JP4282003B2 - 制振構造 - Google Patents

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本発明は、建築土木分野で使用される制振構造に関する。
鉄道、自動車等の輸送車両が走行する橋梁としては、河川、海峡等を横断する狭義の橋梁のほかに市街地において連続的に建設される、いわゆる高架橋がある。かかる高架橋は、効率的な土地利用の観点から、道路上、鉄道上あるいは河川上の空間に連続して建設されるものであり、高架橋下の道路あるいは鉄道が立体交差することとなるため、交通渋滞の解消にも貢献する。
ところで、このような高架橋の下部構造は、通常、鉄筋コンクリートのラーメン構造として構築されることが多いが、その設計施工の際には、地震時における高架橋の耐震性が十分検討されなければならない。
特開2001−020228号公報
かかる状況下、本出願人は図8に示すように、柱1,1及び梁2からなる鉄筋コンクリートのラーメン架構3内にダンパー4及びブレース5,5からなるダンパーブレース6を配設した高架橋の下部構造7を提案しており、かかる構成によれば、耐震性の向上を大幅に向上させることが可能となる。
しかしながら、上述した高架橋の下部構造7では、図示しない上部構造から作用する地震時水平力をブレース5,5の引張力及び圧縮力で抵抗する構造であるため、ブレース5,5自体を引張強度に優れた鋼材で構成しなければならないという問題や、それらの下端をフーチング8,8あるいは柱1,1の柱脚に、上端をダンパー4にそれぞれ十分な引張強度をもたせて接合しなければならないという問題を生じていた。
加えて、引張強度をとるためのアンカーが必要となるため、既設の構造物には経済性の観点で適用が困難であるのが実情であった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ブレースの両端を引張定着させる必要がない制振構造を提供することを目的とする。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ブレースの両端を引張定着させる必要がない制振構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る制振構造は請求項1に記載したように、4つのブレース取付け用セグメントと4つのせん断変形可能な履歴減衰セグメントとを該ブレース取付け用セグメント及び該履歴減衰セグメントが交互に配置されるように環状に接合してなるダンパー機構と、該ダンパー機構と同一面内において該ダンパー機構の中央開口に設定された仮想中心からほぼX字状に延びるブレース配置軸線に沿って4本のブレースを配置するとともに該ブレースの基端を前記ブレース取付け用セグメントにそれぞれ接合してなるブレース機構とを備えた制振装置を、矩形状をなすラーメン架構の構面に配置するとともに、前記4本のブレースの先端を前記ラーメン架構を構成する柱、梁、基礎又はそれらが取り合う隅部にそれぞれ接合してなり、前記履歴減衰セグメントを、水平方向にせん断変形する一対の水平セグメントと鉛直方向にせん断変形する一対の鉛直セグメントとで構成するとともに、前記鉛直セグメントのせん断変形高さL′が次式、
L′=L・(h/b)
L; 水平セグメントのせん断変形高さ
h; 前記ラーメン架構の高さ
b; 前記ラーメン架構の幅
となるようにかつ、前記鉛直セグメントの復元力特性fV(γ)が次式、
V(γ)=fH(γ)・(h/b)
V(γ);鉛直セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する鉛直せん断力の大きさを示す一般式
H(γ);水平セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する水平せん断力の大きさを示す一般式
となるように前記水平セグメント及び前記鉛直セグメントを構成し、
前記各ブレース取付け用セグメントを、想定される地震動に対してそれらの変形量が弾性範囲に収まるように構成することにより、前記4本のブレースのうち、互いに向かい合う2本のブレースを介して前記ブレース配置軸線に沿った異なる二方向から圧縮力が交互に作用したとき、該圧縮力のみによって前記履歴減衰セグメントが強制的なせん断変形を受けるようになっているものである。
また、本発明に係る制振構造は、前記履歴減衰セグメントを、長方形状のウェブ部材とその両縁に設けたフランジ部材とで構成し、該履歴減衰セグメントと前記ブレース取付け用セグメントとが交互に配置されるように順次接合することで、前記ダンパー機構を、矩形状の中央開口が形成された環状のダンパー機構として構成したものである。
また、本発明に係る制振構造は、前記4本のブレースのうち、隣り合うブレースを面外座屈防止部材を介して互いにピン接合したものである。
本発明に係る制振構造を構成する制振装置においては、ダンパー機構は、4つのブレース取付け用セグメントと4つのせん断変形可能な履歴減衰セグメントとを該ブレース取付け用セグメント及び該履歴減衰セグメントが交互に配置されるように環状に接合してあり、ブレース機構は、ダンパー機構と同一面内において該ダンパー機構の中央開口に設定された仮想中心からほぼX字状に延びるブレース配置軸線に沿って4本のブレースを配置するとともに該ブレースの基端を前記ブレース取付け用セグメントにそれぞれ接合してなる。
かかる制振装置は、建築構造物や土木構造物の一部をなす矩形状のラーメン架構の構面に配置され、ブレース機構を構成する4本のブレースを、それらの先端がラーメン架構を構成する柱、梁、基礎又はそれらが取り合う隅部にそれぞれ接合することで制振構造となる。
すなわち、本発明に係る制振構造においては、4本のブレースは概ねX字状に配設され、それらの中心付近にダンパー機構が配置されることになるとともに、ダンパー機構を構成する4つのせん断変形可能な履歴減衰型セグメントは後述するように一対の水平セグメント及び一対の鉛直セグメントで構成してあり、これら一対の水平セグメント及び一対の鉛直セグメントは、互いに対向するようにそれぞれ配置され、それらの間に4つのブレース取付け用セグメントが介在することになる。また、4本のブレースは、それらの先端をラーメン架構を構成する柱、梁(地中梁を含む)、基礎又はそれらが取り合う隅部にそれぞれ接合してある。
このようにすると、地震時水平力がラーメン架構に作用して該ラーメン架構が変形する際、ラーメン架構の対角線のうち、その長さが短くなる側のブレースにはラーメン架構から圧縮力が伝達され、該圧縮力は、ブレース取付け用セグメントを介してダンパー機構の両側方に作用する。
そのため、ダンパー機構は、圧縮力が作用する側でブレース取付け用セグメントの離間距離が短くなり、他方の側、すなわち、対角線の長さが長くなる側のブレースが取り付けられたブレース取付け用セグメントの離間距離が長くなるような、たとえて言えば円形が楕円形に、正方形が菱形になるがごとき変形、さらに別の言い方をすれば、所定の部材に圧縮力が加わるとその圧縮方向に直交する方向に部材がはらみ出す変形(ポアゾン比を参照)と類似した変形が生じる。
そして、かかるダンパー機構の変形に伴い、該ダンパー機構を構成する履歴減衰セグメントは、強制的なせん断変形を受ける。
一方、地震荷重の反転によってラーメン架構の変形が逆方向になると、今度は、他方のブレースを介してラーメン架構からダンパー機構に圧縮力が伝達され、該ダンパー機構には、上述した変形とは鉛直方向に対称な変形が生じ、該ダンパー機構を構成する履歴減衰セグメントは、上述したせん断変形とは正負が逆の強制的なせん断変形を受ける。
このように、地震時水平力が交番荷重としてラーメン架構に作用し、それによってラーメン架構が水平方向に振動するとき、本発明に係るダンパー機構には、上述したように、2本の対角線に沿った異なる二方向から圧縮力が交互に作用し、それによってダンパー機構の履歴減衰セグメントが強制的なせん断変形を受け、該強制せん断変形による履歴減衰によって、ラーメン架構の振動エネルギーは速やかに吸収される。
かくして、ブレースの先端をラーメン架構に引張定着せずとも、従来のダンパーブレース機構(図8)と同様に、ラーメン架構の振動エネルギーを本発明のダンパー機構で吸収させることが可能となり、既設のラーメン架構を耐震補強するのに最適な制振構造が実現する。
加えて、履歴減衰セグメントは、水平方向にせん断変形する一対の水平セグメントと鉛直方向にせん断変形する一対の鉛直セグメントとで構成するとともに、前記鉛直セグメントのせん断変形高さL′が次式、
L′=L・(h/b)
L; 水平セグメントのせん断変形高さ
h; 前記ラーメン架構の高さ
b; 前記ラーメン架構の幅
となるようにかつ、前記鉛直セグメントの復元力特性fV(γ)が次式、
V(γ)=fH(γ)・(h/b)
V(γ);鉛直セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する鉛直せん断力の大きさを示す一般式
H(γ);水平セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する水平せん断力の大きさを示す一般式
となるように前記水平セグメント及び前記鉛直セグメントを構成してある。
このようにすると、ラーメン架構の変形の大きさにかかわらず、ブレースからの軸力は、常に同一の作用線上でダンパー機構の両側方に作用することとなり、軸力の作用線がずれてダンパー機構が回転する懸念がなくなる。
ここで、前記4本のブレースのうち、隣り合うブレースを面外座屈防止部材を介して互いにピン接合したならば、ダンパー機構、特に履歴減衰セグメントに局部面外座屈が生じる状況が発生したとしても、面外座屈防止部材の作用によってダンパー機構及び前記ブレース機構が面外方向に全体座屈するのを防止することができるとともに、その結果として、履歴減衰セグメントも局部面外座屈を起こすことなく、上述したせん断変形による履歴減衰によって振動エネルギーの吸収を行うことが可能となる。
本発明に係る制振構造は、地震による振動を抑制する必要がある任意のラーメン架構に適用することが可能である。また、建築土木分野の両方に適用可能であることは言うまでもない。
例えば、オフィスビル、マンション等の建築構造物については、柱梁で構成された各階のラーメン架構に本発明に係る制振構造を適用することができる。この場合、平面的にはEV廻りなど、建物のコア近傍に設置することが考えられる。
一方、土木分野においては、例えば高架橋の下部構造を構成するラーメン架構に本発明の制振構造を適用することが可能である。
以下、本発明に係る制振構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る制振構造としての高架橋の下部構造12を示した正面図であり、柱1,1及び梁2からなる鉄筋コンクリートのラーメン架構3内に制振装置11を配設してなる。
制振装置11は、ダンパー機構13と、4本のブレース15a,15b,15c,15dを備えたブレース機構14とから概ね構成してある。
ダンパー機構13は図2に詳細に示すように、4つのブレース取付け用セグメント21a,21b,21c,21dと、4つのせん断変形可能な履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dとから構成してある。
ここで、4つのブレース取付け用セグメント21a,21b,21c,21dは、例えばH型鋼を溶接等で適宜接合して構成することが可能であるとともに、想定される地震動に対して弾性範囲に収まるようにフランジ厚やウェブ厚を調整してある。
4つの履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dは、長方形状のウェブ部材の両縁にフランジ部材を設けたいわゆるI型鋼で構成してあり、長方形状のウェブ部材は、所定のせん断変形量を越えると塑性変形を生じるバイリニア型履歴減衰部材で構成してある。
そして、ダンパー機構13は、4つのブレース取付け用セグメント21a,21b,21c,21d及び4つの履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dが交互に配置されるように環状に接合してなる。すなわち、図2で説明すれば、ブレース取付け用セグメント21a、履歴減衰セグメント22a、ブレース取付け用セグメント21b、履歴減衰セグメント22b、ブレース取付け用セグメント21c、履歴減衰セグメント22c、ブレース取付け用セグメント21d、履歴減衰セグメント22d及びブレース取付け用セグメント21aを順次接合することで、矩形状の中央開口23が形成された環状のダンパー機構13が構成される。
ブレース機構14は、ダンパー機構13と同一面内において該ダンパー機構の中央開口23に設定された仮想中心、本実施形態では矩形状中央開口23の中心24からほぼX字状に延びるブレース配置軸線25a,25b,25c,25dに沿って4本のブレース15a,15b,15c,15dを配置するとともに該ブレースの基端を、上述したダンパー機構13のブレース取付け用セグメント21a,21b,21c,21dにそれぞれ接合してある。
一方、制振構造としての高架橋の下部構造12は上述したように、柱1,1及び梁2からなる鉄筋コンクリートの矩形状をなすラーメン架構3の構面に制振装置11を配置してあるが、さらに具体的には、ブレース15a,15dの先端を柱1と梁2とが取り合う隅部に接合し、ブレース15b,15cの先端を柱1と基礎であるフーチング8とが取り合う隅部にそれぞれぞ接合してある。
ここで、ブレース15a,15b,15c,15dを上述した4つの隅部に接合するにあたっては、引張力が伝達するようにする必要はない。例えば、かかる隅部にボックス状の嵌合部を取り付け、該嵌合部にブレース15a,15b,15c,15dの先端を嵌め込むようにしておけば足りる。
上述した履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dは、水平方向にせん断変形する一対の水平セグメント22a,22cと、鉛直方向にせん断変形する一対の鉛直セグメント22b,22dとに大別され、該鉛直セグメントのせん断変形高さL′(図2)が次式、
L′=L・(h/b) (1)
L; 水平セグメントのせん断変形高さ(図2参照)
h; 前記ラーメン架構の高さ(図1参照)
b; 前記ラーメン架構の幅(同)
となるようにかつ、鉛直セグメントの復元力特性fV(γ)が次式、
V(γ)=fH(γ)・(h/b) (2)
V(γ);鉛直セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する鉛直せん断力の大きさを示す一般式
H(γ);水平セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する水平せん断力の大きさを示す一般式
となるように水平セグメント22a,22c及び鉛直セグメント22b,22dを構成してある。
本実施形態に係る制振構造としての高架橋の下部構造12においては、4本のブレース15a,15b,15c,15dは概ねX字状に配設され、それらの中心付近にダンパー機構13が配置されることになるとともに、ダンパー機構13を構成するブレース取付け用セグメント21a,21cは、ブレース配置軸線25a,25cに沿って、ブレース取付け用セグメント21b,21dは、ブレース配置軸線25b,25dに沿ってそれぞれ対向配置され、それらの間に4つの履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dが介在することになる。
このようにすると、地震時水平力がラーメン架構3に作用して該ラーメン架構が図1であれば例えば右方向に変形する際、ラーメン架構3の対角線のうち、その長さが短くなる側のブレース15a,15cにはラーメン架構3から圧縮力が伝達され、該圧縮力は、図3に示すようにブレース取付け用セグメント21a,21cを介してダンパー機構13の両側方に作用する。
そのため、ダンパー機構13は、圧縮力が作用する側でブレース取付け用セグメント21a,21cの離間距離が短くなり、他方の側、すなわち、対角線の長さが長くなる側のブレース15b,15dが取り付けられたブレース取付け用セグメント21b,21dの離間距離が長くなる。
そして、かかるダンパー機構13の変形に伴い、履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dは図3でよくわかるように、強制的なせん断変形を受ける。
なお、ブレース取付け用セグメント21b,21dの離間距離が長くなる分だけ、ブレース15b,15dがそれぞれブレース配置軸線25b,25dに沿って押し出されることとなるが、ラーメン架構3も該軸線に沿った対角線に沿って長くなっているため、ブレース15b,15dの先端がラーメン架構3の接合箇所で反力を受けてダンパー機構13の変形が阻害される懸念はない。
すなわち、ブレース15b,15dの先端をラーメン架構3に当接させた状態で接合してあった場合、ブレース15a,15cが仮に剛体だとすれば、ダンパー機構13の変形によって、ブレース15b,15dの先端がラーメン架構3に当接されたままとなり、場合によってはラーメン架構3から反力を受けて、ダンパー機構13の変形を阻害する懸念が生じるが、ブレース15a,15cは弾性体であって圧縮力で短くなるため、実際には、ブレース15b,15dの先端とラーメン架構3とは離間し、該接合箇所で反力は生じない。
一方、地震荷重の反転によってラーメン架構3の変形が逆方向になると、今度は、他方のブレース15b,15dを介してラーメン架構3からダンパー機構13に圧縮力が伝達され、該ダンパー機構には、上述した変形とは鉛直方向に対称な変形が生じ、該ダンパー機構を構成する履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dは、上述したせん断変形とは正負が逆の強制的なせん断変形を受ける。
このように、地震時水平力が交番荷重としてラーメン架構3に作用し、それによってラーメン架構3が水平方向に振動するとき、本実施形態に係るダンパー機構13には、2本の対角線に沿った異なる二方向から圧縮力が交互に作用し、それによってダンパー機構13の履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dが強制的なせん断変形を受け、該強制せん断変形による履歴減衰によって、ラーメン架構3の振動エネルギーは速やかに吸収される。
図4(a)は、ラーメン架構3の水平振動に伴う制振装置11の履歴特性を、ブレース15a,15cによるもの(上段)とブレース15b,15dによるもの(下段)とに分けて描いた図である。
同図でわかるように、静的な状態(図4(a)中、点A)からラーメン架構3が右方向に地震荷重を受け始めると、ダンパー機構13はブレース15a,15cによる圧縮力によって図3に示しように変形し、制振装置11は、ダンパー機構13の初期剛性とブレース機構14の剛性を合わせた全体初期剛性に応じた弾性変形が進行する。次いで、ダンパー機構13の履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dが降伏することで、全体の履歴としては降伏点Bを越えて塑性変形が進行する。
次に、地震荷重によるラーメン架構3の変形が反転して図1で言えば左方向に変形し始めると、制振装置11は、点Cから全体初期剛性に応じた弾性変形によって点Dに移る。
次に、ラーメン架構3が元の位置とは逆方向(図1で言えば左方向)に変形し始めると、ダンパー機構13は、ブレース15b,15dから圧縮力を受けることにより、ダンパー機構13は該ブレースによる圧縮力によって図3に示した変形とは鉛直軸線に対して対称な変形を生じ、制振装置11は、ダンパー機構13の初期剛性とブレース機構14の剛性を合わせた全体初期剛性に応じた弾性変形が進行する。次いで、ダンパー機構13の履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dが降伏することで、全体の履歴としては降伏点Eを越えて塑性変形がFに向けて進行する。
以下、ラーメン架構3の水平変形が右方向か左方向かで、ダンパー機構13を圧縮するブレースが交互に切り替わり、上述したように、制振装置11の変形がG→H→I→J→Kと進行し、結局、制振装置11全体の履歴特性としては、図4(b)のようになる。なお、塑性変形がどこまで進み、どの時点で除荷されるかは、地震荷重の特性によって異なることは言うまでもない。
履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dは上述したように、水平方向にせん断変形する一対の水平セグメント22a,22cと、鉛直方向にせん断変形する一対の鉛直セグメント22b,22dとに大別され、かかる水平セグメント22a,22c及び鉛直セグメント22b,22dは、(1)式を満たすように構成してある。
そのため、地震時水平力によるせん断ひずみをγとすると、図5でわかるように、水平セグメント22a,22cの頂部はその底部に対してL・γだけ右方向に変位し、鉛直セグメント22b,22dの左縁はその右縁に対してL′・γだけ下方に変位する。
これは、ブレース配置軸線25a,25c上の仮想中心24が右にL・γ、下にL′・γ移動することになるが、その移動後の点24′は、(1)式により、ブレース配置軸線25a,25c上にくる。図5(b)中、θは、水平面に対するラーメン架構3の対角線角度であり、θ=tan -1(h/b)となる。
したがって、ラーメン架構3が変形してダンパー機構13がブレース15a,15cから軸力を受けたとしても、その作用線は、ブレース配置軸線25a,25c上であって、ブレース15aから受ける軸力とブレース15cから受ける軸力とがずれるおそれはなく、かくしてダンパー機構13の回転は未然に防止される。
また、水平セグメント22a,22c及び鉛直セグメント22b,22dに生ずる内力は、鉛直セグメント22c,22dの復元力特性を図6(a)に示すバイリニア型のfV(γ)、水平セグメント22a,22cの復元力特性を同図(b)に示すバイリニア型のfH(γ)とすると、ダンパー機構13の内力は図6(c)のようになるが、水平セグメント22a,22c及び鉛直セグメント22b,22dは(2)式を満たすように構成してあるため、これらの内力は同図(d)に示す通り、ブレース15a,15cの材軸である25a,25cに一致する(同図(c)の実線はブレース15aからの強制変形で生じた内力、破線はブレース15cからの強制変形で生じた内力)。
したがって、ダンパー機構13の内力は、同一作用線上でブレース15a,15cからの軸力と釣り合うこととなり、ダンパー機構13の回転は未然に防止される。
鉛直セグメント22c,22dの復元力特性及び水平セグメント22a,22cの復元力特性は、図6(a)、(b)に示したバイリニア型の場合、具体的には以下の関係に設定すればよい。
V1/kH1=(h/b)
V2/kH2=(h/b)
γVYHY
VY/SHY=(h/b)
以上説明したように、本実施形態に係る制振構造としての高架橋の下部構造12によれば、ブレース15a,15b,15c,15dの先端をラーメン架構3に引張定着せずとも、図8に示したダンパーブレース機構と同様に、ラーメン架構3の振動エネルギーをダンパー機構13で吸収させることが可能となり、既設のラーメン架構を耐震補強するのに最適な制振構造が実現する。
また、本実施形態に係る制振構造としての高架橋の下部構造12によれば、水平セグメント22a,22c及び鉛直セグメント22b,22dを(1)式及び(2)式を満たすように構成したので、ダンパー機構13の回転を未然に防止することが可能となる。
本実施形態では特に言及しなかったが、本発明の制振構造は、ブレースの先端をラーメン構造に引張定着することを除外するものではなく、例えば新設の工事において、各ブレースの先端を引張定着させてもかまわない。
かかる構成においては、ラーメン架構の振動によって対角線が長くなる方向に配置されたブレースに引張力が入ることになるが、かかる引張力は、本発明に係るダンパー機構の作用を何ら減じるものではない。
また、本実施形態では特に言及しなかったが、4本のブレース15a,15b,15c,15dのうち、隣り合うブレースを面外座屈防止部材を介して互いにピン接合するようにしてもよい。
図7は、かかる変形例を示したものであり、ブレース15a,15bを面外座屈防止部材32aを介して互いにピン接合してある。以下、同様に、ブレース15b,15cを面外座屈防止部材32bを介して、ブレース15c,15dを面外座屈防止部材32cを介して、ブレース15d,15aを面外座屈防止部材32dを介してそれぞれ互いにピン接合してある。
面外座屈防止部材32a,32b,32c,32dは、例えば山型鋼や、C型鋼で構成することができる。
かかる構成によれば、ダンパー機構13、特に履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dに局部面外座屈が生じる状況が発生したとしても、面外座屈防止部材32a,32b,32c,32dの作用によってダンパー機構13及びブレース機構14が面外方向に全体座屈するのを防止することができるとともに、その結果として、履歴減衰セグメント22a,22b,22c,22dも局部面外座屈を起こすことなく、上述したせん断変形による履歴減衰によって、ラーメン架構の振動エネルギーの吸収を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、制振構造である高架橋の下部構造をその構面が橋軸方向に直交する場合について説明したが、これに加えてあるいはこれに代えて、構面が橋軸方向に平行となるように本発明の制振装置を配置して制振構造としてもよい。
さらに、本発明に係る制振構造としての高架橋の下部構造を、上部構造である床板ごとに適用してもよいし、床板を相互に剛結してなる一体化された上部構造に対して適用してもよい。なお、これらの場合においても、制振装置を橋軸方向に平行なラーメン架構の構面に配置するか、橋軸方向に直交するラーメン架構の構面に配置するかは任意であり、いずれか単独でもよいし、適宜組み合わせてもかまわない。
本実施形態に係る制振構造の正面図。 ダンパー機構を示した詳細図。 変形状態のダンパー機構を示した詳細図。 本実施形態に係る制振構造の履歴特性を示した図。 本実施形態に係る制振構造の作用を示した図。 同じく制振構造の作用を示した図。 変形例に係る制振装置を示した正面図。 従来技術に係るダンパーブレース機構を示した図。
符号の説明
1 柱
2 梁
3 ラーメン架構
11 制振装置
12 高架橋の下部構造(制振構造)
13 ダンパー機構
14 ブレース機構
15a,15b,15c,15d ブレース
21a,21b,21c,21d ブレース取付け用セグメント
22a,22c 水平セグメント(履歴減衰セグメント)
22b,22d 鉛直セグメント(履歴減衰セグメント)
24 仮想中心
25a,25b,25c,25d ブレース配置軸線
32a,32b,32c,32d 面外座屈防止部材

Claims (3)

  1. 4つのブレース取付け用セグメントと4つのせん断変形可能な履歴減衰セグメントとを該ブレース取付け用セグメント及び該履歴減衰セグメントが交互に配置されるように環状に接合してなるダンパー機構と、該ダンパー機構と同一面内において該ダンパー機構の中央開口に設定された仮想中心からほぼX字状に延びるブレース配置軸線に沿って4本のブレースを配置するとともに該ブレースの基端を前記ブレース取付け用セグメントにそれぞれ接合してなるブレース機構とを備えた制振装置を、矩形状をなすラーメン架構の構面に配置するとともに、前記4本のブレースの先端を前記ラーメン架構を構成する柱、梁、基礎又はそれらが取り合う隅部にそれぞれ接合してなり、前記履歴減衰セグメントを、水平方向にせん断変形する一対の水平セグメントと鉛直方向にせん断変形する一対の鉛直セグメントとで構成するとともに、前記鉛直セグメントのせん断変形高さL′が次式、
    L′=L・(h/b)
    L; 水平セグメントのせん断変形高さ
    h; 前記ラーメン架構の高さ
    b; 前記ラーメン架構の幅
    となるようにかつ、前記鉛直セグメントの復元力特性fV(γ)が次式、
    V(γ)=fH(γ)・(h/b)
    V(γ);鉛直セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する鉛直せん断力の大きさを示す一般式
    H(γ);水平セグメントの復元力特性であり、せん断ひずみγに対する水平せん断力の大きさを示す一般式
    となるように前記水平セグメント及び前記鉛直セグメントを構成し、
    前記各ブレース取付け用セグメントを、想定される地震動に対してそれらの変形量が弾性範囲に収まるように構成することにより、前記4本のブレースのうち、互いに向かい合う2本のブレースを介して前記ブレース配置軸線に沿った異なる二方向から圧縮力が交互に作用したとき、該圧縮力のみによって前記履歴減衰セグメントが強制的なせん断変形を受けるようになっていることを特徴とする制振構造。
  2. 前記履歴減衰セグメントを、長方形状のウェブ部材とその両縁に設けたフランジ部材とで構成し、該履歴減衰セグメントと前記ブレース取付け用セグメントとが交互に配置されるように順次接合することで、前記ダンパー機構を、矩形状の中央開口が形成された環状のダンパー機構として構成した請求項1記載の制振構造。
  3. 前記4本のブレースのうち、隣り合うブレースを面外座屈防止部材を介して互いにピン接合した請求項1又は請求項2記載の制振構造。
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