JP5319902B2 - 建物の制振構造 - Google Patents

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Description

本発明は、地震や風や交通振動などによって生じる建物の揺れを抑えるための建物の制振構造に関するものである。
従来、風、地震、交通振動などによって発生する建物の揺れを低減する制振構造が知られている(特許文献1−3参照)。
これらの文献に記載された制振構造では、建物を構成する建物ユニットの天井梁間に横架材を架け渡し、その横架材におもりを取り付けて、そのおもりを振動させることによって建物の振動を吸収させている。
特許第3262629号公報 特開平5−287935号公報 特開平5−231042号公報
一方、梁材と柱材とによってラーメン構造体などの骨組みが形成される建物ユニットは、地震などによって水平力が作用すると、梁材や柱材が側面視S字形に曲げ変形してユニット建物に振動を引き起こすことがある。
そして、このような曲げ変形を利用して建物の振動を抑えることができれば、従来の減衰壁のような専有容積の大きな装置を別途、設ける必要がない。
そこで、本発明は、梁材や柱材の曲げ変形を利用して建物に発生する振動を低減できる建物の制振構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の建物の制振構造は、梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物の制振構造であって、前記梁材又は前記柱材の少なくとも一部であって、前記建物が外力を受けた際に曲げ変形が生じる構造変形部の長手方向に沿って配置される長尺状の制振板と、その制振板の長手方向に間隔を置いて設けられて前記構造変形部と前記制振板とを接続する接続部と、その接続部の少なくとも一箇所において前記制振板と前記構造変形部との間に介在される減衰材とから構成される減振装置を設けたことを特徴とする。
ここで、前記建物を、梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物ユニットを複数、隣接させて構成されるユニット建物として、前記隣接して設置される建物ユニットの前記梁材間又は前記柱材間に前記減振装置を設けることができる。
また、前記減振装置は、前記梁材又は前記柱材の略全長に連続して配置されるとともに、前記梁材又は前記柱材の長手方向中央の両側に、前記減衰材を介在させた前記接続部が設けられる構成とすることができる。
さらに、前記梁材又は前記柱材の長手方向中央の両側に、それぞれ別体の前記減振装置が配置される構成であってもよい。
また、前記接続部の少なくとも一箇所を前記柱材と前記梁材との接合部付近に設け、その接続部を剛接合とする構成であってもよい。
また、前記減振装置は、前記建物の天井梁に配置することができる。
さらに、前記減振装置は、前記建物の下階の天井梁と上階の床梁とに跨って配置されていてもよい。
また、前記減衰材を介在させる接続部では、前記減衰材は前記制振板の両側面に接合され、前記減衰材の側面が前記構造変形部に固定される構成とすることができる。
さらに、前記減衰材を介在させる接続部では、前記減衰材は前記制振板の両側面に接合され、前記制振板及び前記減衰材には連通する貫通孔が形成され、その貫通孔にボルトを挿通してそのボルトの両端部を前記構造変形部にそれぞれ固定することもできる。
また、前記減衰材を介在させる接続部では、前記制振板には挿入孔を設け、その挿入孔に円筒状に形成された前記減衰材を挿入し、その減衰材の中心孔にボルトを挿通してそのボルトの両端部を前記構造変形部にそれぞれ固定する構成としてもよい。
このように構成された本発明の建物の制振構造は、建物が外力を受けた際に曲げ変形が生じる梁材や柱材などの構造変形部に、その長手方向に沿って減振装置が配置される。そして、構造変形部と減振装置の制振板とを接続する接続部の少なくとも一箇所には減衰材が介在されている。
そして、構造変形部が外力によって曲げ変形を起こすと、減衰材を配置した箇所において、構造変形部と制振板との間に増幅された変位差が生じ、この増幅された変位差が減衰材の作動量になって振動が減衰される。
このような増幅機構にすれば、外力によって発生する梁材や柱材の曲げ変形を利用して建物の振動を低減することができる。
また、梁材や柱材に沿って減振装置を配置できれば、減振装置が支障となって間取りなどの設計の際に制約を受けることがほとんどない。
さらに、隣接して設置される建物ユニット間に、梁材又は柱材の長手方向に沿って減振装置が配置されるのであれば、元々、空いている隙間を有効利用することになるので、減振装置が支障となって間取りなどの設計の際に制約を受けることがほとんどない。
さらに、減振装置を梁材や柱材の略全長に連続して配置すれば、梁材や柱材の曲げ変形による変位差の累積が大きくなり、効果的に建物の振動を減衰させることができる。
さらに、減振装置は、構造変形部の変形が大きくなる箇所に部分的に配置することもできる。例えば、梁材や柱材が側面視S字形に変形する場合、長手方向中央の両側に現れる変形の腹の部分を中心にそれぞれ減振装置を配置することで、効率的に構造変形部の振動を減衰させることができる。
また、柱材と梁材との接合部付近の減振装置の接合部を剛接合にすれば、制振板がその位置から片持ちになることで、制振板の先端ではS字変形の大きな差分を利用することができ、効率よく振動を減衰することが可能になる。
さらに、建物の天井梁に減振装置を配置することで、高い位置で振動を減衰することができ、建物の振動を効率的に抑えることができる。
また、上階の床梁と下階の天井梁に跨って減振装置を配置することで、減振装置の制振板の高さを高くして曲げ剛性を大きくすることができるので、曲げ変形する構造変形部との差分が大きくなって、効果的に振動を減衰させることができる。
また、接続部が、制振板の両側に減衰材を接合する構成であれば、接着剤やタッピングねじなどによっても構造変形部に固定することができ、取り付けが容易である。
さらに、ボルトを介して取り付ける構成であれば、少ない箇所で固定しても、構造変形部に確実に減振装置を取り付けることができる。
そして、円筒状の減衰材を介して制振板を取り付ける場合は、梁材間の間隔が狭い場合であっても、所望する厚さの減衰材を制振板との間に介在させることができるので、効率的な減衰材の厚さに調整した制振構造とすることができる。
以下、本発明の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の建物の制振構造の構成を説明するための建物としてのユニット建物100の模式図である。
まず、ユニット建物100の構成から説明すると、このユニット建物100は、図2に示すような建物ユニット1を複数、隣接設置して構築される戸建て住宅などの建物である。
図1に示したユニット建物100は、1階に4体の下階建物ユニット1A,・・・を据え付け、その上に2階用の4体の建物ユニット1,・・・を据え付けている。
この建物ユニット1(又は下階建物ユニット1A)は、図2に示すように、四隅に配置される柱材としての柱13と、その柱13の上端間と下端間に架け渡される梁材としての天井梁11及び床梁12とから骨組みが形成されている。
ここで、柱13は角形鋼管、天井梁11及び床梁12はC形鋼材などによって構成することができる。また、天井梁11及び床梁12と柱13とは溶接などによって剛接合され、この骨組みは矩形箱型のラーメン構造体を形成している。
そして、このように構成される建物ユニット1,1Aは、図4に示すように、梁材(図4では天井梁11,11)間に隙間を開けて配置される。
本実施の形態では、図1に示すように、横方向に隣接して配置される建物ユニット1,1(1A,1A)間に減振装置2を配置する。この図1は、隣接する建物ユニット1,1の天井梁11,11間にそれぞれ減振装置2を配置し、隣接する下階建物ユニット1A,1Aの天井梁11,11間と上階の建物ユニット1,1の床梁12,12間にそれぞれ減振装置2を配置したユニット建物100を示している。
この減振装置2は、図3に示すように、天井梁11と略同じ長さに形成され、天井梁11の長手方向に沿って配置される。
ここで、図3に2点鎖線で示した2本の曲線は、建物ユニット1の天井梁11の例えば左側から、地震や風などによって水平方向の外力Pが作用した際に、構造変形部としての天井梁11に発生する曲げ変形としてのS字変形S1,S2の変形モードを、変位の縮尺を大きくして模式的に示したものである。なお、図示していないが、このS字変形S1,S2のような曲げ変形は、柱13や床梁12にも発生する。
また、このS字変形S1,S2の形状から、天井梁11の長手方向中央ではほとんど変形が発生せずに、その両側に腹状に膨らむ最大変形部が発生することがわかる。
そして、この最大変形部の変形を減衰させるために、図3に示すように、減振装置2の長手方向に間隔を置いて、複数の接続部としての減衰接続部23,・・・を設ける。ここで、この減衰接続部23は、天井梁11のS字変形S1,S2による変位差を充分に利用できるように最大変形部に設けるのが好ましい。
この減衰接続部23周辺の減振装置2は、図4に断面図を示すように、中心に配置される制振板21と、その両側面に配置される減衰材としての減衰ゴム22,22と、その減衰ゴム22,22をそれぞれの天井梁11,11に固定するタッピングねじ23a,・・・とから主に構成されている。
また、この減振装置2を固定する天井梁11は、図4に示すように、上下に平行に配置されるフランジ11b,11bと、その端部間を繋ぐウエブ11aとによって、断面視略C字形に形成された鋼材である。
他方、減振装置2の制振板21は、天井梁11のウエブ11aより高さ及び長さが一回り小さい長方形の鋼板である。この制振板21は、天井梁11の変形を減衰させることが可能な曲げ剛性の大きな部材であり、天井梁11のサイズや変形量によって厚みや高さを設定すればよい。
また、この制振板21の両側面には接着剤などによって減衰ゴム22,22がそれぞれ貼り付けられる。この減衰ゴム22には、制振用ゴム材、アスファルト系制振材などが使用できる。さらに、この減衰ゴム22は、制振板21の全長に亘って配置することもできるし、減衰接続部23周辺にのみ配置してもよい。
また、減衰ゴム22の天井梁11のウエブ11aに対向させる側面には、鋼板やアルミ板や合板などで形成される保護プレート22aを貼り付けておく。この保護プレート22aは、タッピングねじ23aに対するせん断耐力を確保するために設けられる。
このように構成された減衰ゴム22と天井梁11とは、タッピングねじ23aによって接合することができる。また、タッピングねじ23aに加えて、または単独で接着剤で固定することもできる。
また、タッピングねじ23aを使用する場合には、予め天井梁11のウエブ11aの所定の位置に、タッピングねじ23aを挿入するねじ穴(図示せず)を設けておく。
次に、本実施の形態のユニット建物100の制振構造の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のユニット建物100の制振構造は、隣接して設置される建物ユニット1,1の梁材間(天井梁11,11間、床梁12,12間)に、梁材の長手方向に沿って減振装置2が配置される。そして、減衰接続部23では、減振装置2が減衰ゴム22を介して梁材にタッピングねじ23aなどで固定されている。
これに対して建物ユニット1,1は、地震などによって水平力(外力)を受けると、それぞれの天井梁11,11がS字変形S1,S2を起こす。そして、天井梁11,11がS字変形S1,S2すると、変形の腹である最大変形部の減衰接続部23周辺の減衰ゴム22は大きく変形することになる。
すなわち、構造変形部である天井梁11,11と制振板21との間に増幅された変位差が生じ、この増幅された変位差が減衰ゴム22の作動量になって振動が減衰される。
このように減衰ゴム22を変形の大きくなる位置に配置して、効率的に減衰ゴム22を伸縮させることによって、振動を効果的に減衰させることができる。
そして、その結果、複数の建物ユニット1,・・・から構成されるユニット建物100の振動を低減することができる。
また、元々、隙間があいている梁材間(天井梁11,11間、床梁12,12間)に減振装置2を配置するのであれば、従来のように居室空間に配置される壁に装置を設ける制振構造のように間取りの設計が制約されることがない。さらに、梁材間であれば減振装置2が居室や天井裏などに突出しないので、居室空間が狭くなったり、配管の支障となったりして設計の際に制約を受けることがほとんどない。
さらに、減振装置2を梁材(天井梁11、床梁12)の略全長に連続して配置すれば、天井梁11のS字変形S1,S2による変位差の累積が大きくなり、効果的にユニット建物100の振動を減衰させることができる。
また、建物ユニット1の天井梁11に減振装置2を配置することで、高い位置で振動を減衰することができ、ユニット建物100の振動を効率的に抑えることができる。
さらに、減振装置2の減衰接続部23が、制振板21の両側に減衰ゴム22,22を接合する構成であれば、接着剤やタッピングねじ23aなどによっても梁材に固定することができ、取り付けが容易である。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、天井梁11と略同じ長さの減振装置2を配置する場合について説明したが、この実施例1では、天井梁11の長手方向中央の両側に、それぞれ別体の減振装置2,2が配置される場合について、図5を参照しながら説明する。
すなわち、実施例1では、図5に示すように、S字変形S1,S2によって変形が発生する変形の腹近辺にだけ減振装置2,2が配置されている。
そして、この減振装置2は、天井梁11のS字変形S1,S2による変形の少ない両端付近に、接続部としてのピン接続部24,24が設けられ、最大変形部付近である中央部に接続部としての減衰接続部23が設けられている。
このように変形の小さい減振装置2の両端は、ピン接続部24,24にして回転を拘束することなく天井梁11に接続させ、その間にある変形が大きくなる中央部は減衰接続部23とすることによって、ピン接続部24,24では制振板21は回転し、変形の腹である最大変形部の減衰接続部23周辺の減衰ゴム22は大きく変形することになる。
すなわち、減振装置2は、ピン接続部24,24では天井梁11に追従し、最大変形部である減衰接続部23との相対的な変位差が大きくなるので、減衰ゴム22が充分に作動し、効果的に振動が吸収され、天井梁11の振動を減衰させることができる。
また、変形の減衰効果が大きくなる箇所にのみ減振装置2や減衰ゴム22を配置するようにすれば、材料の使用量が削減できて、効率的に天井梁11の振動を減衰させることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の減振装置について説明する。なお、前記実施の形態又は実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
まず、図6を参照しながら説明する減振装置3の接続部としての減衰接続部33は、前記実施の形態の減振装置2と同様に、長方形の鋼板によって形成される制振板31と、その両側面に接合される減衰材としての減衰ゴム32,32と、固定手段としてのボルト33aとナット33bとから主に構成される。
そして、この減衰接続部33では、制振板31にはボルト33aの軸径よりも大きな貫通孔34が形成され、ボルト33aを挿通した際に、ボルト33aと制振板31とが接触しないようになっている。
また、制振板31の両側に配置される減衰ゴム32,32にも、制振板31の穴に連通する貫通孔34が形成されている。さらに、減衰ゴム32の天井梁11のウエブ11aに対向する面には、薄い鋼板などによって形成される保護プレート32aが貼り付けられており、そこにはボルト33aの軸径より僅かに大きい穴が形成されている。
そして、一方の天井梁11側からこの保護プレート32aの穴と貫通孔34にボルト33aを挿通し、他方の天井梁11側においてナット33bで締結すると、減振装置3が両側の天井梁11,11に固定されたことになる。
また、このようにして減振装置3が固定された状態で、天井梁11,11が変形すると、その変形がボルト33aを介して保護プレート32a,32aに伝達され、保護プレート32a,32aから減衰ゴム32,32を介して制振板31に伝達されることになる。
このようにボルト33aを介して取り付ける構成であれば、少ない箇所で固定しても、天井梁11,11に確実に減振装置3を取り付けることができる。
次に、図7,8を参照しながら説明する別の形態の減振装置4の接続部としての減衰接続部43は、長方形の鋼板によって形成される制振板41と、その制振板41に設けられた挿入孔44に挿入される減衰材としての減衰筒42とから主に構成される。
この減衰筒42は、肉厚の円筒状に形成された減衰ゴム421の内周面に円筒状の内周プレート42aが貼り付けられ、外周面は外周プレート42bによって覆われている。この内周プレート42a及び外周プレート42bは、鋼板、アルミ板などによって円筒形に製作できる。
そして、内周プレート42aによって形成される孔が、減衰接続部43のボルト43aを挿入する中心孔42cとなる。
すなわち、減振装置4を天井梁11,11間に配置し、一方の天井梁11側から減衰筒42の中心孔42cにボルト43aを通し、他方の天井梁11側でナット43bを締結すれば、減振装置4は減衰接続部43において天井梁11,11に固定されることになる。
また、このようにして減振装置4が固定された状態で、天井梁11,11が変形すると、その変形がボルト43aを介して内周プレート42aから減衰ゴム421に伝達され、外周プレート42bから制振板41に伝達されることになる。
すなわち、減衰ゴム421の肉厚が、減衰接続部43と制振板41との間に介在される減衰材の量になるので、天井梁11,11間の隙間が狭い場合であっても、この減衰材の厚さを所望する厚さに調整することができる。
つまり、天井梁11,11の変形は、減衰ゴム421を介して制振板41に伝達されるので、この減衰ゴム421の厚さによって天井梁11,11の変形の減衰効果が異なることになる。
これに対して減衰ゴム421の厚さを調整することで減衰効果を調整しようとした場合に、前記実施の形態のように制振板21の両側に減衰ゴム22,22を配置する構成では、天井梁11,11間の隙間の広さによって減衰ゴム22,22の厚さは制限されるが、この減衰筒42のような構成であれば、天井梁11,11間の隙間の広さに制限されることなく減衰ゴム421の厚さを調整することができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の減振装置について説明する。なお、前記実施の形態又は実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例3では、減振装置5の一端が減衰材を介在させることなく剛接合された片持ち式について、図9,10を参照しながら説明する。
この減振装置5は、図9に示すように、建物ユニット1の柱13側の一端が接続部としての剛接合部54となっており、他端は減衰材としての減衰ゴム52が介在される接続部としての減衰接続部53となっている。
そして、減振装置5の剛接合部54は、図10の断面図に詳細を示すように、制振板51と天井梁11,11のウエブ11a,11aとの間にスペーサ54c,54cが介在されて、ボルト54aとナット54bとによって制振板51が固く天井梁11,11に固定されている。ここで、スペーサ54cの形態は、ボルト54a毎に配置されるものに限定されるものではなく、上下のボルト54a,54aに跨って配置される板状のものであってもよい。また、柱13に天井梁11を接合する際に使用するジョイントピースをスペーサ54cに代えて利用してもよい。
このように減振装置5の一端を剛接合部54とすると、剛接合部54は天井梁11の変位に伴って移動することになる。他方、減衰接続部53の位置では天井梁11が大きく変形するが、減衰接続部53には減衰ゴム52が介在されているので、減衰ゴム52が変形して天井梁11の振動を吸収させることができる。
このように一端を剛接合にして、他端は減衰ゴム52を介在させた減衰接続部53とすることで、減振装置5の端部間の相対的な変位差を大きくすることができ、減振装置5が片持ちになって効果的に天井梁11の振動を減衰させることができる。
次に、図11を参照しながら、上階の建物ユニット1と下階建物ユニット1Aとに跨って配置される減振装置5Aについて説明する。
この減振装置5Aは、上述した片持ち式の減振装置5と同様の構成をしており、柱13側の端部が剛接合部54となっている。
また、この減振装置5Aを構成する制振板51は、建物ユニット1の床梁12と下階建物ユニット1Aの天井梁11の高さを合わせた高さより一回り低い高さに形成されている。
そして、この剛接合部54では、床梁12に対して1箇所のボルト54aが配置されるとともに、天井梁11に対して2箇所のボルト54a,54aが配置されることによって、床梁12と天井梁11に跨って剛接合されている。
このように上階の床梁12と下階の天井梁11に跨って減振装置5Aを配置することで、減振装置5Aの制振板51の高さを高くして曲げ剛性を大きくすることができるので、効果的に振動を減衰させることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の減振装置6について、図12,13を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例4で説明する減振装置6は、上記実施例3と同様に片持ち式の構成である。
また、天井梁111は、図13に示すように上下の平行なフランジ111b,111bが中央のウエブ111aによって繋がれたH形鋼材によって形成されている。
さらに、この減振装置6は、ウエブ111aを挟んで両側に配置される制振板61,61と、接続部としての減衰接続部63及び剛接合部64とから主に構成される。
この制振板61は、図12に示すように、柱13と天井梁111との接合部側の剛結合部64付近の高さが高く、減衰接続部63に向けて先細りするような矩形と台形を組み合わせた形状に成形されている。
また、減衰接続部63では、図13(a)に示すように、減衰ゴム62が保護プレート62aとビス62bを介して天井梁111のウエブ111aに固定されており、制振板61及び保護プレート62aと減衰ゴム62とは接着剤で接合されている。
さらに、剛接合部64では、図13(b)に示すように、スペーサ64cを介して制振板61がボルト64aとナット64bでウエブ111aに固定されている。
なお、ここでは、制振板61を一定の板厚で図示したが、これに限定されるものではなく、減衰接続部63では板厚を薄くし、剛接合部64では板厚を厚くすることもできる。
このようにH形鋼材によって構成される天井梁111のウエブ111aの両側に制振板61,61を配置して減振装置6を構成するのであれば、建物ユニット単位での取り付けが可能になり、取り付けを工場でおこなうことができる。
また、このようにウエブ111aに取り付けるのであれば、建物ユニット1以外の骨組み構造体を備えた建物にも、減振装置6を設置することが容易にできる。
さらに、図4に示したようなC形鋼材によって構成される天井梁11であっても、この実施例4と同様にウエブ11aに減振装置6を取り付けることができる。
また、減振装置6の制振板61は、天井梁11,111のウエブ11a,111aの両側に取り付ける構成に限定されるものではなく、いずれか一側だけでもよい。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の最良の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態及び実施例1,2,4では、主に天井梁11,111に配置する減振装置2,3,4,6について説明したが、これに限定されるものではなく、床梁12に配置したり、実施例3のように上階の床梁12と下階の天井梁11とに跨って配置したりすることもできる。
また、前記実施の形態及び実施例において様々な形態の減振装置2,3,4,5,6及び減衰接続部23,33,43,63について説明したが、これらの構成は説明した組み合わせに限定されるものではなく、様々な組み合わせで実施することができる。
さらに、前記実施の形態及び実施例で説明した接続部23,24,33,43,53,63の配置又は個数に限定されるものではなく、減衰効果が高くなるように適宜、調整することができる。
また、前記実施の形態では接続部のすべてを減衰接続部23,・・・としたが、これに限定されるものではなく、最大変形部以外のS字変形S1,S2による変形が少ない箇所の接続部は、実施例1で説明したようなピン接続部24としてもよい。さらに、実施例1のピン接続部24は、減衰接続部23とすることもできる。
本発明の最良の実施の形態のユニット建物の概略構成を説明する模式図である。 建物ユニットの構成を説明する斜視図である。 本発明の最良の実施の形態の減振装置の取り付け位置を説明する側面図である。 本発明の最良の実施の形態の減振装置の構成を説明する断面図である。 実施例1の減振装置の取り付け位置を説明する側面図である。 実施例2の減振装置の構成を説明する断面図である。 実施例2で説明する減衰筒を備えた減振装置の構成を説明する断面図である。 実施例2で説明する減衰筒を備えた減振装置の構成を説明する斜視図である。 実施例3の減振装置の取り付け位置を説明する側面図である。 実施例3の減振装置の剛接合部の構成を説明する断面図である。 実施例3で説明する減振装置の剛接合部の構成を示した拡大側面図である。 実施例4で説明する減振装置の構成を示した側面図である。 (a)は図12のA−A矢視方向で見た断面図、(b)は図12のB−B矢視方向で見た断面図である。
符号の説明
100 ユニット建物(建物)
1 建物ユニット
1A 下階建物ユニット(建物ユニット)
11,111 天井梁(梁材)
12 床梁(梁材)
13 柱(柱材)
2,3 減振装置
21,31 制振板
22,32 減衰ゴム(減衰材)
23,33 減衰接続部(接続部)
24 ピン接続部(接続部)
33a ボルト
4 減振装置
41 制振板
42 減衰筒(減衰材)
421 減衰ゴム
42c 中心孔
43 接続部
43a ボルト
44 挿入孔
5,5A,6 減振装置
51,61 制振板
52,62 減衰ゴム(減衰材)
53,63 減衰接続部(接続部)
54,64 剛接合部(接続部)

Claims (6)

  1. 梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物の制振構造であって、
    前記梁材又は前記柱材の少なくとも一部であって、前記建物が外力を受けた際に曲げ変形が生じる構造変形部の長手方向に沿って配置される長尺状の制振板と、その制振板の長手方向に間隔を置いて設けられて前記構造変形部と前記制振板とを接続する接続部と、その接続部の中で前記構造変形部の変形が最大となる箇所において前記制振板と前記構造変形部との間に介在される減衰材とから構成される減振装置を備え、
    前記減振装置の一端に設ける接続部は、前記制振板を前記柱材と前記梁材との接合部付近に剛接合させ、
    前記減振装置の他端に設ける前記減衰材を介在させる接続部は、前記制振板に設けられた挿入孔に外周プレートに覆われて円筒状に形成された前記減衰材を挿入し、その減衰材の中心孔にボルトを挿通してそのボルトの両端部を前記構造変形部にそれぞれ固定することを特徴とする建物の制振構造。
  2. 前記建物は、梁材と柱材とによって骨組みが形成される建物ユニットを複数、隣接させて構成されるユニット建物であって、
    前記隣接して設置される建物ユニットの前記梁材間又は前記柱材間に、前記減振装置を設けたことを特徴とする請求項1に記載の建物の制振構造。
  3. 前記梁材又は前記柱材の長手方向中央の両側に、それぞれ別体の前記減振装置が配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の制振構造。
  4. 前記減振装置は、前記建物の天井梁に配置されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の建物の制振構造。
  5. 前記減振装置は、前記建物の下階の天井梁と上階の床梁とに跨って配置されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の建物の制振構造。
  6. 前記制振板は、前記剛接合とした側の高さが高く、前記減衰材を介在させた側に向けて先細りする形状に成形されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物の制振構造。
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