JP7285998B1 - 座屈拘束ブレース - Google Patents
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Abstract
Description
<5>上記<4>に係る座屈拘束ブレースでは、前記直線状部の長さは、5mm以上且つ10mm以下である、構成を採用してもよい。
<6>上記<4>または<5>に係る座屈拘束ブレースでは、前記円弧状部の曲率半径は、15mm以上且つ40mm以下である、構成を採用してもよい。
また、直線状部の長さが5mm以上且つ10mm以下である場合、ズレ止め用突起の耐力の低下を防止しつつ、根元における応力集中を緩和することができる。また、直線状部を長く取ることができるため、鋼材からの板取り効率が向上する。
また、円弧状部の曲率半径が15mm以上且つ40mm以下である場合、芯材における塑性化領域の長さを確保しつつ、根元における応力集中を緩和することができる。
以下、図1~4を参照し、本発明の第1実施形態に係る座屈拘束ブレース1を説明する。
座屈拘束ブレース1は、構造物に取り付けられる。座屈拘束ブレース1は、例えば、建物における柱と梁とからなる構造物を補強するために用いられる。
以下、座屈拘束ブレース1の各構成の説明において、方向を示す際に芯材10を基準として板厚方向、幅方向、長手方向、と呼称することがある。幅方向及び板厚方向について、芯材10に向かう側を内側、芯材10から離れる側を外側と呼称する。
図1は、座屈拘束ブレース1を、芯材10の板厚方向に沿って見た図である。図2は、座屈拘束ブレース1を、芯材10の幅方向に沿って見た図である。図3は、ズレ止め用突起40の拡大図である。図4は、芯材10の部分拡大図である。
図1に示されるように、芯材10は、狭幅部11と、広幅部12と、幅変化部13と、を備えている。
図4に示されるように、狭幅部11の幅方向の長さを、狭幅部11の幅Wc1という。広幅部12の幅方向の長さを、広幅部12の幅Wc2という。広幅部12の幅Wc2は、狭幅部11の幅Wc1よりも広い。
狭幅部11の長手方向に沿う長さを、狭幅部11の長さという。広幅部12の長手方向に沿う長さを、広幅部12の長さという。広幅部12の長さは、狭幅部11の長さよりも短い。
芯材10における長手方向の中央が狭幅部11であり、長手方向の端部が広幅部12であることで、芯材10における長手方向の中央(すなわち、狭幅部11)が塑性化し易い領域となり、塑性化領域が前記中央に限定される。
図3は、ズレ止め用突起40の拡大図である。なお、図3においては、説明を容易にするために、芯材10とズレ止め用突起40との境界を点線で示している。
ここで、芯材10に長手方向の引張力が加わると、ズレ止め用突起40の根元40bに応力が集中しやすく、根元40bを起点とした亀裂が発生しやすい。ズレ止め用突起40の幅を、ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bに向かうに連れ、大きくすることで、ズレ止め用突起40の根元40bにおける応力集中を抑制することができ、亀裂の発生を抑制することができる。
例えば、直線状部40a1の長さLは、5mm以上且つ10mm以下であることが好ましい。直線状部40a1の長さLが10mmを超えると、ズレ止め用突起40の根元40bにおける応力集中が増加する。直線状部40a1の長さLが5mm未満であると、ズレ止め用突起40の先端40aにおける幅が小さくなり、ズレ止め用突起40の耐力が低下してしまう。
円弧状部40c1の曲率半径Rは、15mm以上且つ40mm以下であることが好ましい。円弧状部40c1の曲率半径Rが15mm未満となると、ズレ止め用突起40の根元40bにおける応力集中が増加する。一方で、円弧状部40c1の曲率半径Rが大きくなると、芯材10における塑性化領域の長さが減少してしまう。芯材10における塑性化領域の長さを確保するために、円弧状部40c1の曲率半径Rは40mm以下であることが好ましい。
また、上述のように、幅変化部13の幅は、広幅部12側から狭幅部11側に向かうに連れ、狭くなる。幅変化部13の狭くなる幅をWc3とする。ズレ止め用突起40の高さHは、幅変化部13の狭くなる幅Wc3より、短い。すなわち、広幅部12における幅方向の側面は、ズレ止め用突起40の先端40aよりも、幅方向外側に位置している。
ズレ止め用突起40は、鋼板から切り出されて形成される。先端40aが直線状部40a1を含むことで、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
側面40cに円弧状部40c1が設けられることで、根元40bにおける応力集中をより効果的に緩和することができ、ズレ止め用突起40への応力集中による芯材10の破断をより効果的に抑制することができる。また、円弧状部の曲率中心が芯材10及びズレ止め用突起40の内側にある場合、充填剤31がズレ止め用突起40の側面40cで滑ろうとする動きが発生するため、充填剤31がせん断破壊を起こしやすくなる。円弧状部40c1の曲率中心Cが芯材10及びズレ止め用突起40の外側にあることで、内側にある場合に比べて、充填剤31がズレ止め用突起40の側面40cで滑ることが抑制され、ズレ止め用突起40により充填剤31がせん断破壊されることが抑制される。
直線状部40a1の長さLは、5mm以上且つ10mm以下である。
円弧状部40c1の曲率半径Rは、15mm以上且つ40mm以下である。
これにより、根元40bにおける応力集中をより効果的に緩和することができ、ズレ止め用突起40への応力集中による芯材10の破断をより効果的に抑制することができる。
また、直線状部40a1の長さLが5mm以上且つ10mm以下である場合、ズレ止め用突起40の耐力の低下を防止しつつ、根元40bにおける応力集中を緩和することができる。また、直線状部40a1を長く取ることができるため、鋼材からの板取り効率が向上する。
また、円弧状部40c1の曲率半径Rが15mm以上且つ40mm以下である場合、芯材10における塑性化領域の長さを確保しつつ、根元40bにおける応力集中を緩和することができる。
これにより、ズレ止め用突起40への応力集中をより効果的に緩和することができる。また、ズレ止め用突起40の先端40aから根元40bまでの長さを20mm以下とすることで、鋼材からの板取り効率の低下を防止できる。
芯材10及びズレ止め用突起40は、鋼板から切り出されて形成される。幅方向の長さであってそれぞれに設けられるズレ止め用突起40の一方の先端40aから他方の先端40aまでの長さが、芯材10の両端部それぞれの幅より、短いことで、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
これにより、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
これにより、鋼材からの板取り効率が向上するため、材料の歩留まりを向上させることができる。
これにより、ズレ止め用突起40によって、芯材10の中央部における、充填剤31に対する芯材10のズレをより効果的に防止できる。
これにより、芯材10の幅方向の両側から、ズレ止め用突起40によって、充填剤31に対する芯材10のズレを防止することができる。
次に、図5及び6を参照し、本発明の第2実施形態に係る座屈拘束ブレース1Aを説明する。本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5は、座屈拘束ブレース1Aを、芯材10の板厚方向に沿って見た図である。図6は、座屈拘束ブレース1Aを、芯材10の幅方向に沿って見た図である。
図5及び図6に示されるように、ズレ止め用突起50は、芯材10の板厚方向の両側それぞれに設けられている。ズレ止め用突起50は、芯材10における表裏面(すなわち、芯材10における板厚方向を向く面)から、板厚方向外側に突出する。ズレ止め用突起50は、芯材10における長手方向の中央部、且つ幅方向の中央部に配置される。ズレ止め用突起50は、芯材10に、溶接により接合される。
ズレ止め用突起50の幅は、先端から根元に向かうに連れ、大きくなる。ズレ止め用突起50の先端は、芯材10の長手方向と平行な直線状部を含む。ズレ止め用突起50の側面には、曲率中心が芯材10及びズレ止め用突起50の外側にある円弧状部が設けられている。
すなわち、ズレ止め用突起50の幅を、ズレ止め用突起50の先端から根元に向かうに連れ、大きくすることで、応力が集中しやすいズレ止め用突起50の根元を相対的に太くできるので、ズレ止め用突起50の根元において応力が分散されて亀裂が生じ難くなる。したがって、ズレ止め用突起50の根元を起点とする亀裂の発生を抑制し、これに起因する芯材10の破断を抑制することができ、繰り返しの地震に対する芯材10の疲労特性を改善することができる。
また、ズレ止め用突起50を、溶接により芯材10の板厚方向の両側に設けることができる。
次に、図7及び8を参照し、本発明の第3実施形態に係る座屈拘束ブレース1Bを説明する。本実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
例えば、第1芯材板部61及び第2芯材板部62を単一の鋼板により形成し、この鋼板の表裏面に、別の鋼板からなる第3芯材板部63及び第4芯材板部64をそれぞれ溶接により接合することで、芯材60を形成してもよい。
ズレ止め用突起70の幅は、先端から根元に向かうに連れ、大きくなる。ズレ止め用突起70の先端は、芯材60の長手方向と平行な直線状部を含む。ズレ止め用突起70の側面には、曲率中心が芯材60及びズレ止め用突起70の外側にある円弧状部が設けられている。
すなわち、ズレ止め用突起70の幅を、ズレ止め用突起70の先端から根元に向かうに連れ、大きくすることで、応力が集中しやすいズレ止め用突起70の根元を相対的に太くできるので、ズレ止め用突起70の根元において応力が分散されて亀裂が生じ難くなる。したがって、ズレ止め用突起70の根元を起点とする亀裂の発生を抑制し、これに起因する芯材60の破断を抑制することができ、繰り返しの地震に対する芯材60の疲労特性を改善することができる。
また、芯材60は、断面十字状を形成するように配置される、第1芯材板部61、第2芯材板部62、第3芯材板部63、及び、第4芯材板部64、を有するため、単一の鋼板により芯材を形成する場合と比べて、芯材60の降伏耐力を向上させることができる。
第3実施形態において、複数の第1芯材板部61及び複数の第2芯材板部62が互いに平行に設けられていてもよい。この場合、複数の第1芯材板部61及び複数の第2芯材板部62のそれぞれに、ズレ止め用突起70が設けられる。複数の第3芯材板部63及び複数の第4芯材板部64が互いに平行に設けられていてもよい。この場合、複数の第3芯材板部63及び複数の第4芯材板部64のそれぞれに、ズレ止め用突起70が設けられる。
10、60 芯材
11 狭幅部
12 広幅部
13 幅変化部
20 補剛部材
30 拘束部材
31 充填剤
32 アンボンド材
40、50、70 ズレ止め用突起
40a 先端
40a1 直線状部
40b 根元
40c 側面
40c1 円弧状部
61 第1芯材板部
62 第2芯材板部
63 第3芯材板部
64 第4芯材板部
Claims (14)
- 芯材と、
前記芯材の外周を覆う拘束部材と、
前記芯材と前記拘束部材との間に充填され、且つ、前記芯材を覆う充填剤と、
を備え、構造物に取り付けられる座屈拘束ブレースであって、
前記芯材の中央部には、前記芯材のズレ止めのためのズレ止め用突起が設けられており、
前記ズレ止め用突起は、少なくともその先端が前記充填剤により覆われ、
前記ズレ止め用突起の幅は、前記先端から前記ズレ止め用突起の根元に向かうに連れ、大きくなる、
ことを特徴とする座屈拘束ブレース。 - 前記先端は、前記芯材の長手方向と平行な直線状部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記ズレ止め用突起の側面には、曲率中心が前記芯材及び前記ズレ止め用突起の外側にある円弧状部が設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記直線状部の長さは、前記円弧状部の曲率半径より、短い、
ことを特徴とする請求項3に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記直線状部の長さは、5mm以上且つ10mm以下である、
ことを特徴とする請求項4に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記円弧状部の曲率半径は、15mm以上且つ40mm以下である、
ことを特徴とする請求項5に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、20mm以下である、
ことを特徴する請求項6に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記ズレ止め用突起は、前記芯材の幅方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに設けられており、
前記幅方向の長さであって前記それぞれに設けられる前記ズレ止め用突起の一方の前記先端から他方の前記先端までの長さは、前記芯材の両端部それぞれの幅より、短い、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記芯材から、前記芯材の板厚方向に沿って、延びる補剛部材、
を更に備え、
前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、前記補剛部材の幅であって前記芯材の幅方向に沿った幅より、短い、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記芯材は、幅が、前記芯材の中央に向かうに連れ、狭くなる幅変化部、
を備え、
前記ズレ止め用突起の前記先端から前記根元までの長さであって前記芯材の長手方向に沿って見た長さは、前記幅変化部の狭くなる幅より、短い、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記芯材の一部を覆うアンボンド材、
を更に備え、
前記ズレ止め用突起は、前記アンボンド材により覆われない、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記芯材は、断面の形状が十字状であり、
前記芯材は、前記十字状を形成するように配置される、第1芯材板部、第2芯材板部、第3芯材板部、及び、第4芯材板部、を有し、
前記第1芯材板部及び前記第2芯材板部は、同一面内に配置され、
前記第3芯材板部及び前記第4芯材板部は、同一面内に配置され、
前記ズレ止め用突起は、前記第1芯材板部及び前記第2芯材板部と、前記第3芯材板部及び前記第4芯材板部と、の一方又は両方に設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記ズレ止め用突起は、前記芯材の幅方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに設けられており、且つ、前記幅方向に沿って見て、同じ位置にそれぞれ設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。 - 前記ズレ止め用突起は、前記芯材の板厚方向の両側であって前記芯材の中央部の両側それぞれに溶接されることで、前記両側それぞれに設けられる、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の座屈拘束ブレース。
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