JPH0585707A - アジ化ナトリウムの製造方法 - Google Patents
アジ化ナトリウムの製造方法Info
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- JPH0585707A JPH0585707A JP24886391A JP24886391A JPH0585707A JP H0585707 A JPH0585707 A JP H0585707A JP 24886391 A JP24886391 A JP 24886391A JP 24886391 A JP24886391 A JP 24886391A JP H0585707 A JPH0585707 A JP H0585707A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複雑な工程が不要で爆発性の高い物質を
多量取り扱うことなく、安価な装置で簡単な操作により
製造可能。 【構成】 充填塔構造を有する吸収塔下部から、亜
硝酸アルキルを含む原料ガスを連続的に導入し、該吸収
塔上部から該原料ガスに含まれる該亜硝酸アルキルを全
量反応させる化学量論量よりも多い量のヒドラジン、苛
性ソ−ダ及び/またはアジ化ナトリウムを含む吸収液
を、該原料ガスに接触させ、アジ化ナトリウムを生成さ
せ、該アジ化ナトリウムを含む反応スラリ−を吸収塔の
底部から排出し該アジ化ナトリウムを得ることを特徴と
するアジ化ナトリウムの製造方法に関する。 【効果】 高収率、高純度の製造に好適である。
多量取り扱うことなく、安価な装置で簡単な操作により
製造可能。 【構成】 充填塔構造を有する吸収塔下部から、亜
硝酸アルキルを含む原料ガスを連続的に導入し、該吸収
塔上部から該原料ガスに含まれる該亜硝酸アルキルを全
量反応させる化学量論量よりも多い量のヒドラジン、苛
性ソ−ダ及び/またはアジ化ナトリウムを含む吸収液
を、該原料ガスに接触させ、アジ化ナトリウムを生成さ
せ、該アジ化ナトリウムを含む反応スラリ−を吸収塔の
底部から排出し該アジ化ナトリウムを得ることを特徴と
するアジ化ナトリウムの製造方法に関する。 【効果】 高収率、高純度の製造に好適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アジ化ナトリウムの製
造方法に関する。更に、詳しくは、従来から農・医薬の
中間体製造原料用途として製造されてきた。また最近で
は、自動車エアバッグ用インフレ−タ−薬剤として需要
が伸びている。
造方法に関する。更に、詳しくは、従来から農・医薬の
中間体製造原料用途として製造されてきた。また最近で
は、自動車エアバッグ用インフレ−タ−薬剤として需要
が伸びている。
【0002】
【従来の技術】アジ化ナトリウムの製造方法としては、
(1)ナトリウムアミド法及び(2)ヒドラジン法等が
知られている。更に、(1)は、以下の3法に分類でき
る。 (イ)ナトリウムアミド粉末を150〜250℃の温度
で亜酸化窒素と反応させる高温法。
(1)ナトリウムアミド法及び(2)ヒドラジン法等が
知られている。更に、(1)は、以下の3法に分類でき
る。 (イ)ナトリウムアミド粉末を150〜250℃の温度
で亜酸化窒素と反応させる高温法。
【0003】 2NaNH2 + N2O → NaN3 + NaOH + NH3 (ロ)パラフィン中に懸濁させたナトリウムアミドと亜
酸化窒素を150〜180℃で反応させ、得られる反応
混合物から再結晶精製によりアジ化ナトリウムを得る中
温法(特開昭50−144700)。 (ハ)ナトリウムアミドの液体アンモニア懸濁液に亜酸
化窒素ガスを10〜30℃の温度で作用せしめる低温法
(特公昭33−3625)。
酸化窒素を150〜180℃で反応させ、得られる反応
混合物から再結晶精製によりアジ化ナトリウムを得る中
温法(特開昭50−144700)。 (ハ)ナトリウムアミドの液体アンモニア懸濁液に亜酸
化窒素ガスを10〜30℃の温度で作用せしめる低温法
(特公昭33−3625)。
【0004】(イ)の高温法は、製造中に於ける爆発の
危険性が高く工業化はなされていない。また、低温法は
高圧下で多量の液体アンモニアを取り扱う必要があり、
その取り扱い及び安全性の面で問題が多い。また、
(ロ)の中温法にしても十分な品質の製品を得るために
は、再結晶等の精製が必要で製造工程が複雑となる難点
を有する。
危険性が高く工業化はなされていない。また、低温法は
高圧下で多量の液体アンモニアを取り扱う必要があり、
その取り扱い及び安全性の面で問題が多い。また、
(ロ)の中温法にしても十分な品質の製品を得るために
は、再結晶等の精製が必要で製造工程が複雑となる難点
を有する。
【0005】ヒドラジン法は、水加ヒドラジン及び苛性
ソ−ダのアルコ−ル溶液に亜硝酸エチル等の亜硝酸アル
キルを加えアジ化ナトリウムを析出させる方法(米国特
許1,628,380)である。 N2H4・H2O+NaOH+C2H5ONO → NaN3+C2H5OH+3H2O
ソ−ダのアルコ−ル溶液に亜硝酸エチル等の亜硝酸アル
キルを加えアジ化ナトリウムを析出させる方法(米国特
許1,628,380)である。 N2H4・H2O+NaOH+C2H5ONO → NaN3+C2H5OH+3H2O
【0006】あるいは、無水ジエチルエ−テルに溶かし
た水加ヒドラジンにナトリウムメトキシドと亜硝酸エチ
ルとを反応させる方法も知られている。 N2H4・H2O+CH3ONa+C2H5ONO → NaN3+CH3OH+C2H5OH+2H2O これらヒドラジン法は、ナトリウムアミド法に比べれば
工程が簡単で爆発等の危険性は少ないが、安全性、反応
収率の点で問題が残っている。
た水加ヒドラジンにナトリウムメトキシドと亜硝酸エチ
ルとを反応させる方法も知られている。 N2H4・H2O+CH3ONa+C2H5ONO → NaN3+CH3OH+C2H5OH+2H2O これらヒドラジン法は、ナトリウムアミド法に比べれば
工程が簡単で爆発等の危険性は少ないが、安全性、反応
収率の点で問題が残っている。
【0007】即ち、亜硝酸アルキル(特に液体状の亜硝
酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸ブチル等)の取り扱
いには、その自己分解性のため注意を要する。また、副
反応や副生成物のため十分な純度が得られず、高純度の
アジ化ナトリウムを得るには再結晶等の精製操作が必要
となる。
酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸ブチル等)の取り扱
いには、その自己分解性のため注意を要する。また、副
反応や副生成物のため十分な純度が得られず、高純度の
アジ化ナトリウムを得るには再結晶等の精製操作が必要
となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みヒドラジン法を改良し、安全で経済的なアジ化ナ
トリウムの製造法を提供することにある。
に鑑みヒドラジン法を改良し、安全で経済的なアジ化ナ
トリウムの製造法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ガス状亜硝酸アルキル
を原料とし、充填塔構造を有する吸収塔を用いて気体−
液体の接触反応を所定の条件下で行えば、安全で効率良
くアジ化ナトリウムを製造できることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
を解決すべく鋭意検討した結果、ガス状亜硝酸アルキル
を原料とし、充填塔構造を有する吸収塔を用いて気体−
液体の接触反応を所定の条件下で行えば、安全で効率良
くアジ化ナトリウムを製造できることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は充填塔構造を有する吸収塔
下部から、亜硝酸アルキルを含む原料ガスを連続的に導
入し、該吸収塔上部から該原料ガスに含まれる該亜硝酸
アルキルを全量反応させる化学量論量よりも多い量のヒ
ドラジン、苛性ソ−ダ及び/またはアジ化ナトリウムを
含む吸収液を、該原料ガスに接触させ、アジ化ナトリウ
ムを生成させ、該アジ化ナトリウムを含む反応スラリ−
を吸収塔の底部から排出し該アジ化ナトリウムを得るこ
とを特徴とするアジ化ナトリウムの製造方法に関する。
下部から、亜硝酸アルキルを含む原料ガスを連続的に導
入し、該吸収塔上部から該原料ガスに含まれる該亜硝酸
アルキルを全量反応させる化学量論量よりも多い量のヒ
ドラジン、苛性ソ−ダ及び/またはアジ化ナトリウムを
含む吸収液を、該原料ガスに接触させ、アジ化ナトリウ
ムを生成させ、該アジ化ナトリウムを含む反応スラリ−
を吸収塔の底部から排出し該アジ化ナトリウムを得るこ
とを特徴とするアジ化ナトリウムの製造方法に関する。
【0011】本発明を更に、詳細に説明する。本発明に
おいて用いる亜硝酸アルキルは亜硝酸メチル(CH3O
NO,沸点=−17℃)または亜硝酸エチル(C2H5O
NO、沸点=17℃)である。これらは常温で気体であ
り、液体状の亜硝酸アルキル(亜硝酸プロピル、亜硝酸
ブチル等)に比べ製造が容易であり、純度の高い製品が
容易に得られる。これらの亜硝酸アルキルの製造法とし
ては、亜硝酸ナトリウムおよび硫酸とアルコ−ルとの
液相反応,二酸化窒素をアルコ−ル中へ通気する方
法,三酸化二窒素等の亜硝酸付与剤とアルコ−ルとの
反応等が従来から知られているが、いずれの方法による
亜硝酸アルキルも使用可能である。
おいて用いる亜硝酸アルキルは亜硝酸メチル(CH3O
NO,沸点=−17℃)または亜硝酸エチル(C2H5O
NO、沸点=17℃)である。これらは常温で気体であ
り、液体状の亜硝酸アルキル(亜硝酸プロピル、亜硝酸
ブチル等)に比べ製造が容易であり、純度の高い製品が
容易に得られる。これらの亜硝酸アルキルの製造法とし
ては、亜硝酸ナトリウムおよび硫酸とアルコ−ルとの
液相反応,二酸化窒素をアルコ−ル中へ通気する方
法,三酸化二窒素等の亜硝酸付与剤とアルコ−ルとの
反応等が従来から知られているが、いずれの方法による
亜硝酸アルキルも使用可能である。
【0012】亜硝酸アルキルは純粋なものでも、あるい
は窒素(N2)等の不活性希釈ガスを含んだものでも使
用可能である。適量の希釈ガスを含む場合は反応が穏和
となり反応制御が容易となるが、あまりにも多量の希釈
ガスを含む場合は、ガス吸収効率が低下し大容量の吸収
塔が必要となる。希釈ガス濃度は、特に制限は無いが9
5%以下が好ましい。この亜硝酸アルキルを含む原料ガ
スを充填塔構造を有する吸収塔の下部から連続的に導入
する。亜硝酸アルキル製造工程で発生させたガスを中間
貯蔵タンク無しに直接吸収塔へ導入すれば、多量の亜硝
酸アルキルを工程内に保持することが無くそれだけ安全
性が増す。
は窒素(N2)等の不活性希釈ガスを含んだものでも使
用可能である。適量の希釈ガスを含む場合は反応が穏和
となり反応制御が容易となるが、あまりにも多量の希釈
ガスを含む場合は、ガス吸収効率が低下し大容量の吸収
塔が必要となる。希釈ガス濃度は、特に制限は無いが9
5%以下が好ましい。この亜硝酸アルキルを含む原料ガ
スを充填塔構造を有する吸収塔の下部から連続的に導入
する。亜硝酸アルキル製造工程で発生させたガスを中間
貯蔵タンク無しに直接吸収塔へ導入すれば、多量の亜硝
酸アルキルを工程内に保持することが無くそれだけ安全
性が増す。
【0013】吸収塔の上部からは、原料ガスに含まれる
亜硝酸アルキルを全量反応させる化学量論量よりも多い
量のヒドラジン、苛性ソ−ダ及び/またはアジ化ナトリ
ウムを含む吸収液を流す。ヒドラジン量が少なければ、
アジ化物の生成が少なくなるばかりか、副反応により亜
硝酸ナトリウムの生成が著しくなり製品純度にも悪影響
を及ぼす。一方、苛性ソ−ダが不足すれば、ヒドラジン
と亜硝酸アルキルの反応で揮発性液体であるアジ化水素
酸(HN3,沸点=37℃)が生成する。これは、有害
で爆発性を有する非常に危険な化合物であり注意を要す
る。
亜硝酸アルキルを全量反応させる化学量論量よりも多い
量のヒドラジン、苛性ソ−ダ及び/またはアジ化ナトリ
ウムを含む吸収液を流す。ヒドラジン量が少なければ、
アジ化物の生成が少なくなるばかりか、副反応により亜
硝酸ナトリウムの生成が著しくなり製品純度にも悪影響
を及ぼす。一方、苛性ソ−ダが不足すれば、ヒドラジン
と亜硝酸アルキルの反応で揮発性液体であるアジ化水素
酸(HN3,沸点=37℃)が生成する。これは、有害
で爆発性を有する非常に危険な化合物であり注意を要す
る。
【0014】本発明で吸収液に用いる溶媒としては、ヒ
ドラジン及び苛性ソ−ダを溶解し、反応生成物であるア
ジ化ナトリウムの溶解度が小さいアルコ−ル類が好適で
ある。例えば、炭素原子数1〜8個を有する飽和の1価
脂肪族アルコ−ルまたは脂環族アルコ−ルが使用でき
る。また、これらのアルコ−ルには、例えばアルコキシ
基などのような反応を阻害しない置換基を含んでいても
かまわない。アルコ−ルは必ずしも単一成分である必要
はなく、混合物も同様に使用できる。また、含水アルコ
−ルでも特に問題ではない。更に、母液処理(副生物回
収)、製品の乾燥等の操作を考えれば、沸点も比較的低
いメタノ−ルあるいはエタノ−ルの使用が望ましい。ま
た、亜硝酸メチルを原料ガスとして使う場合には溶媒と
してメタノ−ル、亜硝酸エチルの場合ではエタノ−ルを
選択すれば反応系の組成が簡素となりプロセス的に有利
となる。
ドラジン及び苛性ソ−ダを溶解し、反応生成物であるア
ジ化ナトリウムの溶解度が小さいアルコ−ル類が好適で
ある。例えば、炭素原子数1〜8個を有する飽和の1価
脂肪族アルコ−ルまたは脂環族アルコ−ルが使用でき
る。また、これらのアルコ−ルには、例えばアルコキシ
基などのような反応を阻害しない置換基を含んでいても
かまわない。アルコ−ルは必ずしも単一成分である必要
はなく、混合物も同様に使用できる。また、含水アルコ
−ルでも特に問題ではない。更に、母液処理(副生物回
収)、製品の乾燥等の操作を考えれば、沸点も比較的低
いメタノ−ルあるいはエタノ−ルの使用が望ましい。ま
た、亜硝酸メチルを原料ガスとして使う場合には溶媒と
してメタノ−ル、亜硝酸エチルの場合ではエタノ−ルを
選択すれば反応系の組成が簡素となりプロセス的に有利
となる。
【0015】吸収効率を上げるために、吸収塔底部のア
ジ化ナトリウムを含む反応スラリ−の一部を抜き出し吸
収塔上部に循環する操作も有効である。吸収塔底部から
固形分(NaN3)を分離除去した溶液のみを循環する
ことも可能である。更には、循環液を熱交換器等により
冷却した後吸収塔に返せば、反応熱の除去手段ともな
る。
ジ化ナトリウムを含む反応スラリ−の一部を抜き出し吸
収塔上部に循環する操作も有効である。吸収塔底部から
固形分(NaN3)を分離除去した溶液のみを循環する
ことも可能である。更には、循環液を熱交換器等により
冷却した後吸収塔に返せば、反応熱の除去手段ともな
る。
【0016】アジ化ナトリウム生成反応は、充填塔構造
を有する吸収塔内で進行する。この場合、充填塔は亜硝
酸アルキルのアジ化ナトリウムへの転化率を高めるのに
十分な気体−液体の接触とガス滞留時間とを与える必要
がある。充填塔は、通常の構造のものが使用でき、内部
の充填物も市販のテラレット,ラシヒリング及びベルサ
ドル等を用いることができる。但し、固形物(Na
N3)による閉塞を防ぐためには、複雑な構造の充填物
は避けるべきである。
を有する吸収塔内で進行する。この場合、充填塔は亜硝
酸アルキルのアジ化ナトリウムへの転化率を高めるのに
十分な気体−液体の接触とガス滞留時間とを与える必要
がある。充填塔は、通常の構造のものが使用でき、内部
の充填物も市販のテラレット,ラシヒリング及びベルサ
ドル等を用いることができる。但し、固形物(Na
N3)による閉塞を防ぐためには、複雑な構造の充填物
は避けるべきである。
【0017】吸収塔内の反応は、0〜70℃の範囲,好
ましくは10〜50℃で行う必要がある。0℃未満で
は、吸収液の粘度が上昇し気体−液体の接触効率が低下
するばかりか、冷却のための費用が大きく不経済であ
る。また、70℃を越えると、亜硝酸アルキルの吸収効
率が低下すると共に、副反応(分解等)が顕著となり製
品純度に悪影響を及ぼすので好ましくない。
ましくは10〜50℃で行う必要がある。0℃未満で
は、吸収液の粘度が上昇し気体−液体の接触効率が低下
するばかりか、冷却のための費用が大きく不経済であ
る。また、70℃を越えると、亜硝酸アルキルの吸収効
率が低下すると共に、副反応(分解等)が顕著となり製
品純度に悪影響を及ぼすので好ましくない。
【0018】吸収塔におけるガス空間速度は一般的に
は、3〜240h-1、好ましくは10〜120h-1の範
囲とする必要がある。この条件の決定には、採用される
温度,圧力、反応物モル比及び気体希釈剤等を考慮すべ
きである。また、吸収塔のデザイン、吸収塔内部の充填
物及び幾何学的形状も影響する場合がある。ガス空間速
度が240h-1を越えると、気体−液体が接触不足とな
り、亜硝酸アルキルの未吸収分が多く収率が低下する。
一方、3h-1未満では、吸収塔が必要以上に大きくなり
すぎかえって経済的に不利となる。
は、3〜240h-1、好ましくは10〜120h-1の範
囲とする必要がある。この条件の決定には、採用される
温度,圧力、反応物モル比及び気体希釈剤等を考慮すべ
きである。また、吸収塔のデザイン、吸収塔内部の充填
物及び幾何学的形状も影響する場合がある。ガス空間速
度が240h-1を越えると、気体−液体が接触不足とな
り、亜硝酸アルキルの未吸収分が多く収率が低下する。
一方、3h-1未満では、吸収塔が必要以上に大きくなり
すぎかえって経済的に不利となる。
【0019】吸収塔を通過したガスは、反応溶媒である
アルコ−ル類を多少同伴するためコンデンサ−を通し、
アルコ−ル類を回収した後系外へ排出すれば問題ない。
生成物であるアジ化ナトリウムの回収は、吸収塔を流下
する反応スラリ−を吸収塔底部から抜き出し、固液分離
(遠心分離,フィルタ−プレス等)、乾燥等の一連の一
般的な操作で行うことができる。
アルコ−ル類を多少同伴するためコンデンサ−を通し、
アルコ−ル類を回収した後系外へ排出すれば問題ない。
生成物であるアジ化ナトリウムの回収は、吸収塔を流下
する反応スラリ−を吸収塔底部から抜き出し、固液分離
(遠心分離,フィルタ−プレス等)、乾燥等の一連の一
般的な操作で行うことができる。
【0020】吸収塔内の圧力については、特に制限はな
く通常の大気圧〜10Kg/cm2の範囲で行うことができ
る。所望により、大気圧以下の圧力を使用することもで
きる。次に本発明を図1に基づいて説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
く通常の大気圧〜10Kg/cm2の範囲で行うことができ
る。所望により、大気圧以下の圧力を使用することもで
きる。次に本発明を図1に基づいて説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0021】底部に液溜2を有する吸収塔1の下部より
導管12を経て亜硝酸アルキルを含有する原料ガスが連
続的に導入される。ヒドラジン及び苛性ソ−ダを含む吸
収液が導管13より吸収塔上部に供給される。液溜の反
応スラリ−はスラリ−抜き出しポンプ8によりセットラ
−4に送られる。セットラ−で固形物が除去された反応
母液は、反応熱を除去し塔内を所定の温度に保つ目的で
熱交換器5を通した後、導管15を経て吸収塔上部に再
循環される。セットラ−4下部よりポンプ10で抜き出
されるアジ化ナトリウムを含む反応スラリ−は、製品回
収工程(分離、乾燥)へ送られる。一方、吸収塔上部か
らの排ガスは同伴アルコ−ル回収のためのコンデンサ−
3を通した後に排出口14より排出される。ここで、反
応槽6は亜硝酸アルキル発生槽である。硫酸及びアルコ
−ルを仕込んだ反応槽に亜硝酸ナトリウム水溶液を導管
11により供給し、連続的に亜硝酸アルキルガスを発生
させる。発生したガスは、コンデンサ−7を経由し導管
12を経て吸収塔へ送られる。
導管12を経て亜硝酸アルキルを含有する原料ガスが連
続的に導入される。ヒドラジン及び苛性ソ−ダを含む吸
収液が導管13より吸収塔上部に供給される。液溜の反
応スラリ−はスラリ−抜き出しポンプ8によりセットラ
−4に送られる。セットラ−で固形物が除去された反応
母液は、反応熱を除去し塔内を所定の温度に保つ目的で
熱交換器5を通した後、導管15を経て吸収塔上部に再
循環される。セットラ−4下部よりポンプ10で抜き出
されるアジ化ナトリウムを含む反応スラリ−は、製品回
収工程(分離、乾燥)へ送られる。一方、吸収塔上部か
らの排ガスは同伴アルコ−ル回収のためのコンデンサ−
3を通した後に排出口14より排出される。ここで、反
応槽6は亜硝酸アルキル発生槽である。硫酸及びアルコ
−ルを仕込んだ反応槽に亜硝酸ナトリウム水溶液を導管
11により供給し、連続的に亜硝酸アルキルガスを発生
させる。発生したガスは、コンデンサ−7を経由し導管
12を経て吸収塔へ送られる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
によって制限されるものではない。
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
によって制限されるものではない。
【0023】実施例1 メタノ−ル2200g、苛性ソ−ダ580g及び90%
水加ヒドラジン300gからなる吸収液を調製し、ポリ
エチレン製テラレットを充填した内径84mm、高さ2
90mmのガラス製吸収塔を3000l/minの液量
で循環した。一方、亜硝酸メチルガスを640ml/m
inの速度で充填塔下部より210分間導入した(ガス
空間速度=24h-1)。なお、反応熱を除去し吸収塔内
の温度を29〜31℃に保つため、吸収塔下部の液溜か
らの再循環スラリ−は熱交換器を通し冷却した。ガス通
気約30分後、アジ化ナトリウム結晶析出により循環液
が白濁し始めた。反応終了後スラリ−を濾過し、続いて
得られた白色結晶を300mlのメタノ−ルでリパルプ
した。更に、濾過後60℃の温度で24時間乾燥し28
0gのアジ化ナトリウムを得た。硝酸銀滴定法による生
成物分析の結果、純度99.5%であった(収率=80
%)。また、吸収塔出口ガス(ガス量、組成)の分析に
より亜硝酸メチルの反応率は95%であることが分かっ
た。
水加ヒドラジン300gからなる吸収液を調製し、ポリ
エチレン製テラレットを充填した内径84mm、高さ2
90mmのガラス製吸収塔を3000l/minの液量
で循環した。一方、亜硝酸メチルガスを640ml/m
inの速度で充填塔下部より210分間導入した(ガス
空間速度=24h-1)。なお、反応熱を除去し吸収塔内
の温度を29〜31℃に保つため、吸収塔下部の液溜か
らの再循環スラリ−は熱交換器を通し冷却した。ガス通
気約30分後、アジ化ナトリウム結晶析出により循環液
が白濁し始めた。反応終了後スラリ−を濾過し、続いて
得られた白色結晶を300mlのメタノ−ルでリパルプ
した。更に、濾過後60℃の温度で24時間乾燥し28
0gのアジ化ナトリウムを得た。硝酸銀滴定法による生
成物分析の結果、純度99.5%であった(収率=80
%)。また、吸収塔出口ガス(ガス量、組成)の分析に
より亜硝酸メチルの反応率は95%であることが分かっ
た。
【0024】比較例1、2 比較例1では、吸収塔温度を80℃とした以外は実施例
1と同様の条件で実験を行った。また、比較例−2では
亜硝酸メチルガス供給速度を8,000ml/min、
ガス導入時間16.8min(ガス空間速度=300h
-1)とした以外は実施例1と同様の条件下でアジ化ナト
リウムの合成実験を行った。条件及び結果を表1に示
す。反応温度が80℃と高い場合では、アジ化ナトリウ
ム収率が低く、純度も低い。また、ガス供給速度が大き
すぎる比較例2では気−液接触が不十分なため、亜硝酸
メチルの反応率が低くなり損失が大きい。
1と同様の条件で実験を行った。また、比較例−2では
亜硝酸メチルガス供給速度を8,000ml/min、
ガス導入時間16.8min(ガス空間速度=300h
-1)とした以外は実施例1と同様の条件下でアジ化ナト
リウムの合成実験を行った。条件及び結果を表1に示
す。反応温度が80℃と高い場合では、アジ化ナトリウ
ム収率が低く、純度も低い。また、ガス供給速度が大き
すぎる比較例2では気−液接触が不十分なため、亜硝酸
メチルの反応率が低くなり損失が大きい。
【0025】なお、アジ化ナトリウムの分析法(硝酸銀
滴定法)は次の方法で行った。 試料約1gを精秤し、100ccメスフラスコに入
れ、標線までイオン交換水を入れる。 の20ccをピペットで採取し、イオン交換水を7
0〜80cc加える。 に10%K2 CrO4 水溶液2ccを添加する。 を0.1MolAgNO3 水溶液で滴定する。 アジ化ナトリウム純度(%) =0.6501×0.1MolAgNO3滴定量×F/
S F:0.1MolAgNO3 水溶液のファクター S:の20cc中の試料重量(g)
滴定法)は次の方法で行った。 試料約1gを精秤し、100ccメスフラスコに入
れ、標線までイオン交換水を入れる。 の20ccをピペットで採取し、イオン交換水を7
0〜80cc加える。 に10%K2 CrO4 水溶液2ccを添加する。 を0.1MolAgNO3 水溶液で滴定する。 アジ化ナトリウム純度(%) =0.6501×0.1MolAgNO3滴定量×F/
S F:0.1MolAgNO3 水溶液のファクター S:の20cc中の試料重量(g)
【0026】
【表1】
【0027】実施例2〜5 実施例1と同じ反応装置を用い、反応温度、ガス空間速
度を表2の条件に変えてアジ化ナトリウムの合成を行っ
た。ただし、実施例4、5では亜硝酸メチルガスを3倍
モルの窒素で希釈したものを原料ガスとして用いた。表
2に実験条件および結果を示す。いずれも収率良く、高
純度のアジ化ナトリウムが得られた。
度を表2の条件に変えてアジ化ナトリウムの合成を行っ
た。ただし、実施例4、5では亜硝酸メチルガスを3倍
モルの窒素で希釈したものを原料ガスとして用いた。表
2に実験条件および結果を示す。いずれも収率良く、高
純度のアジ化ナトリウムが得られた。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明は、複雑な工程が不要で爆発性の
高い物質を多量取り扱うことなく、安価な装置で簡単な
操作によりアジ化ナトリウムを製造できる方法を提供す
るものであり、その工業的意義は大きい。
高い物質を多量取り扱うことなく、安価な装置で簡単な
操作によりアジ化ナトリウムを製造できる方法を提供す
るものであり、その工業的意義は大きい。
【0030】即ち、本発明の反応温度が範囲外である比
較例1は、収率及び純度が低く好ましくない。また、ガ
ス空間速度が大きすぎる比較例2は気体−液体の接触が
不十分なため、亜硝酸アルキルの反応率及び収率が極端
に低く目的が達成されない。これに対し、反応温度、ガ
ス空間速度が本発明の範囲内である実施例は、これらの
性能が全て優れている。従って、本発明の方法は、高収
率、高純度のアジ化ナトリウムの製造に好適である。
較例1は、収率及び純度が低く好ましくない。また、ガ
ス空間速度が大きすぎる比較例2は気体−液体の接触が
不十分なため、亜硝酸アルキルの反応率及び収率が極端
に低く目的が達成されない。これに対し、反応温度、ガ
ス空間速度が本発明の範囲内である実施例は、これらの
性能が全て優れている。従って、本発明の方法は、高収
率、高純度のアジ化ナトリウムの製造に好適である。
【図1】本発明の一実施例の製造フロ−である。
【符号の説明】 1 吸収塔、 2 液溜、 3 コンデンサ−、 4 セットラ−、 5 熱交換器、 6 亜硝酸アルキル発生槽、 7 コンデンサ−、 8 スラリー抜き出しポンプ、 9 ポンプ、 10 ポンプ、 11 導管、 12 導管、 13 導管、 14 排出口、 15 導管、
フロントページの続き (72)発明者 角 哲 雄 山口県下関市彦島迫町七丁目1番1号 三 井東圧化学株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 充填塔構造を有する吸収塔下部から、
亜硝酸アルキルを含む原料ガスを連続的に導入し、該吸
収塔上部から該原料ガスに含まれる該亜硝酸アルキルを
全量反応させる化学量論量よりも多い量のヒドラジン、
苛性ソ−ダ及び/またはアジ化ナトリウムを含む吸収液
を、該原料ガスに接触させ、アジ化ナトリウムを生成さ
せ、該アジ化ナトリウムを含む反応スラリ−を吸収塔の
底部から排出し該アジ化ナトリウムを得ることを特徴と
するアジ化ナトリウムの製造方法。 - 【請求項2】 吸収塔底部のアジ化ナトリウムを含む
反応スラリ−の一部を吸収塔上部に循環せしめる請求項
1記載のアジ化ナトリウムの製造方法。 - 【請求項3】 吸収液に原料ガスを、温度範囲0〜7
0℃、ガス空間速度3〜240h-1の条件下で接触させ
る請求項1記載のアジ化ナトリウムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24886391A JPH0585707A (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | アジ化ナトリウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24886391A JPH0585707A (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | アジ化ナトリウムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0585707A true JPH0585707A (ja) | 1993-04-06 |
Family
ID=17184547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24886391A Pending JPH0585707A (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | アジ化ナトリウムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0585707A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2472700C2 (ru) * | 2009-09-07 | 2013-01-20 | Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования Самарский государственный технический университет | Гидразинный способ получения азидов щелочных и щелочноземельных металлов |
CN103523758A (zh) * | 2013-09-28 | 2014-01-22 | 青岛雪洁助剂有限公司 | 一种连续制备叠氮化钠的方法 |
CN103553004A (zh) * | 2013-09-28 | 2014-02-05 | 青岛雪洁助剂有限公司 | 一种连续制备叠氮化钠的方法 |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP24886391A patent/JPH0585707A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2472700C2 (ru) * | 2009-09-07 | 2013-01-20 | Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования Самарский государственный технический университет | Гидразинный способ получения азидов щелочных и щелочноземельных металлов |
CN103523758A (zh) * | 2013-09-28 | 2014-01-22 | 青岛雪洁助剂有限公司 | 一种连续制备叠氮化钠的方法 |
CN103553004A (zh) * | 2013-09-28 | 2014-02-05 | 青岛雪洁助剂有限公司 | 一种连续制备叠氮化钠的方法 |
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