JP7034361B1 - 座屈拘束ブレース、及び耐力構造物 - Google Patents

座屈拘束ブレース、及び耐力構造物 Download PDF

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    • F16F7/12Vibration-dampers; Shock-absorbers using plastic deformation of members

Abstract

【課題】座屈拘束ブレース自体の強度は損なわないまま、座屈拘束ブレース自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向変形を受けた後の残留変形を低減することができる座屈拘束ブレース、及び耐力構造物を提供すること。【解決手段】座屈拘束ブレース1は、芯材2と、拘束部材3と、を備え、芯材2は、第1の降伏点を有する第1の鋼板21と、第1の降伏点と異なる第2の降伏点を有する第2の鋼板22と、第1の降伏点と異なる第3の降伏点を有する第3の鋼板23と、を有し、第2の鋼板22及び第3の鋼板23は第1の鋼板21を挟み込んでおり、第1の鋼板21の第1の塑性化部21aの軸方向の長さは、第2の鋼板22の第2の塑性化部22aの軸方向の長さと異なり、かつ第3の鋼板23の第3の塑性化部23aの軸方向の長さと異なることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、座屈拘束ブレース、及び耐力構造物に関する。
従来から、建築、橋梁構造物の補強材として、座屈拘束ブレースが用いられることがある。座屈拘束ブレースにおいては、軸力を受ける芯材が外周側から拘束部材等によって拘束されることで、軸方向以外の変形や座屈を防止されながら塑性変形する。座屈拘束ブレースを用いることにより、建築や橋梁構造物の耐震・制震性能が向上する。
特許文献1には、降伏点の異なる2種類の鋼板を芯材に用いる座屈拘束ブレースが開示される。2種類の鋼板を異なる降伏点において降伏させることにより、異なる規模の地震動に対する地震エネルギーをより効率的に吸収する。
中国特許第103938748号明細書
建築や橋梁構造物において、地震等により軸方向塑性変形を受けた後に大きな残留変形が残っていると、構造物の継続使用が不可能となる可能性がある。したがって、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の残留変形を低減することができる座屈拘束ブレースが求められている。一方で、座屈拘束ブレース自体の強度は損なわれないことが望ましい。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、座屈拘束ブレース自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向変形を受けた後の残留変形を低減することができる座屈拘束ブレース、及び耐力構造物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る座屈拘束ブレースは、軸方向に延びる芯材と、前記芯材の前記軸方向における両端部を突出させた状態で、前記芯材の外周側を覆う拘束部材と、を備え、前記芯材は、第1の降伏点を有する第1の鋼板と、前記第1の降伏点と異なる第2の降伏点を有する第2の鋼板と、前記第1の降伏点と異なる第3の降伏点を有する第3の鋼板と、を有し、前記第2の鋼板及び前記第3の鋼板は、前記第1の鋼板を挟み込んでおり、前記第1の鋼板の前記軸方向の中央部には、前記軸方向の両端部よりも軸方向強度が低い第1の塑性化部が設けられており、前記第2の鋼板の前記軸方向の中央部には、前記軸方向の両端部よりも軸方向強度が低い第2の塑性化部が設けられており、前記第3の鋼板の前記軸方向の中央部には、前記軸方向の両端部よりも軸方向強度が低い第3の塑性化部が設けられており、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さと異なり、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと異なることを特徴とする。
芯材が、降伏点の異なる2種類の鋼板により構成されている。したがって、芯材に作用する軸方向荷重が所定範囲内である変形領域においては、第1~第3の鋼板のうち降伏点が低い鋼板は塑性化しているが、第1~第3の鋼板のうち降伏点が高い鋼板は弾性範囲となっている。この変形領域においては、第1~第3の鋼板のうち降伏点が高い鋼板は弾性範囲にあるため、座屈拘束ブレース全体としての二次剛性が高く、したがって座屈拘束ブレースの残留変形は低減する。第1の塑性化部の軸方向の長さを、第2の塑性化部の軸方向の長さ、及び第3の塑性化部の軸方向の長さと異ならせることにより、鋼板の降伏変形比が大きくなるよう調整することができる。この結果、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の残留変形を低減させる効果を高めることができる。
さらに、第2の鋼板及び第3の鋼板が、第1の鋼板を挟み込むことにより、第1の鋼板と、第2の鋼板及び第3の鋼板とが互いによって支持される。したがって、第1~第3の塑性化部の軸方向の長さを変更することによる第1~第3の塑性化部の首折れを防止することができ、座屈拘束ブレースの強度を確保することができる。
以上より、本発明に係る座屈拘束ブレースによれば、座屈拘束ブレース自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向変形を受けた後の座屈拘束ブレースの残留変形を低減することができる。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第1の塑性化部の幅は、前記第1の鋼板の前記軸方向の両端部の幅よりも狭く、前記第2の塑性化部の幅は、前記第2の鋼板の前記軸方向の両端部の幅よりも狭く、前記第3の塑性化部の幅は、前記第3の鋼板の前記軸方向の両端部の幅よりも狭くてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材の前記両端部のそれぞれに設けられ、第1の接合部分において前記第1の鋼板と接合し、第2の接合部分において前記第2の鋼板と接合し、第3の接合部分において前記第3の鋼板と接合される接合部材を更に備えてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第1の降伏点は、前記第2の降伏点よりも高く、かつ前記第3の降伏点よりも高く、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長く、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長くてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材に前記第2の鋼板または前記第3の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第1の降伏点変位に対する、前記芯材に前記第1の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第2の降伏点変位の比である、降伏変形比が、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さ及び前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと同一である場合に比べて大きくなるように、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長くされ、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長くされていてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材の前記両端部のそれぞれに設けられ、第1の接合部分において前記第1の鋼板と接合し、第2の接合部分において前記第2の鋼板と接合し、第3の接合部分において前記第3の鋼板と接合される接合部材を更に備え、前記第2の接合部分及び前記第3の接合部分は、前記第1の接合部分よりも前記軸方向の中央側に設けられてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第1の鋼板は、前記第1の塑性化部が前記拘束部材から突出するよう設けられていてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第1の降伏点は、前記第2の降伏点よりも低く、かつ前記第3の降伏点よりも低く、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短く、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短くてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材に前記第1の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第1の降伏点変位に対する、前記芯材に前記第2の鋼板または前記第3の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第2の降伏点変位の比である、降伏変形比が、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さ及び前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと同一である場合に比べて大きくなるように、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短くされ、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短くされていてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記芯材の前記両端部のそれぞれに設けられ、第1の接合部分において前記第1の鋼板と接合し、第2の接合部分において前記第2の鋼板と接合し、第3の接合部分において前記第3の鋼板と接合される接合部材を更に備え、前記第1の接合部分は、前記第2の接合部分及び前記第3の接合部分よりも前記軸方向の中央側に設けられてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第2の鋼板は、前記第2の塑性化部が前記拘束部材から突出するよう配置され、前記第3の鋼板は、前記第3の塑性化部が前記拘束部材から突出するよう設けられていてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第1の接合部分は、前記第2の接合部分と前記軸方向に重ならないよう設けられ、かつ前記第3の接合部分と前記軸方向に重ならないよう設けられてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記接合部材は、前記第1の鋼板、前記第2の鋼板、及び前記第3の鋼板を、前記第1の鋼板の厚さ方向と交差する方向に挟み込む一対の接合プレートを有してもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第2の降伏点は、前記第3の降伏点と等しく、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと等しくてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第2の鋼板及び前記第3の鋼板は、前記第1の鋼板の厚さ方向の中心を挟んで前記厚さ方向に対称となるように配置されていてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第1の鋼板、前記第2の鋼板、及び前記第3の鋼板は、互いに平行となるように配置されていてもよい。
また、本発明に係る座屈拘束ブレースにおいて、前記第2の鋼板と前記第3の鋼板との間に設けられるスペーサをさらに備えてもよい。
本発明に係る耐力構造物は、フレームと、前記フレームから内側に張り出す複数のガセットプレートと、前記複数のガセットプレートの間に架け渡され、前記芯材の前記両端部が、溶接、ピン接合、またはボルト接合により前記ガセットプレートに接続される上記座屈拘束ブレースと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、座屈拘束ブレース自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の残留変形を低減することができる座屈拘束ブレース、及び耐力構造物を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを示す図である。 本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。 本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを組み込んだ耐力構造物を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る座屈拘束ブレースの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。 本発明の第3実施形態に係る座屈拘束ブレースの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。 (a)は本発明の第4実施形態に係る座屈拘束ブレースの片側の端部付近を示す正面図であり、(b)は座屈拘束ブレースの高降伏点鋼板の片側の端部付近を示す正面図である。 本発明の第4実施形態に係る座屈拘束ブレースの片側の端部付近を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図、(e)は(a)のD-D断面図である。 本発明の第5実施形態に係る座屈拘束ブレースの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。 本発明の第6実施形態に係る座屈拘束ブレースの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。 本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレースの挙動を示すグラフである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレース1について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレース1を示す図である。図2は、座屈拘束ブレース1の片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。
座屈拘束ブレース1は、例えば建築、橋梁構造物における筋交い等に用いられ、これらの耐震・制震性能を向上させる。
座屈拘束ブレース1は、芯材2と、拘束部材3と、充填材4と、接合部材5と、スペーサ6と、アンボンド層7と、を備える。なお、座屈拘束ブレース1の軸線に沿う方向を、軸方向という。
芯材2は、軸方向に直線状に延びる。芯材2は、高降伏点鋼板(第1の鋼板)21と、第1の低降伏点鋼板(第2の鋼板)22と、第2の低降伏点鋼板(第3の鋼板)23と、を有する。
高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23はそれぞれ、細長い平板形である。第1の低降伏点鋼板22と、第2の低降伏点鋼板23とは、同一形状を有する。
高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23はそれぞれ、軸方向に直線状に延びる。高降伏点鋼板21の軸方向の長さと、第1の低降伏点鋼板22の軸方向の長さと、第2の低降伏点鋼板23の軸方向の長さとは等しい。高降伏点鋼板21の長さと、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23の長さとは異なっていてもよい。高降伏点鋼板21は、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23よりも長くてもよい。
高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23は、互いに平行となるように配置されている。すなわち、高降伏点鋼板21の厚さ方向と、第1の低降伏点鋼板22の厚さ方向と、第2の低降伏点鋼板23の厚さ方向とは、互いに平行である。以下、高降伏点鋼板21の厚さ方向を、単に厚さ方向、または芯材2の厚さ方向とも称する。また、高降伏点鋼板21の幅方向と、第1の低降伏点鋼板22の幅方向と、第2の低降伏点鋼板23の幅方向とは、互いに平行である。以下、高降伏点鋼板21の幅方向を、単に幅方向、または芯材2の幅方向とも称する。軸方向と、厚さ方向と、幅方向とは、互いに直交する。
図2(b)~(d)に示されるように、第1の低降伏点鋼板22、高降伏点鋼板21、及び第2の低降伏点鋼板23は、厚さ方向に隣り合うように配置されている。第1、第2の低降伏点鋼板22,23は、高降伏点鋼板21を、厚さ方向に挟み込んでいる。第1、第2の低降伏点鋼板22,23は、高降伏点鋼板21の厚さ方向の中心を挟んで、厚さ方向に対称となるように配置されている。高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23は、厚さ方向に積層されている。本実施形態では、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23それぞれの厚さは等しい。高降伏点鋼板21の厚さと、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23の厚さとは異なっていてもよい。しかしながら、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23の厚さは等しい。
高降伏点鋼板21は、第1の降伏点を有する。第1の低降伏点鋼板22は、第1の降伏点よりも低い第2の降伏点を有する。第2の低降伏点鋼板23は、第1の降伏点よりも低い第3の降伏点を有する。第2の降伏点と、第3の降伏点とは等しい。
高降伏点鋼板21の軸方向の中央部には、高降伏点鋼板21の軸方向における両端部よりも幅が狭い第1の塑性化部21aが設けられている。高降伏点鋼板21における第1の塑性化部21a以外の部分(端部)は、第1の塑性化部21aよりも幅が広い第1の弾性部21bとなる。第1の塑性化部21aは、第1の弾性部21bよりも軸方向強度が低い。第1の塑性化部21aは、第1の弾性部21bよりも塑性化しやすい。
第1の低降伏点鋼板22の軸方向の中央部には、第1の低降伏点鋼板22の軸方向における両端部よりも幅が狭い第2の塑性化部22aが設けられている。第1の低降伏点鋼板22における第2の塑性化部22a以外の部分(端部)は、第2の塑性化部22aよりも幅が広い第2の弾性部22bとなる。第2の塑性化部22aは、第2の弾性部22bよりも軸方向強度が低い。第2の塑性化部22aは、第2の弾性部22bよりも塑性化しやすい。
第2の低降伏点鋼板23の軸方向の中央部には、第2の低降伏点鋼板23の軸方向における両端部よりも幅が狭い第3の塑性化部23aが設けられている。第2の低降伏点鋼板23における第3の塑性化部23a以外の部分(端部)は、第3の塑性化部23aよりも幅が広い第3の弾性部23bとなる。第3の塑性化部23aは、第3の弾性部23bよりも軸方向強度が低い。第3の塑性化部23aは、第3の弾性部23bよりも塑性化しやすい。
第1の塑性化部21aの軸方向の長さL1は、第2の塑性化部22aの軸方向の長さL2よりも長い。第1の塑性化部21aの軸方向の長さL1は、第3の塑性化部23aの軸方向の長さL3よりも長い。第2の塑性化部22aの軸方向の長さL2と、第3の塑性化部23aの軸方向の長さL3とは等しい。
図2(b)に示されるように、芯材2の軸方向における中央部では、第2の塑性化部22a、第1の塑性化部21a、及び第3の塑性化部23aが、厚さ方向に配列される。図2(c)に示されるように、図2(b)に示される部分よりも端部側においては、第2の弾性部22b、第1の塑性化部21a、及び第3の弾性部23bが、厚さ方向に配列される。図2(d)に示されるように、図2(c)に示される部分よりもさらに端部側においては、第2の弾性部22b、第1の弾性部21b、及び第3の弾性部23bが、厚さ方向に配列される。
各塑性化部21a、22a、23aの幅は、各弾性部21b、22b、23bの幅よりも狭い。第1の塑性化部21aの幅は、第2、第3の弾性部22b、23bの幅よりも狭い。したがって、第2の弾性部22b、第1の塑性化部21a、及び第3の弾性部23bが厚さ方向に配列される部分(図2(c)に示される部分)においては、第1の塑性化部21aの幅方向の両側に、第2の弾性部22bと第3の弾性部23bとの間の隙間が生じる。この隙間には、スペーサ6が設けられる。スペーサ6は、この隙間を埋めるように設けられる。スペーサ6は、第1の塑性化部21aの幅方向の両側に設けられる。スペーサ6は、第2の弾性部22b、第1の塑性化部21a、及び第3の弾性部23bが厚さ方向に配列される部分の全体に亘って設けられる。
拘束部材3は、細長い角筒形の鋼管である。拘束部材3は、芯材2の外周側を覆う。拘束部材3の軸方向の長さは、芯材2の軸方向の長さよりも短い。したがって、芯材2の軸方向における両端部は、拘束部材3から突出する。
なお、拘束部材3は、例えば円筒形の鋼管であってもよい。
充填材4は、拘束部材3の内側に充填される。充填材4は、芯材2と拘束部材3との間に充填される。充填材4は、コンクリートやモルタル等である。拘束部材3および充填材4により、芯材2の軸方向を除く方向への変形(面内座屈や面外座屈)が規制される。
拘束部材3の端部から充填材4が漏れ出ることを防止するために、拘束部材3の両端開口は不図示の蓋により塞がれている。
芯材2と充填材4との間には、アンボンド層7が設けられている。アンボンド層7は、芯材2と充填材4とが軸方向に一体となって挙動することを規制する。これにより、充填材4は、芯材2の軸力が拘束部材3に伝達しないように、すなわち芯材2が拘束部材3に対して軸方向に相対移動ができるように、芯材2を保持する。
また、アンボンド層7は、高降伏点鋼板21と第1の低降伏点鋼板22との間、及び高降伏点鋼板21と第2の低降伏点鋼板23との間にも設けられている。アンボンド層7は、隣り合う鋼板21、22、23同士が軸方向に一体となって挙動することを規制する。これにより、高降伏点鋼板21の軸力が第1の低降伏点鋼板22及び第2の低降伏点鋼板23に伝達すること、及び第1の低降伏点鋼板22及び第2の低降伏点鋼板23の軸力が高降伏点鋼板21に伝達することを抑制し、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23のそれぞれの降伏長さを異ならせることができる。
なお、高降伏点鋼板21と第1の低降伏点鋼板22との間、及び高降伏点鋼板21と第2の低降伏点鋼板23との間に設けられるアンボンド層7は、省略されていてもよい。高降伏点鋼板21と第1の低降伏点鋼板22と第2の低降伏点鋼板23との間のアンボンド層7の材質及び厚さは、充填材4と、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23との間のアンボンド層7と異なっていてもよい。
接合部材5は、芯材2の両端部のそれぞれに設けられる。それぞれの接合部材5は、一対の接合プレート51を有する。
一対の接合プレート51は、芯材2(高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23)を、高降伏点鋼板21の厚さ方向と交差する方向に挟み込む。本実施形態においては、一対の接合プレート51は、芯材2を幅方向に挟み込む。接合プレート51は、芯材2(高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23)に対して垂直に設けられる。
接合プレート51は、芯材2の端部に、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。
接合プレート51は、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23と接合される。具体的には、接合プレート51は、第1の接合部分W1において高降伏点鋼板21の第1の弾性部21bと溶接(接合)され、第2の接合部分W2において第1の低降伏点鋼板22の第2の弾性部22bと溶接(接合)され、第3の接合部分W3において第2の低降伏点鋼板23の第3の弾性部23bと溶接(接合)される。なお、接合プレート51と高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23との接合は、溶接に限られず、例えばピン接合やボルト接合であってもよい。
第2、第3の接合部分W2、W3は、第1の接合部分W1よりも軸方向の中央側に設けられる。第1の接合部分W1は、第2の接合部分W2と軸方向に重ならないよう設けられる。第1の接合部分W1は、第3の接合部分W3と軸方向に重ならないよう設けられる。
第1の接合部分W1は、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。第2、第3の接合部分W2、W3は、拘束部材3の内側に設けられる。第2の接合部分W2の軸方向の位置と、第3の接合部分W3の軸方向の位置とは等しい。
なお、接合プレート51と第1の弾性部21bとの接合を容易にするため、第2、第3の弾性部22b、23bのうち、第1の接合部分W1と対向する部分には、第1の接合部分W1を露出させるための切欠きが設けられている。
次に、図3を参照して、座屈拘束ブレース1を組み込んだ耐力構造物100について説明する。
耐力構造物100は、外形が矩形の枠状をなす複数のフレーム103と、フレーム103の各々のコーナー部分104に配置されたガセットプレート(取り付け部材)108と、ガセットプレート108を介してフレーム103に取り付けられた座屈拘束ブレース1と、を備える。
フレーム103は、上下方向に延びて互いに水平方向左右に離間して設けられた二本の縦枠106(例えば、鉄骨柱)と、これら縦枠106同士を上下各々で接続する二本の横枠107(例えば、鉄骨梁)とを有し、これにより、縦枠106と横枠107との接続部分にコーナー部分104が形成される。
ガセットプレート108は、平板状の板部材であり、フレーム103のコーナー部分104に配置される。具体的には、ガセットプレート108は、縦枠106と横枠107との間に亘って、フレーム103の内側に向けて、斜め上方又は斜め下方に張り出すよう設けられる。
ガセットプレート108は、縦枠106及び横枠107に対して、例えば溶接等によって接合される。
座屈拘束ブレース1は、フレーム103の対角線上に位置する2つのガセットプレート108同士を接続するように配置される。座屈拘束ブレース1は、ガセットプレート108同士の間に架け渡される。つまり、座屈拘束ブレース1は、軸線が上下方向、左右方向に対して傾斜するように設けられる。
座屈拘束ブレース1は、ガセットプレート108に溶接によって接続される。具体的には、一対の接合プレート51を、ガセットプレート108に設けられた不図示の一対のスリットにそれぞれ挿入する。このとき、芯材2は、ガセットプレート108に対して平行に配置される。芯材2(高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23)の端が、ガセットプレート108の端と軸方向に対向する。この状態で、接合プレート51を、ガセットプレート108に溶接する。
本実施形態の座屈拘束ブレース1の効果について、図10を参照して説明する。図10は、座屈拘束ブレース1の挙動を示すグラフである。図10において、縦軸は、座屈拘束ブレースの芯材に作用する軸方向荷重Pを示し、横軸は、座屈拘束ブレースの芯材の軸方向の変位δを示す。なお、図10には、比較例として、芯材が1つの鋼板により構成されている従来の座屈拘束ブレースの挙動を点線にて示している。
図10に点線で示されるように、従来の座屈拘束ブレースの挙動はバイリニアに近く、芯材が塑性化した後の剛性である二次剛性が低い。すなわち、従来の座屈拘束ブレースにおいては、芯材が地震等によって塑性化した後は、塑性変形した部分がほぼそのまま残留変形として残ってしまう。したがって、座屈拘束ブレースの芯材がわずかに塑性化する程度の中規模地震においても、座屈拘束ブレースが組み込まれる耐力構造物の残留変形が発生してしまい、この結果、耐力構造物の継続使用が不可能となる可能性がある。
本実施形態においては、芯材2は、降伏点の異なる2種類の鋼板(高降伏点鋼板21、低降伏点鋼板22、23)により構成されている。したがって、図10に実線で示すように、座屈拘束ブレース1の挙動はトリリニアとなる。具体的には、芯材2に軸方向荷重Py1が作用すると、低降伏点鋼板22、23が高降伏点鋼板21に先行して塑性化する。なお、芯材2に軸方向荷重Py1が作用したときの第1の降伏点変位δy,1は、低降伏点鋼板22、23の降伏点変位に対応する。その後、芯材2に作用する軸方向荷重がPy2となると、高降伏点鋼板21が塑性化する。なお、芯材2に軸方向荷重Py2が作用したときの第2の降伏点変位δy,2は、高降伏点鋼板21の降伏点変位に対応する。言い換えると、芯材2に作用する軸方向荷重がPy1~Py2の範囲内である変形領域においては、低降伏点鋼板22、23は塑性化しているが、高降伏点鋼板21は弾性範囲となっている。この変形領域においては、高降伏点鋼板21は弾性範囲にあるため、座屈拘束ブレース1全体としての二次剛性が高く、したがって座屈拘束ブレース1の残留変形は低減する。
ここで、上記の変形領域は、芯材2に軸方向荷重Py1が作用したときの第1の降伏点変位δy,1と、芯材2に軸方向荷重Py2が作用したときの第2の降伏点変位δy,2との差(降伏変形比:αδ=δy,2/δy,1)を調整することにより調整できる。すなわち、降伏変形比αδが大きいほど、変形領域も大きくなる。また、鋼板の降伏点変位は、鋼板の塑性化部の軸方向の長さが長いほど大きくなる。本実施形態においては、高降伏点鋼板21の第1の塑性化部21aの軸方向の長さL1を長くすることにより、高降伏点鋼板と低降伏点鋼板とで塑性化部の軸方向の長さが同一である場合に比べて、第2の降伏点変位δy,2を大きくすることができる。この結果、降伏変形比αδが大きくなり、また上記の変形領域も大きくなるため、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の座屈拘束ブレース1の残留変形を低減させる効果を高めることができる。
また、第1、第2の低降伏点鋼板22,23は、高降伏点鋼板21を厚さ方向に挟み込んでいる。これにより、高降伏点鋼板21が、第1、第2の低降伏点鋼板22,23によって厚さ方向の両側から支持される。したがって、第1の塑性化部21aの軸方向の長さL1が長くなったとしても、第1の塑性化部21aの首折れを防止することができ、座屈拘束ブレース1の強度を確保することができる。
以上より、本実施形態の座屈拘束ブレース1によれば、座屈拘束ブレース1自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の座屈拘束ブレース1の残留変形を低減することができる。
また、座屈拘束ブレース1は、芯材2の両端部のそれぞれに設けられ、第1の接合部分W1において高降伏点鋼板21と接合し、第2の接合部分W2において第1の低降伏点鋼板22と接合し、第3の接合部分W3において第2の低降伏点鋼板23と接合する接合部材5を備える。
これにより、座屈拘束ブレース1を、接合部材5を用いて、耐力構造物100に容易に組み込むことができる。
また、第2の接合部分W2及び第3の接合部分W3は、第1の接合部分W1よりも軸方向の中央側に設けられる。
接合部材5は、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23の各弾性部21b~23bと接合される。第1の塑性化部21aの軸方向の長さL1が第2、第3の塑性化部22a、23aの軸方向の長さL2、L3よりも長いため、第2の弾性部22b及び第3の弾性部23bは、第1の弾性部21bよりも軸方向の中央側に配置される。したがって、第2の接合部分W2及び第3の接合部分W3を、第1の接合部分W1よりも軸方向の中央側に設けることにより、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23を、接合部材5に効率的に接合することができる。
また、第1の接合部分W1は、第2の接合部分W2と軸方向に重ならないよう設けられ、かつ第3の接合部分W3と軸方向に重ならないよう設けられる。
これにより、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23を、接合部材5に容易に接合することができる。
また、接合部材5は、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23を、高降伏点鋼板21の厚さ方向と交差する方向に挟み込む一対の接合プレート51を有する。
これにより、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23が、一対の接合プレート51によって厚さ方向と交差する方向の両側から支持される。したがって、座屈拘束ブレース1の強度をより高めることができる。
また、第2の降伏点は、第3の降伏点と等しく、第2の塑性化部22aの軸方向の長さは、第3の塑性化部23aの軸方向の長さと等しい。
また、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23は、高降伏点鋼板21の厚さ方向の中心を挟んで厚さ方向に対称となるように配置されている。
これにより、芯材2が厚さ方向に対称となるよう形成されるため、芯材2を、座屈を防止しつつ安定的に塑性変形させることができる。したがって、座屈拘束ブレース1の性能を高めることができる。
また、高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23は、互いに平行となるように配置されている。
これにより、高降伏点鋼板21が、第1、第2の低降伏点鋼板22、23によって全面に亘って支持されるため、第1の塑性化部21aの首折れをより効果的に防止することができ、座屈拘束ブレース1の強度をより高めることができる。
また、第1の低降伏点鋼板22と第2の低降伏点鋼板23との間に設けられるスペーサ6をさらに備える。
スペーサ6によって、第1の低降伏点鋼板22と第2の低降伏点鋼板23との間に配置されている高降伏点鋼板21を支持することができ、高降伏点鋼板21の軸方向を除く方向への変形(面内座屈)を抑制することができる。特に、芯材2と拘束部材3との間に充填材4を充填する場合、第1の低降伏点鋼板22と第2の低降伏点鋼板23との間の隙間は、充填材4の充填が不十分となる可能性がある。スペーサ6を設けることにより、第1の低降伏点鋼板22と第2の低降伏点鋼板23との間の隙間をスペーサ6で埋めることができるので、高降伏点鋼板21の軸方向を除く方向への変形を確実に抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る座屈拘束ブレース1Aについて、図4を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4は、座屈拘束ブレース1Aの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。
本実施形態においては、座屈拘束ブレース1Aが、ガセットプレート108にピン接合される点において、第1実施形態と異なる。
本実施形態において、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23の軸方向の長さは、高降伏点鋼板21の軸方向の長さよりも短い。したがって、高降伏点鋼板21の端部が、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23より突出している。
接合部材5は、一対の接合プレート51に加えて、一対のクレビスプレート52を有する。クレビスプレート52は、高降伏点鋼板21のうち、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23から突出する部分に設けられる。
一対のクレビスプレート52は、芯材2(高降伏点鋼板21)を厚さ方向に挟み込む。クレビスプレート52は、高降伏点鋼板21と平行となるように配置されている。クレビスプレート52は、接合プレート51に対して垂直に配置されている。
クレビスプレート52は、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。クレビスプレート52は、高降伏点鋼板21よりも軸方向の外側に突出するよう設けられる。一対のクレビスプレート52のうち、高降伏点鋼板21から突出する突出部分の間には、ガセットプレート108が挿入される隙間が形成される。クレビスプレート52の突出部分には、支持ピン9が挿通される貫通孔52aが形成される。
一対の接合プレート51は、芯材2に加えて、一対のクレビスプレート52を幅方向に挟み込む。図4(d)に示されるように、軸方向から見たときに、一対の接合プレート51と一対のクレビスプレート52とは矩形状をなすように配置される。この状態で、クレビスプレート52は、接合プレート51に溶接(接合)される。
クレビスプレート52は、第1の低降伏点鋼板22及び第2の低降伏点鋼板23と軸方向に重ならないよう設けられる。これにより、クレビスプレート52の接合プレート51への溶接が容易となる。なお、第1の低降伏点鋼板22及び第2の低降伏点鋼板23が、クレビスプレート52と軸方向に重なるように設けられていてもよい。
第1実施形態と同様に、接合プレート51は、第1の接合部分W1において高降伏点鋼板21の第1の弾性部21bと溶接され、第2の接合部分W2において第1の低降伏点鋼板22の第2の弾性部22bと溶接され、第3の接合部分W3において第2の低降伏点鋼板23の第3の弾性部23bと溶接される。
座屈拘束ブレース1Aは、ガセットプレート108にピン接合される。具体的には、ガセットプレート108を、一対のクレビスプレート52の突出部分の間に挿入する。このとき、芯材2は、ガセットプレート108に対して平行に配置される。芯材2(高降伏点鋼板21)の端が、ガセットプレート108の端と軸方向に対向する。クレビスプレート52は、高降伏点鋼板21とガセットプレート108とを跨るように配置される。この状態で、支持ピン9を、一対のクレビスプレート52の貫通孔52a、及びガセットプレート108に形成された不図示の貫通孔に挿通する。これにより、座屈拘束ブレース1Aは、ガセットプレート108に対して回転可能にピン接合される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、座屈拘束ブレース1A自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の座屈拘束ブレース1Aの残留変形を低減することができる。
また、本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Aは、ピン接合によりガセットプレート108に接続することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る座屈拘束ブレース1Bについて、図5を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5は、座屈拘束ブレース1Bの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。
本実施形態においては、座屈拘束ブレース1Bが、ガセットプレート108にボルト接合される点において、第1実施形態と異なる。
本実施形態において、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23の軸方向の長さは、高降伏点鋼板21の軸方向の長さよりも短い。したがって、高降伏点鋼板21の端部が、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23より突出している。
高降伏点鋼板21は、第1の塑性化部21aが拘束部材3から突出するよう設けられる。すなわち、第1の塑性化部21aの軸方向の長さL1は、拘束部材3の軸方向の長さよりも長い。第1の弾性部21bは、拘束部材3の外側に位置する。
第1の弾性部21bには、ボルト55が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
接合部材5は、一対の接合プレート51の代わりに、一対の接合プレート53と、複数(本実施形態においては4つ)の第1のスプライスプレート(添え板)54aと、複数(本実施形態においては4つ)の第2のスプライスプレート(添え板)54bと、を有する。
一対の接合プレート53は、芯材2を厚さ方向に挟み込む。接合プレート53は、芯材2の幅方向の中央に配置される。接合プレート53は、芯材2(高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23)に対して垂直に設けられる。
接合プレート53は、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。接合プレート53は、拘束部材3の内側から、高降伏点鋼板21の軸方向の端と同等の位置まで延びる。
接合プレート53には、ボルト55が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
接合プレート53は、第1の接合部分W1において高降伏点鋼板21の第1の弾性部21bと溶接され、第2の接合部分W2において第1の低降伏点鋼板22の第2の弾性部22bと溶接され、第3の接合部分W3において第2の低降伏点鋼板23の第3の弾性部23bと溶接される。
第1の弾性部21bは、拘束部材3の外側に位置するため、第1の接合部分W1は、拘束部材3の外側に設けられる。第2の接合部分W2、及び第3の接合部分W3は、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。
図5(d)に示されるように、一対の第1のスプライスプレート54aは、高降伏点鋼板21を厚さ方向に挟み込む。一対の第1のスプライスプレート54aは、高降伏点鋼板21の幅方向における両縁部のそれぞれに設けられる。すなわち、座屈拘束ブレース1Bの片側の端部において、2組の一対の第1のスプライスプレート54a(合計4つの第1のスプライスプレート54a)が設けられる。
第1のスプライスプレート54aは、高降伏点鋼板21のうち、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23から突出する部分に設けられる。第1のスプライスプレート54aは、高降伏点鋼板21よりも軸方向の外側に突出するよう設けられる。一対の第1のスプライスプレート54aのうち、高降伏点鋼板21から突出する突出部分の間には、ガセットプレート108が挿入される隙間が形成される。
第1のスプライスプレート54aには、ボルト55が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
一対の第2のスプライスプレート54bは、接合プレート53を、接合プレート53の厚さ方向(すなわち、高降伏点鋼板21の幅方向)に挟み込む。一対の第2のスプライスプレート54bは、一対の接合プレート53のそれぞれに設けられる。すなわち、座屈拘束ブレース1Bの片側の端部において、2組の一対の第2のスプライスプレート54b(合計4つの第2のスプライスプレート54b)が設けられる。第1のスプライスプレート54aと第2のスプライスプレート54bとは互いに直交するように配置される。
第2のスプライスプレート54bは、少なくとも、高降伏点鋼板21のうち第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23から突出する部分に、軸方向に重なるように配置される。第2のスプライスプレート54bは、接合プレート53よりも軸方向の外側に突出するよう設けられる。一対の第2のスプライスプレート54bうち、接合プレート53から突出する突出部分の間には、後述するガセットプレート108に取り付けられた接合プレート109が挿入される隙間が形成される。
第2のスプライスプレート54bには、ボルト55が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
ガセットプレート108には、一対の接合プレート109が接合される。一対の接合プレート109は、ガセットプレート108に対して垂直に設けられる。一対の接合プレート109は、座屈拘束ブレース1Bをガセットプレート108に取り付ける際に、一対の接合プレート53と軸方向に対向する位置に設けられる。
接合プレート109には、ボルト55が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
座屈拘束ブレース1Bは、ガセットプレート108にボルト接合される。具体的には、ガセットプレート108を、一対の第1のスプライスプレート54aの突出部分の間に挿入し、接合プレート109を、一対の第2のスプライスプレート54bの突出部分の間に挿入する。このとき、芯材2は、ガセットプレート108に対して平行に配置される。芯材2(高降伏点鋼板21)の端が、ガセットプレート108の端と軸方向に対向する。接合プレート53の端が、接合プレート109の端と軸方向に対向する。第1のスプライスプレート54aは、第1の弾性部21bとガセットプレート108とを跨るように配置される。第2のスプライスプレート54bは、接合プレート53と接合プレート109とを跨るように配置される。
第1の弾性部21bと一対の第1のスプライスプレート54aとを、ボルト55及び図示しないナットで固定する。ガセットプレート108と一対の第1のスプライスプレート54aとを、ボルト55及び図示しないナットで固定する。接合プレート53と一対の第2のスプライスプレート54bとを、ボルト55及び図示しないナットで固定する。接合プレート109と一対の第2のスプライスプレート54bとを、ボルト55及び図示しないナットで固定する。ボルト55とナットとをきつく締め付けることにより、座屈拘束ブレース1Bは、ガセットプレート108に対してボルト接合される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、座屈拘束ブレース1B自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の座屈拘束ブレース1Bの残留変形を低減することができる。
また、本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Bは、ボルト接合によりガセットプレート108に接続することができる。
さらに、本実施形態においては、第1の塑性化部21aが、拘束部材3から突出するよう設けられる。
これにより、第1の塑性化部21aの軸方向の長さL1を更に長くすることができるため、座屈拘束ブレース1Bの残留変形を低減させる効果をより高めることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る座屈拘束ブレース1Cについて、図6及び図7を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図6(a)は、座屈拘束ブレース1Cの片側の端部付近を示す正面図であり、(b)は座屈拘束ブレース1Cの高降伏点鋼板21の片側の端部付近を示す正面図である。図7は、座屈拘束ブレース1Cの片側の端部付近を示す図であり、(a)平面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図、(e)は(a)のD-D断面図である。
本実施形態においては、座屈拘束ブレース1Cが、ガセットプレート108にボルト接合される点において、第1実施形態と異なる。すなわち、本実施形態は、座屈拘束ブレースがガセットプレート108にボルト接合される、第3実施形態とは別の実施形態である。
本実施形態においては、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23の軸方向の長さは、高降伏点鋼板21の軸方向の長さよりも短い。したがって、高降伏点鋼板21(第1の弾性部21b)の端部が、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23より突出している。
また、図6(b)に示されるように、高降伏点鋼板21の第1の弾性部21bにスリット21cが形成される。スリット21cは、高降伏点鋼板21のうち、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23から突出する部分に形成される。スリット21cは、高降伏点鋼板21の軸方向の端から、第1の低降伏点鋼板22又は第2の低降伏点鋼板23の軸方向の端に対応する位置まで延びる。スリット21cは、第1の弾性部21bの幅方向における中央に設けられる。スリット21cには、座屈拘束ブレース1Cをガセットプレート108に取り付ける際に、ガセットプレート108が挿入される。
接合部材5は、一対の接合プレート51の代わりに、複数(本実施形態においては4つ)のラグプレート(添え板)56を有する。
図7(a)に示されるように、一対のラグプレート56は、芯材2を厚さ方向に挟み込む。ラグプレート56は、芯材2(高降伏点鋼板21、第1の低降伏点鋼板22、及び第2の低降伏点鋼板23)に対して垂直に設けられる。ラグプレート56は、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。
図6(a)、及び図7(c)~(e)に示されるように、2組の一対のラグプレート56が幅方向に間隔を空けて設けられる。前記2組は、芯材2の幅方向の中心に対して対称に設けられる。すなわち、座屈拘束ブレース1Cの片側の端部において、2組の一対のラグプレート56(合計4つのラグプレート56)が設けられる。幅方向に間隔を空けて設けられるラグプレート56の間には、ガセットプレート108が挿入される。
ラグプレート56には、ボルト57が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
ラグプレート56は、第1の低降伏点鋼板22又は第2の低降伏点鋼板23に接合される内側部分56aと、高降伏点鋼板21に接合される外側部分56bと、を有する。外側部分56bは、第1弾性部21bに溶接(接合)される第1の接合部分W1に対応する。内側部分56aは、第2弾性部22b又は第3弾性部23bに溶接(接合)される第2の接合部分W2又は第3の接合部分W3に対応する。
外側部分56bは、第1の低降伏点鋼板22及び第2の低降伏点鋼板23よりも軸方向の外側に設けられる。内側部分56aの幅は、第1の低降伏点鋼板22又は第2の低降伏点鋼板23の幅の分だけ、外側部分56bの幅よりも小さい。すなわち、外側部分56bは、第1の低降伏点鋼板22又は第2の低降伏点鋼板23の幅の分だけ、内側部分56aよりも高降伏点鋼板21側に突出している。ガセットプレート108は、ラグプレート56の外側部分56bの間に挿入される。
座屈拘束ブレース1Cは、ガセットプレート108にボルト接合される。具体的には、ガセットプレート108を、高降伏点鋼板21に形成されたスリット21cに挿入する。このとき、ガセットプレート108は、幅方向に間隔を空けて設けられるラグプレート56の外側部分56b同士の間にも挿入される。芯材2は、ガセットプレート108に対して垂直に配置される。第1の低降伏点鋼板22及び第2の低降伏点鋼板23の端が、ガセットプレート108の端と軸方向に対向する。ラグプレート56は、第1の低降伏点鋼板22又は第2の低降伏点鋼板23とガセットプレート108とを跨るように配置される。
ガセットプレート108と一対のラグプレート56とを、ボルト57及び図示しないナットで固定する。ボルト57とナットとをきつく締め付けることにより、座屈拘束ブレース1Cは、ガセットプレート108に対してボルト接合される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、座屈拘束ブレース1C自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の座屈拘束ブレース1Cの残留変形を低減することができる。
また、本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Cは、ボルト接合によりガセットプレート108に接続することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る座屈拘束ブレース1Dについて、図8を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図8は、座屈拘束ブレース1Dの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。
本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Dにおいて、芯材2は、低降伏点鋼板(第1の鋼板)25と、第1の高降伏点鋼板(第2の鋼板)26と、第2の高降伏点鋼板(第3の鋼板)27と、を有する。
すなわち、本実施形態においては、第1の鋼板が低降伏点鋼板であり、第2、第3の鋼板が高降伏点鋼板である点において、第1の実施形態と異なる。
低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27はそれぞれ、細長い平板形である。
低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27はそれぞれ、軸方向に直線状に延びる。低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27は、互いに平行となるように配置されている。
本実施形態において、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27の軸方向の長さは、低降伏点鋼板25の軸方向の長さよりも長い。したがって、第1の高降伏点鋼板26及び第2の高降伏点鋼板27の端部は、低降伏点鋼板25より突出している。
低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27は、厚さ方向に隣り合うように配置されている。第1、第2の高降伏点鋼板26、27は、低降伏点鋼板25を、低降伏点鋼板25の厚さ方向に挟み込んでいる。第1、第2の高降伏点鋼板26、27は、低降伏点鋼板25の厚さ方向の中心を挟んで、この厚さ方向に対称となるように配置されている。低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27は、厚さ方向に積層されている。本実施形態では、低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27それぞれの厚さは等しい。
低降伏点鋼板25は、第1の降伏点を有する。第1の高降伏点鋼板26は、第1の降伏点よりも高い第2の降伏点を有する。第2の高降伏点鋼板27は、第1の降伏点よりも高い第3の降伏点を有する。第2の降伏点と、第3の降伏点とは等しい。
低降伏点鋼板25の軸方向の中央部には、低降伏点鋼板25の軸方向における両端部よりも幅が狭い第1の塑性化部25aが設けられている。低降伏点鋼板25における第1の塑性化部25a以外の部分(端部)は、第1の塑性化部25aよりも幅が広い第1の弾性部25bとなる。第1の塑性化部25aは、第1の弾性部25bよりも軸方向強度が低い。
第1の高降伏点鋼板26の軸方向の中央部には、第1の高降伏点鋼板26の軸方向における両端部よりも幅が狭い第2の塑性化部26aが設けられている。第1の高降伏点鋼板26における第2の塑性化部26a以外の部分(端部)は、第2の塑性化部26aよりも幅が広い第2の弾性部26bとなる。第2の塑性化部26aは、第2の弾性部26bよりも軸方向強度が低い。
第2の高降伏点鋼板27の軸方向の中央部には、第2の高降伏点鋼板27の軸方向における両端部よりも幅が狭い第3の塑性化部27aが設けられている。第2の高降伏点鋼板27における第3の塑性化部27a以外の部分(端部)は、第3の塑性化部27aよりも幅が広い第3の弾性部27bとなる。第3の塑性化部27aは、第3の弾性部27bよりも軸方向強度が低い。
第1の塑性化部25aの軸方向の長さは、第2の塑性化部26aの軸方向の長さよりも短い。第1の塑性化部25aの軸方向の長さは、第3の塑性化部27aの軸方向の長さよりも短い。第2の塑性化部26aの軸方向の長さと、第3の塑性化部27aの軸方向の長さとは等しい。
低降伏点鋼板25と第1の高降伏点鋼板26との間、及び低降伏点鋼板25と第2の高降伏点鋼板27との間には、アンボンド層7が設けられている。アンボンド層7は、隣り合う鋼板25、26、27同士が軸方向に一体となって挙動することを規制する。これにより、低降伏点鋼板25の軸力が第1の高降伏点鋼板26及び第2の高降伏点鋼板27に伝達すること、及び第1の高降伏点鋼板26及び第2の高降伏点鋼板27の軸力が低降伏点鋼板25に伝達することを抑制し、低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27のそれぞれの降伏長さを異ならせることができる。
なお、低降伏点鋼板25と第1の高降伏点鋼板26との間、及び低降伏点鋼板25と第2の高降伏点鋼板27との間に設けられるアンボンド層7は、省略されていてもよい。低降伏点鋼板25と第1の高降伏点鋼板26と第2の高降伏点鋼板27との間のアンボンド層7の材質及び厚さは、充填材4と、低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27との間のアンボンド層7と異なっていてもよい。
接合部材5は、一対の接合プレート51を有する。
一対の接合プレート51は、芯材2(低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27)を、低降伏点鋼板25の厚さ方向と交差する方向に挟み込む。本実施形態においては、一対の接合プレート51は、芯材2を幅方向に挟み込む。接合プレート51は、芯材2(低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27)に対して垂直に設けられる。
接合プレート51は、第1の接合部分W5において第1の弾性部25bと溶接(接合)され、第2の接合部分W6において第2の弾性部26bと溶接(接合)され、第3の接合部分W7において第3の弾性部27bと溶接(接合)される。
第1の接合部分W5は、第2、第3の接合部分W6、W7よりも軸方向の中央側に設けられる。第1の接合部分W5は、第2の接合部分W6と軸方向に重ならないよう設けられる。第1の接合部分W5は、第3の接合部分W7と軸方向に重ならないよう設けられる。
第2、第3の接合部分W6、W7は、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。第1の接合部分W5は、拘束部材3の内側に設けられる。第2の接合部分W6の軸方向の位置と、第3の接合部分W7の軸方向の位置とは等しい。
座屈拘束ブレース1Dは、ガセットプレート108に溶接によって接続される。具体的には、一対の接合プレート51を、ガセットプレート108に設けられた不図示の一対のスリットにそれぞれ挿入する。このとき、芯材2は、ガセットプレート108に対して平行に配置される。芯材2(第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27)の端が、ガセットプレート108の端と軸方向に対向する。この状態で、接合プレート51を、ガセットプレート108に溶接する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能である。
すなわち、芯材2は、降伏点の異なる2種類の鋼板(低降伏点鋼板25、高降伏点鋼板26、27)により構成されている。したがって、芯材2に作用する軸方向荷重がPy1~Py2の範囲内である変形領域においては、低降伏点鋼板25は塑性化しているが、高降伏点鋼板26、27は弾性範囲となっている。この変形領域においては、高降伏点鋼板26、27は弾性範囲にあるため、座屈拘束ブレース1D全体としての二次剛性が高く、したがって座屈拘束ブレース1Dの残留変形は低減する。第2の塑性化部26a、及び第3の塑性化部27aの軸方向の長さを長くすることにより、この変形領域が大きくなるよう調整することができる。この結果、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の残留変形を低減させる効果を高めることができる。
さらに、第1、第2の高降伏点鋼板26、27が、低降伏点鋼板25によって支持される。したがって、第2の塑性化部26a、及び第3の塑性化部27aの軸方向の長さが長くなったとしても、第2の塑性化部26a、及び第3の塑性化部27aの首折れを防止することができ、座屈拘束ブレース1Dの強度を確保することができる。
以上より、本実施形態の座屈拘束ブレース1Dによれば、座屈拘束ブレース1D自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の座屈拘束ブレース1Dの残留変形を低減することができる。
また、第1の接合部分W5は、第2の接合部分W6及び第3の接合部分W7よりも軸方向の中央側に設けられる。
接合部材5は、低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27の各弾性部25b~27bと接合される。第2、第3の塑性化部26a、27aの軸方向の長さが第1の塑性化部25aの軸方向の長さよりも長いため、第1の弾性部25bは、第2の弾性部26b及び第3の弾性部27bよりも軸方向の中央側に配置される。したがって、第1の接合部分W5を、第2の接合部分W6及び第3の接合部分W7よりも軸方向の中央側に設けることにより、低降伏点鋼板25、第1の高降伏点鋼板26、及び第2の高降伏点鋼板27を、接合部材5に効率的に接合することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る座屈拘束ブレース1Eについて、図9を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第5実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図9は、座屈拘束ブレース1Eの片側の端部付近を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のA-A断面図、(c)は(a)のB-B断面図、(d)は(a)のC-C断面図である。
本実施形態においては、座屈拘束ブレース1Eが、ガセットプレート108にピン接合される点において、第5実施形態と異なる。
本実施形態において、接合部材5は、一対の接合プレート51に加えて、一対のクレビスプレート58を有する。
一対のクレビスプレート58の一方は、第1の高降伏点鋼板26のうち、低降伏点鋼板25から突出する部分に配置され、一対のクレビスプレート58の他方は、第2の高降伏点鋼板27のうち、低降伏点鋼板25から突出する部分に配置される。一対のクレビスプレート58は、芯材2(第1の高降伏点鋼板26及び第2の高降伏点鋼板27)を厚さ方向に挟み込む。クレビスプレート58は、第1の高降伏点鋼板26及び第2の高降伏点鋼板27と平行となるように配置されている。クレビスプレート58は、接合プレート51に対して垂直に配置されている。
クレビスプレート58は、拘束部材3の内外に亘るよう設けられる。クレビスプレート58は、第1の高降伏点鋼板26及び第2の高降伏点鋼板27よりも軸方向の外側に突出するよう設けられる。一対のクレビスプレート58のうち、第1の高降伏点鋼板26及び第2の高降伏点鋼板27から突出する突出部分の間には、ガセットプレート108が挿入される隙間が形成される。クレビスプレート58の突出部分には、支持ピン9が挿通される貫通孔58bが形成される。
クレビスプレート58には、スリット58aが形成される。スリット58aは、クレビスプレート58のうち、第1の高降伏点鋼板26又は第2の高降伏点鋼板27と重なる部分に形成される。スリット58aは、クレビスプレート58の軸方向の内側の端から、第1の高降伏点鋼板26又は第2の高降伏点鋼板27の軸方向の端に対応する位置まで延びる。スリット58aは、クレビスプレート58の幅方向における中央に設けられる。スリット58aは、クレビスプレート58の、第1の高降伏点鋼板26又は第2の高降伏点鋼板27への溶接を容易にするために用いられる。
一対の接合プレート51は、芯材2に加えて、一対のクレビスプレート58を幅方向に挟み込む。図9(d)に示されるように、軸方向から見たときに、一対の接合プレート51と一対のクレビスプレート58とは矩形状をなすように配置される。この状態で、クレビスプレート58は、接合プレート51に溶接(接合)される。
接合プレート51は、第1の接合部分W5において低降伏点鋼板25の第1の弾性部25bと溶接される。一対のクレビスプレート58の一方は、スリット58aの内側の第2の接合部分W6において第1の高降伏点鋼板26の第2の弾性部26bと溶接される。一対のクレビスプレート58の他方は、スリット58aの内側の第3の接合部分W7において第2の高降伏点鋼板27の第3の弾性部27bと溶接される。
座屈拘束ブレース1Eは、ガセットプレート108にピン接合される。具体的には、ガセットプレート108を、一対のクレビスプレート58の突出部分の間に挿入する。このとき、芯材2は、ガセットプレート108に対して平行に配置される。芯材2(第1の高降伏点鋼板26、第2の高降伏点鋼板27)の端が、ガセットプレート108の端と軸方向に対向する。クレビスプレート58は、第1の高降伏点鋼板26又は第2の高降伏点鋼板27とガセットプレート108とを跨るように配置される。この状態で、支持ピン9を、一対のクレビスプレート58の貫通孔58b、及びガセットプレート108に形成された不図示の貫通孔に挿通する。これにより、座屈拘束ブレース1Eは、ガセットプレート108に対して回転可能にピン接合される。
本実施形態においても、第5実施形態と同様の効果を奏することが可能である。すなわち、座屈拘束ブレース1E自体の強度は損なわないまま、地震等により軸方向塑性変形を受けた後の座屈拘束ブレース1Eの残留変形を低減することができる。
また、本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Eは、ピン接合によりガセットプレート108に接続することができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
上記実施形態においては、第1の塑性化部21aの幅を第1の弾性部21bの幅よりも小さくすることにより、第1の塑性化部21aの軸方向強度を第1の弾性部21bの軸方向強度よりも小さくしたが、本発明はこれに限られない。例えば、高降伏点鋼板21の軸方向における両端部に補強板を溶接してもよい。この場合、第1の弾性部21bの断面積が増加し、したがって第1の塑性化部21aの軸方向強度が第1の弾性部21bの軸方向強度よりも小さくなる。同様に、第1の低降伏点鋼板22の軸方向における両端部に補強板を溶接することにより、第2の塑性化部22aの軸方向強度を第2の弾性部22bの軸方向強度よりも小さくしてもよい。第2の低降伏点鋼板23の軸方向における両端部に補強板を溶接することにより、第3の塑性化部23aの軸方向強度を第3の弾性部23bの軸方向強度よりも小さくしてもよい。
上記実施形態においては、拘束部材3として鋼管を用いたが、本発明はこれに限られない。拘束部材3は木製であってもよい。この場合、例えば、木製の拘束部材3は一対の拘束材により構成され、これら拘束材が芯材2に直接接触する。したがって、充填材は拘束部材3の内側に充填されない。一対の拘束材により芯材2の厚さ方向への変位を規制する。また、一対の拘束材の間に規制部材を設け、規制部材により芯材2の幅方向への変位を規制する。これにより、芯材2の軸方向を除く方向への変形が規制される。
上記第1、第2実施形態において、高降伏点鋼板21は、第1の塑性化部21aが拘束部材3から突出するよう設けられていてもよい。
上記第5、第6実施形態において、第1の高降伏点鋼板26は、第2の塑性化部26aが拘束部材3から突出するよう設けられ、第2の高降伏点鋼板27は、第3の塑性化部27aが拘束部材3から突出するよう設けられていてもよい。この場合、第2の塑性化部26a及び第3の塑性化部27aのうち、拘束部材3から突出する部分を支持するための支持部材を別途設けることが好ましい。
上記第5、第6実施形態に係る座屈拘束ブレース1D、1Eを、ボルト接合によりガセットプレート108に接続してもよい。例えば、第3実施形態の接合部材5を、第5実施形態に係る座屈拘束ブレース1Dに組み合わせることにより、座屈拘束ブレース1Dを、ボルト接合によりガセットプレート108に接続することができる。
上記実施形態においては、耐力構造物100のフレーム103が、二本の縦枠106(例えば、鉄骨柱)と、二本の横枠107(例えば、鉄骨梁)により形成される構成について説明したが、本発明はこれに限られない。フレーム103は、円形鋼管により形成されていてもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、1A、1B、1C、1D、1E 座屈拘束ブレース
2 芯材
3 拘束部材
5 接合部材
6 スペーサ
21 高降伏点鋼板(第1の鋼板)
21a 第1の塑性化部
22 第1の低降伏点鋼板(第2の鋼板)
22a 第2の塑性化部
23 第2の低降伏点鋼板(第3の鋼板)
23a 第3の塑性化部
25 低降伏点鋼板(第1の鋼板)
25a 第1の塑性化部
26 第1の高降伏点鋼板(第2の鋼板)
26a 第2の塑性化部
27 第2の高降伏点鋼板(第3の鋼板)
27a 第3の塑性化部
51 接合プレート
100 耐力構造物
103 フレーム
108 ガセットプレート
W1 第1の接合部分
W2 第2の接合部分
W3 第3の接合部分
W5 第1の接合部分
W6 第2の接合部分
W7 第3の接合部分

Claims (18)

  1. 軸方向に延びる芯材と、
    前記芯材の前記軸方向における両端部を突出させた状態で、前記芯材の外周側を覆う拘束部材と、
    を備え、
    前記芯材は、第1の降伏点を有する第1の鋼板と、前記第1の降伏点と異なる第2の降伏点を有する第2の鋼板と、前記第1の降伏点と異なる第3の降伏点を有する第3の鋼板と、を有し、前記第2の鋼板及び前記第3の鋼板は、前記第1の鋼板を挟み込んでおり、
    前記第1の鋼板の前記軸方向の中央部には、前記軸方向の両端部よりも軸方向強度が低い第1の塑性化部が設けられており、
    前記第2の鋼板の前記軸方向の中央部には、前記軸方向の両端部よりも軸方向強度が低い第2の塑性化部が設けられており、
    前記第3の鋼板の前記軸方向の中央部には、前記軸方向の両端部よりも軸方向強度が低い第3の塑性化部が設けられており、
    前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さと異なり、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと異なることを特徴とする座屈拘束ブレース。
  2. 前記第1の降伏点は、前記第2の降伏点よりも高く、かつ前記第3の降伏点よりも高く、
    前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長く、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  3. 前記芯材に前記第2の鋼板または前記第3の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第1の降伏点変位に対する、前記芯材に前記第1の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第2の降伏点変位の比である、降伏変形比が、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さ及び前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと同一である場合に比べて大きくなるように、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長くされ、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも長くされている、ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
  4. 前記第1の鋼板は、前記第1の塑性化部が前記拘束部材から突出するよう設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の座屈拘束ブレース。
  5. 前記第1の降伏点は、前記第2の降伏点よりも低く、かつ前記第3の降伏点よりも低く、
    前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短く、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短いことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  6. 前記芯材に前記第1の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第1の降伏点変位に対する、前記芯材に前記第2の鋼板または前記第3の鋼板が塑性化する軸方向荷重が作用したときの第2の降伏点変位の比である、降伏変形比が、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さ及び前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと同一である場合に比べて大きくなるように、前記第1の塑性化部の前記軸方向の長さが、前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短くされ、かつ前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さよりも短くされている、ことを特徴とする請求項5に記載の座屈拘束ブレース。
  7. 前記第2の鋼板は、前記第2の塑性化部が前記拘束部材から突出するよう設けられ、前記第3の鋼板は、前記第3の塑性化部が前記拘束部材から突出するよう設けられることを特徴とする請求項5または6に記載の座屈拘束ブレース。
  8. 前記第1の塑性化部の幅は、前記第1の鋼板の前記軸方向の両端部の幅よりも狭く、前記第2の塑性化部の幅は、前記第2の鋼板の前記軸方向の両端部の幅よりも狭く、前記第3の塑性化部の幅は、前記第3の鋼板の前記軸方向の両端部の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  9. 前記芯材の前記両端部のそれぞれに設けられ、第1の接合部分において前記第1の鋼板と接合し、第2の接合部分において前記第2の鋼板と接合し、第3の接合部分において前記第3の鋼板と接合される接合部材を更に備えることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  10. 前記芯材の前記両端部のそれぞれに設けられ、第1の接合部分において前記第1の鋼板と接合し、第2の接合部分において前記第2の鋼板と接合し、第3の接合部分において前記第3の鋼板と接合される接合部材を更に備え、
    前記第2の接合部分及び前記第3の接合部分は、前記第1の接合部分よりも前記軸方向の中央側に設けられることを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  11. 前記芯材の前記両端部のそれぞれに設けられ、第1の接合部分において前記第1の鋼板と接合し、第2の接合部分において前記第2の鋼板と接合し、第3の接合部分において前記第3の鋼板と接合される接合部材を更に備え、
    前記第1の接合部分は、前記第2の接合部分及び前記第3の接合部分よりも前記軸方向の中央側に設けられることを特徴とする請求項5~7のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  12. 前記第1の接合部分は、前記第2の接合部分と前記軸方向に重ならないよう設けられ、かつ前記第3の接合部分と前記軸方向に重ならないよう設けられることを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  13. 前記接合部材は、前記第1の鋼板、前記第2の鋼板、及び前記第3の鋼板を、前記第1の鋼板の厚さ方向と交差する方向に挟み込む一対の接合プレートを有することを特徴とする請求項9~12のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  14. 前記第2の降伏点は、前記第3の降伏点と等しく、
    前記第2の塑性化部の前記軸方向の長さは、前記第3の塑性化部の前記軸方向の長さと等しいことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  15. 前記第2の鋼板及び前記第3の鋼板は、前記第1の鋼板の厚さ方向の中心を挟んで前記厚さ方向に対称となるように配置されていることを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  16. 前記第1の鋼板、前記第2の鋼板、及び前記第3の鋼板は、互いに平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  17. 前記第2の鋼板と前記第3の鋼板との間に設けられるスペーサをさらに備えることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレース。
  18. フレームと、
    前記フレームから内側に張り出す複数のガセットプレートと、
    前記複数のガセットプレートの間に架け渡され、前記芯材の前記両端部が、溶接、ピン接合、またはボルト接合により前記複数のガセットプレートに接続される請求項1~17のいずれか一項に記載の座屈拘束ブレースと、
    を備えることを特徴とする耐力構造物。
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