JPH1181714A - 建物とその建築方法 - Google Patents

建物とその建築方法

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JPH1181714A
JPH1181714A JP25788997A JP25788997A JPH1181714A JP H1181714 A JPH1181714 A JP H1181714A JP 25788997 A JP25788997 A JP 25788997A JP 25788997 A JP25788997 A JP 25788997A JP H1181714 A JPH1181714 A JP H1181714A
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Akira Tanaka
昭 田中
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Abstract

(57)【要約】 【解決すべき課題】地震などの天災に対して堅牢で、耐
久性に富み、建設や増改築が容易で、工期が極めて短く
て済む建物を開示する。 【課題の解決手段】平面視骨組み形状が井桁状をなす梁
3の交差部に4本の柱2を有する鉄骨ラーメン構造の構
造体を備え、柱2間に挟まれた梁の長さは、およそ6m
以下であり、1階の柱の基部は、免震部材17を介して
鉄筋コンクリート製基礎18に接合しており、各階の柱
の上端に固着するダイヤフラム5は、ゴム板7を介して
上階の柱2bの基部に接合していることを特徴とする建
物1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨ラーメン構造
を有する低コストの建物と、その建築方法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】住宅の価格は、その大部分を土地取得費用
が占めており、建物自体には、十分な予算を取ることが
出来ないのが現状であり、土地が有効利用でき、堅牢で
耐久性に富み、維持費用がかからなくて、低コストの建
造物が求められている。
【0003】このような目的で、軽量鉄骨構造を主体す
る工場生産によるプレハブ住宅が普及したが、需要者の
多様な好みを実現するために、仕様やデザインが複雑化
して、必ずしも、安価なものではなく、一般木造住宅よ
り高価なものが多く、工事期間も数カ月を要する。又、
プレハブ住宅は、それ自体で建物が完結しているため、
増改築が困難で、殆ど不可能に近いという欠点があり、
堅牢で耐久性に富み、且つ、低価格で、増改築に容易に
対応できる住宅が、望まれている。
【0004】
【解決すべき課題】本発明の第1の目的は、地震などの
天災に対して堅牢で、耐久性に富み、しかも、低コスト
で製造できる建物を開示することにある。本発明の第2
の目的は、建設や増改築が容易で、工期が極めて短くて
済む建物とその建築方法とを開示することにある。
【0005】
【課題の解決手段】本発明の第一の要旨は、平面視骨組
み形状が井桁状をなす梁の交差部に4本の柱を有する鉄
骨ラーメン構造の構造体を備え、前記柱間に挟まれた梁
の長さは、6m以下であることを特徴とする建物にあ
る。
【0006】本発明の第二の要旨は、平面視骨組み形状
が井桁状をなす梁の交差部に4本の柱を有する鉄骨ラー
メン構造の構造体を備え、前記柱間に挟まれた梁の長さ
は、10m以下であり、1階の柱の基部は、免震部材を
介して鉄筋コンクリート製基礎に接合しており、各階の
柱の上端に固着するダイヤフラムは、断熱部材を介し
て、上階の柱の基部に接合していることを特徴とする建
物にある。
【0007】上記第一要旨及び第二要旨に係る建物は、
梁単体の長さを6メートル以下に制限することにより、
建物に要求される強度基準において、建物の梁成(梁断
面における上下方向の幅)が、小さいもので済み、梁の
重量は、2〜3割減となるので、コスト削減上極めて有
利になる。更に、四方に突出する片持ち梁は、建物の増
築に際して、増築部分との連結部の役割を果たすので、
増築建物の柱は、既存の本願建物の柱の位置に対して、
少なくとも、片持ち梁の長さだけ離れた位置に立てられ
ることになり、既存の本願建物の基礎に対して、増築す
べき建物の基礎が、十分の間隔をおいて、構築できるの
で、増築建物の柱は、常に建物の中心に立設でき、従来
のように、柱を基礎の周辺部において支持する構造(偏
心基礎構造)を採用する事態が生じない。従って、基礎
構築の上でも、大幅なコストの節約ができる。
【0008】特に、第二要旨に係る建物は、柱の基部が
免震部材によって支持されているので、安全性に優れ、
地震のエネルギーを免震部材が吸収するので、基礎構造
が比較的に簡易なもので済む。更に、各階の柱は、断熱
部材を介して接合されているので、従来の鉄骨製建物
が、伝熱性の高い骨組みを伝って、熱が侵入し或いは放
熱されていたのに対して、このような鉄骨構造体を伝っ
ての熱の出入りがない。例えば、一階を駐車スペース等
として用いるために、一階の柱を露出させた構造を採用
しても、一階の柱を通して、二階の柱へ熱が出入りし、
二階の部屋が外気の影響をうけるといったことが防止で
きるので、建物の断熱構造が一段と優れたものになる。
【0009】上記において、上下柱間の接合部に採用さ
れる断熱部材としては、ゴム板やプラスチック板が、採
用できる。ゴム板としては、特に、イソプレンゴム製の
プレートが耐久性に優れており好ましい。このような断
熱材を、柱の上端に溶接固着したダイヤフラム上面と、
上階の柱の基部に溶接固着した固定板との間に介装し
て、ダイヤフラムと固定板とを貫通する連結ボルトとナ
ットにより、固定すればよい。ボルト或いはナットは、
固定板或いはダイヤフラムの何れかに、その基部を固定
しておけば、連結操作が容易になる。ボルト或いはナッ
トを締付操作するには、上階の柱の基部側面に開口を設
けておき、その開口から、締付具先端を挿入して、操作
すればよい。
【0010】本発明の第三の要旨は、上記第一或いは第
二要旨に規定される建物において、片持ち梁が、柱か、
若しくは、柱先端に固着する継手部材(ダイヤフラム)
に、回動可能に、枢支されており、柱側、及び/又は、
片持ち梁側に設けた固定手段により、90度に、固定さ
れるように構成されていることを特徴とする建物にあ
る。
【0011】片持ち梁は、建設現場まで運搬するのに、
大きな空間を要するので、運搬効率が悪い欠点がある。
第三要旨に係る発明は、この点を解消するものであっ
て、片持ち梁の基端3を枢支しておくことにより、運搬
時には、柱と平行状態にして、輸送し、建設現場におい
て、90度回動して、横方向に張り出し、適宜な支持手
段、例えば、柱と片持ち梁とに両端で固着する支持片を
用いればよい。
【0012】本発明の第四の要旨は、平面視骨組み形状
が井桁状をなす梁の交差部に4本の柱を有する鉄骨ラー
メン構造の構造体を備え、前記柱間に挟まれた梁の長さ
は、6m以下であり、井桁状に柱から突出する片持ち梁
の突端同士を、直接接合するか若しくは梁を介して接合
することにより、前記ユニット化された建物の複数を合
体させることを特徴とする建物の建築方法にある。
【0013】上記建築方法は、連結に当たって、柱が、
従来の建物と新たに増設すべき建物との境界付近に立設
する必要性がないので、偏心基礎を採用する必要がな
く、工事が容易で、基礎工事のコストが少なくて済む。
また、増設する建物と既設の建物とは、同一の仕様で構
成されているので、増設工事は極めて短期間で完成し、
しかも、既設の建物と増設した建物とは一体感があり、
違和感を与えない。
【0014】本発明の第五の要旨は、鉄骨製中空柱の上
端に固着するダイヤフラムの上面に、断熱性ゴム板又は
プラスチック板を介して、上階の鉄骨製中空柱の基部に
設けた固定板を当接し、前記ダイヤフラムと固定板とを
連結ボルトで締付固定することを特徴とする柱の断熱連
結方法にある。
【0015】本発明の第六の要旨は、鉄骨製中空柱の上
端に固着するダイヤフラムの上面に、断熱性ゴム板を介
して、上階の鉄骨製中空柱の基部に設けた固定板を当接
し、前記ダイヤフラム上に突出して設けた連結ボルトで
前記ゴム板と固定板とを貫通してナットにより締付固定
した後、上階の中空柱の基部に設けられた小開口からプ
ラスチック発泡体を注入して連結ボルト及びナットを断
熱被覆することを特徴とする断熱連結方法にある。
【0016】小開口は、ポリウレタン発泡体などのプラ
スチック発泡体を注入するのに用いる他に、連結ボルト
とナットとの締付操作を行うのに利用される。このよう
な方法によって構成される鉄骨製中空柱の断熱連結構造
は、従来鉄骨を通して、冷暖房の熱が外部に漏出してい
たのを大幅に防止でき、省エネルギーに貢献する。
【0017】
【発明の実施形態】図1〜3は、本発明に係る建物の一
実施態様を示すものであって、特に、一階を駐車場とし
て、利用する場合を示すものである。本願建物1は、重
量鉄骨によるラーメン構造をなす骨組を有し、該骨組を
平面方向から見た場合に、図2に示すように、4本の柱
2、2、…間を相互に連結する梁3、3、…と、これら
4本の柱から、梁3の延長方向に突出するように設けら
れた片持ち梁4、4、…とが、平面視形状が井桁状をな
している。
【0018】梁3の長さは、6メートル以下に押えるこ
とにより、それ以上のスパンを持つ梁に要求される梁せ
いよりも、一段と梁せいの小さい型鋼材を採用する事が
できる。これによって、梁鋼材の重量は、6メートル以
上のスパンを持つ鋼材を使用する場合に比べて、2〜3
割減となり、従って、骨組み工事費用は、加工賃も加え
て、2〜3割少なくて済む。柱の梁との接合及び上下階
の柱相互間は、継手部材(ダイヤフラム)5、5、…を
介して接合されている。但し、これは、柱を分割しない
で通し柱とし、梁の接合部にガゼットプレートを予め溶
接した後、建設現場でボルト接合したものでもよい。
【0019】一階の柱2a、2a、…の下端に固着する
ベースプレート16、16、…は、免震基礎17、1
7、…を介して、鉄筋コンクリート製のプレキャスト基
礎18、18、…上に、ボルトによって固定される。プ
レキャスト基礎18は、予め、工場内で、量産型を用い
て成形し、柱の立設工事に先立って、所定の場所に穴を
掘り、その底に捨てコンクリート若しくはモルタルを打
って平らにしたところへ載置して固定する。地盤の軟弱
度に応じて、先ず、鉄筋コンクリート製の補強盤(1
9)を置いてから、その上に、上記のプレキャスト基礎
17をモルタルを介して載置して固定してもよい。18
aは地中梁である。
【0020】免震基礎は、イソプレンゴム製のプレート
と金属プレートとを交互に重接した構造を持ち、独立基
礎18側と柱のベースプレート16側に、夫々別個のボ
ルトを介して接合する構成により、柱の横揺れを吸収す
るタイプの構造で、公知のものである。勿論、他の公知
の免震基礎も採用可能である。又、柱脚の固定構造とし
ては、上記免震構造の他に、従来のように、独立基礎上
に立設した柱脚相互間を、地中梁で連結して固定する方
法でもよい。一般に、免震基礎は高価で、その採用はコ
ストアップにつながるが、その場合、柱の数が少なくて
済む本願建物は、従来の建物に比して、コストアップも
少なくて済む。
【0021】片持ち梁4は、図3に示すように、一階の
柱2a(下の階の柱)と二階の柱2b(その上の階の
柱)とを連結するダイヤフラム5の側面に、ピン接合さ
れている。このピン接合は、ダイヤフラム側面に、板厚
分だけ間隔を空けて対設した軸受片11間に、片持ち梁
4の基端に設けた嵌入片12を嵌入させ、両者に設けら
れている透孔にピン13を貫通させることにより、ダイ
ヤフラム5の側面に、揺動自在に支持された構造を有し
ている。柱2aとダイヤフラム5とは、加工段階で一体
溶接されるので、ダイヤフラム5は、実質的には、柱2
aの先端部となっている。柱2aの輸送時には、片持ち
梁4と柱2aとは、平行の状態にして運搬する。
【0022】組み立て時には、片持ち梁4が柱2aと直
角になったとき、嵌入片12に設けた当接部12aが、
ダイヤフラム下端縁5aに当接するように、当接部12
aを設けてあるので、これにより、片持ち梁4を水平位
置4’に支持し、柱2aに上端が枢支(22)されてい
る固定手段としての支持部材21の下端を、上方に回動
し、片持ち梁4の下側に突設されている一対の軸受片4
a間に嵌入して、ピン孔4b、21aを通して固定ピン
16を挿通して固定する。支持部材21は、例えば、図
4に示すように、樋状をなす型鋼材の両端に、ピン挿通
孔21aを開口したものなどである。
【0023】片持ち梁4の回動構造は、輸送時における
便宜を考慮したものであるから、片持ち梁4は、梁3と
同様に、建設現場において、ダイヤフラム5へ高張力ボ
ルトによって接合してもよいし、或いは、工場加工段階
で、柱5に溶接して一体化しておいてもよい。これらの
方法は、片持ち梁の長さに応じて、適宜都合のよいもの
が、採用される。
【0024】柱2aと、その上階の柱2bとの接合構造
は、断熱接合されている。図3において、ダイヤフラム
5の上面板5aに、クロロプレンゴム製の断熱プレート
7を介して、二階の柱2bの基部に溶接一体化した固定
板6がを重接している。ダイヤフラム5の中心を上下方
向に、連結ボルト9が貫通しており、該連結ボルトの下
端9aは、ダイヤフラム5の下面板5cに溶接固定され
ている。連結ボルトの上端9bは、前記断熱プレート7
及び固定板6の中央部に、夫々予め設けてあるボルト孔
(共に図示せず)を貫通して固定板6の上面に突出して
いる。これに、ダブルナット10が、螺着して、ダイヤ
フラム5と柱2bとが、締付固定されている。
【0025】締付固定作業は、柱2bの基部側面に予め
設けておいた小開口6aから、スパナ等の先端を挿入し
て締付固定する。したがって、柱2bは、大径の連結ボ
ルト9のみによって、固定されている。次いで、開口6
aから、発泡状態にあるポリウレタン樹脂を注入して、
ボルトやナットの回りを発泡ポリウレタン樹脂で被覆し
固化させると共に小開口6aを閉ざせば、上下の柱2
a,bの断熱接合構造は完成する。
【0026】このようにして形成された骨組みに取り付
ける外壁や仕切壁は、プラスチック発泡板と木材チップ
の集成板とを交互に重層化した長尺の断熱パネル材で包
むことにより、又浴槽や台所等の水回りは、プラスチッ
ク成形によって作られたバス、トイレ、台所ユニット等
を取り付けるようにすれば、工期は、著しく短縮され、
且つ、コストも大幅に削減される。例えば、各階の面積
が、約50m2の3階建で、1階を駐車スペースとして
利用する場合、基礎の構築から完成まで、約20日で行
うことも可能である。Sは外づけの階段である。
【0027】本願建物Aを同一の仕様にユニット化し
て、建物Aと同じ仕様の建物Bを建物Aに増設する場合
を考えると、建物Aの増設側の2本の片持ち梁4、4の
先端に、増設建物Bの片持ち梁40、40の先端を突き
合わせて接合することにより、容易に増設を行うことが
できる。増設建物Bの柱を支える基礎と、既存建物Aの
基礎とは、片持ち梁の2倍の距離を隔てているので、既
存建物Aの基礎が、増設建物Bの基礎の設置に邪魔にな
る事がなく、既存建物と同様の仕様で、基礎を構築し、
増築する事ができる。増設一体化後の建物の柱の総数
も、8本で済む。
【0028】一方、従来仕様の建物Yの場合には、梁と
して用いる鋼材を同一仕様(同一の梁せい)のものとす
れば、柱52、…の数自体が、少なくとも、2倍の8本
は必要であり、この建物Yに新たな同面積の建物Zを、
増築する場合、柱52は同様に2倍必要になる。さら
に、増築建物Zと既存建物Yとの境界部における、柱5
2a、…を支えるべき基礎は、柱52aを中心で支承す
るように基礎を設けることは、既存の柱52の基礎が邪
魔をして、不可能である。したがって、図7に示すよう
に、柱52aを支承する基礎58は、柱52aを基礎5
8の端縁付近で支承する基礎(偏心基礎)とならざるを
得ない。
【0029】これは、柱52aが、基礎58に回転モー
メントを発生させるように、力を加えるので、これに耐
えるためには、独立基礎の数倍の面積をもつ基礎を構築
しなければならず、基礎工事の期間と構築コストとを著
しく増大させる結果を招く。この事情は、既存仕様の建
物Yを隣地との境界付近に建てる場合にも発生するもの
で、既存仕様の建物Yの柱は、隣地との境界線付近に立
設することになるために、これを支える基礎も、偏心基
礎とならざるを得ない。
【0030】これに対して、本願建物は、常に、柱の位
置が、建物外周面より、内側にあるので、上述のような
偏心基礎の採用を招くような事態が発生せず、又、柱と
これを支承すべき基礎の数は、共に、半分の数で済むの
で、工期やコストの面で極めて有利である上に、増築が
簡単に行える利点がある。
【0031】
【効果】本願建物は、柱間の梁の長さを6メートル以下
にすることにより、梁に要求される強度において、それ
以上の長さの梁を採用する場合に比して、一段と梁せい
の小さいもので済み、その梁の長さ制限を補うのもとし
て、片持ち梁構造を採用することにより、構築する建物
面積に対して、ラーメン構造体を成す柱の数が、少なく
て済み、全体として、安価で、工事期間が短い建物を提
供できる。特に、一階を、柱だけにして、駐車場などに
利用する形態では、柱が少ないので、極めて、有利であ
る。又、当然、柱を支える基礎の数も少なくて済むの
で、特に傾斜地等における基礎工事に伴って、地盤が荒
れて軟弱化するのを大幅に防止できる効果がある。
【0032】例えば、図8及び9に示すように、平面が
80m2 の広さの本願建物Cと従来構造の建物Dとを比
較する。今、建物Dの6基の基礎61、61、…の接地
面積が、夫々1m2であるとすれば、その全接地面積
は、6m2であり、これと同じ接地面積を4基の基礎7
1、…で受け持つ本願建物Cの1基の基礎71の接地面
積は、1.5m2で、その一辺の長さは、約1.22mと
なる。このような条件で、建物骨組み形成の際のコスト
発生要因の一部を表1に示す。尚、図8及び9におい
て、70と60は共に建物外郭平面形状、72、62は
地中梁、73、63は柱を、夫々示す。
【0033】
【表1】 ──────────────────────────────────── 建物 地中梁長さ 基礎の数 基礎構築に必要な 基礎構築に必要な (m) (基) 形枠周囲の長さ(m) 作業面積(m2) ──────────────────────────────────── C 20 4 19.6 19.7 ──────────────────────────────────── D 44 6 24 24 ────────────────────────────────────
【0034】尚、表1において、作業面積は、基礎を構
築する際に地面を掘り下げる根伐(ねぼり)作業と埋め
戻し作業を行うべき面積で、基礎の占有面積とその回り
に必要な幅50cmの作業領域とをあわせた面積であ
る。表1から明らかなように、本願建物Cは、建物Dに
比して、必要な地中梁の長さが、1/2以下であり、基
礎の数も2/3で済み、それに伴う作業量も2割減で済
む。更に、建物Cの梁は、建物Dの梁に比べて、単位長
の重量が、2〜3割減の鋼材で済むことから、およそ1
00m2程度の本願建物の骨格形成に伴うコストは、従
来構造の建物を構築するコストのおよそ70%程度で済
み、大幅なコストダウンを実現することができる。
【0035】柱の数が少ないことは、建物1階を駐車場
などに利用する場合に、障害物が少なくて、極めて有利
であり、狭い敷地を有効に活用できる効果がある。又、
各階の柱は、断熱接合されているので、たとえ、一階が
駐車場として、外気に露出していても、その影響が、柱
を通して二階に及ぶことが、大幅に防止できる。したが
って、床面、天井面、側壁面等に施される断熱材の効果
が、十分に発揮され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る建物の鉄骨構造体を側面から見
た説明図である。
【図2】図1の鉄骨構造体を平面方向から見た説明図で
ある。
【図3】図1の建物の柱の断熱接合構造の一例を示す説
明図である。
【図4】図3の支持部材21の構成を示す説明図であ
る。
【図5】本願建物をユニット化して増築した場合の骨組
みを、平面方向から見た説明図である。
【図6】図5の建物と同一規模の従来構造の建物を増築
した場合の骨組みを示す説明図である。
【図7】図7の柱52aを支持する偏心基礎の一例を示
す説明図である。
【図8】平面投影面積が80m2の本願建物の基礎の配
置を示す説明図である。
【図9】図8と同面積の従来建物の基礎の配置を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 建物 2 柱 3 梁 4 片持ち梁 5 継手部材 6 固定板 7 断熱プレート 9 連結ボルト 11 軸受片 13 ピン 17 免震部材 18 プレキャスト基礎 21 支持部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面視骨組み形状が井桁状をなす梁の交差
    部に4本の柱を有する鉄骨ラーメン構造の構造体を備
    え、前記柱間に挟まれた梁の長さは、6m以下であるこ
    とを特徴とする建物。
  2. 【請求項2】平面視骨組み形状が井桁状をなす梁の交差
    部に4本の柱を有する鉄骨ラーメン構造の構造体を備
    え、前記柱間に挟まれた梁の長さは、6m以下であり、
    1階の柱の基部は、免震部材を介して鉄筋コンクリート
    製基礎に接合しており、各階の柱の上端に固着するダイ
    ヤフラムは、断熱部材を介して上階の柱の基部に接合し
    ていることを特徴とする建物。
  3. 【請求項3】断熱部材がゴム板であり、ダイヤフラム上
    面から突出する連結ボルトが前記ゴム板と上階の柱の基
    部に設けた固定板とを貫通してナット締め固定されてい
    る請求項2の建物。
  4. 【請求項4】片持ち梁が、柱か、若しくは、柱先端に固
    着する継手部材(ダイヤフラム)に、回動可能に枢支さ
    れており、柱側、及び/又は、片持ち梁側に設けた固定
    手段により、90度に固定されるように構成されている
    請求項1〜3の何れかに記載の建物。
  5. 【請求項5】平面視骨組み形状が井桁状をなす梁の交差
    部に4本の柱を有する鉄骨ラーメン構造の構造体を備
    え、前記柱間に挟まれた梁の長さは、6m以下であり、
    井桁状に柱から突出する片持ち梁の突端同士を、直接接
    合するか若しくは梁を介して接合することにより、前記
    ユニット化された建物の複数を合体させることを特徴と
    する建物の建築方法。
  6. 【請求項6】鉄骨製中空柱の上端に固着するダイヤフラ
    ムの上面に、断熱性ゴム板又はプラスチック板を介し
    て、上階の鉄骨製中空柱の基部に設けた固定板を当接
    し、前記ダイヤフラムと固定板とを連結ボルトで締付固
    定することを特徴とする柱の断熱連結方法。。
  7. 【請求項7】鉄骨製中空柱の上端に固着するダイヤフラ
    ムの上面に、断熱性ゴム板を介して、上階の鉄骨製中空
    柱の基部に設けた固定板を当接し、前記ダイヤフラム上
    に突出して設けた連結ボルトで前記ゴム板と固定板とを
    貫通してナットにより締付固定した後、上階の中空柱の
    基部に設けられた小開口からプラスチック発泡体を注入
    して連結ボルト及びナットを断熱被覆することを特徴と
    する請求項6の断熱連結方法。
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Cited By (6)

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