JP6552176B2 - 座屈拘束ブレース - Google Patents
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補剛材としては、ブレース芯材の側面ないし側縁に相対滑り可能に当接する鋼管等の鋼材で構成した補剛材も用いられており、また、ブレース芯材を収容する鋼管とこの鋼管の中に充填したコンクリートやモルタルなどの硬化性充填材とで構成され、硬化した充填材の表面がブレース芯材の表面にアンボンド状態で当接するようにした補剛材も用いられている。
座屈拘束ブレースを開示した先行技術文献としては、例えば、芯材を鋼材、補剛材を鋼管と充填モルタルとし、芯材と充填モルタルの間をアンボンドにしているものがある(特許文献1参照)。
しかしながら、鋼管の中にモルタルなどを充填して構成した補剛材は、モルタルなどの充填材が大重量であるため、座屈拘束ブレースの重量が大きくなるという短所がある。
そこで、本出願人は、芯材を構成するH形鋼などの形鋼と、形鋼に沿って延在する内挿板との間に充填材が充填されない非充填空間を形成し、形鋼の長さ方向に延在する側縁エッジ部の先端部分と先端部分の両側部分とにわたって充填材で包持することで、軽量化を図った座屈拘束ブレースを提案している(特許文献2参照)。
端部の剛性が不十分な場合は、引張荷重及び圧縮荷重の大きさによっては、座屈拘束ブレースの端部が破壊され、振動エネルギの吸収性能が低下するおそれがある。
本発明は上記課題を解決するべくなされたものであり、本発明の目的は、軽量化を図りつつ振動エネルギの吸収性能を確保する上で有利な座屈拘束ブレースを提供することにある。
請求項2記載の発明は、前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の長手方向の全長部分は前記小断面積部とされ、前記補剛材の両端から延在する前記形鋼の部分は、前記補剛材寄りの前記形鋼の部分が前記小断面積部とされ、残りの前記形鋼の部分が前記大断面積部とされていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の部分は、その長手方向の両端が前記大断面積部とされると共に前記両端を除いた残りの部分が前記小断面積部とされていることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の部分の前記大断面積部と前記小断面積部との境の箇所に、前記形鋼の部分の前記大断面積部の前記形鋼の長手方向の中央側への変位を許容する緩衝材が前記充填材に代えて充填されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記形鋼は、H形鋼、十字形鋼、I形鋼、T形鋼、Z形鋼、山形鋼、及び溝形鋼から成る部類中から選択された形鋼であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記形鋼は、その外表面の一部が前記内挿板で覆われることなくアンボンド材を介して前記充填材に臨んでいることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記形鋼は、その外表面の一部がアンボンド材を介して前記内挿板及び前記充填材に臨んでいることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記充填材は、モルタル、コンクリート、及び樹脂材料から成る部類中から選択された材料であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、長手方向の引張荷重及び圧縮荷重が作用したときに伸縮するように塑性変形可能な鋼材から成るブレース芯材と、長手方向の圧縮荷重を受けた前記ブレース芯材が座屈するのを防止するべく前記ブレース芯材を囲繞して前記ブレース芯材を補剛する座屈拘束用の補剛材とを備えた座屈拘束ブレースにおいて、前記ブレース芯材を構成する前記鋼材は、各々が該鋼材の長さ方向に延在し且つ互いに平行に延在する複数の帯鋼状部分が相互に接続した形状を有しており、且つ、該鋼材の長さ方向に延在する少なくとも2本の側縁エッジ部を有する形鋼であり、前記補剛材は、前記形鋼の長手方向中間部分をその内部に収容し前記形鋼の両端部分がその両端から延出する鋼製の外套管と、前記形鋼の前記長手方向中間部分に当接されたバッカー材と、前記形鋼と前記バッカー材とから成るアセンブリの外側面と前記外套管の内側面との間に画成された空間に充填された、補剛材として機能し得る剛性を有する充填材とを備えており、前記形鋼の前記側縁エッジ部は、前記形鋼の横断面形状で見たときの該側縁エッジ部の先端部分と該先端部分の近傍の両側部分とに亘って、前記補剛材の前記充填材により包持され、前記形鋼は、前記形鋼の長手方向の両端の断面形状が大きい大断面積部と、前記両端を除いた前記形鋼の長手方向の全長部分で前記大断面積部よりも断面形状が小さい小断面積部とを有し、前記小断面積部は前記補剛材が配置された箇所に位置し、前記補剛材が配置された箇所の前記小断面積部の長手方向の両端を除いた残りの前記小断面積部の中間部分は前記両端よりも塑性変形し易い材料で形成され、前記補剛材が配置された箇所の前記小断面積部の長手方向の両端と前記大断面積部は前記中間部分を構成する材料に比べ塑性変形しにくい材料で形成され、前記中間部分の長手方向の両端から前記大断面積部にわたり前記形鋼に沿って延在する鋼製の補強プレートが接合され、前記形鋼に長手方向の荷重が作用した際に、前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の前記中間部分で前記補強プレートが接合されていない箇所は塑性変形可能な塑性化部分とされ、前記形鋼の長手方向の両端は前記塑性化部分に比べ塑性変形しにくい非塑性化部分とされていることを特徴とする。
また、形鋼の長手方向の中間部分を小断面積部として塑性変形可能な塑性化部分とし、形鋼の長手方向の両端を大断面積部として塑性化部分に比べ塑性化しにくい非塑性化部分とし、更に、補剛材が配置された箇所の形鋼は、その長手方向の両端を除いた残りの部分を両端よりも塑性変形し易い材料で形成したので、座屈拘束ブレースの負担軸力を減らすことで、塑性化部分に対して非塑性化部分の耐力に余裕が生じる。このため、形鋼の両端の非塑性化部分を含めた座屈拘束ブレース全体の耐力を高めることができる。そのため、引張荷重及び圧縮荷重によって座屈拘束ブレースの端部が破壊されにくくなり、引張動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
また、形鋼の長手方向の両端に加え、補強プレートが接合された形鋼の部分も非塑性化部分とされているので、引張荷重及び圧縮荷重によって座屈拘束ブレースの端部がより破壊されにくくなり、したがって、引張動エネルギの吸収性能を確保する上でより有利となる。
請求項2記載の発明によれば、形鋼の小断面積部と大断面積部との境目が補剛材の両端近傍の箇所で、かつ、補剛材の両端から外側に離間した箇所に位置しているので、形鋼が縮小した場合に、大断面積部が補剛材に干渉することがなく、座屈拘束ブレースの伸縮動作が円滑になされるため、振動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
請求項3記載の発明によれば、簡単な構成により請求項1の効果を達成することができる。
請求項4記載の発明によれば、補剛材が配置された箇所の形鋼の部分の長手方向の両端が大断面積部であるにも拘わらず、形鋼が縮小した場合に、大断面積部が緩衝材を押圧するに留まり、大断面積部が補剛材に干渉することがなく、座屈拘束ブレースの伸縮動作が円滑になされるため、振動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
請求項5記載の発明によれば、形鋼として入手性が容易な市販品を用いることができるため、座屈拘束ブレースを簡単かつ安価に製造する上で有利となる。
請求項6記載の発明によれば、形鋼が長手方向の引張荷重及び圧縮荷重を受けて伸縮する際に、形鋼と充填材との間で相対摺動が発生して引張動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
請求項7記載の発明によれば、形鋼が長手方向の引張荷重及び圧縮荷重を受けて伸縮する際に、形鋼と内挿板および充填材との相対摺動が発生して引張動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
請求項8記載の発明によれば、充填材として入手性が容易な材料を用いることができるため、座屈拘束ブレースを簡単かつ安価に製造する上で有利となる。
請求項9記載の発明によれば、ブレース芯材を形鋼で構成し、補剛材を外套管と、バッカー材と、充填材とで構成し、ブレース芯材を構成する形鋼とその形鋼に当接されたバッカー材とから成るアセンブリの外側面と外套管の内側面との間に画成される空間に充填材を充填する一方で、ブレース芯材を構成する形鋼とその形鋼に当接されたバッカー材とから成るアセンブリの内部に、バッカー材により充填材が充填されない部分が形成されるようにし、そして、形鋼の側縁エッジ部が、補剛材の充填材で包持される構成としたため、座屈拘束ブレースの軽量化を図りつつ低コストで容易に製作する上で有利となる。
また、形鋼の長手方向の中間部分を小断面積部として塑性変形可能な塑性化部分とし、形鋼の長手方向の両端を大断面積部として塑性化部分に比べ塑性化しにくい非塑性化部分とし、更に、補剛材が配置された箇所の形鋼は、その長手方向の両端を除いた残りの部分を両端よりも塑性変形し易い材料で形成したので、座屈拘束ブレースの負担軸力を減らすことで、塑性化部分に対して非塑性化部分の耐力に余裕が生じる。このため、形鋼の両端の非塑性化部分を含めた座屈拘束ブレース全体の耐力を高めることができる。そのため、引張荷重及び圧縮荷重によって座屈拘束ブレースの端部が破壊されにくくなり、したがって、引張動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
また、形鋼の長手方向の両端に加え、補強プレートが接合された形鋼の部分も非塑性化部分とされているので、引張荷重及び圧縮荷重によって座屈拘束ブレースの端部がより破壊されにくくなり、したがって、引張動エネルギの吸収性能を確保する上でより有利となる。
図1〜図5に本発明の1つの実施の形態に係る座屈拘束ブレース10を示した。この座屈拘束ブレース10は制振ダンパの一種であり、建築構造物の骨組にブレースとして組込まれ、地震等によってその骨組に大きな変形が生じたときに振動エネルギを吸収するものである。
そして、図2、図3、図4に示すように、第1フランジ20、第2フランジ20は、長手方向の両端に位置する幅広部20A、22Aと、長手方向の中間に位置する幅狭部20B、22Bとをそれぞれ有している。
したがって、H形鋼12は、H形鋼12の長手方向の両端の断面形状が大きい大断面積部26と、両端を除いたH形鋼12の長手方向の全長部分で大断面積部26よりも断面形状が小さい小断面積部28とを有している。
本実施の形態では、大断面積部26の第1フランジ20、第2フランジ20の幅は均一の幅D0であり、小断面積部28の第1フランジ20、第2フランジ20の幅は均一の幅D1であり、D0>D1となっている。
したがって、H形鋼12に長手方向の荷重が作用した際に、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12の部分は塑性変形可能な塑性化部分A1とされ、H形鋼12の長手方向の両端は塑性化部分A1に比べ塑性変形しにくい非塑性化部分A0とされている。
すなわち、簡単な構成により形鋼に塑性化部分A1と非塑性化部分A0とが形成されている。
建築構造物の骨組の柱と梁とに夫々連結されるブレース芯材12の両端の取り付け部42は大断面積部26に設けられている。
すなわち、大断面積部26から小断面積部28に移行するH形鋼12の部分に、H形鋼12に沿って延在する鋼製の補強プレート38が接合されており、H形鋼12の長手方向の両端に加え、補強プレート38が接合されたH形鋼12の部分も非塑性化部分A0とされている。
それら補強プレート38は、例えば図4に示したように、H形鋼12のウェブ24の両側にウェブ24から離隔させてウェブ24と平行に配設し、第1フランジ20と第2フランジ20とを連結するように接合するのもよい。
あるいは、図5に示すように、H形鋼12のウェブ24の両側面に接合するようにしてもよい。
更に加えて、図1、図2に示すように、H形鋼12の両端部分では、第1フランジ20及び第2フランジ20の外面に、補強プレート40が接合されている。補強プレート38、40はいずれも十分に大きな剛性を有しており、そのためH形鋼12の全長のうち、それら補強プレート38、40の延在部分は最も塑性変形しにくい。
そのため、引張荷重及び圧縮荷重によって座屈拘束ブレース10の端部が破壊されにくくなり、したがって、引張動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
この場合、補強部分の横断面の形状は、H形鋼12の幅や高さから大きく超過することになり、外套管16の径を拡大する必要があり、座屈拘束ブレース10の軽量化を図る上で不利となる。または、外套管16の内部にH形鋼12を挿入して組み付けた後に、外套管16の両端から外部に露出するH形鋼12の両端の部分に補強プレートを溶接等の加工により取付ける必要があり、作業性の低下を招く不利がある。
これに対して、本実施の形態では、H形鋼12の中間部分からなる塑性化部分A1を断面積が小さい小断面積部28で構成することで、両端の補強部分からなる非塑性化部分A0の耐力を確保できる。そのため、外套管16の径の拡大が不要となるので、座屈拘束ブレース10の軽量化を図る上で有利となる。また、補強プレートの後付作業が不要となるため、作業性の効率化を図る上で有利となる。
次に、第2の実施の形態について図6を参照して説明する。なお、以下の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について重点的に説明する。
第1の実施の形態では、補剛材14が配置された箇所の形鋼の部分はその全長にわたって小断面積部28であったのに対し、第2の実施の形態では、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12の部分は、その長手方向の両端が大断面積部26とされると共に両端を除いた残りの部分が小断面積部28とされている点が第1の実施の形態と異なっている。
そして、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12の部分の大断面積部26と小断面積部28との境の箇所に、H形鋼の部分の大断面積部26のH形鋼12の長手方向の中央側への変位を許容する緩衝材44が充填材34に代えて充填されている。
緩衝材44として、軽量で加工容易な発泡プラスチック材などの従来公知の様々な材料が使用可能である。
そのため、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12の部分の長手方向の両端が大断面積部26であるにも拘わらず、H形鋼12が縮小した場合に、大断面積部26が緩衝材44を押圧するに留まり、大断面積部26が補剛材14に干渉することがなく、座屈拘束ブレース10の伸縮動作が円滑になされるため、振動エネルギの吸収性能を確保する上で有利となる。
そのため、塑性化部分A1に対して両端の非塑性化部分A0の耐力をより大きく確保でき、両端の非塑性化部分A0を含めた座屈拘束ブレース10全体の耐力を高める上でより有利となる。したがって、引張荷重及び圧縮荷重によって座屈拘束ブレース10の端部が破壊されにくくなり、振動エネルギの吸収性能を確保する上でより一層有利となる。
次に第3の実施の形態について図7を参照して説明する。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12は、その長手方向の両端を除いた残りの部分が両端よりも塑性変形し易い材料で形成されている。
すなわち、H形鋼は、長手方向の両端部分に位置し塑性変形しにくい第1鋼材で形成された第1鋼材部分W1と、長手方向の中間部分に位置し第1鋼材部分W1に比べ塑性変形し易い第2鋼材で形成された第2鋼材部分W2とが接合されることで構成されている。
第1鋼材としては、構造物を構成するための通常の形鋼に用いられる強度の高い従来公知の様々な鋼材が使用可能である。
第2鋼材としては、低降伏点鋼材などの特殊鋼を含む従来公知の様々な鋼材が使用可能である。
鋼製の補強プレート38は、第1鋼材部分W1と第2鋼材部分W2との繋ぎ目とにわたって接合されている。
そのため、塑性化部分A1における座屈拘束ブレース10の負担軸力をより減らすことができると共に、塑性化部分A1に対して両端の非塑性化部分A0の耐力をより向上できる。このため、両端の大断面積部26からなる非塑性化部分A0を含めた座屈拘束ブレース10全体の耐力を高める上でより有利となる。
したがって、引張荷重及び圧縮荷重によって座屈拘束ブレース10の端部が破壊されにくくなり、振動エネルギの吸収性能を確保する上でより一層有利となる。
また、第2鋼材は低降伏点鋼材などの特殊鋼を用いるためコストを要するものの、第1鋼材としては、通常の形鋼に用いられる鋼材を用いれば済むため、H形鋼12全体としてのコストを抑制する上でも有利となる。
次に第4の実施の形態について図8を参照して説明する。
第4の実施の形態は、第2の実施の形態に第3の実施の形態を適用したものである。
すなわち、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12の部分は、その長手方向の両端が大断面積部26とされると共に両端を除いた残りの部分が小断面積部28とされている。
また、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12の部分の大断面積部26と小断面積部28との境の箇所に、H形鋼12の部分の大断面積部26のH形鋼12の長手方向の中央側への変位を許容する緩衝材44が充填材34に代えて充填されている。
すなわち、補剛材14が配置された箇所のH形鋼12は、長手方向の両端部分に位置し塑性変形しにくい第1鋼材で形成された第1鋼材部分W1と、長手方向の中間部分に位置し第1鋼材部分W1に比べ塑性変形し易い第2鋼材で形成された第2鋼材部分W2とが接合されることで構成されている。
鋼製の補強プレート38は、第1鋼材部分W1と第2鋼材部分W2との繋ぎ目とにわたって接合されている。
次に第5の実施の形態について図9、図10を参照して説明する。
なお、図9は図6のX−X線に沿った横断面図に対応し、図10は図6のY−Y線に沿った横断面図に対応している。
第5の実施の形態に係る座屈拘束ブレース10は、第1の実施の形態の変形例であり、外套管16として、丸形鋼管に替えて角形鋼管を用いたものであり、その他の点に関しては第1の実施の形態と同様である。
第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
また、第5の実施の形態についても第2〜第4の実施の形態が適用できることはもちろんである。
次に第6の実施の形態について図11、図12を参照して説明する。
なお、図11は図6のX−X線に沿った横断面図に対応し、図12は図6のY−Y線に沿った横断面図に対応している。
第6の実施の形態に係る座屈拘束ブレース10は、第1の実施の形態の変形例であり、ブレース芯材を構成する形鋼として、H形鋼に替えて溝形鋼12を用いたものであり、この溝形鋼12の外表面のうち、内挿板18で覆われていない部分はアンボンド材32で被覆されている。また、溝形鋼12の開口側を閉塞する内挿板18を備えている。溝形鋼12とこの溝形鋼に当接した内挿板18とから成るアセンブリの外側面(外周面)と、外套管16の内側面(内周面)との間に、空間が画成されており、この空間に充填材34であるモルタル34が充填されている。また、溝形鋼12とこの溝形鋼に当接した内挿板18とから成るアセンブリの内部に、充填材34が充填されない非充填空間36が画成されている。
そして、第1フランジ46と第2フランジ48の先端によって側縁エッジ部30が形成されている。
そして、図12に示すように、第1フランジ46と、第2フランジ48は、長手方向の両端に位置する幅広部46A、48Aと、図11に示すように長手方向の中間に位置する幅狭部46B、48Bとを有している。
そのため、幅広部46A、48Aが位置している箇所の溝形鋼12の部分は大断面積部26とされ、幅狭部46B、48Bが位置している箇所の溝形鋼12の部分は小断面積部28とされている。
本実施の形態では、大断面積部26の第1フランジ46と、第2フランジ48の幅は均一の幅D0であり、小断面積部28の第1フランジ46と、第2フランジ48の幅は均一の幅D1であり、D0>D1となっている。
そして、大断面積部26が補剛材14の両端から外側に離間した箇所に位置している。
したがって、溝形鋼12に長手方向の荷重が作用した際に、補剛材14が配置された箇所の溝形鋼12の部分は塑性変形可能な塑性化部分A1とされ、溝形鋼12の長手方向の両端は塑性化部分A1に比べ塑性変形しにくい非塑性化部分A0とされている。
建築構造物の骨組の柱と梁とに夫々連結されるブレース芯材12の両端の取り付け部(不図示)は大断面積部26に設けられている。
補強プレート38は、例えば、図12に示すように、溝形鋼12のウェブ50のうち第1フランジ46と第2フランジ48が位置する側に、ウェブ50から離隔させてウェブ50と平行に配設し、第1フランジ46と、第2フランジ48とを連結するように接合してもよい。
あるいは、図5と同様に、溝形鋼12のウェブ50の一側面に接合するようにしてもよい。
更に加えて、溝形鋼12の両端部分では、第1フランジ46と第2フランジ48の外面に、図1、図2に示すのと同様の補強プレート40が接合されている。これら補強プレート38、40はいずれも十分に大きな剛性を有している。
すなわち、大断面積部26から小断面積部28に移行する溝形鋼12の部分に、溝形鋼12に沿って延在する鋼製の補強プレート38、40が接合されており、形鋼の長手方向の両端に加え、補強プレート38、40が接合された溝形鋼12の部分も非塑性化部分A0とされている。
この構成によれば、溝形鋼12に接合する補強プレート38、40の長さを適宜設定して非塑性化部分A0の長さを調節することで、塑性化部分A1の長さを調節することができる。また、非塑性化部分A0は、溝形鋼12に長手方向の荷重が作用することによる座屈が大断面積部26および補強プレート38、40により防止されている。
また、第6の実施の形態についても第2〜第5の実施の形態が適用可能であり、第2〜第5の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
次に第7の実施の形態について図13、図14を参照して説明する。
なお、図13は図6のX−X線に沿った横断面図に対応し、図14は図6のY−Y線に沿った横断面図に対応している。
第7の実施の形態に係る座屈拘束ブレース10は、第1の実施の形態の変形例であり、ブレース芯材12を構成する形鋼として、H形鋼に替えて十字形鋼を用いたものであり、この十字形鋼12に4枚の内挿板18−1、18−2、18−3、18−4が当接している。また、鋼製の外套管16と、充填材34であるモルタル34とを備えており、内挿板、外套管、及び充填材34によって補剛材14が構成されている。十字形鋼12とこの十字形鋼に当接した4枚の内挿板18−1、18−2、18−3、18−4とから成るアセンブリの外側面(外周面)と、外套管16の内側面(内周面)との間に、空間が画成されており、この空間に充填材34であるモルタル34が充填されている。また、十字形鋼12とこの十字形鋼に当接した4枚の内挿板18−1、18−2、18−3、18−4とから成るアセンブリの内部に、充填材34が充填されない非充填空間36−1、36−2、36−3、36−4が画成されている。
そして、第1〜第4帯鋼部分52−1〜52−4の先端によって側縁エッジ部30が形成されている。
図14に示すように、第1〜第4帯鋼部分52−1〜52−4は、長手方向の両端に位置する幅広部52Aと、図13に示すように長手方向の中間に位置する幅狭部52Bとを有している。
そのため、幅広部52Aが位置している箇所の十字形鋼12の部分は大断面積部26とされ、幅狭部52Bが位置している箇所の十字形鋼12の部分は小断面積部28とされている。
本実施の形態では、大断面積部26の第1〜第4帯鋼部分52−1〜52−4の幅は均一の幅D0であり、小断面積部28の第1〜第4帯鋼部分52−1〜52−4の幅は均一の幅D1であり、D0>D1となっている。
したがって、十字形鋼12に長手方向の荷重が作用した際に、補剛材14が配置された箇所の十字形鋼12の部分は塑性変形可能な塑性化部分A1とされ、十字形鋼12の長手方向の両端は塑性化部分A1に比べ塑性変形しにくい非塑性化部分A0とされている。
そして、大断面積部26が補剛材14の両端から外側に離間した箇所に位置している。
建築構造物の骨組の柱と梁とに夫々連結されるブレース芯材12の両端の取り付け部(不図示)は大断面積部26に設けられている。
補強プレート38は、例えば、図14に示すように、十字形鋼12の第1〜第4帯鋼部分52−1〜52−4の互いに隣り合う帯鋼部分の幅方向の中間部を連結するように十字形鋼12に沿って設けられており、したがって、合計4枚の補強プレート38が設けられている。
すなわち、大断面積部26から小断面積部28に移行する十字形鋼12の部分に、十字形鋼12に沿って延在する鋼製の補強プレート38が接合されており、十字形鋼12の長手方向の両端に加え、補強プレート38が接合された十字形鋼12の部分も非塑性化部分A0とされている。
この構成によれば、十字形鋼12に接合する補強プレート38の長さを適宜設定して非塑性化部分A0の長さを調節することで、塑性化部分A1の長さを調節することができる。また、非塑性化部分A0は、十字形鋼12に長手方向の荷重が作用することによる座屈が補強プレート38により防止されており、従って非塑性化部分A0に関しては、十字形鋼12に長手方向の荷重が作用したときの座屈変形が、それら補強プレート38によって防止されている。
また、第7の実施の形態についても第2〜第5の実施の形態が適用可能であり、第2〜第5の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
次に第8の実施の形態について図15、図16を参照して説明する。
なお、図15は図6のX−X線に沿った横断面図に対応し、図16は図6のY−Y線に沿った横断面図に対応している。
第8の実施の形態に係る座屈拘束ブレース10は、第1の実施の形態の変形例であり、ブレース芯材12を構成する形鋼として、H形鋼に替えて山形鋼を用いたものであり、この山形鋼12に内挿板18が当接している。また、鋼製の外套管16と、充填材34であるモルタル34とを備えており、内挿板18、外套管16、及び充填材34によって補剛材14が構成されている。山形鋼12とこの山形鋼12に当接した内挿板18とから成るアセンブリの外側面(外周面)と、外套管16の内側面(内周面)との間に、空間が画成されており、この空間に充填材34であるモルタル34が充填されている。また、山形鋼12とこの山形鋼に当接した内挿板18とから成るアセンブリの内部に、充填材34が充填されない非充填空間36が画成されている。
そして、第1フランジ56と第2フランジ58の先端によって側縁エッジ部30が形成されている。
そして、図16に示すように、第1フランジ56と第2フランジ58は、長手方向の両端に位置する幅広部56A、58Aと、図15に示すように長手方向の中間に位置する幅狭部56B、58Bとを有している。
そのため、幅広部56A、58Aが位置している箇所の山形鋼12の部分は大断面積部26とされ、幅狭部56B、58Bが位置している箇所の山形鋼12の部分は小断面積部28とされている。
本実施の形態では、大断面積部26の第1フランジ56と、第2フランジ58の幅は均一の幅D0であり、小断面積部28の第1フランジ56と、第2フランジ58の幅は均一の幅D1であり、D0>D1となっている。
したがって、山形鋼12に長手方向の荷重が作用した際に、補剛材14が配置された箇所の山形鋼12の部分は塑性変形可能な塑性化部分A1とされ、山形鋼12の長手方向の両端は塑性化部分A1に比べ塑性変形しにくい非塑性化部分A0とされている。
そして、大断面積部26が補剛材14の両端から外側に離間した箇所に位置している。
建築構造物の骨組の柱と梁とに夫々連結されるブレース芯材12の両端の取り付け部(不図示)は大断面積部26に設けられている。
補強プレート38は、例えば、図16に示すように、山形鋼12の第1フランジ56と第2フランジ58の幅方向の中間部を連結し山形鋼12に沿って設けられている。
すなわち、大断面積部26から小断面積部28に移行する山形鋼12の部分に、山形鋼12に沿って延在する鋼製の補強プレート38が接合されており、山形鋼12の長手方向の両端に加え、補強プレート38が接合された山形鋼12の部分も非塑性化部分A0とされている。
この構成によれば、山形鋼12に接合する補強プレート38の長さを適宜設定して非塑性化部分A0の長さを調節することで、塑性化部分A1の長さを調節することができる。また、非塑性化部分A0は、山形鋼12に長手方向の荷重が作用することによる座屈が補強プレート38により防止されており、従って非塑性化部分A0に関しては、山形鋼12に長手方向の荷重が作用したときの座屈変形が、それら補強プレート38によって防止されている。
また、第8の実施の形態についても第2〜第5の実施の形態が適用可能であり、第2〜第5の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
次に第9の実施の形態について図17、図18を参照して説明する。
なお、図17は図6のX−X線に沿った横断面図に対応し、図18は図6のY−Y線に沿った横断面図に対応している。
第9の実施の形態に係る座屈拘束ブレース10は、第8の実施の形態の変形例であり、図15、図16に示した山形鋼12と内挿板18とから成るアセンブリを2本並設して用いたものであり、それ以外の点は第8の実施の形態と同様である。
第9の実施の形態においても第1の実施の形態と形鋼の形状が異なるのみであるため、第1の実施の形態と同様の効果が奏される。
また、第9の実施の形態についても第2〜第5の実施の形態が適用可能であり、第2〜第5の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
次に第10の実施の形態について図19〜図21を参照して説明する。
なお、図19は図1のB−B線に沿った横断面図に対応し、図20、図21は図1のC−C線に沿った横断面図に対応している。
第10の実施の形態に係る座屈拘束ブレース10は、第1の実施の形態の変形例であり、内挿板18および非充填空間36に代えてバッカー材62を用いたものであり、それ以外の点は第1の実施の形態と同様である。
すなわち、図19、図20に示すように、H形鋼の第1フランジ20、第2フランジ20、ウェブ24で囲まれた凹部に該凹部と同一の形状のバッカー材62が配置されている。すなわち、第1の実施の形態の内挿板18および非充填空間36に代えてバッカー材62が配置されている。
バッカー材62として、剛性が低く軽量で加工容易な発泡プラスチック材などの従来公知の様々な材料が使用可能である。
なお、図20は、補強プレート38がH形鋼12のウェブ24の両側にウェブ24から離隔させてウェブ24と平行に配設し、第1フランジ20と第2フランジ20とを連結するように接合されている場合を示し、図21は、補強プレート38がH形鋼12のウェブ24の両側面に接合されている場合を示す。図20の場合には、補強プレート38とH形鋼12のウェブ24との間にバッカー材62および充填材34が充填されない非充填空間64が設けられている。
バッカー材62は、ブレース芯材12を構成するH形鋼12の長手方向中間部分に当接しており、このH形鋼12に沿って延在し、またこのH形鋼12の長手方向中間部分に亘って延在している。
H形鋼12の外表面の一部であるアンボンド材32で被覆されている領域は、このアンボンド材32を介して、充填材34であるモルタル34に臨んでいる。
バッカー材62とH形鋼12とが互いにアンボンド状態とされている場合は、H形鋼12が長手方向の引張荷重及び圧縮荷重を受けて伸縮するときには、H形鋼12とバッカー材62との当接部では、相対摺動が発生する。
また、バッカー材62とH形鋼12とが接合されている場合は、H形鋼12が長手方向の引張荷重及び圧縮荷重を受けて伸縮するときには、H形鋼12の伸縮に追従して剛性が低いバッカー材62が伸縮するため、H形鋼12の伸縮が影響を受けることはない。
また、第2〜第9の実施の形態において内挿板を省略しバッカー材62を用いることで、第10の実施の形態についても第2〜第9の実施の形態が適用可能であり、第2〜第9の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論である。
特に、H形鋼、十字形鋼、I形鋼、T形鋼、Z形鋼、山形鋼、及び溝形鋼などは、本発明を実施する上で好適に用いることのできる形鋼である。
より一般的に述べるならば、本発明においてブレース芯材を構成する形鋼として用いられるのは、各々が該鋼材の長さ方向に延在し且つ互いに平行に延在する複数の帯鋼状部分が相互に接続した形状を有しており、その横断面が一定の断面形状を有する鋼材である。
例えば、H形鋼は、そのような帯鋼状部分が3つ(そのうちの2つはフランジ、残りの1つはウェブである)相互に接続した形状を有する形鋼である。
また溝形鋼も、そのような帯鋼状部分が3つ相互に接続した形状を有する形鋼であり、ただしH形鋼とは接続の仕方が異なる。
また、十字形鋼は、そのような帯鋼状部分が4つ相互に接続した形状を有する形鋼であり、山形鋼は、そのような帯鋼状部分が2つ相互に接続した形状を有する形鋼である。
更に、本発明においてブレース芯材を構成するために用いられる形鋼は、該鋼材の長さ方向に延在する少なくとも2本の側縁エッジ部30を有する形鋼である。
山形鋼、溝形鋼、それにZ形鋼などは、そのような側縁エッジ部30を2本有する形鋼であり、T形鋼などは、そのような側縁エッジ部30を3本有する形鋼であり、H形鋼、十字形鋼、それにI形鋼などは、そのような側縁エッジ部30を4本有する形鋼である。
また、以上に具体的に列挙した形鋼ばかりでなく、その他の断面形状を有する形鋼のうちにも、本発明に好適に用いることのできる形鋼が存在する。
12、12−1、12−2 ブレース芯材
14 補剛材
16 外套管
18、18−1、18−2、18−3、18−4 内挿板
26大断面積部
28小断面積部
30 側縁エッジ部
32 アンボンド材
34 充填材
36、36−1、36−2、36−3、36−4 非充填空間
38 補強プレート
40 補強プレート
44 緩衝材
62バッカー材
A1 塑性化部分
A0 非塑性化部分
W1 第1鋼材部分
W2 第2鋼材部分
Claims (9)
- 長手方向の引張荷重及び圧縮荷重が作用したときに伸縮するように塑性変形可能な鋼材から成るブレース芯材と、長手方向の圧縮荷重を受けた前記ブレース芯材が座屈するのを防止するべく前記ブレース芯材を囲繞して前記ブレース芯材を補剛する座屈拘束用の補剛材とを備えた座屈拘束ブレースにおいて、
前記ブレース芯材を構成する前記鋼材は、各々が該鋼材の長さ方向に延在し且つ互いに平行に延在する複数の帯鋼状部分が相互に接続した形状を有しており、且つ、該鋼材の長さ方向に延在する少なくとも2本の側縁エッジ部を有する形鋼であり、
前記補剛材は、前記形鋼の長手方向中間部分をその内部に収容し前記形鋼の両端部分がその両端から延出する鋼製の外套管と、前記形鋼の前記長手方向中間部分に当接して前記形鋼に沿って延在する少なくとも1枚の内挿板と、前記形鋼と該形鋼に当接した前記内挿板とから成るアセンブリの外側面と前記外套管の内側面との間に画成された空間に充填された、補剛材として機能し得る剛性を有する充填材とを備えており、
前記形鋼と該形鋼に当接した前記内挿板とから成る前記アセンブリの内部に、前記充填材が充填されない非充填空間が画成されており、
前記形鋼の前記側縁エッジ部は、前記形鋼の横断面形状で見たときの該側縁エッジ部の先端部分と該先端部分の近傍の両側部分とに亘って、前記補剛材の前記充填材により包持され、
前記形鋼は、前記形鋼の長手方向の両端の断面形状が大きい大断面積部と、前記両端を除いた前記形鋼の長手方向の全長部分で前記大断面積部よりも断面形状が小さい小断面積部とを有し、
前記小断面積部は前記補剛材が配置された箇所に位置し、前記補剛材が配置された箇所の前記小断面積部の長手方向の両端を除いた残りの前記小断面積部の中間部分は前記両端よりも塑性変形し易い材料で形成され、前記補剛材が配置された箇所の前記小断面積部の長手方向の両端と前記大断面積部は前記中間部分を構成する材料に比べ塑性変形しにくい材料で形成され、
前記中間部分の長手方向の両端から前記大断面積部にわたり前記形鋼に沿って延在する鋼製の補強プレートが接合され、
前記形鋼に長手方向の荷重が作用した際に、前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の前記中間部分で前記補強プレートが接合されていない箇所は塑性変形可能な塑性化部分とされ、前記形鋼の長手方向の両端は前記塑性化部分に比べ塑性変形しにくい非塑性化部分とされている、
ことを特徴とする座屈拘束ブレース。 - 前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の長手方向の全長部分は前記小断面積部とされ、
前記補剛材の両端から延在する前記形鋼の部分は、前記補剛材寄りの前記形鋼の部分が前記小断面積部とされ、残りの前記形鋼の部分が前記大断面積部とされている、
ことを特徴とする請求項1記載の座屈拘束ブレース。 - 前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の部分は、その長手方向の両端が前記大断面積部とされると共に前記両端を除いた残りの部分が前記小断面積部とされている、
ことを特徴とする請求項1記載の座屈拘束ブレース。 - 前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の部分の前記大断面積部と前記小断面積部との境の箇所に、前記形鋼の部分の前記大断面積部の前記形鋼の長手方向の中央側への変位を許容する緩衝材が前記充填材に代えて充填されている、
ことを特徴とする請求項3記載の座屈拘束ブレース。 - 前記形鋼は、H形鋼、十字形鋼、I形鋼、T形鋼、Z形鋼、山形鋼、及び溝形鋼から成る部類中から選択された形鋼であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の座屈拘束ブレース。
- 前記形鋼は、その外表面の一部が前記内挿板で覆われることなくアンボンド材を介して前記充填材に臨んでいることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の座屈拘束ブレース。
- 前記形鋼は、その外表面の一部がアンボンド材を介して前記内挿板及び前記充填材に臨んでいることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の座屈拘束ブレース。
- 前記充填材は、モルタル、コンクリート、及び樹脂材料から成る部類中から選択された材料であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の座屈拘束ブレース。
- 長手方向の引張荷重及び圧縮荷重が作用したときに伸縮するように塑性変形可能な鋼材から成るブレース芯材と、長手方向の圧縮荷重を受けた前記ブレース芯材が座屈するのを防止するべく前記ブレース芯材を囲繞して前記ブレース芯材を補剛する座屈拘束用の補剛材とを備えた座屈拘束ブレースにおいて、
前記ブレース芯材を構成する前記鋼材は、各々が該鋼材の長さ方向に延在し且つ互いに平行に延在する複数の帯鋼状部分が相互に接続した形状を有しており、且つ、該鋼材の長さ方向に延在する少なくとも2本の側縁エッジ部を有する形鋼であり、
前記補剛材は、前記形鋼の長手方向中間部分をその内部に収容し前記形鋼の両端部分がその両端から延出する鋼製の外套管と、前記形鋼の前記長手方向中間部分に当接されたバッカー材と、前記形鋼と前記バッカー材とから成るアセンブリの外側面と前記外套管の内側面との間に画成された空間に充填された、補剛材として機能し得る剛性を有する充填材とを備えており、
前記形鋼の前記側縁エッジ部は、前記形鋼の横断面形状で見たときの該側縁エッジ部の先端部分と該先端部分の近傍の両側部分とに亘って、前記補剛材の前記充填材により包持され、
前記形鋼は、前記形鋼の長手方向の両端の断面形状が大きい大断面積部と、前記両端を除いた前記形鋼の長手方向の全長部分で前記大断面積部よりも断面形状が小さい小断面積部とを有し、
前記小断面積部は前記補剛材が配置された箇所に位置し、前記補剛材が配置された箇所の前記小断面積部の長手方向の両端を除いた残りの前記小断面積部の中間部分は前記両端よりも塑性変形し易い材料で形成され、前記補剛材が配置された箇所の前記小断面積部の長手方向の両端と前記大断面積部は前記中間部分を構成する材料に比べ塑性変形しにくい材料で形成され、
前記中間部分の長手方向の両端から前記大断面積部にわたり前記形鋼に沿って延在する鋼製の補強プレートが接合され、
前記形鋼に長手方向の荷重が作用した際に、前記補剛材が配置された箇所の前記形鋼の前記中間部分で前記補強プレートが接合されていない箇所は塑性変形可能な塑性化部分とされ、前記形鋼の長手方向の両端は前記塑性化部分に比べ塑性変形しにくい非塑性化部分とされている、
ことを特徴とする座屈拘束ブレース。
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