JP2000352218A - 木造建築物の耐震構造 - Google Patents

木造建築物の耐震構造

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JP2000352218A JP11166954A JP16695499A JP2000352218A JP 2000352218 A JP2000352218 A JP 2000352218A JP 11166954 A JP11166954 A JP 11166954A JP 16695499 A JP16695499 A JP 16695499A JP 2000352218 A JP2000352218 A JP 2000352218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工が容易で、プランの自由度を損なうこと
なく、木造建築物の耐震性能を向上させることができる
木造建築物の耐震構造を提供すること。 【解決手段】 相対向配置され、他の一対の構造材2,
2と組み合わされて矩形状の枠体を形成する一対の構造
材1,1間に、筋交い3,3及び耐震補強具5が配設さ
れてなる木造建築物の耐震構造であって、耐震補強具5
は、一対の構造材1,1間に亘って配される棒状の座屈
防止部材6と、座屈防止部材6の両端部それぞれを、一
対の該構造材1,1それぞれに連結する一対の連結部材
7,7と、振動エネルギーを吸収する制震装置8,8と
からなり、連結部材7,7は、前記構造材1,1に固定
され、座屈防止部材6は、その中間部において筋交い
3,3に固定されると共にその両端部において連結部材
7,7に前記制震装置8を介して連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施工が容易で、プ
ランの自由度を損なうことなく、木造建築物の耐震性能
を向上させることができる木造建築物の耐震構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
木造建築物においては、筋交いの座屈長さを短縮して、
筋交いの耐力を向上させるために、筋交いの中間部を間
柱等に固定することが行われている。しかし、掛かる従
来の方法では、筋交いの座屈前に、間柱等に、折れや割
れが生じ、あるいは固定用の釘が抜けたりすることによ
って、間柱等が筋交いの座屈防止材として機能しない恐
れがある。また、特開平9−21200号公報には、補
強板を、外壁面に沿うように一対の柱間に掛け渡して固
定し、該補強板に筋交いの側面部を固定する技術が提案
されている。しかし、該公報に記載の技術においても同
様に、筋交いと補強板との固定部や該補強板と柱との固
定部に、割れや釘の抜け等が生じる恐れがあり、充分な
耐震性能が得られない。
【0003】また、近年、エネルギー吸収型のダンパー
を用いた制震ビルでの制震化工事が提案されている。し
かし、これを木造建築物に導入するには、耐力壁とは別
に、制震装置を設置するための耐震パネル等の無開口壁
が必要となり、住宅等のプランの自由度が大きく制限さ
れることになる。また、従来工法の延長線上での実施が
困難であり、施工が容易ではないという問題がある。
【0004】従って、本発明の目的は、施工が容易で、
プランの自由度を損なうことなく、木造建築物の耐震性
能を向上させることができる木造建築物の耐震構造を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、相対向配置さ
れ、他の一対の構造材と組み合わされて矩形状の枠体を
形成する一対の構造材間に、筋交い及び耐震補強具が配
設されてなる木造建築物の耐震構造であって、前記耐震
補強具は、一対の前記構造材間に亘って配される棒状の
座屈防止部材と、該座屈防止部材の両端部それぞれを、
一対の該構造材それぞれに連結する一対の連結部材と、
振動エネルギーを吸収する制震装置とからなり、前記連
結部材は、前記構造材に固定され、前記座屈防止部材
は、その中間部において前記筋交いに固定されると共に
その両端部において前記連結部材に前記制震装置を介し
て連結されていることを特徴とする木造建築物の耐震構
造を提供することにより、上記の目的を達成したもので
ある(以下、この発明を第1発明という)。
【0006】また、本発明は、相対向配置され、他の一
対の構造材と組み合わされて矩形状の枠体を形成する一
対の構造材間に、筋交い及び耐震補強具が配設されてな
る木造建築物の耐震構造であって、前記耐震補強具は、
一対の前記構造材間に亘って配される棒状の座屈防止部
材と、該座屈防止部材の両端部それぞれを、一対の該構
造材それぞれに連結する一対の連結部材と、振動エネル
ギーを吸収する少なくとも一つの制震装置とからなり、
前記連結部材は、前記構造材に固定され、前記座屈防止
部材は、その中間部において前記筋交いに固定されると
共にその両端部において前記連結部材に連結され、前記
制震装置は、該座屈防止部材と該連結部材との間に掛け
渡されていることを特徴とする木造建築物の耐震構造を
提供することにより、上記の目的を達成したものである
(以下、この発明を第2発明という)。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施
形態に基づいて説明する。第1実施形態の木造建築物の
耐震構造は、第1発明の一実施形態であり、木造住宅の
耐震構造であって、相対向配置され、他の一対の構造材
2,2と組み合わされて矩形状の枠体を形成する一対の
構造材1,1間に、筋交い3,3及び耐震補強具5が配
設されてなる。一対の前記構造材1,1は、一対の鉛直
材であり、他の一対の構造材としての横架材2,2間に
互いに平行に配されて、該横架材2,2と共に耐力壁形
成用の矩形状の枠体(周囲を四本の構造材に囲まれた枠
状の構造)を形成している。
【0008】両鉛直材1,1間には、一対の筋交い3,
3が、X字状に配設されている。各筋交い3,3は、各
々の中央部において交叉されており、その交叉部におけ
る両筋交い3,3間には、耐震補強具5介装用の所定の
隙間が形成されている。各筋交い3,3の両端部は、鉛
直材1と横架材2との接合部に、それぞれ筋交い固定用
の金具4,4・を用いて固定されている。尚、筋交い固
定用の金具4,4としては、従来公知の各種の金具を特
に制限なく用いることができる。
【0009】耐震補強具5は、一対の鉛直材1,1間に
亘って配される棒状の座屈防止部材6と、該座屈防止部
材6の両端部それぞれを、一対の該鉛直材1,1それぞ
れに連結する一対の連結部材7,7と、振動エネルギー
を吸収する一対の制震装置8,8とからなる。
【0010】前記座屈防止部材6は、棒状の剛性部材で
あり、その長手方向の中間部、好ましくは中央部に筋交
い3,3を固定する筋交い固定部を有し且つその両端部
それぞれに制震装置8,8に結合される結合部を有す
る。具体的には、座屈防止部材6は、図2に示すよう
に、断面矩形の鋼製の棒状体61と、該棒状体61の両
端に一体的に結合された断面T字型の鋼製の連結体62
とからなり、該棒状体61の長手方向の中央部に、筋交
い固定用のボルト孔63を有し、各連結体62に、制震
装置結合用のボルト孔(図示せず)を有している。尚、
座屈防止部材6の長手方向の中間部とは、長手方向の両
端部間に位置する任意の部分をいい、長手方向の中央部
とは、長手方向の両端部間を二分する位置及びその近傍
をいう。
【0011】前記連結部材7は、鉛直材1の側面部にボ
ルトを介して当接固定される縦長矩形状の固定板部71
と、該固定板部71に直角をなす板状の制震装置固定部
72とからなる。制震装置固定部72は、制震装置の一
端部を固定するためのボルト孔(図示せず)を一対有し
ている。
【0012】前記制震装置8は、弾性体又は粘弾性体を
介して振動エネルギーを吸収する装置である。具体的に
は、相対向配置され互いに相対変位可能に連結された、
それぞれ鋼板からなる一対の板状部81,81と、両板
状部81,81間に介在され、両板状部81,81間の
相対変位によりひずみ変形する弾性体又は粘弾性体82
とからなる。本実施形態においては、ゴム状弾性体が用
いられ、具体的には、高減衰ゴムが好ましい。両板状部
81,81は、弾性体又は粘弾性体82を介して互いに
重ね合わされた重合部と、座屈防止部材6の端部又は連
結部材7に結合固定される結合部とからなり、両板状部
81,81の重合部それぞれに形成されたルーズホール
81a,81aを貫通するボルト91及び該ボルト91
に螺合されたナット98により、互いに相対変位可能に
連結されている。
【0013】ここで、粘弾性体とは、弾性及び粘性を示
す物質をいい、固体でありながら測定にかかる粘性を示
すものや液体でありながら弾性を示すものである。又、
変形ひずみに対しては、急には戻らず弾性余効を示し、
有限時間の緩和現象が見られる。前記粘弾性体82は、
その両側に位置する両板状部81,81間に生じる相対
変位によりひずみ変形し、そのひずみ変形によって、地
震時における運動エネルギーを吸収する。粘弾性体82
としては、シリコン系、ゴム系、ジエン系、アクリル
系、エポキシ系等の高分子材料からなるものが好まし
い。制震装置8における一対の前記板状部81,81
は、図4に示すように、互いの連結状態を維持しなが
ら、互いに逆方向(図4の左右方向)にスライド移動可
能である。また、ボルト91を回転軸として、該ボルト
91の回りを逆方向に回転するような変位も可能であ
る。
【0014】次に、第1実施形態の木造建築物の耐震構
造の構築方法について一例を示して説明する。先ず、木
造住宅における一対の鉛直材1,1間に、一対の筋交い
3,3をX字状に交叉させて配設する。そして、各筋交
い3の端部を、それぞれ筋交い固定用の金具4を用いて
固定する。各筋交い3,3としては、三つ割の筋交いを
用い、両筋交い3,3間に、座屈防止部材6を介在させ
る所定の隙間を形成しておく。
【0015】次いで、両鉛直材1,1それぞれにおける
両筋交い3,3の交叉部と同じ高さ位置に、各々連結部
材7を、一対のボルト92,92を用いて固定する。各
連結部材7の鉛直材1への固定に際しては、予め制震装
置8を、ボルト93,93を介して制震装置固定部72
に固定しておく。
【0016】次いで、一対の筋交い3,3間に、座屈防
止部材6を挿入し、棒状体61に形成されたボルト孔6
3及び両筋交い3,3に形成したボルト挿通孔31,3
1にボルト94を挿通する。そして、該ボルト94に反
対側よりナット95を螺合して共締めする。また、座屈
防止部材6の両端部をそれぞれ、鉛直材1に固定された
制震装置8に、一対のボルト96を介して固定する。
【0017】このようにして、第1実施形態の木造建築
物の耐震構造は容易に完成させることができる。第1実
施形態の耐震構造の構築の順序は、上述した順序に制限
されず、例えば、一方の筋交い3を固定した後、耐震補
強具5の両端部を構造材1,1に固定し、次いで、他方
の筋交い3を固定し、最後に、耐震補強具5及び両筋交
い3,3間を相互に固定しても良い。また、一対の構造
材1,1間に耐震補強具5を最初に固定し、その後、該
耐震補強具5の両側に一対の筋交い3,3を配設して、
最後に耐震補強具5及び両筋交い3,3間を相互に固定
しても良い。尚、本発明の木造建築物の耐震構造は、木
造建築物の耐力壁部分に形成される構造であり、木造建
築物における総ての耐力壁部分に形成しても、一部の耐
力壁部分にのみ形成しても良い。
【0018】第1実施形態の木造建築物の耐震構造によ
れば、木造建築物に優れた耐震性能を付与することがで
きる。即ち、前記耐震補強具5が一対の筋交い3,3そ
れぞれに固定されているため、両筋交い3,3の座屈長
さが短縮され、地震時に筋交い3に圧縮力が加わった際
における該筋交い3の座屈折れが効果的に防止される。
また、制震装置8における一対の板状部81,81間が
相対変位可能に連結されているため、鉛直材1,1が左
右に大きく揺れても、耐震補強具5の両端部が鉛直材
1,1から外れたりすることがなく、筋交い3,3の座
屈防止機能が、従来の間柱等のように損なわれることが
ない。
【0019】更に、制震装置8の一対の板状部81,8
1間に、弾性体又は粘弾性体82が、両板状部81,8
1の相対変位に伴ってひずみ変形するように介在してい
るため、地震時の振動エネルギー81が該弾性体又は粘
弾性体82のひずみ変形により熱エネルギーに変換され
る。これによって、地震時の揺れが効果的に減衰され
る。
【0020】次に、本発明の第2実施形態の木造建築物
の耐震構造について説明する。第2実施形態の木造建築
物の耐震構造は、第2発明の一実施形態であり、両鉛直
材1,1間に配設されている耐震補強具5’の構成が第
1実施形態におけるのと相違する点を除き、他の基本的
な構成は第1実施形態におけるのと同様である。従っ
て、以下、第1実施形態と異なる点について特に説明
し、同様の構成については説明を省略する。尚、特に説
明しない第1実施形態と同様の点については、第1実施
形態に関し上述した各説明が適宜適用される。
【0021】図5に示す第2実施形態においては、耐震
補強具5’は、一対の鉛直材1,1間に亘って配される
棒状の座屈防止部材6’と、該座屈防止部材6’の両端
部それぞれを、一対の該構造材1,1それぞれに連結す
る一対の連結部材7’(一方のみ図示)と、振動エネル
ギーを吸収する二対の制震装置8’,8’(一対のみ図
示)とからなる。
【0022】座屈防止部材6’は、棒状の剛性部材であ
り、その長手方向の中間部、好ましくは中央部に筋交い
3,3を固定する筋交い固定部を有し且つその両端部そ
れぞれに連結部材7’(一方のみ図示)との連結部を有
する。具体的には、座屈防止部材6’は、図5に示すよ
うに、断面矩形の鋼製の棒状体61’と、該棒状体6
1’の両端に一体的に結合された断面T字型の鋼製の連
結体62’とからなり、該棒状体61’の長手方向の中
央部に、筋交い固定用のボルト孔を有し、各連結体6
2’に、連結部材7’に連結するためのボルト孔(図示
せず)を有している。
【0023】前記連結部材7’は、構造材1の側面部に
ボルト92,92を介して当接固定される縦長矩形状の
固定板部71’と、該固定板部71’の長手方向に亘っ
て形成され、該固定板部71’に直角をなす板状の突出
固定部72’とからなる。突出固定部72’は、その中
央部に座屈防止部材6’の端部を連結するための貫通孔
(図示せず)を有し、該貫通孔が形成された部位の両側
に、制震装置8’の端部を固定するためのボルト孔(図
示せず)を有している。尚、座屈防止部材6’の端部
は、該座屈防止部材6’と連結部材7’との角度が容易
に変わり得るように該連結部材7’に結合されている。
【0024】前記制震装置8’は、液状の粘弾性体が円
筒体等の内部に封入され、軸長方向に伸縮し、伸縮の際
の流体抵抗によって減衰力を生じる粘弾性ダンパーであ
り、各制震装置8’は、伸長及び圧縮の何れの際におい
ても、エネルギーを吸収し得るように構成されている。
各制震装置8’は、座屈防止部材6’と連結部材7’と
の双方に掛け渡されて三角形を形成するように固定され
ている。より具体的には、座屈防止部材6’の各端部毎
に一対配されており、該各端部の一対の制震装置8’,
8’は、連結部材7’における、座屈防止部材6’が連
結される連結部Pの離れた両側と、該座屈防止部材6’
における、該連結部材7’が連結される連結部Pよりも
中央寄り位置Qとの間に、掛け渡されて固定されてい
る。尚、座屈防止部材6’の前記中央寄り位置Qには、
制震装置8’,8’の端部を固定するためのボルト孔を
備えた板状の突出部63が両側に一対形成されている。
【0025】第2実施形態の木造建築物の耐震構造は、
第1実施形態の耐震構造の構築方法と同様にして構築す
ることができる。尚、座屈防止部材6’、連結部材7’
及び制震装置8’の取付の順序は特に制限されるもので
はない。
【0026】第2実施形態の木造建築物の耐震構造によ
れば、第1実施形態と同様に木造建築物に優れた耐震性
能を付与することができる。即ち、前記耐震補強具5’
が一対の筋交い3,3それぞれに固定されているため、
両筋交い3,3の座屈長さが短縮され、地震時に筋交い
3に圧縮力が加わった際における該筋交い3の座屈折れ
が効果的に防止される。また、座屈防止部材6’の端部
が、該座屈防止部材6’と連結部材7’との角度が容易
に変わり得るように該連結部材7’に結合されているの
で、鉛直材1,1が左右に大きく揺れても、耐震補強具
の両端部が鉛直材1,1から外れたりすることがなく、
筋交い3,3の座屈防止機能が、従来の間柱等のように
損なわれることがない。
【0027】また、第2実施形態においては、該座屈防
止部材6’と連結部材7’との角度が容易に変わり得る
ように該連結部材7’に結合されているので、地震時の
揺れに伴って、図5に示した鉛直材1が図中左方向に傾
斜する際、上側に配された制震装置8’は軸長方向に圧
縮され、下側に配された制震装置8’は軸長方向に伸長
される。逆に、図5に示した鉛直材1が図中右方向に傾
斜する際、上側に配された制震装置8’は軸長方向に伸
長され、下側に配された制震装置8’は軸長方向に圧縮
される。
【0028】そして、各制震装置8’が、伸長及び圧縮
の何れの変位の際においても、エネルギーを吸収するよ
うになっているため、第2実施形態の耐震構造において
は、地震時における振動エネルギーを効率的に制震装置
8’に吸収させることができ、優れた揺れの減衰効果が
得られる。
【0029】以上、本発明(第1発明及び第2発明)の
好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記の
実施形態に限定されることなく種々の変更が可能であ
る。例えば、耐震補強具5は、一対の横架材2,2間に
掛け渡しても良い。即ち、本発明における一対の構造材
は、土台と梁、梁と梁等の一対の横架材2,2であって
も良い。また、一対の構造材間に、筋交いを一本のみ配
設し、該筋交いに耐震補強具を固定しても良い。また、
耐震補強具と筋交いとの固定は、ボルトに代えて、図6
に示すような固定用のプレート97を用いて行っても良
い。また、制震装置は、座屈防止部材又は連結部材と一
体的に形成されているものであっても良い。
【0030】また、第2実施形態における制震装置8’
は、座屈防止部材6’の各端部毎に一対設けることが好
ましいが、一方の端部のみに一対設けても良く、両方の
端部にそれぞれ一つずつ設けても良い。また、制震装置
8’は、座屈防止部材6’と構造材1との間に掛け渡し
て固定しても良い。
【0031】また、本発明における制震装置として、公
知のオイルダンパーや、弾性体を用いずに、摩擦材の滑
りによる摩擦減衰でエネルギー吸収を行う摩擦ダンパ
ー、図7に示すような、長手方向に伸縮し、その伸縮に
伴い粘弾性体82が2層にわたってひずみ変形する固体
状の粘弾性ダンパー8”等を用いることもできる。更
に、耐震補強具の各部の寸法、形状及び材質等は、本発
明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜に変更すること
ができる。例えば、座屈防止部材6は、木製であっても
良いし、プレート状のものであっても良い。また、制震
装置8に形成されたルーズホール81a及びそれに挿通
螺合されたボルトナットはなくても良い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、施工が容易で、プラン
の自由度を損なうことなく、木造建築物の耐震性能を効
率的に向上させることができる木造建築物の耐震構造を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る木造建築物の耐震
構造を示す斜視図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す拡大斜視図である。
【図3】一対の筋交い及び耐震補強具の筋交いの交叉部
における断面を示す断面図である。
【図4】図2に示される構造の、ボルト91を通る水平
面による横断面を示す断面図であり、制震装置8におけ
る一対の板状部81,81間に相対変位が生じている状
態を示す図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る木造建築物の耐震
構造を示す図で、耐震補強具と構造材との結合部を示す
拡大図である。
【図6】本発明の他の実施形態における要部を示す正面
図である。
【図7】本発明の他の実施形態における制震装置を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 構造材(鉛直材, 柱) 3 筋交い 5,5’ 耐震補強具 6,6’ 座屈防止部材 7,7’ 連結部材 8,8’ 制震装置 82 弾性体又は粘弾性体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向配置され、他の一対の構造材と組
    み合わされて矩形状の枠体を形成する一対の構造材間
    に、筋交い及び耐震補強具が配設されてなる木造建築物
    の耐震構造であって、 前記耐震補強具は、一対の前記構造材間に亘って配され
    る棒状の座屈防止部材と、該座屈防止部材の両端部それ
    ぞれを、一対の該構造材それぞれに連結する一対の連結
    部材と、振動エネルギーを吸収する制震装置とからな
    り、 前記連結部材は、前記構造材に固定され、前記座屈防止
    部材は、その中間部において前記筋交いに固定されると
    共にその両端部において前記連結部材に前記制震装置を
    介して連結されていることを特徴とする木造建築物の耐
    震構造。
  2. 【請求項2】 相対向配置され、他の一対の構造材と組
    み合わされて矩形状の枠体を形成する一対の構造材間
    に、筋交い及び耐震補強具が配設されてなる木造建築物
    の耐震構造であって、 前記耐震補強具は、一対の前記構造材間に亘って配され
    る棒状の座屈防止部材と、該座屈防止部材の両端部それ
    ぞれを、一対の該構造材それぞれに連結する一対の連結
    部材と、振動エネルギーを吸収する少なくとも一つの制
    震装置とからなり、 前記連結部材は、前記構造材に固定され、前記座屈防止
    部材は、その中間部において前記筋交いに固定されると
    共にその両端部において前記連結部材に連結され、前記
    制震装置は、該座屈防止部材と該連結部材との間に掛け
    渡されていることを特徴とする木造建築物の耐震構造。
  3. 【請求項3】 前記制震装置は、前記座屈防止部材の端
    部毎に一対配されており、各端部の一対の制震装置は、
    前記連結部材における、前記座屈防止部材が連結される
    連結部から両側に離れた部位のそれぞれと、該座屈防止
    部材における、該連結部材が連結される連結部よりも中
    央寄りに位置する部位との間に、各々掛け渡されている
    請求項2記載の木造建築物の耐震構造。
  4. 【請求項4】 前記制震装置は、相対向配置され相対変
    位可能に互いに連結された一対の板状部と、両板状部間
    に介在され、両板状部間の相対変位によりひずみ変形す
    る弾性体又は粘弾性体とからなる請求項1〜3の何れか
    に記載の木造建築物の耐震構造。
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