JP4139901B2 - 木造建物の制振構造及び木造建物の制振方法 - Google Patents

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Description

本発明は、木造建物の制振構造及び木造建物の制振方法に関するものである。
地震や強風等によって木造建物に生じた振動を低減する手段としては一般的に、建物の骨組みを構成する2本の柱材A、B及び2本の横架材C、Dにかけて合板耐力壁Tを取り付けたり(図16(a)参照)、一対の横架材C、D間に、伝達部材Vを介してダンパーWを架け渡して設置したり(図16(b)参照)することが知られている。
上記した振動を低減する手段にあっては、次のような問題点がある。
(1)図16(a)に示すように、合板耐力壁Tを用いた場合には、剛性は高くなるが、エネルギー吸収性能が低く、建物の振動を抑えることが困難である。
(2)このため、建物が損傷しやすく、振動が大きくなると破壊に至る可能性が高い。
(3)図16(b)に示すように、2本の横架材C、D間にダンパーWを架設した場合には、伝達部材Vにおいて横架材の取付け部がすべり変形するなど、伝達部材Vに大きな曲げの力が作用して変形したりするおそれがある。したがって、ダンパーWが、ほとんど変形せず、振動エネルギーを吸収しにくくなるため、十分な制振効果が得られない場合がある。
本発明は、上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、振動の大小に関わらず、優れた制振性能を発揮することが可能な木造建物の制振構造及び木造建物の制振方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる木造建物制振構造は、
木造建物の骨組みを構成する、並行する2本の柱材と、その上下に並行する横架材とによって構成され、横架材に対して柱が回動する接合構造であって、
一方の柱材に取り付けた振動時のエネルギー吸収をするダンパー体と、
一端部をダンパー体に取り付け、他端部を他方の柱材に取り付けた金属材料によって形成した複数本のブレース材とから成り、
前記ダンパー体は、一方の柱材の高さ方向中間部に取り付けるとともに、剛性補強材を、一方の柱材におけるダンパー体の取付け位置から下端位置にわたって設け、当該剛性補強材の下端部に、ホールダウンアンカーが挿入されるホールダウン部を一体的に設け、
前記ブレース材は、他方の柱材の上端部と下端部に取付けるとともに、複数本のうちの最も下側のブレース材の他端部に、ホールダウンアンカーが挿入されるホールダウン部を一体的に設けるものである。
本発明にかかる木造建物の制振方法は、
請求項1にかかる木造建物の制振構造を用いた木造建物の制振方法であって、
木造建物の骨組みを構成する、並行する2本の柱材のうちの一方の柱材にダンパー体を取り付け、
複数本のブレース材の一端部をそれぞれ、ダンパー体に取り付け、他端部をそれぞれ、他方の柱材の高さ方向に異なる位置に取り付けるとともに、一方の柱材に剛性補強材を設けることによって、ダンパー体の振動吸収を向上させ、
最も下側のブレース材と、剛性補強材の下端部と、に設けたホールダウン部によって柱材の抜けを防ぐものである。
本発明の木造建物の制振構造及び木造建物の制振方法は、上記した課題を解決するための手段により、次のような効果のうちの少なくとも一つを得ることができる。
(1)並行する2本の柱材のうちの一方の柱材にダンパー体を取り付け、複数本のブレース材の一端部をそれぞれ、ダンパー体に取り付け、他端部をそれぞれ、他方の柱材の高さ方向に異なる位置に取り付けることにより、柱材に生じる力は、曲げ方向の力が抑えられて軸力が支配的になる。したがって、柱材の曲げ変形が防止または抑制する。
このように、柱材の曲げ変形が抑えられることにより、ダンパー体が振動時のエネルギーの大半をせん断抵抗として吸収できるため、ダンパー体の振動吸収効率が向上する。
(2)一方の柱材に剛性補強材を設けることにより、柱材の曲げ剛性をより向上させるとともに、柱材の振動時のエネルギー吸収を確実に阻止して、ダンパー体の振動吸収効果をより効果的に高めることができる。
(3)複数本のうちの最も下側のブレース材の他端部に、ホールダウンアンカーが挿入されるホールダウン部を一体的に設けることにより、柱材等の骨組みに負担をかけずにダンパーからブレース材、ホールダウンアンカーに至るまで引っ張り力を確実に伝達でき、柱材の抜けを防止することができる。
(4)剛性補強材を、他方の柱材と対向する一方の柱材の側面に取り付けて設けるとともに、剛性補強材の下端部に、ホールダウンアンカーが挿入されるホールダウン部を一体的に設けることにより、一方の柱材の剛性がより高められると共に、柱材等の骨組みに負担をかけずに剛性補強材、ホールダウンアンカーに至るまで引っ張り力を確実に伝達でき、柱材の抜けを防止することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<1> 制振装置の設置条件
制振装置1は、図1に示すように、木造建物の骨組を構成する、並行する2本の柱材A、Bに生じた振動を防止するためのものである。
柱材A、Bはそれぞれ、上下に並行する2本の横架材、例えば梁材Cと土台材Dとに接合されている。
制振装置1は、振動時に横架材に対して柱が回動する接合構造である場合、例えば、柱材A、Bと横架材C、Dとが嵌合接合されている場合に特に有効である。
例えば、柱材A、Bはそれぞれ、高さ方向両端部にほぞA1、B1を有し、このほぞA1、B1を横架材C、Dに設けたほぞ穴(図示せず)に嵌め込むことにより、横架材C、Dと接続されている場合、さらには、柱材AまたはBの幅方向側面と横架材CまたはDの高さ方向側面とにかけて取り付けたL字状の接合具Eによって柱材A、Bがそれぞれ、横架材C、Dと接合されている場合である。
なお、柱材A、Bは、ここでは断面四角形状を有しているが、制振装置1の設置にあたって断面形状を特に問わない。
<2> ダンパー体
制振装置1は、ダンパー体2と複数本、例えば2本のブレース材3とを備えている。
ダンパー体2は、図2、3(a)に示すように、一方の柱材、例えば柱材Aに取り付ける柱材取付け部材21と、複数本のブレース材3が取り付けられるブレース材取付け部材22と、柱材取付け部材21及びブレース材取付け部材22を連結するせん断部材23と、から構成する。
せん断部材23は、柱材取付け部材21に接合した柱側板材231と、この柱側板材231に重なるように設け、ブレース材取付け部材22に接合したブレース側板材232と、柱側板材231及びブレース側板材232の間に介在させた、振動時に減衰力を発生する減衰材としての粘弾性材233と、を有するほぼ板状である。せん断部材23は、柱側板材231とブレース側板材232とが相対変位した際に、粘弾性材233がせん断変形することにより振動を減衰するものである。すなわち、ダンパー体2は粘弾性ダンパーである。なお、せん断部材23は、例えば、複数枚の板材からなる柱側板材231でブレース側板材232を挟み込むような構成とすることができるが、図3(b)に示すように、柱側板材231を一枚板とし、粘弾性材23を介して柱側板材231とブレース側板材232とを単に重ね合わせるだけの構成としてもよい。
柱材取付け部材21は、柱側板材231を重なるように接合した板状の基部211と、この基部211の幅方向一端部から厚さ(奥行き)方向両側に延びる取付け板部212と、を有する断面T字状である。ブレース側板材232を重なるように接合したブレース材取付け部材22は板状である。柱材取付け部材21、ブレース材取付け部材22、柱側板材231及びブレース側板材232は例えば金属製とすることができる。
せん断部材23は、柱材取付け部材21及びブレース材取付け部材22に重なるように接合するため、安定性を高めるために、柱材取付け部材21及びブレース材取付け部材22を挟み付けるように一対設けることが好ましい。この場合には、ブレース材取付け部材22を一対のブレース側板材232で挟み、かつ、柱材取付け部材21を一対の柱側板材231で挟んで、ボルトナット(図示せず)で締め付けることにより設けることができる。
ダンパー体2は、複数の板材を重ね合わせてボルトナットで接合することにより形成される簡易な構成であるため、汎用性に優れる。
<3> ブレース材
ブレース材3は、図4に示すように、例えば金属材料で筒状に形成し、一端部に、ダンパー体2に取り付けるダンパー体取付け部31を設け、他端部に、他方の柱材、例えば柱材Bに取り付ける柱材取付け部32を設けて構成する。
ダンパー体取付け部31は、ブレース材取付け部材22が嵌め込まれる凹状に形成する。そして、ブレース材取付け部材22をダンパー体接合部31に嵌め込んだ状態で、ボルト(図示せず)等で固定することにより、ブレース材3をダンパー体2に取り付けられるように構成する。柱材取付け部32は、柱材Bに当接するように板状に形成する。
<4> 制振装置の設置
制振装置1は、ダンパー体2を柱材Aに取り付け、ダンパー体2に取り付けた2本のブレース材3をそれぞれ、他方の柱材Bの高さ方向に異なる位置に取り付けることにより、柱材Aと柱材Bとに架け渡して設置する。より具体的には、ダンパー体2の柱材取付け部材21の取付け板部212を、柱材Bと対向する柱材Aの側面部A2にビス(図示せず)によって固定し、それぞれのブレース材3の柱材取付け部32を、柱材Aと対向する柱材Bの側面部B2にビスによって固定する。ダンパー体2及びブレース材3の取付けにビスを用いることにより、釘やボルトを用いた場合と比較して、取付けに緩みが生じ難くなる。
設置にあたっては、振動時の減衰作用を高めるために、すなわち、柱側板材231とブレース側板材232との相対変位量が大きくなって粘弾性材233が変形しやすくなるように、ブレース材3を、柱材Bの上端部(梁材Cの下側近傍部)及び下端部(土台材Dの上側近傍部)を含む高さ方向に異なる位置、ここではブレース材3が2本なので柱材Bの上端部及び下端部にそれぞれ取り付けることが好ましい。さらには、ダンパー体2を柱材Aの高さ方向中間部(梁材Cと土台材Dとの中間部)に取り付けることが好ましい。ブレース材3はそれぞれ、柱材Bの取付け位置に応じて、長さや柱材取付け部32の角度などをあらかじめ設定しておく。
制振装置1は、複数本のブレース材3によって、柱材A、Bに作用する曲げの力を抑制し、振動時の層間変位を小さく抑えることとなる。また、図5に示すように、柱材Aと柱材Bとが相対変位した際には、ダンパー体2の粘弾性材233がせん断変形することにより、エネルギーの大半をせん断抵抗として吸収して振動を減衰することとなる。
なお、制振装置1は、ダンパー体を柱材Bに取り付け、ブレース材3を柱材Aに取り付けても同様の効果が得られる。
あるいは、ブレース材3を、柱材Bに取り付ける代わりに、横架材CまたはDに取り付けてもよい。この場合には、ダンパー体2及び横架材C、Dへのブレース材3の取付けをピン接合によって行うことが好ましい。
<5> 剛性補強材
前述のように、ブレース材3によって柱材A、Bの撓みまたは曲げ変形はある程度抑えられるが、ダンパー体2を介して複数本のブレース材3の取付け位置が一点に集中する柱材Aには、振動時に複数本のブレース材3からの引張力及び圧縮力が一点に集中して作用するため、柱材Aの撓みまたは湾曲変形を完全に防止することは難しい。このため、柱材Aに剛性補強材4を設けて、この柱材Aの剛性を高めることが効果的である。より具体的に、柱材Aは、ダンパー体2の取付け位置から撓みまたは湾曲変形しやすいため、剛性補強材4は、柱材Aにおけるダンパー体2の取付け位置から下端位置にわたって設ければ足りる。
ここでは、剛性補強材4を、金属製の帯状に形成すると共に、ホールダウンアンカー41が挿入されるホールダウン部42を下端部に一体的に設けて構成し、柱材Bと対向する柱材Aの側面部A2に取り付ける。剛性補強材4の柱材Aへの取付けにあたっては、ビスを用いることができ、この剛性補強材4を介してダンパー体2を柱材Aに取り付ける。ビスは、あまり間隔をあけずに剛性補強材4のほぼ高さ方向わたって複数設けることが効果的である。
剛性補強材4のホールダウン部42には、土台材Dを貫通して建物基礎(図示せず)に打ち込むホールダウンアンカー41を挿入固定する。ホールダウン部42によって柱材Aにホールダウンアンカー41が引き寄せた状態で固定されるため、柱材Aの抜けが防止される。
同様に、下側のブレース部材3の柱材取付け部32の下端部にも、ホールダウンアンカー41が挿入されるホールダウン部33を一体的に設ける。ホールダウン部33によって、柱材Bの抜けが防止される。
以降に他の形態について説明するが、実施例1と同一の部位については同一の符号を付して説明を省略する。
ここでの制振装置1は、ダンパー体2をダンパー体5に変更したものである。
ダンパー体5は、図6に示すように、ブレース材取付け部材22と、このブレース材取付け部材22に連結部材51を介して高さ方向に並列的に接合した複数のH形鋼52と、から構成する。
H形鋼52はそれぞれ、一方の垂直面部521をブレース材取付け部材22に接合する。一方、他方の垂直面部522を、剛性補強材4を介してビスにより柱材Aに取り付けることにより、ダンパー体5が柱材Aに設置される。それぞれのH形鋼52の水平面部523は、図7に示すように、振動時の両端部の応力集中を回避するために、中央部に向かって漸次幅(奥行き)が狭くなるように形成する。
このような構成により、振動時には、水平面部523が降伏して塑性変形するため、エネルギーを吸収して制振する。すなわち、ダンパー体6は弾塑性ダンパーである。従来、弾塑性ダンパーは、垂直面部と水平面部とが溶接等により接合されるが、制振装置1は、一般住宅等の木造建物の制振に耐え得る構成で足りるため、ダンパー体5は、垂直面部と水平面部とが一体形成されたH形鋼52を採用する安価で簡易なものであり、汎用性に優れる。ここでは、H形鋼52の他方の垂直面部522が柱材取付け部材を構成し、H形鋼52の水平面部523が減衰材を構成する。
ここでの制振装置1は、ダンパー体2または5をダンパー体6に変更したものである。
ダンパー体6は、図8、9に示すように、柱材取付け部材21と、ブレース材取付け部材22と、柱材取付け部材21及びブレース材取付け部材22を連結する摺動部材61と、から構成する。
摺動部材61は、柱材取付け部材21に接合した柱側板材611と、この柱側板材611に重なるように高さ方向に相対摺動可能に設け、ブレース材取付け部材22に接合したブレース側板材612と、柱側板材611及びブレース側板材612の間に介在させた減衰材としての摩擦材613と、を有するほぼ板状である。柱側板材611またはブレース側板材612に、高さ方向に延びるスライド孔615を設けておき、このスライド孔615を通すように、柱側板材611、摩擦材613及びブレース側板材612をボルトナット614で締め付けることにより、柱側板材611とブレース側板材612とを高さ方向に相対摺動可能に構成する。柱材取付け部材21とブレース材取り付け部材22との相対摺動を、摩擦材613の摩擦力で抵抗することより振動を減衰することとなる。すなわち、ダンパー体6は摩擦ダンパーである。
摺動部材61は、柱材取付け部材21及びブレース材取付け部材22に重なるように接合するため、安定性を高めるために、柱材取付け部材21及びブレース材取付け部材22を挟み付けるように一対設けることが好ましい。この場合には、ブレース材取付け部材22を一対のブレース側板材612で挟み、かつ、柱材取付け部材21を一対の柱側板材611で挟んで、ボルトナット62で締め付けることにより設けることができる。また、この場合には、2組の柱側板材611、摩擦材613及びブレース側板材612の締付けを、一組のボルトナット614で行うことができる。
ダンパー体6は、ダンパー体2と同様に、複数の板材を重ね合わせてボルトナットで接合することにより形成される簡易な構成であり、汎用性に優れる。
ここで、実施例1、2、3の制振装置1を並行する柱材A、Bに架け渡して構成した試験体(制振構造)をそれぞれ用いて実験を行った。
<1> 強制変形加振実験
まず、試験体の層せん断力f−層間変位uの関係を測定する実験を行った。
試験体は、前述したような、並行する2本の柱材A、Bと、柱材A、Bとそれぞれ接合した、上下の横架材C、Dと、から構成した(図1参照)。
実験には、図10に示すように、動的アクチュエータGと可動台Hとを備えた動的載荷装置Iを用い、試験体を可動台Hに固定載置するとともに、梁材Cの中央部に取り付けた治具JをタイロッドKで反力柱Lと接続した。そして、動的アクチュエータGを作動させて可動台Hを揺らし、試験体に幅方向の動的載荷を加えることにより実験を行った。載荷にあたっては、試験体の層間変形角が順に1/480、1/360、1/240、1/180、1/120、1/240、1/90、1/60、1/120、1/45、1/30radとなるように、かつ、各層間変形角で3回ずつの正負交番繰返しとした。試験体に働く層せん断力fは、タイロッドKに生じる軸力から算出した。試験体の層間変位uは、梁材Cと土台材Dとの試験体幅方向の層間変位とした。
また、比較例として、図11に示すように、柱材A、B間に間柱Sを設けると共に、柱材A、B、梁材C、土台材Dにかけて合板耐力壁Tを設置した試験体を用い、同様の実験を行った。
実施例1、2、3の測定結果を図12(a)、(b)、(c)に、また、比較例の測定結果を図12(d)にそれぞれ示す。
<2> 考察
実施例1は、図12(a)に示すように、載荷直後からエネルギー吸収の大きい紡錘型の履歴であることが見てとれる。実施例2は、図12(b)に示すように、載荷直後から層間変形角1/180程度までは扁平型の履歴であるが、それ以降は紡錘型の履歴であることが見てとれる。実施例3は、図12(c)に示すように、載荷直後から層間変形角1/180程度までは扁平型の履歴であるが、それ以降はエネルギー吸収の大きい平行四辺形型の履歴であることが見てとれる。
これに対して、比較例は、図12(d)に示すように、ある程度の紡錘型の履歴でありつつも、エネルギー吸収の小さいストリップ型の履歴であることが見てとれる。
したがって、制振装置1を用いた制振構造は、合板耐力壁Tを設けた従来型の構造と比較して、エネルギー吸収性能に優れることが確認された。
<3> 振動台実験
次に、層間変位uの時刻歴を測定する実験を行った。
試験体は、図13に示すように、柱材B及び梁材C、土台材Dをほぼ正方形状に組み付けて構成した枠体を、梁材M及び土台材Nによって奥行き方向に3つ連結することによりほぼ立方体状に形成すると共に、奥行き方向中間部の枠体を構成する柱材B、B間をほぼ三等分するように、梁材C及び土台材Dに柱材A、Aを接合して構成した。そして、剛性補強材4及びダンパー体2または5あるいは6を柱材Aに取り付け、ダンパー体2または5あるいは6に取り付けたブレース材3を、柱材Aの幅方向外側に設けた柱材Bに取り付けた。なお、柱材AとB、梁材CとM、土台材DとNはそれぞれ、ほぼ等しい断面形状を有している。
このような試験体上に天板Oを介して錘Pを固定載置すると共に、試験体を振動台Q上に固定載置し、動的アクチュエータRによって振動台Qを加速度600cm/s2で試験体の幅方向に揺らして(実際の地震の加振波を再現)、試験体上に錘Pに慣性力を加えることにより実験を行った。層間変位uは、梁材Cと土台材Dとの試験体幅方向の層間変位とした。
また、比較例として、図14に示すように、柱材A、B間に間柱Sを設けると共に、柱材A、B、梁材C、土台材Dにかけて合板耐力壁Tを設置した試験体を用い、同様の実験を行った。
実施例1、2、3の測定結果をそれぞれ、図15(a)、(b)、(c)に、比較例の測定結果を図15(d)に示す。なお、図15中の破線は、層間変形角1/120rad(層間変位約23mm)を表す。
<4> 考察
図15に示すように、実施例1、2、3は比較例に比べ、加振直後の最大層間変位が小さく、かつ、層間変位がほぼ23mm内で安定するまでの時間も短い、すなわち振動の減衰が早いことが見てとれる。したがって、制振装置1を用いた制振構造は、合板耐力壁Tを設けた従来型の構造と比較して、高い制振効果が得られると共に、建物の剛性を向上させることができることが確認された。
本発明の制振構造を示す図 ダンパー体の側面図 ダンパー体の平面図 ブレース材を示す図 制振構造の振動時の状態を示す図 本発明の制振構造に用いられる別のダンパー体を示す図 H形鋼を示す図 本発明の制振構造に用いられる他のダンパー体の側面図 他のダンパー体の平面図 強制変形加振実験の概略図 強制変形加振実験に用いられる比較例の制振構造を示す図 強制変形加振実験による層せん断力−層間変形の測定結果を示す図 振動台実験の概略図 比較例の振動台実験の概略図 振動台実験による層間変位の時刻歴の測定結果を示す図 従来の振動低減手段を示す図
符号の説明
2、5、6 ダンパー体
3 ブレース材
4 剛性補強材
41 ホールダウンアンカー
33、42 ホールダウン部
A 柱材(一方の柱材:他方の柱材)
B 柱材(他方の柱材:一方の柱材)

Claims (2)

  1. 木造建物の骨組みを構成する、並行する2本の柱材と、その上下に並行する横架材とによって構成され、横架材に対して柱が回動する接合構造であって、
    一方の柱材に取り付けた振動時のエネルギー吸収をするダンパー体と、
    一端部をダンパー体に取り付け、他端部を他方の柱材に取り付けた金属材料によって形成した複数本のブレース材とから成り、
    前記ダンパー体は、一方の柱材の高さ方向中間部に取り付けるとともに、剛性補強材を、一方の柱材におけるダンパー体の取付け位置から下端位置にわたって設け、当該剛性補強材の下端部に、ホールダウンアンカーが挿入されるホールダウン部を一体的に設け、
    前記ブレース材は、他方の柱材の上端部と下端部に取付けるとともに、複数本のうちの最も下側のブレース材の他端部に、ホールダウンアンカーが挿入されるホールダウン部を一体的に設けたことを特徴とする、
    木造建物の制振構造。
  2. 請求項1にかかる木造建物の制振構造を用いた木造建物の制振方法であって、
    木造建物の骨組みを構成する、並行する2本の柱材のうちの一方の柱材にダンパー体を取り付け、
    複数本のブレース材の一端部をそれぞれ、ダンパー体に取り付け、他端部をそれぞれ、他方の柱材の高さ方向に異なる位置に取り付けるとともに、一方の柱材に剛性補強材を設けることによって、ダンパー体の振動吸収を向上させ、
    最も下側のブレース材と、剛性補強材の下端部と、に設けたホールダウン部によって柱材の抜けを防いだことを特徴とする、
    木造建物の制振方法。
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