JP7285998B1 - 座屈拘束ブレース - Google Patents

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Abstract

【課題】ズレ止め用突起への応力集中による芯材の破断を抑制することができる座屈拘束ブレースを提供すること。【解決手段】本開示に係る座屈拘束ブレースは、芯材10と、芯材10の外周を覆う拘束部材30と、芯材10と拘束部材30との間に充填され、且つ、芯材10を覆う充填剤31と、を備え、芯材10の中央部には、芯材10のズレ止めのためのズレ止め用突起40が設けられており、ズレ止め用突起40は、充填剤31により覆われ、ズレ止め用突起40の幅は、ズレ止め用突起40の先端からズレ止め用突起40の根元に向かうに連れ、大きくなる、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、座屈拘束ブレースに関する。
従来から、構造物の補強材として、座屈拘束ブレースが用いられることがある。座屈拘束ブレースにおいては、軸力を受ける芯材が外周側から拘束部材及び充填剤等によって拘束されることで、芯材の長手方向以外の変形や座屈を防止されながら塑性変形する。座屈拘束ブレースを用いることにより、構造物の耐震・制振性能が向上する。
特許文献1の座屈拘束ブレースにおいては、芯材と拘束部材とのズレを防止するために、芯材の中央部にズレ止め用突起が設けられ、拘束部材の中央部に、ズレ止め用突起と係合する凹部が設けられている。
特開2001-214541号公報
特許文献1の構造では、ズレ止め用突起が芯材に対して垂直に設けられている。したがって、芯材に長手方向の引張力が加わると、ズレ止め用突起の根元に応力が集中しやすい。ズレ止め用突起の根元に応力が集中すると、根元を起点とした亀裂が発生し、芯材が破断する可能性がある。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、ズレ止め用突起への応力集中による芯材の破断を抑制することができる座屈拘束ブレースを提供することを目的とする。
<1>本発明の一態様に係る座屈拘束ブレースは、芯材と、前記芯材の外周を覆う拘束部材と、前記芯材と前記拘束部材との間に充填され、且つ、前記芯材を覆う充填剤と、を備え、構造物に取り付けられる座屈拘束ブレースであって、前記芯材の中央部には、前記芯材のズレ止めのためのズレ止め用突起が設けられており、前記ズレ止め用突起は、前記充填剤により覆われ、前記ズレ止め用突起の幅は、前記ズレ止め用突起の先端から前記ズレ止め用突起の根元に向かうに連れ、大きくなる、ことを特徴とする。
ズレ止め用突起の幅を、ズレ止め用突起の先端から根元に向かうに連れ、大きくすることで、応力が集中しやすい根元を相対的に太くできるので、根元において応力が分散されて亀裂が生じ難くなる。したがって、根元を起点とする亀裂の発生を抑制し、これに起因する芯材の破断を抑制することができ、繰り返しの地震に対する芯材の疲労特性を改善することができる。
<2>上記<1>に係る座屈拘束ブレースでは、前記先端は、前記芯材の長手方向と平行な直線状部を含む、構成を採用してもよい。
ズレ止め用突起は、鋼板から切り出されて形成される。先端が直線状部を含むことで、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
<3>上記<2>に係る座屈拘束ブレースでは、前記ズレ止め用突起の側面には、曲率中心が前記芯材及び前記ズレ止め用突起の外側にある円弧状部が設けられている、構成を採用してもよい。
側面に円弧状部が設けられることで、根元における応力集中をより効果的に緩和することができ、ズレ止め用突起への応力集中による芯材の破断をより効果的に抑制することができる。また、円弧状部の曲率中心が芯材及びズレ止め用突起の外側にあることで、内側にある場合に比べて、充填剤がズレ止め用突起の側面で滑ることが抑制され、ズレ止め用突起により充填剤がせん断破壊されることが抑制される。
<4>上記<3>に係る座屈拘束ブレースでは、前記直線状部の長さは、前記円弧状部の曲率半径より、短い、構成を採用してもよい。
<5>上記<4>に係る座屈拘束ブレースでは、前記直線状部の長さは、5mm以上且つ10mm以下である、構成を採用してもよい。
<6>上記<4>または<5>に係る座屈拘束ブレースでは、前記円弧状部の曲率半径は、15mm以上且つ40mm以下である、構成を採用してもよい。
これにより、根元における応力集中をより効果的に緩和することができ、ズレ止め用突起への応力集中による芯材の破断をより効果的に抑制することができる。
また、直線状部の長さが5mm以上且つ10mm以下である場合、ズレ止め用突起の耐力の低下を防止しつつ、根元における応力集中を緩和することができる。また、直線状部を長く取ることができるため、鋼材からの板取り効率が向上する。
また、円弧状部の曲率半径が15mm以上且つ40mm以下である場合、芯材における塑性化領域の長さを確保しつつ、根元における応力集中を緩和することができる。
<7>上記<1>乃至<6>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、20mm以下である、構成を採用してもよい。
これにより、ズレ止め用突起への応力集中をより効果的に緩和することができる。また、ズレ止め用突起の先端から根元までの長さを20mm以下とすることで、鋼材からの板取り効率の低下を防止できる。
<8>上記<1>乃至<7>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記ズレ止め用突起は、前記芯材の幅方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに設けられており、前記幅方向の長さであって前記それぞれに設けられる前記ズレ止め用突起の一方の前記先端から他方の前記先端までの長さは、前記芯材の両端部それぞれの幅より、短い、構成を採用してもよい。
芯材及びズレ止め用突起は、鋼板から切り出されて形成される。幅方向の長さであってそれぞれに設けられるズレ止め用突起の一方の先端から他方の先端までの長さが、芯材の両端部それぞれの幅より、短いことで、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
<9>上記<1>乃至<8>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記芯材から、前記芯材の板厚方向に沿って、延びる補剛部材、を更に備え、前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、前記補剛部材の幅であって前記芯材の幅方向に沿った幅より、短い、構成を採用してもよい。
これにより、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
<10>上記<1>乃至<9>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記芯材は、幅が、前記芯材の中央に向かうに連れ、狭くなる幅変化部、を備え、前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、前記幅変化部の狭くなる幅より、短い、構成を採用してもよい。
これにより、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
<11>上記<1>乃至<10>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記芯材の一部を覆うアンボンド材、を更に備え、前記ズレ止め用突起は、前記アンボンド材により覆われない、構成を採用してもよい。
これにより、ズレ止め用突起によって、芯材の中央部における、充填剤に対する芯材のズレをより効果的に防止できる。
<12>上記<1>乃至<7>、<10>、及び<11>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記芯材は、断面の形状が十字状であり、前記芯材は、前記十字状を形成するように配置される、第1芯材板部、第2芯材板部、第3芯材板部、及び、第4芯材板部、を有し、前記第1芯材板部及び前記第2芯材板部は、同一面内に配置され、前記第3芯材板部及び前記第4芯材板部は、同一面内に配置され、前記ズレ止め用突起は、前記第1芯材板部及び前記第2芯材板部と、前記第3芯材板部及び前記第4芯材板部と、の一方又は両方に設けられる、構成を採用してもよい。
芯材は、断面十字状を形成するように配置される、第1芯材板部、第2芯材板部、第3芯材板部、及び、第4芯材板部、を有するため、単一の鋼板により芯材を形成する場合と比べて、芯材の降伏耐力を向上させることができる。
<13>上記<1>乃至<11>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記ズレ止め用突起は、前記芯材の幅方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに設けられており、且つ、前記幅方向に沿って見て、同じ位置にそれぞれ設けられる、構成を採用してもよい。
これにより、芯材の幅方向の両側から、ズレ止め用突起によって、充填剤に対する芯材のズレを防止することができる。
<14>上記<1>乃至<7>、及び<9>乃至<11>のいずれか1項に係る座屈拘束ブレースでは、前記ズレ止め用突起は、前記芯材の板厚方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに溶接されることで、前記両側それぞれに設けられる、構成を採用してもよい。
これにより、ズレ止め用突起を、溶接により芯材の板厚方向の両側に設けることができる。
本発明によれば、ズレ止め用突起への応力集中による芯材の破断を抑制することができる。
第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを、芯材の板厚方向に沿って見た図である。 第1実施形態に係る座屈拘束ブレースを、芯材の幅方向に沿って見た図である。 第1実施形態に係るズレ止め用突起の拡大図である。 第1実施形態に係る芯材の部分拡大図である。 第2実施形態に係る座屈拘束ブレースを、芯材の板厚方向に沿って見た図である。 第2実施形態に係る座屈拘束ブレースを、芯材の幅方向に沿って見た図である。 第3実施形態に係る座屈拘束ブレースを、第1芯材板部の板厚方向に沿って見た図である。 第2実施形態に係る座屈拘束ブレースを、第1芯材板部の幅方向に沿って見た図である。
<第1実施形態>
以下、図1~4を参照し、本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレース1を説明する。
座屈拘束ブレース1は、構造物に取り付けられる。座屈拘束ブレース1は、例えば、建物における柱と梁とからなる構造物を補強するために用いられる。
座屈拘束ブレース1は、芯材10と、補剛部材20と、拘束部材30と、充填剤31と、アンボンド材32と、ズレ止め用突起40と、を備える。
以下、座屈拘束ブレース1の各構成の説明において、方向を示す際に芯材10を基準として板厚方向、幅方向、長手方向、と呼称することがある。幅方向及び板厚方向について、芯材10に向かう側を内側、芯材10から離れる側を外側と呼称する。
図1は、座屈拘束ブレース1を、芯材10の板厚方向に沿って見た図である。図2は、座屈拘束ブレース1を、芯材10の幅方向に沿って見た図である。図3は、ズレ止め用突起40の拡大図である。図4は、芯材10の部分拡大図である。
芯材10は、鋼板により構成された平板である。芯材10は、両端部が建物の構造に取り付けられることで、建物を補強する。
図1に示されるように、芯材10は、狭幅部11と、広幅部12と、幅変化部13と、を備えている。
狭幅部11は、芯材10における長手方向の中央に位置している。広幅部12は、芯材10における長手方向の両端に位置している。
図4に示されるように、狭幅部11の幅方向の長さを、狭幅部11の幅Wc1という。広幅部12の幅方向の長さを、広幅部12の幅Wc2という。広幅部12の幅Wc2は、狭幅部11の幅Wc1よりも広い。
狭幅部11の長手方向に沿う長さを、狭幅部11の長さという。広幅部12の長手方向に沿う長さを、広幅部12の長さという。広幅部12の長さは、狭幅部11の長さよりも短い。
芯材10における長手方向の中央が狭幅部11であり、長手方向の端部が広幅部12であることで、芯材10における長手方向の中央(すなわち、狭幅部11)が塑性化し易い領域となり、塑性化領域が前記中央に限定される。
幅変化部13は、広幅部12と狭幅部11との境界領域である。幅変化部13の幅方向の長さを、幅変化部13の幅という。幅変化部13の幅は、長手方向に沿って変化する。幅変化部13の幅は、広幅部12側から狭幅部11側に向かうに連れ、狭くなる。すなわち、幅変化部13の幅は、芯材10における長手方向の中央に向かうに連れ、狭くなる。幅変化部13は、例えば、芯材10に作用する付加曲げモーメントを吸収する。
補剛部材20は、鋼板により構成された板状の部材である。補剛部材20は、芯材10の両端部(すなわち、広幅部12)にそれぞれ設けられる。補剛部材20は、芯材10の両端部を補強し、芯材10が板厚方向に折れ曲がることを防ぐ。
補剛部材20は、広幅部12における表裏面(すなわち、広幅部12における板厚方向を向く面)に設けられている。補剛部材20は、広幅部12から、芯材10の板厚方向に沿って延びる。補剛部材20は、広幅部12に、溶接により接合される。芯材10及び補剛部材20は、断面十字状を呈している。
補剛部材20及び広幅部12にはそれぞれ、図示しないボルト孔が開設されている。座屈拘束ブレース1は、ボルト孔に差し込まれる図示しないボルトによって、構造物に取り付けられる。
拘束部材30は筒状である。例えば、拘束部材30は、角筒形の鋼管である。なお、拘束部材30は、円筒形の鋼管であってもよい。
拘束部材30は、芯材10の外周を覆う。拘束部材30の長手方向に沿う長さを、拘束部材30の長さという。拘束部材30の長さは、芯材10全体の長手方向に沿う長さよりも短い。拘束部材30の長さは、狭幅部11の長さよりも長い。これにより、芯材10の広幅部12は、拘束部材30から外側に突出している。
充填剤31は、芯材10と拘束部材30との間に充填される。例えば、充填剤31の材質は、コンクリートやモルタルである。拘束部材30の端部から充填剤31が漏れ出ることを防止するために、拘束部材30の両端開口は不図示の蓋により塞がれている。
アンボンド材32は、芯材10及び補剛部材20のうち、拘束部材30の内側に配置される部分を覆う。アンボンド材32は、芯材10及び補剛部材20と充填剤31との間に設けられる。アンボンド材32は、芯材10及び補剛部材20と充填剤31とが互いに付着することを防止する。アンボンド材32により、芯材10及び補剛部材20は、充填剤31に対して相対移動可能となっている。
アンボンド材32が設けられることにより、充填剤31は、芯材10の軸力が拘束部材30に伝達しないように、芯材10を拘束部材30に対して長手方向に相対移動可能に保持する。拘束部材30及び充填剤31により、芯材10の長手方向を除く方向への変形が規制される。
ズレ止め用突起40は、座屈拘束ブレース1の自重の影響などにより、芯材10と拘束部材30とのずれ量(芯材10の拘束部材30に対する相対移動量)が両端部で等しくならない現象を防止するために設けられる。ズレ止め用突起40は、芯材10における長手方向の中央部に設けられる。ズレ止め用突起40は、芯材10の幅方向の両側それぞれに設けられている。ズレ止め用突起40は、芯材10における幅方向の側面から、幅方向外側に突出する。ズレ止め用突起40の材料は、芯材10の材料と同一である。ズレ止め用突起40は、芯材10と一体形成されている。
ズレ止め用突起40は、充填剤31により覆われる。ズレ止め用突起40は、アンボンド材32により覆われない。すなわち、ズレ止め用突起40は、アンボンド材32から露出する。これにより、ズレ止め用突起40は、充填剤31に対して相対移動不能となる。ズレ止め用突起40は、芯材10の中央部における、芯材10の、充填剤31に対する位置ずれを防止する。
ズレ止め用突起40は、芯材10の幅方向の一方側に設けられる第1ズレ止め用突起41と、芯材10の幅方向の他方側に設けられる第2ズレ止め用突起42と、を含む。第1ズレ止め用突起41と、第2ズレ止め用突起42とは、その長手方向の位置が一致するよう配置される。
第1ズレ止め用突起41と、第2ズレ止め用突起42とは、同一形状である。第1ズレ止め用突起41及び第2ズレ止め用突起42の形状について、ズレ止め用突起40の形状としてまとめて説明する。
図3は、ズレ止め用突起40の拡大図である。なお、図3においては、説明を容易にするために、芯材10とズレ止め用突起40との境界を点線で示している。
ズレ止め用突起40は、先端40aと、根元40bと、先端40aと根元40bとを接続する一対の側面40cと、を有する。根元40bは、ズレ止め用突起40における、芯材10と接続される部分であり、先端40aは、根元40bと反対側の部分である。先端40aは、ズレ止め用突起40における幅方向の外側に位置しており、根元40bは、ズレ止め用突起40における幅方向の内側に位置している。側面40cは、ズレ止め用突起40における長手方向を向く面である。
ズレ止め用突起40の、芯材10の長手方向に沿う長さを、ズレ止め用突起40の幅という。ズレ止め用突起40の幅は、先端40aから根元40bに向かうに連れ、大きくなる。
ここで、芯材10に長手方向の引張力が加わると、ズレ止め用突起40の根元40bに応力が集中しやすく、根元40bを起点とした亀裂が発生しやすい。ズレ止め用突起40の幅を、ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bに向かうに連れ、大きくすることで、ズレ止め用突起40の根元40bにおける応力集中を抑制することができ、亀裂の発生を抑制することができる。
先端40aは、芯材10の長手方向と平行な直線状部40a1を含む。直線状部40a1の長手方向に沿った長さを、直線状部40a1の長さLという。すなわち、直線状部40a1の長さLは、先端40aにおけるズレ止め用突起40の幅である。
板厚方向から見たとき、側面40cは円弧状である。すなわち、側面40cには、円弧状部40c1が設けられている。円弧状部40c1の曲率中心をCとし、円弧状部40c1の曲率半径をRとする。円弧状部40c1の曲率中心Cは、芯材10及びズレ止め用突起40の外側に位置する。
直線状部40a1の長さLは、円弧状部40c1の曲率半径Rより、短い。
例えば、直線状部40a1の長さLは、5mm以上且つ10mm以下であることが好ましい。直線状部40a1の長さLが10mmを超えると、ズレ止め用突起40の根元40bにおける応力集中が増加する。直線状部40a1の長さLが5mm未満であると、ズレ止め用突起40の先端40aにおける幅が小さくなり、ズレ止め用突起40の耐力が低下してしまう。
円弧状部40c1の曲率半径Rは、15mm以上且つ40mm以下であることが好ましい。円弧状部40c1の曲率半径Rが15mm未満となると、ズレ止め用突起40の根元40bにおける応力集中が増加する。一方で、円弧状部40c1の曲率半径Rが大きくなると、芯材10における塑性化領域の長さが減少してしまう。芯材10における塑性化領域の長さを確保するために、円弧状部40c1の曲率半径Rは40mm以下であることが好ましい。
ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bまでの長さであって芯材10の長手方向に沿って見た長さを、ズレ止め用突起40の高さHとする。本実施形態において、ズレ止め用突起40の高さHは、ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bまでの、芯材10の幅方向に沿った長さである。例えば、ズレ止め用突起40の高さHは、20mm以下である。ズレ止め用突起40の高さHが20mmを超えると、ズレ止め用突起40の根元40bにおける応力集中が増加する。
図4に示されるように、補剛部材20の、芯材10の幅方向に沿った長さを、補剛部材20の幅Whとする。ズレ止め用突起40の高さHは、補剛部材20の幅Whより、短い。
また、上述のように、幅変化部13の幅は、広幅部12側から狭幅部11側に向かうに連れ、狭くなる。幅変化部13の狭くなる幅をWc3とする。ズレ止め用突起40の高さHは、幅変化部13の狭くなる幅Wc3より、短い。すなわち、広幅部12における幅方向の側面は、ズレ止め用突起40の先端40aよりも、幅方向外側に位置している。
図4に示されるように、第1ズレ止め用突起41の先端40aから第2ズレ止め用突起42の先端40aまでの、芯材10の幅方向に沿った長さを、先端間長さWpとする。先端間長さWpは、広幅部12の幅Wc2(すなわち、芯材10の両端部それぞれの幅)より、短い。
以上説明したように、本実施形態に係る座屈拘束ブレース1は、芯材10と、芯材10の外周を覆う拘束部材30と、芯材10と拘束部材30との間に充填され、且つ、芯材10を覆う充填剤31と、を備える。芯材10の中央部には、芯材10のズレ止めのためのズレ止め用突起40が設けられている。ズレ止め用突起40は、充填剤31により覆われている。ズレ止め用突起40の幅は、ズレ止め用突起40の先端40aからズレ止め用突起40の根元40bに向かうに連れ、大きくなる。
座屈拘束ブレース1の製造誤差や、座屈拘束ブレース1の自重の影響等により、芯材10に長手方向の圧縮力や引張力が加わったときの芯材10の長手方向の変位が、芯材10における長手方向の一方側と他方側とで非対称となる可能性がある。ズレ止め用突起40が設けられることにより、芯材10の中央部における、充填剤31に対する芯材10のズレが防止される。この結果、芯材10に長手方向の圧縮力が加わったときに、芯材10は、芯材10の中央部(ズレ止め用突起40)に向けて縮むことになり、芯材10の長手方向の変位を、芯材10における長手方向の一方側と他方側とで対称とすることができる。
また、ズレ止め用突起40の幅を、ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bに向かうに連れ、大きくすることで、応力が集中しやすい根元40bを相対的に太くできるので、根元40bにおいて応力が分散されて亀裂が生じ難くなる。したがって、根元40bを起点とする亀裂の発生を抑制し、これに起因する芯材10の破断を抑制することができ、繰り返しの地震に対する芯材10の疲労特性を改善することができる。
また、先端40aは、芯材10の長手方向と平行な直線状部40a1を含む。
ズレ止め用突起40は、鋼板から切り出されて形成される。先端40aが直線状部40a1を含むことで、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
また、ズレ止め用突起40の側面40cには、曲率中心Cが芯材10及びズレ止め用突起40の外側にある円弧状部40c1が設けられている。
側面40cに円弧状部40c1が設けられることで、根元40bにおける応力集中をより効果的に緩和することができ、ズレ止め用突起40への応力集中による芯材10の破断をより効果的に抑制することができる。また、円弧状部の曲率中心が芯材10及びズレ止め用突起40の内側にある場合、充填剤31がズレ止め用突起40の側面40cで滑ろうとする動きが発生するため、充填剤31がせん断破壊を起こしやすくなる。円弧状部40c1の曲率中心Cが芯材10及びズレ止め用突起40の外側にあることで、内側にある場合に比べて、充填剤31がズレ止め用突起40の側面40cで滑ることが抑制され、ズレ止め用突起40により充填剤31がせん断破壊されることが抑制される。
また、直線状部40a1の長さLは、円弧状部40c1の曲率半径Rより、短い。
直線状部40a1の長さLは、5mm以上且つ10mm以下である。
円弧状部40c1の曲率半径Rは、15mm以上且つ40mm以下である。
これにより、根元40bにおける応力集中をより効果的に緩和することができ、ズレ止め用突起40への応力集中による芯材10の破断をより効果的に抑制することができる。
また、直線状部40a1の長さLが5mm以上且つ10mm以下である場合、ズレ止め用突起40の耐力の低下を防止しつつ、根元40bにおける応力集中を緩和することができる。また、直線状部40a1を長く取ることができるため、鋼材からの板取り効率が向上する。
また、円弧状部40c1の曲率半径Rが15mm以上且つ40mm以下である場合、芯材10における塑性化領域の長さを確保しつつ、根元40bにおける応力集中を緩和することができる。
また、ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bまでの長さであって芯材10の長手方向に沿って見た長さ(ズレ止め用突起40の高さH)は、20mm以下である。
これにより、ズレ止め用突起40への応力集中をより効果的に緩和することができる。また、ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bまでの長さを20mm以下とすることで、鋼材からの板取り効率の低下を防止できる。
また、ズレ止め用突起40は、芯材10の幅方向の両側であって芯材10の中央部の両側それぞれに設けられている。幅方向の長さであってそれぞれに設けられるズレ止め用突起40の一方の先端40aから他方の先端40aまでの長さ(先端間長さWp)は、芯材10の両端部それぞれの幅(広幅部12のWc2)より、短い。
芯材10及びズレ止め用突起40は、鋼板から切り出されて形成される。幅方向の長さであってそれぞれに設けられるズレ止め用突起40の一方の先端40aから他方の先端40aまでの長さが、芯材10の両端部それぞれの幅より、短いことで、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
また、座屈拘束ブレース1は、芯材10から、芯材10の板厚方向に沿って、延びる補剛部材20、を更に備える。ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bまでの長さであって芯材10の長手方向に沿って見た長さ(ズレ止め用突起40の高さH)は、補剛部材20の幅Whであって芯材10の幅方向に沿った幅より、短い。
これにより、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
また、芯材10は、幅が、芯材10の中央に向かうに連れ、狭くなる幅変化部13を備える。ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bまでの長さであって芯材10の長手方向に沿って見た長さ(ズレ止め用突起40の高さH)は、幅変化部13の狭くなる幅Wc3より、短い。
これにより、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
また、座屈拘束ブレース1は、芯材10の一部を覆うアンボンド材32、を更に備える。ズレ止め用突起40は、アンボンド材32により覆われない。
これにより、ズレ止め用突起40によって、芯材10の中央部における、充填剤31に対する芯材10のズレをより効果的に防止できる。
また、ズレ止め用突起40は、芯材10の幅方向の両側であって芯材10の中央部の両側それぞれに設けられており、且つ、幅方向に沿って見て、同じ位置にそれぞれ設けられる。
これにより、芯材10の幅方向の両側から、ズレ止め用突起40によって、充填剤31に対する芯材10のズレを防止することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ズレ止め用突起40の形状(直線状部40a1の長さL、ズレ止め用突起40の高さH、及び円弧状部40c1の曲率半径R)を異ならせた場合の、極低サイクル疲労(ultra-low cycle fatigue(ULCF))に対するズレ止め用突起40の累積損傷の低減効果を検証するための有限要素解析を行った。
表1に、実施例1~3及び比較例1~3における、直線状部40a1の長さL、ズレ止め用突起40の高さH、及び円弧状部40c1の曲率半径Rの寸法と、ズレ止め用突起40の累積損傷(ULCF damage)の解析結果を示す。なお、実施例1~3及び比較例1~3のいずれにおいても、ズレ止め用突起40の厚さは25mmとした。また、実施例1~3及び比較例1~3のいずれにおいても、ズレ止め用突起40は、芯材10と一体成形される(すなわち、ズレ止め用突起40と芯材10とは溶接されていない)ものとした。表1において、ズレ止め用突起40の累積損傷(ULCF damage)は、比較例1を基準として示した。すなわち、ズレ止め用突起40の累積損傷(ULCF damage)の値が小さいほど、比較例1に比べて、ズレ止め用突起40の累積損傷が低減していることを示す。
Figure 0007285998000002
表1に示されるように、直線状部40a1の長さLが5mm以上10mm以下である場合には、比較例1を基準としたズレ止め用突起40の累積損傷が24%以上低減しており、すなわち、ズレ止め用突起40の累積損傷が著しく低減していることが分かる。直線状部40a1の長さLが5mm以上10mm以下である場合には、根元40bにおける応力集中を効果的に緩和できており、したがってズレ止め用突起40の累積損傷が著しく低減したことが分かる。また、実施例2と実施例3とを比較すると、いずれの場合においてもズレ止め用突起40の累積損傷が著しく低減しているが、円弧状部40c1の曲率半径Rが15mmであるとき、ズレ止め用突起40の累積損傷がより顕著に低減していることが分かる。
<第2実施形態>
次に、図5及び6を参照し、本発明の第2実施形態に係る座屈拘束ブレース1Aを説明する。本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5は、座屈拘束ブレース1Aを、芯材10の板厚方向に沿って見た図である。図6は、座屈拘束ブレース1Aを、芯材10の幅方向に沿って見た図である。
本実施形態では、座屈拘束ブレース1Aは、ズレ止め用突起40の代わりに、ズレ止め用突起50を有する。
図5及び図6に示されるように、ズレ止め用突起50は、芯材10の板厚方向の両側それぞれに設けられている。ズレ止め用突起50は、芯材10における表裏面(すなわち、芯材10における板厚方向を向く面)から、板厚方向外側に突出する。ズレ止め用突起50は、芯材10における長手方向の中央部、且つ幅方向の中央部に配置される。ズレ止め用突起50は、芯材10に、溶接により接合される。
ズレ止め用突起50は、芯材10の板厚方向の一方側に設けられる第1ズレ止め用突起51と、芯材10の板厚方向の他方側に設けられる第2ズレ止め用突起52と、を含む。第1ズレ止め用突起51と、第2ズレ止め用突起52とは、その長手方向の位置が一致するよう配置される。第1ズレ止め用突起51と、第2ズレ止め用突起52とは、同一形状である。
ズレ止め用突起50は、ズレ止め用突起40と同様の形状を有する。すなわち、ズレ止め用突起50は、先端と、根元と、先端と根元とを接続する一対の側面と、を有する。根元は、ズレ止め用突起50における、芯材10と接続される部分(本実施形態では、芯材10に溶接される部分)であり、先端は、根元と反対側の部分である。先端は、ズレ止め用突起50における板厚方向の外側に位置しており、根元は、ズレ止め用突起50における板厚方向の内側に位置している。側面は、ズレ止め用突起50における長手方向を向く面である。
ズレ止め用突起50の幅は、先端から根元に向かうに連れ、大きくなる。ズレ止め用突起50の先端は、芯材10の長手方向と平行な直線状部を含む。ズレ止め用突起50の側面には、曲率中心が芯材10及びズレ止め用突起50の外側にある円弧状部が設けられている。
以上説明したように、本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Aでは、ズレ止め用突起50は、芯材10の板厚方向の両側であって芯材10の中央部の両側それぞれに溶接されることで、上記両側それぞれに設けられる。
本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Aは、第1実施形態に係る座屈拘束ブレース1と同様の効果を奏することが可能である。
すなわち、ズレ止め用突起50の幅を、ズレ止め用突起50の先端から根元に向かうに連れ、大きくすることで、応力が集中しやすいズレ止め用突起50の根元を相対的に太くできるので、ズレ止め用突起50の根元において応力が分散されて亀裂が生じ難くなる。したがって、ズレ止め用突起50の根元を起点とする亀裂の発生を抑制し、これに起因する芯材10の破断を抑制することができ、繰り返しの地震に対する芯材10の疲労特性を改善することができる。
また、ズレ止め用突起50を、溶接により芯材10の板厚方向の両側に設けることができる。
<第3実施形態>
次に、図7及び8を参照し、本発明の第3実施形態に係る座屈拘束ブレース1Bを説明する。本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、座屈拘束ブレース1Bは、芯材10及び補剛部材20の代わりに、断面の形状が十字状の芯材60を有する。また、座屈拘束ブレース1Bは、ズレ止め用突起40の代わりに、ズレ止め用突起70を有する。
芯材60は、第1芯材板部61、第2芯材板部62、第3芯材板部63、及び、第4芯材板部64、を有する。第1芯材板部61、第2芯材板部62、第3芯材板部63、及び、第4芯材板部64は、十字状を形成するように配置される。すなわち、第1芯材板部61及び第2芯材板部62は、同一面内に配置される。第3芯材板部63及び第4芯材板部64は、同一面内に配置される。第1芯材板部61及び第2芯材板部62と、第3芯材板部63及び第4芯材板部64とは、互いに直交するよう配置される。第1~第4芯材板部61~64はそれぞれ、長手方向の中央に位置する狭幅部11と、長手方向の両端に位置する広幅部12と、広幅部12と狭幅部11との境界領域である幅変化部13と、を有する。
例えば、第1芯材板部61及び第2芯材板部62を単一の鋼板により形成し、この鋼板の表裏面に、別の鋼板からなる第3芯材板部63及び第4芯材板部64をそれぞれ溶接により接合することで、芯材60を形成してもよい。
ズレ止め用突起70は、第1芯材板部61及び第2芯材板部62と、第3芯材板部63及び第4芯材板部64と、の両方に設けられる。すなわち、ズレ止め用突起70は、第1芯材板部61に設けられる第1ズレ止め用突起71と、第2芯材板部62に設けられる第2ズレ止め用突起72と、第3芯材板部63に設けられる第3ズレ止め用突起73と、第4芯材板部64に設けられる第4ズレ止め用突起74と、を含む。第1~第4ズレ止め用突起71~74はそれぞれ、第1~第4芯材板部61~64と一体形成されている。
第1~第4ズレ止め用突起71~74はそれぞれ、第1~第4芯材板部61~64における長手方向の中央部に設けられる。第1~第4ズレ止め用突起71~74はそれぞれ、第1~第4芯材板部61~64における幅方向の側面から、幅方向外側に突出する。第1~第4ズレ止め用突起71~74は、その長手方向の位置が一致するよう配置される。第1~第4ズレ止め用突起71~74は、同一形状である。
なお、ズレ止め用突起70は、第1芯材板部61及び第2芯材板部62と、第3芯材板部63及び第4芯材板部64と、のいずれか一方のみに設けられてもよい。すなわち、ズレ止め用突起70は、第1ズレ止め用突起71及び第2ズレ止め用突起72のみを含んでいてもよい。ズレ止め用突起70は、第3ズレ止め用突起73及び第4ズレ止め用突起74のみを含んでいてもよい。
ズレ止め用突起70は、ズレ止め用突起40と同様の形状を有する。すなわち、ズレ止め用突起70は、先端と、根元と、先端と根元とを接続する一対の側面と、を有する。根元は、ズレ止め用突起70における、芯材60と接続される部分であり、先端は、根元と反対側の部分である。側面は、ズレ止め用突起70における長手方向を向く面である。
ズレ止め用突起70の幅は、先端から根元に向かうに連れ、大きくなる。ズレ止め用突起70の先端は、芯材60の長手方向と平行な直線状部を含む。ズレ止め用突起70の側面には、曲率中心が芯材60及びズレ止め用突起70の外側にある円弧状部が設けられている。
以上説明したように、本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Bでは、芯材60は、断面の形状が十字状である。芯材60は、断面十字状を形成するように配置される、第1芯材板部61、第2芯材板部62、第3芯材板部63、及び、第4芯材板部64、を有する。第1芯材板部61及び第2芯材板部62は、同一面内に配置され、第3芯材板部63及び第4芯材板部64は、同一面内に配置される。ズレ止め用突起70は、第1芯材板部61及び第2芯材板部62と、第3芯材板部63及び第4芯材板部64と、の一方又は両方に設けられる。
本実施形態に係る座屈拘束ブレース1Bは、第1実施形態に係る座屈拘束ブレース1と同様の効果を奏することが可能である。
すなわち、ズレ止め用突起70の幅を、ズレ止め用突起70の先端から根元に向かうに連れ、大きくすることで、応力が集中しやすいズレ止め用突起70の根元を相対的に太くできるので、ズレ止め用突起70の根元において応力が分散されて亀裂が生じ難くなる。したがって、ズレ止め用突起70の根元を起点とする亀裂の発生を抑制し、これに起因する芯材60の破断を抑制することができ、繰り返しの地震に対する芯材60の疲労特性を改善することができる。
また、芯材60は、断面十字状を形成するように配置される、第1芯材板部61、第2芯材板部62、第3芯材板部63、及び、第4芯材板部64、を有するため、単一の鋼板により芯材を形成する場合と比べて、芯材60の降伏耐力を向上させることができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上記実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、第1実施形態または第2実施形態において、複数の芯材10が互いに平行に設けられていてもよい。この場合、複数の芯材10のそれぞれに、ズレ止め用突起40、50が設けられる。
第3実施形態において、複数の第1芯材板部61及び複数の第2芯材板部62が互いに平行に設けられていてもよい。この場合、複数の第1芯材板部61及び複数の第2芯材板部62のそれぞれに、ズレ止め用突起70が設けられる。複数の第3芯材板部63及び複数の第4芯材板部64が互いに平行に設けられていてもよい。この場合、複数の第3芯材板部63及び複数の第4芯材板部64のそれぞれに、ズレ止め用突起70が設けられる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
1、1A、1B 座屈拘束ブレース
10、60 芯材
11 狭幅部
12 広幅部
13 幅変化部
20 補剛部材
30 拘束部材
31 充填剤
32 アンボンド材
40、50、70 ズレ止め用突起
40a 先端
40a1 直線状部
40b 根元
40c 側面
40c1 円弧状部
61 第1芯材板部
62 第2芯材板部
63 第3芯材板部
64 第4芯材板部

Claims (14)

  1. 芯材と、
    前記芯材の外周を覆う拘束部材と、
    前記芯材と前記拘束部材との間に充填され、且つ、前記芯材を覆う充填剤と、
    を備え、構造物に取り付けられる座屈拘束ブレースであって、
    前記芯材の中央部には、前記芯材のズレ止めのためのズレ止め用突起が設けられており、
    前記ズレ止め用突起は、少なくともその先端が前記充填剤により覆われ、
    前記ズレ止め用突起の幅は、前記先端から前記ズレ止め用突起の根元に向かうに連れ、大きくなる、
    ことを特徴とする座屈拘束ブレース。
  2. 前記先端は、前記芯材の長手方向と平行な直線状部を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。
  3. 前記ズレ止め用突起の側面には、曲率中心が前記芯材及び前記ズレ止め用突起の外側にある円弧状部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。
  4. 前記直線状部の長さは、前記円弧状部の曲率半径より、短い、
    ことを特徴とする請求項3に記載の座屈拘束ブレース。
  5. 前記直線状部の長さは、5mm以上且つ10mm以下である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の座屈拘束ブレース。
  6. 前記円弧状部の曲率半径は、15mm以上且つ40mm以下である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の座屈拘束ブレース。
  7. 前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、20mm以下である、
    ことを特徴する請求項6に記載の座屈拘束ブレース。
  8. 前記ズレ止め用突起は、前記芯材の幅方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに設けられており、
    前記幅方向の長さであって前記それぞれに設けられる前記ズレ止め用突起の一方の前記先端から他方の前記先端までの長さは、前記芯材の両端部それぞれの幅より、短い、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
  9. 前記芯材から、前記芯材の板厚方向に沿って、延びる補剛部材、
    を更に備え、
    前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、前記補剛部材の幅であって前記芯材の幅方向に沿った幅より、短い、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
  10. 前記芯材は、幅が、前記芯材の中央に向かうに連れ、狭くなる幅変化部、
    を備え、
    前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、前記幅変化部の狭くなる幅より、短い、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
  11. 前記芯材の一部を覆うアンボンド材、
    を更に備え、
    前記ズレ止め用突起は、前記アンボンド材により覆われない、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
  12. 前記芯材は、断面の形状が十字状であり、
    前記芯材は、前記十字状を形成するように配置される、第1芯材板部、第2芯材板部、第3芯材板部、及び、第4芯材板部、を有し、
    前記第1芯材板部及び前記第2芯材板部は、同一面内に配置され、
    前記第3芯材板部及び前記第4芯材板部は、同一面内に配置され、
    前記ズレ止め用突起は、前記第1芯材板部及び前記第2芯材板部と、前記第3芯材板部及び前記第4芯材板部と、の一方又は両方に設けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
  13. 前記ズレ止め用突起は、前記芯材の幅方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに設けられており、且つ、前記幅方向に沿って見て、同じ位置にそれぞれ設けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
  14. 前記ズレ止め用突起は、前記芯材の板厚方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに溶接されることで、前記両側それぞれに設けられる、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
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