JP2537257B2 - プレファブ式トイレの組立方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はビルジングの屋内にプレファブ方式により設
けられるトイレの組立方法に関する。

（従来の技術） プレファブ方式、つまり、予め工場等で製作しておい
たパネル物やユニット類を現場に搬入し組立てる仕方で
ビルジング屋内にトイレを設ける場合、一般には、床躯
体上に壁パネルを建並べると共にその上部間に天井パネ
ルを張り渡して部屋状の構造物を構築することにより所
要のトイレスペースを画成し、こゝに、配管ユニットや
衛生機器等適宜なトイレ設備を施すようにしている。

斯かるプレファブ式トイレに使用される壁パネルは、
これを単独で立たせておくことは難しく、建並べには何
等かの介添えを必要とし、通常は、壁パネルの下縁部を
受ける下枠と上縁部を保持する上枠とを設けて上下から
支える形を取ることが多い。

そうした場合、従来は、下枠を床躯体に敷き廻すと共
に上枠を所定レベルに組廻して建付枠を得、これに壁パ
ネルを建付けるようにしていた。

（発明が解決しようとする問題点） この為、壁パネルと上枠との施工手順が高さ方向に対
して逆進行となり、上枠の位置決めに手間取ることが少
なかったし、また、下枠がトイレ床面に当接する為、床
工事が一段落した後でなければ敷設できず、これが工期
面での制約ともなっていた。

本発明は斯かる従来のプレファブ式トイレの組立方法
における問題点を有効に解決すべく為されたもので、そ
の目的とする処は、高さ方向への進行順で上枠を施工で
き、従って、上枠の位置決めに手間取らずに済むばかり
か、下枠の設置に際しトイレ床工事の進捗度を余り気に
する必要が無く、その分、工期的な制約も少ないプレフ
ァブ式トイレの組立方法を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本発明は、躯体側の床より立
上げた支柱間に下枠を架設して壁パネルを建付けた後、
上枠を設けるようにした。

（作用） 上記手段によれば、施工手順が、下枠、壁パネル、上
枠の順になっている為、高さ方向への進行となり、また
床躯体から立上げた支柱間に下枠を架設するようにして
いる為、下枠をトイレの床面に接触させずに済み、従っ
て、支柱下端部廻りのごく限られた領域を除けば、下枠
の架設とトイレの床工事とを切離して扱うことができ、
工期面での制約も少ない。

（実施例） 以下、本発明の実施例に付き、添付図面に基いて詳細
な説明を行なう。

先ず、第４図及び第５図を参照して、本実施例が適用
されるプレファブ式トイレの全体構成に付き説明してお
く。

第４図はトイレの組立手順を示す施工図の一つ、第５
図は組立られたトイレの一部破断概略斜視図である。

図中、Ｔはトイレの全体を表し、トイレＴは、第５図
に示すように、防水下地タイル仕上床Ft上に部屋状の構
造物Ｒ（本実施例では説明の便宜上直方体形状とするが
これに限るものではない）を構築して所要のトイレスペ
ースＳを囲繞画成し、その中に間仕切壁やブース等を立
てゝスペースＳを適宜なサブスペースに仕切ると共に、
大小便器や洗面器等所要の衛生機器Es及び配管ユニット
Utを設置し、更に照明や換気設備を設ける等、所謂トイ
レ用内装設備（以降、総称的にはItで表わす）を施した
構成になっている。

部屋状構造物Ｒは、これをトイレスペース画成体Rdと
して見るとき、上記スペースＳを側方から囲繞画成する
側壁Ｗと上方から画成する天井Ｃから成り、側壁Ｗは平
壁パネルPw…を建並べて相互に連結し、出入口Ｅの部分
にドアDrと欄間パネルPvを建付けて構成され、天井Ｃは
天井パネルPc…を吊設して形成される。

また、部屋状構造物Ｒは、これを構造的枠組Rsとして
捉えるとき、ビルジングの躯体側の床Fbから立上げた略
Ｌ字断面の隅柱１…や略Ｃ字断面のドア枠兼用間柱2,2
といった支柱（以降、総称的にはClで表す）と、それら
の上部1a…,2a,2a間に頭つなぎ材として架設支持された
天井枠３〜６と、下部1b…,2b,2b間に架設された壁載せ
枠７〜11とを備えて成る。

各支柱Clは、床躯体Fbに切られた平面視略方形のピッ
トPtに下部1b,2bを挿入し、その下端部に溶接固着され
た不図示の底板をピットPt底面のスタッドボルトにナッ
ト締めして定着せしめ、モルタルで埋戻して植設固定さ
れており、支柱植設後、床躯体Fbの上面をモルタルMoで
均して防水シートSwを敷き、磁器質タイルTlを貼設する
ことによりトイレの床Ftを得ている。

天井枠３〜６は、これに更に前後方向の横梁12…や不
図示の火打梁それに角隅部捨て張り等の補強材を入れて
天井補強が為され、横梁12…から釣り下げた不図示の野
縁受けを介して前記天井パネルPc…が吊設される。

壁パネルPwは、パネル下地部としての補強枠13と、そ
の室内Ｓ側若しくは内外双方側に着設された芯材として
の壁装下地板14と、これを壁装する例えば室内側であれ
ば磁器質のタイルその他また室外側であれば合成樹脂や
クロス等の壁面仕上材15とから成り、補強材13は、左右
の縦框13aと、その上端間を結び天井枠３〜６に係着さ
れる上框13b及び下端間を結び壁載せ枠７〜11に載置固
定される下框13cと、これらの框13a〜13c間に縦横に組
渡された組子により構成されている。

尚、間柱2,2には、更に、ドア建付用枠兼欄間下枠と
しての梁材16を上部2a,2a間に渡し、要すれば、床Ft側
に敷居を設ける。

こゝで、第１図、第２図及び第３図を併せ参照しつ
ゝ、上記トイレＴの組立方法を説明する。

第１乃至第３図はトイレの組立手順を示す施工図であ
る。

トイレＴの組立に際しては、先ず、第１図に示すよう
に、床躯体Fbの所定位置に切られたピットPt…に隅柱１
…や間柱2,2の下部1b,2b下端を植設して支柱Clの立廻し
を行ない、垂直を確認する。

次いで、第２図に示すように、支柱Clの下部1b,2b間
に壁載せ枠７〜11を架設して、水平を確認し、併せ、欄
間下枠16を間柱2,2間に架設する。

そして、第３図に示すように、壁載せ枠７〜11を下枠
として壁パネルPw…を建付け、連設接合し、更に間柱2,
2と梁材16の間に欄間パネルPvも取付けて、側壁Ｗを形
成すると共に、出入口Ｅを明確にする。

尚、壁パネルPwは、建付けに際し、隣合うもの同士の
縦框13aをジョイント部材で接合し、支柱Clとの間も一
体的に取合うようにし、下框13cを対応する壁載せ枠７
〜11に載置位置決めして起立せしめておく。

その後、第４図に示すように、支柱Clの上部1a,2aに
天井枠３〜６を架け巡らすと共に、これを上枠として壁
パネルPw…及び欄間パネルPvの上縁部を止着固定する。

斯くして、所要のトイレスペースＳを囲繞画成する側
壁Ｗを得、本実施例では、こゝで、床躯体Fb上に均しモ
ルタルMoを張り、養生後、防水シートSwを敷き込んでタ
イルTlを張り詰め、トイレ床面Ftとする。この点、ピッ
トPt…の部分を残して先に床面Ftの施工を済ましてお
き、支柱Cl下端の植設後、ピットPt…を埋戻して、残る
床仕上げを完了するようにしても良く、更には、天井Ｃ
の施工後、或いはそれ迄の適宜な時期に床Ftを仕上るよ
うにしても良い。

次いで、第５図のように、天井枠３〜６同士間に横梁
12…を渡すと共に前記火打梁や角隅捨て張り等の補強材
を入れて天井補強を行ない、天井パネルPc…を吊設して
天井Ｃを張り渡す。

後は、内装設備Itを施し、ドアDrを建付け、所要の組
合や納まりそれに増締等の確認を行なってトイレＴの施
工を完了する。

本実施例によれば、プレファブ式トイレＴの組立に際
し、躯体側の床Fbより立上げた支柱Cl間に下枠としての
壁載せ枠７〜11を架設して壁パネルPw…を建付けた後、
上枠としての天井枠３〜６を設けるようにしたので、施
工手順が、下枠、壁パネル、上枠の順になって、高さ方
向への進行となり、また、床躯体Fbから立上げた支柱Cl
間に下枠を架設する関係上、下枠をトイレ床面Ftに接触
させずに済み、従って、支柱下端部1b,2b廻りのごく限
られた領域Pt…を除けば、下枠の架設とトイレの床工事
とを切離して扱うことができ、工期面での制約も少な
い。

それに、上枠と下枠を同じ支柱Cl間に架設するように
しているので、垂直出しを一括して行なえる。

しかも、天井枠３〜６を上枠とし、その間に天井補強
材を入れているので、壁パネルPwを確実に固定できる。

尚、支柱Clを立設する上で、その下端部の固定はピッ
トへの植設に限ることはなく、例えば、躯体床面若しく
はその上の土台への定着等によることは差支えない。

ところで、上記実施例に係るトイレＴは、壁載せ枠７
〜11とトイレ床面Ftとの間をすかした侭にして、風通し
の便を図っているが、この隙間を塞ぐことは差支えな
く、この点での変更例を、第６図に参照して説明してお
く。

第６図は変更実施例に係るトイレ側壁部の正面図で、
前記実施例と同じものには同じ参照番号が付されてい
る。

図中、′はトイレ側壁部を表し、側壁部Ｗ′は、隣合
う支柱1,1の下部1b,1bと壁載せ枠８とトイレ床面Ftとの
間に出来た隙間Ｖを床ボーダ材17で塞いだ構成になって
おり、これによれば、ボーダ材17の幅木効果により、外
観性が向上し、掃除も楽になる。

（発明の効果） 以上の説明により明らかな如く、本発明によれば、ビ
ルジングの屋内にプレファブ式トイレを設けるに際し、
躯体側の床より立上げた支柱間に下枠を架設して壁パネ
ルを建付けた後、上枠を設けるようにしているので、施
工手順が高さ方向への進行となり、上枠の位置決めに手
間取らずに済み、また下枠の設置に際しトイレ床工事の
進捗度を余り気にする必要が無く、その分、工期的な制
約も少ない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例が適用されたプレファブ式トイレ
に付いてのもので、第１図乃至第４図はトイレの組立手
順を示す施工図、第５図はトイレの一部破断概略斜視
図、第６図は変更例に係るトイレ側壁の要部正面図であ
る。 尚、図中、1,2及びClは隅柱、間柱及び支柱の総称、1a,
2aはその上部、1b,2bは下部、３〜６は上枠としての天
井枠、７〜11は下枠としての壁載せ枠、17は床ボーダ
材、Ｃは天井、Fbは床躯体、Ftはトイレ床、Itはトイレ
内装設備の総称、Pcは天井パネル、Ptはピット、Pwは壁
パネル、Ｒは部屋状構造物、Rdは画成体、Rsは構造枠、
Ｓはトイレスペース、Ｔはプレファブ式トイレ、Ｖは隙
間、W,W′は側壁を表している。

フロントページの続き (72)発明者 武井 浩介 神奈川県茅ケ崎市本村２丁目８番１号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 西村 国男 福岡県北九州市小倉北区中島２丁目１番 １号 東陶機器株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−12025（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−58301（ＪＰ，Ｕ)

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建物躯体の内部に壁パネルを建並べる際
   に、該壁パネルの下縁部を受ける下枠と、上縁部を保持
   する上枠とを設けるようにしたプレファブ式トイレの組
   立方法において、 前記躯体側の床より立上げた支柱間に前記下枠を架設し
   て壁パネルを建付けた後、 前記上枠を設けるようにしたことを特徴とするプレファ
   ブ式トイレの組立方法。
2. 【請求項２】前記上枠を前記支柱の上端部間に架設する
   ようにしたことを特徴とする前記特許請求の範囲第１項
   に記載のプレファブ式トイレの組立方法。
3. 【請求項３】前記上枠を前記トイレの天井補強に利用し
   たことを特徴とする前記特許請求の範囲第１項に記載の
   プレファブ式トイレの組立方法。
4. 【請求項４】前記下枠と躯体側の床との間を床ボーダ材
   で塞ぐようにしたことを特徴とする前記特許請求の範囲
   第１項に記載のプレファブ式トイレの組立方法。