JP2014234677A - ブレースダンパー - Google Patents

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Daigo Ishii
大吾 石井
寺田 岳彦
Takehiko Terada
岳彦 寺田
寧俊 立石
Yasutoshi Tateishi
寧俊 立石
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Abstract

【課題】部材の重量及びコストの増大を抑えつつ、拘束部材の強度を高める。
【解決手段】ブレースダンパーを、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体20と、ブレース本体20の周囲に装着されることによりブレース本体20の軸方向の変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材30と、を備え、拘束部材30は、前記ブレース本体20の両側に位置し、それぞれブレース本体20に沿って配置されるウェブ部31aとその両端部から立ち上がるフランジ部31b、31bとを有した断面C字状のチャンネル鋼材31と、一方の前記チャンネル鋼材31のフランジ部31bと他方の前記チャンネル鋼材31のフランジ部31bとの間に溶接されて設けられ、前記チャンネル鋼材31,31どうしを連結する連結プレート32と、を備えているものとした。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物にブレースとして設置されるとともに、建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーに関する。
地震や強風等に対する建物の応答性を低減する方法として、建物の要所にダンパーを設置する方法が一般によく知られている。ダンパーとしては、摩擦ダンパー、鋼材ダンパー、粘弾性体ダンパー等がよく用いられる。
一方、建物の地震被害では、ブレースの座屈による被害が多く見られ、それが建物全体の被害を大きくすることから、ブレースの座屈を防止するための補強を行うことが検討されている。
そこで、建物に補強ブレースとして設置されるとともに、建物の振動エネルギーを吸収することのできるダンパーとしても機能する、ブレースダンパーが提供されている。
ブレースダンパーは、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体と、ブレース本体の周囲に装着されることによりブレース本体の軸方向の変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材とから形成されている。
特許文献1〜3には、図5(a)に示すように、上記のようなブレースダンパーの拘束部材1として、ブレース本体2の両側面2a,2aに沿ってそれぞれ設けられた断面C字状のチャンネル鋼材3と、ブレース本体2の両側のチャンネル鋼材3,3同士を接続するカバープレート4,4と、から形成されたものが開示されている。このチャンネル鋼材3は、ブレース本体2の両側面2a,2aに平行に配置されるウェブ部3aと、ウェブ部3aの両端部からそれぞれ直交する方向に立ち上がるフランジ部3b,3bとから形成されることで、C字状をなしている。カバープレート4は、ブレース本体2の両側に配置された二個一対のチャンネル鋼材3,3のフランジ部3b、3bを跨ぐように配置されて、ボルト・ナット5によってフランジ部3b、3bに締結されている。これにより、チャンネル鋼材3とカバープレート4とから形成された拘束部材1は、その内部にブレース本体2を挟み込むように収容している。このようにして、拘束部材1はブレース本体2の面外方向への変形を拘束してその座屈を防止する。
また、特許文献4には、図6(a)に示すように、ブレースダンパーの拘束部材11として、ブレース本体12の鋼板12aに間隔を隔てて対向する鋼板13,13と、両鋼板13,13の幅方向の両側に隅肉溶接等により接合され、両鋼板13,13を保持する鋼板14,14と、から断面形状で箱形に組み立てられたものが開示されている。
特許第3941028号公報 特許第3637534号公報 特許第3820520号公報 特許第3407686号公報
しかしながら、上記したような従来の技術においては、以下に示すような問題が存在する。
まず、図5(a)に示したような拘束部材1においては、カバープレート4とチャンネル鋼材3とをボルト・ナット5で締結するために、カバープレート4の幅方向の両端部4aとフランジ部3bとが重なっている。例えば図6(a)に示したような構成と比較した場合、このカバープレート4の幅方向の両端部4aとフランジ部3bとが重なっている分だけ、必要な鋼材量が多くなるとともに、重量やコストも増えるという問題がある。
さらに、図5(a)に示す拘束部材1では、カバープレート4とチャンネル鋼材3のフランジ部3bとのボルト・ナット5による締結位置Pが、フランジ部3b(ウェブ部3a)においてブレース本体2の側面2aに対向する側の端部3eからオフセットしている。しかも、ブレース本体2の端部2bは、カバープレート4と接触しないよう、カバープレート4に対してクリアランスCを隔てた位置に配置されている。
そのため、ブレース本体2から、ブレース本体2の側面2aに直交する面外方向の力がチャンネル鋼材3に作用した場合、ボルト・ナット5における締結位置Pには、ブレース本体2の端部2bの位置からのモーメント力が作用する。したがって、図5(b)中に二点鎖線で示すように、カバープレート4とフランジ部3bの端部3e側との間で隙間が広がるような、フランジ部3bがねじれる変形が生じる可能性がある。そこで、このような変形に抗するため、チャンネル鋼材3やカバープレート4の肉厚を増やしたり、ボルト・ナット5をより高強度のものとすることが考えられるが、これでは重量増、コスト増につながることとなり、その点で改良の余地があった。
一方、図6(a)に示した構成においては、ブレース本体12の鋼板12aに沿った鋼板13と、この鋼板13に直交する鋼板14とを隅肉溶接するに際し、当然、ブレース本体12の鋼板12a側からは隅肉溶接が行えないため、鋼板13において、ブレース本体12に対向する側とは反対側(断面形状で箱状の拘束部材11の外側)の端部13aにおいて隅肉溶接が行われる。その結果、鋼板13においてブレース本体12の鋼板12aに対向する側の端部13bは、鋼板14と溶接されていないことになる。
そのため、図5に示した場合と同様に、ブレース本体12から、鋼板12aに直交する面外方向の力が鋼板13に作用した場合、鋼板13と鋼板14との溶接部位Wには、ブレース本体12の端部12bの位置からのモーメント力が作用する。その結果、図6(b)中に二点鎖線で示すように、鋼板14と鋼板13の端部13bとの間で隙間が広がるような変形が生じる可能性がある。このような変形が生じると、溶接部位Wを引き裂くような力が作用する。これに抗するため、鋼板13,14の肉厚を増して溶接部位Wにおける溶け込み深さを大きくすること等が考えられるが、この場合も、重量増、コスト増につながるため、好ましくない。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、部材の重量及びコストの増大を抑えつつ、拘束部材の強度を高めることのできるブレースダンパーを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のブレースダンパーは、建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体と、前記ブレース本体の周囲に装着されることにより該ブレース本体の軸方向の変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材と、を備え、前記拘束部材は、前記ブレース本体の両側に位置し、それぞれ、前記ブレース本体に沿って配置されるウェブ部とその両端部から立ち上がるフランジ部とを有した断面C字状のチャンネル鋼材と、一方の前記チャンネル鋼材の前記フランジ部と他方の前記チャンネル鋼材の前記フランジ部との間に溶接されて設けられて、前記チャンネル鋼材どうしを連結する連結プレートと、を備えていることを特徴とする。
本発明では、チャンネル鋼材と連結プレートとが重なり合うこともなく、最小限の材料で拘束部材を形成することができる。したがって、部材の重量及び材料コストを抑えることが可能となっている。
また、チャンネル鋼材と連結プレートは、ブレース本体と対向するチャンネル鋼材のウェブ部の表面に沿った位置で互いに突き合わされて溶接されることとなる。これにより、ブレース本体がチャンネル鋼材のウェブ部に突き当たるような変形をした場合にも、ブレース本体から入力される力が、チャンネル鋼材と連結プレートとの溶接部位に対してモーメント力として作用することがなく、チャンネル鋼材に変形が生じるのを防ぐことができる。したがって、チャンネル鋼材や連結プレートの肉厚を最小限とすることができる。
また、本発明のブレースダンパーでは、前記連結プレートは、前記フランジ部の表面よりも前記拘束部材の外方に向けて突出するように配置され、前記連結プレートの側面と前記フランジ部との前記表面とが隅肉溶接されているようにしてもよい。
この場合には、連結プレートとフランジ部とを、容易かつ確実に強固に接合することができる。
また、本発明のブレースダンパーでは、ブレース本体は、両端部に前記建物に固定される固定部を有したメイン芯材と、前記メイン芯材に沿うようにして設けられたサブ芯材と、を重ね合わせて形成されているようにしてもよい。
これによりメイン芯材とサブ芯材との重ね合わせ枚数を必要に応じて調整することで、高い降伏耐力のブレース本体であっても容易に実現することが可能となる。
また、本発明のブレースダンパーでは、前記サブ芯材は、前記メイン芯材よりも軸方向に沿った長さが小さく設定されているようにしてもよい。
これにより、ブレース本体の長さ方向の中間部の塑性化部においては、必要とされる降伏耐力を確保できるだけの板厚を確保しつつ、両端部の固定部が形成されている部分は、メイン芯材のみとすることができる。これにより、固定部の板厚を最低限として、必要鋼材量を減少させることができる。
また、本発明のブレースダンパーでは、前記ブレース本体と前記拘束部材とに、それぞれ前記ブレースダンパーの軸方向に沿って連続する長孔が形成され、前記ブレース本体の前記長孔と前記拘束部材の前記長孔とにボルトを貫通させて、前記ブレース本体と前記拘束部材とが、前記ブレース本体の軸方向に相対変位可能に連結されているようにしてもよい。
この場合、ブレース本体のみ、または拘束部材にのみ長孔を形成した場合に比較し、ブレース本体と拘束部材とで同じ相対変位量を確保するのに、長孔の長さが半分で済む。そのため、ブレース本体と拘束部材とが重なり合う長さ、つまりチャンネル鋼材の長さを少なくすることができ、使用鋼材料を減らすことができる。
本発明のブレースダンパーによれば、部材の重量及びコストが増加するのを抑えつつ、拘束部材の強度を高めることが可能となる。
本発明の実施の形態におけるブレースダンパーの構成を示す図であり、(a)はブレースダンパーの側面図、(b)はブレースダンパーの平面図である。 ブレースダンパーのブレース本体を構成する部材を示す図であり、(a)はブレース本体の平面図、(b)はメイン芯材の側面図、(c)はサブ芯材の側面図、(d)は緩衝材の側面図である。 (a)は図1(a)に示すA−A断面図、(b)は(a)示す要部拡大図である。 図1(a)に示すB−B断面図である。 従来のブレースダンパーの一例を示す図であり、(a)はブレースダンパーの断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 従来のブレースダンパーの他の一例を示す図であり、(a)はブレースダンパーの断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
以下、添付図面を参照して、本発明によるブレースダンパーを実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施の形態のみに限定されるものではない。
図1に示すように、本実施の形態のブレースダンパーAは、ブレース本体20と、その周囲に装着されてブレース本体20の座屈を防止する拘束部材30と、からなる。
図2(a)に示すように、ブレース本体20は、軸方向の両端部20a,20bが建物に対して固定されることでこれ自体が通常のブレースとして機能するものである。
図2(a)、(b)、(c)に示すように、ブレース本体20は、それぞれ帯状の鋼板からなる、メイン芯材21と、サブ芯材22と、から構成されている。
メイン芯材21及びサブ芯材22は、それぞれその軸方向の中央部が、一定長Lにわたって一定の幅寸法W1を有した塑性化部21a,22aとされている。
メイン芯材21及びサブ芯材22の軸方向の両端部は、それぞれ、塑性化部21a,22aの幅寸法W1よりも大きな幅寸法W2を有したエンドプレート部21b,22bが形成されている。このため、メイン芯材21,サブ芯材22には、幅寸法が塑性化部21a,22aからエンドプレート部21b,22bに向けて漸次拡大する拡幅部21d、22dが形成されている。
これらメイン芯材21及びサブ芯材22は、塑性化部21a,22aを互いに重ね合わせて配置されている。
メイン芯材21の両端部のエンドプレート部21bには、それぞれ、その幅方向の両端部に、エンドプレート部21bの表面21fに直交するフランジプレート23が溶接されて設けられている。そして、メイン芯材21のエンドプレート部21bとフランジプレート23には、メイン芯材21の終端21h近傍に、メイン芯材21(ブレース本体20)を建物に対して固定するための複数のボルト孔(固定部)24が形成されている。
サブ芯材22は、その全長が、メイン芯材21よりも短く設定されている。これにより、サブ芯材22のエンドプレート部22bは、その終端22hが、メイン芯材21のエンドプレート部21b上に位置するようになっている。これにより、メイン芯材21のエンドプレート部21bに形成された複数のボルト孔24が露出している。
本実施の形態において、サブ芯材22は、メイン芯材21の両側にそれぞれ配置され、1枚のメイン芯材21と2枚のサブ芯材22とによってブレース本体20を構成しているが、サブ芯材22の積層枚数については何ら限定するものではない。例えば、メイン芯材21の一方の側のみにサブ芯材22を設けてもよいし、メイン芯材21の一方または双方の側に、2枚以上のサブ芯材22を積層してもよい。
ここで、以下の説明において、メイン芯材21とサブ芯材22とを区別して説明する必要がある場合を除き、互いに重ね合わせたメイン芯材21とサブ芯材22とを、ブレース本体20と称することがある。
図1及び図3に示すように、拘束部材30は、ブレース本体20の両側に位置する二個一対の断面C字状のチャンネル鋼材31と、これら二個一対のチャンネル鋼材31,31どうしを連結する連結プレート32と、から形成されている。
チャンネル鋼材31は、ブレース本体20の表面に平行に配置されるウェブ部31aと、ウェブ部31aの両端部からそれぞれ直交する方向に立ち上がるフランジ部31b,31bと、から形成されることで、C字状をなしている。二個一対のチャンネル鋼材31,31は、それぞれ、フランジ部31b、31bをブレース本体20から離間する側に向けた状態で、ウェブ部31aをブレース本体20に対向させて配置されている。
連結プレート32は、ブレース本体20の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。これらの連結プレート32は、それぞれブレース本体20の両側に配置された二個一対のチャンネル鋼材31,31のフランジ部31b,31bの間に配置されている。具体的に連結プレート32は、フランジ部31b,31bと平行な面内に位置し、その幅方向の両端部32a,32aが、その両側のフランジ部31b,31bに溶接により接合されている。ここで、連結プレート32は、外方を向く側(ブレース本体20側とは反対側)の表面32fが、フランジ部31bの表面31fよりも外方に突出するよう配置されている。
そして、これにより、連結プレート32の両端部32a,32aの側面32b,32bとフランジ部31bの表面31fとが直交するので、その交差部を隅肉溶接することによって、連結プレート32と両側のフランジ部31b,31bとが一体に接合されている。このような連結プレート32は、隅肉溶接の溶け込み深さ+5mm程度以上の板厚とするのが好ましい。
なお、この連結プレート32は、ブレース本体20を構成するメイン芯材21,サブ芯材22の拡幅部21d,22dと干渉しないよう、塑性化部21a,22aに対応する領域にのみ設けられている。
このように、チャンネル鋼材31と連結プレート32とから形成された拘束部材30は、中央部に箱状の空間を有した断面H型状とされ、その空間内にブレース本体20を挟み込むように収容している。したがって、拘束部材30は、ブレース本体20の面外方向への変形を拘束してその座屈を防止する機能を有している。
このとき、ブレース本体20をダンパーとして機能させるためにはブレース本体20の軸方向の変形は拘束しないようにする必要があり、そのため、ブレース本体20と連結プレート32との間との間には、それぞれたとえば数mm程度の若干のクリアランスが確保されている。
さらに図2(d)及び図3(a)に示すように、ブレース本体20と、その両側のチャンネル鋼材31のウェブ部31aとの間にはそれらをアンボンド(非付着)状態に維持して軸方向の相対変形を許容するための緩衝材50を介装するようにしてもよい。緩衝材50としては、例えばクロロプレンゴム等の高分子系材料からなるシート材が好適に採用可能である。
この緩衝材50は、チャンネル鋼材31と連結プレート32との隅肉溶接部から、例えば20mm以上離して設置するのが好ましい。これにより、溶接時の熱影響により緩衝材50が溶解するのを防止できる。
また、図1及び図3(a)に示すように、拘束部材30における、ブレース本体20の座屈に対する補剛効果を高めるため、チャンネル鋼材31に、リブを設けることもできる。このリブとしては、各チャンネル鋼材31のフランジ部31b,31bの間において、フランジ部31b,31bと平行にチャンネル鋼材31の軸方向に連続する横リブ35と、横リブ35に直交して交差し、フランジ部31b,31b間を結ぶ縦リブ36とを、溶接によってチャンネル鋼材31に一体に設けることができる。縦リブ36を設けることにより、フランジ部31b,31bとの間で横リブ35が拘束され、これによって、横リブ35を有効に機能させることが可能となる。
ここで、拘束部材30における面外座屈耐力をPcr、ブレース本体20の降伏耐力をPyとしたとき、
Pcr/Py≧3
となるように、必要に応じて横リブ35及び縦リブ36を設けるのが好ましい。
このような拘束部材30は、その軸方向の両端部において、それぞれ、ブレース本体20に連結されている。
このため、図1、図2(b)、(c)に示すように、拘束部材30の一端側においては、ブレース本体20を構成するメイン芯材21とサブ芯材22、及び拘束部材30を構成するチャンネル鋼材31のウェブ部31aに、それぞれボルト孔(丸孔)61が貫通形成されている。そして、メイン芯材21、サブ芯材22、チャンネル鋼材31のウェブ部31aを重ね合わせた状態で、ボルト孔61にボルト60を貫通させてこれらを締結することによって、拘束部材30の一端部がブレース本体20に連結されている。
また、拘束部材30の他端側においては、ブレース本体20を構成するメイン芯材21とサブ芯材22、及び拘束部材30を構成するチャンネル鋼材31のウェブ部31aに、それぞれ、軸方向に一定長を有した長孔62,63,64が貫通されて形成されている。そして、図4に示すように、メイン芯材21、サブ芯材22、チャンネル鋼材31のウェブ部31aを重ね合わせた状態で、長孔62,63,64は重なり合うようになっている。これら長孔62,63,64にボルト60を貫通させてこれらを締結することによって、拘束部材30の他端部がブレース本体20に連結されている。
これにより、ブレース本体20と拘束部材30は、一端側が拘束され、長孔62,63,64が形成された他端側が、軸方向に沿って相対的にスライド可能な状態で連結されている。これにより、ブレース本体20の軸方向への変形を拘束部材30が許容できるようになっている。
次に、上述したブレースダンパーAの作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態のブレースダンパーAは、建物を補強するブレースとしての機能と、建物の振動を減衰するダンパーとしての機能とを併せ持っている。したがって、ブレースダンパーAを建物に設置することで、建物に対する優れた補剛効果と振動エネルギー吸収効果とを同時に得ることができる。
すなわち、このブレースダンパーAは、図1、図2、及び図3に示すように、ブレース本体20が通常のブレースと同様に機能し、特に拘束部材30がブレース本体20の面外座屈を有効に防止して優れた座屈強度を有するものである。
ここで、拘束部材30は、C型のチャンネル鋼材31,31を、帯状の連結プレート32,32で連結することによって形成されている。これにより、チャンネル鋼材31,31と連結プレート32,32とが重なり合うこともなく、最小限の材料で拘束部材30を形成することができている。したがって、部材の重量及び材料コストを抑えることが可能となっている。また、C型のチャンネル鋼材31は、一般に安価であり、この点においても材料コスト抑制につながる。
さらに、図3(b)に示すように、チャンネル鋼材31と連結プレート32は、ブレース本体20と対向するチャンネル鋼材31のウェブ部31aに沿った面で互いに突き合わされて溶接されている。
これにより、ブレース本体20がチャンネル鋼材31のウェブ部31aに突き当たるような変形をした場合にも、ブレース本体20から入力される力が、チャンネル鋼材31と連結プレート32との溶接部位に対してモーメント力として作用することがなく、純粋なせん断力として作用する。このため、チャンネル鋼材31のフランジ部31bがねじられるような変形が生じることもない。したがって、チャンネル鋼材31や連結プレート32の肉厚も最小限で済み、この点においても、部材の重量や材料コストの増大を抑えることができる。
また、ブレース本体20は、メイン芯材21とサブ芯材22とを重ね合わせることによって、所要の降伏耐力を確保することができる。サブ芯材22を用いずにメイン芯材21のみで所要の降伏耐力を確保しようとする構成においては、例えば4500kN以上といった高い降伏耐力を確保しようとすると、メイン芯材21に必要な板厚が例えば50mm以上となることがあり、そのような板厚を有したメイン芯材21を入手することができないことがある。これに対し、上記のようにメイン芯材21とサブ芯材22とを重ね合わせる構成によれば、その重ね合わせ枚数を必要に応じて調整することで、高い降伏耐力であってもブレース本体20を実現することが可能となる。
さらに、サブ芯材22は、メイン芯材21よりも軸方向の長さが短くなっているので、両端部のボルト孔24が形成されている部分は、メイン芯材21のみとなっている。メイン芯材21のみでブレース本体20を形成した場合には、ボルト孔24の部分も、塑性化部21aと同じ板厚で形成する必要があるが、これに対し、サブ芯材22をメイン芯材21よりも短くすることによって、必要鋼材量を減少させることができる。
この点からして、メイン芯材21は、ボルト孔24が形成されている部分で必要な最小限の板厚としつつ、サブ芯材22の板厚や枚数を調整することによって、ブレース本体20全体として必要な降伏耐力を確保するようにするのが好ましい。
さらに、ブレース本体20の軸方向への変形を拘束部材30が許容できるよう、ブレース本体20を構成するメイン芯材21とサブ芯材22、及び拘束部材30を構成するチャンネル鋼材31のウェブ部31aに、それぞれ、軸方向に一定長を有した長孔62,63,64を貫通形成し、これら長孔62,63,64にボルト60を貫通させるようにした。例えば、同じブレース本体20と拘束部材30との相対変位を確保しようとした場合、拘束部材30のみ、あるいはメイン芯材21及びサブ芯材22のみに長孔を形成した場合に比較し、メイン芯材21とサブ芯材22、及び拘束部材30の双方に長孔62,63,64を形成することによって、長孔62,63,64の長さが半分で済む。この点においても、メイン芯材21とサブ芯材22、及び拘束部材30の重なり合う長さ、つまりチャンネル鋼材31の長さを少なくすることができ、使用鋼材料を減らすことができる。
このようにして、ダンパーAを構成する部材の重量増及びコスト増を抑えつつ、拘束部材30の強度、ブレース本体20の降伏耐力を高めることが可能となる。
以上、本発明によるブレースダンパーの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、連結プレート32がチャンネル鋼材31のフランジ部31bに沿って連続的に設けられているが、このような構成に限定されることはなく、フランジ部31bに沿って断続的に設けるようにしてもよい。
また、ブレース本体20の各部形状や構成については、所要の機能を果たすことができるのであれば、いかなる構成としてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
A ブレースダンパー
11 拘束部材
12 ブレース本体
13 鋼板
14 鋼板
20 ブレース本体
20a,20b 両端部
21 メイン芯材
21a,22a 塑性化部
21b,22b エンドプレート部
22 サブ芯材
23 フランジプレート
24 ボルト孔(固定部)
30 拘束部材
31 チャンネル鋼材
31a ウェブ部
31b フランジ部
32 連結プレート
32a 端部
32b 側面
32f 表面
35 横リブ
36 縦リブ
50 緩衝材
60 ボルト
62,63,64 長孔

Claims (5)

  1. 建物にブレースとして設置されるとともに建物の振動エネルギーを吸収するダンパーとしても機能するブレースダンパーであって、
    両端が建物に対して固定される帯板状の鋼板からなるブレース本体と、
    前記ブレース本体の周囲に装着されることにより該ブレース本体の軸方向の変形を許容しつつ面外座屈を防止する拘束部材と、を備え、
    前記拘束部材は、
    前記ブレース本体の両側に位置し、それぞれ、前記ブレース本体に沿って配置されるウェブ部とその両端部から立ち上がるフランジ部とを有した断面C字状のチャンネル鋼材と、
    一方の前記チャンネル鋼材の前記フランジ部と他方の前記チャンネル鋼材の前記フランジ部との間に溶接されて設けられ、前記チャンネル鋼材どうしを連結する連結プレートと、を備えていることを特徴とするブレースダンパー。
  2. 前記連結プレートは、前記フランジ部の表面よりも前記拘束部材の外方に向けて突出するように配置され、前記連結プレートの側面と前記フランジ部との前記表面とが隅肉溶接されていることを特徴とする請求項1に記載のブレースダンパー。
  3. ブレース本体は、
    両端部に前記建物に固定される固定部を有したメイン芯材と、
    前記メイン芯材に沿うようにして設けられたサブ芯材と、
    を重ね合わせて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブレースダンパー。
  4. 前記サブ芯材は、前記メイン芯材よりも軸方向に沿った長さが小さく設定されていることを特徴とする請求項3に記載のブレースダンパー。
  5. 前記ブレース本体と、前記拘束部材とに、それぞれ前記ブレースダンパーの軸方向に沿って連続する長孔が形成され、
    前記ブレース本体の前記長孔と前記拘束部材の前記長孔とにボルトを貫通させて、前記ブレース本体と前記拘束部材とが、前記ブレース本体の軸方向に相対変位可能に連結されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のブレースダンパー。
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