JP2001323964A - 制震ダンパー及び制震橋 - Google Patents

制震ダンパー及び制震橋

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JP2001323964A
JP2001323964A JP2001057661A JP2001057661A JP2001323964A JP 2001323964 A JP2001323964 A JP 2001323964A JP 2001057661 A JP2001057661 A JP 2001057661A JP 2001057661 A JP2001057661 A JP 2001057661A JP 2001323964 A JP2001323964 A JP 2001323964A
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steel plate
steel plates
damper
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JP2001057661A
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Yutaka Nakamura
豊 中村
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造物の層間の開口部分を塞ぐことがなく、
空間の有効利用が図れ、しかも構造物の曲げ変形に対し
ても適切な制震効果を発揮できる制震ダンパーと制震橋
を提供する。 【解決手段】 制震ダンパー40は、複数の細長状鋼板
31、31’、31”と矩形状鋼板32、32’、3
2”とが互いに向かい合い、各鋼板の間にそれぞれ粘弾
性体33の層が挟み込まれており、構造物の柱35に沿
わせた状態で細長状鋼板の先端部34を柱頭36に固定
し、矩形状鋼板を柱頭36から柱長の1/3〜1/2に
位置する柱脚部に固定するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物の地震や風
による振動を少なくするために用いられる制震ダンパー
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地震や風に対する構造物の応答を
低減することを目的として、構造物に種々のタイプのダ
ンパー(エネルギー吸収機構)を付加する制震工法が採
用されつつある。その中で粘弾性系の制震ダンパーは、
粘弾性体の剪断変形に対する粘性抵抗力を利用するもの
であり、小変形時からエネルギー吸収による付加減衰効
果を発揮することで知られている。そして、これまでに
アクリル系ゴム、ゴムアスファルト系ゴム、高減衰ゴム
を粘弾性材料として用いた制震ダンパーが開発されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の粘弾性系の制震
ダンパーには、以下の2つの問題点がある。 (1)従来の制震ダンパーは、壁形式、ブレース形式、
或いは間柱形式によって構造物の層間に設置される。例
えば、図16(a)、(b)に示すのが壁型制震ダンパ
ー8であり、粘弾性体1を間に挟み込んだ両側の鋼板
2、2と中間の鋼板3とで構成され、上下の梁4、4’
の間に設置している。又、図17に示すのがブレース型
制震ダンパー9であり、粘弾性体を内蔵したダンパー5
を柱6や梁7の間にブレース(筋交い)の状態で設置し
ている。図示で明らかなように、以上の形式では構造物
の層間の開口部分が壁やブレース、間柱によって塞がれ
てしまうことから、空間の有効利用を妨げてしまうとい
う問題点である。 (2)従来の制震ダンパーは、構造物の層間に設置して
構造物の層間剪断変形が鋼板に挟み込んだ粘弾性体に加
わるようにしているために、構造物の曲げ変形に対して
は制震効果が発揮されにくいという問題点である。特
に、超高層建物などの曲げ変形が主となる構造物に対し
ては有効に働かないことから、重要な問題になる。
【0004】同様に、外部構造物に適用する場合にも図
18の鉄道高架橋50の柱脚51にブレース52と結合
されたダンパー53を適用する例が示すように、柱脚の
開口部を塞ぐことになって高架下の空間を有効に利用す
ることができない。又、これらのダンパー53は、柱脚
の曲げ変形に対しては制震効果を発揮することがないの
で鉄道高架橋の柱脚に所定の強度を備えさせるために地
中梁54を設置する必要があることから、工期の長期化
と建設コストの高騰を余儀なくさせていた。
【0005】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、構造物の層
間の開口部分を塞ぐことがなく、空間の有効利用が図
れ、しかも構造物の曲げ変形に対しても制震効果を発揮
できる制震ダンパーと制震橋を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明で
ある制震ダンパーは、複数の細長状鋼板が長さ方向に交
互に突出した部分を有した状態で互いに向かい合い、か
つ各鋼板の間にそれぞれ粘弾性体の層が挟み込まれてな
る制震ダンパーであって、構造物の柱に沿わせて一方側
の突出部分の先端部を柱頭に固定するとともに他方側の
突出部分の先端部を柱脚部に固定することを特徴として
おり、構造物の層間に存在する開講部分を塞ぐことなく
制震機能を発揮している。
【0007】請求項2に記載の発明である制震ダンパー
は、請求項1に記載の制震ダンパーにおいて、構造物の
柱に沿わせる制震ダンパーの鋼板を柱に対して放射方向
に配列することを特徴としており、上記機能に加えて、
柱自身の変形に対して制震ダンパーの粘弾性体面が一致
した方向にせん断変形を生じさせることができる。
【0008】請求項3に記載の発明である制震ダンパー
は、請求項1に記載の制震ダンパーにおいて、構造物の
柱に沿わせる制震ダンパーの鋼板を柱に対して平行な方
向に配列することを特徴としており、上記機能に加え
て、柱自身の変形に対して制震ダンパーの粘弾性体面が
一致した方向にせん断変形を生じさせると共に、制震ダ
ンパーの固定ボルトを柱に直接アンカーできる。
【0009】請求項4に記載の発明である制震ダンパー
は、複数の細長状鋼板と矩形状鋼板とが互いに向かい合
い、かつ各鋼板の間にそれぞれ粘弾性体の層が挟み込ま
れてなる制震ダンパーにおいて、構造物の柱に沿わせな
がら粘弾性体の層から突出した細長状鋼板の先端部を柱
頭に固定すると共に矩形状鋼板を柱脚部に固定すること
を特徴としており、所定の制震機能を発揮させるために
必要な粘弾性体面積を確保できる。
【0010】請求項5に記載の発明である制震ダンパー
は、請求項4に記載の制震ダンパーにおいて、粘弾性体
の層から突出した細長状鋼板を組立鋼材で構成すること
を特徴としており、上記機能に加えて、鋼板の曲げ剛性
を強化できる。
【0011】請求項6に記載の発明である制震ダンパー
は、請求項4又は5に記載の制震ダンパーにおいて、矩
形状鋼板を柱頭から柱長の1/2以内の柱脚部に固定す
ることを特徴としており、上記機能に加えて、曲げ変形
が大きくなる柱頭部分の変形を抑えながら鋼板の長さを
短く抑えることができる。
【0012】請求項7に記載の発明である制震ダンパー
は、請求項4乃至6のいずれかに記載の制震ダンパーに
おいて、構造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼板を柱
に対して放射方向に配列することを特徴としており、上
記機能に加えて、柱自身の変形に対して制震ダンパーの
粘弾性体面が一致した方向にせん断変形を生じさせるこ
とができる。
【0013】請求項8に記載の発明である制震ダンパー
は、請求項4乃至6のいずれかに記載の制震ダンパーに
おいて、構造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼板を柱
に対して平行な方向に配列することを特徴としており、
上記機能に加えて、柱自身の変形に対して制震ダンパー
の粘弾性体面が一致した方向にせん断変形を生じさせる
と共に、制震ダンパーの固定ボルトを柱に直接アンカー
できる。
【0014】請求項9に記載の発明である制震橋は、橋
を支持する脚部に請求項1乃至3のいずれかに記載の制
震ダンパーを適用するものであって、柱頭部と柱脚部間
に制震ダンパーの異なる突出部分を付設することを特徴
としており、高架下の空間を確保しながら地中梁を省略
することでコストを低減できる。
【0015】請求項10に記載の発明である制震橋は、
橋を支持する脚部に請求項4乃至8のいずれかに記載の
制震ダンパーを適用するものであって、橋を支持する脚
部において、粘弾性体の層から突出した細長状鋼板の先
端部を柱頭に固定すると共に矩形状鋼板を柱脚部に固定
することを特徴としており、高架下の空間を確保しなが
ら地中梁を省略しても地震時応答を低減できる。
【0016】請求項11に記載の発明である制震橋は、
請求項10に記載の制震橋において、粘弾性体の層から
突出した細長状鋼板の先端部を橋の上層横梁に固定する
ことを特徴としており、上記機能に加えて、既設の橋に
対する高架工事を容易にできる。
【0017】請求項12に記載の発明である制震橋は、
請求項10に記載の制震橋において、粘弾性体の層から
突出した細長状鋼板の先端部を橋の上層に増設された横
梁に固定することを特徴としており、上記機能に加え
て、既設の橋に対して柱脚間を解放した高架工事が容易
にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明による最初の制震ダンパー
は、基本的に、複数の細長状鋼板が長さ方向に交互に突
出した部分を有した状態で互いに向かい合いながら、各
鋼板の間のそれぞれに粘弾性体の層が挟み込まれて構成
される制震ダンパーであり、構造物の柱に沿わせて一方
側の突出部分の先端部を柱頭に固定するとともに他方側
の突出部分の先端部を柱脚部に固定することを特徴とし
ている。これによって、構造物の層間に位置する開口部
分を塞ぐことなく空間の有効利用が図られ、加えて構造
物の曲げ変形に対しても制震効果を発揮できるようにし
ている。以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説
明する。
【0019】図1に基づいて発明の基本形態を説明する
が、この図1は本発明による最初の制震ダンパーの一例
を示すものであり、(a)は柱に設置した状態での正面
図、(b)は同じく側面図、(c)は(a)のA−A断
面図である。
【0020】図示のように、制震ダンパー10は全体に
細長状であって、柱20に沿わせて鋼板を柱20に対し
て放射状に配置する状態に設置されている。この例の制
震ダンパー10は、向かい合う3枚の細長状鋼板11、
12、13の間にそれぞれ粘弾性体14、15の層を挟
み込んでおり、真中の鋼板12が一方に突出するととも
に、両側の鋼板11、13が他方に突出している。
【0021】そして、真中に配置される鋼板12の突出
部分の先端部は、柱頭20aに取付け具を介して固定さ
れ、両側の鋼板11、13の突出部分の先端部は柱脚2
0bに取付け具を介して固定されている。
【0022】図1の例では、柱頭20a側の取付け具と
して2つのL型部材21、22が使用されており、柱2
0に固定したこれら2つのL型部材で鋼板12の先端部
を挟持し、ボルト締めすることで所定の長さに亘って固
定している。又、柱脚20b側の取付け具として2つの
L型部材23、24とボルトの数だけ孔の開いた中間部
材25が使用されており、鋼板11、13の間に中間部
材25を挟み込んだ状態で、柱20に固定した2つのL
型部材23、24で鋼板11、13の先端部を挟持し、
ボルト締めすることで所定の長さに亘って固定してい
る。
【0023】鋼板の間に挟み込む粘弾性体としては、ア
クリル系ゴム、ゴムアスファルト系ゴム、高減衰ゴムな
ど公知の粘弾性材料を薄板状にしたものが用いられ、接
着剤により鋼板の間に挟持される。
【0024】以上のように、制震ダンパー10は、構造
物の柱20に沿わせて鋼板を柱20に対して放射状に配
置する状態で設置されているので、柱20が図2に示す
ように変形すると、鋼板間に挟まれた粘弾性体に剪断変
形が生じ、その剪断変形に対する粘性抵抗力によりエネ
ルギーが吸収されて付加減衰効果が発揮される。
【0025】本発明による最初の制震ダンパーは、抑制
したい振動方向及び付加したい制震効果の大きさに応じ
て、柱の周りに1本或いは複数本取り付けることができ
る。
【0026】即ち、制震ダンパーの取付け方を示すパタ
ーンは、図3及び図4に例示するような形態で構成され
る。図3(a)、(b)はそれぞれ角柱と円柱の柱20
に1本の制震ダンパー10を取り付けた場合であり、図
3(c)、(d)は同じく2本の制震ダンパー10を取
り付けた場合を示している。
【0027】図3(e)、(f)は、抑制したい振動方
向と付加したい制震効果を考慮して、3本の制震ダンパ
ー10を変則的に取り付けた場合であり、図3(g)、
(h)は、4本の制震ダンパー10を柱の周辺に均等に
取り付けた場合を示している。
【0028】又、図4は円柱の柱20に8本の制震ダン
パー10を緊密に取り付けた場合であり、全ての方向に
対して大きな制震効果を発揮できる状態を図示してい
る。
【0029】次に、本発明による制震ダンパーにおける
他の実施形態について説明する。図5は、本実施の形態
を示しており、図1の場合と同様に、(a)は柱に設置
した状態での正面図、(b)は同じく側面図、(c)は
(a)のA−A断面図である。
【0030】図示のように、制震ダンパー30は全体に
細長状であって、鋼板を柱20の側面に対して平行な方
向に配置して設置されている。制震ダンパー30は、上
述の実施の形態と同様に向かい合う3枚の細長状鋼板1
1、12、13の間にそれぞれ粘弾性体14、15の層
を挟み込んでおり、真中の鋼板12が一方に突出すると
共に、両側の鋼板11、13が他方に突出している。
【0031】そして、真中に配置される鋼板12の突出
部分の先端部は、柱頭20aに取付け具を介して固定さ
れ、両側の鋼板11、13の突出部分の先端部は柱脚2
0bに取付け具を介して固定されている。
【0032】図1で示した実施の形態では、柱頭20a
側、柱脚20b側の取付け具として2つのL型部材が使
用されていたが、本実施の形態では、制震ダンパー30
を柱に固定するボルトが柱側面に直交するので、取付け
具は不要である。但し、鋼板12の先端部は、ブロック
26を介在させて柱20に直接アンカーされており、所
定の長さに亘ってボルト締着することで固定されてい
る。又、柱脚20b側の取付けは、鋼板11、13の間
に中間部材25を挟み込んだ状態で、介在物を省略し
て、制震ダンパー30を柱20に直接アンカーすること
で行われており、所定の長さに亘ってボルト締着するこ
とで装着されている。
【0033】鋼板の間に挟み込む粘弾性体は、同様にア
クリル系ゴム、ゴムアスファルト系ゴム、高減衰ゴム等
公知の粘弾性材料を薄板状にしたものが用いられ、必要
に応じて接着剤や加硫接着等によって鋼板の間に挟持さ
れる。
【0034】以上のように、制震ダンパー30は、構造
物の柱20に鋼板を柱20の側面に対して平行な方向に
設置されているので、柱20が図6に示すように変形す
ると、鋼板間に挟まれた粘弾性体に柱の変形方向と一致
した剪断変形が生じ、その剪断変形に対する粘性抵抗力
によりエネルギーが吸収されて付加減衰効果が発揮され
る。
【0035】上述した制震ダンパー30も、抑制したい
振動方向及び付加したい制震効果の大きさに応じて、柱
の周りに1本或いは複数本取り付け可能であり、図7及
び図8に例示するような形態で構成される。
【0036】図7(a)、(b)はそれぞれ角柱と円柱
の柱20に1本の制震ダンパー30を取り付けた場合で
あり、図7(c)、(d)は同じく2本の制震ダンパー
30を取り付けた場合を示している。
【0037】図7(e)、(f)は、抑制したい振動方
向と付加したい制震効果を考慮して、3本の制震ダンパ
ー30を変則的に取り付けた場合であり、図7(g)、
(h)は、4本の制震ダンパー10を柱の周辺に均等に
取り付けた場合を示している。
【0038】又、図8は円柱の柱20に8本の制震ダン
パー30を柱側面に緊密に取り付けた場合であり、全て
の方向に対して大きな制震効果を発揮できる状態を図示
している。
【0039】以上のように、本発明における最初の制震
ダンパーは、個々の制震ダンパーにおける鋼板と粘弾性
体の層の数、及び挟み込む粘弾性体の厚さと平面サイズ
を、必要とする制震効果の大きさに応じて適宜変更する
ことができるものである。
【0040】さらに、本発明による制震橋は、鉄道高架
橋、道路橋等を支持する脚部に制震ダンパーを適用する
ものであって、柱頭部と柱脚部間に制震ダンパーの異な
る突出部分を付設することを特徴としている。
【0041】本実施の形態の場合は、図9に示すように
鉄道高架橋27の橋脚28に制震ダンパー29を設置し
ており、高架橋の制震に有効に機能することを可能にし
ている。この場合は、従来型のダンパーのように開口部
を塞ぐことがないので、高架下の空間を有効に利用する
ことができる。また、本発明の制震ダンパーを設置する
ことにより、高架橋の地中梁を無くすることが可能にな
り、工期短縮と建設コスト削減を向上できる。
【0042】以上のように、本発明による最初の制震ダ
ンパーは、柱を有する構造物であれば、土木構造物、建
築構造物を含めどのような構造物にも適用することがで
きる。
【0043】そして、本発明による最初の制震ダンパー
は、曲げ変形に対しても制震効果を発揮することから、
超高層建物にも適用して制震効果を発揮させることが可
能である。又、この場合も開口部を塞がないで構成でき
ることから、建築計画上も有利に展開できるものであ
る。
【0044】尚、本発明による最初の制震ダンパーは、
超高層建物、鉄道高架橋の橋脚の他にも適用することに
よって、その奏する効果により、歩道橋、高架道路、ペ
デストリアンデッキ等の構造物に対しても制震効果の付
与が可能である。そして、いずれの場合においても開口
部を塞ぐことが少ないことと構造物の曲げ変形に対して
制震効果を対応させることが可能であるから、平面計画
上も有利であり、施工面においても工期短縮とコスト低
減の面で有効である。
【0045】以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細
に説明してきたが、本発明による制震ダンパーと制震橋
は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、その
適用範囲や適用形態は自由であり、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲において種々の変更が可能であることは当然
のことである。
【0046】しかして、上述した最初の発明による制震
ダンパーでは、粘弾性体を挟み込んだ鋼板の変形を想定
していないことから、鋼板の剛性を無限大にした場合に
はその制震効果を発揮するが、実際の設置状況によって
は、鋼板の剛性によって鋼板自体の曲げ変形が発生し、
この曲げ変形によって応力を吸収するために、鋼板に挟
み込んだ粘弾性体には剪断変形をあまり生じない事態も
散見されて、制震効果が有効に作用しない状態も起こり
得ている。
【0047】これらの傾向は、制震ダンパーを柱頭と柱
脚部との間に設置するために、鋼板の長さを大きくする
と、これに伴って鋼板の曲げが発生し易くなることから
その影響が顕著になるものであり、特に、高架橋等が地
震時に応答する変形において懸念されることになる。
【0048】即ち、高架橋の地震時応答の変形では、柱
頭に近い部分の柱の曲率が大きくなり、柱の中間部分に
おける曲げ変形は比較的小さくなる。このことから、制
震ダンパーを柱頭と柱脚部との間に設置することは、制
震ダンパーの制震効果を有効に作用させるためには検討
を加えることが必要になる。、以上の観点から、更に検
討を加えて提案しているのが本発明による他の制震ダン
パーであり、懸念される非効率の問題を解消して目標の
制震効果を確実に達成している。
【0049】本発明による他の制震ダンパーは、複数の
細長状鋼板と矩形状鋼板とが互いに向かい合い、かつ各
鋼板の間にそれぞれ粘弾性体の層が挟み込まれて構成さ
れる制震ダンパーであり、構造物の柱に沿わせながら粘
弾性体の層から突出した細長状鋼板の先端部を柱頭に固
定すると共に矩形状鋼板を柱脚部に固定することを特徴
としている。これによって、構造物の層間に位置する開
口部分を塞ぐことなく空間の有効利用が図られ、加えて
構造物の曲げ変形に対しても所定の制震機能を発揮させ
るために必要な粘弾性体面積を確保している。以下、図
面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0050】図10に基づいて他の発明の基本形態を説
明するが、この図10は本発明による他の制震ダンパー
の一例を示すものであり、(a)は柱に設置した状態で
の正面図、(b)は同じく側面図、(c)は(a)のc
−c断面図である。
【0051】図示のように、制震ダンパー40は、並列
に向かい合う3枚の細長状鋼板31、31’、31”と
同様に並列に向かい合う矩形状鋼板32、32’、3
2”、32”’とを交互に交差する状態に重層配置しな
がら、細長状鋼板と矩形状鋼板との各交差間に位置する
重層部分には、粘弾性体33の層をそれぞれに挟み込ん
で構成しており、細長状鋼板は粘弾性体33の層から突
出させている長い先端部34を形成している。
【0052】粘弾性体33の層から突出している細長状
鋼板の先端部34は、曲げ剛性を強化することを大きな
課題にしていることから、先端部34の鋼板厚を大にす
ることも考慮されるが、これとは反対に、細長状鋼板の
素材としてこのような組立鋼材を選択して、粘弾性体3
3の層と接合する部分を平板状に加工する等の対応も有
効である。
【0053】さらに、細長状鋼板31、31’、31”
については、それが矩形状鋼板32、32’、32”、
32”’と交互に交差する部分に至るまでを、図11に
例示するように、先端部の形状をボックス断面のような
組立鋼材37で形成したりH型鋼を使用することで一体
に構成しながら、矩形状鋼板32、32’、32”、3
2”’と交互に交差する部分の細長状鋼板38、3
8’、38”を組立鋼材37に溶接等で固着することで
も対応が可能である。
【0054】制震ダンパー40は、構造物の柱35に沿
う形態で装備されており、細長状鋼板31、31’、3
1”の先端部34が柱35の柱頭36に固定されると共
に、矩形状鋼板32、32’、32”、32”’は、柱
35の柱頭36から柱長の1/3〜1/2に相当する範
囲の位置に固定されている。
【0055】矩形状鋼板32、32’、32”、3
2”’の取り付けは、細長状鋼板31、31’、31”
が粘弾性体33の層を介して相互に自由に移動できるよ
うに、矩形状鋼板32、32’、32”、32”’の外
周部において柱35と結合されているが、細長状鋼板3
1、31’、31” の柱頭36への固定は、所定の間
隙部材を介してボルト等の通常の手段によって結合され
ている。
【0056】鋼板の間に挟み込む粘弾性体としては、上
述した実施の形態の例と同様にアクリル系ゴム、ゴムア
スファルト系ゴム、高減衰ゴムなど公知の粘弾性材料を
薄板状にしたものが用いられ、必要に応じて接着剤や加
硫接着等によって鋼板の間に挟持されている。
【0057】以上のように、制震ダンパー40は、構造
物の柱35に沿わせて柱35の柱頭36と柱頭36から
柱長の1/3〜1/2に相当する範囲の位置に装備され
ていることから、柱35が地震等の揺れによって図12
に示すように変形する。
【0058】図示のように、柱の変形は、柱の中間部分
での曲げ変形が小さく納まっているのに比較して、柱頭
に近い部分における曲率は、かなり大きくなっている。
【0059】従って、制震ダンパー40が柱頭36と柱
頭36から柱長の1/3〜1/2に相当する範囲の位置
に装備されると、各鋼板間に挟まれている粘弾性体33
の層には充分な剪断変形が生じることになり、その剪断
変形に対する粘性抵抗力によってエネルギーが吸収され
る。
【0060】このことから、制震ダンパー40は、短い
鋼板によってその曲げ剛性不足を防止しながら、目標に
している付加減衰効果は確実に発揮されることになる。
【0061】又、本発明による他の制震ダンパーは、抑
制したい振動方向や付加したい制震効果の大きさに応じ
て、柱の側面に対して放射状に1本或いは複数本取り付
けることもできるものであり、特に図示しないが、本発
明による最初の制震ダンパーの実施形態として例示した
図3、4の形態と同様の形態で装備することによって、
制震ダンパーの粘弾性体面を柱自身の変形と一致した方
向にせん断変形を生じさせることができる。
【0062】同様に、特に図示しないが、抑制したい振
動方向や付加したい制震効果の大きさに応じて、柱の側
面と平行な方向に1本或いは複数本取り付けることもで
きるものであり、本発明による最初の制震ダンパーの実
施形態として例示した図7、8の形態と同様の形態で装
備することことによって、制震ダンパーの粘弾性体面を
柱自身の変形と一致した方向にせん断変形を生じさせる
と共に、制震ダンパーの固定ボルトを柱に直接アンカー
できる。
【0063】次に、本発明による他の制震ダンパーの機
能面について説明すると、以上の構成による制震効果
は、図13に示す地震応答解析結果で確認されている。
【0064】同図は、上記実施の形態で説明した本発明
によるにおける地震応答解析の結果として、効果的な減
衰が発揮されている状況を明らかにしている。
【0065】即ち、図において、曲線37は地中梁があ
って制震ダンパーを設けていない従来の構造物における
解析結果であり、曲線38は地中梁が無くて制震ダンパ
ーも設けていない構造物における解析結果である。
【0066】これに対して、曲線39は地中梁が無くて
本発明による制震ダンパーを設けた場合の構造物におけ
る解析結果であり、上記2例と比較して極めて有効な付
加減衰効果を発揮することを明示している。
【0067】以上の解析結果によると、本発明による他
の制震ダンパーを設けた場合には、地震時に曲げ変形が
大きくなる柱頭部分の変形を抑えて構造物全体の層間変
形を効率的に低減するものであり、構造物の地中梁を無
くすることが可能になって、大幅な工期短縮とコストの
低減を達成できる。
【0068】従って、図14に示すような鉄道高架橋の
場合には、鉄道高架橋41の橋脚42に制震ダンパー4
0を設置しており、高架橋の制震に有効に機能すること
を可能にしており、この場合は、従来型のダンパーのよ
うに開口部を塞ぐこともないので、高架下の空間を自由
かつ有効に利用することで軌道の重層化も可能になる。
【0069】又、本発明による他の制震ダンパーを設置
することによると、高架橋の地中梁を無くすることが可
能になり、既設の地上軌道に対する高架工事を各段に容
易にして工期短縮と建設コスト削減も向上できる。
【0070】以上の実施の形態では、制震ダンパーを柱
頭と柱頭から柱長の1/3〜1/2に相当する範囲の柱
脚部に設置するものとして説明してきたが、本発明によ
る他の制震ダンパーの機能を充分に発揮させるために
は、その他の実施の形態も有効である。
【0071】図15に示す実施の形態は、制震ダンパー
の機能を発揮させるための例であり、鋼板の曲げ変形を
抑えながらも細長状鋼板と矩形状鋼板との相対移動をで
きるだけ大きく粘弾性体に伝達して、その剪断変形に対
する粘性抵抗力によってエネルギーの吸収を図ってい
る。
【0072】図15(a)に示す実施の形態は、制震ダ
ンパーを高架橋の上層横梁と柱の柱脚部との間に、火打
ち形式に配備する例である。
【0073】本実施の形態では、制震ダンパー43の細
長状鋼板群44を火打ち形式に適合できるように加工し
ており、これによって、粘弾性体の層から突出した細長
状鋼板群44の先端部を高架橋の上層横梁45に固定し
ている。
【0074】一方、制震ダンパー43を構成している矩
形状鋼板群46は、上下と外側の外周部において柱42
の柱頭から柱長の1/3〜1/2に相当する範囲の柱脚
部に結合されているので、制震ダンパー43の固定点が
図14で説明した上記実施の形態の場合よりも長くなっ
ている。
【0075】以上の構成によって、本実施の形態に地震
等の横揺れが加えられた場合には、細長状鋼板群44と
矩形状鋼板群46との相対移動が、上記実施の形態の例
よりも大きくなることから、細長状鋼板の先端部に曲げ
変形も発生しないことと相俟って、粘弾性体に形成され
る剪断変形も拡大されることになり、この剪断変形によ
る粘性抵抗力によってエネルギーの吸収を増長して制震
効果を向上させている。
【0076】図15(b)に示す他の実施の形態は、制
震ダンパーを高架橋の上層に増設された横梁と柱の柱脚
部との間に、火打ち形式に配備する例である。
【0077】本実施の形態も、図15(a)の例と同様
に制震ダンパー43の細長状鋼板群44を火打ち形式に
適合できるように加工して制震ダンパー43を構成して
いるが、粘弾性体の層から突出した細長状鋼板群44の
各先端部を高架橋の上層両側に増設された横梁47、4
7に固定している点が同例と異なっている。
【0078】そして、制震ダンパー43の矩形状鋼板群
46も、柱42の柱頭から柱長の1/3〜1/2に相当
する範囲の柱脚部に上下と内側の外周部において結合さ
れており、制震ダンパー43の固定点は、図14で説明
した上記実施の形態の場合よりも長くなっている。
【0079】従って、本実施の形態においても地震等の
横揺れが加えられた場合には、細長状鋼板群44と矩形
状鋼板群46との相対移動が大きくなることから、図1
5(a)の例と同様に拡大される剪断変形による粘性抵
抗力によって、エネルギーの吸収を増長することによっ
て制震効果を向上させている。
【0080】以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細
に説明してきたが、本発明による制震ダンパーと制震橋
は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、その
適用範囲や適用形態は自由であり、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲において種々の変更が可能であることは当然
のことである。
【0081】
【発明の効果】請求項1に記載の制震ダンパーは、複数
の細長状鋼板が長さ方向に交互に突出した部分を有した
状態で互いに向かい合い、かつ各鋼板の間にそれぞれ粘
弾性体の層が挟み込まれてなる制震ダンパーであって、
構造物の柱に沿わせて一方側の突出部分の先端部を柱頭
に固定するとともに他方側の突出部分の先端部を柱脚に
固定したことを特徴としているので、構造物の層間に存
在する開講部分を塞ぐことなく制震効果を発揮して、空
間の有効利用が可能になる効果を奏している。
【0082】請求項2に記載の制震ダンパーは、請求項
1に記載の制震ダンパーにおいて、構造物の柱に沿わせ
る制震ダンパーの鋼板を柱に対して放射方向に配列する
ことを特徴としているので、上記効果に加えて、柱自身
の変形に対して制震ダンパーの粘弾性体面が一致した方
向にせん断変形を生じさせる効果を奏している。
【0083】請求項3に記載の制震ダンパーは、請求項
1に記載の制震ダンパーにおいて、構造物の柱に沿わせ
る制震ダンパーの鋼板を柱に対して平行な方向に配列す
ることを特徴としているので、上記効果に加えて、制震
ダンパーの固定ボルトを柱に直接アンカーすることで柱
自身の変形に密着した状態で粘弾性体を柱自身の変形と
一致した方向にせん断変形を生じさせ、ダンパー鋼板の
座屈を防止しながらダンパー設置に必要なスペースを小
さくすることで施工性の向上とコストダウンを図る効果
を奏している。
【0084】請求項4に記載の制震ダンパーは、複数の
細長状鋼板と矩形状鋼板とが互いに向かい合い、かつ各
鋼板の間にそれぞれ粘弾性体の層が挟み込まれてなる制
震ダンパーにおいて、構造物の柱に沿わせながら粘弾性
体の層から突出した細長状鋼板の先端部を柱頭に固定す
ると共に矩形状鋼板を柱脚部に固定することを特徴とし
ているので、制震ダンパーを構成する鋼板の長さを制限
して曲げ剛性の不足を防止することで所定の制震機能を
発揮させるために必要な粘弾性体面積を確保できる効果
を奏している。
【0085】請求項5に記載の制震ダンパーは、請求項
4に記載の制震ダンパーにおいて、粘弾性体の層から突
出した細長状鋼板を組立鋼材で構成することを特徴とし
ているので、上記効果に加えて、鋼板の曲げ剛性を強化
できる効果を奏している。
【0086】請求項6に記載の制震ダンパーは、請求項
4又は5に記載の制震ダンパーにおいて、矩形状鋼板を
柱頭から柱長の1/2以内の柱脚部に固定することを特
徴としているので、上記効果に加えて、曲げ変形が大き
くなる柱頭部分の変形を抑えながら鋼板の長さを短く抑
えることができる効果を奏している。
【0087】請求項7に記載の制震ダンパーは、請求項
4乃至6のいずれかに記載の制震ダンパーにおいて、構
造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼板を柱に対して放
射方向に配列することを特徴としているので、上記効果
に加えて、柱自身の変形に対して制震ダンパーの粘弾性
体面を一致させた方向にせん断変形を生じさせることが
できる効果を奏している。
【0088】請求項8に記載の制震ダンパーは、請求項
4乃至6のいずれかに記載の制震ダンパーにおいて、構
造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼板を柱に対して平
行な方向に配列することを特徴としているので、上記効
果に加えて、柱自身の変形に対して制震ダンパーの粘弾
性体面が一致した方向にせん断変形を生じさせると共
に、制震ダンパーの固定ボルトを柱に直接アンカーでき
る効果を奏している。
【0089】請求項9に記載の発明である制震橋は、橋
を支持する脚部に請求項1乃至3のいずれかに記載の制
震ダンパーを適用するものであって、柱頭部と柱脚部間
に制震ダンパーの異なる突出部分を付設することを特徴
としているので、高架下の空間を有効に利用することが
できると共に、高架橋の地中梁を無くすることで工期短
縮と建設コスト削減を向上させる効果を奏している。
【0090】請求項10に記載の制震橋は、橋を支持す
る脚部に請求項4乃至8のいずれかに記載の制震ダンパ
ーを適用するものであって、橋を支持する脚部におい
て、粘弾性体の層から突出した細長状鋼板の先端部を柱
頭に固定すると共に矩形状鋼板を柱脚部に固定すること
を特徴としているので、高架下の空間を確保しながら地
中梁を省略しても地震時応答を低減できると共に、高架
橋の地中梁を無くすることで工期短縮と建設コスト削減
を向上させる効果を奏している。
【0091】請求項11に記載の制震橋は、請求項10
に記載の制震橋において、粘弾性体の層から突出した細
長状鋼板の先端部を橋の上層横梁に固定することを特徴
としているので、上記効果に加えて、既設の橋に対する
高架工事を容易にできる効果を奏している。
【0092】請求項12に記載の制震橋は、請求項10
に記載の制震橋において、粘弾性体の層から突出した細
長状鋼板の先端部を橋の上層に増設された横梁に固定す
ることを特徴としているので、上記効果に加えて、既設
の橋に対して柱脚間を解放した高架工事が容易にできる
効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による最初の制震ダンパーの実施形態を
示すもので、(a)は柱に設置した状態での正面図、
(b)は同じく側面図、(c)は(a)のA−A断面図
【図2】柱が変形した際の制震ダンパーの動きを示すた
めの側面図
【図3】制震ダンパーの柱に対する取付け方を例示した
説明図
【図4】制震ダンパーの柱に対する取付け方を例示した
説明図
【図5】本発明による制震ダンパーの他の実施形態を示
すもので、(a)は柱に設置した状態での正面図、
(b)は同じく側面図、(c)は(a)のA−A断面図
【図6】柱が変形した際の制震ダンパーの動きを示すた
めの側面図
【図7】制震ダンパーの柱に対する取付け方を例示した
説明図
【図8】制震ダンパーの柱に対する取付け方を例示した
説明図
【図9】最初の制震ダンパーを設置した本発明による制
震橋の斜視図
【図10】本発明による他の制震ダンパーの実施形態を
示すもので、(a)は柱に設置した状態での正面図、
(b)は同じく側面図、(c)は(a)のc−c断面図
【図11】図10で示した制震ダンパーの他の実施形態
を示すものであり、(a)は柱に設置した状態での正面
図、(b)は同じく側面図、(c)は(a)のc−c断
面図
【図12】柱が変形した際の本発明による他の制震ダン
パーの動きを示す側面図
【図13】本発明による他の制震ダンパーにおける地震
応答解析結果
【図14】他の制震ダンパーを設置した本発明による制
震橋の斜視図
【図15】本発明による制震橋における他の実施の形態
【図16】従来の制震ダンパーのうち壁形式を示す正面
図及び側面図
【図17】従来の制震ダンパーのうちブレース形式を示
す正面図
【図18】ブレースダンパーを設置した従来の鉄道高架
橋の斜視図
【符号の説明】
1 粘弾性体、 2 両側の鋼板、 3 中間の鋼板、
4、4’ 梁、5 ダンパー、 6 柱、 7 梁、
8 壁型制震ダンパー、9 ブレース型制震ダンパ
ー、10、30、40、43 制震ダンパー、 11、
12、13 鋼板、14、15 粘弾性体、 20
柱、 20a 柱頭、 20b 柱脚部、21、22
L型部材、 23、24 L型部材、 25 中間部
材、26 ブロック、 27 鉄道高架橋、 28、4
2 柱脚、29 制震ダンパー、 31、31’、3
1” 細長状鋼板、32、32’、32”、32”’
矩形状鋼板、 33 粘弾性体、34 先端部、 3
5 柱、 36 柱頭、 37 組立鋼材、38、3
8’、38” 細長状鋼板、 41 鉄道高架橋、44
細長状鋼板群、 45 上層横梁、 46 矩形状鋼
板群、47 横梁、 50 鉄道高架橋、 51 柱
脚、 52 ブレース、53 ダンパー、 54 地中
梁、

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の細長状鋼板が長さ方向に交互に突
    出した部分を有した状態で互いに向かい合い、かつ各鋼
    板の間にそれぞれ粘弾性体の層が挟み込まれてなる制震
    ダンパーであって、構造物の柱に沿わせて一方側の突出
    部分の先端部を柱頭に固定するとともに他方側の突出部
    分の先端部を柱脚部に固定することを特徴とする制震ダ
    ンパー。
  2. 【請求項2】 構造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼
    板が、柱に対して放射方向に配列されることを特徴とす
    る請求項1に記載の制震ダンパー。
  3. 【請求項3】 構造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼
    板が、柱に対して平行な方向に配列されることを特徴と
    する請求項1に記載の制震ダンパー。
  4. 【請求項4】 複数の細長状鋼板と矩形状鋼板とが互い
    に向かい合い、かつ各鋼板の間にそれぞれ粘弾性体の層
    が挟み込まれてなる制震ダンパーであって、構造物の柱
    に沿わせながら粘弾性体の層から突出した細長状鋼板の
    先端部を柱頭に固定すると共に矩形状鋼板を柱脚部に固
    定することを特徴とする制震ダンパー。
  5. 【請求項5】 粘弾性体の層から突出した細長状鋼板
    が、組立鋼材で構成されることを特徴とする請求項4に
    記載の制震ダンパー。
  6. 【請求項6】 矩形状鋼板が、柱頭から柱長の1/2以
    内の柱脚部に固定されることを特徴とする請求項4又は
    5に記載の制震ダンパー。
  7. 【請求項7】 構造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼
    板が、柱に対して放射方向に配列されることを特徴とす
    る請求項4乃至6のいずれかに記載の制震ダンパー。
  8. 【請求項8】 構造物の柱に沿わせる制震ダンパーの鋼
    板が、柱に対して平行な方向に配列されることを特徴と
    する請求項4乃至6のいずれかに記載の制震ダンパー。
  9. 【請求項9】 橋を支持する脚部において、柱頭と柱脚
    部間に制震ダンパーの異なる突出部分を固定することを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制震ダン
    パーを適用した制震橋。
  10. 【請求項10】 橋を支持する脚部において、粘弾性体
    の層から突出した細長状鋼板の先端部を柱頭に固定する
    と共に矩形状鋼板を柱脚部に固定することを特徴とする
    請求項4乃至8のいずれかに記載の制震ダンパーを適用
    した制震橋。
  11. 【請求項11】 粘弾性体の層から突出した細長状鋼板
    の先端部が、橋の上層横梁に固定されることを特徴とす
    る請求項10に記載の制震橋。
  12. 【請求項12】 粘弾性体の層から突出した細長状鋼板
    の先端部が、橋の上層に増設された横梁に固定されるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の制震橋。
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