JP3215633U - ブレース取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震時において、鉄骨架構の梁に横座屈を生じさせることなく、また柱や柱脚部に捻じれ変形を生じさせることのない経済的なブレース取付構造を提供する。【解決手段】鋼管柱6とH形鋼梁7を骨組みとする鉄骨架構の矩形状架構面に設けたガセットプレート51、52に2本1組のブレース体1を傾斜状に連結するブレース取付構造であって、ブレース体1が、それぞれ両端側に定着金具3を結合したブレース芯材とブレース芯材を内部に収容する座屈拘束鋼管4からなり、ガセットプレートが、鋼管柱の矩形状架構面に平行な両方の側面61の対向位置に接合された1対の柱側ガセットプレート51とH形鋼梁のフランジ面の1か所に近接状態で接合された1対の梁側ガセットプレート52からなり、ブレース体はそれぞれ柱側ガセットプレートと梁側ガセットプレートに両端側の定着金具3を介してピン接合される。【選択図】図3
Description
本考案は、特に中小規模の鉄骨造建築物で従来から多用されている引張ブレースに代わる座屈拘束ブレースの設置形態に係り、地震時において、構造体の耐力低下や変形量の増加を抑制し、構造躯体の梁においては横座屈を防ぎ、柱や柱脚部では捻じれ変形の発生に伴う付加的な応力の発生を阻止し、経済的で耐震性能の向上が実現できるブレース取付構造に関する。
鉄骨ラーメンフレーム架構は、主要構造部材である柱(H形鋼、角形鋼管、円形鋼管)とH形鋼からなる梁が剛接合されたもので、一般的に広く採用されている架構形式である。本考案は、柱を角形鋼管または円形鋼管とし、梁をH形鋼とする鉄骨ラーメンフレーム架構にブレースを使用する、いわゆるラーメンブレース架構に関するものである。鉄骨構造に用いられるブレースの種類は機能別に区分される。具体的には、引張ブレース、圧縮ブレース及び座屈拘束ブレース(引張と圧縮を働かせるブレース)に大別される。引張ブレースは主に新築の建築物に使用され、圧縮ブレースと座屈拘束ブレースは大規模な建築物や耐震補強する建築物に多く用いられている。ブレースの構造形式としては、X型、Z型、K型、ひし形と呼ばれる形が一般的である。ブレースの構造形式の選択は、構造設計、意匠設計での設計者の意向や、ブレースの特性等の条件で選択される。
引張ブレースは、非常に断面の小さい鋼材でも大きな抵抗力を有することから中小規模の鉄骨建築物に多く用いられている。一方、圧縮ブレースは、座屈強度に基づいて圧縮力の負担で設計される。また、座屈拘束ブレースは、引張力と圧縮力を負担することができ、引張力と圧縮力のいずれもブレース芯材で負担するが、ブレース芯材の座屈を防ぐ座屈拘束鋼管を用いてブレース芯材を覆うことにより、ブレースの剛性および降伏耐力が引張と圧縮が同等として設計される。このことから、座屈拘束ブレースは、引張ブレースや圧縮ブレースと比較して、一本のブレースが引張力と圧縮力を負担することにより、従来のブレースを使用するときに必要な本数やブレース重量等の低減につながり、経済性の高いものとなる。
ところで、ブレースを用いる鉄骨建築物においては、外装材等の取付条件などによって、柱芯と梁芯が一致しない設計も多い。この場合、ブレースは単体仕様であり、梁側では一般的に梁芯に一致させて取り付けるが、柱に対しては偏芯した状態で取りつくことになる(特許文献1,2参照)。このような取付構造では、ブレースに対して地震時に引張力が作用したとき、柱や柱脚部(アンカーボルト等)に「捻じり応力」が生じ、建築物の耐震性を低下させる原因となる。また、柱がH形鋼の場合には、補剛材を柱の内部に溶接して容易に補強できるが、柱が角形鋼管などの場合では、柱の端部付近での柱内部の補強は可能であるものの、柱中間部における柱内部の補強は不可能である。さらに、角形鋼管柱の架構面側に向いた面(フランジ面と呼ぶ。)にガセットプレートを溶接し、このガセットプレートにブレースを接続する取付構造の場合には、地震等により引張力や圧縮力が作用すると、ガセットプレートが接続されている角形鋼管柱の側面(フランジ面)で凸形状や凹形状の局部変形が生じ、柱とガッセトプレート接合部での耐力低下や破壊などにつながる可能性がある。
また、図10に示すように、H形鋼梁7が曲げ荷重Qを受けると、初めは荷重面内に撓むだけであるが、曲げモーメントがある値に達すると、突然、H形鋼梁7は横方向にも撓み、同時に捻じりを伴った変形が生じて、耐力が低下する。一般的に、H形鋼梁7は荷重Qの作用する方向の曲げ剛性に較べ、それと直角方向の曲げ剛性の方がかなり小さい。そのため、横方向の変形に対する支えが少ないH形鋼梁7ではこのような現象がよく生じる。これは座屈現象の一つで、梁の「横座屈」と称されている。このような横座屈は、H形鋼梁7の曲げ耐力や変形性能の低下を招くので、梁を設計するうえで極めて重要な問題である。図11は、横座屈に対する補強方法の従来例である。この補強例は、アングル鋼10を用いた引張ブレースによる補強例を示したものである。この例では、引張ブレースを取り付けるための別の鋼材を用意しなければならず実用的でない。
本考案は、上記従来技術の課題を解決するために創出されたもので、地震時において、梁においては横座屈の発生による構造体の耐力低下を防ぎ、柱や柱脚部においては、柱の捻じれ変形に伴う付加応力の増加による構造体の耐力低下、さらに、ブレースからの圧縮力および引張力による柱の局部的な変形によるガセットプレートと柱の溶接部の破壊を回避できる経済的なブレース取付構造の提供を目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本考案は、鋼管柱とH形鋼梁を骨組みとする鉄骨架構の矩形状架構面に設けたガセットプレートに2本1組のブレース体を傾斜状に連結するブレース取付構造であって、ブレース体が、それぞれ両端側に定着金具を結合したブレース芯材とこのブレース芯材を内部に収容する座屈拘束鋼管からなり、ガセットプレートが、鋼管柱の矩形状架構面に平行な両方の側面の対向位置に接合された1対の柱側ガセットプレートとH形鋼梁のフランジ面の1か所に近接状態で接合された1対の梁側ガセットプレートからなり、ブレース体はそれぞれ柱側ガセットプレートと梁側ガセットプレートに両端側の定着金具を介してピン接合(構造面内にのみブレース体の回転をフリーとする。)されることを主たる構成として採用した点に特徴がある。
また、本考案の他の構成としては、上記主たる構成において、ブレース芯材は両端側にねじ部を形成した丸鋼からなり、定着金具が該ブレース芯材のねじ部にそれぞれ螺合する一対の筒状雌ねじ部材と、これら筒状雌ねじ部材の他端側でその軸心と平行に互いに間隔をいた並列状態で結合され、柱側ガセットプレートおよび梁側ガセットプレートを対向面間に受け入れ、それぞれ垂直方向に貫通するピン部材により他端側でピン接合される一対の接合プレート部材を備えたものである。
本考案に係るブレース取付構造では、上記構成を採用することにより、次のような効果が得られる。
(1)鉄骨架構(構造躯体)に対して地震等による水平力が負荷されると、座屈拘束型であるブレース体には長手方向に向けて、右方向の移動に対して引張力(圧縮力)が、左方向の移動に対して圧縮力(引張力)が交互に作用する。このとき、ブレース体の両端部が矩形状架構面の対角位置にあるガセットプレートに対して、矩形状架構面内で相対回転可能にピン接合されることにより、この接合部で部材相互の相対的な移動が拘束され、ブレース体に作用する引張力や圧縮力の伝達がスムーズに行われる。
そして、鋼管柱側では2本1組のブレース体のそれぞれ一方の端部が、矩形状架構面に平行な鋼管柱のウエブに相当する側面の対向位置に溶接されたガセットプレートにピン接合され、また他方の端部がH形鋼梁のフランジ面の1か所に近接状態で接合された1対の梁側ガセットプレートにピン接合されるので、地震力等が作用したとき、一方の2本1組となったブレース体が引張耐力を、また他方の2本1組となったブレース体が圧縮耐力を負担する。さらに、梁材が横座屈現象によって構造面外に変形移動をし始めると、2本1組となったブレース体が引張力と圧縮力に対して同時に働くことで梁材の横座屈を防止し、柱や柱脚部での捻じれ変形を効果的に阻止することができ、さらに2本1組のブレース体の2対をK型に配置することにより、H型鋼梁の横座屈を効果的に防止することができる。
(2)柱側のガセットプレートが、矩形状架構面と平行な位置関係にある鋼管柱の側面(ウエブに相当)の両方に対向状態で溶接されるので、従来のように鋼管柱の矩形状架構面に向いた側面(フランジに相当)にガセットプレートが接合され、このガセットプレートにブレース体が連結された場合のように、地震等による引張力で鋼管柱の側面を凸状あるいは凹状とするような面外変形を生じさせることがなくなる。
(3)本考案で用いるブレース体が座屈拘束型であり、ブレース体に働く引張力に対する許容耐力と、圧縮力に対する剛性・耐力は同等であることから、基本的に圧縮力の負担ができない同じ断面の引張ブレースと比較して2倍の有効耐力を有することになる。このため、同一建築物でのブレースの数量を比較すると、引張ブレースの概ね半数で同じ耐力を有することになり、耐震補強構造として経済的である。
(4)ブレース芯材が、両端側にねじ部を形成した丸鋼からなり、定着金具が該ブレース芯材のねじ部にそれぞれ螺合する一対の筒状雌ねじ部材と、これら筒状雌ねじ部材の他端側でその軸心と平行に互いに間隔をおいた並列状態で結合され、柱側ガセットプレートおよび梁側ガセットプレートを対向面間に受け入れ、それぞれ垂直方向に貫通するピン部材により他端側でピン接合される一対の接合プレート部材を備える構成とした場合には、ブレース芯材のねじ部と筒状雌ねじ部材の螺合構造により、それぞれの定着金具を回転させることでブレース全体の長さ寸法の調整を広い範囲で簡単に行うことができる。
(1)鉄骨架構(構造躯体)に対して地震等による水平力が負荷されると、座屈拘束型であるブレース体には長手方向に向けて、右方向の移動に対して引張力(圧縮力)が、左方向の移動に対して圧縮力(引張力)が交互に作用する。このとき、ブレース体の両端部が矩形状架構面の対角位置にあるガセットプレートに対して、矩形状架構面内で相対回転可能にピン接合されることにより、この接合部で部材相互の相対的な移動が拘束され、ブレース体に作用する引張力や圧縮力の伝達がスムーズに行われる。
そして、鋼管柱側では2本1組のブレース体のそれぞれ一方の端部が、矩形状架構面に平行な鋼管柱のウエブに相当する側面の対向位置に溶接されたガセットプレートにピン接合され、また他方の端部がH形鋼梁のフランジ面の1か所に近接状態で接合された1対の梁側ガセットプレートにピン接合されるので、地震力等が作用したとき、一方の2本1組となったブレース体が引張耐力を、また他方の2本1組となったブレース体が圧縮耐力を負担する。さらに、梁材が横座屈現象によって構造面外に変形移動をし始めると、2本1組となったブレース体が引張力と圧縮力に対して同時に働くことで梁材の横座屈を防止し、柱や柱脚部での捻じれ変形を効果的に阻止することができ、さらに2本1組のブレース体の2対をK型に配置することにより、H型鋼梁の横座屈を効果的に防止することができる。
(2)柱側のガセットプレートが、矩形状架構面と平行な位置関係にある鋼管柱の側面(ウエブに相当)の両方に対向状態で溶接されるので、従来のように鋼管柱の矩形状架構面に向いた側面(フランジに相当)にガセットプレートが接合され、このガセットプレートにブレース体が連結された場合のように、地震等による引張力で鋼管柱の側面を凸状あるいは凹状とするような面外変形を生じさせることがなくなる。
(3)本考案で用いるブレース体が座屈拘束型であり、ブレース体に働く引張力に対する許容耐力と、圧縮力に対する剛性・耐力は同等であることから、基本的に圧縮力の負担ができない同じ断面の引張ブレースと比較して2倍の有効耐力を有することになる。このため、同一建築物でのブレースの数量を比較すると、引張ブレースの概ね半数で同じ耐力を有することになり、耐震補強構造として経済的である。
(4)ブレース芯材が、両端側にねじ部を形成した丸鋼からなり、定着金具が該ブレース芯材のねじ部にそれぞれ螺合する一対の筒状雌ねじ部材と、これら筒状雌ねじ部材の他端側でその軸心と平行に互いに間隔をおいた並列状態で結合され、柱側ガセットプレートおよび梁側ガセットプレートを対向面間に受け入れ、それぞれ垂直方向に貫通するピン部材により他端側でピン接合される一対の接合プレート部材を備える構成とした場合には、ブレース芯材のねじ部と筒状雌ねじ部材の螺合構造により、それぞれの定着金具を回転させることでブレース全体の長さ寸法の調整を広い範囲で簡単に行うことができる。
以下、図面を参照しながら本考案の実施形態について説明する。図1は本考案に係るブレース取付構造(鉄骨架構との接合構造)の第一実施形態で使用するブレース体について、一方の端部を断面で表示した部分断面図、図2は図1に示したブレース体とガセットプレートの関係を示した正面図と平面図である。図示のブレース体1は、ねじ部21が両端側に形成された丸鋼からなるブレース芯材2と、このブレース芯材2の両端側に結合される定着金具3と、これら定着金具3の間にあってブレース芯材2を内部に遊嵌状態で収容する座屈拘束鋼管4からなり、いわゆる座屈拘束型ブレースに分類されるものである。
上記ブレース体1において、ブレース芯材2は、丸鋼の他に鉄筋、鋼管、平鋼等を使用することができる。座屈拘束鋼管4の外径は、ブレース芯材2の2〜3倍程度が好適である。また、座屈拘束鋼管4とブレース芯材2の隙間には、コンクリート、モルタルなどの充填材、あるいは複数の鋼製リングなどのスペーサーを設けることができる。具体例としては、座屈拘束鋼管4とブレース芯材2の間隔としては10〜20mm程度、ブレース芯材2の外径は16〜36mm程度である。
定着金具3は、ブレース芯材2の両端側のねじ部21にそれぞれ一端側で螺合する一対の筒状雌ねじ部材31と、これら筒状雌ねじ部材31の他端側に円板部32を介して結合される2枚1組の接合プレート部材33からなるものである。2枚1組の接合プレート部材33は、図2に示したようにピン孔50を有するガセットプレート5を対向面間に受け入れ可能な間隔を空けて並設され、それぞれにピン孔34が互いの軸心を合わせて形成されている。また、定着金具3の筒状雌ねじ部材31の外径は、座屈拘束鋼管4の内径よりも僅かに小さい大きさである。そして、座屈拘束鋼管4は、ブレース芯材2の両端側に位置する円板部32,32間の距離よりもやや短い長さに設定されている。
図3,4は、図1,2に示したブレース体1を使用する本考案に係るブレース取付構造の第一実施形態であって、それぞれ底面図と正面図である。すなわち、角形鋼管または円形鋼管からなる鉄骨柱6とH形鋼からなる鉄骨梁7を骨組みとする鉄骨架構の矩形状架構面にブレース体1を傾斜状に接合したものである。本考案では、同一の寸法形状からなるブレース体1(座屈拘束ブレース)を2本1組として使用し、ガセットプレート5も2枚1組として使用する。この場合、2枚1組の柱側のガセットプレート51は、矩形状架構面と平行な位置関係にある鉄骨柱6の側面61に対して対向状態で溶接されている。また、2枚1組の梁側のガセットプレート52は、鉄骨梁7の下方のフランジ面71に対して、鉄骨柱6から同じ距離の位置に互いに近接して接合されている。図3の底面図からわかるように、2枚1組の梁側のガセットプレート52は、鉄骨柱6の両方の側面61に接合されている2枚の柱側のガセットプレート51に対応するように略V字状に開いた状態で配置されている。そして、ブレース体1とガセットプレート51,52とは、ピンボルト81とナット82からなるピン部材8によりピン接合される。この場合、丸鋼からなるブレース芯材2の両端部にねじが形成され、これらねじ部21に対して、それぞれ接合プレート部材33と一体の筒状雌ねじ部材31が螺合していることにより、定着金具3を所望の方向に回転することで、ブレース体1の長さ調整を簡単に行うことができる。
図5(a),(b)は、それぞれ引張ブレースTと本考案で使用する座屈拘束型のブレース体1について、地震力が作用した時のブレースの挙動を示した説明図である。図に示すように、同じ大きさの水平力Qが鉄骨架構(構造躯体)に作用したとき、引張ブレースTでは座屈が生じるのに対して、座屈拘束型のブレース体1ではブレース芯材2が外側にある座屈拘束鋼管5で補剛されるため座屈することがない。図6は、同じく引張ブレースTと本考案で使用する座屈拘束型のブレース体1について、荷重Qと変形量δの関係を示した説明図である。本考案で使用する座屈拘束型のブレース体1は、引張力および圧縮力を交互に負担することが可能で、ブレース体1の剛性および降伏耐力は、引張力および圧縮力に対してほぼ同等の剛性と降伏耐力を有する。これに対して、引張ブレースTでは、ブレース体1に比べて低荷重で圧縮降伏する。
本考案のブレース取付構造は、鋼管4(座屈拘束鋼管)でブレース芯材2の外周を覆うことによりブレース体1の座屈を阻止する座屈拘束型のブレース体1を使用するとともに、ブレース体1の両端に設けた定着金具3を介して柱側および梁側のガセットプレート51,52に対してピン接合する構造である。これにより、ブレース体1は架構面内で相対回転が可能になり、このピン接合部で部材相互の相対的な移動が拘束されるので、ブレース芯材2に作用する引張力や圧縮力の伝達がスムーズに行われ、構面外への座屈変形を効果的に抑制して耐震性能を向上させることができる。なお、本考案に係るブレースの形式としては、図7に示す(a)方杖型、(b)K型ブレース、(c)菱型ブレース等と呼ばれる形式とすることもできる。
図7(b)のK型ブレースの応用例として、柱脚部に適用することも可能である。すなわち、図8に示すように、柱脚部において、アンカーボルト10で基礎コンクリート11の上面に固定されるベースプレート9の上面と、鋼管柱6の下端部の側面とに溶接したベースプレート9の補剛材90のうちで架構面側に位置する補剛材90aを柱側のガセットプレートとみなし、H形鋼梁7の下面に溶接した梁側のガセットプレート52に対して、ブレース体1の両端部をピン接合したものである。図9は、柱脚部を拡大した斜視図であり、補剛材90は2枚1組として互いに間隔をおいた状態で鋼管柱6の各側面に溶接される。なお、柱側のガセットプレートとして使用する補剛材90aにだけピン孔91を形成する。この実施形態において、ブレース体1は2本1組として使用され、柱側のガセットプレートに相当する補剛材90a側ではブレース体1が互いに間隔をおいてピン接合される一方、H形鋼梁7側では前記第1実施形態と同様に近接状態でピン接合される。
ところで、図10に示すように、H形鋼梁7が曲げ荷重Qを受けると、梁に横座屈現象が生じやすい。しかしながら、本考案のブレース取付構造では、2本1組のブレース体1を一端側では互いに間隔をおいてガセットプレート5にピン接合し、他端側では近接状態でピン接合することにより、上記のようなH形鋼梁7の横座屈現象を効果的に抑制することができ、特に2本1組のブレース体の2対を図7(b)に示すK型に配置することにより、H形鋼梁の横座屈を防止することができる。
以上、実施形態に基づいて本考案の構成とその作用効果について説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、この考案の技術思想内での種々の変更実施はもちろん可能である。
本考案に係るブレースの取付構造は、鉄骨建造物の耐震性能を経済的に向上させることができるので、耐震補強技術としてさらなる展開が期待される。
1:ブレース体、2:ブレース芯材(丸鋼)、21:ねじ部、3:定着金具、31:筒状雌ねじ部材、32:円板部、33:接合プレート部材、4:座屈拘束鋼管、5,51,52:ガセットプレート、6:鋼管柱、7:H形鋼梁、8:ピン部材、9:ベースプレート、90,90a:補剛材、10:アングル鋼
Claims (2)
- 鋼管柱とH形鋼梁を骨組みとする鉄骨架構の矩形状架構面に設けたガセットプレートに2本1組のブレース体を傾斜状に連結するブレース取付構造であって、前記ブレース体はそれぞれ両端側に定着金具を結合したブレース芯材とこのブレース芯材を内部に収容する座屈拘束鋼管からなり、前記ガセットプレートは前記鋼管柱の矩形状架構面に平行な両方の側面の対向位置に接合された1対の柱側ガセットプレートと前記H形鋼梁のフランジ面の1か所に近接状態で接合された1対の梁側ガセットプレートからなり、前記ブレース体がそれぞれ前記柱側ガセットプレートと前記梁側ガセットプレートに両端側の定着金具を介してピン接合されていることを特徴とするブレース取付構造。
- 前記ブレース芯材が両端側にねじ部を形成した丸鋼からなり、前記定着金具が該ブレース芯材のねじ部にそれぞれ螺合する一対の筒状雌ねじ部材と、これら筒状雌ねじ部材の他端側でその軸心と平行に互いに間隔をおいた並列状態で結合され、前記柱側ガセットプレートおよび前記梁側ガセットプレートを対向面内に受け入れ、それぞれ垂直方向に貫通するピン部材により他端側でピン接合される一対の接合プレート部材を備えたものであることを特徴とする請求項1記載のブレース取付構造。
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