JP4746023B2 - 鉄骨構造物の耐震改修方法及び耐震鉄骨構造物 - Google Patents

鉄骨構造物の耐震改修方法及び耐震鉄骨構造物 Download PDF

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Description

本発明は、既存の鉄骨構造物に対して適用可能な耐震改修方法及び耐震構造物に関する。
図15に示す三角形をユニットとしたトラス構造物100においては、一般に水平力を支持するために一対のブレース(brace)101a,101bが逆方向に傾斜して設置されている。このトラス構造物100が地震発生時に水平方向の力を受けると、一方のブレース101a又は(101b)には圧縮力が、他方のブレース101b(又は101a)には引張力が交互に作用して地震力に抵抗するようになっている。
図16は、上述したブレース101a,101bの軸力−軸変位特性曲線を示したものである。この特性曲線から分かるように、接合部及び接続部材等は、圧縮力についてはブレース101a,101bの座屈耐力Ncr(ブレースの降伏軸力−Nyより小さい)に対して強度を維持し、引張力についてはブレース101a,101bの降伏軸力Nyに対して強度を維持するように設計されている。従って、設計地震外力以上の力が作用した場合には、引張力が作用するブレース側は、ブレース又は接合部が降伏し、圧縮力が作用するブレース側は、ブレース又は接合部が座屈し、これによって構造系が崩れて構造物の崩壊につながる虞がある。
上述したトラス構造物に対する耐震対策として、例えば特許文献1、特許文献2に開示されたものが知られている。
特許文献1は、図17に示すように、柱202と梁203との間の空間204に傾斜して架設されるブレース201の外面をロックウール等の耐火内張層を介して被包鋼管205で被包すると共に、耐火内張層と被包鋼管205との間にモルタル層206を充填する。耐火内張層はブレース201とモルタル層206および被包鋼管205との間を力学的に絶縁し、ブレース201の座屈は防止されるが、ブレース201の軸変形を許容する構造となっている。これにより、耐震性能の向上が計れる。
また、特許文献2は、図18に示すように、鉄骨製のブレース材301と、このブレース材301を半径方向に間隔をおいて取り囲む鋼管302と、この鋼管302に分配配置され、半径方向外側から鋼管302にねじ込まれた多数のボルト303とを備えている。このボルト303はその半径方向内側の先端がブレース材301に対して小さな隙間を有するかまたは接触するようにねじ込まれている。
特許文献1、特許文献2の提案は、既存のブレースの断面形状はそのままとして、ブレース全体を補剛部材で覆い、座屈拘束することによって圧縮力に対しても座屈せず、引張耐力と同等の耐力を有する履歴型ダンパ(軸降伏型ダンパ)を構成している。
特許文献1、特許文献2ともに、既存ブレースが座屈しないので圧縮、引張ともに安定した履歴特性を示すブレースに改修できているが、構造全体として見た場合の地震応答における降伏荷重の調整ができない。すなわち、制震効果を変化させることができない。また、既存構造設計において、引張ブレースは引張耐力、圧縮ブレースは座屈耐力(引張耐力よりも小さい荷重)にて発生せん断力を算定し、それに基づき基礎などの設計が実施されている。したがって、単純に圧縮耐力を引張耐力まで引き上げると基礎構造に発生する反力も増加することになる。このため、他の構造部分や基礎構造を補強する必要が生じ、補強コストが増加するという問題点があった。
本発明者等は、この問題を解消する耐震構造物及び耐震改修方法を特許文献3で提案した。特許文献3は、図19に示すように、トラス鉄骨構造400に設置された既存ブレース401の端部側の両方又は一方の一部を切削して断面積を既存ブレースの一般部より縮小し、この断面積縮小部401bに局部座屈防止用補剛具402を取り付ける。
切削対象箇所を切削して断面積縮小部401bを形成する前に、図20に示すように、既存ブレース401に切削対象箇所をバイパスするように軸力伝達部材403を取り付けておくことが好ましい。つまり、断面積縮小部401bを切削により形成する前に、軸力伝達部材403を、切削対象箇所である断面積縮小部401bに該当する部分を跨ぐようにブレース一般部401aに予め取り付けることにより、既存ブレース401に作用する軸力(死荷重圧縮軸力)がこの軸力伝達部材403をバイパスしてガセット404に伝達するようにした後、対象箇所の切削を行う。軸力伝達部材403は、既存ブレース401の軸線に沿った伝達部材403aと、横断部材403bとからなっている。
特許文献3の提案によれば、断面積縮小部401bの周りに局部座屈防止用補剛具402を取り付け、その際、断面積縮小部401bの降伏軸力を、局部座屈防止用補剛具402取り付け前の既存ブレース401の全体座屈耐力より低く設定したので、地震力が作用した際、断面積縮小部401bは他部より早期に降伏し、局部座屈防止用補剛具402の作用によって局部座屈が拘束されて安定した応答を示し、安定した繰返し軸変位応答を行って地震エネルギを吸収する。この提案によれば、断面積縮小部401bの降伏軸力を、局部座屈防止用補剛具402取り付け前の既存ブレース401の全体座屈耐力より低く設定したので、他の構造部分や基礎構造を補強する必要がない。
特開平9−328813号公報 特許第3382178号公報 特開2003−213815号公報
特許文献3によれば、以上のような効果を奏するが、軸力伝達部材403を効率的に取り付ける方法が開示されていない。そこで本発明は、軸力伝達部材を効率的に取り付ける方法を提供することを目的とする。
本発明は、柱、梁及びブレースが組み合わされたトラス鉄骨構造の既存ブレースの一部を切削して、断面積を既存ブレースよりも縮小した断面積縮小部を形成し、断面積縮小部に対して制震ダンパ化を行う鉄骨構造物の耐震改修方法であって、断面積縮小部を形成する前に、断面積縮小部に相当する領域を迂回して既存ブレースに軸力伝達部材を取り付ける工程と、軸力伝達部材を取り付けた後に、断面積縮小部を形成する工程と、断面積縮小部に対して制震ダンパ化を行う工程と、軸力伝達部材を取り除く工程と、を備える。この軸力伝達部材は、既存ブレースを挟んで対称に設置される第1部材及び第2部材からなり、第1部材及び第2部材は、各々、既存ブレースの軸方向に所定の間隔をおいて配置され、かつ既存ブレースを把持する一対の把持部と、一対の把持部間を繋ぐ伝達部とからなり、第1部材の把持部と第2部材の把持部と接合される。そして、軸力伝達部材を取り付ける工程において、既存ブレースに圧縮の軸力が作用したときに軸力を軸力伝達部材に伝える一対の固定部材によって軸力伝達部材を軸方向に固定する。この一対の固定部材は、一対の把持部の軸方向の両端間の長さと同等の距離だけ間隔を開けて既存ブレースに固定される。
軸力伝達部材は、死荷重軸力を受けるものであり、この死荷重軸力は、圧縮の軸力である。そこで、本発明では、軸力伝達部材を直接既存ブレースに接合するのではなく、圧縮の軸力が作用したときに軸力を軸力伝達部材に伝える固定部材によって軸力伝達部材を軸方向に固定することとした。また本発明によると、第1部材及び第2部材を各々既存ブレースに取り付けるのに比べて、半分の工数で第1部材及び第2部材を既存ブレースに取り付けることができる。
本発明の耐震改修方法において、柱と梁の交点、及び梁のいずれか一方又は双方を補強した後に、軸力伝達部材を取り付けることができる。死荷重軸力が大きい場合に有効である。
本発明は、軸力伝達部材に制震ダンパ機能を付加することができる。この軸力伝達部材は、既存ブレースに取り付けた後に除去することなく、そのまま残すことにより、制震ダンパとして機能する。
すなわち本発明は、柱、梁及びブレースが組み合わされたトラス鉄骨構造の既存ブレースの一部を切削して、断面積を既存ブレースよりも縮小した断面積縮小部を形成し、断面積縮小部に対して制震ダンパ化を行う鉄骨構造物の耐震改修方法であって、断面積縮小部を形成する前に、断面積縮小部に相当する領域を迂回して既存ブレースに軸力伝達部材を取り付ける工程と、制震ダンパ機構を備えた軸力伝達部材を取り付けた後に、断面積縮小部を形成する工程と、を備える。この軸力伝達部材は、既存ブレースを挟んで対称に設置される第1部材及び第2部材からなり、第1部材及び第2部材は、各々、既存ブレースの軸方向に所定の間隔をおいて配置され、かつ既存ブレースを把持する一対の把持部と、一対の把持部間を繋ぐ伝達部とからなり、第1部材の把持部と第2部材の把持部と接合され、断面積縮小部を迂回して既存ブレースに取り付けられる。そして、軸力伝達部材を取り付ける工程において、既存ブレースに圧縮又は引張りの軸力が作用したときに軸力を軸力伝達部材に伝える固定部材によって軸力伝達部材を軸方向に固定する。この一対の固定部材は、一対の把持部の軸方向の両端間の長さと同等の距離だけ間隔を開けて既存ブレースに固定される。
以上の本発明による耐震改修方法において、制震ダンパ機構は、軸降伏型のダンパ機構であることが好ましい。
また、断面積縮小部に、粘弾性ダンパを介在させることが好ましい。
本発明はまた、柱、梁及びブレースが組み合わされたトラス鉄骨構造の既存ブレースの一部を切削して、断面積を既存ブレースよりも縮小した断面積縮小部を形成し、断面積縮小部に対して制震ダンパ化が行われた鉄骨構造物であって、制震ダンパは、断面積縮小部を迂回して既存ブレースに取り付けられ、死荷重軸力を伝達し、かつ軸降伏型ダンパとして機能することを特徴とする耐震鉄骨構造物をも提供する。この制震ダンパは、既存ブレースを挟んで対称に設置される第1部材及び第2部材からなり、第1部材及び第2部材は、各々、既存ブレースの軸方向に所定の間隔をおいて配置され、かつ既存ブレースを把持する一対の把持部と、一対の把持部間を繋ぐ伝達部とからなり、第1部材の把持部と第2部材の把持部と接合され、断面積縮小部を迂回して既存ブレースに取り付けられる。
本発明によれば、軸力伝達部材を直接既存ブレースに接合するのではなく、圧縮の軸力が作用したときに軸力を軸力伝達部材に伝える固定部材によって軸力伝達部材を軸方向に固定することとしたので、軸力伝達部材を効率的に取り付けることができる。
<第1実施形態>
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、第1実施形態による耐震改修方法の工程を示す図である。
第1実施形態による耐震改修方法は、例えば図15に示すトラス鉄骨構造物に適用されるものである。より詳しくは、梁(水平材)2及び柱(垂直材)3よりなる構面に、ガセット5を介して所定の角度をなして一対の既存ブレース4が取り付けられた鉄骨構造物の構造単位10から、既存ブレース4の一部を除去して、制震ダンパ7を取り付ける改修方法に関するものである。
図1の上段に示すように、既存ブレース4には、死荷重軸力が矢印の向きに作用している。死荷重軸力が大きい場合には、既存ブレース4の一部の断面積を縮小し、又は既存ブレース4の一部を除去した場合に、梁2のたわみが大きくなる。そのため、特に、既存ブレース4の一部を除去した場合の残存ブレース間の距離が大きく変動する。そこで、第1実施形態は、軸力伝達部材を効率的に取り付ける工程を含む耐震改修方法を提案する。なお、本実施形態では、既存ブレース4として鋼管を例にしているが、本発明はこれに限定されない。
<図1 STEP1>
第1実施形態による耐震改修方法は、略コ字状の形態をなした軸力伝達部材6を、切削除去対象箇所をバイパスするように跨いで各々の既存ブレース4に取り付ける。軸力伝達部材6は、既存ブレース4に生じている圧縮方向の死荷重軸力に対抗する部材である。既存ブレース4に軸力伝達部材6を取り付けた後、切削除去対象箇所を適宜の手段で切削して除去する。切削除去後に残った部分を残存ブレース4aとすると、既存ブレース4に生じていた死荷重軸力は、残存ブレース4a、軸力伝達部材6が受けることになる。このようにして、梁2のたわみを防止することができる。なお、軸力伝達部材6の取り付け方法は、後述する。
<図1 STEP2>
次に、切削箇所の処理を行い、制震ダンパ接合用の部材を設置した後、別途製作した制震ダンパ7を装着し、例えばボルト接合にて残存ブレース4aに結合して制震ダンパ化する。その後、軸力伝達部材6を撤去する。制震ダンパ7としては、公知の軸降伏型制震ダンパを用いることができる。軸降伏型ダンパとしては、公知のダンパを用いることができ、例えば、第3実施形態で示すものを用いることができる。
次に、軸力伝達部材6について、図2〜図4を参照して詳述する。
軸力伝達部材6は、同一の構成を有する第1部材61及び第2部材65の2つの部材を組み合わせて構成される。第1部材61は、所定間隔を隔てて配置される一対のブレース把持部62と、各ブレース把持部62から突出して形成される一対のコラム63と、一対のコラム63を介してブレース把持部62を繋ぐ伝達部材64とから構成される。同様に、第2部材65は、所定間隔を隔てて配置される一対のブレース把持部66と、各ブレース把持部66から突出して形成される一対のコラム67と、一対のコラム67を介してブレース把持部66を繋ぐ伝達部材68とから構成される。
ブレース把持部62(66)は、既存ブレース4の外径と同等の断面が半円状の本体62a(66a)と、本体62aの両端から突き出した締結部62b(66b)とから構成される。対応する締結部62b、66bの位置を合わせて、本体62a、66aの内周面を既存ブレース4の外周面に接触させる。この状態で、締結部62b、66bをボルト締めすることにより、軸力伝達部材6を既存ブレース4に取り付ける。なお、このとき本体62a、66aは、既存ブレース4に対して摺動が可能である。つまり、軸力伝達部材6自体は、既存ブレース4に対して相対的に移動が可能に取り付けられている。
本実施形態は、リング状のリブ69a、69bを用いて、軸力伝達部材6は既存ブレース4の軸方向の動きが拘束されて固定される。リブ69a、69bは、既存ブレース4に対して接合される。軸力伝達部材6は、既存ブレース4に接合されたリブ69a、69bの間に挟み込まれる。図2は、一対のブレース把持部62(66)の間の所定領域を切削除去した状態を示すが、圧縮の死荷重軸力は、図中の白抜き矢印で示されるように、残存ブレース4aに接合されたリブ69a(69b)を介して、軸力伝達部材6に伝わり、死荷重軸力を受け止める。本実施形態は、軸力伝達部材6が、圧縮の死荷重軸力のみを受けることを想定しているため、リブ69a、69bは、軸力伝達部材6の軸方向の両端にのみ設ければよい。
次に、図3及び図4を参照して、軸力伝達部材6を既存ブレース4に取り付ける手順を説明する。
はじめに、既存ブレース4の外周にリブ69a、69bを接合する。リブ69a、69bは、軸力伝達部材6の一対のブレース把持部62(66)の両端間の長さと同等の距離だけ間隔を開けて既存ブレース4に接合される。リブ69a、69bは、例えば溶接により既存ブレース4に接合される。リブ69a、69bの溶接は、既存ブレース4に対する溶接面積が小さいので、溶接作業が軽減され、また、既存ブレース4aに対する熱影響が少ないという利点がある。リブ69a、69bの固定は、溶接に限らない。例えば、リブ69a、69bにスリーブを設けて、ボルトによって固定することもできる。また、リブ69a、69bと既存ブレース4の間に楔を挿入して、リブ69a、69bを固定することもできる。つまり、リブ69a、69bが既存ブレース4の軸方向の動きを止めることができれば、その手段は問われない。
リブ69a、69bを固定した後に、既存ブレース4を挟んで軸力伝達部材6を構成する第1部材61、第2部材65を対称の位置に配置させ、リブ69a、69b間に第1部材61、第2部材65を配置する。その後、第1部材61の締結部62bと第2部材65の締結部66b同士をボルトにより締結する。前述したように、第1部材61、第2部材65は、このボルトによる締結によって既存ブレース4に直接接合されるものでない。しかし、軸力伝達部材6(第1部材61、第2部材65)は、一端でリブ69aに接し、他端でリブ69bに接触する。リブ69a、69bが既存ブレース4に接合されているため、軸力伝達部材6(第1部材61、第2部材65)は、軸方向の動きがリブ69a、69bによって拘束、固定される。
軸力伝達部材6の取り付けが終了した後に、既存ブレース4の所定部位を切削して削除する。そうすると、残存ブレース4a、軸力伝達部材6が死荷重軸力を受けることによって、梁2のたわみを防止することができる。
通常、死荷重軸力は圧縮力である。したがって、本実施形態のように、切削、除去する既存ブレース4の両側にリブ69a、69bを溶接接合にて設置し、その間に軸力伝達部材6を設置すれば、特に軸力伝達部材6と既存ブレース4を溶接などにより強固に接合しておく必要はない。したがって、本実施形態は、耐震改修の施工コストの低減を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明による第2実施形態について説明する。第2実施形態は、死荷重軸力が大きい場合に好ましい耐震改修方法である。
死荷重軸力が大きい場合には、最終的に廃却する軸力伝達部材6に必要な強度も大きくなる。この場合、軸力伝達部材6の施工が非効率的な工事となる。これに対応する方法として、既存ブレース4が取り合う梁2、柱3・梁2交点、柱3などの部材に予め補強を施しておくことが有効である。これにより、既存ブレース4に作用する死荷重軸力が解放された状態、つまり切削除去対象箇所を切削、除去した状態でも、梁2に過大なたわみなどが生じず、力は柱3側に伝達される構造となる。以下、図5〜図7を参照して、第2実施形態を具体的に説明する。
<図5 STEP1>
第2実施形態では、軸力伝達部材6を取り付ける前に、梁2と柱3の交点を補強部材8により補強する。補強部材8は、例えばT型鋼を図6に示す形状に加工して、梁2と柱3の交点を下側から支持する箇所に溶接により接合する。補強部材8は、梁2と柱3の交点の上側に設けることもできる。
補強は、梁2と柱3の交点に限らず、梁2に対して行うことができる。図7にこの補強方法を示すが、H型鋼からなる梁2の側方に補強板21を溶接により接合する(図7(a))、H型鋼からなる梁2の上下面に補強板23を溶接により接合する(図7(b))、H型鋼からなる梁2の上下面にT型鋼からなる補強部材25を溶接により接合する(図7(c))等の手法が採用される。これら手法は、いずれも、死荷重軸力による梁2のたわみ方向に対応する断面二次モーメントを大きくすることを目的とするものである。
梁2と柱3の交点の補強と、梁2の補強を組合せて行うこともできる。
<図5 STEP2>
以上の補強を行った後に、軸力伝達部材6を、切削除去対象箇所をバイパスするように跨いで各々の既存ブレース4に取り付ける。軸力伝達部材6の取り付けは、第1実施形態と同様に行われるので、ここでの説明は省略する。
軸力伝達部材6を取り付けた後、第1実施形態と同様に、切削除去対象箇所を適宜の手段で切削して除去する。
ここで、梁2と柱3の交点の補強、梁2の補強を予め施しておくことで、既存ブレース4に作用する死荷重軸力が解放された状態、つまり切削除去対象箇所を切削、除去しても、梁2の過大なたわみなどが生じず、力は柱3側に伝達される構造となる。したがって、軸力伝達部材6も小さくすることが可能となるとともに、最終的に軸力伝達部材6を撤去した後に制震ダンパ7に作用する初期軸力を小さくできる。補強を強固にすれば、この初期軸力をほとんどなくすこともできる。
<図5 STEP3>
軸力伝達部材6の取り付け、切削除去対象箇所を切削、除去した後は、第1実施形態と同様に、別途製作した制震ダンパ7を装着する。
以上の第2実施形態によれば、梁2と柱3の交点の補強、梁2の補強を予め施しておくことで、梁2のたわみの低減、軸力伝達部材6のサイズダウンの効果、ひいては制震ダンパ7に初期に作用させる死荷重軸力を低減できるので、地震応答などを予測しやすくなる。
<第3実施形態>
次に、本発明による第3実施形態を説明する。
第3実施形態は、軸力伝達部材に制震ダンパの機能を与えるものである。したがって、軸力伝達部材を取り付けた後に、制震ダンパを別途取り付ける必要がなくなる。第3実施形態は、この制震ダンパとして、軸降伏型ダンパを用いる。
第3実施形態は、例えば図15に示すトラス鉄骨構造物に適用されるものであり、図8に示すように、梁2及び柱3よりなる構面に、対向する残存ブレース4aの間に軸降伏型ダンパ9が取り付けられた鉄骨構造物の構造単位20を構成する。
軸降伏型ダンパ9は、図9に示すように、同一の構成を有する第1部材91及び第2部材95の2つの部材を組み合わせて構成される。第1部材91は、所定間隔を隔てて配置される一対のブレース把持部92と、各ブレース把持部92から突出して形成される一対のコラム93と、一対のコラム93の間に配設される軸降伏型ダンパ本体94とから構成される。同様に、第2部材95は、所定間隔を隔てて配置される一対のブレース把持部96と、各ブレース把持部96から突出して形成される一対のコラム97と、一対のコラム97の間に配設される軸降伏型ダンパ本体98とから構成される。
ブレース把持部92(96)は、図3に示したブレース把持部62(66)と同様の構造を有しており、既存ブレース4の外径と同等の断面が半円状の本体と、本体の両端から突き出した締結部とから構成される。対応する締結部の位置を合わせて、本体の内周面を既存ブレース4の外周面に接触させる。この状態で、締結部をボルト締めすることにより、軸降伏型ダンパ9を既存ブレース4に取り付ける。なお、このとき本体は、既存ブレース4に対して摺動が可能である。つまり、軸降伏型ダンパ9自体は、既存ブレース4に対して相対的に移動が可能に取り付けられている。
軸降伏型ダンパ9は、第1実施形態の軸力伝達部材6と基本的な構造は一致しており、軸力伝達部材6の伝達部材64(68)が、軸降伏型ダンパ本体94(98)に置き換えられたものである。したがって、既存ブレース4に対する基本的な取り付け方法も、軸力伝達部材6の場合と同様でよい。
ただし、軸降伏型ダンパ9は、リング状のリブ71a、71b、72a、72bを用いて、既存ブレース4(残存ブレース4a)の軸の両方向の動きが拘束される。第1実施形態の軸力伝達部材6は、圧縮のみを想定すればよい死荷重軸力を受けるものであるから、リブ69a、69bを、軸力伝達部材6の軸方向の両端にのみ設けていた。これに対して、本実施形態による軸降伏型ダンパ9は、軸力伝達部材6とは異なり、取り付けた後にそのまま存在して、圧縮、引張りの両方の軸力を受ける。本実施形態では、ブレース把持部92、96の軸方向の両側に設けることにより、軸降伏型ダンパ9が圧縮及び引張りの両方の軸力を受けるようにしてある。
リブ71a、71b、72a、72bを既存ブレース4に対して固定する方法は、第1実施形態と同様でよい。ただし、本実施形態は、軸降伏型ダンパ9をそのまま残すものであるから、軸降伏型ダンパ9を直接既存ブレース4に溶接によって接合してもよい。
図10の(a)に図9のB−B矢視断面図を、また、図10の(b)に図9のC−C矢視断面図を示す。これらに示されるように、軸降伏型ダンパ本体94(98)は、角管から構成される補剛管94a(98a)と、補剛管94a(98a)の内部空間に配置される芯材94b(98b)とから構成されている。芯材94b(98b)は、十字型鋼から構成される。
芯材94b(98b)は、その両端がコラム93(97)に接合されている。したがって、芯材94b(98b)は、残存ブレース4aからの軸力を受ける。これに対して、補剛管94a(98a)は、コラム93(97)及び芯材94b(98b)とは機械的に結合されておらず、芯材94b(98b)を内部空間に収容しているだけである。圧縮の軸力が作用したときに、芯材94b(98b)の変形(座屈)を阻止する。
ところで、特許文献3には、軸力伝達部材を制震ダンパ化する例が記載されている。この制震ダンパとして、せん断降伏型ダンパを用いている(特許文献3 図11、図15)。この場合、せん断降伏型ダンパが対向する残存ブレースの両側に各々に設置されることになり、この各々について塑性変形が生ずることがある。この場合は、残存ブレースの両端において塑性ヒンジに近い状態になる。これでも通常は問題ないが、想定外の横たわみなどが生じた場合には、ブレース全体としての構造系が不安定になる可能性がある。
これに対して、本実施形態は、特許文献3のせん断降伏型ダンパとしていた箇所を、ブレース把持部92、コラム93(ブレース把持部96、コラム97)からなる弾性部材とし、力を軸力として伝達する部分を軸降伏型ダンパ本体91、98とした。この構造系では、軸降伏型ダンパの芯材94b、98bは塑性ヒンジ状態となり得るが、この芯材94b、98bは、補剛管94a、98aに補剛されているために、ピン状態とはならない。したがって、せん降伏型ダンパのように想定外の横たわみなどが生じた場合でも不安定な状態は発生せず、より信頼性の高い耐震構造を得ることができる。
さらに、特許文献3が用いるせん断降伏型ダンパはダンパ高さにより許容変位が設定される。この許容変位は、通常高さの1/50程度である。仮に高さが200mmの場合、両側で8mmの軸方向変形が許容できる。
これに対して本実施形態が用いる軸降伏型ダンパ9は、許容変位が軸降伏型ダンパ本体91(98)の長さの3/100程度であり、軸降伏型ダンパ本体91(98)の長さが500mmの場合には、15mmの変位を許容できる。制震ダンパとしての性能は、せん断降伏型ダンパと軸降伏型ダンパは同等であるが、大きな変位量を許容する場合、せん断降伏型ダンパはその高さを高くする必要があり、その分だけ制震ダンパの既存ブレース4(残存ブレース4a)からの張り出し量が大きくなる。したがって、空間阻害率が大きくなる。また、制震ダンパの既存ブレース4(残存ブレース4a)からの張り出し量が大きくなると、既存ブレース4(残存ブレース4a)の軸芯からの偏芯量が大きくなるため、不安定な構造となりやすい。これに対して、軸降伏型ダンパ9は既存ブレース4(残存ブレース4a)の軸芯からの距離を一定に保ったままで許容変位を変化させることが可能であり、安定した構造系としやすい利点がある。
図8、図9に示した例では、軸降伏型ダンパ9を構造単位20の面内方向に2箇所設けたが、軸降伏型ダンパ9の設置数は任意であり、例えば図10(c)、(d)に示すように、面外方向を含めて4箇所に設置することもできる。
<第4実施形態>
次に、本発明による第4実施形態を説明する。第4実施形態は、第3実施形態の制震性能を向上するものである。図11〜図14を参照して、第4実施形態を説明する。なお、図12は、図11のD−D矢視断面図(図12(a))、E−E矢視断面図(図12(b))及びF−F矢視断面図(図12(c))を示している。また、図13は、図11のG−G矢視断面図を示している。
第4実施形態は、対向する残存ブレース4a、4aの先端外周に粘弾性体からなる粘弾性層82を形成するとともに、粘弾性層82を鋼管からなる被覆層81にて取り囲んで、粘弾性ダンパ80を設けた。残存ブレース4a、4aの外周面と粘弾性層82の内周面は接合され、粘弾性層82の外周面と被覆層81の内周面は接合されている。接合は、例えば接着により行われる。粘弾性ダンパ80は、一方の残存ブレース4aに対してボルト等の締結手段により固定される。なお、粘弾性層82を構成する粘弾性体は、弾性と粘性両方の性質を持った物体をいい、力を加えると徐々に変形していき、力を加えるのをやめると瞬時に少し縮むという特質を持つものである。粘弾性体としては、公知の高分子材料、例えばゴムアスファルト系の材料を用いればよい。
粘弾性ダンパ80以外の構成は、第3実施形態と同じである。
図13に、残存ブレース4aに引張り方向の軸力が作用したときの粘弾性ダンパ80近傍の軸方向断面を示している。すなわち、図13(a)の無負荷状態から、図13(b)に示すように粘弾性ダンパ80を備えた軸降伏型ダンパ9に、引張り方向の軸力が作用すると、粘弾性層82は軸方向に伸びる。被覆層81は、粘弾性層82の伸びに伴って変位する。圧縮方向の軸力が作用するときには、粘弾性層82は軸方向に縮む。この伸縮によって、粘弾性層82は、減衰効果を発揮する。
図14は、軸降伏型ダンパ9及び粘弾性ダンパ80の軸力−軸変位特性曲線を示す。なお、線図Xが軸降伏型ダンパ9の軸力−軸変位特性曲線、線図Yが粘弾性ダンパ80の軸力−軸変位特性曲線を示す。
本実施の形態によれば、図14に示すように、基本的な復元力特性は軸降伏型ダンパ9に支配されるが、残存ブレース4a間の可動量に対応した相対変形量を粘弾性層82のせん断変形に換える粘弾性ダンパ80を設けることで、粘弾性体の粘性減衰が付加される。
また、第3実施形態では、残存ブレース4aの内部に雨水などが流入するおそれがあるが、粘弾性ダンパ80を設けることにより雨水などの流入を阻止することができる。
以上説明した以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態では、断面積縮小部として、既存ブレースの一部を切削により除去(100%断面積縮小)したが、例えば、断面積を80%に減少させるような断面積縮小部としても本発明を実施することができる。この場合、ブレースの残存している部分が、制震ダンパ化の要素となる。つまり、本発明において制震ダンパ化を行うとは、本実施形態で具体的に示した制震ダンパを取り付ける形態と、残存しているブレースを制震ダンパの一要素とする形態を包含している。
第1実施形態による耐震改修方法の工程を示す図である。 軸力伝達部材の取り付け部分の拡大図である。 軸力伝達部材の取り付け方法を工程順に示す図である。 軸力伝達部材の取り付け方法を工程順に示す図である。 第2実施形態による耐震改修方法の工程を示す図である。 第2実施形態による梁の補強方法の具体例を示す図である。 第2実施形態による柱・梁交点の補強方法を示す図である。 第3実施形態による耐震改修構造を示す図である。 第3実施形態による軸降伏型ダンパを示す図である。 第3実施形態による軸降伏型ダンパの断面を示し、(a)は図9のB−B矢視断面図を、また、(b)は図9のC−C矢視断面図を示す図である。 第4実施形態による軸降伏型ダンパを示す図である。 第4実施形態による軸降伏型ダンパの断面を示し、(a)は図11のD−D矢視断面図を、(b)は図11のE−E矢視断面図を、(c)は図11のF−F矢視断面図を示す図である。 第4実施形態による軸降伏型ダンパの断面を示し、図11のG−G矢視断面図を示す図である。 第4実施形態による軸降伏型ダンパの復元力特性を示すグラフである。 トラス構造の代表的な鉄骨構造物を示す全体構成図である。 図15の鉄骨構造物におけるブレースの軸力−軸変位特性曲線を示す図である。 特許文献1に開示された鉄骨建造物のブレース補強構造を示す図である。 特許文献2に開示された鉄骨建造物のブレース補強構造を示す図である。 特許文献3に開示された軸力伝達材を用いた工法を示す図である。 特許文献3に開示された軸力伝達材を用いた工法を示す図である。
符号の説明
2…梁、3…柱、4…既存ブレース、4a…残存ブレース、5…ガセット、6…軸力伝達部材、7…制震ダンパ、8,25…補強部材、9…軸降伏型ダンパ、10,20…構造単位、21,23…補強板、69a、69b、71a、71b、72a、72b…リブ

Claims (6)

  1. 柱、梁及びブレースが組み合わされたトラス鉄骨構造の既存ブレースの一部を切削して、断面積を前記既存ブレースよりも縮小した断面積縮小部を形成し、前記断面積縮小部に対して制震ダンパ化を行う鉄骨構造物の耐震改修方法であって、
    前記断面積縮小部を形成する前に、前記断面積縮小部に相当する領域を迂回して前記既存ブレースに軸力伝達部材を取り付ける工程と、
    前記軸力伝達部材を取り付けた後に、前記断面積縮小部を形成する工程と、
    前記断面積縮小部に対して制震ダンパ化を行う工程と、
    前記軸力伝達部材を取り除く工程と、
    を備え、
    前記軸力伝達部材は、
    前記既存ブレースを挟んで対称に設置される第1部材及び第2部材からなり、
    前記第1部材及び前記第2部材は、各々、
    前記既存ブレースの軸方向に所定の間隔をおいて配置され、かつ前記既存ブレースを把持する一対の把持部と、
    一対の前記把持部間を繋ぐ伝達部とからなり、
    前記第1部材の前記把持部と前記第2部材の前記把持部と接合され、
    前記軸力伝達部材を取り付ける工程において、
    前記既存ブレースに圧縮の軸力が作用したときに前記軸力を前記軸力伝達部材に伝える一対の固定部材によって前記軸力伝達部材を軸方向に固定し、
    一対の前記固定部材は、
    一対の前記把持部の前記軸方向の両端間の長さと同等の距離だけ間隔を開けて前記既存ブレースに固定される、
    ことを特徴とする鉄骨構造物の耐震改修方法。
  2. 前記柱と前記梁の交点、及び前記梁のいずれか一方又は双方を補強した後に、前記軸力伝達部材を取り付けることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨構造物の耐震改修方法。
  3. 柱、梁及びブレースが組み合わされたトラス鉄骨構造の既存ブレースの一部を切削して、断面積を前記既存ブレースよりも縮小した断面積縮小部を形成し、前記断面積縮小部に対して制震ダンパ化を行う鉄骨構造物の耐震改修方法であって、
    前記断面積縮小部を形成する前に、前記断面積縮小部に相当する領域を迂回して前記既存ブレースに軸力伝達部材を取り付ける工程と、
    制震ダンパ機構を備えた前記軸力伝達部材を取り付けた後に、前記断面積縮小部を形成する工程と、
    を備え、
    前記軸力伝達部材は、
    前記既存ブレースを挟んで対称に設置される第1部材及び第2部材からなり、
    前記第1部材及び前記第2部材は、各々、
    前記既存ブレースの軸方向に所定の間隔をおいて配置され、かつ前記既存ブレースを把持する一対の把持部と、
    一対の前記把持部間を繋ぐ伝達部とからなり、
    前記第1部材の前記把持部と前記第2部材の前記把持部と接合され、
    前記軸力伝達部材を取り付ける工程において、
    前記既存ブレースに圧縮又は引張りの軸力が作用したときに前記軸力を前記軸力伝達部材に伝える一対の固定部材によって前記軸力伝達部材を軸方向に固定し、
    一対の前記固定部材は、
    一対の前記把持部の前記軸方向の両端間の長さと同等の距離だけ間隔を開けて前記既存ブレースに固定される、
    ことを特徴とする鉄骨構造物の耐震改修方法。
  4. 前記制震ダンパ機構は、軸降伏型のダンパ機構であることを特徴とする請求項に記載の鉄骨構造物の耐震改修方法。
  5. 前記断面積縮小部に、粘弾性ダンパを介在させることを特徴とする請求項又はに記載の鉄骨構造物の耐震改修方法。
  6. 柱、梁及びブレースが組み合わされたトラス鉄骨構造の既存ブレースの一部を切削して、断面積を前記既存ブレースよりも縮小した断面積縮小部を形成し、前記断面積縮小部に対して制震ダンパ化が行われた鉄骨構造物であって、
    前記制震ダンパは、
    前記既存ブレースを挟んで対称に設置される第1部材及び第2部材からなり、
    前記第1部材及び前記第2部材は、各々、
    前記既存ブレースの軸方向に所定の間隔をおいて配置され、かつ前記既存ブレースを把持する一対の把持部と、
    一対の前記把持部間を繋ぐ伝達部とからなり、
    前記第1部材の前記把持部と前記第2部材の前記把持部と接合され、
    前記断面積縮小部を迂回して前記既存ブレースに取り付けられ、
    死荷重軸力を伝達し、かつ軸降伏型ダンパとして機能することを特徴とする耐震鉄骨構造物。
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