JP2003239220A - 制震高架構造物 - Google Patents
制震高架構造物Info
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Abstract
に構成すると同時に、高架構造物下の空間を制震ダンパ
ーで塞ぐ状態を無くすることで柱間を有効に利用するこ
とができる制震高架構造物を提供する。 【解決手段】 本発明による制震高架構造物は、複数の
柱3で構造物を支持して成る高架構造物において、高架
構造物2と交差しない方向に位置する柱3、3間に制震
ダンパー1、1’を装備しており、制震ダンパーを、少
なくとも2枚の鋼板の間に粘弾性体を充填して構成し
て、中間梁に配置するか柱頭部の近接位置5に装備する
ことを特徴としている。
Description
機構に構成すると同時に、高架構造物下の空間を制震ダ
ンパーで塞がずに柱間を有効利用する制震高架構造物に
関する。
鉄構内の柱等のような高架構造物にあっては、従来から
耐震安全性を確保するために、各種の技術が用いられた
高架構造物が構成されている。
架橋に対して耐震機構を適用した耐震構造の例である。
して地中梁22が設置されており、地中梁22は、橋脚
柱21どうしを地面23の下で連結するように設けられ
ている。これらの技術的な考え方は、地面23の下での
繋ぎに限られるものでなく、橋脚柱21の間を上部で連
結するように橋脚柱21どうしに中間梁を設けることで
も構成されている。
た耐震構造には、以下のような問題点があった。
高架橋における地中梁施工は、全体工事費において、一
般高架橋の場合は20%弱、都市鉄道における高架橋の
場合は50%近くまで占めるものであり、コスト高の主
要な要因になっていた。橋脚柱の上部に既存の地上鉄
道線や既設構造物を設けてある場合は、地中梁工事が非
常に困難なものとなり、コスト及び工期の増長を招いて
いた。
は、地震時に橋脚自体の破損を防ぐ効果はあるものの中
間梁自身が損傷を受けることであり、損傷時に中間梁の
コンクリートの剥落、落下が生じて、修復工事を行う必
要が生じていた。
る機構である種々の制震ダンパーを構造物に付加する制
震工法も検討されているが、その中でも粘弾性系の制震
ダンパーは、粘弾性体の剪断変形に対する粘性抵抗力を
利用するものであって、小変形時からエネルギー吸収に
よる付加減衰効果を発揮している。
ファルト系ゴム、高減衰ゴムを粘弾性材料として用いた
制震ダンパーが開発され、建築構造物には採用されてい
る。
25に制震ダンパー26を設置する方法も提案されてい
る。しかしながら、これらの制震機構は、高架橋25に
ブレース形式27によって制震ダンパー26を設置する
ものであり、鉄道高架橋25は、高架橋下の空間28を
制震ダンパー26で塞ぐことになって空間28の有効利
用を妨げてしまうという問題点が指摘されていた。
合には、鉄道高架橋に制震ダンパーを設置することがで
きないという障害問題を提起することになっていた。
で指摘されていた問題点に鑑みて、その全ての問題点を
解決するために提案するものであり、高架構造物を制震
ダンパーによって制震機構に構成すると同時に、高架構
造物下の空間を制震ダンパーで塞ぐ状態を無くすること
で柱間を有効に利用することができる制震高架構造物を
提供している。
造物は、基本的に、複数の柱で構造物を支持して成る高
架構造物において、高架構造物と交差しない方向に位置
する柱間に制震ダンパーを装備しており、具体的には、
制震ダンパーを、少なくとも2枚の鋼板の間に粘弾性体
を充填して構成して、中間梁に配置するか柱頭部の近接
位置に装備することを特徴としている。
物は、高架構造物を制震ダンパーによって中間梁を無く
しながら制震機構に構成して、柱の曲げと剪断変形の両
方に対して制震効果が発揮すると同時に、高架構造物下
の空間を制震ダンパーで塞ぐ状態を無くすることで柱間
を有効に利用することができる。
ことから、地中梁を無くすることによって工期短縮と建
設コストの削減を可能にしている。
複数の柱で構造物を支持して成る高架構造物において、
高架構造物と交差しない方向に位置する柱間に制震ダン
パーを装備しており、制震ダンパーを、少なくとも2枚
の鋼板の間に粘弾性体を充填して構成して、中間梁に配
置するか中間梁を無くして柱頭部の近接位置に装備して
いる。
施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
架橋に適用した実施の形態を示す斜視図である。
制震ダンパー1を備えている高架橋、3は、高架橋2を
支持している橋脚柱である。
後述するようにこれを構成している腕部鋼材4、4’の
端部を、橋脚柱3の柱頭部の近接位置に相当する中間上
部11に固定しており、橋脚柱3の間を相互に連結させ
るように構成している。
は、高架橋2の線路と直交する方向の振動を抑える場合
には、制震ダンパー1を線路と直交方向に設置されて高
架橋2と交差しない方向に位置する2本の橋脚柱3、3
間を連結するように設置されており、線路と平行な方向
の振動を抑える場合は、制震ダンパー1’を線路方向に
並び高架橋2と交差しない方向に位置する2本の橋脚柱
3、3間を連結するように設置されている。
部分を構成している鋼板の板面は、いずれの場合にあっ
ても、それぞれの振動を抑制しようとする方向と平行も
しくはこれに沿う形態で設置されている。
の空間を拡大させるために中間梁を排除しているもので
あったが、本発明による制震高架構造物の実施の形態
は、これに限定されるものでなく、高架橋2に中間梁が
ある場合についても対応可能である。
に図示していないが制震ダンパー1、1’を中間梁の両
端部と中間梁が装備されている橋脚柱側との間に固定す
ることで、高架橋2を制震機構に構成している。
によって、コンクリートのクラック剥落や落下等の中間
梁における損傷を防ぐことができるものであり、修復工
事を行う必要がなくなるという有用性を発揮させること
ができる。
て説明する。本発明においては、制震ダンパーを、少な
くとも2枚の鋼板の間に粘弾性体を充填することで構成
しており、地震が高架橋に入力された場合に橋脚柱が変
形しても、橋脚柱どうしを連結している制震ダンパーに
変形が伝達されて、鋼板間に充填された粘弾性体に剪断
変形が生じさせることで地震エネルギーの吸収を起して
いる。
正面図(a)と平面図(b)である。
材4、4’とダンパー部分5から構成されており、ダン
パー部分5は、4枚の鋼板群6とこれに対峙する3枚の
鋼板群7及び鋼板群6と鋼板群7との間に充填される高
減衰ゴムなどの粘弾性体8を多層に重ね合わせることで
構成されている。尚、鋼板群6、7の鋼板枚数は、これ
に限定されるものでなく、状況に対応させて任意に選定
できるものである。
板群6の間に配置されてダンパー部分5の一方側に延長
しており、同様に、腕部鋼材4’は、鋼板群7と結合さ
せてダンパー部分5の他方側に延長されている。それぞ
れに延長されている腕部鋼材4、4’は、各橋脚柱3と
の間に取付部材9を配置することによって各橋脚柱3と
堅固に結合されている。
板群7及び粘弾性体8の層の数もしくは挟み込む粘弾性
体8の厚さと面積等は、ダンパー特性を規制するもので
あるから、必要とする制震効果の大きさに応じて適宜に
変更することができる。この際には、腕部鋼材4、4’
の長さについても当然に変化させることになる。
の作動状態を示す概念図である。制震ダンパー1のダン
パー部分5では、図2で示したように腕部鋼材4、4’
間の変形が鋼板群6と鋼板群7とを通じて鋼板群6と鋼
板群7との間に充填されている粘弾性体8に伝達され、
腕部鋼材4、4’間の変形は、粘弾性体8の剪断変形に
対する粘性抵抗力によって低減されることになる。
に入力された場合には、橋脚柱3、3が図示のように変
形することになるが、橋脚柱3や変形が、相互間をつな
ぐように設置されている制震ダンパー1のダンパー部分
5に伝達されることになる。
じることになって、その間に充填された粘弾性体8に剪
断変形を生じさせることで地震エネルギーの吸収が行わ
れることになる。
物は、上記実施の形態で詳細に説明したように構成され
ていることから、橋脚柱間に装備された制震ダンパーに
よって、柱の曲げと剪断変形の両方に対して制震効果を
発揮すると同時に、高架構造物下の空間を制震ダンパー
で塞ぐ状態を無くして柱間を有効に利用することができ
る。
に説明してきたが、本発明による制震高架構造物は、上
記実施の形態に何ら限定されるものでなく、高架構造物
の種類や制震ダンパーの具体的な構造等に関して、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲において、出願時において既
に公知のものを適用することによる種々の変更が可能で
あることは、当然のことである。
柱で構造物を支持して成る高架構造物において、高架構
造物と交差しない方向に位置する柱間に制震ダンパーを
装備しており、制震ダンパーを、少なくとも2枚の鋼板
の間に粘弾性体を充填して構成して、中間梁に配置する
か柱頭部の近接位置に装備することを特徴としているの
で、以下の効果を奏している。
出来る。 中間梁がある場合でも、中間梁の損傷を防いで修復
工事を省略できる。 柱の曲げと剪断変形の両方に対して制震効果を発揮
できる。 高架構造物下を制震ダンパーで塞ぐのを無くして柱
間を有効に利用できる。 地中梁を無くして工期短縮と建設コストの削減を図
れる。
ンパーの実施の形態図
橋脚柱、4、4’ 腕部鋼材、 5 ダンパー部分、
6 鋼板群、 7 鋼板群、8 粘弾性体、 9 取付
部材、 10 矢印、 11 中間上部、20 耐震構
造、 22 地中梁、 23 地面、 25 鉄道高架
橋、26 制震ダンパー、 27 ブレース形式、 2
8 空間、
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の柱で構造物を支持して成る高架構
造物であって、高架構造物と交差しない方向に位置する
柱間に制震ダンパーを装備することを特徴とする制震高
架構造物。 - 【請求項2】 制震ダンパーが、少なくとも2枚の鋼板
の間に粘弾性体を充填して構成されることを特徴とする
請求項1に記載の制震高架構造物。 - 【請求項3】 制震ダンパーが、中間梁に配置されるこ
とを特徴とする請求項1又2に記載の制震高架構造物。 - 【請求項4】 制震ダンパーが、柱頭部の近接位置に装
備されることを特徴とする請求項1又2に記載の制震高
架構造物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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- 2002-02-18 JP JP2002039396A patent/JP2003239220A/ja active Pending
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