JP4058697B2 - ラック用柱脚およびそのラック用柱脚が配設されているラック - Google Patents
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前記座屈防止部材は、ラック設置用床面に固着され、前記塑性変形部材は、その上端部が柱材に固着されかつその下端部が前記ラック設置用床面または前記座屈防止部材において前記ラック設置用床面の近傍箇所に固着されている点にある。
そして、地震により柱脚部に圧縮力や引っ張り力がかかると、塑性変形部材の塑性変形により圧縮力や引っ張り力のエネルギー吸収を行い、座屈防止部材により塑性変形部材の座屈を防止することができ、制振することができることになる。
しかも、板状の塑性変形部材を一対の座屈防止部材にて単純に挟み込むことができることにより、より一層構成の簡素化を図ることができることになる。
そして、座屈防止部材と塑性変形部材との間に粘弾性体を介在させることにより、塑性変形部材が塑性変形によりその横側方へ広がっても、粘弾性体が弾性変形することにより塑性変形部材の横側方への広がり分を吸収して、塑性変形部材のポアソン比分の面外変形を吸収することができることになる。
すなわち、塑性変形部材を、制振を行うのに適した炭素鋼材またはステンレス鋼材にて構成することができ、地震により発生するエネルギー吸収を塑性変形部材の塑性変形により的確に行うことができることになる。
したがって、塑性変形部材を座屈防止部材に固着する構成および座屈防止部材をラック設置用床面に固着する構成の簡素化を図ることができることになる。
したがって、3本の柱の柱脚部のうち、制振構造を有するラック用柱脚を配設する数を極力減らしながら、地震に対するラック全体の制振を行うことができ、ラック全体としての構成の簡素化およびコストの低減を図ることができることになる。
したがって、2本の柱の柱脚部の一端部だけに制振構造を有するラック用柱脚を配設することにより、地震に対してラック全体の制振を行うことができ、ラック全体としての構成の簡素化およびコストの低減を図ることができることになる。
この自動倉庫は、図1に示すように、複数のラック架構1をその間に間隔を隔てる状態でラック設置用床面2上に並べて構成され、図示はしないが、ラック架構1どうしの間には、スタッカークレーンを走行するための走行経路を形成するように構成されている。
そして、ラック架構1は、4本の柱4が並立した第1ラック架構1aと、2本の柱4が並立した第2ラック架構1bとからなり、両端部に第2ラック架構1bを配置し、その第2ラック架構1bの間に2つの第1ラック架構1aを配置するように構成されている。
また、ラック架構1の中央部に位置する2本の柱4の柱脚部7において、その柱脚部7とラック設置用床面2との間に非制振ラック用脚部9が配設されている。
そして、第2ラック架構1bは、2本の柱4の柱脚部7のいずれにおいても、その柱脚部7とラック設置用床面2との間に非制振ラック用柱脚9が配設されている。
前記制振ラック用柱脚8は、図3〜図5に示すように、圧縮および引っ張りが作用する状態で柱脚部7に組み付けられる塑性変形部材11と、その塑性変形部材11を横側方より挟み込む一対の座屈防止部材12とから構成され、座屈防止部材12は、塑性変形部材11との間に例えばゴムシートからなる粘弾性体13を介在させてその粘弾性体13を挟み込む状態で設けられている。
ちなみに、図3は、制振ラック用柱脚8の分解斜視図であり、図4は、制振ラック用柱脚を組み付けた状態での側面図であり、図5は、制振ラック用柱脚を組み付けた状態での正面図である。
すなわち、塑性変形部材11は、下方幅広部分11a、中央幅狭部分11b、上方幅広部分11cが一連に連なるH状に形成され、下方幅広部分11aには、左右一対の下端部接合用孔11dが設けられている。
そして、起立部材12aとフランジ部材12bとは溶接により接合され、起立部材12aには、左右一対の塑性変形部材接合用上方孔12cと左右一対の塑性変形部材接合用下方孔12dとが上下に並ぶ状態で設けられ、フランジ部材12bにも、左右一対の床面接合用孔12eが設けられている。
また、起立部材12aが倒れるのを防止するために起立部材12aとフランジ部材12bとを連結する三角状の補強部材12fが設けられている。
そして、塑性変形部材11の下端部については、ラック設置用床面2の近傍箇所においてボルト接合により座屈防止部材12に固着するように構成されている。
そして、塑性変形部材11の下端部と座屈防止部材12とを固着する際に、図3に示すように、粘弾性体13とシムプレート16とを、塑性変形部材11と座屈防止部材12の間に介在させて、それら粘弾性体13とシムプレート16とを挟み込む状態で固着するように構成されている。
前記制振ラック用柱脚部8が、図6の(イ)に示すように、塑性変形部材11の厚みをTとし、粘弾性体13の厚みをtとして構成されている。
そして、図6の(ロ)に示すように、制振ラック用柱脚8に対して圧縮力がかかると、塑性変形部材11が、塑性変形により、上下方向にΔLだけ縮み、横側方にΔTだけ広がって塑性変形部材11の厚みがT+ΔTとなる。
このとき、粘弾性体13の弾性変形によって、塑性変形部材11の横側方へのΔTだけの広がりを吸収して、粘弾性体13の厚みがt−ΔT/2となるように構成されている。
(1)上記実施形態では、制振ラック用柱脚部8を4本の柱4が並立したラック架構1に対して配設した例を示したが、例えば、3本の柱4が並立したラック架構1に対して、その柱4の並び方向の両端部に制振ラック用柱脚部8を配設して実施することも可能である。
また、2本の柱4が並立したラック架構1に対しては、図7に示すように、その一端部において、柱脚部7とラック設置用床面2との間に制振ラック用柱脚部8を配設して実施することが可能である。
また、座屈防止部材12の形状についても、塑性変形部材11を挟み込む部分から外側方に延びるL字状に限らず、その形状については適宜変更が可能である。
また、座屈防止部材12は、アンカーボルト10によりラック設置用床面2に固着するようにしているが、座屈防止部材12をラック設置用床面2に固着する構成についても適宜変更が可能である。
2 ラック設置用床面
4 柱
7 柱脚部
10 アンカーボルト
11 塑性変形部材
12 座屈防止部材
13 粘弾性体
15 ボルト
Claims (6)
- 圧縮および引っ張りが作用する状態でラック構成用の柱脚部に組み付けられる塑性変形部材と、その塑性変形部材を横側方より挟み込む一対の座屈防止部材とが設けられ、
前記座屈防止部材は、ラック設置用床面に固着され、前記塑性変形部材は、その上端部が柱材に固着されかつその下端部が前記ラック設置用床面または前記座屈防止部材において前記ラック設置用床面の近傍箇所に固着されているラック用柱脚。 - 前記塑性変形部材は、その長さ方向の中央部の幅を幅狭とした板状に構成され、前記座屈防止部材は、前記塑性変形部材との間に粘弾性体を介在させてその粘弾性体を挟み込む状態で設けられている請求項1に記載のラック用柱脚。
- 前記塑性変形部材は、炭素鋼材またはステンレス鋼材により構成されている請求項1または2に記載のラック用柱脚。
- 前記塑性変形部材は、前記ラック設置用床面の近傍箇所において、前記座屈防止部材にボルト接合され、前記座屈防止部材は、前記塑性変形部材を挟み込む部分から外側方に延びるL字状に形成されて、アンカーボルトにより前記ラック設置用床面に固着されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のラック用柱脚。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のラック用柱脚が、3本の柱が並立したラック架構の両端部において、前記柱脚部と前記ラック設置用床面との間に配設されているラック。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のラック用柱脚が、2本の柱が並立したラック架構の一端部において、前記柱脚部と前記ラック設置用床面との間に配設されているラック。
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