JP6178132B2 - 制震装置 - Google Patents

制震装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6178132B2
JP6178132B2 JP2013130488A JP2013130488A JP6178132B2 JP 6178132 B2 JP6178132 B2 JP 6178132B2 JP 2013130488 A JP2013130488 A JP 2013130488A JP 2013130488 A JP2013130488 A JP 2013130488A JP 6178132 B2 JP6178132 B2 JP 6178132B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base
vibration control
transmission member
building
pair
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013130488A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015004228A (ja
Inventor
崇兵 閻
崇兵 閻
服部 学
学 服部
雄一朗 松谷
雄一朗 松谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2013130488A priority Critical patent/JP6178132B2/ja
Publication of JP2015004228A publication Critical patent/JP2015004228A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6178132B2 publication Critical patent/JP6178132B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Description

本発明は制震装置に関する。
建物に取り付けられた制震装置は、例えば、特開2009−293658号公報に開示されている。同公報の制震装置は、制震ユニットと、建物に生じたせん断変形を制震ユニットに伝達する伝達機構とを備えている。伝達機構は、建物の上横軸材(例えば、天井梁)に取り付けられた上側伝達部材と、建物の下横軸材(例えば、土台)に取り付けられた下側伝達部材とを備えている。下側伝達部材は、制震ユニットに接続された部位から、互いの間隔が徐々に拡がるように斜め下方に延びた2本のブレースを有しており、2本のブレースの下端が建物の土台に締結されている。
特開2009−293658号公報
ところで、上記構成の制震装置は、建物の矩形の枠組みに取り付けられている。ここで、建物の矩形の枠組みは、例えば、木造軸組工法や、木造枠組壁工法などで、建物の土台と、土台に取り付けられた一対の柱と、柱に架設された天井梁とで囲まれた空間である。上述した実施形態では、下側伝達部材は、例えば、建物の土台に取り付けられている。しかし、地震時には、特に下側伝達部材に大きな力が作用するので、強固に土台に取り付けられていることが望ましい。
ここで提案される建物用制震装置は、建物の一対の横軸材と一対の縦軸材とで囲まれた矩形の枠組み内に配置されている。ここで、建物用制震装置は、制震ユニットと、上側伝達部材と、下側伝達部材と、補強材と、締結具とを備えている。制震ユニットは、制震部材と、制震部材に相対的な変位が入力される一対の取付部とを備えている。上側伝達部材は、建物の一対の横軸材のうち上側の横軸材に固定される上側固定部と、制震ユニットの一対の取付部のうち一方の取付部に固定される第1ユニット側固定部とを備えている。下側伝達部材は、建物の一対の横軸材のうち下側の横軸材に固定される下側固定部と、制震ユニットの一対の取付部のうち他方の取付部に固定される第2ユニット側固定部とを備えている。ここで、下側固定部は、下側の横軸材の上面に沿って配置される底板部を有している。補強材は、底板部に対向し、下側の横軸材の下面に沿って配置されている。締結具は、底板部と補強材とを締結している。
また、下側の横軸材の下面は、例えば、補強材が取り付けられる部位に座彫りが形成されているとよい。また、補強材は、下側の横軸材の下面において、下側伝達部材が配置される矩形の枠組みを構成する一対の縦軸材のうち、少なくとも一方の縦軸材の下まで延びていてもよい。また、締結具は、補強材の長さ方向に少なくとも2箇所に配置されていてもよい。また、締結具は、補強材に溶接されたボルトと、当該ボルトに止められるナットとで構成されていてもよい。また、補強材は、下側の横軸材の側面に沿って延びる側部を有していてもよい。
また、下側伝達部材は、第2ユニット側固定部から、互いの間隔が徐々に拡がるように延在し、底板部に連結された2本のブレースを備えていてもよい。この場合、締結具は、2本のブレースの下端が底板部に取り付けられた部位に配置されていてもよい。また、締結具は、ブレースの下端が底板部に取り付けられた部位を挟むように、1本のブレースの下端に対して2つ配置されていてもよい。
図1は、制震装置が取り付けられた建物の壁を示す正面図である。 図2は、制震ユニットを示す正面図である。 図3は、制震ユニットの正面図である。 図4は、制震ユニットの底面図である。 図5は、制震ユニットの左側面図である。 図6は、制震ユニットにせん断変形が作用した状態を示す模式図である。 図7は、粘弾性体のヒステリシスループを示す図である。 図8は、図2のVIII−VIII断面矢視図である。 図9は、2本のブレースの上側の基端部を示す、下側伝達部材の左側面図である。 図10は、補強材が取り付けられる土台の正面図である。 図11は、補強材が取り付けられた部位を拡大した正面図である。 (a)、(b)は、建物に地震動が付与された状態を示す図である。 図13は、制震装置の変形例を示す図である。 図14は、制震装置の変形例を示す図である。 図15は、制震装置の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る建物用制震装置を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、同じ作用を奏する部材または部位には、適宜に同じ符号を付している。また、各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。
《建物200》
図1は、制震装置100(建物用制震装置)が取り付けられた建物200の壁の構造を示している。ここで、建物200は、上下に対向した一対の横軸材(例えば、土台60と、梁50)と、一対の横軸材にそれぞれ連結された一対の縦軸材(例えば、柱70a、70b)とで囲まれた矩形の枠組み204を備えている。制震装置100は、かかる矩形の枠組み204内に配置されている。かかる建物200は、例えば、木造軸組工法と、枠組壁工法(ツーバイフォー工法とも称される)のような枠組み工法によって建てられた木造住宅が例示されうる。
《矩形の枠組み204》
例えば、いわゆる木造軸組工法では、一対の柱70a、70bと、土台60と、梁50とで囲まれた矩形の枠組み204が構築される。図1は、木造軸組工法によって建てられた建物が示されている。なお、制震装置100は、いわゆる枠組壁工法によって建てられた建物にも適用される。いわゆる枠組壁工法は、例えば、2インチ×4インチあるいはその整数倍の断面の木材で木枠を作り、その上に合板などを釘打ちで止めつけて壁が組み立てられている。枠組壁工法には、いわゆる2×6、2×10、4×4、2×8などの断面の木材が用いられる場合もあり、必ずしも2インチ×4インチあるいはその整数倍の断面の木材に限定されるものではない。かかる枠組壁工法によって建てられた建物に対しては、ここで提案される制震装置100は、図示は省略するが、枠組壁工法の壁を構築する木枠に取り付けられる。この場合、一対の縦軸材(柱)に相当する竪枠と、一対の横軸材に相当する上枠と、下枠とで囲まれた矩形の枠組みに制震装置100が取り付けられる。
《制震装置100》
図1は、制震装置100を示している。制震装置100は、図1に示すように、制震ユニット10と、上側伝達部材20と、下側伝達部材30と、補強材66と、締結具67とを備えている。図1に示す例では、制震装置100は、建物200の梁50と、土台60と、柱70a、70bで囲まれた矩形の枠組み204に配置されている。ここで、梁50と土台60と、柱70a、70bは、それぞれ建物200の構造材である。ここで、梁50と土台60は、互いに上下に対向する梁である。
この実施形態では、建物200は、木造住宅である。制震装置100は、建物200の1階に取り付けられている。ここでは、土台60は、具体的には、アンカーボルトによってコンクリート基礎202に取り付けられている。以下、適宜に、「土台60」という。また、梁50は天井梁(2階建ての住宅では、2階床梁とも称される)であり、以下、適宜に、「梁50」という。
ここでは、制震装置100は、かかる土台60と、梁50と、土台60から立ち上がり、梁50を支持する建物200の1階の柱70a、70bとで囲まれた矩形の枠組み204に取り付けられている。また、コンクリート基礎202と土台60との間には、厚さ2cm程度の基礎パッキン(図示省略)が取り付けられていてもよい。また、柱70a、70bには、ホールダウン金物150が取り付けられている。柱70a、70bは、ホールダウン金物150をコンクリート基礎202に埋め込まれたホールダウンボルト105に取り付けて固定されている。
<制震ユニット10>
図2は、制震ユニット10を拡大した図である。図2では、ここでは、制震ユニット10は、上側伝達部材20を介して梁50に取り付けられている。また、制震ユニット10には、下側伝達部材30を介して土台60に取り付けられている。ここでは、図2は、図1における制震ユニット10を拡大した正面図である。図3から図5は、制震装置100に取り付けられる前の状態における、制震ユニット10がそれぞれ示されている。図3は、制震ユニット10の正面図である。図4は、制震ユニット10の底面図である。図5は、制震ユニット10の側面図であり、図3の左側面図である。この制震ユニット10は、制震部材(ここでは、粘弾性体18a、18b)と、制震部材(粘弾性体18a、18b)に相対的な変位が入力される一対の取付部(ここでは、一対のプレート(12、13)、14)とを備えている。
<一対のプレート(12、13)、14>
この実施形態では、一対のプレート(12、13)、14は、それぞれ矩形の鋼板である。図3から図5に示すように、一対のプレート(12、13)、14の法線方向から見て、プレート14に対して、プレート12、13がそれぞれ対向するように配置されている。プレート12とプレート13は、同形状の長方形の鋼板であり、それぞれ向きを揃えて平行に配置されている。プレート14は、長手方向片側がプレート12とプレート13の間に配置され、反対側がプレート12とプレート13からはみ出るように配置されている。
プレート14の片側は、プレート12とプレート13が重なった領域に対して重なっているが、プレート14の反対側は当該領域からはみ出ている。また、プレート12とプレート13の両側は、それぞれプレート14が重なった領域からはみ出ている。プレート12とプレート13の両側部には、プレート14が重なった領域からはみ出た部位に、ボルトを挿通するための挿通孔17が形成されている。また、プレート12およびプレート13と重なった領域からはみ出た、プレート14の一端には、プレート14に直交するようにフランジ15が設けられている。この実施形態では、フランジ15は、プレート14の一端に溶接されている。当該フランジ15には、ボルトを挿通するための挿通孔15aが形成されている。
<粘弾性体18a、18b>
粘弾性体18a、18bは、例えば、高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)で構成されている。この実施形態では、粘弾性体18a、18bは、それぞれ矩形の平板状に成形されている。粘弾性体18a、18bは、プレート(12、13)、14の法線方向から見て、プレート(12、13)、14が重なった四角形の領域内にそれぞれ配置されている。ここで、粘弾性体18aは、プレート14とプレート12との間に配置されており、プレート14とプレート12とにそれぞれ接着されている。粘弾性体18bはプレート14とプレート13との間に配置されており、プレート14とプレート13とにそれぞれ接着されている。ここで、粘弾性体18a、18bと、プレート(12、13)、14とは、それぞれ加硫接着によって接着されている。
なお、粘弾性体18a、18bとして用いられる高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)には、例えば、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム(SBR),ニトリルブタジエンゴム(NBR),ブタジエンゴム素材(BR),イソプレンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR),クロロプレンゴム(CR)のゴム素材に、高減衰性を発揮する添加剤を加えて生成された高減衰性ゴム組成物を用いることができる。高減衰性を発揮する添加剤としては、例えば、カーボンブラックなど、種々の添加剤が知られている。
図6に示すように、プレート12およびプレート13に対して、プレート14を平行に移動して、粘弾性体18a、18bにせん断変形を生じさせる。このとき、粘弾性体18a、18bに生じたせん断変位と、せん断荷重との関係から図7に示すようなヒステリシスループA(実測ヒステリシス曲線)が描かれる。図7中、横軸はせん断方向の変位を示し、縦軸はその際のせん断荷重を示している。かかるヒステリシスループAによれば、せん断変位の増加につれてせん断荷重が高くなり、粘弾性体18a、18bの抵抗力が大きくなることが分かる。この粘弾性体18a、18bは、せん断変形を伴う振動を受けると、一周期毎に、当該ヒステリシスループAで囲まれたエネルギに相当するエネルギを吸収し得る。
この制震ユニット10は、上述したように、制震部材として機能する粘弾性体18a、18bと、粘弾性体18a、18bに相対的な変位が入力される一対の取付部として機能する一対のプレート(12、13)、14とを備えている。ここで、一対の取付部として機能する部位は、具体的には、プレート(12、13)に形成された挿通孔17と、プレート14に形成された挿通孔15aとも言える。プレート12とプレート13の両側部に形成された挿通孔17に上側伝達部材20が連結され、プレート14のフランジ15に形成された挿通孔15aに下側伝達部材30が連結される。これにより、上側伝達部材20と下側伝達部材30とを通じて、建物200の梁50と土台60に生じた相対的なせん断変位が一対のプレート(12、13)、14に伝達される。そして、一対のプレート(12、13)、14に伝達されたせん断変位に相当するせん断変位が、制震部材としての粘弾性体18a、18bに入力される。
次に、上側伝達部材20と下側伝達部材30を説明する。上側伝達部材20と下側伝達部材30は、建物200に生じたせん断変位を制震ユニット10に伝達する部材である。
<上側伝達部材20>
上側伝達部材20は、図2に示すように、梁側固定部20A(上側固定部)と、第1ユニット側固定部20Bとを備えている。梁側固定部20Aは、建物200の梁50に固定される部位である。第1ユニット側固定部20Bは、制震ユニット10の一対の取付部のうち一方の取付部に固定される部位である。この実施形態では、上側伝達部材20は、制震ユニット10の対向する一対のプレート(12、13)、14のうち、一方のプレート(12、13)と、梁50とに接続される部材である。上側伝達部材20は、図2に示すように、梁側固定部20Aとして機能するベース22と、第1ユニット側固定部20Bとして機能する取付片24a、24bとを備えている。ベース22は、梁50の下面に沿って配置される鋼板部材である。ベース22には、ボルト挿通孔22aが貫通して形成されている。ベース22は、ボルト挿通孔22aにボルト52を挿通して梁50に取り付けられる。
2つの取付片24a、24bは、ベース22に溶接されており、ベース22から下側に延びる片材である。2つの取付片24a、24bは、上述した制震ユニット10のプレート12、13の間(図4参照)に嵌り、かつ、所要の剛性を備えている。2つの取付片24a、24bは、図2に示すように、プレート12、13の間に配置されている制震ユニット10のプレート14に対して、それぞれ所要の間隔をあけて、プレート12、13の両側部に配置されている。この実施形態では、プレート12、13は、上側伝達部材20の2つの取付片24a、24bに、ボルトナット17aで固定されている。かかる2つの取付片24a、24bによって、制震ユニット10のプレート12、13の間隔が保たれる。さらに、プレート14と2つの取付片24a、24bとの間には、プレート14が予め定められた振幅で揺動できるように所要の空隙がある。
<下側伝達部材30>
下側伝達部材30は、土台側固定部30A(下側固定部)と、第2ユニット側固定部30Bとを備えている。土台側固定部30Aは、建物200の土台60に固定される部位である。第2ユニット側固定部30Bは、制震ユニット10の一対の取付部のうち他方の取付部に固定される部位である。この実施形態では、下側伝達部材30は、制震ユニット10の対向する一対のプレート(12、13)、14のうち他方のプレート14と、土台60とに接続された部材である。この実施形態では、下側伝達部材30は、図1および図2に示すように、第2ユニット側固定部30Bとして機能するフランジ38が設けられた2本のブレース32a、32bと、土台側固定部30Aとして機能する基部34とを備えている。フランジ38は、2本のブレース32a、32bの一端に設けられている。下側伝達部材30のフランジ38は、制震ユニット10のプレート14の一端に設けられたフランジ15に面を合わせて当接させて、ボルトナット38aによって締結している。フランジ38には、2本のブレース32a、32bを取り付けるための取付片39が、フランジ38から立ち上がった状態(図2では、フランジ38から下側に延在した状態)で溶接されている。
<ブレース32a、32b>
2本のブレース32a、32bは、プレート14に接続された部位から、互いの間隔が徐々に拡がるように延在している。この実施形態では、2本のブレース32a、32bは、プレート14に接続されるフランジ38から立ち上がった取付片39に溶接されている。2本のブレース32a、32bは、フランジ38から互いの間隔が徐々に拡がるように延在している。
図8および図9は、2本のブレース32a、32bの上側の基端部32cと、フランジ38に設けられた一対の取付片39、39との取り付け構造を示している。ここで、図8は、図2のVIII−VIII断面矢視図である。また、図9は、2本のブレース32a、32bの基端部32cを示す、下側伝達部材30の左側面図である。この実施形態では、図8および図9に示すように、2本のブレース32a、32bの基端部32cを挟んで対向するように一対の取付片39、39が、フランジ38に設けられている。2本のブレース32a、32bの基端部32cは、当該一対の取付片39、39にそれぞれ取り付けられている。
また、フランジ38と、フランジ38に直交するように設けられたプレート14とは溶接されている。また、フランジ38と、一対の取付片39、39とは、溶接されている。さらに、一対の取付片39、39と、2本のブレース32a、32bの基端部32cとは、それぞれ溶接されている。
また、2本のブレース32a、32bは、図8に示すように、横断面が矩形の角柱材である。2本のブレース32a、32bの基端部32cは、フランジ38に設けられた一対の取付片39、39に挟まれている。この際、図8および図9に示すように、矩形の角柱材からなる2本のブレース32a、32bのうち、横断面において対向する一対の側面a、bが、フランジ38に設けられた一対の取付片39、39にそれぞれ当接している。そして、2本のブレース32a、32bの基端部32cと、一対の取付片39、39とは、2本のブレース32a、32bの側周面の角部c1〜c4に沿って溶接されている。
さらに、この実施形態では、2本のブレース32a、32bの側面と一対の取付片39、39の縁d1、d2とが重なった部位は、一対の取付片39、39の縁d1、d2に沿って溶接されている。これにより、2本のブレース32a、32bと、一対の取付片39、39とが強固に溶接されている。
<横材36>
この実施形態では、横材36は、2本のブレース32a、32bの中間部分に架け渡されている。横材36は、2本のブレース32a、32bに対してピン係合で取り付けられている。
図1に示すように、横材36は、2本のブレース32a、32b間に架け渡される軸部材である。この実施形態では、2本のブレース32a、32bは、フランジ38に対して、均等な角度で斜めに設けられている。2本のブレース32a、32bの先端33a、33bは、それぞれ基部34に溶接されている。基部34および横材36は、フランジ38と凡そ平行になるように、2本のブレース32a、32bに架け渡されている。このように、この実施形態では、2本のブレース32a、32b、基部34および横材36は、凡そ等脚台形を構築している。
ここで、基部34は、2本のブレース32a、32bの先端33a、33b(下端)に溶接されている。これに対して、横材36は、2本のブレース32a、32bに対してピン係合で取り付けられている。この実施形態では、横材36は、長軸の板材で構成されている。ここでは、横材36は、ブレース32a、32bの片側(矩形の枠組み204の片側(例えば、前面側))に配置され、2本のブレース32a、32bに架け渡されている。横材36の両端部は、2本のブレース32a、32bにピン係合(この実施形態では、ボルトナット)によって取り付けている。かかるピン係合によって、横材36の接合部分はブレース32a、32bに対して回転が許容されている。
<基部34(土台側固定部30A)>
基部34は、図1に示すように、下側伝達部材30の土台側固定部30Aとして機能する。この実施形態では、基部34は、長尺の部材であり、矩形の枠組み204の内側において、土台60の長手方向に沿って土台60の上に配置される部位である。基部34は、2本のブレース32a、32bの先端(図示した例では下端)33a、33bに架け渡され、当該2本のブレースの両方に取り付けられている。この実施形態では、基部34は、図1に示すように、底板部34aと、側板部34b、34bと、補強板35を備えている。
底板部34aは、土台60の長手方向に沿って土台60の上に配置される長尺の平板状の部位である。底板部34aは、ブレース32a、32bの先端33a、33bに対向している。側板部34b、34bは、底板部34aの幅方向の両側から互いに対向するようにそれぞれ立ち上がっている。基部34は、底板部34aと側板部34bで構成されており、上部は開口している。底板部34aの幅方向の両側の側板部34b、34bには、2本のブレース32a、32bの先端が接合される箇所が高くなった溶接部位34c、34cが設けられている。溶接部位34c、34cは、2本のブレース32a、32bの先端33a、33bに対応し、底板部34aの長手方向に2箇所に設けられている。
<基部34とブレース32a、32bとの組み付け>
下側伝達部材30の2本のブレース32a、32bは、底板部34aの幅方向の両側から立ち上がった側板部34b、34bの間(壁の手前側と奥側に配置される側板部34b、34bの間)に入れ込まれて、当該側板部34b、34bに溶接されている。この実施形態では、図1に示すように、2本のブレース32a、32bは、基部34の長手方向の両側の離れた位置にそれぞれ溶接されている。基部34の側板部34b、34bの溶接部位34c、34cは、各ブレース32a、32bに沿ってそれぞれ高くなっている。これにより、基部34と、各ブレース32a、32bとの溶接面積が増え、基部34と各ブレース32a、32bとが強固に固定されている。
<補強板35>
補強板35は、基部34の長さ方向の両端部に取り付けられている。補強板35は、矩形の板材であり、基部34の長さ方向の両端部において、底板部34aと、底板部34aの幅方向の両側の側板部34b、34bとで囲まれた内側の空間に装着され、底板部34aと、両側の側板部34b、34bに溶接されている。
<基部34の取り付け>
基部34は、図1に示すように、矩形の枠組み204の内側において、土台60の上面に沿って配置される。基部34の底板部34aには、基部34を土台60に固定するための複数のビス孔が形成されている。そして、底板部34aは、当該ビス孔に取り付けられた複数のビス120によって、土台60に固定されている。さらに、この実施形態では、基部34の底板部34aは、補強材66と締結具67とによって土台60に固定されている。土台60および基部34には、補強材66および締結具67とが取り付けられる部位にボルト挿通穴が形成されている。
<補強材66>
ここで、補強材66は、下側伝達部材30の底板部34aに対向するように、土台60の下面に沿って配置されている。この実施形態では、補強材66は、略長方形の略板状の部材である。ここで、補強材66は、例えば、150mm以上、200mm以上、より好ましくは300mm以上、さらには350mm以上でもよい。また、補強材66は、例えば、土台60の高さよりも長い部材であるとよい。また、より好ましくは、補強材66は、下側伝達部材30の基部34と同じ長さか基部34よりも長い部材であるとよい。
この実施形態では、補強材66は、下側伝達部材30の基部34よりも長く、さらに矩形の枠組み204を構成する一対の柱70a,70b間の距離よりも長い。補強材66は、柱70a,70bが取り付けられた取付位置70a1、70b1の下側を通り、さらに外側まで土台60の下面に沿って延びている。補強材66は、土台60と凡そ同じ幅を有し、補強材66には、アンカーボルト105が挿通される挿通穴66aが形成されている。なお、補強材66の幅については、土台60と同じでもよいし、土台60よりも少し幅が広くてもよい。また、土台60より若干幅が狭くてもよい。
また、この実施形態では、補強材66には、ボルト67a、67aが設けられている。ボルト67a、67aは、補強材66の長さ方向に沿って離れた位置に、立った状態で補強材66に溶接されている。また、この実施形態では、ボルト67a、67aは、補強材66の長さ方向の両端に設けられていない。補強材66の長さ方向において、ボルト67a、67aの両側に補強材66が所要の長さ(例えば、30mm以上、より好ましくは50mm以上、より好ましくは80mm以上)を有していると良い。
<締結具67>
締結具67は、底板部34aと補強材66とを締結する部材である。この実施形態では、締結具67は、補強材66に溶接されたボルト67a、67aと、当該ボルト67a、67aに止められるナット67b、67bとで構成されている。
かかる補強材66は、土台60に予め取り付けておくとよい。図10は、補強材66が取り付けられる土台60の正面図である。図11は、補強材66が取り付けられた部位を拡大した正面図である。この実施形態では、土台60には、図10に示すように、補強材66が取り付けられる部位に座彫り60aと、ボルト挿通穴60bとを予め形成しておくとよい。
ここで、座彫り60aは、土台60に補強材66を取り付けた際に、補強材66が土台60の下面から出っ張るのを小さく抑えるための窪みである。この実施形態では、座彫り60aは、補強材66の厚さと凡そ同程度の深さで形成されており、土台60に補強材66を取り付けた際に、補強材66が土台60の下面から出っ張らないように構成されている。
ボルト挿通穴60bは、補強材66のボルト67a、67aを挿通させる孔である。この実施形態では、補強材66のボルト67a、67aは、図1に示すように、補強材66の左右2箇所に設けられている。このため、土台60には、補強材66にボルト67a、67aが設けられた位置に合わせて、補強材66が取り付けられる部位において、左右2箇所に、ボルト挿通穴60b、60bが形成されている。
ここで、座彫り60aとボルト挿通穴60bとは、土台60に予め形成されているとよい。そして、土台60を施工する際に、土台60の下面に補強材66を予め取り付けておくと良い。この際、補強材66は、補強材66に溶接されたボルト67a、67aを、土台60の下面側からボルト挿通穴60bに挿通させ、土台60の上面側に突出させておくとよい。なお、補強材66にボルト67a、67aが溶接されている場合には、補強材66の下面に出っ張りが生じないので、補強材66の収まりが良くなる。
土台60から突出したボルト67a、67aには、図11に示すように、下側伝達部材30の基部34の底板部34aに予め形成されたボルト挿通穴60bが通される。そして、当該ボルト67a、67aにナット67b、67bを取り付け、これを締め付けることによって、下側伝達部材30の基部34を土台60および補強材66に取り付けている。
<制震装置100の取り付け構造>
この制震装置100は、図1に示すように、建物200の梁50と、土台60と、柱70a、70bとによって囲まれた矩形の枠組み204内に配置され、土台60と、梁50と、柱70a、70bに取り付けられている。
この制震装置100は、例えば、上側伝達部材20を梁50に取り付け、下側伝達部材30を土台60に取り付ける。次に、上側伝達部材20と下側伝達部材30とに制震ユニット10を取り付ける。ここで、上側伝達部材20は、図1に示すように、ボルト52によって梁50に取り付けられる。下側伝達部材30の基部34は、上述したように、土台60に予め取り付けられた補強材66のボルト67a、67aに取り付けられるとともに、ビス120によって、土台60に取り付けられている。そして、制震ユニット10は、図2に示すように、上側伝達部材20の一対の取付片24a、24bと、下側伝達部材30のフランジ38に取り付けられる。制震ユニット10と、上側伝達部材20の一対の取付片24a、24bおよび下側伝達部材30のフランジ38との取り付けは、既に説明したとおりである。
図12(a)、(b)は、制震装置100が取り付けられた建物200について、例えば、大きな地震時に、梁50と土台60とが水平方向に相対的に変位した状態を示している。ここで、図12(a)は、梁50が、土台60に対して右側に変位した状態を示しており、図12(b)は、梁50が、土台60に対して左側に変位した状態を示している。
かかる建物200において、大きな地震時には、梁50と土台60とが水平方向に相対的な変位を伴って揺れる。このため、梁50に取り付けられた上側伝達部材20と、土台60に取り付けられた下側伝達部材30との間に相対的な変位が生じる。上側伝達部材20と、下側伝達部材30とが相対的に変位すると、制震ユニット10の対向するプレート(12、13)、14に相対的な変位が生じる。対向するプレート(12、13)、14に相対的な変位が生じると、図6に示すように、粘弾性体18a、18bにせん断変形が生じる。大きな地震時には、梁50、上側伝達部材20およびプレート(12、13)と、土台60、下側伝達部材30およびプレート14とが水平方向に相対的な変位を伴って揺れる。この際、粘弾性体18a、18bに、繰返しせん断荷重が入力される。
粘弾性体18a、18bは、図7に示すように、せん断荷重に対して抵抗力を有するとともに、せん断変形を伴う振動を受けると、一周期毎に、当該ヒステリシスループAで囲まれたエネルギに相当するエネルギを吸収し得る。このため、この制震装置100は、地震時に建物200の揺れを小さく抑えるとともに、振動を早期に減衰させることができ、建物200に生じる損傷や被害の程度を小さくすることができる。
この際、建物用制震装置100の下側伝達部材30は、図12(a)、(b)に示すように、制震ユニット10から受ける反力F1によって、土台60に押し付ける力F2と、土台60から引き上げる力F3とが、基部34の両側の端部T,Sで交互に繰返し作用する。
これに対して、下側伝達部材30の土台側固定部30Aは、土台60の上面に沿って配置される底板部34aを有している。そして、当該土台側固定部30Aには、下側伝達部材30の底板部34aに対向し、土台60の下面に沿って配置された補強材66と、底板部34aと補強材66とを締結する締結具67とが設けられている。ここで、補強材66は、土台60の下面を広く支持している。また、下側伝達部材30の基部34の底板部34aと補強材66とは、土台60を挟んでおり、この状態で締結具67によって締結されている。これにより、土台60および下側伝達部材30に所要の剛性が確保されている。
このため、図12(a)、(b)に示すように、制震ユニット10から受ける反力F1によって、土台60に押し付ける力F2と、土台60から引き上げる力F3とが、基部34の両側の端部T,Sで交互に繰返し作用する。この実施形態では、土台60および下側伝達部材30に所要の剛性が確保されているので、土台60の損傷や下側伝達部材30の変形などが小さく抑えられる。
また、この建物用制震装置100では、下側伝達部材30の土台側固定部30Aとしての基部34が、補強材66および締結具67によって土台60に強固に固定される。この場合、基部34の両側端部T,Sが、土台60から浮き上がりにくい。このため、梁50と土台60と柱70a,70bで囲まれる枠体のせん断変形に対して、上側伝達部材20と下側伝達部材30が梁50と土台60とからずれ難い。
建物200に大きな揺れが生じた場合に、下側伝達部材30が建物200の土台60の動きに応じて動くのに対して、上側伝達部材20は建物200の梁50に応じて動く。そして、土台60と梁50との相対変位に応じた適当な相対変位が、下側伝達部材30と上側伝達部材20との間に生じる。このため、建物200の揺れに対して、制震ユニット10の粘弾性体18a、18bに適当なせん断変形を生じさせることができる。粘弾性体18a、18bに入力されるせん断変形に伴って所要の抗力が生じる。かかる抗力によって、建物200の揺れを緩和するとともに、建物200の揺れを早期に減衰させることができる。このように、補強材66を取り付け、土台60および下側伝達部材30に所要の剛性を確保することによって、制震ユニット10がより適切に機能する。
以上、本発明の一実施形態に係る制震装置100を説明した。制震装置100は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態では、土台60の下面には、図10および図11に示すように、補強材66が取り付けられる部位に座彫り60aが形成されている。かかる座彫り60aは、土台60の下面に補強材66が出っ張るのをなくしたり、出っ張りを小さく抑えたりすることができる。なお、例えば、土台60の下面に基礎パッキンを配置するなどして、土台60の下面に補強材66が出っ張っても支障がない場合には、土台60の下面にかかる座彫り60aはなくてもよい。
また、補強材66には、ボルト67a、67aが溶接されている。かかるボルト67a、67aは、補強材66に必ずしも溶接されていなくてもよい。かかるボルト67a、67aは、例えば、座金付きボルトとしてもよい。この場合、補強材66にボルトを挿通させる孔を形成しておき、補強材66の下側から座金付きボルトを挿通してもよい。この場合も、補強材66の下面に座金付きボルトの頭部(座部)が出っ張るが、例えば、当該部分に窪みを設けた基礎パッキンを配置するとよい。また、例えば、補強材66に、座金付きボルトの頭部(座部)が収まる窪みを設けても良い。
また、上述した実施形態では、補強材66は、図1に示すように、土台60の下面において、下側伝達部材30が配置される矩形の枠組み204を構成する一対の柱70a,70bの下まで延びている。これに限定されず、補強材66は、必ずしも土台60の下面において、下側伝達部材30が配置される矩形の枠組み204を構成する一対の柱70a,70bの下まで延びていなくてもよい。
なお、補強材66は、矩形の枠組み204を構成する左右一対の柱70a,70bのうち、少なくとも一方の柱の下まで延びていてもよい。補強材66が柱70a,70bの下に延びていることによって、耐力が得られやすい。特に、制震ユニット10から受ける反力F1によって、制震装置100の下側伝達部材30が土台60から引き上げられる力F3が作用した場合に対する耐力が得られやすい。つまり、制震装置100の下側伝達部材30に取り付けられた補強材66の上に柱70a,70bが存在する場合には、補強材66が建物の構造を支える柱70a,70bに抑えられた状態になる。この場合、制震装置100の下側伝達部材30が土台60から引き上げられる力F3が作用しても、補強材66が柱70a,70bによって上から押さえられ、所要の耐力を発揮する。このため、補強材66に連結された下側伝達部材30は、特に、土台60から引き上げられる力F3に対して高い抗力を発揮することができる。
また、図1に示すように、締結具67は、補強材66の長さ方向に少なくとも2箇所に配置されているとよい。このように、締結具67は、補強材66の長さ方向に少なくとも2箇所に配置されていることにより、補強材66の長さ方向の少なくとも2箇所で、下側伝達部材30の土台側固定部30Aとしての基部34が土台60から引き上げられる力F3に対して高い抗力を発揮することができる。これにより、下側伝達部材30の土台側固定部30Aとしての基部34を土台60に強固に固定することができる。
例えば、図1に示す例では、下側伝達部材30の土台側固定部30Aとしての基部34の両側端部に締結具67が配置されている。下側伝達部材30の土台側固定部30Aとしての基部34が、土台60に強固に固定されている。このため、下側伝達部材30の土台側固定部30Aとしての基部34の両側端部が、土台60から引き上げられる力F3に対して高い抗力を発揮することができる。
図13〜図15は、それぞれ変形例を示している。例えば、図13に示すように、補強材66は、下側伝達部材30が配置される矩形の枠組み204を構成する土台60の下面において、複数(この実施形態では、左右に2つ)取り付けられてもよい。この場合も、左右の補強材66は、土台60の下面において、下側伝達部材30が配置される矩形の枠組み204を構成する一対の柱70a,70bの下まで延びていてもよい。また、ここでは、補強材66は、下側伝達部材30が配置される矩形の枠組み204を構成する土台60の下面において、左右に2つ取り付けられているが、補強材66の数はこれに限定されない。
図14(a),(b)は、別の形態を示している。補強材66は、図14(a),(b)に示すように、土台60の側面に沿って延びる側部66bを有していてもよい。この場合、補強材66は、いわゆるアングルのような構造であり、曲げ応力に対して所要の強度が得られる。さらに、側部66bが土台60の側面に沿って取り付けられているので、土台60に対して補強材66が傾きにくくなり、例えば、土台60に形成されたボルト挿通穴60bの損傷を小さく抑えることができる。
ここで、締結具67は、図1に示すように、2本のブレース32a、32bの下端33a、33bが底板部34aに取り付けられた部位に配置されているとよい。また、図15に示す形態のように、締結具67A、67Bは、底板部34aの長さ方向において、ブレース32a、32bの下端33a、33bが底板部34aに取り付けられた部位を挟むように、1本のブレース32a(32b)の下端33a(33b)に対して、それぞれ2つ配置されていてもよい。
ここで例示される下側伝達部材30は、第2ユニット側固定部30Bから、互いの間隔が徐々に拡がるように延在し、底板部34aに連結された2本のブレース32a、32bを備えている。このように下側伝達部材30が2本のブレース32a、32bを有する場合、下側伝達部材30の土台側固定部30Aにブレース32a、32bの下端33a、33bが溶接された部位に、大きな力が作用する傾向がある。このため、図15に示すように、底板部34aの長さ方向において、ブレース32a、32bの下端33a、33bが底板部34aに取り付けられた部位を挟むように、1本のブレース32a(32b)の下端33a(33b)に対して、2つの締結具67A、67Bを設けるとよい。これにより、下側伝達部材30に所要の抗力が得られる。ここで、図15は、左側のブレース32aの下端33aが図示されているが、かかる構成は、右側のブレース32bの下端33bにも適用できる。
なお、ここで提案される建物用制震装置は、下側伝達部材30の土台側固定部30Aは、土台60の上面に沿って配置される底板部34aを有しているとよい。そして、底板部34aに対向し、土台60の下面に沿って配置された補強材66と、底板部34aと補強材66とを締結する締結具67とを備えているとよい。下側伝達部材30は、上述したように2本のブレース32a、32bを有する形態に必ずしも限定されない。
また、上述した実施形態では、制震装置100は、建物200の土台60と、土台60に立てられた左右一対の柱70a,70bと、柱70a,70bに架け渡された梁50とで囲まれた矩形の枠組み204に配置されている。制震装置100が配置されるのは、かかる建物200の1階部分に限定されず、制震装置100は、例えば、建物200の2階以上(例えば、2階部分や3階部分)において、建物200の一対の横軸材と一対の縦軸材とで囲まれた矩形の枠組み内に配置されてもよい。また、制震装置100は、建物200に対して複数配置されるとよく、例えば、建物200の直交する方向に配置された2つの壁の構造体となる、2箇所の矩形の枠組みに、制震装置100を取り付けてもよい。この場合、建物200の直交する2方向の揺れに対して、制震装置100が複合的に機能する。このため、建物200に作用する水平方向の揺れに対して振動を小さく抑えることができ、かつ、早期に揺れを減衰させることができる。
以上のように、ここで提案される建物用制震装置100は、建物200に生じた振動を小さく抑え、かつ、早期に減衰させる制震装置として好適である。なお、ここで提案される制震装置は、特に言及されない限りにおいて、上述された何れの実施形態およびその変形例にも限定されない。また、上述された実施形態および種々の変形例で開示された各構成は、齟齬が生じない限りにおいて適宜に組合すことができる。
10 制震ユニット
12、13、14 プレート
15 フランジ
15a 挿通孔
17 挿通孔
17a ボルトナット
18a、18b 粘弾性体
20 上側伝達部材
20A 梁側固定部(上側固定部)
20B 第1ユニット側固定部
22 ベース
22a ボルト挿通孔
24a、24b 取付片
30 下側伝達部材
30A 土台側固定部(下側固定部)
30B 第2ユニット側固定部
32a、32b ブレース
32c ブレースの基端部
33a、33b ブレースの先端(下端)
34 基部
34a 底板部
34b 側板部
34c 溶接部位
35 補強板
36 横材
38 フランジ
38a ボルトナット
39 取付片
50 梁(天井梁、上側の横軸材)
52 ボルト
60 土台(下側の横軸材)
60a 座彫り
60b ボルト挿通穴
66 補強材
66a 挿通穴
66b 側部
67、67A、67B 締結具
67a ボルト
67b ナット
70a、70b 柱(縦軸材)
70a1、70b1 取付位置
100 制震装置(建物用制震装置)
105 ホールダウンボルト(アンカーボルト)
120 ビス
150 ホールダウン金物
200 建物
202 コンクリート基礎
204 矩形の枠組み

Claims (8)

  1. 建物の一対の横軸材と一対の縦軸材とで囲まれた矩形の枠組み内に配置され、
    制震ユニットと、
    上側伝達部材と、
    下側伝達部材と、
    補強材と、
    締結具と
    を備え、
    前記制震ユニットは、
    制震部材と、
    前記制震部材に相対的な変位が入力される一対の取付部と
    を備え、
    前記上側伝達部材は、
    前記建物の前記一対の横軸材のうち上側の横軸材に固定される上側固定部と、
    前記制震ユニットの一対の取付部のうち一方の取付部に固定される第1ユニット側固定部と
    を備え、
    前記下側伝達部材は、
    前記建物の前記一対の横軸材のうち下側の横軸材に固定される下側固定部と、
    前記制震ユニットの一対の取付部のうち他方の取付部に固定される第2ユニット側固定部と
    を備え、
    前記下側固定部は、前記下側の横軸材の上面に沿って配置される底板部を有し、
    前記補強材は、
    前記底板部に対向し、前記下側の横軸材の下面に沿って配置され、
    前記下側の横軸材の下面において、前記下側伝達部材が配置される矩形の枠組みを構成する一対の縦軸材のうち、少なくとも一方の縦軸材の下まで延びており、
    前記締結具は、
    前記底板部と前記補強材とを締結する、
    建物用制震装置。
  2. 前記下側の横軸材の下面は、前記補強材が取り付けられる部位に座彫りが形成されている、請求項1に記載された建物用制震装置。
  3. 前記締結具は、前記補強材の長さ方向に少なくとも2箇所に配置されている、請求項1または2に記載された建物用制震装置。
  4. 前記締結具は、前記補強材に溶接されたボルトと、当該ボルトに止められるナットとで構成された、請求項1からまでの何れか一項に記載された建物用制震装置。
  5. 前記補強材は、前記下側の横軸材の側面に沿って延びる側部を有する、請求項1からまでの何れか一項に記載された建物用制震装置。
  6. 前記下側伝達部材は、前記第2ユニット側固定部から、互いの間隔が徐々に拡がるように延在し、前記底板部に連結された2本のブレースを備えている、請求項1からまでの何れか一項に記載された建物用制震装置。
  7. 前記締結具は、前記2本のブレースの下端が底板部に取り付けられた部位に配置されている、請求項に記載された建物用制震装置。
  8. 前記締結具は、前記ブレースの下端が底板部に取り付けられた部位を挟むように、1本の前記ブレースの下端に対して2つ配置されている、請求項に記載された建物用制震装置。
JP2013130488A 2013-06-21 2013-06-21 制震装置 Active JP6178132B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013130488A JP6178132B2 (ja) 2013-06-21 2013-06-21 制震装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013130488A JP6178132B2 (ja) 2013-06-21 2013-06-21 制震装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015004228A JP2015004228A (ja) 2015-01-08
JP6178132B2 true JP6178132B2 (ja) 2017-08-09

Family

ID=52300328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013130488A Active JP6178132B2 (ja) 2013-06-21 2013-06-21 制震装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6178132B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017214161A (ja) * 2014-10-09 2017-12-07 株式会社日立製作所 エレベーター装置及びこれに用いる巻上機組立体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4910929A (en) * 1986-08-20 1990-03-27 Scholl Roger E Added damping and stiffness elements
JP2000008484A (ja) * 1998-06-22 2000-01-11 Toei Kensetsu Kogyo:Kk 建築用構造材の連結具及び同連結具固定用のボルト
JP3341251B2 (ja) * 1999-07-28 2002-11-05 清司 細川 筋交い緊結構造とその金具
JP5407082B2 (ja) * 2008-06-03 2014-02-05 住友ゴム工業株式会社 建物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015004228A (ja) 2015-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4139901B2 (ja) 木造建物の制振構造及び木造建物の制振方法
JP6118088B2 (ja) 建物用制振装置
JP6397668B2 (ja) 制震装置
JP2014020114A (ja) 制振装置
JP6031291B2 (ja) 制振壁
JP6178132B2 (ja) 制震装置
JP2000352218A (ja) 木造建築物の耐震構造
JP6031283B2 (ja) 制振装置
JP4856520B2 (ja) 制振パネル
JP6196818B2 (ja) 制震装置
JP2010024656A (ja) 仕口ダンパおよび仕口部の構造
JP6031284B2 (ja) 建物
JP6251701B2 (ja) 制震装置
JP2019148125A (ja) 制震装置および建物
JP6379005B2 (ja) 制震装置
JP6379006B2 (ja) 制震装置
JP2018204200A (ja) 制震装置および建物
JP6426973B2 (ja) 制震装置
JP6408799B2 (ja) 制震装置
JP2014025294A (ja) 制振装置
JP6651774B2 (ja) 制震ユニットおよび制震装置
JP6055346B2 (ja) 建物用制振装置
JP4634960B2 (ja) 制振装置の設置構造
JP6495584B2 (ja) 制震装置
JP2007077601A (ja) 制振パネルの設置構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170711

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6178132

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250