JPH11171825A - 塩化ベンゾイルの製造方法 - Google Patents

塩化ベンゾイルの製造方法

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JPH11171825A
JPH11171825A JP9335584A JP33558497A JPH11171825A JP H11171825 A JPH11171825 A JP H11171825A JP 9335584 A JP9335584 A JP 9335584A JP 33558497 A JP33558497 A JP 33558497A JP H11171825 A JPH11171825 A JP H11171825A
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JP
Japan
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benzoyl chloride
distillation
benzotrichloride
reaction
hydrolysis
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JP9335584A
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Takashi Toyama
高志 外山
Takeshi Kato
毅 加藤
Tokuji Tsuneizumi
徳次 常泉
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Nippon Light Metal Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 収率低下の問題や触媒使用量の増加という問
題がなく、しかも、工業的な大量生産に好適な塩化ベン
ゾイルの製造方法を提供する。また、ベンゾトリクロラ
イドを連続的に加水分解して塩化ベンゾイルを連続的に
製造することができ、これによって顕著に生産効率を改
善することができる塩化ベンゾイルの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 鉄系触媒の存在下にベンゾトリクロライ
ドを加水分解する加水分解工程と、この加水分解工程で
得られた反応混合物を蒸留して塩化ベンゾイルを得る蒸
留工程とを含む塩化ベンゾイルの製造方法において、蒸
留工程から回収される蒸留残留物を上記加水分解工程の
反応物として用いる塩化ベンゾイルの製造方法であり、
また、このようなベンゾトリクロライドの加水分解工程
と反応混合物の蒸留工程とを含む塩化ベンゾイルの連続
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ベンゾトリクロ
ライドを加水分解して塩化ベンゾイルを製造する方法に
関する。塩化ベンゾイルは、種々の工業薬品の製造中間
体、特に紫外線吸収剤の製造中間体として有用な工業用
原料である。
【0002】
【従来の技術】塩化ベンゾイルは、ベンゾトリクロライ
ドを水又は安息香酸で加水分解することにより製造され
ているが、この加水分解反応の際に副生成物として無水
安息香酸が生成し、塩化ベンゾイルの収率が低下する原
因になっている。
【0003】また、塩化ベンゾイルを製造する別の方法
として、ピバリン酸とベンゾトリクロライドとをフリー
デルクラフツ触媒の存在下に反応させ、ピバリン酸クロ
ライドと共に、高収率で塩化ベンゾイルを製造する方法
が提案されている(特開昭58−165341号公報)
【0004】しかしながら、このピバリン酸とベンゾト
リクロライドとを反応させる方法においては、反応中に
副生する無水安息香酸とベンゾトリクロライドとの反応
を完全にするため、反応系に生成したヒバリン酸クロラ
イドを一旦この反応系から留去し、その残りの混合物に
新たにフリーデルクラフツ触媒を添加して再度反応を行
わせており、触媒使用量が増大するという問題があるほ
か、反応混合物を蒸留して塩化ベンゾイルを回収する際
に、蒸留釜残中の触媒濃度が高くなるとその流動性が悪
化して固形物が発生し、配管が閉塞するという問題を引
き起こすことから、蒸留釜残中に多量の塩化ベンゾイル
を残したままこの蒸留釜残を廃棄するという無駄が生じ
るか、あるいは、蒸留釜残を溶剤で希釈して塩化ベンゾ
イルを可及的に取り出すという面倒な操作が必要にな
り、しかも、反応系の原料比を厳密に制御する必要があ
り、工業的な大量生産には不向きであるという問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、ベンゾトリクロライドを加水分解して塩化ベンゾイ
ルを製造するに際し、収率低下の問題や触媒使用量の増
加という問題がなく、しかも、工業的な大量生産に好適
な塩化ベンゾイルの製造方法について鋭意検討した結
果、加水分解触媒として鉄系触媒を用いた場合には意外
にも触媒を繰り返し使用することができることを見出
し、本発明を完成した。
【0006】従って、本発明の目的は、収率低下の問題
や触媒使用量の増加という問題がなく、しかも、工業的
な大量生産に好適な塩化ベンゾイルの製造方法を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、ベンゾトリ
クロライドを連続的に加水分解して塩化ベンゾイルを連
続的に製造することができ、これによって顕著に生産効
率を改善することができる塩化ベンゾイルの製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、鉄
系触媒の存在下にベンゾトリクロライドを加水分解する
加水分解工程と、この加水分解工程で得られた反応混合
物を蒸留して塩化ベンゾイルを得る蒸留工程とを含む塩
化ベンゾイルの製造方法において、蒸留工程から回収さ
れる蒸留残留物を上記加水分解工程の反応物として用い
る塩化ベンゾイルの製造方法である。
【0008】また、本発明は、ベンゾトリクロライドと
水とを加水分解反応の反応槽に連続的に供給し、この反
応槽では鉄系触媒の存在下にベンゾトリクロライドを加
水分解し、この反応槽から連続的に抜き出される反応混
合物を蒸留装置に供給し、この蒸留装置の頂部から塩化
ベンゾイルを連続的に取り出すと共に、蒸留装置の底部
からは蒸留残留物を連続的に抜き出し、この抜き出され
た蒸留残留物を上記反応槽に循環させる塩化ベンゾイル
の製造方法である。
【0009】本発明で使用される原料のベンゾトリクロ
ライドは、特に制限されるものではないが、一般的に
は、水銀灯等の光照射下にトルエンに塩素を吹き込んで
トルエンの光塩素化反応を行い、得られた反応混合物を
蒸留により生成して得られる。この原料のベンゾトリク
ロライドについては、加水分解工程で得られた反応混合
物の蒸留残留物を再度加水分解工程に戻して反応物とし
て利用するので、加水分解反応の反応系に不純物が蓄積
するのを可及的に防止するため、できるだけ高純度のも
のを使用するのが望ましく、好ましくは95.0重量%
以上、より好ましくは99.5重量%以上であるのがよ
い。ベンゾトリクロライドの純度が99.5重量%以上
であると、触媒の寿命が延び、系外廃棄量が低減すると
いう利点が生じる。
【0010】また、本発明で使用する加水分解反応の鉄
系触媒としては、例えば、塩化第二鉄、塩化第一鉄、金
属鉄等の種々のものを挙げることができるが、取扱が容
易で経済的であるという観点から、好ましくは塩化第二
鉄である。この鉄系触媒の使用量については、使用する
鉄系触媒の種類に応じて使用可能な範囲や最適な使用量
を決定し採用することができ、例えば、鉄系触媒が塩化
第二鉄の場合、通常、反応系内に0.003〜0.7重
量%、好ましくは0.005〜0.05重量%の範囲で
添加するのがよく、0.003重量%より少ないと反応
が遅くなり、また、0.7重量%より多くなると反応混
合物の液の流動性が低下して配管閉塞という問題が生じ
る虞がある。
【0011】本発明において、このような鉄系触媒の存
在下に加水分解反応させるベンゾトリクロライド(BT
C)と水の割合(仕込みモル比:BTC/H2 O)は、
使用する鉄系触媒の種類や反応形式、例えばバッチ式か
連続式か等の相違によっても異なるが、一般に0.9〜
1.1の範囲で行われ、好ましくは0.95〜1.05
である。この仕込みモル比が0.9より低いと安息香酸
や無水安息香酸が生成して収率が低下するという問題が
生じ、反対に、1.1より高くなるとベンゾトリクロラ
イドが蒸留により分離し難いために製品の塩化ベンゾイ
ル中に混入するという問題が生じる。
【0012】また、加水分解工程での反応条件について
は、使用する鉄系触媒の種類やバッチ式か連続式かの反
応形式、更にはバッチ式であっても何回目の繰り返し反
応かによって適宜変更できるものであるが、反応温度に
ついては通常120〜135℃、好ましくは125〜1
30℃であって、反応時間(反応が連続式である場合に
は滞留時間)については通常5〜7hr、好ましくは1
0hr以上である。
【0013】更に、本発明において、加水分解工程で得
られた反応混合物を蒸留して製品の塩化ベンゾイルを得
る蒸留工程での操業条件は、従来と同様の条件でもよい
が、回収された蒸留残留物を次の加水分解工程に戻すこ
とから、蒸留装置の塔底温度が加水分解工程の反応温度
と略々同じ温度となるように制御するのが好ましく、具
体的には蒸留圧力25〜60mmHgの減圧下に塔底温
度120〜135℃の範囲、より好ましくは蒸留圧力3
0〜50mmHgの減圧下に塔底温度125〜130℃
の範囲で操業するのがよい。これによって、蒸留工程か
ら加水分解工程に戻される蒸留残留物を加熱したり、あ
るいは、冷却したりする必要がなくなり、特に加水分解
工程でのエネルギー効率が向上する。
【0014】また、本発明において、前段階の蒸留工程
で回収された蒸留残留物を後段階の加水分解工程に装入
する際には、ベンゾトリクロライドの加水分解が安定し
て進行するという理由から、好ましくは予め水と混合さ
せてから新たに補給されるベンゾトリクロライドと接触
させて加水分解反応を行うのがよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示すフローチャ
ートに基づいて、本発明の好適な実施の形態を説明す
る。
【0016】図1に本発明の塩化ベンゾイルの製造方法
をバッチ式で行う場合のフローチャートが示されてい
る。このバッチ式の方法においては、先ず、加水分解反
応を行う反応槽内に所定量のベンゾトリクロライド(B
TC)及び水と鉄系触媒とを仕込んで所定時間の加水分
解反応を行い(第1回目の加水分解工程)、次いで得ら
れた反応混合物を蒸留装置に移送して蒸留し、塩化ベン
ゾイル(BC)を得ると共に蒸留残留物を回収する(第
1回目の蒸留工程)。この第1回目の加水分解工程で
は、ベンゾトリクロライドと水との反応開始の遅延を防
止するため、必要により、溶媒として塩化ベンゾイルを
用いる。
【0017】次に、第1回目の蒸留工程で回収された蒸
留残留物を所定の補給量の水と合流させて反応槽内に戻
し、この反応槽には所定の補給量のベンゾトリクロライ
ドを追加し、所定時間の加水分解反応を行い(第2回目
の加水分解工程)、次いで得られた反応混合物を蒸留装
置に移送して蒸留し、塩化ベンゾイルを得ると共に蒸留
残留物を回収する(第2回目の蒸留工程)。以後、上記
第2回目の操作と同様にして、始めに仕込んだ鉄系触媒
の活性が失われるまで第3回目以降の加水分解工程と蒸
留工程とを繰り返す。
【0018】このバッチ式で行う方法において、加水分
解工程と蒸留工程の繰り返しは、使用する鉄系触媒の種
類等によっても異なるが、例えば鉄系触媒として塩化第
二鉄を用いた場合には通常8回程度まで可能であり、好
ましくは加水分解反応により得られた反応混合物の着色
(黒色)の程度を目安にして判断する。黒色の程度が濃
くなるにつれて触媒活性が低下し、反応混合物中に未反
応のベンゾトリクロライドが残留するようになる。
【0019】次に、図2には、本発明の塩化ベンゾイル
の製造方法を連続式で行う場合のフローチャートが示さ
れている。この連続式の方法においては、先ず、加水分
解反応の反応槽内に所定量のベンゾトリクロライド(B
TC)及び水と鉄系触媒とを仕込んで所定時間の加水分
解反応を行い、次いで所定の供給速度でベンゾトリクロ
ライドと水とを連続的に供給しながらこの反応槽から所
定の速度で反応混合物を連続的に抜き出し、この抜き出
された反応混合物を蒸留装置底部の蒸発缶に供給し、こ
の蒸留装置の分離塔で塩化ベンゾイル(BC)を分離
し、蒸留装置頂部の凝縮器から凝縮した塩化ベンゾイル
(BC)の一部を連続的に取り出すと共に残部を分離塔
に戻し、また、蒸留装置底部の蒸発缶からは蒸留残留物
の一部を連続的に抜き出すと共に残部を蒸発缶に戻し、
蒸発缶から抜き出された蒸留残留物については上記反応
槽に供給される水と合流させてこの反応槽内に循環させ
る。
【0020】ここで、加水分解反応を行う反応槽には、
所定の間隔で、通常は15〜20日に1回程度、好まし
くは25〜35日に1回程度の間隔で、所定量の鉄系触
媒を添加する。また、不可避的に徐々に蓄積される不純
物等については、数カ月に1回程度、好ましくは2〜4
ヵ月に1回程度の頻度で操業を停止し、蒸発缶内の蒸留
残留物を払い出して廃棄する。なお、連続操業におい
て、蓄積する不純物等の抜き取りは、運転中に少量づつ
廃棄することも可能である。しかしながら、運転中は、
一時停止して廃棄するときのように、触媒濃度を濃縮す
ると、固形物が生成し、操業に支障が生じるために避け
なければならない。このため、触媒濃度を濃縮すること
なく低いまま連続的に廃棄することが必要になるが、こ
の場合には総廃棄量が増して有価物の廃棄量も増え、経
済的に好ましくない。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明
の方法を具体的に説明する。
【0022】実施例1 500mlの4つ口フラスコに溶媒として純度99.9
重量%の塩化ベンゾイル281.04gを仕込み、これ
に塩化第二鉄0.56gを添加して溶解させた。 この
溶液に水18g(目標値)を添加し、80℃で0.5時
間加熱し、次いで純度99.6重量%のベンゾトリクロ
ライド195.5g(目標値)を添加し、引き続き80
℃で0.5時間加熱して加水分解反応させた。
【0023】反応終了後、フラスコ内の反応混合物から
蒸留により塩化ベンゾイル140g(目標値)を留出さ
せ、次いでこのフラスコ内に水18g(目標値)を添加
して80℃で0.5時間加熱し、更に純度99.6重量
%のベンゾトリクロライド195.5g(目標値)を添
加し、引き続き80℃で0.5時間加熱して加水分解反
応させた。
【0024】このような加水分解工程と蒸留工程とから
なる操作を10回繰り返し行った。各操作において、加
水分解により得られた反応混合物の着色の状態を観察し
た結果、第1回目から第8回目までの操作では液の色が
微黄色から徐々に茶色に変化し、第9回目以降の操作で
急に濃い黒色に変化した。また、各操作におけるベンゾ
トリクロライド(BTC)及び水の添加量、反応混合物
の組成、塩化ベンゾイル(BC)の留出量、及び留出し
た塩化ベンゾイルの純度を調べた。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】この表1に示す結果から明らかなように、
8回目の操作の加水分解工程と蒸留工程とを繰り返すま
では加水分解反応後の反応混合物中からベンゾトリクロ
ライドが検出されず、9回目の操作では塩化ベンゾイル
濃度が96.79モル%であってベンゾトリクロライド
が0.22モル%検出され、また、10回目の操作では
塩化ベンゾイル濃度が77.73モル%に低下してベン
ゾトリクロライドが0.28モル%検出された。また、
留出した塩化ベンゾイルの純度は8回目の操作までは不
純物が検出されず(純度99.99モル%以上)、9回
目の操作で水分0.95モル%に相当する安息香酸及び
無水安息香酸が検出された。上記8回目の操作までに得
られた塩化ベンゾイルは合計で1128.93g(純度
99.99モル%)に達した。
【0027】実施例2 反応槽内に純度99.6重量%のベンゾトリクロライド
3670kg(18.8kモル)と塩化第二鉄3.0k
gとを仕込み、攪拌下に水338kg(18.8kモ
ル)を20kg/hrの速度で添加しながら反応温度を
125〜130℃に保持して18時間反応させ、連続運
転のためのホールド液を調製した。この反応終了後、得
られた反応混合物中の有機成分組成をガスクロマトグラ
フィーで分析した結果、組成は塩化ベンゾイル94.9
重量%、安息香酸1.6重量%、及び無水安息香酸3.
5重量%であり、ベンゾトリクロライドは検出されなか
った。
【0028】次に、反応槽内に上記と同じベンゾトリク
ロライドと水とをそれぞれベンゾトリクロライド217
kg/hr及び水20kg/hrの速度で連続的に供給
し、反応槽を攪拌下に125〜130℃に保持して連続
的に加水分解反応を行うと共に、この反応槽からは反応
混合物を356kg/hrの速度で抜き出し、この反応
混合物を蒸留装置底部の蒸発缶に連続的に移送した。
【0029】上記蒸留装置を50mmHgの減圧下に運
転し、その分離塔を介して蒸留装置頂部の凝縮器から沸
点110℃/50mmHgの塩化ベンゾイルを156k
g/hrの速度で留出させ、また、蒸発缶からは蒸留残
留物を200kg/hrの速度で抜き取り、この蒸留残
留物を20kg/hrの速度で供給される上記水と合流
させて反応槽内に循環させ、この反応槽内には約300
時間毎に0.5kgの塩化第二鉄を4回途中投入し、1
080時間(45日間)に亘って加水分解工程と蒸留工
程の連続運転を行った。
【0030】この連続運転において、蒸留装置の蒸留缶
から反応槽に循環された蒸留残留物は塩化ベンゾイルを
約80重量%の割合で含んでおり、また、触媒使用量は
ホールド液調製時の3.0kgと連続運転途中の2.0
kgとの合計5.0kgであり、更に、運転終了時に蒸
留缶に残留した蒸留残留物は1.4トンであった。この
実施例2の連続運転で、純度99.99重量%の塩化ベ
ンゾイルが163.3トン製造され、原料のベンゾトリ
クロライドに対する収率は99.9%以上であった。ま
た、触媒1kg当たりの塩化ベンゾイルの製造量は32
660kgであった。
【0031】比較例 反応槽内に純度99.6重量%のベンゾトリクロライド
3584kgと水328kgと塩化第二鉄2.0kgと
を仕込み、攪拌下に反応温度125〜130℃で18時
間(除害負荷を下げるため、原料はベンゾトリクロライ
ド220kg及び水20kgづつ投入し、約2時間の熟
成期間をもうけた)反応させ、粗塩化ベンゾイル260
0kgを得た。
【0032】得られた粗塩化ベンゾイル2600kgを
30mmHgの減圧下に125kg/hrの速度で20
時間留出させて蒸留精製し、純度99.99重量%の精
製塩化ベンゾイル2400kgを得た。ベンゾトリクロ
ライドに対する収率は93.1%であって、蒸留残留物
は約200kgに達し、また、触媒1kg当たりの塩化
ベンゾイルの製造量は1200kgでしかなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明の方法は、ベンゾトリクロライド
を加水分解して塩化ベンゾイルを製造するに際し、少な
い触媒使用量で収率良く塩化ベンゾイルを製造すること
ができる工業的大量生産に適した製造方法であり、しか
も、容易に連続的に製造することができて工業的に極め
て有意義なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の塩化ベンゾイルの製造方法
をバッチ式で実施する場合を示すフローチャートであ
る。
【図2】 図2は、本発明の塩化ベンゾイルの製造方法
を連続式で実施する場合を示すフローチャートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系触媒の存在下にベンゾトリクロライ
    ドを加水分解する加水分解工程と、この加水分解工程で
    得られた反応混合物を蒸留して塩化ベンゾイルを得る蒸
    留工程とを含む塩化ベンゾイルの製造方法において、蒸
    留工程から回収される蒸留残留物を上記加水分解工程の
    反応物として用いることを特徴とする塩化ベンゾイルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 ベンゾトリクロライドと水とを加水分解
    反応の反応槽に連続的に供給し、この反応槽では鉄系触
    媒の存在下にベンゾトリクロライドを加水分解し、この
    反応槽から連続的に抜き出される反応混合物を蒸留装置
    に供給し、この蒸留装置の頂部から塩化ベンゾイルを連
    続的に取り出すと共に、蒸留装置の底部からは蒸留残留
    物を連続的に抜き出し、この抜き出された蒸留残留物を
    上記反応槽に循環させることを特徴とする塩化ベンゾイ
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 加水分解反応の反応系における鉄系触媒
    の触媒濃度が0.003〜0.7重量%である請求項1
    又は2に記載の塩化ベンゾイルの製造方法。
  4. 【請求項4】 蒸留残留物は、水と混合させた後に加水
    分解反応の反応系に供給する請求項1又は2に記載の塩
    化ベンゾイルの製造方法。
  5. 【請求項5】 ベンゾトリクロライドは、その純度が9
    5重量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の塩
    化ベンゾイルの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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