JP4580252B2 - 建物の断熱構造 - Google Patents
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Description
このような結露の発生を防止するには、通常、梁などを断熱材で被覆する方法が採られるのであるが、非常に煩雑な断熱工事を要してコストアップを招き、断熱材による被覆必要面積が大きくなればなるほど顕著となって工期の長期化をも招くことになる。
また、上方柱と下方のフーティングとの間に比較的熱伝導率が低くて強度のある硬質木材を介在させたり、あるいは、断熱性樹脂を使用してヒートブリッジを防止するように構成したものも知られている(例えば、特許文献2および3参照)。
また、特許文献2や3に記載の従来技術では、硬質木材や断熱性樹脂を介して上方からの軸力を下方へ伝達するため、比較的強度があるとは言え、硬質木材や断熱性樹脂を介して大きな軸力を下方へ伝達するには不向きであり、この点に問題がある。
それに対し、板状の高硬度ゴムと鋼板を交互に積層した積層ゴム支承体を使用することによって、高硬度ゴムの断熱性と強度ならびに鋼板の強度を有効に利用して、所望どおりのヒートブリッジ防止効果を得ることができるのみならず、たとえ大きな軸力であっても下方の支持部材へ確実に伝達することができる。
そして、積層ゴム支承体を中心としてその周囲に断熱材が位置され、かつ、その断熱材より外側に複数個の高硬度ゴム製支持体が位置された状態で、これら積層ゴム支承体、断熱材、および、高硬度ゴム製支持体が、ベースプレートと下方支持部材の間に配置されているので、ベースプレートに分散された軸力は、主としてその中心に位置する積層ゴム支承体を介して下方支持部材へ伝達されことになる。
それに加えて、断熱材の外側に位置された複数個の高硬度ゴム製支持体も軸力の伝達に寄与するので、高硬度ゴム製支持体と積層ゴム支承体の間に位置する断熱材にはほとんど軸力が作用せず、したがって、断熱材によるヒートブリッジ防止効果は長年月にわたって維持される。
それにもかかわらず、ナットは高硬度ゴム製座金を介してアンカーボルトに螺合されるので、アンカーボルトによるヒートブリッジも確実に抑制される。
この発明は、製薬工場、食品工場、あるいは、冷蔵倉庫用の建物のように、室内温度に差のある室が上下方向に隣接して設けられている建物を対象とする。
図1に示す例では、上方室が冷蔵冷凍室1(例えば、室温が0〜5℃程度)に構成され、下方室が通常の室、例えば、事務室2(例えば、室温が20〜25℃程度)に構成されて、上方の冷蔵冷凍室1には多数本の上方柱3が配置され、下方の事務室2にはスラブ4と梁5が配置されている。
例えば、冷蔵冷凍室1内の上方柱3は、断面が正方形の中空の鋼管により、事務室2内のスラブ4は、鉄筋コンクリートにより、梁5はH型鋼により構成されている。
その支承体6は、図2および図3に示すように、複数枚の板状の高硬度ゴム7aと鋼板7bを交互に積層し接着して形成された積層ゴム支承体7、硬質ウレタンフォームからなる断熱材8、および、合計4個程度の高硬度ゴム製支持体9により構成されている。支承体6と積層ゴム支承体7は、平面視においてほぼ正方形に形成され、積層ゴム支承体7を中心として、その周囲に断熱材8が位置され、さらに、断熱材8より外側の四隅に高硬度ゴム製支持体9が位置されて、それぞれが互いに接着されて支承体6が構成されている。
他方、各上方柱3の下端部には、平面視において正方形の金属製支持プレート15が溶接により取り付けられて、その支持プレート15と上方柱3の下端部が、さや管11内に位置されている。そして、上方柱3の下端部に位置する支持プレート15が、その下面との間に高硬度ゴム製シート12を介してベースプレート10上に載置され、その側面との間に高硬度ゴム製シート14を介してさや管11により保持されるとともに、さや管11の上端には、上方柱3の上方への引き抜きを防止する金属製蓋プレート16が溶接により取り付けられている。
そして、アンカーボルト19の延出端部に高硬度ゴム製座金20を外嵌した状態で、その延出端部にナット21が螺合されて締め付けられ、それによって、さや管11を備えたベースプレート10がスラブ4に対して強固に固定されるとともに、積層ゴム支承体7、断熱材8、高硬度ゴム製支持体9なども、スラブ4とベースプレート10の間に挟み込まれ、スラブ4に対して強固に固定されている。
なお、アンカーボルト19によるヒートブリッジは、高硬度ゴム製座金20により防止されるが、必要な場合には、ボルト孔18とアンカーボルト19との間の隙間に断熱材22を挿入することもでき、さらに、支承部6などを被覆用断熱材23により被覆することもできる。
その支承体6の中心には積層ゴム支承体7が位置し、積層ゴム支承体7は、平面視において、上方柱3や下方支持部材であるスラブ4および梁5の外側形状内、つまり、上方柱3、スラブ4、梁5の輪郭の内側に位置し、その周囲に断熱材8が位置するとともに、さらに、断熱材8の四隅に高硬度ゴム製支持体9が位置することになるので、上方柱3からの軸力は、主として積層ゴム支承体7によりスラブ4や梁5に伝達され、断熱材8は、積層ゴム支承体7と合計4個の高硬度ゴム製支持体9の間に位置して、上方柱3からの軸力を受けることはほとんどなく、ヒートブリッジ防止効果を長年月にわたって維持することができる。
つぎに、別の実施形態について説明するが、重複説明を避けるため、先の実施形態で説明した構成部品や同じ作用を有する構成部品については、同じ符号を付すことによりその説明を省略し、主として先の実施形態と異なる構成について説明する。
この図4に示す別の実施形態では、上方柱3の下端部にベースプレート10が溶接により直接取り付けられている。そして、ベースプレート10には、合計2個のボルト孔18が設けられ、スラブ4に埋設された2本のアンカーボルト19が、積層ゴム支承体7の周りの断熱材8とボルト孔18を貫通して上方へ延出され、その延出端部に高硬度ゴム製座金20を介してナット21が螺合されて、ベースプレート10がスラブ4に固定されている。
なお、図中の3aは、上方柱3の下端部に設けられた開口で、ナット21を締め付ける際に工具などを挿入するためのものである。
また、隣接する上下の室は、特に冷蔵冷凍室1と事務室2に限るものではなく、両室間に結露発生のおそれがあれば、いかなる種類の室間においても適用可能である。
この図5に示す別の実施形態では、下方柱24の上端部にベースプレート10に対応する下方ベースプレート25が溶接により取り付けられ、両ベースプレート10,25の間に積層ゴム支承体7、断熱材8、および、高硬度ゴム製支持体9が挟み込まれて複数本のアンカーボルト19とナット21により固定された構成とされている。
2 下方室
3 上方柱
4,5,24 下方支持部材
6 支承体
7 積層ゴム支承体
7a 板状の高硬度ゴム
7b 鋼板
8 断熱材
9 高硬度ゴム製支持体
10 ベースプレート
11 さや管
12 高硬度ゴム製シート
19 アンカーボルト
20 高硬度ゴム製座金
21 ナット
Claims (4)
- 室内温度に差のある上方室と下方室が、上下方向に隣接して設けられ、前記下方室に配置された下方支持部材が、前記上方室に配置された上方柱からの軸力を支持するように構成されている建物の断熱構造であって、
前記上方柱からの軸力を前記下方支持部材に伝達する支承体が、板状の高硬度ゴムと鋼板を交互に積層した積層ゴム支承体により構成され、その積層ゴム支承体が、平面視において、前記上方柱と下方支持部材の輪郭の内側に位置し、その周囲に断熱材を配置した状態で前記上方柱と下方支持部材の間に配置されている建物の断熱構造。 - 前記上方柱と積層ゴム支承体の間にベースプレートが配置され、前記積層ゴム支承体を中心としてその周囲に前記断熱材が位置され、かつ、その断熱材より外側に複数個の高硬度ゴム製支持体が位置された状態で、これら積層ゴム支承体、断熱材、および、高硬度ゴム製支持体が、前記ベースプレートと下方支持部材の間に配置されている請求項1に記載の建物の断熱構造。
- 前記下方支持部材から突設された複数本のアンカーボルトが、前記断熱材とベースプレートを貫通して上方へ延出され、その延出端部に高硬度ゴム製座金を介してナットが螺合されて、前記ベースプレートが下方支持部材に固定されている請求項2に記載の建物の断熱構造。
- 前記上方柱の下端部周囲を取り囲むさや管が、前記ベースプレートから上方へ突設され、前記上方柱の下端部が、前記さや管内に位置し高硬度ゴム製シートを介して前記ベースプレート上に載置されている請求項2または3に記載の建物の断熱構造。
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