JPS6321613Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 通常、鉄筋コンクリートの柱、梁の場合は、圧
縮荷重がかかるとコンクリートの表面から圧縮破
壊するが、PCカーテンウオール（プレキヤスト
コンクリートカーテンウオール）の場合は、取付
け後応力が作用すると、その応力は先ずPCカー
テンウオールを取付けているフアスナーから順次
そのアンカーフランジ、アンカー鉄筋へと伝達さ
れて最後にコンクリートに分散されるため、コン
クリートの破壊状況はフアスナーのアンカーフラ
ンジ、アンカー鉄筋周辺のコンクリートが圧壊さ
れてから始まる。従つて、コンクリートの破壊状
況はフアスナー周辺のコンクリートから他の部分
へ広がつてゆく。

ところで、重いPCカーテンウオールにおいて
は、従来の縦横の鉄筋よりなる配筋方法では、
PCカーテンウオールに作用する外力に対するア
ンカー耐力が不足して対応できない欠点がある。

そこで本考案は上記欠陥を解消するため、フア
スナーのアンカーフランジに取付けるアンカー鉄
筋を斜め後ろ上方へ向けると共に、そのフアスナ
ーを取付けるやぐら状鉄筋に状補強鉄筋を嵌合
し、その両側片を上記フアスナーのアンカー鉄筋
に沿わせ斜め後ろ上方へ向けてやぐら状鉄筋に連
結し、やぐら状鉄筋のフアスナー取付部を補強鉄
筋により抱持してその両側鉄筋を一体化する上
に、補強鉄筋の両側片がやぐら状鉄筋の筋交いの
作用をしてやぐら状鉄筋を強固になし、一方、フ
アスナーのアンカー鉄筋の固定も堅固となり、板
全体の最大荷重を上げて耐力を増大するようにし
たPCカーテンウオールに係るものである。

図面に示す本考案の１実施例についてその構造
を説明すれば、ＡはPCカーテンウオールを示し、
１はそのコンクリートで、両側部は前方へ張出２
させる。３はコンクリート１の板状部中に埋設す
る鉄筋、４は鉄筋３に連結してコンクリート１の
張出部２中に埋設するやぐら状の鉄筋で、４隅の
縦筋５を適当間隔の数個の枠状横筋６により囲
い、図示してないがそれらの交差部を針金でくく
つて構成する。７はフアスナーで、〓形になして
その横片に通孔８を穿設し、縦片の外面両側部に
はアンカーフランジ９を並設して両アンカーフラ
ンジ９の中間部に通孔１０を穿設し、外側面の前
部には斜め後ろ上方へ向うアンカー鉄筋１１の下
部を、後端には下方へ向うアンカー鉄筋１２の上
部をそれぞれ固着する。而して、フアスナー７の
横片をコンクリート１の前方に突出させて縦片を
コンクリート１の前面に合わせ、アンカー鉄筋１
１をやぐら状鉄筋４内に、アンカー鉄筋１２を鉄
筋３の後方下部内にそれぞれ位置させて通孔１０
には横筋１３を挿通し、図示してないがその横筋
１３とやぐら状鉄筋４との交差部を針金でくくつ
てアンカーフランジ９、アンカー鉄筋１１，１２
および横筋１３をコンクリート１中に埋設する。
１４はコンクリート１中に埋設する状補強鉄筋
で、やぐら状鉄筋４に下方から嵌合しその両側片
はやぐら状鉄筋４の前方下端位置からフアスナー
７のアンカー鉄筋１１に沿わせて斜め後ろ上方へ
向け、図示してないが補強鉄筋１４とやぐら状鉄
筋４との交差部を針金でくくつてそれらを一体に
固定する。

Ｂはコンクリート建築物の鉄骨の梁で、その上
面に継手金物１５を後方へ突出させて固着する。
そこで、継手金物１５上に複数の敷金１６を載置
してその上にフアスナー７の横片を載せ、継手金
物１５および敷金１６の通孔と通孔８にボルト・
ナツト１７を挿着して梁ＢにPCカーテンウオー
ルＡを建込む。

本考案はPCカーテンウオールを上記のように
構成したから、PCカーテンウオールのフアスナ
ーとそのアンカーフランジおよびアンカー鉄筋が
一体に固着しており、一方、補強鉄筋は棒材を
状に曲げただけであるので、PCカーテンウオー
ルの製作に当つては、その配筋後アンカー鉄筋付
きフアスナーおよび補強鉄筋を簡易に且つ所要状
態に取付けて配筋でき、取扱い易くて作業を能率
的になし得る上に、フアスナーにはアンカーフラ
ンジを介してアンカー鉄筋を取付けたから、フア
スナーを所要個所に配置してそのアンカー鉄筋が
常に正確にPCカーテンウオールのコンクリート
中の所定箇所に埋設され、簡易に操作して終始均
一の製品を製作することができる。

特に、フアスナーのアンカーフランジに取付け
たアンカー鉄筋が斜め後ろ上方へ向うと共に、
状補強鉄筋を下方からやぐら状鉄筋に嵌合し、そ
の両側片をフアスナーのアンカー鉄筋に沿わせ斜
め後ろ上方へ向けてやぐら状鉄筋に連結したか
ら、やぐら状鉄筋のフアスナー取付部を補強鉄筋
により抱持してその両側鉄筋を一本化する上に、
補強鉄筋の両側片がやぐら状鉄筋の筋交いの作用
をしてやぐら状鉄筋を強固になし、且つフアスナ
ーのアンカー鉄筋の固定およびフアスナーの支持
も堅固となりPCカーテンウオールの最大荷重を
上げてそのPCカーテンウオールの自重、風圧、
地震等の想定される外力に対してもフアスナー取
付部が十分な耐力を保有することができ、フアス
ナー取付部周辺のコンクリートが圧壊されてPC
カーテンウオールのコンクリートの破壊を生じる
ことなく、その寿命を増大して経済的であると共
に、安全上有益であり、その上構造は極めて簡単
で容易安価に製作し得る等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係るPCカーテン
ウオールをコンクリート建築物の鉄骨の梁に取付
けた状態の取付要部の縦断側面図、第２図は同上
PCカーテンウオールの配筋の要部の側面図、第
３図は正面図、第４図は平面図、第５図はそのフ
アスナー部の斜面図である。 Ａ……PCカーテンウオール、１……コンクリ
ート、４……やぐら状鉄筋、７……フアスナー、
８……通孔、９……アンカーフランジ、１１……
アンカー鉄筋、１４……状補強鉄筋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリートより前方に突出する横片に通孔を
   穿設した〓形のフアスナーの縦片の後面にアンカ
   ーフランジを装設して該アンカーフランジには斜
   め後ろ上方へ向うアンカー鉄筋の下部を固着し、
   そのフアスナーを取付けるやぐら状鉄筋に状補
   強鉄筋を下方から嵌合し、該補強鉄筋の両側片を
   上記フアスナーのアンカー鉄筋に沿わせ斜め後ろ
   上方へ向けてそのやぐら状鉄筋と補強鉄筋の交差
   部を連結し、上記のアンカーフランジ、アンカー
   鉄筋、やぐら状鉄筋、補強鉄筋をコンクリート中
   に埋設してなるPCカーテンウオール。