JP3744267B2 - 建造物の制振装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上,下RC梁間に制振構造体を設けて、建造物に入力される振動エネルギーを該制振構造体で吸収して制振するようにした建造物の制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多層階の建造物の構造仕様としては、RC(鉄筋コンクリート)造,S(鉄骨)造およびSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造等があるが、これら建造物に風や地震が作用した場合にそれぞれの変形量が異なる。即ち、比較的大きな風では建造物の変形量は約1mm程度で微少であり、また、比較的大きな地震で数cmと大きくなる。そこで、風および地震に対して制振対策を実現する場合、微少変形となる風対策では、TMDやオイルダンパーを用いて質量体の慣性反力やオイルの流動抵抗によって振動エネルギーを吸収する一方、変形が大きくなる地震対策では、Y型ブレースや低降伏点鋼を用いた間柱を架構に組み込み、これらの破壊により振動エネルギーを吸収するようになっている。特に、RC造建造物では、建造物の剛性を高くして耐力を挙げることによっても、風対策および地震対策の一助とすることができる。
【0003】
ところで、このように建造物の変形量が異なる風対策および地震対策の両方は、1つの装置または手段によって制振することが望ましく、これら両変形量を満足して制振することができる材料としては、オイルダンパーや粘弾性体がある。
【0004】
そこで、特公平5−2075号公報に開示されるように粘弾性体を用いた制振装置が提案されるが、この制振装置は、上方の鉄骨梁から垂下する上方制振板(外柱)と、下方の鉄骨梁から立ち上がる下方制振板(内柱)とを交互に配置し、これら両制振板の重合部分に粘弾性体を挟むように接着して制振構造体が構成される。そして、振動により上,下鉄骨梁間に生ずる相対変位によって両制振板がずれると、上記粘弾性体が変形して振動エネルギーを吸収するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の制振装置はS造建造物に適用したもので、これの制振構造体は上,下の鉄骨梁に上方制振板および下方制振板を直接に取り付けるようになっている。このため、上方制振板の上端と下方制振板の下端との間の上下寸法は、上,下鉄骨梁間の高さ、つまり1階高分の高さとなり、延いては各制振板は上下方向に長くなる。
【0006】
一方、上記制振構造体による振動吸収時には、各制振板の鉄骨梁取付け部分と粘弾性体の取付け部分との間の距離をスパンとするモーメントが作用することになる。このとき、各制振板は上述したように上下寸法が長くなっているため、該モーメントは著しく大きくなる。従って、上,下方制振板には大きなモーメントに対抗するために大きな強度が要求されることになり、上記制振構造体を設計するにあたって、本来の制振性能のみならず上,下方制振板の強度を考慮することが大きな制限要素となってしまう。また、従来の制振装置に用いられる上記粘弾性体は、温度依存性が高すぎるため気温によって制振性能に大きなムラが生じてしまう。
【0007】
更に、風対策と地震対策の両方を満足する材料として、上記粘弾性体以外にオイルダンパーを用いた場合は、装置自体が大型化して設置スペースを広く必要とする等の課題があった。
【0008】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、建造物の変形量が異なる風および地震の制振性能を満足しつつ、制振構造体の小型化を図って各制振板に作用するモーメントを低減し、もって該制振板の強度確保に制限されることなく本来の制振性能を容易に確保することができ、更には、温度の違いによっても略一定の制振性能を得ることができる建造物の制振装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の請求項1に係る建造物の制振装置は、建造物の各階の上下に配置される上方RC梁と下方RC梁との間にそれぞれ設けられる建造物の制振装置であって、前記上方RC梁又は前記下方RC梁を構成するRC梁と、該RC梁の下面側に突設される上方突出部と、該RC梁の上面側に突設される下方突出部と、前記上方突出部と前記RC梁と前記下方突出部とを上下方向に貫通し、前記上方突出部及び前記下方突出部から突出する両端部にナットを締め付けることによりプレストレスが導入されて、前記上方突出部と前記RC梁と前記下方突出部とを一体化する複数のPC鋼棒と、前記上方RC梁の前記上方突出部と前記下方RC梁の前記下方突出部との間に設けられる制振構造体とを備え、該制振構造体は、交互に配置される第1制振板及び第2制振板と、前記第1制振板の上端に連結される上方取付板と、該上方取付板の上面に突設されて、前記上方突出部に埋設されるスタッドと、前記第2制振板の下端に連結される下方取付板と、該下方取付板の下面に突設されて、前記下方突出部に埋設されるスタッドと、前記第1制振板と前記第2制振板との重合部分間に介在されて、前記第1制振板と前記第2制振板の相対移動に伴って振動エネルギーを吸収する粘弾性素材を用いたエネルギー吸収体とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明による建造物の制振装置によれば、風や地震により建造物に振動が入力されて、上方RC梁と下方RC梁との間で水平方向の相対変位が発生すると、これに伴って制振構造体の第1制振板と第2制振板とが相対移動して、この相対移動力がエネルギー吸収体に入力されて振動エネルギーを吸収し、上記建造物を制振することができる。この場合、上記制振構造体は上方RC梁および下方RC梁から突出される上方突出部と下方突出部との間に取り付けられているので、この制振構造体の上下取付けスペースはこれら上方突出部及び下方突出部によって狭くすることができる。このため、上記第1制振板及び第2制振板の上下寸法を短くして、振動入力時にこれら第1制振板及び第2制振板に作用するモーメントを小さくできることになり、これら第1制振板及び第2制振板は強度確保に制限されることなく、本来の制振性能を容易に確保することができる。また、上記エネルギー吸収体として粘弾性素材を用いたので、それぞれ変形量の異なる風と地震による両振動に対しても有効に作動して、建造物を効果的に制振することができる。
さらに、プレストレスを導入したPC鋼棒により、上方突出部及び下方突出部に内部応力を付加してひび割れを防止できるとともに、両突出部とRC梁との結合強度を高めることができるので、大きな振動エネルギーが入力した場合であっても、両突出部の破壊を防止し、上方RC梁と下方RC梁との間の相対変位を確実に制振構造体に伝達でき、制振構造体による高い制振効率を確保することができる。
【0011】
また、上方および下方のRC梁からそれぞれ突出部を突出してこれら突出部間に制振構造体を取り付ける構造であるので、新築の建造物はもちろん、既存の建造物に対しても採用することができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に係る建造物の制振装置は、請求項1に記載の建造物の制振装置であって、前記エネルギー吸収体に、温度依存性の小さい粘弾性体を用いることを特徴とする。
【0013】
本発明による建造物の制振装置によれば、粘弾性体の温度依存性が小さいことから、振動入力時のエネルギー吸収体は温度に係わりなく、略一定したエネルギー吸収率を得ることができ、外気温に影響されることなく、ムラ無く安定した制振機能を発揮することができる。
【0014】
さらに、本発明の請求項3に係る建造物の制振装置は、請求項1又は2に記載の建造物の制振装置であって、前記第1制振板は上端部が一体化された3枚構造をなし、該一体化された第1制振板の上端に前記上方取付板が連結され、該上方取付板の上面に前記スタッドが突設され、前記第2制振板は下端部が一体化された2枚構造をなし、該一体化された第2制振板の下端に前記下方取付板が連結され、該下方取付板の下面に前記スタッドが突設されていることを特徴とする。
【0015】
本発明による建造物の制振装置によれば、第1制振板を3枚構造とし、第2制振板を2枚構造としているので、粘弾性体は、少ない変形から大きな変形まで有効に機能してエネルギーを吸収でき、風による小変位の振動(揺動)から地震による大変位の振動まで効果的に建造物を制振することができる。また、第1制振板及び第2制振板の上下寸法を短くして、振動入力時にこれら第1制振板及び第2制振板に作用するモーメントを小さくすることができる。従って、粘弾性体に入力される振動エネルギーに対する第1制振板及び第2制振板の強度低下を可能にでき、第1制振板及び第2制振板の強度確保に制限されることなく、本体の制振性能を容易に確保することができる
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図7は本発明にかかる建造物の制振装置の一実施形態を示し、図1は建造物の架構を部分的に示す要部正面図、図2は図1中A−A線断面図、図3は図1中B部を拡大した部分拡大図、図4は図3中C−C線断面図、図5は制振構造体の縦断面図、図6は制振構造体の正面図、図7は図3中D−D線断面図である。
【0019】
本発明にかかる建造物の制振装置10の基本的な構造は、交互に配置される1枚または複数枚の第1制振板34および第2制振板36と、これら第1,第2制振板34,36の重合部分38間に介在されて、両制振板34,36の相対移動に伴って振動エネルギーを吸収する粘弾性素材を用いたエネルギー吸収体40とを備えて制振構造体16を構成する一方、上方RC梁14aおよび下方RC梁14bからそれぞれ上方突出部18および下方突出部20を対向して突出し、これら上,下方突出部18,20間に、上記第1,第2制振板34,36の一方が上方突出部18に、他方が下方突出部20にそれぞれ一体化されるようにして上記制振構造体16を取り付ける。
【0020】
また、上記エネルギー吸収体40に、温度依存性の小さい粘弾性体を用いる。
【0021】
更に、上記突出部18,20と上記RC梁14a,14bとの間にPC鋼棒30を貫通し、該PC鋼棒30にプレストレスを導入する。
【0022】
更にまた、上記制振構造体16には、上記突出部18,20への取り付け部分にスタッド56,58を突設し、このスタッド56,58を該突出部18,20内に埋設する。
【0023】
即ち、本実施形態の制振装置10は図1,図2に示すように、例えば多層階の鉄筋コンクリート造建物12に適用したもので、上下のRC梁14,14…間に制振構造体16が取り付けられることにより構成される。本実施形態では制振構造体16は各階に設けられ、それぞれの制振構造体16は上方RC梁14aの中央部から垂下される上方突出部18と、下方RC梁14bの中央部から立設される下方突出部20との間に取り付けられ、これら上,下方RC梁14a,14bおよび制振構造体16によって、制振機能を備えた間柱として構成される。このとき、特定階の制振構造体16の上方RC梁14aは、その上方階の制振構造体16に対しては下方RC梁14bとなり、また、特定階の下方RC梁14bはその下方階では上方RC梁14aとなる。そして、図3に示すように各RC梁14の下側に上方突出部18が突設されるとともに、上側に下方突出部20が突設される。
【0024】
図4に示すように上方突出部18はRC梁14から一体に突設成形されるとともに、下方突出部20は別体に成形したものがRC梁14の上面に結合される。これら上,下方突出部18,20は内部に鉄筋籠22,24が埋設されて補強される。勿論、RC梁14内には梁主筋26およびスターラップ28が埋設されている。上方突出部18とRC梁14と下方突出部20との間には、これらを上下方向に貫通して複数のPC鋼棒30が設けられ、それぞれのPC鋼棒30の両端部は上方突出部18の下端および下方突出部20の上端から突出され、各突出部は座金32aを介してナット32締めされることにより、PC鋼棒30にプレストレスを導入するようになっている。
【0025】
上記制振構造体16は、上半部分に設けられる第1制振板34と、下半部分に設けられる第2制振板36とを備え、前者の第1制振板34は3枚の制振板34a,34b,34cが設けられて、それぞれが所定間隔をもって平行配置されるとともに、後者の第2制振板36は2枚の制振板36a,36bが設けられてそれぞれが所定間隔をもって平行配置される。そして、各第1制振板34の下端部間に、各第2制振板36の上端部をサンドイッチ状となるように交互に挟むことにより、両制振板34,36間に重合部分38が設けられる。
【0026】
上記重合部分38には、第1制振板34と第2制振板36との間にエネルギー吸収体としての粘弾性体40が挿入され、該粘弾性体40の両面はそれぞれに接触する第1,第2制振板34,36に接着される。このとき、粘弾性体40で接着された第1,第2制振板34,36は面内方向に可動となる。上記粘弾性体40は一種のゴムであり、外力によって変形されるときにそのエネルギーを吸収する性質を備えたものであり、特に本実施形態では温度依存性の小さい、つまり温度によってそのエネルギー吸収機能の変化が小さいゴムが用いられる。
【0027】
3枚構造となった上記第1制振板34の上端部は、中央部の制振板34aが1対の支持ブラケット42に挟まれるとともに、その両外側にスペーサ44を介して両側の制振板34b,34cが配置され、これらは連続して貫通するボルト46,ナット46aを介して結合される。そして、上記支持ブラケット42は上方取付板48に溶接され、この上方取付板48が上記上方突出部18下面に取り付けられる。
【0028】
また、2枚構造となった上記第2制振板36の下端部は、1対の制振板36a,36bがスペーサを兼ねた支持ブラケット50の両側に配置され、これらにはボルト52が貫通されてナット52a締めされる。そして、該支持ブラケット50は下方取付板54に溶接され、この下方取付板54が上記下方突出部20上面に取り付けられる。ところで、上記ボルト46および52は図6に示したように複数設けられ、第1,第2制振板34,36と支持ブラケット42,50とのガタ付きを確実に防止するようになっている。
【0029】
上記上方取付板48の上面および上記下方取付板54の下面にはそれぞれ多数のスタッド56,58が溶接により突設され、これらスタッド56,58は図7に示すように上方突出部18および下方突出部20内に埋設されるようになっている。
【0030】
以上の構成により本実施形態の建造物の制振装置10では、風や地震により鉄筋コンクリート造建物に振動が入力されて、上方RC梁14aと下方RC梁14bとの間に発生する水平方向の相対変位は、上,下方突出部18,20を介して制振構造体16に伝達され、これの第1制振板34と第2制振板36とをそれぞれの面方向に相対移動する。すると、これら第1,第2制振板34,36の先端部の重合部分38に設けられた粘弾性体40に入力され、この粘弾性体40を変形することで振動エネルギーが吸収される。該粘弾性体40は少ない変形から大きな変形まで有効に機能してエネルギー吸収できることから、風による小変位の振動(揺動)から地震による大変位の振動まで効果的に建造物を制振することができる。
【0031】
このとき、上記制振構造体16は上方RC梁14aおよび下方RC梁14bから突出される上方突出部18と下方突出部20との間に取り付けられるので、該制振構造体16の上下取付けスペースは、これら上,下方突出部18,20によって狭くなっている。つまり、制振構造体16の全高は、上,下方突出部18,20の突出量によって上,下方RC梁14a,14b間の階高より小さい寸法にすることができる。このため、上記第1,第2制振板34 ,36の上下寸法を短くして、振動入力時にこれら第1,第2制振板34,36に作用するモーメントを小さくすることができる。
【0032】
従って、上記粘弾性体40に入力される振動エネルギーに対する上記第1,第2制振板34,36の強度低下を可能にできるため、これら制振板34,36の強度確保に制限されることなく本来の制振性能を容易に確保することができる。
【0033】
更に、上記上,下方突出部18,20と上記上,下方RC梁14a,14bとの間には複数のPC鋼棒30が貫通され、これらPC鋼棒30にプレストレスを導入したので、これらPC鋼棒30により上,下方突出部18,20に内部応力を付加してひび割れを防止することができる。また、PC鋼棒30のプレストレスにより上,下方突出部18,20と上,下方RC梁14a,14bとの結合強度をも向上できる。従って、大きな振動エネルギーが入力された場合にも、突出部14a,14bの破壊を防止して上,下方RC梁14a,14b間の相対変位を確実に制振構造体16に伝達できるため、該制振構造体16による高い制振効率を確保することができる。
【0034】
上記制振構造体16は、第1制振板34の上方取付板48および第2制振板36の下方取付板54を上,下方突出部18,20に取り付けるにあたって、これら取付板48,54からそれぞれ突設したスタッド56,58を突出部18,20内に埋設したので、これらスタッド56,58がアンカーとなって制振構造体16と突出部18,20との間を強固に結合することができる。従って、上,下方RC梁14a,14bの相対変位は効率良く制振構造体16に伝達できるため、該制振構造体16による高い制振効率が確保される。
【0035】
また、本実施形態の制振装置10では、上記粘弾性体40として温度依存性の小さいゴム材を用いたので、この粘弾性体40は振動入力時の温度に係わりなく略一定したエネルギーの吸収率を得ることができる。従って、寒冷地や熱帯地等にあって外気温に影響されることなく、ムラの無い安定した制振機能を発揮することができる。
【0036】
さらに図1では、上下のRC梁14と左右の柱13に取り囲まれた一つの架構空間S内に制振装置10をただ一つ備えた場合を示したが、図8に示すように一つの架構空間S内に、必要に応じて複数の制振装置10を備えても良い。
【0037】
ところで、本実施形態の制振構造体16の第1制振板34を3枚構造と、第2制振板36を2枚構造とした場合を開示したが、それぞれの枚数はこれに限ることなく1枚以上であれば良く、それぞれの重合部38に設けた粘弾性体40に効率よく振動エネルギーを伝達できる構造であれば良い。
【0038】
上記実施形態では、鉄筋コンクリート造建物12を例示して説明したけれども、梁をRC造としたS造やSRC造などの混合構造物に対しても本発明を適用できることはもちろんである。
【0039】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の請求項1に記載の建造物の制振装置によれば、建造物に振動が入力されて、上方RC梁と下方RC梁との間で水平方向の相対変位が発生すると、これに伴って制振構造体の第1制振板と第2制振板とが相対移動して、この相対移動力がエネルギー吸収体に入力されて振動エネルギーを吸収し、上記建造物を制振することができる。この場合、上記制振構造体は、上方RC梁および下方RC梁から突出される上方突出部と下方突出部との間に取り付けられているので、この制振構造体の上下取付けスペースは、これら上方突出部及び下方突出部によって狭くすることができる。このため、上記第1制振板及び第2制振板の上下寸法を短くして、振動入力時にこれら第1制振板及び第2制振板に作用するモーメントを小さくできることになり、これら第1制振板及び第2制振板は強度確保に制限されることなく、本来の制振性能を容易に確保することができる。また、上記エネルギー吸収体として粘弾性素材を用いたので、それぞれ変形量の異なる風と地震による両振動に対しても有効に作動して、建造物を効果的に制振することができる。
さらに、プレストレスを導入したPC鋼棒により、上方突出部及び下方突出部に内部応力を付加してひび割れを防止できるとともに、両突出部とRC梁との結合強度を高めることができるので、大きな振動エネルギーが入力した場合であっても、両突出部の破壊を防止でき、上方RC梁と下方RC梁との間の相対変位を確実に制振構造体に伝達でき、制振構造体による高い制振効率を確保することができる。
さらに、制振構造体の第1制振板の上端に上方取付板を連結し、この上方取付板の上面に突設したスタッドを上方突出部に埋設することにより、第1制振板を上方突出部に強固に結合し、第2制振板の下端に下方取付板を連結し、この下方取付板の下面に突設したスタッドを下方突出部に埋設することにより、第2制振板を下方突出部に強固に結合しているので、上方RC梁と下方RC梁との間の相対変位を確実に制振構造体に伝達することができ、制振構造体による高い制振効率を確保することができる
【0040】
また、上方および下方のRC梁からそれぞれ突出部を突出してこれら突出部間に制振構造体を取り付ける構造であるので、新築の建造物はもちろん、既存の建造物に対しても採用することができる。
【0041】
また、本発明の請求項2に記載の建造物の制振装置によれば、上記エネルギー吸収体に、温度依存性の小さい粘弾性体を用いているので、振動入力時のエネルギー吸収体は、温度に係わりなく、略一定したエネルギー吸収率を得ることができ、外気温に影響されることなく、ムラ無く安定した制振機能を発揮することができる。
【0042】
また、本発明の請求項3に記載の建造物の制振装置によれば、第1制振板を3枚構造とし、第2制振板を2枚構造としているので、粘弾性体は、少ない変形から大きな変形まで有効に機能してエネルギーを吸収でき、風による小変位の振動(揺動)から地震による大変位の振動まで効果的に建造物を制振することができる。また、第1制振板及び第2制振板の上下寸法を短くして、振動入力時にこれら第1制振板及び第2制振板に作用するモーメントを小さくすることができる。従って、粘弾性体に入力される振動エネルギーに対する第1制振板及び第2制振板の強度低下を可能にでき、第1制振板及び第2制振板の強度確保に制限されることなく、本来の制振性能を容易に確保することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振装置が適用される建造物の架構の一実施形態を部分的に示す要部正面図である。
【図2】図1中A−A線断面図である。
【図3】図1中B部を拡大した部分拡大図である。
【図4】図3中C−C線断面図である。
【図5】本発明の制振構造体の一実施形態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の制振構造体の一実施形態を示す正面図である。
【図7】図3中D−D線断面図である。
【図8】本発明の制振装置の他の配設状態を示す建造物の架構の要部正面図である。
【符号の説明】
10 制振装置
12 鉄筋コンクリート造建物
14 RC梁
14a 上方RC梁
14b 下方RC梁
16 制振構造体
18 上方突出部
20 下方突出部
30 PC鋼棒
34 第1制振板
36 第2制振板
38 重合部分
40 粘弾性体
56,58 スタッド

Claims (3)

  1. 建造物の各階の上下に配置される上方RC梁と下方RC梁との間にそれぞれ設けられる建造物の制振装置であって、
    前記上方RC梁又は前記下方RC梁を構成するRC梁と、該RC梁の下面側に突設される上方突出部と、該RC梁の上面側に突設される下方突出部と、前記上方突出部と前記RC梁と前記下方突出部とを上下方向に貫通し、前記上方突出部及び前記下方突出部から突出する両端部にナットを締め付けることによりプレストレスが導入されて、前記上方突出部と前記RC梁と前記下方突出部とを一体化する複数のPC鋼棒と
    前記上方RC梁の前記上方突出部と前記下方RC梁の前記下方突出部との間に設けられる制振構造体とを備え、
    該制振構造体は、交互に配置される第1制振板及び第2制振板と、前記第1制振板の上端に連結される上方取付板と、該上方取付板の上面に突設されて、前記上方突出部に埋設されるスタッドと、前記第2制振板の下端に連結される下方取付板と、該下方取付板の下面に突設されて、前記下方突出部に埋設されるスタッドと、前記第1制振板と前記第2制振板との重合部分間に介在されて、前記第1制振板と前記第2制振板の相対移動に伴って振動エネルギーを吸収する粘弾性素材を用いたエネルギー吸収体とを有することを特徴とする建造物の制振装置。
  2. 前記エネルギー吸収体に、温度依存性の小さい粘弾性体を用いることを特徴とする請求項1に記載の建造物の制振装置。
  3. 前記第1制振板は上端部が一体化された3枚構造をなし、該一体化された第1制振板の上端に前記上方取付板が連結され、該上方取付板の上面に前記スタッドが突設され、
    前記第2制振板は下端部が一体化された2枚構造をなし、該一体化された第2制振板の下端に前記下方取付板が連結され、該下方取付板の下面に前記スタッドが突設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建造物の制振装置。
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