドとパラホルムアルデヒドを塩化亜鉛
と酸の存在下でクロルメチル化させキシレンジクロライ
ド類を得る方法が、またAnnales de Chimie (6)
86(1885)には、キシレングリコール類と濃塩酸を常圧
還流下で反応させることによりキシレンジクロライド類
が得られることが記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) キシレン類の光塩素化によるの方法では、キシレン
ジクロライド類の生成と同時に、モノ、トリ、テトラ、
ペンタ、ヘキサクロライド等が多く生成するため、目的
とするキシレンジクロライド類への選択性が低く、反応
生成液から高純度品を分離回収するためには費用が嵩む
欠点がある。
またベンジルクロライドとパラホルムアルデヒドを塩
化亜鉛と酸の存在下でクロルメチル化させるの方法で
は、パラ、メタ、オルソ体の混合したキシレンジクロラ
イドが生成し、任意の異性体のみを得ることが困難であ
る。
キシレングリコール類と濃塩酸を還流下で反応させる
の方法について本発明者らが検討した結果、キシレン
ジクロライド類を高収率で製造するためには濃塩酸(35
wt%)を用いる必要があり、またこの塩酸(塩化水素)
はキシレングリコール類に対して5倍モル比(量論比の
2.5倍)以上の大過剰に用いて還流下で長時間反応させ
る必要があった。即ちこの反応は、塩酸濃度を下げると
不可逆な高沸点物への副反応が増大して収率は低下し、
またキシレングリコール類に対する塩化水素量を低減さ
せると反応速度が著しく低下し充分な収率が得られな
い。一方反応によって塩化水素が消費されるのに加えて
水が生成し、塩酸濃度が低下するため回収塩酸の再使用
が困難である。従ってこの方法は35wt%濃塩酸を大量に
消費すると共に、多量に出る低濃度塩酸水溶液を中和処
理して廃棄するための費用が嵩む点で工業的に問題があ
る。
本発明の目的は、経済的にも実施可能なキシレンジク
ロライド類の製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、キシレングリコール類と塩酸を反応さ
せキシンレンジクロライド類を合成する方法について更
に検討した結果、加圧下で沸騰させずに反応させ、反応
温度を上げるようにすれば、反応速度が向上し、キシレ
ングリコール類に対する塩化水素量を5倍モル以下とし
ても、高収率でキシレンジクロライド類が得られるこ
と、また塩化水素源として無水塩化水素を用いれば、最
少量の塩化水素使用量でキシレンジクロライド類が高収
率で得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、キシレングリコール類と塩化水素との
反応によるキシレンジクロライド類の製造に際し、供給
するキシレングリコール類に対する塩化水素量を2〜5
倍モルとし、加圧下で沸騰させずに110℃より高い温度
で反応を行なうことを特徴とするキシレンジクロライド
類の製造法、およびこの反応において塩化水素源として
無水塩化水素を用いる方法である。
次に本発明方法を具体的に説明する。
本発明の原料であるキシレングリコール類は、パラキ
シレングリコール、メタキシレングリコール、およびオ
ルソキシレングリコールであり、単独または混合物の形
態で使用できる。なお本発明の方法では異性化反応が起
こらないので、各原料より対応するキシレンジクロライ
ドが得られる。
塩化水素源としては、塩酸水溶液および無水塩化水素
ガスが使用できる。この塩化水素の使用量は、原料のキ
シレングリコール類に対して2〜5倍モルの範囲であ
る。理論量の2倍モルよりも少ない量ではキシレンジク
ロライド類の収率が低下し、また5倍モル量を超えると
前述の如く未反応塩酸が多くなり中和処理等の費用が嵩
むので経済的でない。なおこの塩化水素源として無水塩
化水素を用いる場合には、原料のキシレングリコール類
に対する塩化水素のモル比を理論量近くまで下げること
ができ、また副生する塩酸水溶液の濃度が高いのでこれ
を有効に循環使用できる利点がある。
反応温度は110℃より高い温度であり、仕込条件によ
り一義的に決められないが、通常110〜150℃の範囲であ
る。110℃より低い温度ではキシレンジクロライド類の
収率は低下し、また150℃より高い温度では特に無水塩
化水素を使用する場合に圧力が高くなるので好ましくな
い。
反応圧力は反応温度において液相を保持するに充分な
圧力が必要であり、通常2〜5kg/cm2G程度の加圧下で行
なわれる。また反応系を液相に保つため適当な不活性ガ
スを導入し加圧することもできる。
本発明では特に溶媒を必要としないが、溶媒存在下に
おいても実施できる。なお本発明の製造法においては、
必要に応じて種々の添加物を使用することもでき、例え
ば塩化亜鉛等の金属塩化物、硫酸、硝酸等の酸を併用し
ても反応を行うことができる。
本発明方法においてはキシレンジクロライド類を分離
回収する方法は、反応後生成液は水層と油層に分離する
ので油層を分別し、次いで油層を蒸留もししくは晶析す
ることにより、高純度のキシレンジクロライド類が容易
に得られる。
なお本発明は反応形式として回分式または連続式によ
って実施できる。
(発明の効果) 本発明方法によれば、キシレングリコール類と塩化水
素からキシレンジクロライド類が次の実施例で示される
如く極めて高い収率で得ることができる。また本発明の
反応においては異性化反応が無く且つ選択率が非常に高
いので、高純度の目的とするキシンレンジクロライド類
を容易に得ることができる。更に本発明の方法では塩化
水素の使用量が少ないので低濃度の塩酸の副生量が少な
く、その中和処理等の費用が少なくて済む。
以上より本発明の方法によって目的とするキシレジク
ロライド類を極めて有利に製造することができるように
なり、その工業的意義が大きい。
(実施例) 以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。但
し本発明はこれらの実施例により制限されるものではな
い。
[実施例1] メタキシレングリコール100g及び35wt%塩酸水溶液18
8.5g(メタキシレングリコールに対する塩化水素のモル
比2.5)を、反応温度130℃、圧力3kg/cm2Gで撹拌しなが
ら2時間反応を行なった。
生成液を分析した結果、メタキシレンジクロライドの
収率は98.2%であった。
[実施例2] 室温でメタキシレングリコール100gを反応器に仕込み
60℃で溶解させ撹拌しながら、無水塩化水素ガス58.1g
(メタキシレングリコールに対する塩化水素のモル比2.
2)を徐々に吹き込み、温度130℃、加圧下2時間反応を
行なった。
生成液を分析した結果、メタキシレンジクロライドの
収率は97.7%であった。
[実施例3] 室温でメタキシレングリコール100g及び35wt%塩酸水
溶液112.5g(パラキシレングリコールに対する塩化水素
のモル比1.5)を撹拌混合した液に、無水塩化水素ガス2
1.1g(パラキシレングリコールに対する塩化水素のモル
比0.8)を導入し、反応温度130℃、加圧下で撹拌しなが
ら2時間反応を行なった。
生成液を分析した結果、メタキシレンジクロライドの
収率は98.1%であった。
[実施例4] オルトキシレングリコール100gおよび35wt%塩酸水溶
液188.5g(オルトキシレングリコールに対する塩化水素
のモル比2.5)を反応温度130℃、圧力3kg/cm2Gで撹拌し
ながら2時間反応を行なった。生成液を分析した結果、
メタキシレンジクロライドの収率は98.5%であった。
[比較例1] 還流冷却器を備えた反応器にメタキシレングリコール
100gおよび35wt%塩酸水溶液188.5g(メタキシレングリ
コールに対する塩化水素のモル比2.5)を加え、常圧
下、反応温度100〜110℃の還流下で撹拌しながら3時間
反応を行なった。
生成液を分析した結果、メタキシレンジクロライドの
収率は74.7%であった。
[比較例2] メタキシレングリコール100g及び20wt%塩酸水溶液66
0g(メタキシレングリコールに対する塩化水素のモル比
5.0)を比較例1と同一の反応器に加え、常圧下、反応
温度105〜110℃の還流下で撹拌しながら3時間反応を行
なった。
生成液を分析した結果、メタキシレンジクロライドの
収率は64.8%であった。
[比較例3] パラキシレングリコール100gおよび35wt%塩酸水溶液
188.5g(パラキシレングリコールに対する塩化水素のモ
ル比2.5)を比較例1と同一の反応器に加え、常圧下、
反応温度100〜110℃の還流下で撹拌しながら3時間反応
を行なった。
生成液を分析した結果、メタキシレンジクロライドの
収率は71.7%であった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キシレングリコール類と塩化水素との反応
    によるキシレンジクロライド類の製造に際し、供給する
    キシレングリコール類に対する塩化水素量を2〜5倍モ
    ルとし、加圧下で沸騰させずに110℃より高い温度で反
    応を行なうことを特徴とするキシレンジクロライド類の
    製造法。
  2. 【請求項2】塩化水素源として無水塩化水素を用いる請
    求項(1)のキシレンジクロライド類の製造法。
JP11222089A 1989-05-02 1989-05-02 キシレンジクロライド類の製造法 Expired - Lifetime JP2676908B2 (ja)

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