JP3678709B2 - 柱と梁の接合構造 - Google Patents
柱と梁の接合構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3678709B2 JP3678709B2 JP2002063148A JP2002063148A JP3678709B2 JP 3678709 B2 JP3678709 B2 JP 3678709B2 JP 2002063148 A JP2002063148 A JP 2002063148A JP 2002063148 A JP2002063148 A JP 2002063148A JP 3678709 B2 JP3678709 B2 JP 3678709B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- column
- joint
- horizontal
- steel
- axial force
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物、その他の各種構造物において、H型断面や十字断面、閉鎖断面を有する鋼部材やコンクリート充填鋼管、鉄筋コンクリート部材を柱材とし、この柱材の側部にH形鋼、I形鋼などからなる梁材を取付ける柱と梁の接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐震性能を向上させるために、柱材として、閉鎖断面を有する角形鋼管やH形鋼製の鉄骨柱と、H形鋼製の鉄骨梁を用いてラーメン構造を構築することがあり、この際の柱・梁の接合構造は、種々の改良を経て現在に至っている。経時的に列挙すると、(1)ダイヤフラム方式、(2)スプリットティーやエンドプレートなどの接合金物方式、(3)設計上ピン仮定方式(特願2000−64591号、特開2001−254436号公報で出願時既公開。)、(4)設計上ピン仮定方式の改良型(特願2001−180125号、出願時未公開。特開2002−371627号公報参照。)がある。
【0003】
(1)〜(4)を簡潔に説明する。(1)ダイヤフラム方式は、ダイヤフラムを柱に溶接し、このダイヤフラムに梁を溶接するものであるが、このダイヤフラム方式は、溶接部の多用を含む、熟練、加工作業負担、施工コストの増大や、施工工期の長期化、接合部の剛性の安定確保の困難性がある。さらに、大地震時等の柱梁部材の塑性変形を許容する設計により、被災時の補修の困難性、多大の補修費用の必要性などが挙げられている。
【0004】
(2)スプリットティーなどの接合金物方式は、(1)の欠点を改良したもので、図17に示すように、閉鎖断面の角形鋼管柱1にスプリットティーなどの接合金物2をワンサイドボルト3で接合し、この接合金物2を介して鋼製梁4を角形鋼管柱1にボルト5で接合するものである。この方式はダイヤフラム方式に比べて加工工数が少く、溶接負担を軽減する接合構造である。しかし、この接合金物方式は、鋼製梁4に引張荷重が作用したときに、接合金物2を介して角形鋼管柱1の面外変形で抵抗するが、接合面の変形で抵抗するのは、ダイヤフラム方式に比して接合部剛性が低下し、耐力も低くなる。さらに、大地震時等の柱梁部材の塑性変形を許容する設計により、被災時の補修の困難性、多大の補修費用の必要性などがある。
【0005】
(3)設計上ピン仮定方式(特願2000−64591号、特開2001−254436号公報で出願時既公開。)は、(1)、(2)の欠点を改良したもので、柱・梁接合構造に関しては接合強度を保持したうえで、さらに、地震対策の面から耐震接合構造とするものである。
【0006】
前記(3)設計上ピン仮定による接合構造は、図18に示すように、主に軸力に抵抗する要素(軸力抵抗接合要素)と、せん断力および軸力に抵抗する要素(軸力+せん断力抵抗接合要素)を組み合わせたもので、非溶接接合構造である。
【0007】
すなわち、図18においてH形鋼製の鋼製柱6の一方のフランジ6aに、2組の横断面がL字形のアングル材7(ガセットプレートの場合もあるが図示せず)の一辺がそれぞれ高力ボルト8にて接合されている。
【0008】
さらに、H形鋼製の鋼製梁4の端部を、鋼製柱6の前記フランジ6aに近接して配置したうえ、2組のアングル材7の他辺で鋼製梁4の梁端ウェブ4aの両側面を挟み、アングル材7の他辺に開設された複数のボルト挿通孔10に複数の高力ボルト8を挿通しナットを締結することで、鋼製柱6と鋼製梁4が摩擦接合されている。鋼製梁4の梁上フランジ4bにはスタッドジベル11(図示せず。)が立設されていて、このスタッドジベル11を介してコンクリートの床スラブ12(図示せず。)が打設されていて、鋼製梁4で床スラブ12の鉛直荷重を支えている。
【0009】
また、鋼製梁4の下フランジ4cと鋼製柱6との間は、厚鋼板製の軸力抵抗斜材13の上端の水平板14を、鋼製梁4の下フランジの下面にボルト接合し、軸力抵抗斜材13の下端の垂直板15を鋼製柱6の側面にボルト接合した、制振ダンパー16で支持されていて、この制振ダンパー16によりエネルギー吸収効率がアップする。
【0010】
前記の設計上ピン仮定の接合構造では、制振ダンパー16が軸力抵抗接合要素となって、鋼製梁4に作用する軸力に抵抗する。また、アングル材7が軸力とせん断力抵抗接合要素となって、鋼製梁4に作用する軸力と、せん断力伝達に抵抗する。
【0011】
さらに、鋼製柱6と鋼製梁4の接合部に作用する回転力に対しては、鋼製梁4の梁端ウェブ4aの中央付近を固定している前記の軸力+せん断力抵抗接合要素の部位が回転中心となって、鋼製柱6に対して鋼製梁4が回転することで、柔軟に対応でき、この点で従来技術(1)、(2)の欠点が改良されている、つまり、骨組剛性の低下がなく、しかも、柱梁接合部の耐震性能が向上し、かつコスト低減、施工工期の短縮などでも有利である。
【0012】
前記(3)の設計上ピン仮定の接合構造は、なお、改良の余地を残していた。すなわち、設計上ピン仮定の接合構造が有効に機能するには、アングル材7と高力ボルト8からなる接合要素の配設位置が、当該柱梁の接合部の回転中心に位置していることが望ましい。この回転中心位置は、鋼製梁4の単体でみた場合、梁端の梁ウェブ4aの梁せい中心であり、この考察に基づいて、図18でも、アングル材7(軸力+せん断力抵抗接合要素)は、梁ウェブ4aのせい中心に設けられている。
【0013】
しかし、実際には、鋼製梁4上には床スラブ12が設置されて、床スラブ12と鋼製梁4が一体化することで合成梁17(図示せず。)が構築されることで、合成梁17の中心は、鋼製梁4から見た場合は、梁せい中心より上部で、上フランジ4b寄りの位置に変位する。
【0014】
このように、合成梁17から見た場合、柱・梁接合部の回転中心が梁上フランジ寄りに移行したのに対し、図18の接合構造では、柱に対して梁ウェブ4aの中央部を固定している軸力+せん断力抵抗接合要素が回転に対して抵抗しようとするため、この接合要素がある程度モーメントを負担し、接合要素に増幅されたせん断力が作用し破断の可能性が残されていた。
【0015】
(4)設計上ピン仮定方式の改良型(特願2001−180125号、出願時未公開。特開2002−371627号公報参照。)は、(3)の接合方式における、前記の点が改良されていて、鋼製梁と床スラブが一体化することで構築される合成梁からみた中心、つまり、鋼製梁から見た場合は、梁上フランジ寄りの位置に軸力+せん断力抵抗接合要素を設ける。これにより、柱梁の接合部に作用する回転力に対して、前記の接合要素に増幅されたせん断力が作用せず、柱・梁接合部の回転角が1/50radを上回るような大変形を生じたときも、設計上ピン仮定が有効に機能する接合構成とすることで、破断が生じない柱・梁の接合構造とされている。(これの詳細は、本発明の実施形態の中で説明する)
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記(3)設計上ピン仮定方式および、(4)設計上ピン仮定方式の改良型のそれぞれに残されている共通の課題を解決するものである。
【0017】
つまり、(3)、(4)の設計上ピン仮定方式や、その改良型にあっては、柱と梁の接合要素(軸力+せん断力抵抗接合要素)がピン接合であり、それ故に、梁端部には柱に対する自由端が存在しているため、溶接接合を用いる(1)のダイヤフラム方式や、(2)スプリットティーなどの接合金物方式に比べ、地震時や強風時に梁に作用する梁軸直角方向水平力(以下、ねじれ又は、横座屈と略称する)に対し、抵抗力が不足することがある。
【0018】
本発明は、前記(3)、(4)の設計上ピン仮定方式や、その改良型における横座屈抵抗力の問題を解決した柱と梁の接合構造を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は次のように構成する。
【0020】
第1の発明は、梁の片方もしくは両方のフランジを、主に軸力で抵抗する軸力抵抗接合要素を介して柱に接合し、梁端部では、梁ウェブを、主に梁に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する軸力+せん断力抵抗接合要素で柱に接合し、さらに、梁端部の梁フランジ側は、主に梁のねじれに対して抵抗するねじれ抵抗接合要素で柱と接合することを特徴とする。
【0021】
第2の発明は、梁の片方もしくは両方のフランジを、主に軸力で抵抗する軸力抵抗接合要素を介して柱に接合し、梁端部では、梁の中心より上フランジ側もしくは下フランジ側の一方を、主に梁に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する軸力+せん断力抵抗接合要素で柱に接合し、該軸力+せん断力抵抗接合要素を設けた側と反対のフランジ側は、主に梁のねじれに対して抵抗するねじれ抵抗接合要素で柱と接合することを特徴とする。
【0022】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記のねじれ抵抗接合要素は、所定板厚で、所定幅の鋼板で形成し、柱側面と平行な垂直部と、この垂直部の上部に連続する前傾斜部と一体でかつ梁フランジと平行に設けられ、前傾斜部が撓むことにより梁軸方向に可動な水平部を有し、前記の垂直部を柱にボルト接合し、前記の水平部を梁に固定して構成したことを特徴とする。
【0023】
第4の発明は、第1または第2の発明において、前記のねじれ抵抗接合要素は、所定板厚で、所定幅の鋼板で形成し、柱側面と平行な垂直部と、垂直部と一体でかつ梁フランジと平行に設けられ、前記垂直部が撓むことにより梁軸方向に可動な水平部を有し、前記の垂直部を柱にスペーサーを介してボルト接合し、前記の水平部を梁に固定して構成したことを特徴とする。
【0024】
第5の発明は、第1または第2の発明において、前記のねじれ抵抗接合要素は、柱側面と平行な垂直部と、梁フランジと平行な水平部を有し、前記水平部を前記垂直部と一体の第1水平部と、第1水平部と分離した第2水平部とで構成し、第1水平部と第2水平部は、梁軸方向は互いに伸縮可能な係合とし、梁軸直角方向の動きは拘束する摺動係合とし、前記垂直部を柱にボルト接合し、第2水平部を梁にボルト接合して構成したことを特徴とする。
【0025】
第6の発明は、第5の発明における、ねじれ抵抗接合要素は、所定板厚で、所定幅の鋼板により、柱側面と平行な垂直平板部と、梁フランジと平行な水平平板部を有した略L字形に形成し、前記水平平板部を前記垂直平板部と一体の第1水平平板部と、第1水平平板部と分離した第2水平平板部とで構成し、第1水平平板部と第2水平平板部は、梁軸方向は互いに伸縮可能な係合とし、梁軸直角方向の動きは拘束する凹凸接合として構成したことを特徴とする。
【0026】
第7の発明は、第1または第2の発明において、前記のねじれ抵抗接合要素は、梁フランジに固定した梁側連結プレートと、梁側連結プレートより下の部位で柱に固定した柱側連結プレートと、前記両連結プレート間を連結する可動連結部材と、各連結プレートと可動連結部材との当接部を梁軸直角方向に挿通するボルト接合部で構成したことを特徴とする
【0027】
【作用】
第1の発明によると、軸力抵抗接合要素(制振ダンパー)と、軸力+せん断力抵抗接合要素との組合わせで、柱・梁の接合部において、鋼製梁に作用する軸力とせん断力に抵抗し、かつ設計上ピン仮定接合の機能を発揮することで接合部が破断せず、さらに、梁端をねじれ抵抗接合要素を介して柱に接合することで、変形能力が大きく、かつ梁端部でねじれを生じない柱・梁接合構造にできる。
【0028】
第2の発明によると、鋼製梁と床スラブが一体化してなる合成梁の中心、つまり、梁の一方のフランジに近い側にせん断力+軸力抵抗接合要素を設け、これと軸力抵抗接合要素と組合わせることで、鋼製梁に作用する軸力とせん断力に抵抗し、かつ、第1の発明よりも一層有効に設計上ピン仮定接合の機能を発揮して接合部が破断せず、さらに、第1の発明と同様に、梁端をねじれ抵抗接合要素を介して柱に接合することで、変形能力が大きく、かつ梁端部でねじれを生じない柱・梁接合構造にできる。
【0029】
第3〜第7の発明によると、第1、第2発明の作用に加えて、鋼製梁のねじれに対して抵抗する接合要素が、梁の正負両方向の曲げに対して十分な変形能力を確保すると共に、構造が簡潔にして、かつ加工・施工の容易なボルト接合とすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態1〜7を図1〜図16を参照して順に説明する。
【0031】
まず、図1、2によって実施形態1を説明する。
【0032】
実施形態1において、下フランジ4cとウェブ端部に複数のボルト孔を有する鋼製梁4の先端のウェブ4aを、一対のアングル材7を介して鋼製柱6のフランジ6aに高力ボルト8で接合して、設計上のピン仮定による接合要素として、軸力+せん断力抵抗接合要素を構成する。また、鋼製梁4の先端から所定距離だけ離れた領域で鋼製梁4の下フランジ4cを、制振ダンパー16の水平板14に高力ボルト8で接合し、この制振ダンパー16の鉛直板15を、鋼製梁4の下フランジ4cの下面から所定距離だけ離れた領域で、鋼製柱6のフランジ6aに高力ボルト8で接合して、柱梁接合部の軸力抵抗接合要素を構成する。
【0033】
アングル材7は、図1(C)に示すように、複数のボルト孔7aを有する鉛直板7bと、複数のボルト孔7aを有する梁取付け板7cにより形成されている。
【0034】
制振ダンパー(軸力抵抗要素)16は、図1(B)に示すように、軸力抵抗斜材13の上下端部にそれぞれ複数のボルト孔14aを有する水平板14と、ボルト孔15aを有する鉛直板15を接合してなり、厚鋼板を加工して接合されたものである。この制振ダンパー16は、鋼製柱6と鋼製梁4に高力ボルト8で接合された状態では、鋼製柱6の軸に対して、角度α(αは20〜70度)傾斜している。
【0035】
前記の軸力+せん断力抵抗接合要素(設計上のピン仮定による接合要素)で構成される柱梁接合部においては、アングル材7の上下に位置する梁端部は、鋼製柱6の側面から少し離れている、つまり、梁の上下フランジ4b、4cの近傍では梁端縁と鋼製柱6とは接合しない構成(自由端)とされているので、この点で、剛結合による柱梁の接合部構造に比べ、梁の横座屈が弱くなり勝ちである。
【0036】
本発明では、前記の弱点を鋼製柱6の一方のフランジ6aと鋼製梁4の下フランジ4cとに渡って配設する横座屈防止部材(梁のねじれ抵抗接合要素)18で解決している。以下この点を説明する。横座屈防止部材18は、所定板厚で、所定幅の可撓性を有する鋼板で形成し、柱側面と平行な垂直平板部19と、垂直平板部19の上端に連続する前傾斜部21を介して接続される梁フランジと平行な水平平板部20からなる。そして、垂直平板部19を鋼製柱6にボルト接合したとき、梁の下フランジ4cに固着した水平平板部20は、前傾斜部21の撓みを介して梁軸方向に可動的に設けられる。
【0037】
なお、実施形態1において、鋼製梁4の上面には梁上フランジ4bに立設したスタッドジベル11を介して、コンクリートの床スラブ12が打設され、鋼製梁4と床スラブ12が一体化して合成梁17が構成される。
【0038】
実施形態1の作用を説明すると、地震などより柱・梁接合部に作用する曲げにより、鋼製梁4に作用するせん断力や軸力に対しては、軸力+せん断力抵抗接合要素が抵抗する。すなわち、軸力に対しては、梁端の高力ボルト8による摩擦接合部で応力を伝達し、せん断力はボルト摩擦接合部におけるアングル材7の板曲げで抵抗する。また、梁軸方向に作用する軸力に対しては、主として制振ダンパー16の軸力で抵抗する。
【0039】
さらに、地震などにより柱・梁接合部を支点として鋼製梁4に作用する梁軸直角方向の水平力(以下、ねじれという)に対しては、ねじれ抵抗接合要素である、横座屈防止部材18が幅方向で抵抗する。また、この横座屈防止部材18は、板厚方向には可撓性(バネ性)を有していて、鋼製梁4の梁軸方向の動きは許容しているので、横座屈防止部材18を設けることによっても柱・梁接合部が、耐震性の低下につながる剛結合になるおそれがない。このように、実施形態1によると柱・梁接合部を設計上ピン仮定接合にしたことによる、梁のねじれ抵抗耐力の低下の弱点を横座屈防止部材18によって不具合を生じることなく解決している。
【0040】
次に、図3は実施形態2を示す。この実施形態2では、鋼製梁4の下フランジ4cに設けたのと同じ構成の制振ダンパー16を、上フランジ4b側にも対称的に設けた点が実施形態1と相違する。また、図3には、梁のねじれ抵抗接合要素である、横座屈防止部材18の実施形態1と相違する2つの例を示し、かつ、横座屈防止部材18を梁の上下フランジ4b、4cに2箇所設ける例を示している。
【0041】
図3(A)〜(C)に示す横座屈防止部材18は、所定板厚で、所定幅の可撓性を有する鋼板によって、柱側面と平行な垂直平板部22と、梁の上下フランジ4b、4cと平行な水平平板部23を有した略L字形に構成し、梁の上下において、各横座屈防止部材18の垂直平板部22を鋼製柱6のフランジ6aにそれぞれスペーサー24を介して高力ボルト8で接合し、かつ、水平平板部23を鋼製梁4の下フランジ4cと上フランジ4bにそれぞれ高力ボルト8で固定している。
【0042】
したがって、図3(A)〜(C)の実施形態2においても、実施形態1と同様に地震などより柱・梁接合部に作用する上下方向の曲げによる軸力に対しては、軸力+せん断力抵抗接合要素において、梁端の高力ボルト8による摩擦接合部で応力を伝達し、せん断力はボルト摩擦接合部におけるアングル材7の板曲げで抵抗する。また、梁軸方向に作用する軸力に対しては、軸力抵抗要素である、主として梁の上下フランジ4b、4cの2つの制振ダンパー16の軸力で抵抗する。
【0043】
さらに、地震などより柱・梁接合部を支点として鋼製梁6に作用する梁軸直角方向の水平力(ねじれ)に対しては、上下2つのねじれ抵抗接合要素である、横座屈防止部材18が幅方向で抵抗する。しかも、横座屈防止部材18の垂直平板部22はスペーサー24を介して、鋼製柱6との間に隙間を置いて設けられていて、かつ、板厚方向には可撓性を有しているから、水平平板部23の鋼製梁4の梁軸方向の動きは許容しており、したがって、実施形態2の横座屈防止部材18を設けることによっても柱・梁接合部が、耐震性の低下につながる剛結合になることがない。
【0044】
図3(D)、(E)は、実施形態2の変形例として、横座屈防止部材18の他の構成例を示す。この横座屈防止部材18は、同図に示すように、鋼製柱6と平行な垂直部25と、梁の下フランジ4cと平行な水平部26を有し、水平部26を前記垂直部25と一体の第1水平部26aおよび、第1水平部26aと分離した第2水平部26bで構成する。さらに、この第1水平部26aと第2水平部26bは、例えば、図示すように各水平部に互いに梁軸方向に嵌り合うように設けた凹部27凸部28との嵌り合い構造(或いは櫛歯噛合い構造でもよい)とすることで、梁軸方向には互いに伸縮可能な係合とし、梁軸直角水平方向の動きは拘束する摺動係合とする。そして、垂直部25を鋼製柱6に高力ボルト8で接合し、第2水平部26bを鋼製梁4に高力ボルト8で接合して構成する。
【0045】
この変形例の横座屈防止部材18によっても、前記凹部27と凸部28との嵌合により、鋼製梁4の軸方向の動きを許容し、水平方向の動きを拘束することによって、図3(A)〜(C)に示した横座屈防止部材18と同様の、横座屈防止の作用効果を奏する。
【0046】
図4〜図6は実施形態3を示す。この実施形態3では、柱・梁接合部において、梁軸方向の軸力抵抗接合要素となる制振ダンパー16の構成は、図1の実施形態1と同じである。また、梁のねじれに対して抵抗する接合要素となる横座屈防止部材18の構成、すなわち、柱側面と平行な垂直平板部19を鋼製柱6の一方のフランジ6aに高力ボルト8で接合し、梁下フランジ4cと平行な水平平板部20を下部フランジ4cに高力ボルト8で接合してなる構成も実施形態1と同じである。
【0047】
この実施形態3では、鋼製梁4の梁端の上フランジ4bと鋼製柱6のフランジ6aを、上下一対のアングル材29の各片を介してに高力ボルト8で接合してなる、設計上のピン仮定による接合要素により、柱・梁接合部における軸力+せん断力抵抗接合要素として構成する点が、先の実施形態1、2と相違するのでこの点を説明する。
【0048】
既述のように、鋼製梁4の上にはスタッドジベル11を介して床スラブ12が打設され、両部材が一体化されることで一つの合成梁17が構築される。この場合、梁上のコンクリートの床スラブ12で梁端の梁上フランジ4b近傍の変形が拘束されるため、柱・梁接合部の回転中心が梁上フランジ4b寄りに移行する。したがって、合成梁17の中立軸O−Oは、単体である鋼製梁4のウェブ幅方向の中立軸O1 −O1 よりも上方に変位し、特に、梁端の梁上フランジ4bの近傍に位置する。実施形態3では、この上方に変位した合成梁17の中立軸O−Oにより近い位置、つまり、梁上フランジ4bに、アングル材29からなる軸力+せん断力抵抗接合要素を配置している。
【0049】
実施形態3をさらに説明すると、図4〜図6に示すように、柱梁接合部に作用する軸力+せん断力抵抗要素が、垂直板30および水平板31からなる縦断面L字形のアングル材29を一体に組合わせて構成され、各アングル材29の垂直板30を鋼製柱6の一方のフランジ6aに当てがい、高力ボルト8で摩擦接合し、上下の水平板31で梁の上フランジ4bの上下面を挟持して、高力ボルト8で摩擦接合し、設計上のピン仮定による接合とし、この接合要素が合成梁17の中立軸O−Oの近傍に設けられた例が示されている。
【0050】
なお、梁上フランジ4bの下面に当てがうアングル材29は、梁ウェブ4aを避けるため左右部材に分割されている。鋼製柱6と鋼製梁4には、必要に応じてスチフナー32を設けるとよい。また、設計上のピン仮定による接合要素であるアングル材29より下部の位置において、梁下部フランジ4cの近傍では梁端縁と鋼製柱6とは接合しない構成とされている。
【0051】
実施形態3において、地震などより柱・梁接合部に作用する曲げにより、鋼製梁4にせん断力や軸力が作用するとき、当該梁に作用する軸力は、梁端の梁上フランジ4bとアングル材29との高力ボルト8による摩擦接合部で応力を伝達し、せん断力はボルト摩擦接合部における上下一対のアングル材29の板曲げで抵抗する。
【0052】
また、柱・梁接合部に回転力が作用したとき、合成梁17の中立軸O−Oを中心とする回転力が作用するが、実施形態3では、中立軸O−Oに近い梁端の上フランジ4bに軸力+せん断力抵抗要素(アングル材29)が位置するので、このとき、アングル材29にせん断力が作用せず、当該アングル材29が設計上ピン仮定として十分に機能できる。したがって、柱・梁接合構造に作用する大変形に対しても、柱・梁接合要素であるアングル材29はせん断されず、十分に機能することができる。
【0053】
さらに、前述のように、アングル材29の配設位置より下部の位置、つまり、梁下フランジ4cの近傍では、梁端縁と鋼製柱6とは接合しない構成とされているので、アングル材29によるピン支持機能的挙動が一層確実に行われる。
【0054】
一方、地震などより柱・梁接合部を支点として鋼製梁4に梁軸直角方向の水平力(ねじれ)が作用した場合において、鋼製梁4の梁端縁の下部と鋼製柱6は前述のとおり接合しない構成とされていることにより、鋼製梁4に水平方向の力(ねじれ)による横座屈の耐力が弱い。この問題については、実施形態1で説明したのと同じ、横座屈防止部材18が幅方向で抵抗することで解決されている。しかも、横座屈防止部材18は可撓性を有する鋼板であるから、鋼製梁4の梁軸方向の動きは許容しており、したがって、横座屈防止部材18を設けることによっても柱・梁接合部が、耐震性の低下につながる剛結合になることがない。
【0055】
図7は実施形態4を示す。この実施形態4では、鋼製梁4の上にコンクリートの床スラブ12を打設し、両者が一体化して構築された合成梁17の中立軸O−O、つまり、梁上フランジ4bにアングル材29からなる軸力+せん断力抵抗接合要素を設けることは、実施形態3と同じである。また、鋼製梁4の下フランジ4bに設けたのと同じ構成の制振ダンパー16を、上フランジ4b側にも対称的に設けた点は実施形態2と同じである。他方、ねじれ抵抗接合要素である、横座屈防止部材18の構成が実施形態1〜3の何れとも相違している。
【0056】
実施形態4の横座屈防止部材18は、図7に示すように、梁の下フランジ4cに固定した梁側連結プレート33と、この梁側連結プレート33より下の部位で鋼製柱6に固定した柱側連結プレート34と、両連結プレート33、34間を連結する、2つの横断面コ字状の部材を背中合わせに配置してなる可動連結部材35と、各連結プレート33、34と可動連結部材35との当接部を梁軸直角方向に挿通する高力ボルト8で構成されている。
【0057】
したがって、実施形態4においても、実施形態3と同様に地震などより柱・梁接合部に作用する曲げによる軸力に対しては、設計上ピン仮定接合としたアングル材29からなる軸力+せん断力抵抗接合要素において、梁端の高力ボルト8による摩擦接合部で応力を伝達し、せん断力はボルト摩擦接合部におけるアングル材29の板曲げで抵抗する。また、梁軸方向に作用する軸力に対しては、主として梁の上下フランジ4b、4cの2つの制振ダンパー16の軸力で抵抗する。
【0058】
さらに、地震などより柱・梁接合部を支点として鋼製梁4に作用する梁軸直角方向の水平力(ねじれという)に対しては、横座屈防止部材18において、梁軸直角方向に挿通する高力ボルト8で接合された、各連結プレート33、34と可動連結部材35で抵抗する。しかも、横座屈防止部材18は上下の高力ボルト8による2つの枢軸部を支点として、可動連結部材35の上下が逆方向に移動することで、鋼製梁4の梁軸方向の動きのみを許容している。したがって、横座屈防止部材18を設けることによっても柱・梁接合部が、耐震性の低下につながる剛結合になることがない。
【0059】
図8(A)〜(H)は、実施形態1〜4に示した横座屈防止部材18を単体で示す側面図と斜視図である。
【0060】
図8(A)、(B)に示すのは、図1、2の実施形態1および、図4の実施形態3に示す横座屈防止部材18であり、図(C)、(D)に示すのは、図3の実施形態2に示す横座屈防止部材18である。図(E)、(F)に示すのは、図3(C)、(D)の実施形態2の変形例に示す横座屈防止部材18であり、図(G)、(H)に示すのは、図7の実施形態4に示す横座屈防止部材18であり、これらの作用効果は、各実施形態で説明したとおりである。
【0061】
図9〜図11は実施形態5を示し、図12〜図14は、実施形態6を示す。各実施形態5、6において、梁の上フランジ4bをアングル材29を用いて鋼製梁4に固定する点は図4〜図6の実施形態3および、図7の実施形態4と同じである。また、図9〜図11に示す実施形態5の横座屈防止部材18は、図3(A)〜(C)の実施形態2と同じである。さらに、図12〜図14に示す実施形態6の横座屈防止部材18は、図3の図3(D)、(E)の構成と同じであり、これらによる作用効果は、前記の各実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0062】
図9〜図14の実施形態5と6では、主として鋼製梁4に作用する軸力に抵抗する軸力抵抗接合要素が実施形態1〜4と相違する。実施形態5において、制振ダンパー16aとして、鋼製軸力部材を鋼製部材で座屈拘束した座屈拘束筋かい部材(実開平5−3402)や粘弾性ダンパー、オイルダンパー等を使用する例を概要図で示している。図9〜図11の実施形態5と、図12の実施形態6との違いは、前者が鋼製梁4の下部フランジ4cと鋼製柱6との間に制振ダンパー16a設けてあるのに対し、後者では、下部フランジ4cおよび上フランジ4bと鋼製柱6との間に制振ダンパー16aを設けてある点である。
【0063】
実施形態5、6の制振ダンパー16aを組み込むことで、柱・梁接合部の接合剛性を従来に比べ大幅に低減でき、その結果、主架構(柱+梁)の剛性に比べ、剛性が小の制振機能を有する軸力抵抗接合要素によるエネルギー吸収効率がアップし、かつ、変形追従性がアップする。
【0064】
次に、図15、図16は実施形態7を示す。この実施形態7において、梁の上フランジ4bをアングル材29を用いて鋼製梁4に固定する点は図4の実施形態3および、図7の実施形態4、図9〜図14に示す実施形態5、6と同じである。また、実施形態7の横座屈防止部材18は、図7、図8(G)、(H)に示す実施形態4の構成と同じであり、これによる作用効果は、前記の各実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0065】
本発明において、各実施形態に示した、軸力+せん断力抵抗接合要素と軸力抵抗接合要素と横座屈防止機構のそれぞれの構成は一例であって、各要素の構成を設計変更的に変えて実施すること及び、各実施形態に示した抵抗要素の組み合わせを変えて実施することは、当業者が容易に実施でき、本発明の範囲である。
【0066】
【発明の効果】
本発明によると、柱・梁接合部を設計上ピン仮定接合とし、柱・梁接合部を低剛性とすることで耐震性能を付与する、つまり、柱・梁主架構部材に対して制振部材で地震エネルギーを負担する割合を高め、被災後も柱・梁部材を健全(弾性範囲)に保つことが可能な骨組の提供を容易にできる柱・梁の接合部構造において、梁端部と柱との間に横座屈防止機構を設けたことにより、設計上ピン仮定接合の長所である低剛性接合機能を減殺することなく、しかも、設計上ピン仮定接合の弱点である、梁軸直角方向の力(ねじれ)に対する抵抗性を向上できたもので、地震時の耐震性能を一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、本発明の実施形態1に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、制振ダンパー(軸力抵抗要素)の斜視図、(C)は、アングル材(軸力+せん断力抵抗要素)の斜視図、(D)は、第1例に係る横座屈防止部材の斜視図である。
【図2】 (A)は、図1(A)の主要部の縦断面図、(B)は、図2(A)の側面図、(C)は、図2(A)の横断平面図である。
【図3】 (A)は、本発明の実施形態2に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、図(A)の平面図、(C)は、第2例に係る横座屈防止部材の斜視図、(D)は、第3例に係る横座屈防止部材の側面図、(E)は、(D)に示す横座屈防止部材の分離斜視図である。
【図4】 (A)は、本発明の実施形態3に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、図(A)における横座屈防止部材の斜視図である。
【図5】 (A)は、図4の要部拡大平面図、(B)は、(A)のa−a断面図である。
【図6】 (A)、(B)、(C)は、図5(A)のb−b、c−c、d−d断面図である。
【図7】 (A)は、本発明の実施形態4に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、図(A)における第4例に係る横座屈防止部材斜視図である。
【図8】 (A)は、第1例の横座屈防止部材の側面図と斜視図、(C)、(D)は、第2例の横座屈防止部材の側面図と斜視図、(E)、(F)は、第3例の横座屈防止部材の側面図と斜視図、(G)、(H)は、第4例の横座屈防止部材の側面図と斜視図である。
【図9】 (A)は、本発明の実施形態5に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、図(A)における横座屈防止部材の斜視図である。
【図10】 (A)は、図9の要部拡大側面図、(B)は、図(A)のe−e断面図である。
【図11】 図10のf−f断面図である。
【図12】 (A)は、本発明の実施形態6に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、横座屈防止部材の斜視図である。
【図13】 (A)は、図12の要部拡大側面図、(B)は、図(A)のg−g断面図である。
【図14】 図13(A)のh−h断面図である。
【図15】 (A)は、本発明の実施形態7に係る鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、図(A)のj−j断面図である。
【図16】 図15(A)のk−k断面図である。
【図17】 (A)は、第1従来例として、スプリットティー方式の鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、図(A)における平面図、(C)は、スプリットティーの斜視図である。
【図18】 (A)は、第2従来例として、設計上ピン仮定方式の鋼製柱と鋼製梁との接合構造を示す側面図、(B)は、図(A)における制振ダンパーの斜視図、(C)は、アングル材の斜視図である。
【符号の説明】
1 角形鋼管
2 接合金物
3 ワンサイドボルト
4 鋼製梁
4a ウェブ
4b 梁上フランジ
4c 梁下フランジ
5 ボルト
6 鋼製柱
7 アングル材
8 高力ボルト
10 ボルト孔
11 スタッドジベル
12 床スラブ
13 軸力抵抗斜材
14 上端の水平板
15 下端の水平板
16 制振ダンパー
16a 制振ダンパー
17 合成梁
18 横座屈防止部材
19 垂直平板部
20 水平平板部
21 前傾斜部
22 垂直平板部
23 水平平板部
24 スペーサ
25 垂直部
26 水平部
26a 第1水平部
26b 第2水平部
27 凹部
28 凸部
29 アングル材
30 垂直板
31 水平板
32 スチフナー
33 梁側連結プレート
34 柱側連結プレート
35 可動連結部材
Claims (7)
- 梁の片方もしくは両方のフランジを、主に軸力で抵抗する軸力抵抗接合要素を介して柱に接合し、梁端部では、梁ウェブを、主に梁に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する軸力+せん断力抵抗接合要素で柱に接合し、さらに、梁端部の梁フランジ側は、主に梁のねじれに対して抵抗し梁軸方向の動きは許容するねじれ抵抗接合要素で柱と接合することを特徴とする、柱と梁の接合構造。
- 梁の片方もしくは両方のフランジを、主に軸力で抵抗する軸力抵抗接合要素を介して柱に接合し、梁端部では、梁の中心より上フランジ側もしくは下フランジ側の一方を、主に梁に作用するせん断力と軸力に対して抵抗する軸力+せん断力抵抗接合要素で柱に接合し、該軸力+せん断力抵抗接合要素を設けた側と反対のフランジ側は、主に梁のねじれに対して抵抗し梁軸方向の動きは許容するねじれ抵抗接合要素で柱と接合することを特徴とする、柱と梁の接合構造。
- 前記ねじれ抵抗接合要素は、所定板厚で、所定幅の鋼板で形成し、柱側面と平行な垂直部と、この垂直部の上部に連続する前傾斜部と一体でかつ梁フランジと平行に設けられ、前傾斜部が撓むことにより梁軸方向に可動な水平部を有し、前記の垂直部を柱にボルト接合し、前記の水平部を梁に固定して構成したことを特徴とする、請求項1または2記載の柱と梁の接合構造。
- 前記ねじれ抵抗接合要素は、所定板厚で、所定幅の鋼板で形成し、柱側面と平行な垂直部と、垂直部と一体でかつ梁フランジと平行に設けられ、前記垂直部が撓むことにより梁軸方向に可動な水平部を有し、前記の垂直部を柱にスペーサーを介してボルト接合し、前記の水平部を梁に固定して構成したことを特徴とする、請求項1または2記載の柱と梁の接合構造。
- 前記ねじれ抵抗接合要素は、柱側面と平行な垂直部と、梁フランジと平行な水平部を有し、前記水平部を前記垂直部と一体の第1水平部と、第1水平部と分離した第2水平部とで構成し、第1水平部と第2水平部は、梁軸方向は互いに伸縮可能な係合とし、梁軸直角方向の動きは拘束する摺動係合とし、前記垂直部を柱にボルト接合し、第2水平部を梁にボルト接合して構成したことを特徴とする、請求項1または2記載の柱と梁の接合構造。
- 請求項5記載のねじれ抵抗接合要素は、所定板厚で、所定幅の鋼板により、柱側面と平行な垂直平板部と、梁フランジと平行な水平平板部を有した略L字形に形成し、前記水平平板部を前記垂直平板部と一体の第1水平平板部と、第1水平平板部と分離した第2水平平板部とで構成し、第1水平平板部と第2水平平板部は、梁軸方向は互いに伸縮可能な係合とし、梁軸直角方向の動きは拘束する凹凸接合として構成したことを特徴とする、柱と梁の接合構造。
- 前記ねじれ抵抗接合要素は、梁フランジに固定した梁側連結プレートと、梁側連結プレートより下の部位で柱に固定した柱側連結プレートと、前記両連結プレート間を連結する可動連結部材と、各連結プレートと可動連結部材との当接部を梁軸直角方向に挿通するボルト接合部で構成したことを特徴とする、請求項1または2記載の柱と梁の接合構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002063148A JP3678709B2 (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | 柱と梁の接合構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002063148A JP3678709B2 (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | 柱と梁の接合構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003261993A JP2003261993A (ja) | 2003-09-19 |
JP3678709B2 true JP3678709B2 (ja) | 2005-08-03 |
Family
ID=29196567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002063148A Expired - Fee Related JP3678709B2 (ja) | 2002-03-08 | 2002-03-08 | 柱と梁の接合構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3678709B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103290930A (zh) * | 2013-04-03 | 2013-09-11 | 青岛理工大学 | 一种l型加强板螺栓连接装置 |
CN111255067A (zh) * | 2018-11-30 | 2020-06-09 | 上海宝冶集团有限公司 | 用于装配式建筑边模块的竖向连接节点及其使用方法 |
Families Citing this family (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007211465A (ja) * | 2006-02-08 | 2007-08-23 | Univ Kanagawa | サステナブルビル構造の床構造 |
JP4861067B2 (ja) * | 2006-06-15 | 2012-01-25 | 大成建設株式会社 | 鉄骨架構 |
JP5437009B2 (ja) * | 2009-10-02 | 2014-03-12 | 旭化成ホームズ株式会社 | 架構の補強構造 |
JP5439666B2 (ja) * | 2010-03-29 | 2014-03-12 | 日鐵住金建材株式会社 | 方杖型接合要素 |
CN104131631B (zh) * | 2014-08-15 | 2016-06-08 | 重庆大学 | 一种抗震框架顶层端节点构造的施工方法 |
WO2016077943A1 (zh) * | 2014-11-17 | 2016-05-26 | 仙泊绿建筑有限公司 | 建筑支撑单元及应用有该建筑支撑单元的建筑支撑结构 |
CN106677336A (zh) * | 2016-12-30 | 2017-05-17 | 北京工业大学 | 一种方钢管混凝土柱与工字形截面钢梁的连接节点构造及作法 |
CN107447861A (zh) * | 2017-09-09 | 2017-12-08 | 北京工业大学 | 一种带斜撑的装配式钢结构方管柱梁柱节点连接装置 |
CN107366362A (zh) * | 2017-09-09 | 2017-11-21 | 北京工业大学 | 一种带斜撑的装配式钢结构异形柱梁柱节点连接装置 |
CN107489197A (zh) * | 2017-09-09 | 2017-12-19 | 北京工业大学 | 一种带斜撑的装配式钢结构h型钢柱梁柱节点连接装置 |
CN107447862A (zh) * | 2017-09-09 | 2017-12-08 | 北京工业大学 | 一种带斜撑的装配式钢结构梁与h型钢柱腹板连接的节点连接装置 |
CN107882186A (zh) * | 2017-10-18 | 2018-04-06 | 北京工业大学 | 一种带斜撑的梁模块装配式钢结构异形柱梁柱节点连接装置 |
JP2020100938A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-07-02 | 丸紅建材リース株式会社 | 山留壁の架構構造 |
CN110195469A (zh) * | 2019-06-12 | 2019-09-03 | 大连交通大学 | 一种用于预制装配式钢筋混凝土框架结构的耗能钢质梁柱节点 |
CN110158771A (zh) * | 2019-06-12 | 2019-08-23 | 大连交通大学 | 一种用于建筑钢结构的防屈曲支撑耗能型梁柱节点 |
CN111519760B (zh) * | 2020-04-28 | 2021-12-28 | 韩玉树 | 一种拼装式钢结构及其加工方法 |
CN112301928A (zh) * | 2020-11-17 | 2021-02-02 | 辽宁工程技术大学 | 一种工业厂房结构柱防撞吸能桩 |
CN113175077A (zh) * | 2021-04-21 | 2021-07-27 | 哈尔滨工业大学 | 新型装配式防屈曲支撑钢框架结构狗骨式连接节点单元 |
CN113136950A (zh) * | 2021-04-30 | 2021-07-20 | 福建九鼎建设集团有限公司 | 一种新型装配式钢结构梁柱节点及其施工方法 |
-
2002
- 2002-03-08 JP JP2002063148A patent/JP3678709B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103290930A (zh) * | 2013-04-03 | 2013-09-11 | 青岛理工大学 | 一种l型加强板螺栓连接装置 |
CN111255067A (zh) * | 2018-11-30 | 2020-06-09 | 上海宝冶集团有限公司 | 用于装配式建筑边模块的竖向连接节点及其使用方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003261993A (ja) | 2003-09-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3678709B2 (ja) | 柱と梁の接合構造 | |
JP6001755B2 (ja) | 弾塑性履歴型ダンパ | |
JP4631280B2 (ja) | 制震橋脚 | |
JP2003193699A (ja) | 弾塑性・粘弾性ブレース | |
JP5798359B2 (ja) | 変形制限機能付きダンパー内蔵耐震装置 | |
KR102217178B1 (ko) | 보강강판 및 관통볼트를 사용한 충전형 합성 보-기둥의 무용접 접합 구조체 | |
KR102034116B1 (ko) | 손상제어형 기둥-보 접합구조물 및 기둥-보 접합부 보강공법 | |
JP4719119B2 (ja) | 既設建築構造物の耐震改修工法 | |
JPH10140873A (ja) | 建築物の制振構造 | |
JP5132503B2 (ja) | 耐震構造、及び建物 | |
KR20130088462A (ko) | 기둥-보 접합구조물 및 접합방법 | |
JP4635700B2 (ja) | 建物の制震構造 | |
JP2002371626A (ja) | 鋼製柱と鋼製梁との接合構造 | |
JP3931944B2 (ja) | 制震ダンパーおよびその設置構造 | |
JP3796984B2 (ja) | H形鋼柱の梁接合部構造 | |
JP4829714B2 (ja) | スチールハウスの制震壁構造 | |
JP4698054B2 (ja) | 制振間柱とその構築方法 | |
JP4768587B2 (ja) | 建物の耐震構造 | |
JP2002371627A (ja) | 鋼製柱と鋼製梁との接合構造 | |
JP6976653B2 (ja) | 耐軸力部材 | |
JP3826355B2 (ja) | 構造物の制震構造 | |
JP3671311B2 (ja) | 既存建築物の制振補強構造 | |
JP7389356B2 (ja) | 筋かい金物、接合構造及び耐力壁 | |
JPH1171934A (ja) | 制振構造 | |
JP3100130B2 (ja) | 制震ブレース |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041110 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041214 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050419 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050510 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3678709 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313122 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080520 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090520 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100520 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100520 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100520 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100520 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110520 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110520 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120520 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120520 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130520 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130520 Year of fee payment: 8 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130520 Year of fee payment: 8 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130520 Year of fee payment: 8 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130520 Year of fee payment: 8 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |