JP6967997B2 - 制震装置および建物 - Google Patents

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Description

本発明は、制震装置および建物に関する。
例えば、特開2009−74294号公報には、左右の柱材(補強材)と下側の横架材とが接合する仕口と、左右の柱材(補強材)と上側の横架材とが接合する仕口との両方にダンパーを設置した建物の制震構造が開示されている。ここでダンパーには、2枚の金属板の間に粘弾性体を介在させた粘弾性ダンパー、大径および小径の2つの筒状体の間に粘弾性体を介在させた粘弾性ダンパー、金属からなる弾性ダンパーやオイルダンパー等が例示されている。
特開2009−74294号公報
ところで、2枚の金属板の間に粘弾性体を介在させた粘弾性ダンパーを用いる場合において、大きな地震では、粘弾性体に生じるせん断変位が大きくなる。せん断変位が大きくなるとその分、粘弾性体からの反力が大きくなる。粘弾性体からの反力が大きくなると、粘弾性体が取り付けられた2枚の金属板に作用する応力が大きくなる。このため、粘弾性体からの反力に対して、2枚の金属板に十分な剛性が確保されていないと、2枚の金属板が変形し、粘弾性体に適切な変形が生じない。例えば、軸組材に固定された部位の距離が縮む場合に、2枚の金属板が、粘弾性体に接合された部位が座屈する場合がある。このため、制震装置が所要の性能を発揮し得ない場合がある。
ここで提案される制震装置は、柱と下部構造材とが交わった角部または柱と上部構造材とが交わった角部に対し、柱の中間部位と、下部構造材または上部構造材の中間部位とに斜めに架け渡される。制震装置は、中間プレートと、中間プレートの一方の面に対向した第1サイドプレートと、中間プレートの他方の面に対向した第2サイドプレートと、中間プレートと第1サイドプレートとの間に配置され、中間プレートと第1サイドプレートとにそれぞれ接着された第1粘弾性体と、中間プレートと第2サイドプレートとの間に配置され、中間プレートと第2サイドプレートとにそれぞれ接着された第2粘弾性体と、棒状金物とを備えている。
中間プレートは、第1粘弾性体と第2粘弾性体とが接着された部位から第1の方向にはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に、下部構造材または上部構造材の中間部位に取り付けられる第1取付部が設けられている。
第1サイドプレートは、第1粘弾性体が接着された部位から、第1の方向とは反対の第2の方向にはみ出ており、かつ、はみ出た部位の端部に、柱の中間部位に取り付けられる第2取付部が設けられている。第2サイドプレートは、第2粘弾性体が接着された部位から、第2の方向にはみ出ており、かつ、はみ出た部位の端部に、柱の中間部位に取り付けられる第3取付部が設けられている。
ここで、第2取付部と第3取付部との間隙は、17mm以上25mm以下に設定されている。棒状金物は、第2取付部と第3取付部とが取り付けられる柱の中間部位に柱の長さ方向に沿って取り付けられている。棒状金物の幅は、第2取付部と第3取付部との間隙よりも短く少なくとも15mm以上である。棒状金物の厚さは、4mm以上8mm以下の厚さであり、第2取付部と前記第3取付部との間隙に配置可能である。棒状金物には、厚さ方向に貫通したビス孔が長さ方向に沿って複数形成されている。
かかる制震装置によれば、棒状金物によって第1サイドプレートおよび第2サイドプレートが取り付けられる柱の中間部位の変形が小さく抑えられる。このため、地震時の揺れが小さく抑えられ、早期に減衰される。また、第1サイドプレートおよび第2サイドプレートに対する棒状金物の取り付けの自由度が高い。
棒状金物の長さは、15cm以上40cm以下であってもよい。
第2取付部と第3取付部とが取り付けられる柱の幅方向において、第2取付部の先端から第3取付部の先端までの距離と、棒状金物の幅との和は、例えば、90mm以上105mm以下であるとよい。
第2取付部と第3取付部とが取り付けられる柱の幅方向において、第2取付部の先端から第3取付部の先端までの距離と、棒状金物の幅との和は、例えば、100mm以上120mm以下であってもよい。
また、ここで提案される建物は、下部構造材と、下部構造材の上方に配置された上部構造材と、下部構造材と上部構造材との間に取り付けられた柱と、制震装置とを備えている。制震装置は、上述したように中間プレートと、第1サイドプレートと、第2サイドプレートと、第1粘弾性体と、第2粘弾性体と、棒状金物とを備えているとよい。そして、制震装置のうち中間プレートと、第1サイドプレートと、第2サイドプレートと、第1粘弾性体と、第2粘弾性体とからなる制震パーツが、柱と下部構造材とが交わった角部または柱と上部構造材とが交わった角部に対し、柱の中間部位と、下部構造材または上部構造材の中間部位とに斜めに架け渡されているとよい。さらに、棒状金物が柱の中間部位に取り付けられているとよい。
図1は、ここで提案される制震装置200が取付けられた建物100を示す正面図である。 図2は、柱103,104と下部構造材102とが交わった角部C1,C2に取り付けられた制震装置200を示す正面図である。 図3は、制震パーツA1の正面図である。 図4は、図3に示された制震パーツA1の右側面図である。 図5は、図3のV−V断面を示す断面図である。 図6は、棒状金物215の正面図である。 図7は、柱103に棒状金物215が取り付けられた柱103の側面図である。 図8は、柱103に棒状金物215が取り付けられた柱103の側面図である。 図9は、他の制震装置200の取り付け例を示す柱103の側面図である。 図10は、筋交い106とともに取り付けられた制震装置200の正面図である。
以下、ここで提案される制震装置および建物を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、符号は、細部において適宜に省略されている。
〈建物100〉
図1は、ここで提案される制震装置200が取付けられた建物100を示す正面図である。建物100は、図1に示されているように、下部構造材102と、複数の柱103,104と、上部構造材105とを備えている。
ここで提案される制震装置200は、図1に示されているように、柱103,104と下部構造材102とが交わった角部C1,C2に対し、柱103,104の中間部位と下部構造材102の中間部位とに斜めに架け渡される。また、柱103,104と上部構造材105とが交わった角部C3,C4に対しても、柱103,104の中間部位と上部構造材105の中間部位とに斜めに架け渡される。
ここで、下部構造材102は、例えば、建物の床梁でありうる。上部構造材105は、下部構造材102の上方に配置されている。上部構造材105は、例えば、上階の床梁、または、天井を支える構造上の梁でありうる。
下部構造材102は、図示は省略するが、例えば、建物の基礎の上に配置され、基礎に設けられたアンカーボルトに固定されている。複数の柱103,104は、下部構造材102に接合され、下部構造材102から上方に立ち上げられている。図1では、下部構造材102に接合された複数の柱のうち2本の柱103,104が図示されているが、下部構造材102には、他にも複数の柱が接合されている。上部構造材105は、柱103,104を含む複数の柱によって支持されており、下部構造材102の上方に配置されている。
制震装置200は、下部構造材102と一対の柱103,104と上部構造材105とが接続された角部C1〜C4のうち、少なくとも一つの角部に取付けられている。ここで、制震装置200は、当該角部を構成している下部構造材102と柱103,104または上部構造材105と柱103,104に取付けられている。なお、図1に示す形態では、下部構造材102と、複数の柱のうち一対の柱103,104と、上部構造材105とで囲まれた矩形の空間A1において、下部構造材102と一対の柱103,104と上部構造材105とが接続された4つの角部C1〜C4に、制震装置200がそれぞれ取付けられている。
〈制震装置200〉
図2は、柱103,104と下部構造材102とが交わった角部C1,C2に取り付けられた制震装置200を示す正面図である。制震装置200は、例えば、中古住宅などをリフォームする際にも取り付けられうる。
以下、制震装置200について説明する。制震装置200は、図2に示されているように、中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213と、第2粘弾性体214と、棒状金物215とを備えている。
このうち棒状金物215を除く部材、つまり中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213と、第2粘弾性体214とは、制震パーツA1を構成している。制震パーツA1は、柱103,104と下部構造材102とが交わった角部C1,C2または柱103,104と上部構造材105とが交わった角部C3,C4に対し、柱103,104の中間部位と、下部構造材102または上部構造材105の中間部位とに斜めに架け渡されている。棒状金物215は、制震パーツA1のうち、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とが取り付けられる柱103,104の中間部位に柱103,104の長さ方向に沿って取り付けられている。
図3から図5は、制震パーツA1を示す図である。このうち図3は、制震パーツA1の正面図である。図4は、図3に示された制震パーツA1の右側面図である。図5は、図3のV−V断面を示す断面図である。
第1サイドプレート211は、図4に示されているように、中間プレート210の一方の面に対向している。第2サイドプレート212は、中間プレート210の他方の面に対向している。図5に示されているように、第1粘弾性体213は、中間プレート210と第1サイドプレート211との間に配置され、中間プレート210と第1サイドプレート211とにそれぞれ接着されている。第2粘弾性体214は、中間プレート210と第2サイドプレート212との間に配置され、中間プレート210と第2サイドプレート212とにそれぞれ接着されている。
〈第1取付部210a、第2取付部211a、第3取付部212a〉
中間プレート210は、図3および図4に示されているように、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位から第1の方向D1にはみ出ている。そして、当該はみ出た部位の端部に第1取付部210aが設けられている。第1取付部210aは、下部構造材102または上部構造材105(図1参照)の中間部位に取り付けられる。
第1サイドプレート211は、第1粘弾性体213が接着された部位から第1の方向D1とは反対の第2の方向D2にはみ出ている。そして、当該はみ出た部位の端部に、第2取付部211aが設けられている。第2取付部211aは、柱103または柱104の中間部位に取り付けられる。
第2サイドプレート212は、第2粘弾性体214が接着された部位から第2の方向D2にはみ出ている。そして、当該はみ出た部位の端部に、第3取付部212aが設けられている。第3取付部212aは、柱103または柱104の中間部位に取り付けられる。
つまり、中間プレート210は、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位から一直線L1に沿って伸びている。第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とは、当該一直線L1に沿って中間プレート210とは反対側に延びている。直線L1に沿って延びた中間プレート210の端部には、第1取付部210aが設けられている。
直線L1に沿って中間プレート210とは反対側に延びた第1サイドプレート211の端部には、第2取付部211aが設けられている。
直線L1に沿って中間プレート210とは反対側に延びた第2サイドプレート212の端部には、第3取付部212aが設けられている。
この実施形態では、中間プレート210の第1取付部210aは、下部構造材102または上部構造材105(図1参照)の中間部位に取り付けられる取付面210a1,210a2を有している。
第1サイドプレート211の第2取付部211aは、柱103,104の中間部位に取り付けられる取付面211a1を有している。
第2サイドプレート212の第3取付部212aは、柱103,104の中間部位に取り付けられる取付面212a1を有している。
第1サイドプレート211の取付面211a1、および、第2サイドプレート212の取付面212a1の法線方向D4(図3参照)は、中間プレート210の取付面210a1,210a2の法線方向D3(図3および図4参照)に対して直交する向きに向けられている。
取付面210a1,210a2は、中間プレート210に第1粘弾性体213および第2粘弾性体214が接着された面に対して、それぞれ直角に折り曲げられている。また、当該折り曲げられた角部には、部分的に反対側に折り曲げられたリブ210a3が設けられている。当該リブ210a3によって、取付面210a1,210a2を形成するのに折り曲げられた角部に所要の剛性が確保されている。また、異なる向きに折り曲げられる取付面210a1,210a2との境には、切り欠き210a4が設けられている。
図4に示されているように、第1サイドプレート211の取付面211a1は、第1サイドプレート211に第1粘弾性体213が接着された側とは反対側に向けて直角に折り曲げられている。第2サイドプレート212の取付面212a1は、第2サイドプレート212に第2粘弾性体214が接着された側とは反対側に向けて直角に折り曲げられている。取付面211a1,212a1を形成するのに折り曲げられた角部には、部分的に反対側に折り曲げられたリブ211a2,212a2が設けられている。当該リブ211a2,212a2が設けられていることによって、当該角部に所要の剛性が確保されている。
また、図5に示されているように、直線L1に直交する幅方向において、中間プレート210は、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とからはみ出た部位に、直線L1に沿って折れ曲ったリブ210b,210cを備えている。当該リブ210b,210cによって、中間プレート210は、法線方向に曲がりにくく、所要の曲げ剛性が確保されている。この実施形態では、一方のリブ210bは、第1サイドプレート211の側に向けて折れ曲がっている。他方のリブ210bは、第2サイドプレート212の側に向けて折れ曲がっている。リブ210b、210cは、それぞれ第1の方向D1に沿って第1取付部210aの近傍まで設けられている。リブ210b,210cの端部では、中間プレート210の縁に切り欠き210b1,210c1(図3参照)が形成されている。
また、第1サイドプレート211は、図3および図5に示されているように、直線L1に直交する幅方向において、直線L1に沿って折れ曲がったリブ211b,211cを備えている。リブ211bによって、第1サイドプレート211は、法線方向に曲がりにくい。リブ211b,211cは、直線L1に沿って第2取付部211aの近傍まで延びている。リブ211b,211cの端部では、第1サイドプレート211の縁に切り欠き211b1,211c1,211c2が設けられている。図示は省略されているが、第2サイドプレート212にも、第1サイドプレート211のリブ211b,211cおよび切り欠き211b1,211c1,211c2と、同様のリブおよび切り欠きが設けられている。
この実施形態では、上述した中間プレート210、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212は、それぞれ所要の厚さの鋼板から所定の形状に切り出され、プレス成形されることによって作製される。
〈第1粘弾性体213,第2粘弾性体214〉
第1粘弾性体213と第2粘弾性体214には、高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)が好適に採用されうる。高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)には、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム素材(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、あるいは、これらのゴムのうち複数のゴム素材を混合したゴム素材に、高減衰性を発揮する添加剤を加えて生成された高減衰性ゴム組成物を用いることができる。高減衰性を発揮する添加剤としては、例えば、カーボンブラックなど、種々の添加剤が知られている。中間プレート210、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213および第2粘弾性体214との接着は、それぞれ加硫接着によって接着されているとよい。
この実施形態では、中間プレート210と第1サイドプレート211の接着面に接着剤を塗り、中間プレート210と第1サイドプレート211との間において、予め定められた位置に第1粘弾性体213となるゴム素材を挟む。中間プレート210と第2サイドプレート212の接着面に接着剤を塗り、中間プレート210と第2サイドプレート212との間において、予め定められた位置に第2粘弾性体214となるゴム素材を挟む。この実施形態では、第1の方向D1および第2の方向D2を除き、第1粘弾性体213および第2粘弾性体となるゴム素材は、中間プレート210と第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とによって挟んだ状態とする。第1粘弾性体213および第2粘弾性体となるゴム素材には、さらに第1の方向D1および第2の方向D2において金型が当てられる。第1粘弾性体213と第2粘弾性体214は、このように金型にゴム素材を配置することによって成形される。かかる成形によって、中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213と、第2粘弾性体214とからなる一体的な制震パーツA1が構成されている。
第1サイドプレート211と第2サイドプレート212との間には、図4に示されているように、第1粘弾性体213と、中間プレート210と、第2粘弾性体214とが挟まれている。このため、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212との間に間隙K1がある。第2取付部211aと第3取付部212aとの間隙K1は、例えば、17mm以上25mm以下に設定されているとよい。この実施形態では、間隙K1は、20mmである。
〈棒状金物215〉
棒状金物215は、第2取付部211aと第3取付部212aとが取り付けられる柱103,104の中間部位に柱103,104の長さ方向に沿って取り付けられている。
図6は、棒状金物215の正面図である。棒状金物215の幅B1は、第2取付部211aと第3取付部212aとの間隙K1(図4参照)よりも短く少なくとも15mm以上であるとよい。この実施形態では、間隙K1は20mmであり、棒状金物215の幅B1は、15mmである。
棒状金物215の厚さE1(図2参照)は、4mm以上8mm以下(この実施形態では、6mm)であり、第2取付部211aと第3取付部212aとの間隙K1に配置可能であるとよい。棒状金物215には、厚さ方向に貫通したビス孔215aが長さ方向に沿って複数形成されている。
図7は、柱103に棒状金物215が取り付けられた柱103の側面図である。図7に示されているように、ここで提案される制震装置200では、第1サイドプレート211の第2取付部211aと第2サイドプレート212の第3取付部212aとが取り付けられる柱103,104の中間部位に棒状金物215が取り付けられる(図2参照)。棒状金物215は、ビス孔215aに取り付けられるビス215bによって取り付けられるとよい。
図2および図7では、中古住宅の柱103,104に取り付けられる場合が図示されている。中古住宅の柱103,104は、図2に示されているように、他の木材を組み合わせるためのほぞ溝103a,104aが加工されている場合がある。このような場合には、図2に示されているように、ほぞ溝103a,104aを埋めるための埋め込み木材103b,104bが取り付けられ、その上で、棒状金物215が取り付けられるとよい。棒状金物215は、埋め込み木材103b,104bが取り付けられたほぞ溝103a,104aを跨ぐように柱103,104に取り付けられているとよい。ビス孔215aに取り付けられるビス215bは、埋め込み木材103b,104bを貫通して柱103,104に達しているとよい。
なお、特段の言及が無い限りにおいて、制震装置200が取り付けられる対象は、中古住宅に限定されず、柱103,104に欠損がない新築住宅にも取り付けられる。柱103,104のほぞ溝103a,104aや埋め込み木材103b,104bの有無によって、制震装置200は限定されない。
次に、中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213と、第2粘弾性体214とからなる制震パーツA1が取り付けられる。
制震パーツA1は、図2に示されているように、柱103,104と下部構造材102とが交わった角部C1,C2に対し、柱103,104の中間部位と下部構造材102の中間部位とに斜めに架け渡される。制震パーツA1は、中間プレート210と第1サイドプレート211および第2サイドプレート212とに設定された直線L1に沿って、柱103,104の中間部位と下部構造材102の中間部位とに斜めに架け渡される。
図2に示されているように、下部構造材102の中間部位に中間プレート210が取り付けられる。また、柱103,104の中間部位に第1サイドプレート211および第2サイドプレート212が取り付けられる。また、図1に示されているように、柱103,104の中間部位と上部構造材105の中間部位とに斜めに架け渡される制震装置200においても、上部構造材105の中間部位に中間プレート210が取り付けられる。また、柱103,104の中間部位に第1サイドプレート211および第2サイドプレート212が取り付けられる。
図8は、柱103に棒状金物215が取り付けられた柱103の側面図である。
図8に示されているように、棒状金物215の幅B1(図7参照)は、第2取付部211aと第3取付部212aとの間隙K1(図4参照)よりも短い。棒状金物215の厚さは、4mm以上8mm以下の厚さ(この実施形態では、6mm)であり、第2取付部211aと第3取付部212aとの間隙K1に配置可能である。このため、第1サイドプレート211の第2取付部211aと第2サイドプレート212の第3取付部212aとで、棒状金物215を挟むように、制震パーツA1を柱103,104に取り付けることができる(図2参照)。
かかる制震装置200によれば、柱103,104の中間部位に棒状金物215が取り付けられている。この制震装置200の制震パーツA1は、図1に示されているように、柱103,104と下部構造材102とが交わった角部C1,C2に対し、柱103,104の中間部位と下部構造材102の中間部位とに斜めに架け渡される。また、柱103,104と上部構造材105とが交わった角部C3,C4に対しても、柱103,104の中間部位と上部構造材105の中間部位とに斜めに架け渡される。ここで、下部構造材102は、例えば、建物の床梁でありうる。上部構造材105は、上階の床梁、または、天井を支える構造上の梁でありうる。
地震時に建物に揺れが生じる場合には、下部構造材102と上部構造材105が相対的に水平方向に変位する。下部構造材102または上部構造材105には中間プレート210が取り付けられている。柱103,104には、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212が取り付けられている。このため、下部構造材102と上部構造材105が相対的に水平方向に変位すると、制震パーツA1が架け渡される直線L1に沿って、中間プレート210と第1サイドプレート211および第2サイドプレート212とが相対的に変位する。中間プレート210と第1サイドプレート211および第2サイドプレート212とが相対的に変位すると、制震パーツA1において、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214にせん断変形が生じる。このため、地震時に建物に揺れが生じた場合には、かかる第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とにせん断変形が繰り返し生じる。そして、かかるせん断変形に応じた揺れのエネルギーが制震パーツA1によって吸収される。
また、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212が取り付けられた柱103,104には、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212から反力を受ける。このとき、棒状金物215が取り付けられているので、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212が取り付けられる柱103,104の中間部位の変形が小さく抑えられる。このため、地震時に生じる下部構造材102と上部構造材105が相対的に水平方向に変位に応じた大きさのせん断変形が、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214に生じる。これによって、制震パーツA1によって、適切に揺れのエネルギーが吸収される。このため、地震時の揺れが小さく抑えられるとともに、早期に減衰する。
制震装置200は、図8に示されているように、第1サイドプレート211の第2取付部211aと第2サイドプレート212の第3取付部212aとの間隙K1に、棒状金物215が配置される形態に限定されない。
図9は、他の制震装置200の取り付け例を示す柱103の側面図である。図9に示されているように、第1サイドプレート211の第2取付部211aと第2サイドプレート212の第3取付部212aとを、柱103の幅方向の中間からずらして取り付けてもよい。棒状金物215は、第1サイドプレート211の第2取付部211aと第2サイドプレート212の第3取付部212aとが取り付けられた部位の横に取り付けられている。このように、棒状金物215は、制震パーツA1が柱103に取り付けられる位置から横にずらして取り付けられていてもよい。この場合、制震パーツA1と棒状金物215とを、柱103,104に取り付ける手順は、特に限定されない。
このように制震装置200の制震パーツA1は、柱103,104の幅方向においてずらして取り付けられてもよい。図10は、筋交い106とともに取り付けられた制震装置200の正面図である。例えば、図10に示されているように、柱103,104と上部構造材105または下部構造材102とに、筋交い106が取り付けられるような場合には、柱103,104の幅方向においてずらして制震パーツA1を取り付けることによって、角部C1〜C4に筋交い106を通すとよい。また、この際、柱103,104の長さ方向において筋交い106を取り付ける金具106aに干渉しない位置に、棒状金物215が取り付けられる位置がずらされてもよい。
また、図8に示された例では、第1サイドプレート211の第2取付部211aと第2サイドプレート212の第3取付部212aとの間隙K1に、棒状金物215が配置されており、制震装置200は柱103,104の幅方向の中央に取り付けられている。制震装置200は、柱103,104の幅方向にずらして取り付けてもよい。例えば、柱103,104に制震装置200が取り付けられる面の幅方向に偏って、ほぞ溝のような欠損部位があるような場合には、制震装置200は柱103,104の幅方向に偏らせて取り付けられるとよい。このように制震装置200が用いられても柱103,104の変形が小さく抑えられる。このため、地震時に生じる下部構造材102と上部構造材105が相対的に水平方向に変位に応じた大きさのせん断変形が、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214に生じる。これによって、制震パーツA1によって、適切に揺れのエネルギーが吸収される。そして、地震時の揺れが小さく抑えられるとともに、早期に減衰する。
かかる観点において、例えば、第2取付部211aと第3取付部212aとが取り付けられる柱103の幅方向において、第2取付部211aの先端から第3取付部212aの先端までの距離B2と、棒状金物215の幅B1との和B3(図9参照)は、例えば、90mm以上105mm以下であるとよい。この場合、例えば、105mm幅の柱用の制震装置200として好適である。
また、例えば、第2取付部211aと第3取付部212aとが取り付けられる柱103の幅方向において、第2取付部211aの先端から第3取付部212aの先端までの距離B2と、棒状金物215の幅B1との和B3(図9参照)は、例えば、100mm以上120mm以下であるとよい。この場合、例えば、120mm幅の柱用の制震装置200として好適である。
また、棒状金物215は長くして、柱103,104を長さ方向に広い範囲に取り付けられていてもよい。ただし、柱103,104には、窓枠が取り付けられる場合がある。このため、棒状金物215が棒状金物215の長さは、15cm以上40cm以下程度であるとよい。これにより、制震パーツA1から受ける力が作用する部位において柱103,104の変形が小さく抑えられる。さらに、柱103,104に取り付けられる窓枠にも制震装置200は干渉しにくい。
また、ここで提案される建物100は、図1に示されているように、下部構造材102と、下部構造材102の上方に配置された上部構造材105と、下部構造材102と上部構造材105との間に取り付けられた柱103,104と、制震装置200とを備えている。制震装置200は、上述したように中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213と、第2粘弾性体214とからなる制震パーツA1と、棒状金物215とを備えているとよい。そして、柱103,104と下部構造材102とが交わった角部C1,C2または柱103,104と上部構造材105とが交わった角部C3,C4に対し、柱103,104の中間部位と、下部構造材102または上部構造材105の中間部位とに斜めに制震パーツA1が架け渡されているとよい。さらに、棒状金物215が柱103,104の中間部位に取り付けられているとよい。かかる建物100によれば、制震装置200の作用によって、地震時の揺れが早期に減衰される。
以上のとおり、ここで提案される制震装置および建物について、種々説明したが、ここで提案される制震装置は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態や変形例に限定されない。また、種々言及した実施形態や変形例の各構成は、互いに阻害しない関係であれば、適宜に組み合わせることができる。
100 建物
102 下部構造材
103,104 柱
105 上部構造材
106 筋交い
200 制震装置
210 中間プレート
210a 第1取付部
210a1,210a2 第1取付面
211 第1サイドプレート
211a 第2取付部
211a1 第2取付面
212 第2サイドプレート
212a 第2取付部
212a1 第2取付面
212c1,212c2 切り欠き
213 第1粘弾性体
214 第2粘弾性体
215 棒状金物
215a ビス孔
A1 制震パーツ
C1〜C4 角部

Claims (5)

  1. 柱と下部構造材とが交わった角部または柱と上部構造材とが交わった角部に対し、前記柱の中間部位と、前記下部構造材または前記上部構造材の中間部位とに斜めに架け渡される制震装置であって、
    中間プレートと、
    前記中間プレートの一方の面に対向した第1サイドプレートと、
    前記中間プレートの他方の面に対向した第2サイドプレートと、
    前記中間プレートと前記第1サイドプレートとの間に配置され、前記中間プレートと前記第1サイドプレートとにそれぞれ接着された第1粘弾性体と、
    前記中間プレートと前記第2サイドプレートとの間に配置され、前記中間プレートと前記第2サイドプレートとにそれぞれ接着された第2粘弾性体と、
    棒状金物と
    を備え、
    前記中間プレートは、
    前記第1粘弾性体と前記第2粘弾性体とが接着された部位から第1の方向にはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に、前記下部構造材または前記上部構造材の中間部位に取り付けられる第1取付部が設けられており、
    前記第1サイドプレートは、
    前記第1粘弾性体が接着された部位から、前記第1の方向とは反対の第2の方向にはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に、前記柱の中間部位に取り付けられる第2取付部が設けられており、
    前記第2サイドプレートは、
    前記第2粘弾性体が接着された部位から、前記第2の方向にはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に、前記柱の中間部位に取り付けられる第3取付部が設けられており、
    ここで、前記第2取付部と前記第3取付部との間隙は、17mm以上25mm以下に設定されており、
    前記棒状金物は、
    前記第2取付部と前記第3取付部とが取り付けられる前記柱の中間部位に前記柱の長さ方向に沿って取り付けられ、
    前記棒状金物の幅は、前記第2取付部と前記第3取付部との間隙よりも短く少なくとも15mm以上であり、
    前記棒状金物の厚さは、4mm以上8mm以下であり、前記第2取付部と前記第3取付部との間隙に配置可能であり、
    前記棒状金物には、前記厚さ方向に貫通したビス孔が長さ方向に沿って複数形成されている、
    制震装置。
  2. 前記棒状金物の長さは、15cm以上40cm以下である、請求項1に記載された制震装置。
  3. 前記第2取付部と前記第3取付部とが取り付けられる前記柱の幅方向において、前記第2取付部の先端から前記第3取付部の先端までの距離と、前記棒状金物の幅との和は、90mm以上105mm以下である、請求項1または2に記載された制震装置。
  4. 前記第2取付部と前記第3取付部とが取り付けられる前記柱の幅方向において、前記第2取付部の先端から前記第3取付部の先端までの距離と、前記棒状金物の幅との和は、100mm以上120mm以下である、請求項1または2に記載された制震装置。
  5. 下部構造材と、
    前記下部構造材の上方に配置された上部構造材と、
    前記下部構造材と前記上部構造材との間に取り付けられた柱と、
    請求項1から4までの何れか一項に記載された制震装置と
    を備え、
    前記請求項1から4までの何れか一項に記載された制震装置のうち前記中間プレートと、前記第1サイドプレートと、前記第2サイドプレートと、前記第1粘弾性体と、前記第2粘弾性体とからなる制震パーツが、前記柱と前記下部構造材とが交わった角部または前記柱と前記上部構造材とが交わった角部に対し、前記柱の中間部位と、前記下部構造材または前記上部構造材の中間部位とに斜めに架け渡され、かつ、
    前記棒状金物が前記柱の中間部位に取り付けられた、
    建物。
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