JPH0664908A - アジ化ナトリウムの連続的製造方法 - Google Patents

アジ化ナトリウムの連続的製造方法

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JPH0664908A
JPH0664908A JP22134192A JP22134192A JPH0664908A JP H0664908 A JPH0664908 A JP H0664908A JP 22134192 A JP22134192 A JP 22134192A JP 22134192 A JP22134192 A JP 22134192A JP H0664908 A JPH0664908 A JP H0664908A
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hydrazine
nitrite
sodium hydroxide
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JP22134192A
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Mitsusachi Mizoguchi
光幸 溝口
Yukihiro Yoda
幸廣 與田
Tokuyuki Iwanaga
徳幸 岩永
Shinji Miyata
慎治 宮田
Tetsuo Sumi
哲雄 角
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ガス状亜硝酸メチルまたはガス状亜硝酸
エチルを含む原料ガス、ヒドラジン及び水酸化ナトリウ
ムを、水酸化ナトリウム/ヒドラジン>1、1≦(亜硝
酸メチルまたは亜硝酸エチル)/ヒドラジン≦1.3の
モル速度比により、アジ化ナトリウム結晶濃度3〜30
wt%、反応母液の水酸化ナトリウム溶解濃度3〜20
wt%の反応スラリーを有する攪拌槽形式の反応器に、
連続的に供給し、常圧〜10Kg/cm、0〜70℃
の条件下、気−液接触反応させる。 【効果】 本発明は、再結晶等の精製操作をするこ
となく、経済的に、高純度のアジ化ナトリウムを高選択
率で連続製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アジ化ナトリウムの連
続的製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アジ化ナトリウムは、従来から農・医薬
の中間体製造原料として製造されてきた。また最近で
は、自動車エアバッグ用インフレーター薬剤として需要
が伸びている。
【0003】アジ化ナトリウムの製造方法としては、
(1)ナトリウムアミド法及び(2)ヒドラジン法等が
知られている。更に前者(1)は、以下の3法に分類で
きる。 (イ)ナトリウムアミド粉末を150〜250℃の温度
で亜酸化窒素と反応させる高温法。 2NaNH2+N2O→NaN3+NaOH+NH3 (ロ)パラフィン中に懸濁させたナトリウムアミドと亜
酸化窒素とを、150〜180℃で反応させ、得られる
反応混合物から再結晶精製によりアジ化ナトリウムを得
る中温法(特開昭50−144700)。 (ハ)ナトリウムアミドの液体アンモニア懸濁液に亜酸
化窒素ガスを10〜30℃の温度で作用せしめる低温法
(特公昭33−3625)。
【0004】(イ)の高温法は、製造中に於ける爆発の
危険性が高く工業化はなされていない。また、(ハ)の
低温法は高圧下で多量の液体アンモニアを取り扱う必要
があり、その取り扱い及び安全性の面で問題が多い。さ
らに、(ロ)の中温法にしても十分な品質の製品を得る
為には、再結晶等の精製操作が必要であり製造工程が複
雑となる難点を有する。
【0005】(2)のヒドラジン法には、水加ヒドラジ
ン及び水酸化ナトリウムのアルコール溶液に亜硝酸エチ
ル等の液状亜硝酸アルキルを加えアジ化ナトリウムを析
出させる方法(米国特許1,628,380)がある。 N24・H2O+NaOH+C25ONO → NaN3+C25OH+3H2O あるいは、無水ジエチルエーテルに溶かした水加ヒドラ
ジンにナトリウムメトキシドと、液状亜硝酸エチルとを
反応させる方法も知られている。 N24・H2O+CH3ONa+C25ONO → NaN3+CH3OH+C25OH+2H2
【0006】これらヒドラジン法は、ナトリウムアミド
法に比べれば工程が簡単で爆発等の危険性は少ないが、
経済性、及び生成するアジ化ナトリウム結晶の純度に問
題が残っている。即ち、従来の液状亜硝酸アルキルを使
用する方法では、亜硝酸ナトリウムを主とする副生物の
生成率が高く、該副生物のコンタミにより生成結晶の純
度が低下するために、高純度の製品を得るためには再結
晶等の精製操作が必要であった。また、既存のヒドラジ
ン法に関する報文は全て回分式製造法に限られている
が、経済的には連続的製造法が圧倒的に有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みヒドラジン法を改良し、経済的に、高純度のアジ
化ナトリウムを精製操作なしに製造する方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、亜硝酸アルキル自体の
純度、収率が低分子量の亜硝酸アルキル程高いこと、さ
らに、炭素数1または2の常温でガス状の亜硝酸アルキ
ルを使用し、これをヒドラジンおよび水酸化ナトリウム
を含む溶液と所定の条件下で連続的に気−液接触反応さ
せることで、亜硝酸ナトリウム等の副生が抑制され、再
結晶等の精製操作なしに高純度のアジ化ナトリウムが連
続的に製造できることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0009】即ち、本発明は、ガス状亜硝酸メチルまた
はガス状亜硝酸エチルを含む原料ガス、ヒドラジン及び
水酸化ナトリウムを、水酸化ナトリウム/ヒドラジン>
1、1≦(亜硝酸メチルまたは亜硝酸エチル)/ヒドラ
ジン≦1.3のモル速度比により、アジ化ナトリウム結
晶濃度3〜30wt%、反応母液の水酸化ナトリウム溶
解濃度3〜20wt%の反応スラリーを有する攪拌槽形
式の反応器に、連続的に供給し、常圧〜10Kg/cm
、0〜70℃の条件下、気−液接触反応させることを
特徴とするアジ化ナトリウムの連続的製造方法である。
【0010】本発明を更に詳細に説明する。尚、以下特
記しない限り%は重量%を示す。本発明の原料ガスは、
亜硝酸メチル(CH3ONO、沸点=−17℃)または
亜硝酸エチル(C25ONO、沸点=17℃)であり、
共に常温で気体である。これらは常温で液体の亜硝酸ア
ルキル(亜硝酸プロピル,亜硝酸ブチル等)より製造が
容易であり、高純度品が高収率で得られる。その製造法
としては、亜硝酸ナトリウムおよび硫酸と、メタノー
ルまたはエタノールとの液相反応、二酸化窒素をメタ
ノールまたはエタノール中へ通気する方法、三酸化二
窒素等の亜硝酸付与剤とメタノールまたはエタノールと
の反応等が従来から知られているが、いずれの方法によ
る亜硝酸メチルまたは亜硝酸エチルも使用可能である。
【0011】亜硝酸メチルまたは亜硝酸エチルは純粋な
ものでも、あるいは窒素(N2)等の不活性希釈ガスを
含んだものでも使用可能である。しかし、不活性希釈ガ
スを多量に含む混合ガスを使用する場合、反応が穏和と
なり反応制御が容易となる反面、ガス吸収効率、反応率
が低下するため、大容量の反応器が必要となり経済的に
不利となる。このため希釈ガスの濃度は、特に制限は無
いが95vol%以下が好ましい。
【0012】また、反応器内の圧力はガス吸収効率、反
応率を左右し、反応器を小型化するためには加圧系とす
ることが有利である。但し、10Kg/cm2以上の加
圧は運転上の危険性が高く好ましくない。
【0013】本発明の反応器内の反応スラリーは、アジ
化ナトリウムを主とする結晶と、ヒドラジン及び水酸化
ナトリウムが均一溶解した反応母液より構成される。本
発明で使用するヒドラジン、水酸化ナトリウムは、特に
制限はなく、通常市販の水加ヒドラジン、水酸化ナトリ
ウムがそのまま使用できる。
【0014】反応母液を均一溶液とするために使用され
る反応溶媒としては、ヒドラジン及び水酸化ナトリウム
を溶解し、反応生成物であるアジ化ナトリウムの溶解度
が小さいアルコール類が好適である。例えば、炭素数1
〜8の飽和の1価脂肪族アルコールまたは脂環族アルコ
ールが使用できる。また、これらのアルコールは、例え
ばアルコキシ基などのような反応を阻害しない置換基を
含んでいてもかまわない。アルコールは必ずしも単一成
分である必要はなく、混合物も同様に使用できる。ま
た、含水アルコールでも特に問題ではない。また、母液
処理(副生物回収)、製品の乾燥等の操作を考えれば、
沸点の比較的低いメタノールあるいはエタノールの使用
が望ましい。また、亜硝酸アルキルとして亜硝酸メチル
を使う場合にはメタノール、亜硝酸エチルの場合ではエ
タノールをそれぞれ選択すれば生成系の組成が簡素とな
りプロセス的に有利となる。
【0015】さらに、反応溶媒、水酸化ナトリウム及び
ヒドラジンの供給方法は、各々の単独供給、反応溶
媒との均一溶液の供給、反応溶媒との混合液の供給等
が考えられるが、いずれの方法でも可能である。
【0016】本発明の反応器は、通常の攪拌槽形式のも
のが使用できる。充填塔、濡れ壁塔は、気−液接触効率
は高いがスケーリングの問題がある。また、スプレー塔
では微細な結晶しか得られず、固液分離が困難となるた
め純度の低下を生じる。さらに、気泡塔では大容量の反
応器が必要となり経済的に不利となる。
【0017】また、撹拌槽の場合にも容量が大きく、撹
拌効率が低い場合には、反応スラリー中のアジ化ナトリ
ウム結晶の濃度勾配が激しくなり、結晶粒度のばらつき
の原因となるので、反応スラリーの上下方向の循環が有
効な手段となる。更には、循環液を熱交換器等により冷
却した後反応器に返せば、反応熱の除去手段ともなる。
【0018】反応器内では、亜硝酸アルキルを含む原料
ガスと、反応スラリーとを連続的に接触させる。ここ
で、反応スラリー中のアジ化ナトリウム結晶濃度は3〜
30wt%とする必要がある。3wt%未満の場合、種
晶としての効果が見られず微細な結晶しか得られない。
一方、結晶濃度が30wt%を越える場合、種晶として
のさらなる効果が見られず、逆に均一攪拌のための攪拌
動力が過大となり、経済的に不利となる。アジ化ナトリ
ウム結晶濃度は、得られる製品の粒度に大きな影響を及
ぼす。得られた生成結晶の粒径については、粒径が大き
なもの程、濾過性が良好となるため製品純度向上の点か
ら有利であり、この利点は、生成結晶の平均粒径が50
μmを越える場合に顕著となる。
【0019】尚、アジ化ナトリウム結晶濃度の設定は、
系外よりアジ化ナトリウム結晶を反応器に供給する方
法、固液分離操作により得られたアジ化ナトリウム結
晶を主成分とする固形物を、反応器に循環する方法、
濃縮操作によりアジ化ナトリウム結晶濃度を高めた排出
反応スラリーを反応器に循環する方法、等が考えられる
が、いずれの方法でも可能である。
【0020】また、反応母液の水酸化ナトリウム溶解濃
度は3〜20wt%である必要がある。水酸化ナトリウ
ム溶解濃度は、反応母液に対するアジ化ナトリウムの溶
解濃度、ひいてはアジ化ナトリウムの回収収率に影響を
及ぼす。その傾向は、水酸化ナトリウム溶解濃度が大き
い程、アジ化ナトリウム溶解度が小、アジ化ナトリウム
回収収率が大である。さらに、水酸化ナトリウム濃度が
3wt%未満の場合、ヒドラジンと亜硝酸アルキルとの
反応で揮発性液体であるアジ化水素酸(HN3,沸点=
37℃)が生成する危険性を生じる。これは、有害で爆
発性を有する非常に危険な化合物であり注意を要する。
一方、水酸化ナトリウム濃度が20wt%を越える場
合、アジ化ナトリウムを分離取得後の反応母液からの水
酸化ナトリウムの回収負荷が大きくなりプロセス的に不
利となる。
【0021】尚、反応器中の反応母液の水酸化ナトリウ
ム溶解濃度の設定は、ヒドラジンと水酸化ナトリウムと
の供給モル速度比を変更することで可能であるが、上記
アジ化水素酸の生成の危険性を避けるために、供給モル
速度比は水酸化ナトリウム/ヒドラジン>1の範囲で選
択する必要がある。
【0022】ガス状亜硝酸アルキルとヒドラジンとの供
給モル速度比は、1≦(亜硝酸メチルまたは亜硝酸エチ
ル)/ヒドラジン≦1.3とする必要がある。供給モル
速度比1未満、即ち原料ガス中の亜硝酸アルキルを全量
反応させる化学量論量よりもヒドラジンが過剰の場合、
未反応ヒドラジンが残存するため不経済となり、一方、
モル速度比が1.3を越える場合、亜硝酸ナトリウム等
の副生が著しくなり製品純度にも悪影響を及ぼす。
【0023】反応温度は、0〜70℃の範囲,好ましく
は10〜50℃で行う必要がある。0℃以下の温度で
は、冷却の為の費用が大きく不経済である。また、70
℃以上では、副反応(分解等)が顕著となり製品純度に
悪影響を及ぼすと同時に亜硝酸アルキルガスの吸収効
率、反応率の低下を生じる。
【0024】生成したアジ化ナトリウム結晶の回収は、
反応スラリーを反応器から連続的或いは断続的に抜き出
し、固液分離(遠心分離、フィルタープレス等)、乾燥
等の一連の一般的な操作で行うことができる。
【0025】次に本発明を100%亜硝酸メチルガスを
用いた製造を例に図面に基づいて説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。攪拌槽13の下部より
導管11を経て亜硝酸メチルガスを連続的に導入する。
一方、ヒドラジン及び水酸化ナトリウムを含む原料液を
導管12より攪拌槽に連続的に供給する。反応スラリー
はオーバーフロー出口14により自然排出により行い、
セットラー15に送られる。セットラー15で固形物が
濃縮され、ポンプ16により抜き出されたアジ化ナトリ
ウムを主とする固形分の一部は、攪拌槽内の反応スラリ
ーのアジ化ナトリウム結晶濃度を所定濃度に保持するた
めに、導管17を経て攪拌槽に循環され、残りは製品回
収工程へ送られる。
【0026】一方、セットラー15で固形分が除去さ
れ、ポンプ18により抜き出された反応母液の一部は、
反応熱を除去し槽内を所定の温度に保つ目的で熱交換器
19を通した後、導管20を経て攪拌槽に循環され、残
りは廃液処理工程(反応溶媒、水酸化ナトリウムの回
収、生成水の除去)に送られる。攪拌槽上部からの排ガ
スは同伴アルコールの回収のためのコンデンサー21を
通した後に系外へ排出される。
【0027】ここで、反応槽3は亜硝酸メチルガス発生
槽である。硫酸−メタノール溶液を導管1、亜硝酸ナト
リウム水溶液を導管2によりそれぞれ反応槽に連続的に
供給し、亜硝酸メチルガスを連続的に発生させる。亜硝
酸メチルの発生と同時に生成する硫酸ナトリウムおよび
水を除去し、反応槽内の反応液の組成を一定とするため
に、反応液はポンプ4により連続的に蒸留塔5に導入さ
れる。蒸留により分離された硫酸ナトリウムおよび水は
蒸留塔下部よりポンプ9により系外に排出され、一方、
メタノールは凝縮器7を経て、導管8により反応槽に循
環される。発生した亜硝酸メチルガスは、コンデンサー
10を経由し導管11を経てアジ化ナトリウム合成工程
へ送られる。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
によって制限されるものではない。
【0029】実施例1 ここではまず、排出反応スラリーの循環を一切行わない
場合の例を示す。始めに、メタノール2620g、水酸
化ナトリウム275g、水330g、及びアジ化ナトリ
ウム試薬の粉砕品345g(純度99%、20〜40μ
m)からなるスラリーを調製し、ガラス製ジャケット式
攪拌槽(内径110mm,高さ500mm、高さ400
mmの側壁にオーバーフロー出口あり)に初期投入し
た。次いで、90%−水加ヒドラジン、水酸化ナトリウ
ム、メタノールより成り、それらの重量比が1:1.4
5:7.27なる原料液を7.57g/minで攪拌槽
上蓋より滴下した。さらにこの原料液の滴下と同時に、
攪拌槽底部より、100%亜硝酸メチルガスを354m
l/min(at20℃)の速度で導入した。ここで供
給原料のモル速度比は、ヒドラジン(N24)を基準
(=1)とした場合、水酸化ナトリウム=2.02、亜
硝酸メチル=1.05、メタノール12.6、水=1.
3となっている。運転中、攪拌槽内の反応スラリー温度
は25℃一定であり、内圧は大気圧とした。また、攪拌
は6枚翼ディスクタービン(外径 50mm)2枚を使
用し500rpmで行うと同時に、反応スラリー中のア
ジ化ナトリウム結晶の濃度勾配を抑制するため、攪拌槽
底部より液面へ向けて反応スラリーを2l/minでポ
ンプ循環した。
【0030】反応スラリーの回収は、攪拌槽側面のオー
バーフロー出口より自然排出により行い、排出反応スラ
リーは、遠心分離器により連続的に固液分離した。分離
取得された固形分は、再結晶等の精製操作を施さず、そ
のまま60℃で24時間乾燥した後、イオンクロマト分
析によりアジ化ナトリウムの純度、量を測定した。一
方、固形分の除去された反応母液は、同じくイオンクロ
マト分析に供試し、溶解アジ化ナトリウムの定量を行っ
た。
【0031】原料供給開始後約28時間で、定常状態が
得られ、以後、反応スラリーの排出速度が8.3g/m
inで安定した。また、この排出反応スラリーの連続固
液分離の結果、固形分が0.7g/min、反応母液が
7.6g/minの速度で分離回収された。またこの固
形分を乾燥して得た結晶は、アジ化ナトリウム純度が9
8.5%(ヒドラジンベースの収率76%)で安定して
おり、その粒形は、顕微鏡観察の結果、直径80〜13
0μmの球状粒子であった。尚、攪拌槽出口ガス(ガス
量、組成)の分析の結果、定常時の亜硝酸メチルの反応
率が85%、さらにこの反応率と反応母液中の溶解アジ
化ナトリウムを含む全アジ化ナトリウム生成量より、ア
ジ化ナトリウムへの選択率が98%であることがわかっ
た。
【0032】一方、この定常状態に於いて、攪拌槽中の
反応スラリーをサンプリングし、反応スラリーの濃度を
測定した結果、アジ化ナトリウム結晶濃度は8.5%、
反応母液中の溶解水酸化ナトリウム濃度は8.3%で共
に安定していた。
【0033】実施例2 ここでは、排出反応スラリーから固形分を除去した反応
母液の一部に乾燥アジ化ナトリウム結晶を混合し、反応
器に循環させる方法によって、反応器内の反応スラリー
のアジ化ナトリウム結晶濃度を制御した例を示す。実施
例1の定常状態に於いて、遠心分離により連続的に得ら
れる反応母液の一部と、アジ化ナトリウム試薬の粉砕品
(純度99%、20〜40μm)とをそれぞれ、5g/
min、3g/minで連続的に混合し、得られたアジ
化ナトリウム結晶濃度37.5%のスラリーを8g/m
inの速度で攪拌槽中段に循環した。
【0034】循環開始後約15時間で、定常状態が得ら
れ、以後、反応スラリーの排出速度が、16.3g/m
inで安定した。また、この排出反応スラリーの連続固
液分の結果、固形分が3.7g/min、反応母液が1
2.6g/minの速度で分離回収された。従って、供
給したアジ化ナトリウム試薬を除く、生成アジ化ナトリ
ウムの固形分中の回収速度は、0.7g/minとなっ
ていた。また、この固形分を乾燥して得た結晶は、アジ
化ナトリウム純度が99%で安定しており(ヒドラジン
ベースの収率75%)、その粒形は、顕微鏡観察の結
果、直径90〜210μmの球状粒子であった。
【0035】尚、攪拌槽出口ガス(ガス量、組成)の分
析の結果、定常時の亜硝酸メチルの反応率が84%、さ
らにこの反応率と反応母液中の溶解アジ化ナトリウムを
含む全アジ化ナトリウム生成量より、アジ化ナトリウム
への選択率が98%であることがわかった。一方、この
定常状態に於いて、攪拌槽中の反応スラリーをサンプリ
ングし、反応スラリーの濃度を測定した結果、アジ化ナ
トリウム結晶濃度は22.7%、反応母液中の溶解水酸
化ナトリウム濃度は8.3%で共に安定していた。
【0036】比較例1〜4 比較例1では、原料亜硝酸アルキルを100%液状亜硝
酸ブチルとした以外は実施例1と同様の条件で実験を行
った(亜硝酸ブチル/ヒドラジンの供給モル速度比=
1.05)。また、比較例2では同様に100%液状亜
硝酸イソアミルを使用した。また、比較例3では、反応
温度を80℃に変更した以外は全て実施例1と同様の条
件で実験を行った。さらに、比較例4では、亜硝酸メチ
ル/ヒドラジンの供給モル速度比を1.05から2.1
に変更した(亜硝酸メチルの供給速度708ml/mi
n at20℃)以外は、実施例1と同様に運転を行っ
た。運転条件及び定常状態での反応成績を表1に示す。
【0037】液状の亜硝酸アルキルを使用した場合は、
液−液晶析反応であるが、アジ化ナトリウムの選択率、
収率、純度のいずれもが低い。また、亜硝酸メチルガス
を使用した気−液晶析反応の場合も、反応温度が70℃
を越える場合には、アジ化ナトリウム選択率、純度の低
下を生じ、亜硝酸メチルの反応率の低下も手伝ってアジ
化ナトリウムの収率が低下する。また、亜硝酸アルキル
/ヒドラジンの供給モル速度比が1.2を越える場合、
亜硝酸ナトリウム等の副生が顕著となるためアジ化ナト
リウムの選択率、純度が低下する。
【0038】
【表1】
【0039】実施例3 始めに、メタノール1435g、水酸化ナトリウム27
0g、水280g、及びアジ化ナトリウム試薬の粉砕品
185g(純度99%、20〜40μm)からなるスラ
リーを調製し、ガラス製ジャケット式攪拌槽(内径10
0mm,高さ400mm、高さ300mmの側壁にオー
バーフロー出口あり)に初期投入した。次いで、90%
−水加ヒドラジン、水酸化ナトリウム、メタノール、お
よび水より成り、それらの重量比が1:2.16:7.
43:0.55なる原料液を、7.8g/minで攪拌
槽上蓋より滴下した。さらにこの原料液の滴下と同時
に、攪拌槽底部より、100%亜硝酸メチルガスを33
4ml/min(at20℃)の速度で、ガラス製フィ
ルター(穴径20μm)を通じて導入した。ここで供給
原料のモル速度比は、ヒドラジン(N24)を基準(=
1)とした場合、水酸化ナトリウム=3.0、亜硝酸メ
チル=1.1、メタノール12.9、水=3.0となっ
ている。運転中、攪拌槽内の反応スラリー温度は38℃
一定であり、内圧は大気圧とした。また、攪拌は8枚翼
ディスクタービン(外径 50mm)2枚を使用し65
0rpmで行うと同時に、反応スラリー中のアジ化ナト
リウム結晶の濃度勾配を抑制するため、攪拌槽底部より
液面へ向けて反応スラリーを1l/minでポンプ循環
した。
【0040】反応スラリーの回収は、攪拌槽側面のオー
バーフロー出口より自然排出により行い、排出反応スラ
リーは、遠心分離器により連続的に固液分離した。分離
取得された固形分は、再結晶等の精製操作を施さず、そ
のまま60℃で24時間乾燥した後、イオンクロマト分
析によりアジ化ナトリウムの純度、量を測定した。一
方、固形分の除去された反応母液は、同じくイオンクロ
マト分析に供試し、溶解アジ化ナトリウムの定量を行っ
た。
【0041】原料供給開始後約17時間で、定常状態が
得られ、以後、反応スラリーの排出速度が8.5g/m
inで安定した。また、この排出反応スラリーの連続固
液分離の結果、固形分が0.7g/min、反応母液が
7.8g/minの速度で分離回収された。またこの固
形分を乾燥して得た結晶は、アジ化ナトリウム純度が9
8%(ヒドラジンベースの収率81%)で安定してお
り、その粒形は、顕微鏡観察の結果、直径60〜140
μmの球状粒子であった。尚、攪拌槽出口ガス(ガス
量、組成)の分析の結果、定常時の亜硝酸メチルの反応
率が82%、さらにこの反応率と反応母液中の溶解アジ
化ナトリウムを含む全アジ化ナトリウム生成量より、ア
ジ化ナトリウムへの選択率が98%であることがわかっ
た。
【0042】一方、この定常状態に於いて、攪拌槽中の
反応スラリーをサンプリングし、反応スラリーの濃度を
測定した結果、アジ化ナトリウム結晶濃度は8.0%、
反応母液中の溶解水酸化ナトリウム濃度は13.5%で
共に安定していた。
【0043】実施例4,5 実施例4は、亜硝酸メチルガスに不活性希釈ガスとして
の窒素を混合し、亜硝酸メチル濃度を25vol%とし
た混合ガスを表2に示す速度で供給した以外は実施例3
と同様に運転を行った(窒素供給速度1l/min)。
さらに、実施例5では、攪拌槽の内圧(絶対圧)を2K
g/cm2とした以外は、すべて実施例4と同条件とし
た。表2に運転条件および定常状態での反応成績を示
す。いずれもアジ化ナトリウムの選択率、純度、共に良
好であり、希釈ガスの混合による亜硝酸メチルの反応率
の低下は、攪拌槽内圧のアップで抑制可能である。
【0044】
【表2】
【0045】比較例5 メタノール供給速度を実施例3の1.4倍、その他の原
料の供給速度をすべて実施例3の0.35倍とし、メタ
ノール/ヒドラジンの供給モル速度比を51.6へ変更
した以外は、すべて実施例3と同様とした(定常時の排
出反応スラリー速度は約8.4g/min)。結果を表
3に示す。得られたアジ化ナトリウムは粒径が小さいも
のであった。
【0046】
【表3】
【0047】
【発明の効果】本発明は、再結晶等の精製操作をするこ
となく、経済的に、高純度のアジ化ナトリウムを高選択
率で連続製造できる方法を提供するものであり、工業的
意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造フローである。
【符号の説明】
1 硫酸−アルコール溶液導入管 2 亜硝酸ナトリウム水溶液導入管 3 亜硝酸アルキルガス発生槽 4 反応液抜き出しポンプ 5 蒸留塔 6 熱交換器 7 凝縮器 8 循環メタノール導入管 9 硫酸ナトリウム水溶液抜き出しポンプ 10 コンデンサー 11 亜硝酸アルキルガス導入管 12 ヒドラジン+水酸化ナトリウム原料液導入管 13 攪拌槽 14 反応スラリーオーバーフロー出口 15 セットラー 16 固形分抜き出しポンプ 17 循環固形分導入管 18 反応母液抜き出しポンプ 19 熱交換器 20 循環反応母液導入管 21. コンデンサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 慎治 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内 (72)発明者 角 哲雄 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス状亜硝酸メチルまたはガス状亜
    硝酸エチルを含む原料ガス、ヒドラジン及び水酸化ナト
    リウムを、水酸化ナトリウム/ヒドラジン>1、1≦
    (亜硝酸メチルまたは亜硝酸エチル)/ヒドラジン≦
    1.3のモル速度比により、アジ化ナトリウム結晶濃度
    3〜30wt%、反応母液の水酸化ナトリウム溶解濃度
    3〜20wt%の反応スラリーを有する攪拌槽形式の反
    応器に、連続的に供給し、常圧〜10Kg/cm、0
    〜70℃の条件下、気−液接触反応させることを特徴と
    するアジ化ナトリウムの連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 該反応器内にアジ化ナトリウム結晶
    を供給する請求項1記載のアジ化ナトリウムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 該反応器内に排出反応スラリーより
    分離した固形物を循環する請求項1記載のアジ化ナトリ
    ウムの製造方法。
  4. 【請求項4】 該反応器内に排出反応スラリーの濃
    縮物を循環する請求項1記載のアジ化ナトリウムの製造
    方法。
JP22134192A 1992-08-20 1992-08-20 アジ化ナトリウムの連続的製造方法 Pending JPH0664908A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103523758A (zh) * 2013-09-28 2014-01-22 青岛雪洁助剂有限公司 一种连续制备叠氮化钠的方法
CN103553004A (zh) * 2013-09-28 2014-02-05 青岛雪洁助剂有限公司 一种连续制备叠氮化钠的方法
CN111252746A (zh) * 2020-03-11 2020-06-09 青岛雪洁助剂有限公司 一种连续化的叠氮化钠水相安全生产装置及工艺

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