JP3747206B2 - ユニット構造物ならびにその組立方法および解体方法 - Google Patents

ユニット構造物ならびにその組立方法および解体方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に店舗などに好適に用いられるユニット構造物ならびにその組立方法および解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅,店舗,倉庫など、土地に半永久的に固着される本設建物は、従来の工法によっては、移設または再利用はほぼ不可能である。そのため、旧来の建物を取り壊して新たな建物を建設する際には、多量の建設廃棄物が生じ、その処理コストが建設コストのかなりの割合を占めている。さらに、平成14年5月30日から「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」が施行されるなど、建設廃棄物の低減は、社会的にも大きな課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、コンビニエンスストア(以下、「コンビニ」という),ファーストフード店舗組織など(以下、コンビニとファーストフード店舗組織などとを合わせて「コンビニ等」という)が発展している。コンビニ等の店舗は、本設建物ではあるが、通常の住宅やビルディング等と異なって、不採算店舗はわずか数年程度で閉鎖されたり、別の土地に移転されたりする。このため、閉店または移転の度に多額の建設廃棄物処理費用等の支出を余儀なくされており、工期短縮およびコスト低減が強く求められている。
【0004】
そこで、以前から工事現場等において実用化されている仮設建物、所謂ユニットハウスが注目されている。ユニットハウスは、撤去を前提としているので、組立ての簡易さ、工期の短さ、低コスト化などを追求した構成となっており、移設や再利用も比較的容易である。従来の折畳み式ユニットハウスは、例えば、床体の上に柱体を折り畳んだ状態で現場に搬入し、柱体を起立させて屋根を載置し、側壁を取り付けることによって形成される(例えば、特開2002−38595公報)。
【0005】
しかしながら、このような従来の折畳み式ユニットハウスでは、床体の広さとユニットハウスの広さとは同じになっているので、ユニットハウスの広さに合わせて種々のサイズの床体を用意する必要が生じるなど、ユニットハウスの規模の自由度が低い。
【0006】
近年では、基本となるユニットを複数連結することによって大規模化または複数階建てを可能にした工法も開発されている。しかしながら、この工法でも、各ユニットのフレームの寸法は固定されてしまっており、発展性に乏しい。
【0007】
さらに、従来のユニットハウスでは、解体および移設が可能なのは上屋部分などの一部に限られる。例えば、従来では、現地で土壌を掘削し、型枠および鉄筋を用いてコンクリート流し込みを行って基礎を形成し、その後、鉄筋を敷いてコンクリート流し込みを行って土間を形成しているが、このような基礎や土間は移設も再利用もできない。また、上屋部分においても、例えば壁パネルの継ぎ目のシーリング材料などは廃材とする以外なかった。
【0008】
このようなことから、従来のユニットハウスをコンビニ等の店舗に適用しても、実質的なコスト削減は困難であった。例えば、閉店したコンビニ等の店舗を他の有望な土地へ移設して出店しようとしても、ユニットハウスの寸法が固定されてしまっているので、元のコンビニ等の店舗のサイズが移転先の土地の形状に合わないと移設はできない。また、建設廃棄物がそれほど減らず、再利用しても十分なコスト低減効果を得られない。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、構造上の自由度が高く、解体および移設が容易で廃棄物を少なくすることができるようにしたユニット構造物ならびにその組立方法および解体方法を提供することにある。
【0014】
本発明によるユニット構造物は、少なくとも一本の柱およびこの柱に交叉する方向に張出す張出し部をそれぞれ有する一対の第1フレームが梁方向に対向配置され、前記一対の第1フレームの間に第2フレームが掛け渡された構成を有し、桁方向に間隔をおいて配設される複数の基本ユニットフレームと、この複数の基本ユニットフレームの間に掛け渡される第3フレームを有し、複数の基本ユニットフレームを桁方向に連結する結合ユニットフレームとを有するものである。
【0015】
本発明によるユニット構造物では、結合ユニットフレームは、第3フレームを複数の基本ユニットフレームの間から取り外すことによって解体可能であると共に、複数の基本ユニットフレームは、一対の第1フレームおよび第2フレームに解体可能であり、解体された一対の第1フレームおよび第2フレームは、再び組立てて複数の基本ユニットフレームを構成可能であると共に、解体された第3フレームは、再び複数の基本ユニットフレームの間に配設可能であることが好ましい。
【0018】
本発明によるユニット構造物は、さらに、間隔をあけて配置された複数の独立基礎と、複数の鋼材が組み合わせられた地中梁とを有する基礎を備えることができる。これにより、独立基礎および鋼材を一般的な材料を用いて工場製品化することができ、基礎の汎用性が高くなると共に均一性および精度が向上し、工期が短縮され、廃材も抑制される。また、建設廃棄物をほとんど出さずに独立基礎および鋼材の再利用が可能であり、追加・交換などにより規模の拡大または縮小も自在である。さらに、複数の独立基礎のうち少なくとも一つと地中梁との間にレベル調整部材を備えるようにすれば、基礎の組立てと共に水平レベルあるいは対角歪などの調整を行うことができるので好ましい。
【0019】
本発明によるユニット構造物は、加えて、規格化された複数の床面材を嵌め合わせてなり、複数の基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームの下面を構成する床を備えるようにしてもよい。これにより、複数の床面材を工場2次製品化することができ、現場では複数の床面材を搬入して嵌め合わせるだけでよく、作業が簡単で廃材も少なく、工期が短縮される。また、基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームならびに基礎だけでなく、床も再利用でき、建設廃棄物をいっそう低減できる。
【0020】
また、床は、T鋼と、このT鋼の縦棒に相当する部材の少なくとも2箇所にそれぞれ一対ずつ設けられた羽足とを有すると共に複数の床面材の境界に沿って複数の床用面材と地面との間に配設される支持鋼材を備えるようにしてもよい。羽足の傾き具合を地面の起伏に応じて調整することによって、床の水平を出すことが容易となると共に、支持鋼材の再利用も可能となる。
【0021】
さらに、複数の床面材の地面側に配設された床側プラスチックフィルムと、地面を覆うように配設された地面側プラスチックフィルムと、床側プラスチックフィルムと地面側プラスチックフィルムとの間に充填された発泡材とを備えることが好ましい。床面材および室内の家具などによる荷重を、発泡材および地面によって支持することができるので、床面材が凹むのを防止することができる。
【0022】
本発明によるユニット構造物は、また、規格化された複数の壁用面材を嵌め合わせてなり、複数の基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームの側面を構成する壁を備えるようにすることができる。これにより、複数の壁用面材を工場2次製品化することができ、現場で行うのは搬入および嵌め合わせだけでよく、作業が簡単で廃材も少なく、工期が短縮される。また、壁用面材を再利用することができ、建設廃棄物が更に低減される。
【0023】
本発明によるユニット構造物は、規格化された複数の屋根下地用面材と、この複数の屋根下地用面材を被覆する屋根用プラスチックフィルムとを有し、複数の基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームの天面を構成する屋根を備えることができる。複数の屋根下地用面材を工場2次製品化することができ、現場での作業が簡単になり、廃材も少なく、工期が短縮される。また、屋根下地用面材は屋根用プラスチックフィルムで被覆されるので、シーリング処理などが不要となり、工期が更に短縮される。また、屋根下地用面材を再利用することができるので、建設廃棄物の量がいっそう抑制される。
【0024】
また、屋根用プラスチックフィルムは、複数の基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームを解体する際に、所定の切断位置で切断することによって複数の屋根下地用面材のそれぞれに付属した状態に解体可能であると共に、解体された一対の第1フレーム,第2フレームおよび第3フレームを再び組立てる際に、複数の屋根下地用面材のそれぞれに付属した屋根用プラスチックフィルムを残存させたままで、少なくとも切断位置を上張り用プラスチックフィルムで覆うことによって複数の屋根下地用面材を再び被覆可能であるようにすることができる。これにより、建設廃棄物が低減されると共に、屋根下地用面材の解体が簡単になり、再利用が促進される。
【0025】
本発明によるユニット構造物は、規格化された複数の天井用面材を嵌め合わせてなり、複数の基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームの天井面を構成する天井を備えることができる。これにより、複数の天井用面材を工場2次製品化することができ、現場では搬入して嵌め合わせるだけでよく、天井の施工が簡単になると共に廃材も少なく、工期が短縮される。また、天井用面材を再利用することができ、建設廃棄物を減らすことができる。
【0026】
本発明によるユニット構造物の組立方法は、少なくとも一本の柱およびこの柱に交叉する方向に張出す張出し部をそれぞれ有する一対の第1フレームを梁方向に対向配置し、一対の第1フレームの間に第2フレームを掛け渡してなる複数の基本ユニットフレームを、桁方向に間隔をおいて配設する工程と、複数の基本ユニットフレームの間に第3フレームを掛け渡してなる結合ユニットフレームにより、複数の基本ユニットフレームを桁方向に連結する工程とを含むものである。
【0027】
本発明によるユニット構造物の解体方法は、一対の第1フレームが梁方向に対向配置され、前記一対の第1フレームの間に第2フレームが掛け渡された構成を有し、桁方向に間隔をおいて配設される複数の基本ユニットフレームと、この複数の基本ユニットフレームの間に掛け渡される第3フレームを有し、複数の基本ユニットフレームを桁方向に連結する結合ユニットフレームとを有するユニット構造物を解体するためのものであって、第3フレームを複数の基本ユニットフレームの間から取り外すことによって結合ユニットフレームを解体する工程と、複数の基本ユニットフレームを、一対の第1フレームおよび第2フレームに解体する工程とを含むものである。
【0028】
本発明によるユニット構造物の組立方法および解体方法によれば、部材を再利用しながら、建設廃棄物を出さずに何度でも解体および組立てを繰り返すことができると共に、組立ての際には構造を自由に変更することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図2は、本発明の一実施の形態に係るユニット構造物の外観を概略的に表すものであり、図1は、図2に示したユニット構造物の骨組みを表すものである。ユニット構造物10は、例えば、平屋構造であって、コンビニ等の店舗として用いられる。このユニット構造物10は、複数の基本ユニットフレーム20を一方向、すなわち桁方向Kに、間隔DKをおいて配置し、これらの基本ユニットフレーム20を、結合ユニットフレーム30によって桁方向Kに連結したものである。
【0031】
なお、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30は、土地の形状が許す限り、桁方向Kにおいて無限に連結可能であるが、図1および図2では、三つの基本ユニットフレーム20と、これらをつなぐ二つの結合ユニットフレーム30からなる場合を表している。また、図2では、入口,窓,看板などの外装ならびに内装は省略している。
【0032】
基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30は、地面Gに埋め込まれた基礎40によって支持されている。また、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の下面には、床50が設けられている。基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の側面には、壁70が設けられ、天面の室外側には、屋根80が配設されている。
【0033】
基本ユニットフレーム20は、一対の第1フレーム21を有している。第1フレーム21は、張出し部21B(図3参照)どうしを突き合わせた状態で梁方向Hに対向配置されており、張出し部21Bの間には、第2フレーム22が掛け渡されている。第1フレーム21および第2フレーム22は、寸法および材質など所定の規格に則って形成された規格化された部材である。これにより、第1フレーム21および第2フレーム22を工場2次製品化することが容易になり、現場ではこれらを搬入して組立てるだけでよく、工期が短縮される。
【0034】
基本ユニットフレーム20の梁方向Hにおける寸法、すなわち一対の第1フレーム21の梁方向Hにおける間隔DH(向かい合う柱21Aどうしの距離)は、設置場所に応じて決定されることが好ましい。土地の形状または注文者の希望などによって間隔DHを自由に任意の値に設定することができ、構造上の自由度を高めることができると共に、再利用の際の利便性を向上させることができるからである。ただし、第2フレーム22の長さは、間隔DHによって規定されることになるので、間隔DHを完全に任意の値とすると、第2フレーム22を工場製品化する上で不便になる。したがって、例えば、間隔DHを4m,6mおよび8mの3種類、あるいは6m,8mおよび10mの3種類とし、これに応じて長さの異なる3種類の第2フレーム22を用意しておくようにすることができる。ただし、間隔DHは3種類に限られるものではない。
【0035】
結合ユニットフレーム30は、基本ユニットフレーム20の間に掛け渡される二つの第3フレーム31を有し、基本ユニットフレーム20を桁方向Kに連結するものである。第3フレーム31は、第1フレーム21および第2フレーム22と同様に、寸法および材質など所定の規格に則って形成された規格化された部材であり、容易に工場2次製品化することができ、施工が簡単で工期短縮が可能となっている。
【0036】
基本ユニットフレーム20の桁方向Kにおける間隔DKは、間隔DHと同様の理由により、設置場所に応じて決定されることが好ましい。この間隔DKは、第1フレーム21および第3フレーム31の強度が許す限り伸ばすことができ、間隔DH,DKを変えることによってユニット構造物10の規模を自在に設定することができる。ただし、第3フレーム31の寸法は、間隔DKによって規定されることになるので、間隔DKを完全に任意の値とすると、第3フレーム31を工場製品化する上で不便になる。したがって、例えば、間隔DKを2000mm以上6000mm以下の範囲とし、この範囲で寸法の異なる5種類ないし10種類の第3フレーム31を用意しておくようにすることができる。ただし、第3フレーム31の種類は、5種類より少なくてもよいし、10種類より多くてもよい。
【0037】
一方、基本ユニットフレーム20の桁方向Kにおける寸法、すなわち第1フレーム21および第2フレーム22の桁方向Kにおける寸法WKは、固定されている。この寸法WKは、間隔DKを設置場所に応じて任意に設定可能であるので固定しておいてもよく、また、寸法WKを設置場所に応じて変更できるとすると、第1フレーム21および第2フレーム22の規格化に不便であるからである。本実施の形態では、寸法WKは、例えば、トラックの荷台幅を基準として設定されており、例えば2000mm以上2500mm以下の範囲で適宜の値に設定されている。
【0038】
図3は、第1フレーム21の概略構成を表している。第1フレーム21は、例えば、二本の柱21Aと、これらの柱21Aを連結すると共にこれらの柱21Aに交叉する方向に張出す張出し部21Bを有している。張出し部21Bの室外側には、後述の屋根下地用パネル81が、工場製作段階で予め配設されており、現場での作業を簡略化し、工期を短縮することができるようになっている。
【0039】
柱21Aは、例えばスチール鋼により構成され、寸法は例えば150mm×150mm、高さは例えば3500mmである。柱21Aの底部には、それぞれ、後述の基礎40に取り付けるためのベースプレート21Cが取り付けられている。ベースプレート21Cの寸法は、例えば400mm×400mmである。また、柱21Aは、それらの底部においてスチール鋼21Dで連結されている。なお、向かい合う第1フレーム21の柱21Aの高さは、屋根80に水勾配をつけるため、適当な差を付けるようにしてもよい。この場合、張出し部21Bは、柱21Aに対して直交する方向ではなく、柱21Aに対してやや傾くように交叉する方向に張出すようにすることができる。
【0040】
図4は、屋根下地用パネル81を取り外した状態の第1フレーム21を表している。張出し部21Bは、例えばスチール鋼により構成され、二本の柱21Aをそれらの頂部において連結するH鋼21Eと、柱21Aのそれぞれの頂部に一端が接合された二本のH鋼21Fとを有している。これらのH鋼21E,21Fは、I字状の姿勢で用いられ、ユニット構造物10の梁を構成している。H鋼21E,21Fは、例えば別の鋼材21Gおよびブレース21Hによって補強されている。なお、鋼材21Gおよびブレース21Hの構成は、図4に示した例には限られない。
【0041】
図5は、第2フレーム22の概略構成を表している。第2フレーム22は、例えば、二本のH鋼22Aを有している。これらのH鋼22Aは、第1フレーム21の張出し部21BのH鋼21Fに接続されるものである。
【0042】
第2フレーム22の室外側には、第1フレーム21の張出し部21Bと同様に、屋根下地用パネル81が工場製作段階で予め配設されていてもよい。ただし、その場合、第2フレーム22のH鋼22Aの両端には、工場製作段階では屋根下地パネル81を配設せず、開口22Bを設けておき、現場で第1フレーム21との接合作業が終了した後に、別途用意した屋根下地パネル81を開口22Bに配設することが好ましい。
【0043】
図6は、屋根下地パネル81を取り外した状態の第2フレーム22を表している。第2フレーム22は、屋根下地用パネル81を除いて、例えばスチール鋼により構成されており、二本のH鋼22Aが鋼材22Cによって連結され、ブレース22Dによって補強されている。H鋼22Aは、I字状の姿勢で用いられ、ユニット構造物10の梁を構成する。なお、鋼材22Cおよびブレース22Dの構成は図6に示した例には限られない。
【0044】
図7は、第3フレーム31の概略構成を表すものである。第3フレーム31は、例えば、三本のH鋼31Aを有している。第3フレーム31の室外側には、第1フレーム21の張出し部21Bと同様に、屋根下地用パネル81が工場製作段階で予め配設されていてもよい。
【0045】
図8は、屋根下地用パネル81を取り外した状態の第3フレーム31を表している。三本のH鋼31Aは、別の鋼材31Bで連結され、ブレース31Cで補強されている。H鋼31Aは、I字状の姿勢で用いられ、ユニット構造物10の梁を構成する。なお、鋼材31Bおよびブレース31Cの構成は、図8に示した例に限られない。
【0046】
第3フレーム31は、輸送および取扱い等の便宜のため、折り畳み可能としてもよい。図9は、第3フレーム31の折畳み状態の一例を表し、図10は、第3フレーム31の折畳み方法の一例を表すものである。第3フレーム31を折り畳み可能とするには、例えば三本のうち中央のI形梁31Aに、例えば蝶番によって構成されたヒンジ31Dを設けておくようにすることができる。なお、図9および図10では、第3フレーム31は二面構成となっているが、例えば屏風のような複数面の構成とすることも可能である。
【0047】
結合ユニットフレーム30は、第3フレーム31を基本ユニットフレーム20の間から取り外すことによって解体可能となっており、基本ユニットフレーム20は、それぞれ第1フレーム21および第2フレーム22に解体可能となっている。さらに、解体された第1フレーム21および第2フレーム22は、再び組立てて基本ユニットフレーム20を構成可能であり、解体された第3フレーム31は、再び基本ユニットフレーム20の間に配設可能である。すなわち、第1フレーム21と第2フレーム22との連結は、例えば、第1フレーム21の張出し部21BのH鋼21Fと、第2フレーム22のH鋼22Aとを、ボルト接合することによって行われ、第3フレーム31は、例えば、両端に位置するH鋼31Aのうちいずれかと、第1フレーム21のH鋼21Eとを、ボルト接合することによって行われる。よって、第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31は、建設廃棄物をほとんど出さずに再利用が可能である。加えて、解体および移設だけでなく、増設や縮小も自在であり、移転先の土地の形状に合わせて必要なだけ再利用することができる。例えば移転先の土地が狭ければ、解体された第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31のうち必要なものだけを再利用して残りは別の土地で再利用することができる。移転先の土地が広ければ、必要に応じてさらに第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31を追加・交換して大規模な建築物を構成することも可能である。
【0048】
図11は、図1に示した基礎40の全体構成を表し、図12は、基礎40の一部を拡大して表している。基礎40は、例えば、地面Gに掘削された溝41の中に形成されており、間隔をあけて配置された複数の独立基礎42と、複数の鋼材43,44,45が組み合わせられた地中梁46とを有している。独立基礎42は、例えば鉄筋コンクリートにより構成され、鋼材43,44,45は、一般的な材料であるH鋼を用いており、いずれも工場製品化が可能となっている。これにより、基礎40は、汎用性を有し、製品の均一性および精度が高いと共に、工期短縮および廃材抑制にも優れた効果を上げることができるようになっている。
【0049】
独立基礎42には、例えば、鋼材43,44が地面Gに対して水平な状態で埋め込まれて一体化されている。ユニット構造物10の隅の位置に置かれる独立基礎42では、平面形状がL字形の鋼材43が埋め込まれ、それ以外の独立基礎42では、平面形状が直線状の鋼材44が埋め込まれている。地中梁46は、鋼材45が、独立基礎42に埋め込まれた鋼材43,44を介して枠状に連結されることにより構成されている。鋼材43,44と鋼材45とは、例えば接合板45Aを用いてボルト接合により連結されている。接合板45Aは、一般的な接合板を用いることができる。
【0050】
基礎40は、鋼材45を鋼材43,44から取り外すことによって鋼材45と独立基礎42とに解体可能である。また、解体された鋼材45と独立基礎42の鋼材43,44とを連結して再び組立て可能である。したがって、基礎40は、現場でコンクリート打設する従来の基礎と異なり、鋼材45のボルト接合あるいは取り外しのみで、建設廃棄物をほとんど出さずに解体して再利用することができる。加えて、独立基礎42または鋼材45を追加・交換すれば、規模の拡大または縮小も自在である。
【0051】
図13および図14は、平面形状が直線状の鋼材44を有する独立基礎42の概略構成を表し、図15および図16は、平面形状がL字形の鋼材43を有する独立基礎42の概略構成を表している。独立基礎42は、例えば、第1フレーム21の柱21Aの根元に配設されるものであり、施工簡略化および強度向上のため、第1フレーム21の柱21Aのベースプレート21Cを取り付けるためのアンカーボルト42Aが埋め込まれている。アンカーボルト42Aの上端部は、独立基礎42の天面42Bに突出している。独立基礎42の主な寸法は、上部42Cが、例えば400mm×400mm、高さは例えば400mm、下部42Dが、例えば800mm×800mm、高さは例えば200mmである。
【0052】
鋼材43,44は、地面に対して水平な状態で、独立基礎42の上部42CにI字状の姿勢で埋め込まれており、端部43A,44Aが露出している。鋼材43,44のI字の上端に相当する部材43B,44Bと、独立基礎42の天面42Cとが面一となっている。I字の下端に相当する部材43C,44Cには、鋼材45とのレベル合わせを容易にするための接合板43D,44Dが取り付けられている。
【0053】
図17は、鋼材45の一例を表している。鋼材45は、第3フレーム31と同様に、間隔DKを2000mm以上6000mm以下の範囲とし、この範囲で寸法の異なる5種類ないし10種類のものを用意しておくようにすることができる。ただし、鋼材45の種類は、5種類より少なくてもよいし、10種類より多くてもよい。
【0054】
図18は、床50の配設状態を表し、図19は、床50の桁方向Kに沿った一部断面を表している。床50は、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bを敷き詰めてなり、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の下面を構成している。基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bは、寸法および材質など所定の規格に則って形成された規格化された部材である。これにより、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bを工場2次製品化することが可能となっており、現場ではこれらを搬入して組立てるだけでよくなる。したがって、従来のような現場でのコンクリート打ち込みは不要であり、作業が容易で、工期を短縮することができる。
【0055】
また、床50は、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bを個々に外して解体可能である。また、解体された基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bを再び嵌め合わせて組立可能である。すなわち、基本ユニット用床パネル51Aと結合ユニット用床パネル51Bとは、例えば相じゃくりによって接ぎ合わされ、敷き詰められている。よって、現場でコンクリート打ち込みを行っていた従来の床とは異なり、床50も解体および再利用でき、建設廃棄物をいっそう低減することができる。
【0056】
基本ユニット用床パネル51Aの長さ(働き寸)は、例えば、第1フレーム21および第2フレーム22の桁方向Kにおける寸法WKに等しくなっている。また、結合ユニット用床パネル51Bの長さ(働き寸)は、例えば、基本ユニットフレーム20の桁方向Kにおける間隔DKに等しくなっている。ただし、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bの長さは、互いに等しくしてもよいし、また、基本ユニットフレーム20または結合ユニットフレーム30の寸法とは無関係に定めてもよい。ただし、この場合、ユニット構造物10の全体寸法に合うように調整用の床パネルを用意しておくことが好ましい。
【0057】
基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用パネル51Bの幅(働き寸)は、例えば、互いに等しく、第1フレーム21の梁方向Hにおける間隔DHに応じて適宜に設定することができる。
【0058】
床50の基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bは、支持鋼材52によって支持されている。この支持鋼材52は、例えば、基礎40のための溝41を掘削する際に基本ユニット用床パネル51Aと結合ユニット用床パネル51Bとの境界に沿って浅く掘られた溝53の中に並べられているだけであり、床50を解体する際に溝53から取り出して、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bと地面との間から取り外し可能である。また、解体された基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bを再び嵌め合わせる際に、再び溝53に並べて、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bと地面との間に配設可能となっている。よって、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bだけでなく、支持鋼材52も合わせて床50の全体を再利用することができ、建設廃棄物を更に低減することができる。
【0059】
溝53の掘削位置は、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bの寸法に応じて定めることができる。また、支持鋼材52の本数は、第1フレーム21の梁方向Hにおける間隔DHに応じて、適宜、例えば2本とすることができる。
【0060】
図20は、支持鋼材52の全体構成を表し、図21は、図20の点線で囲まれた一部52Eを拡大して表すものである。支持鋼材52は、例えば、T鋼52Aにより構成されており、T鋼52Aの縦棒に相当する部材52Bの数箇所、図20では例えば6箇所に、各個所につき一対の羽足52Cが設けられている。羽足52Cは、寸法が例えば5cm×10cm、厚さが例えば1.6mmの帯状の金属薄板からなり、部材52Bを両側から挟むように取り付けられている。
【0061】
図22は、羽足52Cの機能を表している。複数の溝53に並べられた支持鋼材52の羽足52Cは、それぞれの溝53の地面の凹凸に応じて、プライヤー等を用いて曲げられている。これにより、水平Lを容易に出すことができ、基本ユニット用床パネル51Aと結合ユニット用床パネル51Bとの段差が生じるのを防止することができる。なお、羽足52Cを曲げた後は、図19に示したように、モルタル52Dによって固定するが、このモルタル52Dは、羽足52Cの周辺のみに詰めれば足りる。また、羽足52Cは、部材52Bの少なくとも2箇所、すなわち長手方向両端に設けられていればよいが、必要に応じて、より多くの箇所に設けることができる。
【0062】
図19に戻ると、基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bの地面側には、床側プラスチックフィルム54が配設されている。床側プラスチックフィルム54は、例えばポリエチレンシートにより構成されており、例えば両面テープなどの接着材によって基本ユニット用床パネル51Aおよび結合ユニット用床パネル51Bに貼着されている。一方、床50と支持鋼材52との間には、地面および支持鋼材52を覆うように地面側プラスチックフィルム55が敷かれている。この地面側プラスチックフィルム55は、例えばポリエチレンシートにより構成されている。
【0063】
床側プラスチックフィルム54と地面側プラスチックフィルム55との間には、例えば4cmないし7cm程度の隙間があり、この隙間に、例えば硬質ウレタンなどの発泡材56が充填されている。硬質ウレタンは、イソシアネートとポリオールとの化学反応によって液状の状態から数分かけて発泡し固まるものである。この発泡材56によって、床50および室内の家具などによる荷重を、支持鋼材52または基礎40で支える必要がなくなり、地面耐力によって支えることができる。したがって、基本ユニット用床パネル51Aまたは結合ユニット用床パネル51Bの撓みまたは凹みなどを防止することができる。また、発泡材56は、床側プラスチックフィルム54と地面側プラスチックフィルム55との間に挟まれているので、発泡材56が、硬質ウレタンの自己接着性によって基本ユニット用床パネル51A,結合ユニット用床パネル51Bまたは地面Gなどに接着してしまうのを防ぐことができ、剥離が容易で解体しやすくなると共に、再利用時に発泡材56に砂利や埃などが混入するのを防ぐことができる。さらに、硬質ウレタンは断熱性材料であるので、発泡材56を設けることによってユニット構造物10の床下断熱が可能となる。
【0064】
図2に戻ると、壁70は、複数の壁用パネル71A,71Bを嵌め合わせてなるものであり、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の側面を構成するものである。壁用パネル71A,71Bは、寸法および材質など所定の規格に則って形成された規格化された部材である。これにより、壁用パネル71A,71Bを工場2次製品化することが可能となっており、現場ではこれらを搬入して嵌め合わせるだけでよくなる。したがって、このような壁用パネル71A,71Bを嵌め合わせた壁70は、既製品のサイディング等を現場で貼り付ける従来の壁とは異なって、施工が簡単で、廃材も出ない。
【0065】
壁用パネル71Aは、ユニット構造物10の高さにほぼ等しい高さを有し、短い壁用パネル71Bは、入口または窓などを取り付けるためユニット構造物10の側面上方のみを覆う。なお、入口または窓などを取り付ける位置は、ユニット構造物10の側面のいずれの位置でもよく、図2に示した位置に限られない。壁用パネル71A,71Bの幅は等しく、例えばどちらも900mmとなっている。ただし、壁用パネル71A,71Bだけを用いるとユニット構造物10の全体寸法に合わなくなる場合には、幅のみが異なる調整用の壁用パネルを用意しておくことが好ましい。
【0066】
図23は、壁用パネル71Aを室内側から見た構成の一例を表し、図24はその縦断面を表している。壁用パネル71Aは、例えば、所定の間隔で配置された一対の金属柱72Aを含む梯子状の壁フレーム72を有し、この壁フレーム72の室外側に、外壁用パネル73が配設され、室内側に、内壁下地用パネル74が取り付けられた構成となっている。
【0067】
壁フレーム72は、例えばスチール鋼により構成されている。壁フレーム72は、壁70の間柱を兼ねており、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の強度を補うことができる。壁フレーム72の上端部には、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30に取り付けるため、接合孔72Bが設けられ、接合孔72Bの裏側にはナット72Cが予め溶接されている。壁フレーム72の下端部には、基礎40に取り付けるため、接合孔71Dが設けられ、接合孔71Dの裏側にはナット72Eが予め溶接されている。
【0068】
外壁用パネル73の材料は、モジュール規格に合うものであれば限定されず、例えばカラー鋼鈑,ガルバニューム鋼鈑,ステンレス鋼鈑などから、ユニット構造物10の用途,注文者の希望などによって選択される。壁用パネル71Aの上端部71Cは、例えば300mmないし500mm、あるいは655mm850mmにわたって外壁用パネル73のみによって構成されており、パラペットを兼用することができるようになっている。なお、パラペットを兼用する上端部71Cの部分の寸法が、幅をもった値となっているのは、屋根80に水勾配をつけるためである。また、外壁用パネル73の上端部71Cに相当する部分には、壁用パネル71Aの取り付け作業のための吊上げ用補強フレーム73Aが埋め込まれており、この吊上げ用補強フレーム73Aに吊上げ金具73Bが配設されている。吊上げ金具73Bは、壁用パネル71Aの取り付け後に取り外し可能となっている。なお、図24では、吊上げ用補強フレーム73Aおよび吊上げ金具73Bは省略されている。
【0069】
壁用パネル71Aの全体の高さH71は、例えば4000mmであるが、壁用パネル71Aの下端部71Dは、例えば300mmにわたって外壁用パネル73が設けられておらず、壁フレーム72が露出している。この下端部71Dは、壁70の施工完了後に後述の袴用パネルが被せられる部分であり、下端部71Dの壁フレーム72が袴用パネルの下地を兼ねるようになっている。
【0070】
内壁下地用パネル74は、例えばベニヤ板により構成されている。内壁下地用パネル74は、壁フレーム72の金属柱72Aが露出するように、ビス74Aによって壁フレーム72に固定されている。また、内壁下地用パネル74は、壁フレーム72よりも短く、また、壁フレーム72の上端部および下端部が露出するように取り付けられている。これは、後述するように、壁フレーム72を用いて壁用パネル71を基本ユニットフレーム20または結合ユニットフレーム30に取り付けるためである。
【0071】
図25および図26は、壁パネル71Aの取り付け状態を縦断面で表したものであり、図25は、壁パネル71Aの下端部71Dおよびその周辺、図26は、壁パネル71Aの上端部71Cおよびその周辺をそれぞれ表している。基礎40の鋼材42,43または連結鋼材45には、壁用パネル71Aを自立させるための断面略L字状のアンダーレール47が配設されている。具体的には、アンダーレール47のL字の長辺に相当する部材47Aが、鋼材42,43または連結鋼材45にボルト・ナット固定されている。また、アンダーレール47のL字の短辺に相当する部材47Bには、壁用パネル71Aの下端部71D、すなわち壁フレーム72の下端部がボルト・ナット固定されている。アンダーレール47のL字の長辺に相当する部材47Aの頂部は、折り曲げられて鉤部47Cを形成しており、この鉤部47Cに袴用パネル47Dの下端部が係止されている。袴用パネル47Dは、壁用パネル71Aの下端部71Dに嵌め込まれ、外壁用パネル73との隙間にはシーリング処理が施されている。
【0072】
第1フレーム21の柱21Aを連結するH鋼21E、またはこのH鋼21Eに接合される第3フレーム31のH鋼31Aは、ユニット構造物10の梁を構成しているが、これらのH鋼21E,31Aには、断面L字形の固定金具48が取り付けられている。この固定金具48に、壁フレーム72の上端部がボルト・ナット固定されており、これにより壁用パネル71Aが基本ユニットフレーム20または結合ユニットフレーム30に固定される。壁フレーム72の上端部と、第1フレーム21の柱21Aを連結するH鋼21E、またはこのH鋼21Eに接合される第3フレーム31のH鋼31Aとの間には、壁用パネル71Aを嵌め込む作業の便宜のため、クリアランス72Dが確保されている。
【0073】
図27は、壁パネル71Aの取り付け方法を表している。アンダーレール47を鋼材42,43および連結鋼材45にボルト固定しておき、壁用パネル71Aを傾けた姿勢で、矢印71Eで示したように下端部71Dをアンダーレール47に嵌め込み、点線71Fで示した状態とする。その後、矢印71Gで示したように壁用パネル71Aを起立させ、点線71Hで示したような直立状態とする。その後、予め溶接されたナット72E(図24参照)を用いて、壁フレーム72をアンダーレール47に固定すると共に、予め溶接されたナット72C(図24参照)を用いて、壁フレーム72を固定金具48に固定する(図26参照)。壁フレーム72の下端部は、内壁下地用パネル74に覆われず露出しているので、内壁下地用パネル74がアンダーレール47と壁フレーム72とに挟まれて壁用パネル71Aがぐらつくことがなく、壁フレーム72をアンダーレール47に安定して真直ぐに嵌め合わせることができる。また、壁フレーム72の上端部は内壁下地用パネル74によって覆われていないので、壁フレーム72と固定金具48との間に内壁下地用パネル74が挟まれてぐらつくことがなく、確実に固定することができる。
【0074】
図28は、短い壁用パネル71Bの取り付け状態を表すものである。短い壁用パネル71Bは、長さを除いては、壁用パネル71Aと同一であるので、図26と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。ユニット構造物10の側面のうち、短い壁用パネル71Bを取り付ける位置には、第1フレーム21の柱21Aの間に、H鋼21Jを取り付けておき、短い壁用パネル71Bの壁フレーム72の下端部を係止するようになっている。H鋼21Jは、第1フレーム21に工場製作段階で取り付けてもよいし、現場で取り付けてもよい。
【0075】
図29は、壁パネル71A,71Bの取り付け状態を、横断面で表している。外壁用パネル73は、壁70の平滑性を高めるため、例えば相じゃくりによって接ぎ合わされており、その幅(働き寸)は、壁フレーム72の幅と等しくなっている。外壁用パネル73の室外側の継ぎ目は、防水性を向上させるため、シーリング処理が施されている。
【0076】
内壁下地用パネル74は、上述したように壁フレーム72の金属柱72Aが露出するように取り付けられており、隣り合う金属柱72Aには、例えば合板からなる連結部材75が、例えばビス76を用いて機械的に固定されている。連結部材75は、壁パネル71を一体化すると共に壁70の平滑性を高める役割を有している。連結部材75によって、壁パネル71の室内側の継ぎ目にはシーリング処理が不要となり、解体時間を短縮すると共に、解体時に廃材となるシーリング材料を減らすことができる。さらに、連結部材75の厚みを内壁下地用パネル74と同じ厚みとすることによって、内壁下地の凹凸を和らげ、内壁下地用パネル74の継ぎ目の平滑性を高めることができる。
【0077】
このように、壁70は、壁用パネル71A,71Bが、基礎40および基本ユニットフレーム20,結合ユニットフレーム30にボルト・ナット固定されると共に、相じゃくりによって接ぎ合わされ、連結部材75およびビス76によって連結されたものであり、壁用パネル71A,71Bを個々に外して解体可能であると共に、解体された壁用パネル71A,71Bを再び嵌め合わせて組立て可能となっている。よって、壁用パネル71A,71Bを再利用することができ、建設廃棄物を更に低減することができる。
【0078】
図26に戻ると、屋根80は、屋根下地用パネル81と、屋根下地用パネル81の室外側表面を覆う屋根用プラスチックフィルム82とを有している。屋根下地用パネル81は、寸法および材質など所定の規格に則って形成された規格化された部材であり、例えば硬質ウレタン製パネルを薄い鋼板で挟んだ構成を有している。これにより、屋根下地用パネル81を工場2次製品化することが可能となっており、現場ではこれらを搬入して嵌め合わせるだけでよく、施工が簡単で、廃材も少なく、工期が短縮される。
【0079】
屋根下地用パネル81は、例えば取付け下地81Aを介して、第1フレーム21,第2フレーム22または第3フレーム31に取り付けられている。屋根下地用パネル81と外壁パネル73との隙間、または屋根下地用パネル81どうしの隙間には、断熱材81Bが埋め込まれている。上述したように、屋根下地用パネル81の大部分は、第1フレーム21の張出し部21B,第2フレーム22および第3フレーム31の室外側に、工場製作段階で予め配設されているので、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の完成と共に、屋根下地用パネル81もほぼ完成することができ、工期を短縮することができる。
【0080】
屋根用プラスチックフィルム82は、例えば塩化ビニール樹脂,ゴムなどにより構成され、厚さは例えば2mm以上3mm以下とすることができる。あまりに薄いと破れやすく、防水性も低いからであり、また厚すぎると後述のように再利用する際に不便だからである。本実施の形態では、例えば厚さ2mm程度の市販の防水シートを用いている。この屋根用プラスチックフィルム82で屋根下地用パネル81を覆うことによって、屋根下地用パネル81の継ぎ目に特別なシーリング処理などを施さなくても屋根80の防水性を確保することができると共に、後述するように再利用が容易となる。
【0081】
屋根用プラスチックフィルム82の端部82Aは、壁70の外に垂れ下がって外観を損ねたりしないように、壁パネル71のパラペットを兼ねる上端部71Cに沿って配設されている。屋根用プラスチックフィルム82の端部82Aは、壁パネル71と共に、例えば防水用の笠木カバー83によって覆われている。したがって、屋根用プラスチックフィルム82の配設は、壁用パネル71A,71Bの取り付け後に行うことが好ましい。なお、屋根下地用パネル81と外壁用パネル73との隙間には、接続補助材82Bを用いるようにしてもよい。
【0082】
図30は、屋根用プラスチックフィルム82および屋根下地用パネル81の解体を表している。屋根下地用パネル81が新品である場合には、図30に示したように、十分な大きさの屋根用プラスチックフィルム82で屋根下地用パネル81の室外側表面の全体が覆われている。屋根用プラスチックフィルム82の枚数は、ユニット構造物10の規模に応じて1枚でもよく、適宜の枚数を繋げて大きくしてもよい。屋根80を解体する際には、例えば矢印で示した切断位置82Cで、例えばカッターを用いて屋根用プラスチックフィルム82を切断する。切断位置82Cは、例えば、屋根下地用パネル81の端縁、屋根下地用パネル81どうしの間、接続補助材82Bを設けている部分では、接続補助材82の端縁とすることができる。このように切断位置82Cで屋根用プラスチックフィルム82を切断した後に壁70を取り除き、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30を第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31にそれぞれ解体すれば、屋根下地用パネル81も同時に解体されて第1フレーム21の張出し部21B,第2フレーム22および第3フレーム23にそれぞれ付属した状態となる。それと共に、屋根用プラスチックフィルム82も解体されて、屋根下地用パネル81のそれぞれに付属した状態となる。
【0083】
図31は、図30のように解体された後に再利用された屋根用プラスチックフィルム82および屋根下地用パネル81を表している。解体された第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31を再び組立てると、屋根下地用パネル81も同時に再び組立てられ、屋根用プラスチックフィルム82は、切断されて屋根下地用パネル81のそれぞれに付属した状態となっている。この切断された屋根用プラスチックフィルム82は、剥離すると建設廃棄物となってしまうので、残存させたままで再利用することが好ましい。そして、上張り用プラスチックフィルム82Dを別途用意し、切断された屋根用プラスチックフィルム82を残存させたままで、屋根用プラスチックフィルム82の切断位置82Cを、上張り用プラスチックフィルム82Dで覆い、屋根用プラスチックフィルム82に接着させる。これにより、屋根用プラスチックフィルム82および上張り用プラスチックフィルム82Dによって屋根下地用パネル81を再び被覆することができ、屋根下地用パネル81および屋根用プラスチックフィルム82の再利用が可能となり、建設廃棄物が低減される。また、屋根下地用パネル81はシーリング処理などが施されておらず、屋根用プラスチックフィルム82をカッターなどで切断するだけで解体できるので、屋根下地用パネル81の解体を簡単に短時間で行うことができ、再利用が促進される。
【0084】
上張り用プラスチックフィルム82Dは、通常の再利用の際には、図31に示したように切断位置82Cを覆う幅を有する帯状のものを用いればよいが、新たに新品の屋根下地用パネル81が追加されている部分については、図30と同様に十分な大きさを有するものを用いることが好ましい。また、元の屋根用プラスチックフィルム82の傷みが著しい場合には、上張り用プラスチックフィルム82Dは傷んでいる部分を覆うに足りる大きさを有するものを用いる。また、上張り用プラスチックフィルム82Dを、図30の屋根用プラスチックフィルム82と同様に、屋根下地用パネル81の室外側表面の全体を被覆するのに十分な大きさを有するものとしてもよい。
【0085】
再び図26に戻ると、壁パネル71Aの適当な高さに、天井90が設けられている。天井90は、天井パネル91を嵌め合わせて形成されている。天井パネル91は、寸法および材質など所定の規格に則って形成された規格化された部材である。これにより、天井パネル91を工場2次製品化することが可能となっており、現場ではこれらを搬入して嵌め合わせるだけでよくなる。従来の天井は、下地を一つ一つ単材で仕上げた後に天井材を貼り付けていたので、上向きの姿勢での作業となり、時間および労力がかかると共に危険度も高かった。これに対して、本実施の形態の天井90は、工場製作された天井パネル91を嵌め合わせたものであるので、作業が簡単で、廃材も少なく、工期が短縮される。天井パネル91の大きさは、取扱いの容易さおよび汎用性の観点からあまり大きいものではない方が好ましい。顧客の要望に応じて、天井パネル91の代わりに、照明器具または空調設備などのための専用フレームを付けた器具,機材および設備を嵌め込むことができるようにするためである。
【0086】
天井90は、天井パネル91を個々に外して解体可能であると共に、解体された天井パネル91を再び嵌め合わせて組立可能となっている。すなわち、天井パネル91は、天井パネル吊り金具92およびこれに取り付けられた天井吊りT字レール93の間に、または天井吊りT字レール93と、内壁下地パネル74を介して壁フレーム72に固定された天井固定見切り縁94との間に嵌め込まれ、ユニット構造物10の梁を構成する第1フレーム21の張出し部21BのH鋼21F、第2フレーム22のH鋼22Aまたは第3フレーム31のH鋼31Aから吊り下げられている。よって、天井パネル91の再利用が可能となり、建設廃棄物を減らすことができる。
【0087】
このようなユニット構造物10は、次のようにして組立てることができる。
【0088】
まず、ユニット構造物10の位置の確定,掘削寸法の決定およびレベル測定などの作業の後、図32に示したように、基礎40を埋めこむための溝41を掘削すると共に、基本ユニットフレーム20と結合ユニットフレーム30との境界に、支持鋼材52を並べるための溝53を掘削する。このとき、不陸補正を同時に行う。
【0089】
溝41を掘削した後、図33および図34に示したように、砕石41Aを入れてレベルをある程度調整し、捨てコンクリート41Bを打ち、周囲の地面Gに対する溝41の深さを例えば800mm程度とする。その後、捨てコンクリート41Bの上に中心線41Cを墨出しして、第1フレーム21の柱21Aを設けるべき位置に、独立基礎42を配置する。
【0090】
独立基礎42を配設した後、図11に示したように、鋼材45を用いて、鋼材43,44を連結し、基礎40を形成する。
【0091】
基礎40を形成した後、図35に示したように、溝53に支持鋼材52を並べ、図22を参照して説明したようにして羽足52Cを用いて水平Lを出し、モルタル52D(図19参照)で固定する。
【0092】
支持鋼材52を設置した後、図36に示したように、独立基礎42の天面42Bまで溝41を埋め戻す。
【0093】
続いて、図18および図19に示したように、地面および支持鋼材52を覆うように地面側プラスチックフィルム55を敷き、地面側に床側プラスチックフィルム54を貼着しておいた基本ユニット用床パネル51Aまたは結合ユニット用床パネル51Bを敷き詰めて、床50を形成する。このとき、1枚ないし2枚敷く毎に、床側プラスチックフィルム54と地面側プラスチックフィルム55との間に発泡材56を充填する。発泡材56の発泡状況を見て、不足なら追加し、多すぎる場合には柔らかいうちに切除し、他の場所に流用する。
【0094】
床50を形成した後、図37に示したように、第1フレーム21を例えばクレーンによって吊り上げ、独立基礎42のアンカーボルト42A(図13または図15参照)を用いて柱21Aを固定し、第1フレーム21を梁方向Hに間隔DHをおいて対向配置する。桁方向Kに間隔DKをおいて、他の第1フレーム21も、同様に梁方向Hに間隔DKをおいて対向配置する。
【0095】
続いて、図38に示したように、第2フレーム22を例えばクレーンによって吊り上げ、第1フレーム21の張出し部21Bの間に掛け渡し、ボルト固定する。これにより、桁方向Kに間隔DKをおいて、三つの基本ユニットフレーム20が完成する。
【0096】
基本ユニットフレーム20を形成した後、図1に示したように、第3フレーム31を折り畳まれた状態から展開し、ボルト固定を行い、例えばクレーンによって吊り上げて基本ユニットフレーム20の間に掛け渡す。これにより、基本ユニットフレーム20どうしが、結合ユニットフレーム30によって桁方向Kに連結される。その後、図39に示したように、第2フレーム22の開口部22Bおよび第3フレーム31どうしの隙間に、屋根下地用パネル81を配設する。
【0097】
結合ユニットフレーム30を形成した後、図25に示したように、基礎40の鋼材43,44,45にアンダーレール47を設ける。また、第1フレーム21の柱21Aを連結するH鋼21E、およびこのH鋼21Eに接合されている第3フレーム31のH鋼31Aには、固定金具48を取り付ける。
【0098】
続いて、図40および図28に示したように、短い壁用パネル71Aを取り付ける。さらに、図41,図25および図26に示したように、壁用パネル71Bを取り付ける。隣り合う金属柱72Aは、図29に示したように、連結部材75によって固定する。
【0099】
壁70を形成した後、図26に示したように、屋根下地用パネル81を屋根用プラスチックフィルム82で覆い、屋根用プラスチックフィルム82の端部82Aと壁用パネル71A,71Bのパラペットを兼ねる上端部71Cとを笠木カバー83で覆う。これにより、屋根80が形成される。最後に、壁パネル70の適当な高さに、天井パネル91を嵌め合わせて天井90(図26参照)を形成する。以上により、図2に示したユニット構造物10が完成する。
【0100】
また、このユニット構造物10は、次のようにして解体することができる。
【0101】
まず、天井パネル91を個々に外して天井90(図26参照)を解体する。次に、図30を参照して説明したようにして屋根下地用パネル81および屋根用プラスチックフィルム82を切断位置82Cで切断しておく(図41参照)。そののち、笠木カバー83を外し、壁用パネル71A,71Bを個々に取り外して壁70を解体する(図40,図39参照)。
【0102】
壁70を解体したのち、第2フレーム22の開口部22Bおよび第3フレーム31どうしの隙間に配設された屋根下地用パネル81を取り除く(図1参照)。その後、第3フレーム31を基本ユニットフレーム20の間から取り外し、結合ユニットフレーム30を二つの第3フレーム31に解体する(図38参照)。結合ユニットフレーム30を解体した後、第2フレーム22を第1フレーム21の間から取り外し(図37参照)、続いて第1フレーム21も独立基礎42のアンカーボルト42Aから取り外す(図18参照)。こうして、基本ユニットフレーム20が第1フレーム21および第2フレーム22に解体される。
【0103】
基本ユニットフレーム20を解体したのち、基本ユニット用床パネル51Aまたは結合ユニット用床パネル51Bを個々に外し、発泡材56を取り除く。なお、発泡材56の硬質ウレタンは、公知の方法により再利用可能である。その後、地面側プラスチックフィルム55およびその下の支持鋼材52を取り外す。これにより、床50が解体され、基礎40のみが残る(図11参照)。
【0104】
そののち、溝41内の基礎40を掘り起こし、鋼材45を鋼材43,44から取り外すことによって、基礎40を独立基礎42と鋼材45とに解体し、溝41を埋め戻す。
【0105】
さらに、解体されたユニット構造物10は、上述した組立方法によって再び組立てることができる。このとき、屋根80の屋根下地用パネル81および屋根用プラスチックフィルム82は、図31を用いて説明したように、上張り用プラスチックフィルム82Dを用いて再利用する。
【0106】
このように本実施の形態では、複数の基本ユニットフレーム20を桁方向Kに間隔DKをおいて配設し、結合ユニットフレーム30によって連結するようにしたので、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30を土地の形状に応じて自由に組み合わせてユニット構造物10を構成することができる。また、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30は、それぞれ規格化された第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31により構成されているので、第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31を工場2次製品化することが容易になり、現場ではこれらを搬入して組立てるだけでよく、工期が短縮される。
【0107】
さらに、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30は、第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31に解体可能であると共に、解体された第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31は、再び組立てて基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30を形成することができるので、建設廃棄物をほとんど出さずに再利用が可能である。加えて、解体および移設だけでなく、増設や縮小も自在であり、移転先の土地の形状に合わせて必要なだけ再利用することができる。
【0108】
また、第1フレーム21の梁方向Hにおける間隔DH、および基本ユニットフレーム20の桁方向Kにおける間隔DKが、設置場所に応じて決定されるので、構造の自由度が高められると共に、再利用の際の利便性が向上する。
【0109】
さらに、第3フレーム31が折り畳み可能であるようにすれば、第3フレーム31の輸送または現地への搬入を簡便に行うことができる。
【0110】
また、基礎40は、独立基礎42と鋼材43,44,45が組み合わせられた地中梁46とを有するので、現場でコンクリート打設する従来の基礎と異なり、工場2次製品化が可能で、現場作業が簡単になり、工期が短縮される。また、鋼材43,44,45を連結するだけで解体または組立が可能であるので、建設廃棄物を出さずに再利用することができ、規模の変更も自由である。
【0111】
さらに、床50は、規格化された基本ユニット用床面材51Aおよび結合ユニット用床面材51Bを敷き詰めてなるようにしたので、基本ユニット用床面材51Aおよび結合ユニット用床面材51Bが工場製作可能となり、現場でコンクリート打ち込みを行っていた従来の床とは異なり、作業が簡単で工期が短縮される。また、床50も再利用でき、建設廃棄物をいっそう低減できる。
【0112】
加えて、壁70は、規格化された壁用パネル71A,71Bを嵌め合わせてなるので、既製品のサイディング等を現場で貼り付ける従来の壁とは異なって、施工が簡単で、廃材も出ず、再利用もできる。さらに、壁用パネル71A,71Bは、外壁および内壁下地に加え、間柱,パラペット,袴用パネル47Dの下地なども兼ねることができる。
【0113】
また、屋根80は、例えば市販の防水シートなどの屋根用プラスチックフィルム82で屋根下地用パネル81を被覆する構成としたので、屋根下地用パネル81の継ぎ目に特別なシーリング処理などを施さなくても屋根80の防水性を確保することができると共に、再利用が容易となる。
【0114】
さらに、屋根下地用パネル81の大部分は、第1フレーム21の張出し部21B,第2フレーム22および第3フレーム31の室外側に、工場製作段階で予め配設されているので、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の完成と共に、屋根下地用パネル81もほぼ完成することができ、工期を短縮することができる。
【0115】
また、本実施の形態のユニット構造物10の組立方法および解体方法では、部材を再利用しながら、建設廃棄物を出さずに何度でも解体および組立てを繰り返すことができると共に、組立ての際には構造を自由に変更することができる。
【0116】
〔変形例〕
次に、本発明の変形例について説明する。本変形例は、図42に示したように、独立基礎142と地中梁146とが分離可能な基礎140を備えたことを除き、上記実施の形態と同一である。したがって、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図42では、二つの基本ユニットフレーム20を結合ユニットフレーム30で連結した構成を有するユニット構造物10の基礎140を例として示している。
【0117】
独立基礎142は、上記実施の形態の独立基礎42と同様に、第1フレーム21の柱21Aに対応して配置される。地中梁146は、一つの第1フレーム21の下に配置される二つの独立基礎142を連結する鋼材143と、鋼材143の間をつなぐ鋼材145とを組合せて構成されている。
【0118】
図43は、独立基礎142の概略構成を表している。独立基礎142は、例えば、鉄筋コンクリートにより構成されている。特に、この独立基礎142は、直方体形状とされているので、形状が単純で製作が容易であるという利点を有する。独立基礎142の天面142Bには、地中梁146を固定するためのナット142Aが例えば4本埋め込まれている。独立基礎142の寸法は、例えば幅800mm、長さ800mm、高さ500mmとすることができる。
【0119】
図44は、鋼材143の構成を表し、図45はこの鋼材143を独立基礎142に取り付けた状態を表している。鋼材143は、H鋼により構成されている。鋼材143の両端には、鋼材145との連結のための接合板143Aが取り付けられている。また、独立基礎142の天面142Bに載置される部分には、第1フレーム21のベースプレート21Cを受けるため、鋼材143の両側に補助鋼材144が並設されており、強度および安定性を高めている。補助鋼材144には、独立基礎142との連結のためのボルト穴144Aと、第1フレーム21のベースプレート21Cとの連結のためのボルト穴144Bとが設けられている。
【0120】
また、鋼材143には、床70を支持するための図示しないH鋼を連結するための連結部143Bが設けられていてもよい。
【0121】
更に、鋼材143には、台座143Cおよび壁用パネル71Aなどの取り付けのためのフレーム143Dが取り付けられていてもよい。台座143Cは、床70を地面よりも高い位置に保つと共に、地面とユニット構造物10との見切りのためのものであり、例えばH鋼により構成されている。フレーム143Dは、取り付けられる部材に応じてL字形の鋼材などにより構成されている。ただし、台座143Cおよびフレーム143Dは必ずしも鋼材143と一体化されている必要はなく、別個に構成してもよく、分離可能としてもよい。
【0122】
図46および図47は、鋼材145の例を表している。図46は、図42において鋼材143を梁方向Hに連結する鋼材145を拡大して表している。図47は、図42において鋼材143を桁方向Kに連結する鋼材145を拡大して表している。
【0123】
図48は、このような基礎140において、レベル調整部材としてのレベル調整ナット147Aによりレベル調整を行った状態を模式的に表している。この基礎140は、独立基礎142と地中梁146との間にレベル調整ナット147Aを有しており、独立基礎142と地中梁146との間の距離d1,d2,d3を個々に調整可能となっている。レベル調整ナット147Aは、独立基礎142のナット142A(図48では省略、図43参照)に挿入された全ネジボルト147Bに嵌め込まれている。レベル調整ナット147Aの上面は水平レベルLに合わせられており、その上に地中梁146が載置されてナット146Aで固定されている。独立基礎142と地中梁146との間の空間には、例えば無収縮モルタルよりなる固定層147Cが設けられている。固定層147Cは、ユニット構造物10および地中梁146の重量を独立基礎142に伝達するものである。
【0124】
なお、独立基礎142と地中梁146との間の距離d1,d2,d3は、例えば20mmないし30mm程度に設定することができるが、0であってもよい。すなわち、レベル調整ナット147Aは、必ずしも全ての独立基礎142と地中梁146との間に設ける必要はなく、レベル調整ナット147Aがなくても水平レベルに合っている独立基礎142については省略してもよい。あるいは、予め設置場所の水平レベルを合わせた後に独立基礎142を配設する場合にはレベル調整ナット147Aは必ずしも必要ではない。
【0125】
このような基礎140の組立ておよびレベル調整は、例えば、次のようにして行うことができる。
【0126】
まず、図49に示したように、地面に掘られた溝(図示せず)に、独立基礎142を配置する。この段階では、完全に水平レベル調整がとれていない。
【0127】
次に、図48に示したように、配設したすべての独立基礎142のナット142Aに全ネジボルト147Bを挿入し、レベル調整ナット147Aを嵌める。そして、レベル出しの糸を張り、それに合わせてレベル調整ナット147Aの高さを調整する。
【0128】
レベル調整ナット147Aの高さを調整したのち、図50に示したように、レベル調整ナット147Aの上に鋼材143を載せ、ナット146Aで固定する。
【0129】
続いて、図51に示したように、鋼材143と鋼材145とを連結して地中梁146を形成する。そののち、独立基礎142と地中梁146との間に例えば無収縮モルタルを注入して固定層147Cを形成し、上記実施の形態と同様にして第1フレーム21を取り付ける。以後、上記実施の形態と同様にして、基本ユニットフレーム20、結合ユニットフレーム30、床50、壁70、屋根80および天井90の配設などを行う。
【0130】
また、この基礎140は、次のようにして解体することができる。
【0131】
まず、上記実施の形態と同様にして、天井90、屋根80、壁70、床50、結合ユニットフレーム30および基本ユニットフレーム20を解体する(図51参照)。次に、鋼材145を取り外す(図50参照)。続いて、鋼材143を取り外し(図49参照)、独立基礎142を撤去する。なお、無収縮モルタルよりなる固定層147Cは、独立基礎142を再利用する際に、はつり取るようにすることが可能である。
【0132】
本変形例では、独立基礎142と地中梁146との間にレベル調整ナット147Aを有するようにしたので、基礎140の組立てと共に水平レベルあるいは対角歪などの微細な調整が可能となる。更に、この場合、鋼材143の連結部143Bに図示しないH鋼を連結し、このH鋼により床70を支持するようにすれば、上記実施の形態で説明したT鋼52Aを用いたレベル調整よりも確実であり、かつ強度の高いH鋼により床70を安定して支持することができる。
【0133】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および変形例に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、三つの基本ユニットフレーム20を二つの結合ユニットフレーム30で連結した場合について説明したが、基本ユニットフレーム20および結合ユニットフレーム30の個数は、上記実施の形態の例に限られないことは言うまでもない。
【0134】
また、上記実施の形態では、第1フレーム21の梁方向Hにおける間隔DH、および基本ユニットフレーム20の桁方向Kにおける間隔DKの両方を、設置場所に応じて決定されるようにした場合について説明したが、いずれか一方を設置場所に応じて決定し、他方を固定しておいてもよい。例えば、基本ユニットフレーム20は第1フレーム21と第2フレーム22とを一体化したものとし、基本ユニットフレーム20の桁方向Kにおける間隔DKのみを任意に設定するようにしてもよい。
【0135】
加えて、上記実施の形態では、第1フレーム21の梁方向Hにおける間隔DH、および基本ユニットフレーム20の桁方向Kにおける間隔DKが、1軒のユニット構造物10の全体ですべて等しい場合について説明したが、間隔DH,DKは、1軒のユニット構造物10内において異ならせるようにしてもよい。
【0136】
さらに、上記実施の形態では、第1フレーム21の張出し部21B,第2フレーム22および第3フレーム31の室外側に、屋根下地用パネル81が工場製作段階で予め配設されている場合について説明したが、屋根下地用パネル81は、現場で配設するようにしてもよい。この場合、例えば、屋根下地用パネル81を複数枚組み合わせてある程度の大きさで一体化した半完成品を用意しておき、この半完成品の屋根下地用パネルを現場で第1フレーム21の張出し部21B,第2フレーム22および第3フレーム31の室外側に取り付けるようにすることが可能である。このように屋根下地用パネル81を現場で取り付ける場合には、第3フレーム31は図7ないし図10に示したように枠状あるいは折畳み可能とする必要はなく、単なるつなぎ梁としてもよい。
【0137】
また、上記実施の形態では、第1フレーム21が、柱21Aと張出し部21Bとがほぼ逆L字状をなし、第2フレーム22が梯子状をなす場合について説明したが、第1フレーム21および第2フレーム22が全体としてアーケード状の形状をなすようにしてもよい。また、第2フレーム22の中央部が山型またはアーケードをなすようにしてもよい。
【0138】
さらに、上記実施の形態では、壁用パネル71A,71Bの構成および取り付け方法、連結部材75を用いた横方向における連結状態などについて具体的に例をあげて説明したが、壁用パネル71A,71Bの構成および取り付け方法ならびに連結方法は、上記実施の形態に限られない。例えば連結部材75と内壁下地パネル74を連続した一体とすることも可能である。あるいは、壁用パネル71A,71Bとして市販のパネルを利用し、壁フレーム72および内装下地用パネル74を兼用するようにしてもよい。
【0139】
また、上記実施の形態では、平屋構造のユニット構造物10の場合について説明したが、本発明は平屋に限られない。独立基礎44,第1フレーム21,第2フレーム22および第3フレーム31などの強度によっては、複数階のものも可能である。また、ユニット構造物10の形状は、矩形の場合について説明したが、本発明は、矩形のものに限られず、L字形、多角形、円形、環状など種々の形状の建築物に適用可能である。
【0140】
さらに、上記実施の形態では、ユニット構造物10として、コンビニ等の店舗のような、人が立ち入り、ある程度の時間にわたって滞在することを目的とした建築物の場合について説明したが、本発明は、例えば駐車場,地下道などの通路,柵または塀,倉庫または物置小屋,納屋,家畜小屋,サイロなどのような、人の滞在を目的としない建築物についても適用可能である。したがって、例えば、上記実施の形態で説明したユニット構造物10をコンビニ等の店舗に用い、その周囲に、来店者の自動車または自転車などのための駐車場および塀を設ける場合、この駐車場または柵に本発明を適用することも可能である。すなわち、例えば、ユニット構造物10の基礎40および床50のみからなるものを、駐車場として用いることが可能である。この場合、独立基礎42が本発明の「基本ユニット構造」となり、鋼材45が本発明の「結合ユニット構造」に対応する。また、例えば、基礎40を直線状に形成し、これに第1フレーム21を取り付け、一本のH鋼31Aを有する第3フレーム31で連結し、壁70を設けて塀として使用することができる。
【0141】
また、さらに、上記実施の形態では、ユニット構造物10を、コンビニ等の店舗のような本設建物に適用した場合について説明したが、本発明は、倉庫,工場,地下室など他の本設建物に適用できることはもちろんであり、さらに、工事現場等の現場事務所,イベント会場のような仮設建物にも適用可能であることは言うまでもない。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のユニット構造物によれば、複数の基本ユニットフレームを桁方向に間隔をおいて配設し、結合ユニットフレームによって連結するようにしたので、基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームを土地の形状に応じて自由に組み合わせてユニット構造物を構成することができる。また、基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームは、それぞれ規格化された第1フレーム,第2フレームおよび第3フレームにより構成されているので、第1フレーム,第2フレームおよび第3フレームを工場2次製品化することが容易になり、現場ではこれらを搬入して組立てるだけでよく、工期が短縮される。
【0146】
特に、本発明の更に他の局面に係るユニット構造物によれば、基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームは、第1フレーム,第2フレームおよび第3フレームに解体可能であると共に、解体された第1フレーム,第2フレームおよび第3フレームは、再び組立てて基本ユニットフレームおよび結合ユニットフレームを形成することができるので、建設廃棄物をほとんど出さずに再利用が可能である。加えて、解体および移設だけでなく、増設や縮小も自在であり、移転先の土地の形状に合わせて必要なだけ再利用することができる。
【0148】
本発明のユニット構造物の組立方法、または本発明のユニット構造物の解体方法によれば、部材を再利用しながら、建設廃棄物を出さずに何度でも解体および組立てを繰り返すことができると共に、組立ての際には構造を自由に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るユニット構造物の骨組みを表す斜視図である。
【図2】図1に示したユニット構造物の外観を概略的に表す斜視図である。
【図3】図1に示した第1フレームの構成を表す斜視図である。
【図4】図3に示した第1フレームの、屋根下地用パネルを取り外した状態を表す斜視図である。
【図5】図1に示した第2フレームの構成を表す斜視図である。
【図6】図5に示した第2フレームの、屋根下地用パネルを取り外した状態を表す斜視図である。
【図7】図1に示した第3フレームの構成を表す斜視図である。
【図8】図7に示した第3フレームの、屋根下地用パネルを取り外した状態を表す斜視図である。
【図9】図7に示した第3フレームの折畳み状態の一例を表す側面図である。
【図10】図9に示した第3フレームの折畳み方法の一例を表す側面図である。
【図11】図1に示した基礎の全体構成を表す斜視図である。
【図12】図11に示した基礎の一部を拡大して表す斜視図である。
【図13】直線状の鋼材を有する独立基礎の概略構成を表す斜視図である。
【図14】図13に示した独立基礎のXIV−XIV線に沿った断面図である。
【図15】L字状の鋼材を有する独立基礎の概略構成を表す斜視図である。
【図16】図15に示した独立基礎のXVI−XVI線に沿った断面図である。
【図17】図11に示した連結鋼材の一例を表す斜視図である。
【図18】図2に示した基本ユニット床および結合ユニット床の配設状態を表す斜視図である。
【図19】図18に示した基本ユニット床および結合ユニット床の桁方向に沿った一部断面図である。
【図20】図19に示した支持鋼材の全体構成を表す斜視図である。
【図21】図20に示した支持鋼材の点線で囲まれた一部を拡大して表す斜視図である。
【図22】図20に示した羽足の機能を説明するための説明図である。
【図23】図2に示した壁用パネルの平面図である。
【図24】図23に示した壁用パネルの縦断面図である。
【図25】図23に示した壁用パネルの取り付け状態を一部拡大して表す縦断面図である。
【図26】図23に示した壁用パネルの取り付け状態を、屋根および天井と共に一部拡大して表す縦断面図である。
【図27】図23に示した壁用パネルの取り付け方法を説明するための説明図である。
【図28】図2に示した短い壁用パネルの取り付け状態を表す縦断面図である。
【図29】図23に示した壁用パネルの取り付け状態を一部拡大して表す横断面図である。
【図30】図25に示した屋根下地用パネルの解体方法を表す一部拡大断面図である。
【図31】図25に示した屋根下地用パネルの再利用された状態を表す一部拡大断面図である。
【図32】図1および図2に示したユニット構造物の組立方法を工程順に表す斜視図である。
【図33】図32に続く工程を表す斜視図である。
【図34】図33に続く工程を表す斜視図である。
【図35】図34に続く工程を表す斜視図である。
【図36】図35に続く工程を表す斜視図である。
【図37】図36に続く工程を表す斜視図である。
【図38】図37に続く工程を表す斜視図である。
【図39】図38に続く工程を表す斜視図である。
【図40】図39に続く工程を表す斜視図である。
【図41】図40に続く工程を表す斜視図である。
【図42】本発明の変形例に係る基礎の分解斜視図である。
【図43】図42に示した独立基礎を表す斜視図である。
【図44】図42に示した鋼材の一例を表す斜視図である。
【図45】図44に示した鋼材を独立基礎に取り付けた状態を表す斜視図である。
【図46】図42に示した鋼材の他の例を表す斜視図である。
【図47】図42に示した鋼材の更に他の例を表す斜視図である。
【図48】図42に示した基礎のレベル調整ナットを説明するための断面図である。
【図49】図42に示した基礎の組立方法およびこの基礎によるレベル調整方法を工程順に表す斜視図である。
【図50】図49に続く工程を表す斜視図である。
【図51】図50に続く工程を表す斜視図である。
【符号の説明】
10…ユニット構造物、20…基本ユニットフレーム、21…第1フレーム、21A…柱、21B…張出し部、21C…ベースプレート、21E,21F…H鋼、22…第2フレーム、22A…H鋼、22B…開口、30…結合ユニットフレーム、31…第3フレーム、31A…H鋼、31D…ヒンジ、40,140…基礎、41…溝、42,142…独立基礎、43,44,45,143,145…鋼材、46,146…地中梁、47…アンダーレール、48…固定金具、50…床、51A…基本ユニット用床パネル、51B…結合ユニット用床パネル、52…支持鋼材、52A…T鋼、52C…羽足、52D…モルタル、53…溝、54…床側プラスチックフィルム、55…地面側プラスチックフィルム、56…発泡材、70…壁、71A…壁用パネル、71B…短い壁用パネル、71C…上端部、71D…下端部、72…壁フレーム、72A…金属柱、73…外壁パネル、74…内壁下地用パネル、80…屋根、81…屋根下地用パネル、82…屋根用プラスチックフィルム、82A…端部、82D…上張り用プラスチックフィルム、83…笠木カバー、90…天井、91…天井パネル、DH…第1フレームの梁方向における間隔(基本ユニットフレームの梁方向における寸法)、DK…基本ユニットフレームの桁方向における間隔、G…地面、H…梁方向、K…桁方向、L…水平、WK…基本ユニットフレームの桁方向における寸法

Claims (14)

  1. 少なくとも一本の柱およびこの柱に交叉する方向に張出す張出し部をそれぞれ有する一対の第1フレームが梁方向に対向配置され、前記一対の第1フレームの間に第2フレームが掛け渡された構成を有し、桁方向に間隔をおいて配設される複数の基本ユニットフレームと、
    この複数の基本ユニットフレームの間に掛け渡される第3フレームを有し、前記複数の基本ユニットフレームを前記桁方向に連結する結合ユニットフレームとを有する
    ことを特徴とするユニット構造物。
  2. 前記結合ユニットフレームは、前記第3フレームを前記複数の基本ユニットフレームの間から取り外すことによって解体可能であると共に、前記複数の基本ユニットフレームは、前記一対の第1フレームおよび前記第2フレームに解体可能であり、
    解体された前記一対の第1フレームおよび前記第2フレームは、再び組立てて前記複数の基本ユニットフレームを構成可能であると共に、解体された前記第3フレームは、再び前記複数の基本ユニットフレームの間に配設可能である
    ことを特徴とする請求項記載のユニット構造物。
  3. 間隔をあけて配置された複数の独立基礎と、複数の鋼材が組み合わせられた地中梁とを有する基礎を備えた
    ことを特徴とする請求項1または請求項記載のユニット構造物。
  4. 前記複数の独立基礎のうち少なくとも一つと前記地中梁との間に、レベル調整部材を備えた
    ことを特徴とする請求項記載のユニット構造物。
  5. 規格化された複数の床面材を嵌め合わせてなり、前記複数の基本ユニットフレームおよび前記結合ユニットフレームの下面を構成する床を備えた
    ことを特徴とする請求項ないし請求項記載のユニット構造物。
  6. 前記床は、T鋼と、このT鋼の縦棒に相当する部材の少なくとも2箇所にそれぞれ一対ずつ設けられた羽足とを有すると共に前記複数の床面材の境界に沿って前記複数の床用面材と地面との間に配設される支持鋼材を備えた
    ことを特徴とする請求項記載のユニット構造物。
  7. 前記複数の床面材の地面側に配設された床側プラスチックフィルムと、
    地面を覆うように配設された地面側プラスチックフィルムと、
    前記床側プラスチックフィルムと前記地面側プラスチックフィルムとの間に充填された発泡材と
    を備えたことを特徴とする請求項または請求項記載のユニット構造物。
  8. 規格化された複数の壁用面材を嵌め合わせてなり、前記複数の基本ユニットフレームおよび前記結合ユニットフレームの側面を構成する壁を備えた
    ことを特徴とする請求項ないし請求項記載のユニット構造物。
  9. 規格化された複数の屋根下地用面材と、この複数の屋根下地用面材を被覆する屋根用プラスチックフィルムとを有し、前記複数の基本ユニットフレームおよび前記結合ユニットフレームの天面を構成する屋根を備えた
    ことを特徴とする請求項ないし請求項記載のユニット構造物。
  10. 前記屋根用プラスチックフィルムは、前記複数の基本ユニットフレームおよび前記結合ユニットフレームを解体する際に、所定の切断位置で切断することによって前記複数の屋根下地用面材のそれぞれに付属した状態に解体可能であると共に、解体された前記一対の第1フレーム,前記第2フレームおよび前記第3フレームを再び組立てる際に、前記複数の屋根下地用面材のそれぞれに付属した前記屋根用プラスチックフィルムを残存させたままで、少なくとも前記切断位置を上張り用プラスチックフィルムで覆うことによって前記複数の屋根下地用面材を再び被覆可能である
    ことを特徴とする請求項記載のユニット構造物。
  11. 規格化された複数の天井用面材を嵌め合わせてなり、前記複数の基本ユニットフレームおよび前記結合ユニットフレームの天井面を構成する天井を備えた
    ことを特徴とする請求項ないし請求項10記載のユニット構造物。
  12. 少なくとも一本の柱およびこの柱に交叉する方向に張出す張出し部をそれぞれ有する一対の第1フレームを梁方向に対向配置し、前記一対の第1フレームの間に第2フレームを掛け渡してなる複数の基本ユニットフレームを、桁方向に間隔をおいて配設する工程と、
    前記複数の基本ユニットフレームの間に第3フレームを掛け渡してなる結合ユニットフレームにより、前記複数の基本ユニットフレームを前記桁方向に連結する工程とを含む
    を含むことを特徴とするユニット構造物の組立方法。
  13. 一対の第1フレームが梁方向に対向配置され、前記一対の第1フレームの間に第2フレームが掛け渡された構成を有し、桁方向に間隔をおいて配設される複数の基本ユニットフレームと、この複数の基本ユニットフレームの間に掛け渡される第3フレームを有し、前記複数の基本ユニットフレームを前記桁方向に連結する結合ユニットフレームとを有するユニット構造物の解体方法であって、
    前記第3フレームを前記複数の基本ユニットフレームの間から取り外すことによって前記結合ユニットフレームを解体する工程と、
    前記複数の基本ユニットフレームを、前記一対の第1フレームおよび前記第2フレームに解体する工程と
    を含むことを特徴とするユニット構造物の解体方法。
  14. 前記一対の第1フレームは、少なくとも一本の柱およびこの柱に交叉する方向に張出す張出し部をそれぞれ有する
    ことを特徴とする請求項13記載のユニット構造物の解体方法。
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