JP2017214161A - エレベーター装置及びこれに用いる巻上機組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベーター装置の巻上機の水平防振構造をかご側に集約した巻上機組立体を提供する。【解決手段】乗りかごと、つり合いおもりと、乗りかご及びつり合いおもりを昇降駆動する巻上機と、巻上機を支持するマシンベースと、マシンベースを支持するマシンビームと、を備えたエレベーター装置において、マシンベースから乗りかご側に延伸された延伸部と、延伸部の端部に付設されたストッパー板と、を有し、ストッパー板は、2つの水平防振ゴムの間に挟み込まれ、ストッパー板及び2つの水平防振ゴムは、2つのブラケットの間に挟み込まれている。【選択図】図2

Description

本発明は、エレベーター装置に係り、特にエレベーター装置の機械室に備え付けられる巻上機組立体に関するものである。
一般に、エレベーターは、トラクション方式と呼ばれるものが多く普及している。このトラクション方式は、建築物に形成された昇降路内に乗りかごと、これとほぼ同等の質量を持つつり合いおもりとを設け、乗りかご及びつり合いおもりを主ロープによって懸架した状態で巻上機によって主ロープを巻き上げることにより、乗りかごとつり合いおもりとが逆方向に上下に昇降するものである。
近年では、建築物の高層化に伴い、大型の巻上機を用いたエレベーター装置が設置されている。この大型の巻上機は、エレベーター装置における昇降路の頂部に設けられた機械室に配置されている。そして、このような巻上機は、機械室を構成するマシンビームに振動減衰ゴムを介して固定される構成となっている。尚、巻上機は、機械室に設置されるため、マシンビーム等の設置部材を使用している。本発明では、巻上機と、これの機械室への設置部材とを含め、「巻上機組立体」として扱うことにする。
最近では、機械室の省スペース化の要求が高くなっている。特に、つり合いおもり側の機械室壁位置が従来に比べて巻上機組立体側に近くなる傾向にあり、つり合いおもり側の巻上機水平防振構造の簡素化もしくは構造レス化が求められている。
例えば、特開2003−246569号公報(特許文献1)には、現場での調整操作を容易にするエレベータの駆動ユニットのための取付台を生み出すことを目的として、水平の力を管によって調整スリーブからベースプレートに伝えられ、ここからアンカーボルトに伝えられる構成が記載されている。この文献に記載されている取付台は、基礎の上に設置される主動力フレームの4か所の脚部に設けられている。言い換えると、取付台は、駆動ユニット(巻上機)のかご側及びつり合いおもり側の両方に設置されている。
特開2003−246569号公報
近年では、建築物の高層化により、エレベーター装置の乗りかごの走行速度が増加し、また、その昇降行程が増加する傾向にある。このため、これに伴い、巻上機に求められる性能も高いものが要望されてきている。巻上機の出力が大きくなると、それと比例して巻上機による加振力も大きくなり、巻上機自体が水平方向に大きく振動する。このため、巻上機に固定されているシーブも、これに合わせて水平方向に振動するようになる。
シーブには、複数のロープ受け溝が設けられており、主ロープが収納され、案内されるようになっている。このロープ受け溝に主ロープが懸架されている。このため、シーブが水平方向に振動すると、主ロープもこれに合わせて振動し、結果的に乗りかごに振動が伝わって乗りかごが揺れるという現象が発生する。したがって、乗りかごの揺れを抑制するためには、巻上機の水平方向の振動を抑制する水平防振構造が必要となる。
特許文献1に開示された水平防振構造では、架台に空けた穴とアンカーボルトとの間に円管上の調整スリーブを挿入しており、調整スリーブの寸法公差は一般に締まり嵌めとなるため、調整スリーブの厚さを厚くするとスリーブの圧入が困難となる可能性が高い。また、垂直方向の減衰要素は、一般に形鋼の上に直接設置されるため、垂直方向の減衰要素を形鋼のフランジ部の幅寸法以下にする必要があり、同様に調整スリーブ等の水平防振構造も極端に厚さを増やすことが困難である。さらに、特許文献1に記載の取付台は、駆動ユニット(巻上機)のかご側及びつり合いおもり側の両方に設置されている。
以上のように、特許文献1に開示された水平防振構造では、寸法上の制約から、水平方向の防振性能に影響する防振ゴムの厚さを変更することが困難である。
本発明の目的は、エレベーター装置の巻上機の水平防振構造をかご側に集約した巻上機組立体を提供することにある。
本発明は、乗りかごと、つり合いおもりと、乗りかご及びつり合いおもりを昇降駆動する巻上機と、巻上機を支持するマシンベースと、マシンベースを支持するマシンビームと、を備えたエレベーター装置において、マシンベースから乗りかご側に延伸された延伸部と、延伸部の端部に付設されたストッパー板と、を有し、ストッパー板は、2つの水平防振ゴムの間に挟み込まれ、ストッパー板及び2つの水平防振ゴムは、2つのブラケットの間に挟み込まれていることを特徴とする。
本発明によれば、エレベーター装置の巻上機の水平防振構造をかご側に集約した巻上機組立体を提供することができる。
エレベーター装置の全体構成を示す概略断面図である。 本発明の巻上機付近の構成を示す正面図である。 図2の巻上機の水平方向防振構造を拡大して示す正面図である。 本発明の巻上機の水平方向防振構造の他の例を示す要部正面図である。 図4Aの水平方向防振構造を示す要部上面図である。 従来技術の巻上機付近の構成を示す正面図である。
本発明は、従来、巻上機のかご側及びつり合いおもり側の両方に設置していた水平防振構造をかご側に集約し、マシンベース上面から延長・折り曲げてきたストッパー板を、マシンビームに取り付けた水平防振ゴムでかご側とつり合いおもり側から挟み込む構造としたことを特徴とする。機械室内において、かご側はつり合いおもり側より広い作業スペースを確保することができるため、作業の回数、作業のしやすさ等の点で有利である。
以下、本発明の実施形態に係るエレベーター装置及びこれに用いる巻上機組立体について図面を基に説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
図1は、エレベーター装置の全体構成を示したものである。
本図において、エレベーターは、建屋18内に設けられた昇降路15内を上下移動する乗りかご4及びつり合いおもり5と、乗りかご4及びつり合いおもり5を吊持するメーンロープ3と、乗りかご4及びつり合いおもり5を上下移動させる巻上機16と、巻上機16を支持するマシンベース10と、マシンベース10の下部に設置された垂直防振ゴム24a,24bと、垂直防振ゴム24a,24bの下部に設置されたマシンビーム21と、マシンビーム21の下部に設置され機械室床若しくは建屋梁6a,6b(建屋架台)に載置されたスペーサー22a,22bと、マシンベース10に支持されメーンロープ3が巻き掛けられた反らせ車2と、を有している。
なお、本図においては、巻上機16、反らせ車2、マシンベース10、垂直防振ゴム24a,24b、マシンビーム21及びスペーサー22a,22bが昇降路15の上部に位置する機械室17内に設置されている。乗りかご4とつり合いおもり5とを連結するメーンロープ3は、一端が乗りかご4に固定されて上部に引き回され、巻上機16のシーブ1に巻きつけられた後に下方に向かい、反らせ車2に巻きかけられている。そして、メーンロープ3は、再びシーブ1に巻きかけられた後、更に反らせ車2に巻きかけられて、他端がつり合いおもり5に固定されている。
このようにして、シーブ1と反らせ車2とは、乗りかご4とつり合いおもり5との間の距離をお互いが衝突することがないように適度なすき間に調整し確保している。そして、巻上機16が駆動することで、乗りかご4は建屋18の最上階19と最下階20との間を上下移動可能となっている。このとき、つり合いおもり5は、乗りかご4の移動方向とは反対方向に上下移動する。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る巻上機16付近の構成を示した概略図である。図3は、図2のマシンベース10のかご側付近の構成を拡大して示したものである。
図2及び図3に示すとおり、メーンロープ3は、巻上機16のシーブ1に巻きかけられている。巻上機16は、箱状の土台であるマシンベース10の上に支持されている。マシンベース10は、マシンビーム21の上に支持されている。マシンベース10とマシンビーム21との間には、垂直防振ゴム24a,24bが挟み込まれている。さらに、マシンビーム21はスペーサー22a,22bの上に支持されており、スペーサー22a,22bは機械室床もしくは建屋梁6a,6bに支持されている。
また、かご側垂直防振ゴム24aよりもかご側の壁寄りであってマシンビーム21の上には、水平防振ゴム締結用のかご側ブラケット8a及びつり合いおもり側ブラケット8bが設置されており、それぞれのブラケットには、水平防振ゴム9a,9bが対向して設置されている。さらに、マシンビーム21の上面板であるマシンベース上面板12は、かご側の壁に向かって延伸され、更に鉛直下向きに折り曲げられた形状を有している。鉛直下向きの部分は、ストッパー板7としてかご側の水平防振ゴム9aとつり合いおもり側の水平防振ゴム9bとの間に挟まっている。ストッパー板7の上端部に加わる力に対抗するため、マシンベース上面板12(延伸部)の折り曲げられた部分には、補強用のリブ11が設けられている。これにより、ストッパー板7の剛性が向上する。この構造により、水平振動による加振力を確実に水平防振ゴム9a,9bに伝達することができる。
また、水平防振ゴム9a,9bは、垂直防振ゴム24a,24bより鉛直上方に設置している。このような構成により、次の効果が得られる。
巻上機組立体の中で最も重い機器である巻上機16の上下方向の重心は、一般にシーブ1中心付近にある。このため、力のモーメントの関係から、水平防振ゴム9a,9bを高い位置に設置する方が望ましい。図2及び図3に示す例においては、マシンベースの10の上面部にマシンベース上面板12(延伸部)を設けているため、水平防振ゴム9a,9bの上下方向の位置は、後述の従来例に比べ、巻上機16の重心に近くなる。よって、水平防振効果を従来例より高くすることが可能となる。
上記の構造により、つり合いおもり側の水平防振構造が不要となり、つり合いおもり側の機械室壁25の上下方向の開口部寸法を小さくすることができる。言い換えると、図2に示すマシンビーム21の上方に空間を設ける必要がなくなる。これにより、機械室のレイアウト性向上が可能となる。
本明細書においては、「巻上機組立体」は、巻上機16、マシンベース10、ストッパー板7、かご側ブラケット8a、つり合いおもり側ブラケット8b及び水平防振ゴム9a,9bを含むものとする。
図4Aは、本発明の巻上機の水平方向防振構造の他の例を拡大して示したものである。 また、図4Bは、図4Aの水平方向防振構造を示す要部上面図である。なお、基本的には、図2及び図3に示す構成と同じであるため、図1〜3と同じ符号は、同一構成部材を示すものであり、これらについての再度の説明は省略する。
図4A及び図4Bにおいて、図3と異なる構成は、マシンベース10の上面板は延伸せず、マシンベース10の下面板であるマシンベース下面板13を延伸し、延伸したマシンベース下面板13(延伸部)の端部にストッパー板7を付設している点、及びマシンベース下面板13の端部に切欠き部を設け、干渉回避用穴26とした点である。マシンベース下面板13には、つり合いおもり側の水平防振ゴム9b及びつり合いおもり側の水平防振ゴムブラケット8bとの干渉(接触)を回避するため、干渉回避用穴26を設けている。
図5は、従来構造の巻上機付近の構成を示したものである。本図においては、図2と同様の符号を用いており、共通する符号の説明は省略する。
図5においては、マシンベース10の下面部と垂直防振ゴム24a,24bとの間に延伸板51を設け、延伸板51の端部にストッパー板7を設け、水平防振ゴム59a,59b及び水平防振ゴムブラケット58a,58bを設けている。
なお、延伸板51は、マシンベース10の下面部自体を延伸したものであってもよい。
水平防振ゴム59a,59b及び水平防振ゴムブラケット58a,58bは、かご側及びつり合いおもり側の両側に設置されているため、つり合いおもり側の機械室壁25の上下方向の開口部が図2の場合に比べ高くなっている。すなわち、水平防振ゴム59b及び水平防振ゴムブラケット58bは、機械室壁25に、図2の場合に比べ広い開口部を設けて設置してある。一般に、水平防振ゴム59a,59bの据付調整は、巻上機16の据付後に実施されるため、壁開口部の上下寸法は水平防振構造分のスペースだけでなく、据付調整の作業スペースとして上下方向に余分に開口部が必要となる。また、水平防振ゴム59a,59bを巻上機16の重心により近い所まで高くすると、壁開口部の寸法は更に大きくなる。
機械室壁25の寸法(幅)が当初から十分に用意されていれば、開口部を設ける作業は必要とならないが、建屋におけるエレベーター装置のための寸法は限られているため、必要かつ可能な場合は、開口部を設けることになる。
以上のように、従来構造ではつり合いおもり側の機械室開口部が大きくなるため、つり合いおもり側開口部を縮小化することにより、機械室レイアウト性向上が可能となる本発明の有効性は高い。
本発明によれば、巻上機の水平防振構造をかご側のみで構成することができ、つり合いおもり側の水平防振構造レス化が可能となり、つり合いおもり側の機械室壁穴明寸法を縮小することができる。また、機械室内においてつり合いおもり側より広い作業スペースを確保可能なかご側で水平防振構造の施工が可能となるため、据付調整作業性の向上が図られる。
1:シーブ、2:反らせ車、3:メーンロープ、4:乗りかご、5:つり合いおもり、6a、6b:機械室床若しくは建屋梁、7:ストッパー板、8a:かご側ゴムブラケット、8b:つり合いおもり側ゴムブラケット、9a:水平防振ゴム、9b:水平防振ゴム、10:マシンベース、11:リブ、12:マシンベース上面板、13:マシンベース下面板、15:昇降路、16:巻上機、17:機械室、18:建屋、19:最上階、20:最下階、21:マシンビーム、22a、22b:スペーサー、24a、24b:垂直防振ゴム、25:機械室壁、26:干渉回避用穴。

Claims (6)

  1. 乗りかごと、つり合いおもりと、前記乗りかご及び前記つり合いおもりを昇降駆動する巻上機と、前記巻上機を支持するマシンベースと、前記マシンベースを支持するマシンビームと、を備えたエレベーター装置において、
    前記マシンベースから前記乗りかご側に延伸された延伸部と、前記延伸部の端部に付設されたストッパー板と、を有し、
    前記ストッパー板は、2つの水平防振ゴムの間に挟み込まれ、
    前記ストッパー板及び前記2つの水平防振ゴムは、2つのブラケットの間に挟み込まれていることを特徴とするエレベーター装置。
  2. 前記延伸部は、前記マシンベースの上面部に設けられている、請求項1記載のエレベーター装置。
  3. 前記ストッパー板は、前記延伸部を折り曲げて構成したものである、請求項2記載のエレベーター装置。
  4. 前記延伸部は、前記マシンベースの下面部に設けられている、請求項1記載のエレベーター装置。
  5. 前記延伸部の端部には、前記延伸部と前記ブラケットとが接触しないようにするための干渉回避用穴が設けられている、請求項4記載のエレベーター装置。
  6. 乗りかご及びつり合いおもりを昇降駆動する巻上機と、前記巻上機を支持するマシンベースと、を含むエレベーター装置の巻上機組立体において、
    前記マシンベースから前記乗りかご側に延伸された延伸部と、前記延伸部の端部に付設されたストッパー板と、を有し、
    前記ストッパー板は、2つの水平防振ゴムの間に挟み込まれ、
    前記ストッパー板及び前記2つの水平防振ゴムは、2つのブラケットの間に挟み込まれていることを特徴とするエレベーター装置の巻上機組立体。
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