JP7007937B2 - トラス梁 - Google Patents

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本開示は、耐震性、特に地震時の変形能力を向上させたトラス梁に関する。
トラス梁は、弦材と斜材の個材で構成され、弾性域では個々の部材に生じる軸力で抵抗する部材であり、一般的に弦材は直線や曲線、斜材は直線であることが多い。図10(A)は、従来技術に係るトラス梁の例を示す。トラス梁1は、上弦材2、下弦材3及び複数の斜材4を有し、1対の柱5等の構造部材に支持されている。このようなトラス梁の耐震性を向上させるための様々な構造が提案されている。
例えば特許文献1には、下弦材と柱との間にダンパーを介装して、地震時の変位をエネルギーとして消散させる構造が記載されている。また、特許文献2には、トラス梁の延在方向に剛性の高い区間と剛性の低い区間とを設け、その境界が地震時にヒンジとなって曲げ降伏を先行させる構造が記載されている。また、特許文献3には、トラス梁の構面に対して斜め方向に延出する横座屈補剛材を下弦材に接合して、横座屈を防止する構造が記載されている。
ところで、鉄骨部材の変形能力は、主に個材の幅厚比によって構造特性係数(以下、「Ds値」と記す)が決まり、H形鋼などの単材の充腹材部材に適用されている。変形性能が大きいほどDs値は小さな値となり、設計用の地震力が小さくなる。しかし、トラス梁の個材の幅厚比には適用できず、トラス梁自体の部材種別が存在しないため、現時点では特別な検討をしない限り、トラス梁の設計にはDs値を大きく定めることが慣例である。従って、トラス梁を設ける場合には、変形性能に乏しい「建物」として、地震力を大きく(Ds値を大きく)して設計する必要があり、トラス梁だけでなく、その他の柱・梁も含めて、不経済な設計になっていた。
図10(A)に示すようなトラス梁1では、終局時にはトラス梁端部の弦材が曲げ座屈するが、変形能力は曲げ座屈した弦材が耐力低下することなく軸方向に変形できるかに依存するとされている。特に軸力が最大となるトラス梁端部の下弦材3の曲げ座屈後の耐力低下が変形能力に影響する。ここで、曲げ座屈した下弦材3が座屈後に安定した耐力を保持し、さらなる耐力低下を起こすことなく軸方向に変形可能であるならば、充腹材に匹敵する変形能力が得られることが、既往の研究で確認されている。これらの研究によると、トラス梁1としての十分な塑性変形能力塑性化を得るために、下弦材3の区間長さlと梁全長Lとの比を1/8以上(l/L≧1/8)とすることが奨励されている(非特許文献1及び2)。
特開2006-183324号公報 特開2009-185469号公報 特開2017-198028号公報
日本建築学会著「建築耐震設計における保有耐力と変形性能(1990)」日本建築学会、1990年10月 日本建築学会著「鋼構造座屈設計指針」日本建築学会、2009年11月
図10(B)は、大スパンのトラス梁1の例を示す。図10(B)に示すトラス梁1では、端部下弦材の区間長さlと梁全長Lとの比はl/L=1/20となっている。図10(C)は、図10(B)と同一スパンのトラス梁1において、梁せいhを変えずにl/L=1/8としたトラス梁の例を示す。図10(C)に示すトラス梁1は、斜材4の長さが長くなると同時に、斜材4と下弦材3とがなす角度θも小さくなり、その分、斜材4の断面積を大きくする必要があり、不経済な設計となった。
このように、l/L≧1/8という条件は、図10(A)のように比較的スパンの小さいトラス梁1に向いているが、大スパンのトラス梁1には不向きであった。
このような問題を鑑み、本発明は、地震時における塑性変形能力が高いトラス梁を提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るトラス梁は、上弦材(12)、下弦材(13)及び複数の斜材(14)を有し、1対の構造部材(16)に支持されたトラス梁(11)であって、前記複数の斜材は、前記下弦材の延在方向の最も端部側に位置して前記上弦材の前記端部側から前記延在方向の中央側に向かって斜め下方に延在する第1斜材(14a)と、前記第1斜材の下端近傍から前記中央側に向かって斜め上方に延在する第2斜材(14b)とを有し、前記第1斜材の前記下端及び前記第2斜材の下端は、互いに接合されるとともに、少なくとも所定の荷重が加わったときに前記延在方向に摺動可能な絶縁接合材(15)を介して前記下弦材に接合され、前記複数の斜材の上端は、摺動不能に前記下弦材に接合されたことを特徴とする。
この構成によれば、少なくとも所定の規模以上の地震時には、絶縁接合材が下弦材に沿って摺動するため、曲げ座屈低減効果を維持しつつ、下弦材の端部の塑性変形能力が高くなる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るトラス梁は、上記構成において、前記絶縁接合材は、前記下弦材を部分的に覆う筒状部材を有することを特徴とする。
この構成によれば、下弦材の延在方向に摺動し、かつ延在方向に直交する方向への移動が規制される絶縁接合材を簡易な構成で作成することができる。また、絶縁接合材は、下弦材を補剛するので、その部分における下弦材の断面をより小さくすることができる。これにより、絶縁接合材に覆われた部分の下弦材の強度をコントロールすることが容易となるため、地震時の損傷を下弦材における絶縁接合材に覆われた部分に集中させることができる。よって、地震後は損傷した下弦材における絶縁接合材に覆われた部分のみを交換すればよく,地震後の建物の早期復旧が可能になる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るトラス梁は、上記構成の何れかにおいて、前記絶縁接合材は、前記所定の荷重が加わったときに破断して固定を解除する固定具(21)によって前記下弦材に固定されていることを特徴とする。
この構成によれば、固定具を用いることにより、通常時には、絶縁接合材が下弦材に対して摺動することが防止されるため、長期荷重に対するたわみの増大を防止でき、地震時には、固定具が破断することにより絶縁接合材が下弦材に対して延在方向に摺動可能となるため、下弦材の端部の塑性変形能力が高まる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るトラス梁は、上記構成の何れかにおいて、前記絶縁接合材は、前記構造部材から離間していることを特徴とし、又は、前記絶縁接合材は、対応する前記構造部材に当接又は接合していることを特徴とする。
前者の構成によれば、後者の構成に比べて、下弦材端部の絶縁接合材から露出している領域が大きくなり、下弦材の端部が軸変形拘束を受け難くなる。後者の構成によれば、前者の構成に比べて、絶縁接合材が長くなるため、下弦材の端部の曲げ座屈を低減できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るトラス梁は、上記構成の何れかにおいて、上端側が前記絶縁接合材に接合し、下端側が対応する前記構造部材に接合する方杖(22)をさらに有することを特徴とする。
この構成によれば、方杖を有することにより、トラス梁11の端部の回転剛性が高まる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るトラス梁は、上記構成の何れかにおいて、前記下弦材は、1対のフランジ(17)が互いに水平方向に対向するように配置されたH形鋼からなることを特徴とする。
この構成によれば、下弦材が鉛直方向よりも水平方向への曲げに強い態様で配置されるため、下弦材の構面外の曲げ座屈が低減される。
本発明の少なくともいくつかの実施形態に係るトラス梁は、上記構成の何れかにおいて、前記複数の斜材は、前記第2斜材よりも前記延在方向の前記中央側に位置する中間部斜材(14c)を有し、少なくとも一部の前記中間部斜材の下端が、少なくとも所定の荷重が加わったときに前記延在方向に摺動可能な中間部絶縁接合材(23)を介して前記下弦材に接合されたことを特徴とする。
この構成によれば、中間部絶縁接合材により、下弦材の対応する部分の塑性変形能力が高まる。
本発明によれば、地震時における塑性変形能力が高いトラス梁を提供することができる。
実施形態に係るトラス梁の正面図 実施形態に係るトラス梁の端部の拡大正面図 図1におけるIII-III断面図 第1変形例に係るトラス梁の図3と同じ断面における断面図 第2変形例に係るトラス梁の端部の拡大正面図 第3変形例に係るトラス梁の端部の拡大正面図 第4変形例に係るトラス梁の図3と同じ断面における断面図 第5変形例に係るトラス梁の正面図 第6変形例に係るトラス梁の正面図 従来技術のトラス梁の正面図
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るトラス梁11を説明する。図1及び図2に示すように、トラス梁11は、上弦材12と、下弦材13と、複数の斜材14と、下弦材13及び端部に配置された斜材14間に介在する絶縁接合材15とを有し、両端部が1対の柱16,16に支持されている。
上弦材12及び下弦材13は、概ね水平方向に沿って互いに平行に配置されている。本実施形態の上弦材12及び下弦材13は、直線状の部材であるが、曲線状の部材でもよい。上弦材12及び下弦材13には、H形鋼が用いられているが、他の形鋼や鋼管等の長尺の鋼材を用いてもよい。図3に示すように、H形鋼からなる下弦材13は、1対のフランジ17,17が上下方向に対向し、ウェブ18が鉛直面に沿うように配置される。上弦材12もH形鋼からなり、下弦材と同様の向きに配置される。上弦材12及び下弦材13の両端部は、それぞれ、対応する柱16に剛接合又はピン接合される。
図1及び図2に示すように、斜材14は直線状の鋼材であり、複数の斜材14には、上弦材12及び下弦材13の延在方向の最も端部側に配置された第1斜材14aと、第1斜材14aの隣に配置された第2斜材14bと、第2斜材14bよりも延在方向の中央側に配置された中間部斜材14cとが含まれる。複数の斜材14は、トラス梁11の延在方向の一端側から他端側に向かうにつれ、斜め下方に向かうものと斜め上方に向かうものとが交互に配置される。各々の斜材14の上弦材12及び下弦材13に対する角度θが略等しく、下弦材13の区間長l(下弦材13に沿った方向における、斜材14の接合位置間の長さ)が、互いに略等しくなるように、第2斜材14b及び中間部斜材14cの長さは互いに略等しく、第1斜材14aの長さは、柱16と接合するために第2斜材14b及び中間部斜材14cよりも短くなっている。
第1斜材14aの上端は、上弦材12及び柱16に剛接合又はピン接合される。互いに隣接する2つの斜材14,14の上端は、互いに剛接合又はピン接合されるとともに、上弦材12に剛接合又はピン接合される。また、互いに隣接する2つの中間部斜材14c,14cの下端は、互いに剛接合又はピン接合されるとともに、下弦材13に剛接合又はピン接合される。
図1~図3に示すように、第1斜材14aの下端及び第2斜材14bの下端は、互いに剛接合又はピン接合されるとともに、下弦材13の延在方向に摺動可能な絶縁接合材15を介して下弦材13に接合される。絶縁接合材15は、下弦材13と同軸の角形鋼管等の筒状部材からなり、下弦材13の延在方向における一部に対してその周囲を覆い、下弦材13に摺動可能に支持されている。第1斜材14aの下端及び第2斜材14bの下端は、絶縁接合材15に剛接合又はピン接合される。
本実施形態における斜材14の上端と、上弦材12、又は上弦材12及び柱16との接合、中間部斜材14cの下端と下弦材13との接合、並びに、第1斜材14aの下端及び第2斜材14bの下端と絶縁接合材15との接合は、上弦材12、上弦材12及び柱16、下弦材13、又は絶縁接合材15に溶接されたガセットプレート19に、斜材14の端部をボルト(図示せず)等で固定することによりなされる。各々の斜材14は、互いに平行に配置された1対の溝形鋼20,20を、開口部20aが互いに反対側を向くようにウェブ20bを対向させたものであり、その端部において、1対の溝形鋼20,20のウェブ20b、20bがガセットプレート19を挟持し(図3参照)、これらがボルト(図示せず)等で固定されている。なお、斜材14として他の形鋼や鋼管を用いてもよい。
地震時に絶縁接合材15が下弦材13に対してその延在方向に摺動するため、絶縁接合材15で覆われた部分は軸変形拘束を受け難い状態となり、第2斜材14bに隣接する中間部斜材14cの下弦材13への接合部から柱16までの区間(見かけの区間長l')を軸変形可能な区間とみなすことができる。そのため、非特許文献1及び2において、下弦材13の区間長さlと梁全長Lとの比l/Lを1/8(0.125)以上とすることが奨励されているが、本実施形態においては、lの代わりにl'を用いることができる。斜材14が20本存在するトラス梁11においては、l/Lは、1/20(0.05)であるが、l'/Lは、3/20(0.15)である。従って、非特許文献1及び2における上記奨励値を実質的に満たすことができる。このように、絶縁接合材15を用いることにより、上弦材12及び下弦材13に対する斜材14の角度θや梁せいh等のトラス梁11の形状や部材構成を変えることなく、地震時における下弦材13の端部の塑性変形能力を高めることができる。また、絶縁接合材15は、下弦材13を覆っているため、下弦材13に対してその延在方向以外への移動は実質的に規制されている。従って、絶縁接合材15を用いず、第1斜材14a及び第2斜材14bを下弦材13に剛接合又はピン接合した場合と同等の、下弦材13の端部における曲げ座屈低減効果を有する。このように、トラス梁11の変形能力が向上するため、保有水平耐力計算時のDs値を小さくすることができ、鋼材量を減らすことができる。
また、絶縁接合材15は、下弦材13における絶縁接合材15に覆われた部分の座屈を拘束するように、下弦材13を補剛するので、その部分における下弦材13の断面をより小さくすることができる。これにより、絶縁接合材15に覆われた部分の下弦材13の強度をコントロールすることが容易となるため、地震時の損傷を下弦材13における絶縁接合材15に覆われた部分に集中させることができる。よって、地震後は損傷した下弦材13における絶縁接合材15に覆われた部分のみを交換すればよく、地震後の建物の早期復旧が可能になる。
図4~図9は、上記実施形態の第1~第6変形例を示す。上記実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図4に示す第1変形例では、絶縁接合材15がボルトやピン等の固定具21によって下弦材13に固定され、固定具21は所定の荷重が加わったときに破断して固定を解除する点で上記実施形態と相違する。上記実施形態では絶縁接合材15を用いることでトラス梁11の剛性が小さくなり、自重等の長期荷重に対するたわみが大きくなる可能性があるが、固定具21を用いることにより、通常時に絶縁接合材15が下弦材13に対して摺動することを防止し、たわみの増大を防止できる。また、地震時に所定値以上の地震力が絶縁接合材15と下弦材13との間の下弦材13の延在方向に作用すると、固定具21が破断して、絶縁接合材15が下弦材13に対して延在方向に摺動可能となる。そのため、地震時において、曲げ座屈が低減されるとともに、塑性変形能力が高まる。
図5に示す第2変形例に係るトラス梁11は、絶縁接合材15に接合された方杖22を有する点で上記実施形態と相違する。方杖22は、上端側において絶縁接合材15に剛接合又はピン接合し、下端側において1対の柱16,16の内その絶縁接合材15が近接する方の柱16又はその近傍の構造部材に剛接合又はピン接合している。図示の例では、方杖22の上端及び下端は、それぞれ、絶縁接合材15又は柱16に溶接されたガセットプレート19にボルト(図示せず)で固定されている。方杖22は、斜材14と同様に、直線状の鋼材であり、具体的には、1対の溝形鋼を重ねたものや、他の形鋼、鋼管等によって構成される。方杖22を用いることにより、トラス梁11の端部の回転剛性が高まる。なお、方杖22は、トラス梁11本体の構面に沿って配置しても、構面に対して傾斜するように配置してもよい。
図6に示す第3変形例に係るトラス梁11は、絶縁接合材15の長さ(ls)や配置が上記実施形態と相違する。図6(A)に示すトラス梁11は、絶縁接合材15が長くなり、柱16に当接又は接合していることによって、下弦材13の端部の曲げ座屈の低減効果が高まる。図6(B)は、絶縁接合材15が柱16側だけでなくその反対側へも長くなった例を示す。図6(C)は、さらに、柱16の反対側への絶縁接合材15の長さが長くなり、端部から3つ目及び4つ目の斜材14である2つの中間部斜材14c,14cの下端が、絶縁接合材15に剛接合又はピン接合した例を示す。図6(D)は、第1斜材14a及び第2斜材14bの下端、並びに、端部から3つ目及び4つ目の斜材14である2つの中間部斜材14c,14cの下端が、共通の絶縁接合材15に剛接合又はピン接合し、その絶縁接合材15の柱16側の端部が、柱16から離間している例を示す。図6(C)及び(D)に示す例では、第1斜材14a及び第2斜材14bの下端、並びに、端部から3つ目及び4つ目の斜材14である2つの中間部斜材14c,14cの下端が、下弦材13に対して摺動可能な絶縁接合材15に剛接合又はピン接合しているため、軸変形可能な区間である見かけの区間長l'を柱16から、端部から5つ目及び6つ目の斜材14である2つの中間部斜材14c,14cの下端までの区間長とみなすことができる。
図7に示す第4変形例では、H形鋼からなる下弦材13の向きが上記実施形態と相違する。下弦材13は、図3に示す態様に対してその延在方向を軸に90°回転させた状態(弱軸使い)に、すなわち、1対のフランジ17,17が水平方向に対向し、ウェブ18が水平面に沿うように配置される。H形鋼からなる下弦材13をこのような向きに配置することにより、下弦材13の構面外の曲げ座屈が低減する。
図8に示す第5変形例は、中間部斜材14cの全部が中間部絶縁接合材23を介して下弦材13に接合している点で、上記実施形態と相違する。中間部絶縁接合材23は、上記実施形態の絶縁接合材15と同様の構造を有する。すなわち、中間部絶縁接合材23は、下弦材13と同軸の角形鋼管等の筒状部材からなり、下弦材13の延在方向における一部分に対してその周囲を覆い、下弦材13に摺動可能に支持されている。互いに隣接する中間部斜材14cの下端が、互いに接合されるとともに、中間部絶縁接合材23に剛接合又はピン接合される。図示の例では、中間部斜材14cを構成する1対の溝形鋼20,20のウェブ20b、20bの下端部がガセットプレート19を挟持し(図3参照)、これらがボルト(図示せず)等で固定されている。中間部斜材14cが中間部絶縁接合材23を介して下弦材13に接合することにより、下弦材13の対応する部分の塑性変形能力が高まる。軸変形可能な区間である見かけの区間長l'を梁全長Lとみなすことができる。中間部絶縁接合材23は、変形例1と同様の所定の荷重が加わったときに破断して固定を解除する固定具21(図4参照)によって下弦材13に固定されてもよい。
図9に示す第6変形例は、中間部斜材14cの一部が中間部絶縁接合材23を介して下弦材13に接合している点で、第5変形例と相違する。なお、図9は、絶縁接合材15が変形例6と同様に柱16に当接又は接合した例を示しているが、絶縁接合材15が柱16から離間していてもよい。中間部斜材14cの一部が中間部絶縁接合材23を介して下弦材13に接合することにより、下弦材13の対応する部分の塑性変形能力が高まる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。絶縁接合材は、下弦材の延在方向に摺動可能であって、延在方向に直交する方向への移動が実質的に規制されるならば、筒状以外の形状でもよい。例えば、H形鋼からなる下弦材の上側のフランジを覆う形状でもよい。第1~第4変形例は、互いに組み合わせてもよい。第5変形例及び第6変形例は、第1~第4変形例又はこれらの組み合わせと、組み合わせてもよい。また、トラス梁は鉛直材を含んでもよい。トラス梁は、柱ではなく、梁等の他の構造部材に支持されてもよい。
11:トラス梁
12:上弦材
13:下弦材
14:斜材
14a:第1斜材
14b:第2斜材
14c:中間部斜材
15:絶縁接合材
16:柱
17:フランジ
21:固定具
22:方杖
23:中間部絶縁接合材
θ:斜材の下弦材に対する角度
l:下弦材の区間長さ
L:梁全長
h:梁せい

Claims (8)

  1. 上弦材、下弦材及び複数の斜材を有し、1対の構造部材に支持されたトラス梁であって、
    前記複数の斜材は、前記下弦材の延在方向の最も端部側に位置して前記上弦材の前記端部側から前記延在方向の中央側に向かって斜め下方に延在する第1斜材と、前記第1斜材の下端近傍から前記中央側に向かって斜め上方に延在する第2斜材とを有し、
    前記第1斜材の前記下端及び前記第2斜材の下端は、互いに接合されるとともに、少なくとも所定の荷重が加わったときに前記延在方向に摺動可能な絶縁接合材を介して前記下弦材に接合され、前記複数の斜材の上端は、摺動不能に前記下弦材に接合されたことを特徴とするトラス梁。
  2. 前記絶縁接合材は、前記下弦材を部分的に覆う筒状部材を有することを特徴とする請求項1に記載のトラス梁。
  3. 前記絶縁接合材は、前記所定の荷重が加わったときに破断して固定を解除する固定具によって前記下弦材に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトラス梁。
  4. 前記絶縁接合材は、前記構造部材から離間していることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のトラス梁。
  5. 前記絶縁接合材は、対応する前記構造部材に当接又は接合していることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のトラス梁。
  6. 上端側が前記絶縁接合材に接合し、下端側が対応する前記構造部材に接合する方杖をさらに有することを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のトラス梁。
  7. 前記下弦材は、1対のフランジが互いに水平方向に対向するように配置されたH形鋼からなることを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載のトラス梁。
  8. 前記複数の斜材は、前記第2斜材よりも前記延在方向の前記中央側に位置する中間部斜材を有し、
    少なくとも一部の前記中間部斜材の下端が、少なくとも所定の荷重が加わったときに前記延在方向に摺動可能な中間部絶縁接合材を介して前記下弦材に接合されたことを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載のトラス梁。
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