JP6277234B2 - 制震装置および建物 - Google Patents

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Description

本発明は、制震装置および建物に関する。
例えば、特開2009−74294号公報には、左右の柱材(補強材)と下側の横架材とが接合する仕口と、左右の柱材(補強材)と上側の横架材とが接合する仕口との両方にダンパーを設置した建物の制震構造が開示されている。ここでダンパーには、2枚の金属板の間に粘弾性体を介在させた粘弾性ダンパー、大径および小径の2つの筒状体の間に粘弾性体を介在させた粘弾性ダンパー、金属からなる弾性ダンパーやオイルダンパー等が例示されている。
特開2009−74294号公報
ところで、2枚の金属板の間に粘弾性体を介在させた粘弾性ダンパーを用いる場合において、大きな地震では、粘弾性体に生じるせん断変位が大きくなる。せん断変位が大きくなるとその分、粘弾性体からの反力が大きくなる。粘弾性体からの反力が大きくなると、粘弾性体が取り付けられた2枚の金属板に作用する応力が大きくなる。このため、粘弾性体からの反力に対して、2枚の金属板に十分な剛性が確保されていないと、2枚の金属板が変形し、粘弾性体に適切な変形が生じない。例えば、軸組材に固定された部位の距離が縮む場合に、2枚の金属板が、粘弾性体に接合された部位が座屈する場合がある。このため、制震装置が所要の性能を発揮し得ない場合がある。
ここで提案される制震装置は、中間プレートと、中間プレートの一方の面に対向した第1サイドプレートと、中間プレートの他方の面に対向した第2サイドプレートと、中間プレートと第1サイドプレートとの間に配置され、中間プレートと第1サイドプレートとにそれぞれ接着された第1粘弾性体と、中間プレートと第2サイドプレートとの間に配置され、中間プレートと第2サイドプレートとにそれぞれ接着された第2粘弾性体とを備えている。ここで、中間プレートは、第1取付部と、第1の方向に沿って折れ曲がった部位とを備えている。第1取付部は、第1粘弾性体と第2粘弾性体とが接着された部位から第1の方向に沿ってはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に設けられている。第1の方向に沿って折れ曲がった部位は、中間プレートに沿って第1の方向に直交する少なくとも一方において、第1粘弾性体と第2粘弾性体とが接着された部位からはみ出て、第1の方向に沿って折れ曲がっている。
また、第1サイドプレートと第2サイドプレートは、第1の方向とは反対の第2の方向において、第1粘弾性体または第2粘弾性体とが接着された部位からはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に設けられた第2取付部を備えている。さらに、第1サイドプレートは、第1サイドプレートに沿って第2の方向に直交する方向において、第1粘弾性体が接着された部位からはみ出て第2の方向に沿って折れ曲がった部位を備えている。第2サイドプレートは、第2サイドプレートに沿って第2の方向に直交する方向において、第2粘弾性体が接着された部位からはみ出て第2の方向に沿って折れ曲がった部位を備えている。
かかる構成によれば、中間プレートと、第1サイドプレートと、第2サイドプレートとが、所要の曲げ剛性を備えるので、第1粘弾性体と第2粘弾性体とに、適切にせん断変形が生じる。このため、制震装置の信頼性が向上する。
中間プレートは、中間プレートに沿って第1の方向に直交する両側において、第1粘弾性体と第2粘弾性体とが接着された部位からはみ出て、第1の方向に沿って折れ曲がった部位を備えていてもよい。かかる構成によって、中間プレートの曲げ剛性が向上しうる。
中間プレートの、中間プレートに沿って第1の方向に直交する両側において第1の方向に沿って折れ曲がった部位のうち、一方は、第1サイドプレートの側に向けて折れ曲がっており、他方は、第2サイドプレートの側に向けて折れ曲がっていてもよい。かかる構成によって、中間プレートの曲げ剛性がさらに向上しうる。
第1サイドプレートの折れ曲がった部位は、中間プレート側に向けて折れ曲っていてもよい。かかる構成によって、制震装置は、コンパクトに構成されうる。この場合、中間プレートに沿って第1の方向に直交する方向において、第1粘弾性体の片側の側面には、中間プレートの折れ曲った部位が被さっており、第1粘弾性体の反対側の側面には、第1サイドプレートの折れ曲った部位が被さっていてもよい。また、第1サイドプレートは、第1サイドプレートは第2の方向に直交する両側において、第2の方向に沿って折れ曲がった部位をそれぞれ有していてもよい。
第2サイドプレートの折れ曲がった部位は、中間プレート側に向けて折れ曲っていてもよい。かかる構成によって、制震装置は、コンパクトに構成されうる。この場合、中間プレートに沿って第1の方向に直交する方向において、第2粘弾性体の片側の側面には、中間プレートの折れ曲った部位が被さっており、第2粘弾性体の反対側の側面には、第2サイドプレートの折れ曲った部位が被さっていてもよい。また、第2サイドプレートは、第2サイドプレートに沿って第2の方向に直交する両側において、第2の方向に沿って折れ曲がった部位をそれぞれ有していてもよい。
また、第1取付部は一方向に向いた第1取付面を有し、かつ、第2取付部は、第1取付面に対して直交した他の方向に向いた第2取付面を有していてもよい。ここで提案される建物は、かかる制震装置と、下部構造材と、下部構造材から立ち上がった複数の柱と、複数の柱に支持され、下部構造材の上方に配置された上部構造材とを備えている。そして、下部構造材または上部構造材と、複数の柱のうちの一つの柱とが接続された複数の角部のうち、少なくとも一つの角部において、当該角部を構成する下部構造材と柱または上部構造材と柱のうち一方の部材に制震装置の第1取付部が取り付けられ、かつ、他方の部材に制震装置の第2取付部が取り付けられている。かかる構成によって、建物の制震性能を向上させることができる。
図1は、ここで提案される制震装置200が取付けられた建物100を示す正面図である。 図2は、制震装置200の正面図である。 図3は、図2に示された制震装置200の右側面図である。 図4は、図2のIV−IV断面を示す断面図である。 図5は、中間プレート210の正面図である。 図6は、図5のVI−VI断面である。 図7は、第1サイドプレート211の正面図である。 図8は、図7のVIII−VIII断面を示す断面図である。 図9は、図7のIX−IX断面を示す断面図である。 図10は、第2サイドプレート212の正面図である。 図11は、図10のXI−XI断面を示す断面図である。 図12は、図10のXII−XII断面を示す断面図である。 制震装置の変形例を示す断面図である。 制震装置の変形例を示す断面図である。 制震装置の変形例を示す断面図である。
以下、ここで提案される制震装置および建物を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〈建物100〉
図1は、ここで提案される制震装置200が取付けられた建物100を示す正面図である。建物100は、図1に示すように、下部構造材102と、複数の柱103,104と、上部構造材105とを備えている。
下部構造材102は、図示は省略するが、例えば、建物の基礎の上に配置され、基礎に設けられたアンカーボルトに固定されている。複数の柱103,104は、下部構造材102に接合され、下部構造材102から上方に立ち上げられている。図1では、下部構造材102に接合された複数の柱のうち2本の柱103,104が図示されているが、下部構造材102には、他にも複数の柱が接合されている。上部構造材105は、複数の柱103,104に支持されており、下部構造材102の上方に配置されている。
制震装置200は、下部構造材102と一対の柱103,104と上部構造材105とが接続された角部C1〜C4のうち、少なくとも一つの角部に取付けられている。ここで、制震装置200は、当該角部を構成している下部構造材102と柱103,104または上部構造材105と柱103,104に取付けられている。なお、図1に示す形態では、下部構造材102と、複数の柱のうち一対の柱103,104と、上部構造材105とで囲まれた矩形の空間A1において、下部構造材102と一対の柱103,104と上部構造材105とが接続された4つの角部C1〜C4に、制震装置200がそれぞれ取付けられている。
〈制震装置200〉
図2は、制震装置200の正面図である。図3は、図2に示された制震装置200の右側面図である。図4は、図2のIV−IV断面を示す断面図である。
制震装置200は、図2に示すように、中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213と、第2粘弾性体214とを備えている。
第1サイドプレート211は、図3に示すように、中間プレート210の一方の面に対向している。第2サイドプレート212は、中間プレート210の他方の面に対向している。図4に示すように、第1粘弾性体213は、中間プレート210と第1サイドプレート211との間に配置され、中間プレート210と第1サイドプレート211とにそれぞれ接着されている。第2粘弾性体214は、中間プレート210と第2サイドプレート212との間に配置され、中間プレート210と第2サイドプレート212とにそれぞれ接着されている。
〈第1取付部210a、第2取付部211a、212a〉
中間プレート210は、図2に示すように、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位から第1の方向D1に沿ってはみ出ている。そして、当該はみ出た部位の端部に第1取付部210aが設けられている。
第1サイドプレート211と第2サイドプレート212は、第1の方向D1とは反対の第2の方向D2において、第1粘弾性体213または第2粘弾性体214とが接着された部位からはみ出ている。そして、当該はみ出た部位の端部に第2取付部211a、212aが設けられている。
つまり、中間プレート210と、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とは、図1に示すように、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位から一直線L1に沿って伸びている。第1取付部210aと第2取付部211a、212aとは、当該一直線L1に沿って延びた中間プレート210と、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とのそれぞれの端部に設けられている。
この実施形態では、制震装置200は、図1に示すように、下部構造材102と一対の柱103,104と上部構造材105とが接続された角部C1〜C4のうち、一つの角部に取付けられる。図1では、4つの角部C1〜C4にそれぞれ制震装置200が取り付けられている。制震装置200は、角部C1〜C4に取り付けられるため、中間プレート210の第1取付部210aは一方向に向いた取付面210a1,210a2を有している。第1サイドプレート211と第2サイドプレート212の第2取付部211a、212aは、取付面210a1,210a2に対して直交した他の方向に向いた第2取付面211a1、212a1を有している。つまり、中間プレート210に設けられた第1取付部210aの取付面210a1,210a2の法線方向と、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212に設けられた第2取付部211a、212aの取付面211a1、212a1の法線方向とは、直交する向きに向けられている。
また、この実施形態では、第1取付部210aは、図2および図3に示すように、中間プレート210の端部に沿った長さ方向の中間部において、2つに分けられている。第1取付部210aの長さ方向の一方には、中間プレート210の正面側に向けて折り曲げられた取付面210a1が設けられている。他方には、中間プレート210の背面側に向けて折り曲げられた取付面210a2が設けられている。ここで、中間プレート210の正面側は、中間プレート210に対して第1サイドプレート211が設けられた側である。背面側は、中間プレート210に対して第2サイドプレート212が設けられた側である。
取付面210a1,210a2は、中間プレート210に第1粘弾性体213および第2粘弾性体214が接着された面に対して、それぞれ直角に折り曲げられている。また、当該折り曲げられた角部には、部分的に反対側に折り曲げられたリブ210a3が設けられている。当該リブ210a3によって、取付面210a1,210a2を形成するのに折り曲げられた角部に所要の剛性が確保されている。また、異なる向きに折り曲げられる取付面210a1,210a2との境には、切り欠き210a4が設けられている。
図3に示すように、第1サイドプレート211の取付面211a1は、第1サイドプレート211に第1粘弾性体213が接着された側とは反対側に向けて直角に折り曲げられている。第2サイドプレート212の取付面212a1は、第2サイドプレート212に第2粘弾性体214が接着された側とは反対側に向けて直角に折り曲げられている。取付面211a1,212a1を形成するのに折り曲げられた角部には、部分的に反対側に折り曲げられたリブ211a2,212a2が設けられている。当該リブ211a2,212a2が設けられていることによって、当該角部に所要の剛性が確保されている。
〈中間プレート210〉
ここで、図5は、中間プレート210の正面図である。図6は、図5のVI−VI断面である。図5と図6には、中間プレート210とともに、中間プレート210に接着された第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とがそれぞれ図示されている。
〈折れ曲った部位210b,210c〉
中間プレート210は、図5,図6に示すように、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する両側において、それぞれ第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とからはみ出て、第1の方向D1に沿って折れ曲った部位210b,210cを備えている。つまり、中間プレート210は、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位から、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する両側にはみ出ており、それぞれ第1の方向D1に沿って折れ曲っている。この実施形態では、かかる構成によって中間プレート210は、第1の方向D1に沿って法線方向に曲がりにくく、所要の曲げ剛性が確保されている。
さらに、この実施形態では、図6に示すように、一方の折れ曲った部位210bは、第1サイドプレート211の側(図4参照)に向けて折れ曲がっている。他方の折れ曲った部位210bは、第2サイドプレート212の側に向けて折れ曲がっている。この場合、第1サイドプレート211の側(図4参照)に向けて折れ曲がるように、中間プレート210に力が作用した場合には、一方のはみ出し部位210bに圧縮力が作用し、かつ、他方の折れ曲った部位210cに引っ張り力が作用する。また、第2サイドプレート212の側(図4参照)に向けて折れ曲がるように、中間プレート210に力が作用した場合には、一方のはみ出し部位210bに引っ張り力が作用し、かつ、他方の折れ曲った部位210cに圧縮力が作用する。このように、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する両側において、折れ曲った部位210b,210cがそれぞれ異なる側に曲げられている。このため、中間プレート210は、法線方向の何れの側にも第1の方向D1に沿って曲がりにくい。
図6に示すように、第1粘弾性体213の片側の側面には、中間プレート210の折れ曲った部位210bが被さっている。第1粘弾性体213の反対側の側面には、中間プレート210が被さっていない。第2粘弾性体214の片側の側面には、中間プレート210の折れ曲った部位210cが被さっている。第2粘弾性体214の反対側の側面には、中間プレート210が被さっていない。
第1粘弾性体213と第2粘弾性体214が接着された、中間プレート210の表面には、所要の接着強度を確保するべく粗面加工が施されている。粗面加工は、例えば、ショットブラストによって加工されている。なお、粗面加工は、ショットブラストに限らず、ヤスリで表面に微細な傷を付けたり、薬品を吹き付けるなどして化学的な作用によって粗面を加工してもよい。第1粘弾性体213と第2粘弾性体214の側面に被さった部位210b,210cには、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214が接着されていない。このため、当該部位210b,210cには、粗面加工が施されていなくてもよい。
なお、この実施形態には、中間プレート210は、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する両側において、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位からはみ出て、第1の方向D1に沿って折れ曲がった部位210b,210cを備えている。当該折れ曲った部位210b,210cは、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する方向のうち、片方に設けられていてもよい。かかる構成によって、中間プレート210は、第1の方向D1に沿って法線方向に曲がりにくくなる。所要の曲げ剛性を得るとの観点において、中間プレート210は、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する方向のうち少なくとも一方に、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位からはみ出て、第1の方向D1に沿って折れ曲った部位が設けられているとよい。
また、図2に示すように、第1粘弾性体213からはみ出て折れ曲った部位210bおよび第2粘弾性体214からはみ出て折れ曲った部位210cは、それぞれ第1の方向D1に沿って、第1取付部210aの近傍までそれぞれ延びている。このため、中間プレート210は、さらに第1の方向D1に沿って法線方向に曲がりにくい。また、当該折れ曲った部位210b,210cの第1の方向D1の端部では、中間プレート210の縁に、切り欠き210b1,210c1が設けられている。当該切り欠き210b1,210c1は、中間プレート210の折れ曲った部位210b,210cをプレス成形する際に、応力が集中するのを防止している。
〈第1サイドプレート211〉
図7は、第1サイドプレート211の正面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面を示す断面図である。図9は、図7のIX−IX断面を示す断面図である。図7〜図9では、第1サイドプレート211とともに、第1サイドプレート211に接着された第1粘弾性体213が図示されている。
第1サイドプレート211は、第1サイドプレート211に沿って第2の方向D2に直交する方向において、第1粘弾性体213が接着された部位からはみ出て、第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位211bを備えている。このように第1サイドプレート211は、第2の方向D2に沿って折れ曲った部位211bを備えているので、第2の方向D2に沿って法線方向に曲がりにくい。
この実施形態では、第1サイドプレート211の折れ曲った部位211bは、図4に示すように、中間プレート210側へ向けて折れ曲っている。このため、中間プレート210と第1サイドプレート211とが対向する方向において、制震装置200をコンパクトに構成できる。
さらに、中間プレート210に沿って第1の方向D1(第2の方向D2)に直交する方向において、第1粘弾性体213の片側の側面に、中間プレート210の折れ曲った部位210bが被さっている。第1粘弾性体213の反対側の側面には、第1サイドプレート211の折れ曲った部位211bが被さっている。つまり、中間プレートに沿って第1の方向D1(第2の方向D2)に直交する方向において、第1粘弾性体213の両側には、中間プレート210と第1サイドプレート211との何れかが被さっていてもよい。これにより剛性を高めつつ制震装置200をコンパクトに構成できる。
なお、第1サイドプレート211の第1粘弾性体213が接着された面には、粗面加工が施されているとよい。第1粘弾性体213の側面に折れ曲った部位211bは、第1粘弾性体213には接着されていない。このため、当該折れ曲った部位211bには、粗面加工が施されていなくてもよい。
また、この実施形態では、第1サイドプレート211の、第1粘弾性体213からはみ出て第2の方向D2に沿って折れ曲った部位211bは、第2の方向D2に沿って第2取付部211aの近傍まで延びている。当該折れ曲った部位211bの第2の方向D2に沿った端部では、第1サイドプレート211の縁に切り欠き211b1が形成されている。
また、第1サイドプレート211は、第1サイドプレート211に沿って第2の方向D2に直交する両側において、第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位211b,211cを有している。この実施形態では、第2取付部211aの近傍に延びた部位において、第1サイドプレート211の両側に、第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位211b,211cが設けられている。当該部位では、図9に示すように、第1サイドプレート211の両側が直角に折れ曲っている。これにより当該部位において、第1サイドプレート211に所要の曲げ剛性が確保されている。なお、この実施形態では、折れ曲った部位212cの両端では、第2サイドプレート212の縁に切り欠き212c1,212c2が設けられている。
〈第2サイドプレート212〉
図10は、第2サイドプレート212の正面図である。図11は、図10のXI−XI断面を示す断面図である。図12は、図10のXII−XII断面を示す断面図である。図10〜図12では、第2サイドプレート212とともに、第2サイドプレート212に接着された第2粘弾性体214が図示されている。
第2サイドプレート212は、第2サイドプレート212に沿って第2の方向D2に直交する方向において、第2粘弾性体214が接着された部位からはみ出て、第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位212bを備えている。このように第2サイドプレート212は、第2の方向D2に沿って折れ曲った部位212bを備えているので、第2の方向D2に沿って法線方向に曲がりにくい。
この実施形態では、第2サイドプレート212の折れ曲った部位212bは、図4に示すように、中間プレート210側へ向けて折れ曲っている。このため、中間プレート210と第2サイドプレート212とが対向する方向において、制震装置200をコンパクトに構成できる。
さらに、図4に示すように、中間プレート210に沿って第1の方向D1(第2の方向D2)に直交する方向において、第2粘弾性体214の片側の側面には、中間プレート210の折れ曲った部位210cが被さっている。第2粘弾性体214の反対側の側面には、第2サイドプレート212の折れ曲った部位212bが被さっている。つまり、中間プレート210に沿って第1の方向D1(第2の方向D2)に直交する方向において、第2粘弾性体214の両側には、中間プレート210と第2サイドプレート212との何れかが被さっていてもよい。これにより剛性を高めつつ制震装置200をコンパクトに構成できる。
なお、第2サイドプレート212の第2粘弾性体214が接着された面には、粗面加工が施されているとよい。第2粘弾性体214の側面に折れ曲った部位212bは、第2粘弾性体214には接着されていない。このため、当該折れ曲った部位212bには、粗面加工が施されていなくてもよい。
また、この実施形態では、第2サイドプレート212の、第2粘弾性体214からはみ出て第2の方向D2に沿って折れ曲った部位212bは、第2の方向D2に沿って第2取付部212aの近傍まで延びている。当該折れ曲った部位212bの第2の方向D2に沿った端部では、第2サイドプレート212の縁に切り欠き212b1が形成されている。
また、第2サイドプレート212は、第2サイドプレート212に沿って第2の方向D2に直交する両側において、第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位212b,212cを有している。この実施形態では、第2取付部212aの近傍に延びた部位において、第2サイドプレート212の両側に、第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位212b,212cが設けられている。当該部位では、図12に示すように、第2サイドプレート212の両側が直角に折れ曲っている。これにより当該部位において、第2サイドプレート212に所要の曲げ剛性が確保されている。なお、この実施形態では、折れ曲った部位212cの両端では、第2サイドプレート212の縁に切り欠き212c1,212c2が設けられている。
この実施形態では、上述した中間プレート210、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212は、それぞれ所要の厚さの鋼板を、所定の形状に切り出し、プレス成形することによって作製される。
〈第1粘弾性体213,第2粘弾性体214〉
第1粘弾性体213と第2粘弾性体214には、高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)が好適に採用されうる。高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)には、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム素材(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、あるいは、これらのゴムのうち複数のゴム素材を混合したゴム素材に、高減衰性を発揮する添加剤を加えて生成された高減衰性ゴム組成物を用いることができる。高減衰性を発揮する添加剤としては、例えば、カーボンブラックなど、種々の添加剤が知られている。中間プレート210、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212と、第1粘弾性体213および第2粘弾性体214との接着は、それぞれ加硫接着によって接着されているとよい。
この実施形態では、中間プレート210と第1サイドプレート211の接着面に接着剤を塗り、中間プレート210と第1サイドプレート211との間において、予め定められた位置に第1粘弾性体213となるゴム素材を挟む。中間プレート210と第2サイドプレート212の接着面に接着剤を塗り、中間プレート210と第2サイドプレート212との間において、予め定められた位置に第2粘弾性体214となるゴム素材を挟む。この実施形態では、第1の方向D1および第2の方向D2を除き、第1粘弾性体213および第2粘弾性体となるゴム素材は、中間プレート210と第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とによって挟んだ状態とする。第1粘弾性体213および第2粘弾性体となるゴム素材には、さらに第1の方向D1および第2の方向D2において金型が当てられる。第1粘弾性体213と第2粘弾性体214は、このように金型にゴム素材を配置することによって成形される。
上述のように、ここで提案される制震装置200によれば、中間プレート210は、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位から第1の方向D1に沿ってはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に第1取付部210aが設けられている。そして、中間プレート210は、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する少なくとも一方(この実施形態では、両側)において、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位からはみ出て、第1の方向D1に沿って折れ曲がった部位210b,210cとを備えている。
さらに、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212は、第1取付部210aが設けられた第1の方向D1とは反対の第2の方向D2において、第1粘弾性体213または第2粘弾性体214とが接着された部位からはみ出ている。そして、当該はみ出た部位の端部に第2取付部211a、212aが設けられている。第1サイドプレート211は、第1サイドプレート211に沿って第2の方向D2に直交する側に、第1粘弾性体213が接着された部位からはみ出て第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位211bを備えている。第2サイドプレート212は、第2サイドプレート212に沿って第2の方向D2に直交する側に、第2粘弾性体214が接着された部位からはみ出て第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位212bを備えている。
この制震装置200によれば、中間プレート210に設けられた折れ曲がった部位210b,210cによって、中間プレート210が所要の曲げ剛性が確保されている。また、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212に設けられた折れ曲がった部位211b,212bによって、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212はそれぞれ所要の曲げ剛性が確保されている。このように、中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212とがそれぞれ曲がりにくいので、制震装置200は、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214に適切なせん断変形が生じやすい。つまり、制震装置200は、中間プレート210の第1取付部210aと、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212の第2取付部211a、212aとの距離が伸びたり、縮んだりする用途に用いられる。かかる用途において、中間プレート210と、第1サイドプレート211と、第2サイドプレート212とが曲りにくいので、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214に適切なせん断変形が生じる。そして、中間プレート210の第1取付部210aと、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212の第2取付部211a、212aとが取り付けられた部材には、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214のせん断変形に応じた適切な反力が作用する。かかる反力の作用によって、第1取付部210aと第2取付部211a、212aが取り付けられた部材間に伸縮を伴う振動を生じさせるエネルギが適宜に吸収される。このように、中間プレート210と第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とが曲がりにくいので、制震装置200の信頼性が向上する。
中間プレート210の曲げ剛性を確保するとの観点において、かかる折れ曲った部位210b,210cは、中間プレート210の片側のみに設けられていてもよい。なお、より好ましくは、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する両側において、第1の方向D1に沿って折れ曲った部位210b,210cが設けられているとよい。
また、この実施形態では、第1取付部210aが設けられた中間プレート210において、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが接着された部位からはみ出て、第1の方向D1に沿って折れ曲がった部位210b,210cが2つである。
第2取付部211a、212aが設けられた第1サイドプレート211と第2サイドプレート212において、第1粘弾性体213または第2粘弾性体214が接着された部位からはみ出て、第2の方向D2に沿って折れ曲がった部位211b,212bが合わせて2つである。
このように、第1粘弾性体213または第2粘弾性体214が接着された部位からはみ出て第1の方向D1あるいは第2の方向D2に沿って折れ曲った部位は、中間プレート210に設けられた数と、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とに設けられた数とが、同じである。これによって、中間プレート210の曲げ剛性と、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212の曲げ剛性とが同程度に調整されている。
また、この実施形態では、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214が接着された部位から、第1の方向D1に延びた部位では、中間プレート210の両側に、第1の方向D1に沿って折れ曲った部位210b、210cが設けられている。第2の方向D2では、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212の両側にそれぞれ第2の方向D2に沿って折れ曲った部位211b,211c,212b,212cが設けられている。このように、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214が接着された部位から第1の方向D1に伸びた部位、および、第2の方向D2に伸びた部位においても、中間プレート210と、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212の曲げ剛性が同程度になるように調整されている。このように中間プレート210と第1サイドプレート211と第2サイドプレート212は、それぞれ同程度の曲げ剛性を備えているとよい。
図13から図15は、制震装置200の変形例を示す断面図である。図13から図15は、それぞれ図4のように第1粘弾性体213と第2粘弾性体214が中間プレート210に接着した部位を横断した断面が示されている。
第1サイドプレート211は、例えば、図13に示すように、第1サイドプレート211に沿って第2の方向D2に直交する両側において、第1粘弾性体213からはみ出て第2の方向D2に沿って折れ曲った部位211d,211eが設けられていてもよい。また、第2サイドプレート212は、第2サイドプレート212に沿って第2の方向D2に直交する両側において、第2粘弾性体214からはみ出て第2の方向D2に沿って折れ曲った部位212d,212eが設けられていてもよい。この場合、図13に示すように、第1サイドプレート211の折れ曲った部位211dおよび第2サイドプレート212の折れ曲った部位212dは、適宜に、中間プレート210の折れ曲った部位210b,210cの外側(あるいは内側)に重なっていてもよい。
また、他の形態として、図14に示すように、中間プレート210は、中間プレート210に沿って第1の方向D1に直交する両側において、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とからはみ出て、第1の方向D1に沿って同じ側に折れ曲った部位210d,210eを備えていてもよい。
中間プレート210、第1サイドプレート211、第2サイドプレート212、第1粘弾性体213および第2粘弾性体214は、特に言及されない限りにおいて、それぞれ上述した形態に限定されない。
例えば、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214とが中間プレート210に接着された部位は、中間プレート210の表裏において、位置がずれていてもよい。また、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214は、一つの中間プレート210に対して複数、接着されていてもよい。例えば、複数の第1粘弾性体213または複数の第2粘弾性体214が、第1の方向D1に位置をずらして、中間プレート210に接着されていてもよい。
また、第1サイドプレート211に所要の曲げ剛性を得るとの観点において、第1サイドプレート211は、中間プレート210とは反対側に向けて折れ曲っていてもよい。また、第2サイドプレート212に所要の曲げ剛性を得るとの観点において、第2サイドプレート212は、中間プレート210とは反対側に向けて折れ曲っていてもよい。
また、図15に示すように、中間プレート210の幅と、第1サイドプレート211の幅と、第2サイドプレート212の幅とは、それぞれ第1粘弾性体213、第2粘弾性体214よりも広くしてもよい。これによって、中間プレート210、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212の剛性をそれぞれ高くすることができる。さらに、図15の形態では、中間プレート210の幅方向の片側の折れ曲った部位210bは、第1サイドプレート211の片側の端部211fよりも幅方向の外側で、第1サイドプレート211の片側の端部に干渉しないように折れ曲っている。また、中間プレート210の幅方向の反対側の折れ曲った部位210cは、第2サイドプレート212の片側の端部212fよりも幅方向の外側で、第2サイドプレート212の片側の端部に干渉しないように折れ曲っている。このように、中間プレート210の折れ曲った部位210b、210cは、第1サイドプレート211または第2サイドプレート212から幅方向外側にはみ出させて設けてもよい。この場合、例えば、図4に示す形態に比べて、中間プレート210の折れ曲った部位210b、210cの幅を大きくすることができ、中間プレート210の剛性を高めることができる。
さらに、図15に示す形態では、第1サイドプレート211の折れ曲った部位211bは、さらに、中間プレート210の折れ曲った部位210cの外側において、中間プレート210に干渉しないように折れ曲っている。第2サイドプレート212の折れ曲った部位212bは、さらに、中間プレート210の折れ曲った部位210bの外側において、中間プレート210に干渉しないように折れ曲っている。この形態では、例えば、図4に示す形態に比べて、第1サイドプレート211の折れ曲った部位211bおよび第2サイドプレート212の折れ曲った部位212bの幅を大きくすることができるので、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212の剛性をそれぞれ高めることができる。このように、中間プレート210の折れ曲った部位210b、210c、第1サイドプレート211の折れ曲った部位211b、第2サイドプレート212の折れ曲った部位212bは、それぞれ大きな幅として剛性を高めてもよい。
この制震装置200では、図1に示すように、例えば、中間プレート210の取付部210aが下部構造材102あるいは上部構造材105に取り付けられる。そして、第1サイドプレート211または第2サイドプレート212の取付部211a,212aが、柱103,104に取り付けられる。このように、制震装置200は、建物100の角部C1〜C4に取り付けられるとよい。なお、中間プレート210の取付部210aが、柱103,104に取り付けられ、第1サイドプレート211または第2サイドプレート212の取付部211a,212aが、下部構造材102または上部構造材105に取り付けられてもよい。
制震装置200は、例えば、図1に示すように、ビスのような締結部材によって、下部構造材102、柱103,104、上部構造材105に締結するとよい。なお、図示は省略するが、下部構造材102や、柱103,104や、上部構造材105を保護する、保護部材を介在させて、制震装置200を下部構造材102や、柱103,104や、上部構造材105に取り付けてもよい。例えば、下部構造材102や、柱103,104や、上部構造材105により広い面積で保護部材を取り付けてもよい。
図1では、建物100の、下部構造材102と柱103,104と上部構造材105とで囲まれた矩形の枠組みの4角の角部C1〜C4に、それぞれ制震装置200が取り付けられている。この場合、大きな地震によって建物100が揺れると、下部構造材102に対して上部構造材105が水平方向に変位する。
図1に示すように、仮に建物100の下部構造材102と上部構造材105とが、図1中の矢印Zで示される方向に相対的に変位した場合、一方の対角に位置する角部C1,C4では、下部構造材102または上部構造材105と、柱103,104との角度が狭まる。他方の対角に位置する角部C2,C3では、下部構造材102または上部構造材105と、柱103,104との角度が拡がる。図1中の矢印Zとは反対の方向に、相対変位した場合には、下部構造材102または上部構造材105と、柱103,104との角度は、一方の対角に位置する角部C1,C4では拡がり、他方の対角に位置する角部C2,C3では狭まる。大きな地震時には、角部C1〜C4の角度は、それぞれ拡がったり、狭まったりを繰り返す。
当該角部C1〜C4に取り付けられた制震装置200は、角部C1〜C4の角度が拡がると、中間プレート210に設けられた第1取付部210aと、第1サイドプレート211および第2サイドプレート212に設けられた第2取付部211a、212aとの距離が伸びる。角部C1〜C4の角度が狭まると、第1取付部210aと第2取付部211a、212aとの距離が縮む。第1取付部210aと第2取付部211a、212aとの距離が伸びたり、縮んだりすると、これに応じて、中間プレート210と第1サイドプレート211および第2サイドプレート212とが相対的に変位する。そして、当該相対変位に応じて、第1粘弾性体213および第2粘弾性体214がせん断変形する。当該第1粘弾性体213と第2粘弾性体214のせん断変形に応じた反力によって、建物100に生じる振動を早期に減衰させることができる。大きな地震時に建物100に作用するエネルギを吸収するとの観点において、第1粘弾性体213と第2粘弾性体214には、上述のように高減衰ゴムが用いられているとよい。
ここで提案される制震装置200では、図2に示すように、中間プレート210に設けられた第1取付部210aは一方向に向いた第1取付面210a1を有している。そして、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212とに設けられた第2取付部211a、212aは、第1取付部210aの第1取付面210a1に対して直交した他の方向に向いた第2取付面211a1,212a1を有している。そして、建物100は、下部構造材102と、下部構造材102から立ち上がった複数の柱103,104と、複数の柱103,104に支持され、下部構造材102の上方に配置された上部構造材105とを備えている。制震装置200は、例えば、図1に示すように、下部構造材102または上部構造材105と、複数の柱103,104のうちの一つの柱とが接続された複数の角部C1〜C4のうち、少なくとも一つの角部において、角部を構成する下部構造材102と柱103,104または上部構造材105と柱103,104のうち一方の部材に第1取付部210aが取り付けられる。また、他方の部材に第2取付部211a、212aが取り付けられる。かかる構成によって、下部構造材102と上部構造材105とに相対的な水平変位を伴う揺れが建物100に生じた場合に、制震装置200の第1粘弾性体213と第2粘弾性体214に適切にせん断変形が生じる。そして、建物100の制震性能を向上させることができる。
図1では、建物100の一つの矩形の空間A1の4つの角部C1〜C4に制震装置200がそれぞれ取付けられている。なお、制震装置200が取り付けられる位置は、建物100の一つの矩形の空間A1の4つの角部C1〜C4に限定されない。制震装置200は、建物100の構造材(下部構造材102と一対の柱103,104と上部構造材105など)が接続された角部に適宜に取付けられる。建物100には、構造材が接続された角部が複数存在する。制震装置200は、かかる複数の角部のうち、適当な角部に取り付けることができ、建物100に分散して配置することができる。例えば、建物100の構造上、揺れが生じやすい部位や、変形が生じにくい耐震壁から離れた部位などに、制震装置200を適宜に取り付けることができる。
下部構造材102は、基礎に取り付けられる土台や根太や床合板などである。上部構造材105は、例えば、2階梁である。また、制震装置200は、建物100の1階だけでなく、2階や3階などにも取り付けられる。例えば、2階建ての木造建造物において、建物100の1階に取り付けられる場合には、建物の2階に取り付けられる場合には、下部構造材102を2階梁とし、上部構造材105を天井梁とすることができる。
また、下部構造材102と上部構造材105に生じる相対的な変位は、建物100の平面視において、縦方向と横方向とにそれぞれ生じうる。このため、建物100の複数の角部のうち、当該平面視における縦方向と横方向において、適当な数の角部をそれぞれ選択して制震装置200を取り付けるとよい。これによって、縦方向と横方向のそれぞれにおいて、建物100に生じる揺れを吸収することができる。
なお、制震装置200は、上述したように中間プレート210に設けられた第1取付部210aと、第1サイドプレート211と第2サイドプレート212に設けられた第2取付部211a、212aとの距離が伸びたり縮んだりする変位を伴う振動を吸収しうる。このため、制震装置200は建物100の構造材が接合された角部に限らず、種々の用途に採用できる。この場合、制震装置200が取り付けられる部位に応じて、第1取付部210aと第2取付部211a、212aの構造を適宜に変更するとよい。
以上のとおり、ここで提案される制震装置および建物について、種々説明したが、ここで提案される制震装置および建物は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態や変形例に限定されない。また、種々言及した実施形態や変形例の各構成は、互いに阻害しない関係であれば、適宜に組み合わせることができる。
100 建物
102 下部構造材
103,104 柱
105 上部構造材
200 制震装置
210 中間プレート
210a 第1取付部
210a1,210a2 第1取付面
210a3 リブ
210a4 切り欠き
210b 折れ曲がった部位
210b1,210c1 切り欠き
210c 折れ曲った部位
211 第1サイドプレート
211a 第2取付部
211a1 第2取付面
211a2 リブ
211b 折れ曲った部位
211b1 切り欠き
211c 折れ曲った部位
212 第2サイドプレート
212a 第2取付部
212a1 第2取付面
212b 折れ曲った部位
212b1 切り欠き
212c 折れ曲った部位
212c1,212c2 切り欠き
213 第1粘弾性体
214 第2粘弾性体
C1〜C4 角部

Claims (11)

  1. 中間プレートと、
    前記中間プレートの一方の面に対向した第1サイドプレートと、
    前記中間プレートの他方の面に対向した第2サイドプレートと、
    前記中間プレートと前記第1サイドプレートとの間に配置され、前記中間プレートと前記第1サイドプレートとにそれぞれ接着された第1粘弾性体と、
    前記中間プレートと前記第2サイドプレートとの間に配置され、前記中間プレートと前記第2サイドプレートとにそれぞれ接着された第2粘弾性体と
    を備え、
    前記中間プレートは、
    前記第1粘弾性体と前記第2粘弾性体とが接着された部位から第1の方向に沿ってはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に設けられた第1取付部と、
    前記中間プレートに沿って前記第1の方向に直交する少なくとも一方において、前記第1粘弾性体と前記第2粘弾性体とが接着された部位からはみ出て、前記第1の方向に沿って折れ曲がった部位と
    を備え、
    前記第1サイドプレートと前記第2サイドプレートは、
    前記第1の方向とは反対の第2の方向において、前記第1粘弾性体または前記第2粘弾性体とが接着された部位からはみ出ており、かつ、当該はみ出た部位の端部に設けられた第2取付部を備え、
    前記第1サイドプレートは、
    前記第1サイドプレートに沿って前記第2の方向に直交する方向において、前記第1粘弾性体が接着された部位からはみ出て前記第2の方向に沿って折れ曲がった部位を備え、
    前記第2サイドプレートは、
    前記第2サイドプレートに沿って前記第2の方向に直交する方向において、前記第2粘弾性体が接着された部位からはみ出て前記第2の方向に沿って折れ曲がった部位を備えている、
    制震装置。
  2. 前記中間プレートは、前記中間プレートに沿って前記第1の方向に直交する両側に、前記第1の方向に沿って折れ曲がった部位を備えている、請求項1に記載された制震装置。
  3. 前記中間プレートに沿って前記第1の方向に直交する両側において、前記第1の方向に沿って折れ曲がった部位のうち、一方は、前記第1サイドプレートの側に向けて折れ曲がっており、他方は、前記第2サイドプレートの側に向けて折れ曲がっている、
    請求項2に記載された制震装置。
  4. 前記第1サイドプレートの前記折れ曲がった部位は、前記中間プレート側に向けて折れ曲っている、請求項1から3までの何れか一項に記載された制震装置。
  5. 前記中間プレートに沿って前記第1の方向に直交する方向において、前記第1粘弾性体の片側の側面には、前記中間プレートの折れ曲った部位が被さっており、前記第1粘弾性体の反対側の側面には、前記第1サイドプレートの折れ曲った部位が被さっている、請求項4に記載された制震装置。
  6. 前記第1サイドプレートは、前記第1サイドプレートに沿って前記第2の方向に直交する両側において、前記第2の方向に沿って折れ曲がった部位をそれぞれ有している、請求項1から5までの何れか一項に記載された制震装置。
  7. 前記第2サイドプレートの前記折れ曲がった部位は、前記中間プレート側に向けて折れ曲っている、請求項1から6までの何れか一項に記載された制震装置。
  8. 前記中間プレートに沿って前記第1の方向に直交する方向において、前記第2粘弾性体の片側の側面には、前記中間プレートの折れ曲った部位が被さっており、前記第2粘弾性体の反対側の側面には、前記第2サイドプレートの折れ曲った部位が被さっている、請求項7に記載された制震装置。
  9. 前記第2サイドプレートは、前記第2サイドプレートに沿って前記第2の方向に直交する両側において、前記第2の方向に沿って折れ曲がった部位をそれぞれ有している、請求項1から8までの何れか一項に記載された制震装置。
  10. 前記第1取付部は一方向に向いた第1取付面を有し、かつ、
    前記第2取付部は、前記第1取付面に対して直交した他の方向に向いた第2取付面を有する、
    請求項1から9までの何れか一項に記載された制震装置。
  11. 請求項10に記載された制震装置と、
    下部構造材と、
    前記下部構造材から立ち上がった複数の柱と、
    前記複数の柱に支持され、前記下部構造材の上方に配置された上部構造材と
    を備え、
    前記下部構造材または前記上部構造材と、前記複数の柱のうちの一つの柱とが接続された複数の角部のうち、少なくとも一つの角部において、当該角部を構成する前記下部構造材と前記柱または前記上部構造材と前記柱のうち一方の部材に前記制震装置の第1取付部が取り付けられ、かつ、他方の部材に前記制震装置の第2取付部が取り付けられた、建物。
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